【解決手段】配線基板10は、絶縁層35とビア配線36とを有する配線構造11と、配線構造11の上面に積層された配線構造12と、を有する。配線構造12は、絶縁層35の上面35A及びビア配線36の上端面36Aに形成された配線層50を有する。配線構造12は、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔60Xを有し、少なくとも一部が平面視格子状に形成されるとともに、絶縁層35上に積層されたプレーン層60と、絶縁層35上に積層され、貫通孔60Xを充填するとともに、プレーン層60及び配線層50を被覆する絶縁層51とを有する。配線構造12の配線密度は、配線構造11の配線密度よりも高い。各貫通孔60Xは、上側の開口端の開口幅が下側の開口端の開口幅よりも狭く形成されている。
前記第2貫通孔の上側の開口端の開口幅は、前記第1プレーン層上に形成された前記第2絶縁層の厚さよりも広く設定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の配線基板。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して各実施形態を説明する。なお、添付図面は、特徴を分かりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部の部材のハッチングを梨地模様に代えて示し、一部の部材のハッチングを省略している。
【0010】
(第1実施形態)
以下、
図1〜
図16に従って第1実施形態を説明する。
図1に示すように、配線基板10は、配線構造11と、配線構造11の一方の側の面(ここでは、上面)に積層された配線構造12と、配線構造11の他方の側の面(ここでは、下面)に積層されたソルダレジスト層13とを有している。配線基板10の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、配線基板10の平面形状は、20mm×20mm〜40mm×40mm程度の正方形状とすることができる。
【0011】
まず、配線構造11(第1配線構造)の構造について説明する。
配線構造11は、配線構造12よりも配線密度の低い配線層が形成された低密度配線層である。この配線構造11の厚さ方向の略中心部には、コア基板20が設けられている。コア基板20としては、例えば、補強材であるガラスクロス(ガラス織布)にエポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性の絶縁性樹脂を含浸させ硬化させた、いわゆるガラスエポキシ基板を用いることができる。補強材としてはガラスクロスに限らず、例えば、ガラス不織布、アラミド織布、アラミド不織布、液晶ポリマ(Liquid Crystal Polymer:LCP)織布やLCP不織布を用いることができる。熱硬化性の絶縁性樹脂としてはエポキシ樹脂に限らず、例えば、ポリイミド樹脂やシアネート樹脂などの樹脂材を用いることができる。また、コア基板20は、例えば、シリカ(SiO
2)やアルミナ(Al
2O
3)等のフィラーを含有していてもよい。なお、コア基板20の厚さは、例えば、80〜800μm程度とすることができる。
【0012】
コア基板20には、所要の箇所(
図1では4箇所)に貫通孔20Xが設けられている。貫通孔20Xは、コア基板20の上面20Aから下面20Bまでを貫通するように形成されている。貫通孔20X内には、コア基板20を厚さ方向に貫通する貫通電極21が形成されている。貫通電極21は、貫通孔20X内に充填されている。貫通孔20X及び貫通電極21は、図示は省略するが、例えば平面視略円形状に形成されている。これら貫通孔20X及び貫通電極21の直径は、例えば、50〜100μm程度とすることができる。貫通孔20X及び貫通電極21のピッチは、例えば、100〜200μm程度とすることができる。なお、貫通電極21の材料としては、例えば、銅(Cu)や銅合金を用いることができる。
【0013】
コア基板20の上面20Aには配線層22が形成され、コア基板20の下面20Bには配線層23が形成されている。これら配線層22,23は貫通電極21を介して相互に電気的に接続されている。なお、配線層22,23の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。配線層22,23の厚さは、例えば、15〜35μm程度とすることができる。配線層22,23のラインアンドスペース(L/S)は、例えば、20μm/20μm程度とすることができる。ここで、ラインアンドスペースとは、配線の幅と、隣り合う配線同士の間隔とを示す。
【0014】
コア基板20の上面20Aには、絶縁層31と、配線層32と、絶縁層33と、配線層34と、絶縁層35と、ビア配線36が順に積層されている。絶縁層31,33,35の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする非感光性の絶縁性樹脂を用いることができる。これら絶縁層31,33,35は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。配線層32,34及びビア配線36の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。また、絶縁層31,33,35の厚さは、例えば、20〜45μm程度とすることができる。配線層32,34の厚さは、例えば、15〜35μm程度とすることができる。配線層32,34のラインアンドスペース(L/S)は、例えば、20μm/20μm程度とすることができる。
【0015】
絶縁層31は、コア基板20の上面20Aに、配線層22を被覆するように形成されている。絶縁層31には、所要の箇所に、当該絶縁層31を厚さ方向に貫通して配線層22の上面の一部を露出する貫通孔31Xが形成されている。
【0016】
配線層32は、絶縁層31の上面に積層されている。配線層32は、貫通孔31X内に充填されたビア配線を介して配線層22と電気的に接続されている。この配線層32は、例えば、貫通孔31X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0017】
絶縁層33は、絶縁層31の上面に、配線層32を被覆するように形成されている。絶縁層33には、所要の箇所に、当該絶縁層33を厚さ方向に貫通して配線層32の上面の一部を露出する貫通孔33Xが形成されている。
【0018】
配線層34は、絶縁層33の上面に積層されている。配線層34は、貫通孔33X内に充填されたビア配線を介して配線層32と電気的に接続されている。この配線層34は、例えば、貫通孔33X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0019】
絶縁層35(第1絶縁層)は、配線構造11における最上層の絶縁層である。絶縁層35は、絶縁層33の上面に、配線層34を被覆するように形成されている。絶縁層35には、当該絶縁層35の上面35Aの所要の箇所に開口し、当該絶縁層35を厚さ方向に貫通して配線層34の上面の一部を露出する貫通孔35X(第1貫通孔)が形成されている。
【0020】
絶縁層35の上面35Aは、凹凸が少ない平滑面(低粗度面)である。例えば、絶縁層35の上面35Aは、貫通孔35Xの内側面よりも表面粗度が低くなっている。絶縁層35の上面35Aの粗度は、表面粗さRa値で例えば15〜40nm程度となるように設定されている。また、貫通孔35Xの内側面の粗度は、表面粗さRa値で例えば300〜400nm程度となるように設定されている。ここで、表面粗さRa値とは、表面粗さを表わす数値の一種であり、算術平均粗さと呼ばれるものであって、具体的には測定領域内で変化する高さの絶対値を平均ラインである表面から測定して算術平均したものである。
【0021】
ここで、貫通孔31X,33X,35Xは、
図1において下側(コア基板20側)から上側(配線構造12側)に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。例えば、貫通孔31X,33X,35Xは、上側の開口端の開口径が下側の開口端の開口径よりも大径となる逆円錐台形状に形成されている。貫通孔31X,33X,35Xの上側の開口端の開口径は、例えば、60〜70μm程度とすることができる。
【0022】
貫通孔35X内には、配線層34と、絶縁層35の上面35A上に形成された配線層50とを電気的に接続するビア配線36が形成されている。ビア配線36は、配線構造11における最上層の配線層である。このビア配線36は、絶縁層35を厚さ方向に貫通するように形成されている。ビア配線36は、貫通孔35Xと同様に、
図1において下側(配線層34側)から上側(配線層50側)に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。例えば、ビア配線36は、上端面36Aが下端面よりも大径となる略逆円錐台形状に形成されている。ビア配線36の上端面36Aは、絶縁層35から露出されている。例えば、ビア配線36の上端面36Aは、絶縁層35の上面35Aと略面一に形成されている。そして、ビア配線36の上端面36Aは配線層50に直接接合されている。なお、ビア配線36の上端面36Aの直径は、例えば、60〜70μm程度とすることができる。
【0023】
コア基板20の下面20Bには、絶縁層41と、配線層42と、絶縁層43と、配線層44と、絶縁層45と、最外層(ここでは、最下層)の配線層46とが順に積層されている。絶縁層41,43,45の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする非感光性の絶縁性樹脂を用いることができる。これら絶縁層41,43,45は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。配線層42,44,46の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。また、絶縁層41,43,45の厚さは、例えば、20〜45μm程度とすることができる。配線層42,44,46の厚さは、例えば、15〜35μm程度とすることができる。配線層42,44,46のラインアンドスペース(L/S)は、例えば、20μm/20μm程度とすることができる。
【0024】
絶縁層41は、コア基板20の下面20Bに、配線層23を被覆するように形成されている。絶縁層41には、所要の箇所に、当該絶縁層41を厚さ方向に貫通して配線層23の下面の一部を露出する貫通孔41Xが形成されている。
【0025】
配線層42は、絶縁層41の下面に積層されている。配線層42は、貫通孔41X内に充填されたビア配線を介して配線層23と電気的に接続されている。この配線層42は、例えば、貫通孔41X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0026】
絶縁層43は、絶縁層41の下面に、配線層42を被覆するように形成されている。絶縁層43には、所要の箇所に、当該絶縁層43を厚さ方向に貫通して配線層42の下面の一部を露出する貫通孔43Xが形成されている。
【0027】
配線層44は、絶縁層43の下面に積層されている。配線層44は、貫通孔43X内に充填されたビア配線を介して配線層42と電気的に接続されている。この配線層44は、例えば、貫通孔43X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0028】
絶縁層45は、絶縁層43の下面に、配線層44を被覆するように形成されている。絶縁層45は、配線構造11の最下層に形成された絶縁層である。絶縁層45には、所要の箇所に、当該絶縁層45を厚さ方向に貫通して配線層44の下面を露出する貫通孔45Xが形成されている。
【0029】
ここで、貫通孔41X,43X,45Xは、
図1において上側(コア基板20側)から下側(ソルダレジスト層13側)に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。例えば、貫通孔41X,43X,45Xは、下側の開口端の開口径が上側の開口端の開口径よりも大径となる円錐台形状に形成されている。貫通孔41X,43X,45Xの下側の開口端の開口径は、例えば、60〜70μm程度とすることができる。
【0030】
配線層46は、絶縁層45の下面に積層されている。配線層46は、配線構造11の最下層(最外層)に形成された配線層である。配線層46は、貫通孔45X内に充填されたビア配線を介して配線層44と電気的に接続されている。この配線層46は、例えば、貫通孔45X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0031】
次に、配線構造12(第2配線構造)の構造について説明する。
配線構造12は、配線構造11よりも配線密度の高い配線層が形成された高密度配線層である。配線構造12は、絶縁層35上に積層された配線層50及びプレーン層60と、絶縁層51と、配線層52と、プレーン層62と、絶縁層53と、配線層54と、プレーン層64と、絶縁層55と、配線層56とが順に積層された構造を有している。配線構造12の厚さ、具体的には配線構造12内の全ての絶縁層を合わせた厚さ(つまり、絶縁層35の上面35Aから絶縁層55の上面までの厚さ)は、例えば、20〜40μm程度とすることができる。
【0032】
ここで、配線層50,52,54,56及びプレーン層60,62,64の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。また、絶縁層51,53,55の材料としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂等を主成分とする感光性の絶縁性樹脂を用いることができる。これら絶縁層51,53,55は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。
【0033】
配線層50,52,54,56は、配線構造11の配線層よりも微細に形成された配線層である。例えば、配線層50,52,54,56のラインアンドスペース(L/S)は、例えば、10μm/10μm未満とすることができる。また、配線層50,52,54,56及びプレーン層60,62,64は、配線構造11の配線層よりも薄い配線層である。配線層50,52,54及びプレーン層60,62,64の厚さは、例えば、1〜3μm程度とすることができる。配線層56の厚さは、例えば、10〜15μm程度とすることができる。また、絶縁層51,53,55は、配線構造11の絶縁層よりも薄い絶縁層である。絶縁層51,53,55の厚さは、例えば、5〜10μm程度とすることができる。
【0034】
また、配線層50,52,54,56の表面粗度は、配線構造11の配線層の表面粗度よりも低くなっている。例えば、配線層50,52,54,56の表面粗度は、表面粗さRa値で例えば1〜10nm程度とすることができ、配線構造11の配線層22,23,32,34,42,44,46の表面粗度は、表面粗さRa値で例えば100〜300nm程度とすることができる。
【0035】
配線層50(第1配線層)は、ビア配線36の上端面36Aと接続するように、絶縁層35の上面35A上に積層されている。すなわち、配線層50の下面の一部がビア配線36の上端面36Aと接しており、配線層50とビア配線36とが電気的に接続されている。換言すると、配線層50とビア配線36とは電気的に接続されているが、一体的ではない。例えば、配線層50は、ビア配線36の上端面36A上に形成されたシード層50Aと、そのシード層50A上に形成された金属層50B(第1金属層)とを有している。すなわち、金属層50Bは、シード層50Aを介してビア配線36に接続されている。
【0036】
図2に示すように、シード層50Aは、ビア配線36の上端面36Aを被覆するとともに、その上端面36A周辺の絶縁層35の上面35Aを被覆するように形成されている。シード層50Aとしては、例えば、スパッタ法により形成された金属膜(スパッタ膜)を用いることができる。スパッタ法により形成されたシード層50Aとしては、例えば、ビア配線36の上端面36A及び絶縁層35の上面35A上に、チタン(Ti)からなるTi層と、銅(Cu)からなるCu層とが順に積層された2層構造の金属膜を用いることができる。この場合、Ti層の厚さは例えば20〜50nm程度とすることができ、Cu層の厚さは例えば100〜300nm程度とすることができる。なお、Ti層は、Cu層や金属層50B(例えば、Cu層)から絶縁層35に銅が拡散することを抑制する金属バリア膜として機能する。金属バリア膜として機能する金属膜の材料としては、Tiの他に、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)等を用いることができる。
【0037】
金属層50Bは、シード層50Aの上面全面を被覆するように形成されている。金属層50Bとしては、例えば、電解めっき法により形成された金属層(電解めっき金属層)を用いることができる。なお、金属層50Bの材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。
【0038】
プレーン層60(第1プレーン層)は、絶縁層35の上面35A上に積層されている。プレーン層60は、配線層50から露出した絶縁層35の上面35Aを被覆するように平面的に形成されたプレーン層(例えば、電源プレーンやGNDプレーン)である。
【0039】
例えば
図3に示すように、プレーン層60は、平面視略格子状(メッシュ状、網目状)に形成されている。換言すると、プレーン層60には、所要の箇所に、当該プレーン層60を厚さ方向に貫通する多数の貫通孔60X(第2貫通孔)が平面視において例えばマトリクス状に形成されている。貫通孔60Xの平面配置はマトリクス状に限定されず、例えば、多数の貫通孔60Xを平面視において千鳥状に配列するようにしてもよい。各貫通孔60Xの平面形状は、任意の形状とすることができる。各貫通孔60Xの平面形状は、例えば、矩形状とすることができる。なお、貫通孔60Xは、絶縁層35の平面上の全面に配置されていても良く、外周のみなどのように部分的に配置されていても良い。
【0040】
また、プレーン層60には、所要の箇所に、当該プレーン層60を厚さ方向に貫通する貫通孔60Yが形成されている。例えば、平面視格子状に形成されたプレーン層60は、一部の配線層50と絶縁され(例えば、一部の配線層50と所定の間隔を空けて形成され)、且つ、その一部の配線層50を囲むように形成されている。換言すると、プレーン層60の所要の箇所に、当該プレーン層60を厚さ方向に貫通する貫通孔60Yが形成され、その貫通孔60Y内に配線層50が配置されている。各貫通孔60Yの平面形状は、任意の形状とすることができる。各貫通孔60Yの平面形状は、例えば、略円形状とすることができる。その一方で、プレーン層60は、一部の配線層50(例えば、図中右下の配線層50参照)と電気的に接続されている。換言すると、互いに電気的に接続された配線層50とプレーン層60との間には、貫通孔60Yが形成されていない。
【0041】
図2に示すように、プレーン層60は、配線層50と同様に、絶縁層35の上面35A上に形成されたシード層60Aと、そのシード層60A上に形成された金属層60B(第2金属層)とを有している。シード層60Aとしては、例えば、シード層50Aと同様の構造及び材料からなる金属膜を用いることができる。また、金属層60Bとしては、例えば、金属層50Bと同様の構造及び材料からなる金属層を用いることができる。
【0042】
プレーン層60(特に、金属層60B)は、
図2において下側(絶縁層35側)から上側(絶縁層51の上面側)に向かうに連れて幅が広くなるテーパ状に形成されている。例えば、プレーン層60の断面形状は、上面の幅L1が下面の幅L2よりも広くなる略逆台形状に形成されている。また、貫通孔60Xは、
図2において下側(絶縁層35側)から上側(絶縁層51の上面側)に向かうに連れて開口幅が狭くなるテーパ状に形成されている。例えば、貫通孔60Xの断面形状は、上側の開口端の開口幅D1が下側の開口端の開口幅D2よりも狭くなる略台形状に形成されている。このように、貫通孔60Xは、上側の開口部に対して下側の開口部が拡開されたテーパ状に形成されている。
【0043】
換言すると、プレーン層60の側面の一部(例えば、金属層60Bの側面の上方)が、平面視においてシード層60Aから露出された絶縁層35の上面の一部と重なるように、貫通孔60Xの中心に向かって突出するように形成されている。
【0044】
なお、各貫通孔60Xの開口幅D1は、例えば、プレーン層60上に形成された絶縁層51の厚さT1よりも長いことが好ましい。例えば、開口幅D1は2〜5μm程度とすることができ、厚さT1は1〜2μm程度とすることができる。
【0045】
絶縁層35の上面35A上には、配線層50及びプレーン層60を被覆するように絶縁層51(第2絶縁層)が形成されている。絶縁層51は、プレーン層60の貫通孔60X,60Yを充填するように形成されている。これにより、絶縁層51は、プレーン層60(シード層60A及び金属層60B)の側面及び配線層50(シード層50A及び金属層50B)の側面を被覆するように形成されている。具体的には、貫通孔60X内に充填された絶縁層51は、シード層60Aの側面よりも貫通孔60Xの中心に向かって突出する金属層60Bの側面に上方から接し、その金属層60Bの側面の下方に潜り込むように形成されている。すなわち、貫通孔60X内に充填された絶縁層51は、金属層60Bの下に食い込むように形成されている。
【0046】
図1に示すように、絶縁層51には、所要の箇所に、当該絶縁層51を厚さ方向に貫通して配線層50の上面の一部を露出する貫通孔51Xが形成されている。
配線層52(第2配線層)は、絶縁層51の上面に積層されている。配線層52は、貫通孔51X内に充填されたビア配線を介して配線層50と電気的に接続されている。この配線層52は、例えば、貫通孔51X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0047】
プレーン層62(第2プレーン層)は、絶縁層51の上面に積層されている。プレーン層62は、配線層52から露出した絶縁層51の上面を被覆するように平面的に形成されたプレーン層(例えば、電源プレーンやGNDプレーン)である。プレーン層62は、図示は省略するが、プレーン層60と同様に平面視略格子状に形成されている。換言すると、プレーン層62には、所要の箇所に、当該プレーン層62を厚さ方向に貫通する多数の貫通孔62X(第3貫通孔)が平面視で例えばマトリクス状に形成されている。また、プレーン層62の断面形状はプレーン層60の断面形状と同様であり、貫通孔62Xの断面形状は貫通孔60Xの断面形状と同様である。
【0048】
プレーン層62には、所要の箇所に、当該プレーン層62を厚さ方向に貫通する貫通孔62Yが形成されている。この貫通孔62Y内に一部の配線層52が配置され、その一部の配線層52とプレーン層62とは電気的に絶縁されている。図示は省略するが、プレーン層62は、一部の配線層52と電気的に接続されている。
【0049】
絶縁層51の上面には、配線層52及びプレーン層62を被覆するように絶縁層53(第3絶縁層)が形成されている。絶縁層53は、プレーン層62の貫通孔62X,62Yを充填するように形成されている。これにより、絶縁層53は、プレーン層62の側面及び配線層52の側面を被覆するように形成されている。また、絶縁層53には、所要の箇所に、当該絶縁層53を厚さ方向に貫通して配線層52の上面の一部を露出する貫通孔53Xが形成されている。
【0050】
配線層54は、絶縁層53の上面に積層されている。配線層54は、貫通孔53X内に充填されたビア配線を介して配線層52と電気的に接続されている。この配線層54は、例えば、貫通孔53X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0051】
プレーン層64は、絶縁層53の上面に積層されている。プレーン層64は、配線層54から露出した絶縁層53の上面を被覆するように平面的に形成されたプレーン層(例えば、電源プレーンやGNDプレーン)である。プレーン層64は、図示は省略するが、プレーン層60と同様に平面視略格子状に形成されている。換言すると、プレーン層64には、所要の箇所に、当該プレーン層64を厚さ方向に貫通する多数の貫通孔64Xが平面視で例えばマトリクス状に形成されている。また、プレーン層64の断面形状はプレーン層60の断面形状と同様であり、貫通孔64Xの断面形状は貫通孔60Xの断面形状と同様である。
【0052】
プレーン層64には、所要の箇所に、当該プレーン層64を厚さ方向に貫通する貫通孔64Yが形成されている。この貫通孔64Y内に一部の配線層54が配置され、その一部の配線層54とプレーン層64とは電気的に絶縁されている。図示は省略するが、プレーン層64は、一部の配線層54と電気的に接続されている。
【0053】
絶縁層53の上面には、配線層54及びプレーン層64を被覆するように絶縁層55が形成されている。絶縁層55は、プレーン層64の貫通孔64X,64Yを充填するように形成されている。これにより、絶縁層55は、プレーン層64の側面及び配線層54の側面を被覆するように形成されている。絶縁層55には、所要の箇所に、当該絶縁層55を厚さ方向に貫通して配線層54の上面の一部を露出する貫通孔55Xが形成されている。
【0054】
ここで、貫通孔51X,53X,55Xは、
図1において下側(配線構造11側)から上側(配線層56側)に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。例えば、貫通孔51X,53X,55Xは、上側の開口端の開口径が下側の開口端の開口径よりも大径となる逆円錐台形状に形成されている。貫通孔51X,53X,55Xの上側の開口端の開口径は、例えば、10〜20μm程度とすることができる。
【0055】
配線層56は、絶縁層55の上面に積層されている。配線層56は、貫通孔55X内に充填されたビア配線を介して配線層54と電気的に接続されている。この配線層56は、例えば、貫通孔55X内に充填されたビア配線と一体に形成され、絶縁層55の上面から突出するパッドP1を有している。パッドP1の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、パッドP1の平面形状は、直径が20〜30μm程度の円形状とすることができる。パッドP1のピッチは、例えば、40〜60μm程度とすることができる。このパッドP1は、半導体チップ等の電子部品と電気的に接続するための電子部品搭載用のパッドとして機能する。
【0056】
なお、必要に応じて、パッドP1の表面(上面及び側面、又は上面のみ)に表面処理層を形成するようにしてもよい。表面処理層の例としては、金(Au)層、ニッケル(Ni)層/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni層/パラジウム(Pd)層/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)などを挙げることができる。これらNi層、Au層、Pd層としては、例えば、無電解めっき法により形成された金属層(無電解めっき金属層)を用いることができる。また、Ni層はNi又はNi合金からなる金属層、Au層はAu又はAu合金からなる金属層、Pd層はPd又はPd合金からなる金属層である。また、パッドP1の表面(上面及び側面、又は上面のみ)に、OSP(Organic Solderability Preservative)処理などの酸化防止処理を施して表面処理層を形成するようにしてもよい。
【0057】
一方、ソルダレジスト層13は、配線基板10の最外層(ここでは、最下層)の最外絶縁層である。ソルダレジスト層13は、配線構造11の下面(具体的には、配線構造11の最下層に形成された絶縁層45の下面)に、最下層の配線層46を被覆するように形成されている。
【0058】
ソルダレジスト層13には、最下層の配線層46の一部を外部接続用パッドP2として露出させるための開口部13Xが形成されている。この外部接続用パッドP2には、配線基板10をマザーボード等の実装基板に実装する際に使用されるはんだボールやリードピン等の外部接続端子が接続されるようになっている。なお、必要に応じて、開口部13Xから露出する配線層46上に表面処理層を形成するようにしてもよい。表面処理層の例としては、Au層、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)や、Ni層/Pd層/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)などを挙げることができる。これらNi層、Au層、Pd層としては、例えば、無電解めっき法により形成された金属層を用いることができる。また、外部接続用パッドP2の下面に、OSP処理などの酸化防止処理を施して表面処理層を形成するようにしてもよい。なお、開口部13Xから露出する配線層46(あるいは、配線層46上に表面処理層が形成されている場合には、その表面処理層)自体を、外部接続端子としてもよい。
【0059】
外部接続用パッドP2及び開口部13Xの平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、外部接続用パッドP2及び開口部13Xの平面形状は、直径が200〜300μm程度の円形状とすることができる。なお、ソルダレジスト層13の材料としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂などを主成分とする感光性の絶縁性樹脂を用いることができる。ソルダレジスト層13は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。
【0060】
ソルダレジスト層13の厚さ、つまり絶縁層45の下面からソルダレジスト層13の下面までの厚さは、配線構造12の厚さと等しい、又は、配線構造12の厚さよりも厚く設定されている。このようにソルダレジスト層13の厚さを設定することにより、配線基板10の反り量を低減することができる。
【0061】
次に、
図4に従って、半導体装置70の構造について説明する。
半導体装置70は、配線基板10と、1又は複数の半導体チップ81と、アンダーフィル樹脂85と、外部接続端子86とを有している。
【0062】
半導体チップ81は、配線基板10にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体チップ81の回路形成面(ここでは、下面)に配設されたバンプ82を、配線基板10のパッドP1に接合することにより、半導体チップ81は、バンプ82を介して配線層56と電気的に接続されている。
【0063】
半導体チップ81としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)チップやGPU(Graphics Processing Unit)チップなどのロジックチップを用いることができる。また、半導体チップ81としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)チップ、SRAM(Static Random Access Memory)チップやフラッシュメモリチップなどのメモリチップを用いることもできる。なお、配線基板10に複数の半導体チップ81を搭載する場合には、ロジックチップとメモリチップとを組み合わせて配線基板10に搭載するようにしてもよい。
【0064】
半導体チップ81の大きさは、例えば、平面視で3mm×3mm〜12mm×12mm程度とすることができる。また、半導体チップ81の厚さは、例えば、50〜100μm程度とすることができる。
【0065】
バンプ82としては、例えば、金バンプやはんだバンプを用いることができる。はんだバンプの材料としては、例えば、鉛(Pb)を含む合金、錫(Sn)とAuの合金、SnとCuの合金、Snと銀(Ag)の合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。
【0066】
アンダーフィル樹脂85は、配線基板10と半導体チップ81との隙間を充填するように設けられている。アンダーフィル樹脂85の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。
【0067】
外部接続端子86は、配線基板10の外部接続用パッドP2上に形成されている。この外部接続端子86は、例えば、図示しないマザーボード等の実装基板に設けられたパッドと電気的に接続される接続端子である。外部接続端子86としては、例えば、はんだボールやリードピンを用いることができる。なお、本例では、外部接続端子86として、はんだボールを用いている。
【0068】
次に、配線基板10の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、配線基板10となる複数の部分を一括して製作した後に、個片化して多数の配線基板10を製造する、いわゆる多数個取りの製造方法について説明する。
【0069】
まず、
図5(a)に示す工程では、例えばコア基板20となる銅張積層板(Copper Clad Laminate:CCL)に貫通孔20Xを形成し、電解めっきやペースト充填等の方法により貫通孔20X内に貫通電極21を形成する。その後、サブトラクティブ法により、コア基板20の上面20Aに配線層22を形成するとともに、コア基板20の下面20Bに配線層23を形成する。このとき、コア基板20としては、配線基板10が多数個取れる大判の基板が使用される。詳述すると、コア基板20は、配線基板10に対応する構造体が形成される領域A1を複数個有している。このコア基板20は、領域A1に配線基板10に対応する構造体が形成された後、切断線A2に沿ってスライサー等によって切断される。これにより、配線基板10に対応する構造体が個片化され、複数の配線基板10が製造されることになる。
【0070】
次に、
図5(b)に示す工程では、コア基板20の上面20A及び配線層22を被覆する絶縁層31を形成するとともに、コア基板20の下面20B及び配線層23を被覆する絶縁層41を形成する。絶縁層31,41として樹脂フィルムを用いる場合には、例えば、コア基板20の上面20A及び下面20Bに樹脂フィルムをラミネートする。そして、樹脂フィルムを押圧しながら硬化温度以上の温度(例えば、130〜200℃程度)で熱処理して硬化させることにより、絶縁層31,41を形成することができる。このとき、樹脂フィルムを真空雰囲気中でラミネートすることにより、ボイドの巻き込みを防止することができる。なお、樹脂フィルムとしては、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂のフィルムを用いることができる。また、絶縁層31,41として液状又はペースト状の絶縁性樹脂を用いる場合には、コア基板20の上面20A及び下面20Bに液状又はペースト状の絶縁性樹脂をスピンコート法などにより塗布する。そして、塗布した絶縁性樹脂を硬化温度以上の温度で熱処理して硬化させることにより、絶縁層31,41を形成することができる。なお、液状又はペースト状の絶縁性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0071】
なお、絶縁層31,41を形成する前に、配線層22,23に対して粗化処理を施すようにしてもよい。この粗化処理により配線層22,23の表面を粗化することによって、絶縁層31,41と配線層22,23との密着性を高めることができる。なお、粗化処理としては、例えば、黒化処理、エッチング処理、めっき、ブラスト等によって行うことができる。
【0072】
続いて、
図5(c)に示す工程では、配線層22の上面の一部が露出されるように絶縁層31の所定箇所に貫通孔31Xを形成するとともに、配線層23の下面の一部が露出されるように絶縁層41の所定箇所に貫通孔41Xを形成する。これら貫通孔31X,41Xは、例えば、CO
2レーザやUV−YAGレーザ等によるレーザ加工法によって形成することができる。次いで、貫通孔31X,41Xをレーザ加工法によって形成した場合には、デスミア処理を行って、貫通孔31X,41Xの底部に露出する配線層22,23の露出面に付着した樹脂スミアを除去する。
【0073】
続いて、
図6(a)に示す工程では、絶縁層31の貫通孔31Xに充填されたビア配線と、そのビア配線を介して配線層22と電気的に接続され、絶縁層31の上面に積層された配線層32とを形成する。また、絶縁層41の貫通孔41Xに充填されたビア配線と、そのビア配線を介して配線層23と電気的に接続され、絶縁層41の下面に積層された配線層42を形成する。これら配線層32,42は、例えば、セミアディティブ法やサブトラクティブ法などの各種の配線形成方法を用いて形成することができる。
【0074】
次に、
図5(b)〜
図6(a)に示した工程と同様の工程を再度実行することにより、
図6(b)に示すように、絶縁層31の上面に絶縁層33と配線層34を積層するとともに、絶縁層41の下面に絶縁層43と配線層44を積層する。
【0075】
また、
図7(a)に示す工程では、
図5(b)及び
図5(c)に示した工程と同様の工程を再度実行することにより、絶縁層33の上面に、貫通孔35Xを有する絶縁層35を積層するとともに、絶縁層43の下面に、貫通孔45Xを有する絶縁層45を積層する。
【0076】
次いで、貫通孔35X,45Xをレーザ加工法によって形成した場合には、デスミア処理を行って、貫通孔35X,45Xの底部に露出する配線層34,44の露出面に付着した樹脂スミアを除去する。このデスミア処理により、貫通孔35Xの内側面及び絶縁層35の上面35Aが粗化されるとともに、貫通孔45Xの内側面及び絶縁層45の下面が粗化される。
【0077】
次に、
図7(b)に示す工程では、絶縁層45の貫通孔45Xに充填されたビア配線と、そのビア配線を介して配線層44と電気的に接続され、絶縁層45の下面に積層された配線層46とを形成する。この配線層46は、例えば、セミアディティブ法やサブトラクティブ法などの各種の配線形成方法を用いて形成することができる。
【0078】
また、
図7(b)に示す工程では、貫通孔35Xの内面を含む絶縁層35の表面全面を被覆するシード層(図示略)を形成し、そのシード層を給電層とする電解めっき法を施す。例えば、絶縁層35の表面全面を被覆するシード層を無電解銅めっき法により形成し、そのシード層を給電層とする電解銅めっき法を施して導電層91を形成する。これにより、貫通孔35Xを充填するとともに、絶縁層35の上面35A全面を被覆する導電層91が形成される。
【0079】
続いて、例えばCMP法(Chemical Mechanical Polishing)等により、絶縁層35の上面35Aから突出する導電層91を研磨するとともに、粗化面である絶縁層35の上面35Aの一部を研磨する。これにより、
図8(a)に示すように、貫通孔35X内に充填されたビア配線36が形成され、そのビア配線36の上端面36Aが絶縁層35の上面35Aと略面一になるように形成される。また、絶縁層35の上面35Aの一部を研磨することにより、絶縁層35の上面35Aが平滑化される。例えば、研磨前における絶縁層35の上面35Aの粗度が表面粗さRa値で300〜400nm程度であるのに対し、研磨により絶縁層35の上面35Aの粗度を表面粗さRa値で15〜40nm程度とすることができる。換言すると、本工程では、絶縁層35の上面35Aが平滑化される(例えば、表面粗さRa値で15〜40nm程度となる)ように、絶縁層35の上面35Aが研磨される。なお、貫通孔35Xの内側面は粗面化された状態のままであるため、絶縁層35の上面35Aは貫通孔35Xの内側面よりも表面粗度が低くなる。本工程の研磨により、絶縁層35の上面35A及びビア配線36の上端面36Aは研磨面となる。
【0080】
以上の製造工程により、各領域A1に配線構造11に対応する構造体が製造される。
以下に説明する
図8(b)〜
図14(a)に示す工程は、絶縁層35上に配線構造12を形成する工程であるため、
図8(b)〜
図14(a)では、コア基板20の下面20B側の構造の図示を省略している。
【0081】
次に、
図8(b)に示す工程では、絶縁層35の上面35A全面及びビア配線36の上端面36A全面を被覆するようにシード層92を形成する。このシード層92は、例えば、スパッタ法や無電解めっき法により形成することができる。例えば、本工程では、絶縁層35の上面35Aが平滑面であるため、その上面35Aに対してスパッタ法によりシード層92を均一に形成することができ、シード層92の上面を平滑に形成することができる。このため、粗化面に対してスパッタ法によりシード層92を形成する場合に比べて、シード層92を薄く形成することができる。例えば、スパッタ法によりシード層92を形成する場合には、まず、絶縁層35の上面35A及びビア配線36の上端面36Aを被覆するように、それら上面35A及び上端面36A上にチタン(Ti)をスパッタリングにより堆積させてTi層を形成する。その後、Ti層上に銅をスパッタリングにより堆積させてCu層を形成する。これにより、2層構造(Ti層/Cu層)のシード層92を形成することができる。このとき、Ti層の厚さは例えば20〜50nm程度とすることができ、Cu層の厚さは例えば100〜300nm程度とすることができる。このように、シード層92の下層にTi層を形成することにより、絶縁層35とシード層92との密着性を向上させることができる。なお、Ti層を窒化チタン(TiN)からなるTiN層に変更し、TiN層とCu層からなる2層構造のシード層92を形成するようにしてもよい。ここで、チタンや窒化チタンは、銅よりも耐腐食性の高い金属であり、銅よりも絶縁層35との密着性が高い金属である。また、無電解めっき法によりシード層92を形成する場合には、例えば、無電解銅めっき法によりCu層(1層構造)からなるシード層92を形成することができる。
【0082】
なお、シード層92を形成する前に、絶縁層35の上面35Aに、O
2プラズマアッシング等のプラズマ処理を施すようにしてもよい。プラズマ処理を施すことにより、絶縁層35の上面35Aを粗化できる。絶縁層35の上面35Aを粗化することにより、シード層92と絶縁層35との密着性を高めることができる。但し、絶縁層35の上面35Aの粗度を低減して平滑度を向上することにより上面35A上に微細配線の形成が可能となるため、プラズマ処理では、後工程での微細配線の形成に支障のない程度に絶縁層35の上面35Aを粗化する。
【0083】
次いで、
図9(a)に示す工程では、シード層92上に、所定の箇所に開口パターン93X,93Yを有するレジスト層93を形成する。開口パターン93X(第1開口パターン)は、配線層50(
図1参照)の形成領域に対応する部分のシード層92を露出するように形成される。また、開口パターン93Y(第2開口パターン)は、プレーン層60(
図1参照)の形成領域に対応する部分のシード層92を露出するように形成される。換言すると、レジスト層93は、プレーン層60に形成される貫通孔60X,60Y(
図1参照)に対応する部分のシード層92を被覆するように形成される。レジスト層93の材料としては、例えば、次工程のめっき処理に対して耐めっき性がある材料を用いることができる。例えば、レジスト層93の材料としては、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えば、ノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)等を用いることができる。
【0084】
例えば、まず、
図9(b)に示すように、シード層92の上面全面を被覆するレジスト層93を形成する。レジスト層93の材料として感光性のドライフィルムレジストを用いる場合には、例えば、シード層92の上面にドライフィルムを熱圧着によりラミネートすることによりレジスト層93を形成することができる。また、レジスト層93の材料として液状又はペースト状のフォトレジストを用いる場合には、シード層92の上面に液状又はペースト状のフォトレジストをスピンコート法などにより塗布することによりレジスト層93を形成することができる。
【0085】
続いて、例えばフォトリソグラフィ法により、
図9(c)に示すように、レジスト層93の所要箇所に、当該レジスト層93を厚さ方向に貫通してシード層92の上面を露出する開口パターン93X,93Yを形成する。本工程では、レジスト層93の断面形状が、上面の幅L3が下面の幅L4よりも狭くなる略台形状に形成される。換言すると、本工程では、開口パターン93X,93Yの断面形状が、上側の開口端の開口幅D3が下側の開口端の開口幅D4よりも広くなる略逆台形状に形成される。すなわち、本工程で形成される開口パターン93X,93Yは、下側の開口部に対して上側の開口部が拡開されたテーパ状に形成される。例えば、フォトリソグラフィ法における露光量(露光時間)や現像時間等を調整することにより、レジスト層93及び開口パターン93X,93Yの断面形状を調整することができる。例えば、レジスト層93がポジ型レジストである場合には、露光量を小さくし、現像時間を短く設定することにより、開口パターン93Xを上側の開口部が拡開されたテーパ状に形成することができる。なお、本工程において、レジスト層93が形成されるシード層92の上面が平滑面になっているため、レジスト層93にパターニング欠陥が生じることを抑制することができる。すなわち、レジスト層93に開口パターン93X,93Yを高精度に形成することができる。
【0086】
次に、
図10(a)及び
図10(b)に示す工程では、レジスト層93をめっきマスクとして、シード層92の上面に、そのシード層92をめっき給電層に利用する電解めっき法を施す。具体的には、レジスト層93の開口パターン93X,93Yから露出されたシード層92の上面に電解めっき法(ここでは、電解銅めっき法)を施す。これにより、開口パターン93Xから露出されたシード層92の上面に金属層50B(電解めっき金属層)が形成され、開口パターン93Yから露出されたシード層92の上面に金属層60B(電解めっき金属層)が形成される。このとき、
図10(b)に示すように、金属層50B,60Bは、上面の幅が下面の幅よりも広くなる断面視略逆台形状に形成される。
【0087】
続いて、レジスト層93を例えばアルカリ性の剥離液により除去する。次いで、金属層50B,60Bをエッチングマスクとして、不要なシード層92をエッチングにより除去する。これにより、
図11(a)及び
図11(b)に示すように、ビア配線36の上端面36A及び絶縁層35の上面35A上に配線層50が形成され、その配線層50から露出された絶縁層35の上面35A上に平面視略格子状に形成されたプレーン層60が形成される。配線層50は、
図11(b)に示すように、ビア配線36の上端面36Aと接合されたシード層50Aと、そのシード層50A上に形成された金属層50Bとから構成されている。また、プレーン層60は、上面35A上に形成されたシード層60Aと、そのシード層60A上に形成された金属層60Bとから構成されている。このように、配線層50及びプレーン層60は、セミアディティブ法によって形成される。また、本工程により、レジスト層93が形成されていた位置に貫通孔60X,60Yが形成される。
【0088】
次に、
図12(a)に示す工程では、絶縁層35の上面35A上に、配線層50の上面の一部を露出する貫通孔51Xを有する絶縁層51を形成する。
図12(b)に示すように、絶縁層51は、貫通孔60X,60Yを充填するように形成され、配線層50の側面全面及びプレーン層60の側面全面を被覆するように形成される。このとき、貫通孔60Xの上側の開口端の開口幅D1が狭くなると、その貫通孔60Xに対する絶縁層51の充填性が低下する。これに対し、本例では、貫通孔60Xの開口幅D1を、プレーン層60上に形成される絶縁層51の厚さT1よりも広く設定するようにした。これにより、貫通孔60X内に絶縁層51を好適に充填することができる。
【0089】
例えば、絶縁層51として樹脂フィルムを用いる場合には、絶縁層35の上面35Aに樹脂フィルムを熱圧着によりラミネートし、その樹脂フィルムをフォトリソグラフィ法によりパターニングして絶縁層51を形成する。このとき、樹脂フィルムを真空雰囲気中でラミネートすることにより、ボイドの巻き込みを防止することができる。なお、樹脂フィルムとしては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂等の感光性樹脂のフィルムを用いることができる。また、絶縁層51として液状又はペースト状の絶縁性樹脂を用いる場合には、例えば、絶縁層35の上面35Aに液状又はペースト状の絶縁性樹脂をスピンコート法などにより塗布し、その絶縁性樹脂をフォトリソグラフィ法によりパターニングして絶縁層51を形成する。なお、液状又はペースト状の絶縁性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂等の感光性樹脂を用いることができる。
【0090】
なお、このような感光性樹脂からなる絶縁層51の上面の粗度は、例えば、表面粗さRa値で2〜10nm程度とすることができる。すなわち、絶縁層51の上面は、貫通孔35Xの内側面よりも表面粗度が低く、且つ絶縁層35の上面35Aよりも表面粗度が低い。
【0091】
続いて、
図13(a)に示す工程では、貫通孔51Xに充填されたビア配線と、そのビア配線を介して配線層50と電気的に接続され、絶縁層51上に積層された配線層52と、絶縁層51上に積層されたプレーン層62とを形成する。
図13(b)に示すように、配線層52及びビア配線は、貫通孔51Xの内面及び貫通孔51X周辺の絶縁層51の上面を被覆するシード層52Aと、そのシード層52A上に形成された金属層52B(電解銅めっき層)とから構成されている。また、プレーン層62は、絶縁層51の上面に形成されたシード層62Aと、そのシード層62A上に形成された金属層62B(電解銅めっき層)とから構成されている。このとき、プレーン層62(特に、金属層62B)は、プレーン層60と同様に、上面の幅が下面の幅よりも広くなる断面視略逆台形状に形成される。また、プレーン層62に形成された貫通孔62X,62Yは、上側の開口部に対して下側の開口部が拡開されたテーパ状に形成されている。
【0092】
なお、配線層52及びプレーン層62は、例えば、
図8(b)〜
図11(b)に示した工程と同様に、セミアディティブ法を用いて形成することができる。シード層52A,62Aは、シード層92(シード層50A,60A)と同様に、例えば、スパッタ法や無電解めっき法により形成することができる。
【0093】
次に、
図14(a)に示す工程では、
図12に示した工程と同様に、絶縁層51上に、配線層52の上面の一部を露出する貫通孔53Xを有する絶縁層53を形成する。絶縁層53は、貫通孔62X,62Yを充填するように形成され、配線層52の側面全面及びプレーン層62の側面全面を被覆するように形成される。
【0094】
続いて、
図13に示した工程と同様に、例えばセミアディティブ法により、貫通孔53Xに充填されたビア配線と、そのビア配線を介して配線層52と電気的に接続され、絶縁層53上に積層された配線層54と、絶縁層53上に積層されたプレーン層64とを形成する。配線層54及びビア配線は、
図14(b)に示すように、貫通孔53Xの内面及び貫通孔53X周辺の絶縁層53の上面を被覆するシード層54Aと、そのシード層54A上に形成された金属層54B(電解銅めっき層)とから構成されている。また、プレーン層64は、絶縁層53の上面に形成されたシード層64Aと、そのシード層64A上に形成された金属層64B(電解銅めっき層)とから構成されている。このとき、プレーン層64(特に、金属層64B)は、プレーン層60と同様に、上面の幅が下面の幅よりも広くなる断面視略逆台形状に形成される。また、プレーン層64に形成された貫通孔64X,64Yは、上側の開口部に対して下側の開口部が拡開されたテーパ状に形成されている。なお、シード層54A,64Aは、シード層92(シード層50A,60A)と同様に、例えば、スパッタ法や無電解めっき法により形成することができる。
【0095】
次に、
図12に示した工程と同様に、絶縁層53上に、配線層54の上面の一部を露出する貫通孔55Xを有する絶縁層55を形成する。絶縁層55は、貫通孔64X,64Yを充填するように形成され、配線層54の側面全面及びプレーン層64の側面全面を被覆するように形成される。
【0096】
続いて、
図13に示した工程と同様に、例えばセミアディティブ法により、貫通孔55Xに充填されたビア配線と、そのビア配線を介して配線層54と電気的に接続され、絶縁層55上に積層された配線層56とを形成する。このとき、配線層56は、貫通孔55Xの内面及び貫通孔55X周辺の絶縁層55の上面を被覆するシード層56Aと、そのシード層56A上に形成された金属層56B(電解銅めっき層)とから構成されている。なお、必要に応じて、配線層56のパッドP1の表面に表面処理層を形成するようにしてもよい。また、シード層56Aは、シード層92(シード層50A,60A)と同様に、例えば、スパッタ法や無電解めっき法により形成することができる。
【0097】
以上の製造工程により、配線構造11の最上層に形成された絶縁層35の上面35A上に配線構造12を積層することができる。
次に、
図15に示す工程では、配線構造11の最下層の配線層46の所要箇所に画定される外部接続用パッドP2を露出させるための開口部13Xを有するソルダレジスト層13を、絶縁層45の下面に積層する。このとき、ソルダレジスト層13の厚さ(絶縁層45の下面からソルダレジスト層13の下面までの厚さ)は、配線構造12の厚さ(絶縁層35の上面35Aから絶縁層55の上面までの厚さ)と等しい、又は配線構造12の厚さよりも厚く設定されている。ソルダレジスト層13は、感光性のフェノール系樹脂やポリイミド系樹脂からなる。このソルダレジスト層13は、例えば、感光性のソルダレジストフィルムをラミネートし、又は液状のソルダレジストを塗布し、当該レジストを所要の形状にパターニングすることにより形成することができる。これにより、ソルダレジスト層13の開口部13Xから配線層46の一部が外部接続用パッドP2として露出される。
【0098】
なお、必要に応じて、外部接続用パッドP2上に表面処理層を形成するようにしてもよい。また、ソルダレジスト層13は、最下層の配線層46を形成した後であればいつ形成してもよい。例えば、
図6(b)に示した工程の後にソルダレジスト層13を形成するようにしてもよい。
【0099】
以上の製造工程により、各領域A1に配線基板10に対応する構造体が製造される。
次に、
図15に示した構造体を、スライサー等を用いて切断線A2に沿って切断することにより、個片化された複数の配線基板10を得る。
【0100】
次に、半導体装置70の製造方法について説明する。
図16に示す工程では、外部接続用パッドP2上に外部接続端子86を形成する。例えば、外部接続用パッドP2上に、適宜フラックスを塗布した後、外部接続端子86(ここでは、はんだボール)を搭載し、240〜260℃程度の温度でリフローして固定する。その後、表面を洗浄してフラックスを除去する。
【0101】
また、
図16に示す工程では、配線基板10に半導体チップ81を実装する。具体的には、配線基板10のパッドP1上に、半導体チップ81のバンプ82をフリップチップ接合する。続いて、フリップチップ接合された半導体チップ81と配線基板10との間に、アンダーフィル樹脂85(
図4参照)を充填し、そのアンダーフィル樹脂85を硬化する。以上の製造工程により、
図4に示した半導体装置70を製造することができる。
【0102】
以上説明した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)プレーン層60に多数の貫通孔60Xを形成し、その貫通孔60Xを充填するように絶縁層35の上面35A上に絶縁層51を形成するようにした。これにより、貫通孔60Xを通じて絶縁層35,51が接続されるため、プレーン層60と絶縁層35,51との密着性を向上させることができる。また、多数の貫通孔60Xを形成することにより、プレーン層60を、絶縁層51との剥離が生じやすいベタパターンに代えて、細かなメッシュ状のパターンにすることができる。これらにより、絶縁層51がプレーン層60から剥離することを好適に抑制できる。
【0103】
(2)さらに、貫通孔60Xの断面形状を、上側の開口端の開口幅D1が下側の開口端の開口幅D2よりも狭くなる形状とした。このため、貫通孔60X内に充填される絶縁層51が、プレーン層60の一部(例えば、金属層60B)の下に食い込むように形成される。これにより、大きなアンカー効果が得られるようになり、絶縁層51とプレーン層60との密着性をより向上させることができる。したがって、絶縁層51がプレーン層60から剥離することをより好適に抑制できる。
【0104】
(3)配線層50に対して粗化処理を施すことなく、絶縁層51がプレーン層60から剥離することを好適に抑制できる。このため、配線層50に対する粗化処理を省略できるため、配線層50の微細化にも容易に対応することができる。
【0105】
(4)貫通孔60Xの上側の開口端の開口幅D1を、プレーン層60上に形成された絶縁層51の厚さT1よりも広く設定した。これにより、貫通孔60X内に絶縁層51を充填するための開口幅を十分に確保できるため、貫通孔60X内に絶縁層51を好適に充填することができる。
【0106】
(5)絶縁層35の上面35Aを、その絶縁層35の貫通孔35Xの内側面よりも平滑な面とした。このため、例えばスパッタ法により、絶縁層35の上面35Aに金属膜(例えば、シード層92)を均一に形成することができる。したがって、粗化面にシード層92を形成する場合に比べて、シード層92を薄く形成することができる。さらに、絶縁層35の上面35Aは凹凸の少ない平滑面であるため、絶縁層35の上面35Aが凹凸の大きい粗化面である場合に比べて、シード層92をエッチング除去する際の残渣の発生を抑制することができる。これらにより、絶縁層35の上面35Aに積層される配線層50の微細化が進んだ場合であっても、その配線層50の微細化に容易に対応することができる。
【0107】
(6)配線基板10は、コア基板20を中心として絶縁層及び配線層が上下略対称に形成された配線構造11を有している。また、配線基板10は、配線構造11の上面に配線層(プレーン層)及び絶縁層が複数層積層された配線構造12が形成され、配線構造11の下面にソルダレジスト層13が形成されており、配線構造11を中心として上下非対称の構造になっている。具体的には、外部接続用パッドP2が設けられる配線層46は配線密度が低いため、その配線層46と配線構造12との間で配線密度の差が生じ、配線構造11を中心として上下非対称の構造になっている。このため、配線基板10は、反りが発生し易い構造になっている。
【0108】
これに対し、配線基板10では、配線構造12内のプレーン層60,62,64に多数の貫通孔60X,62X,64Xをそれぞれ形成するようにした。これにより、プレーン層60,62,64がベタパターンである場合に比べて、プレーン層60,62,64の体積を小さくでき、配線構造12内の金属層(配線層50,52,54,56及びプレーン層60,62,64)の体積を小さくできる。このため、配線構造11の最下層の絶縁層45の下方における配線密度と、配線構造11の最上層の絶縁層35の上方における配線密度との差を小さくできる。したがって、配線基板10を上下方向(厚さ方向)に見たときに、コア基板20を中心とした物性値(熱膨張係数や弾性率等)の分布が上下対称に近づく。この結果、配線基板10に反りやうねりが発生することを好適に抑制することができる。
【0109】
(7)ソルダレジスト層13の厚さを、配線構造12内の全ての絶縁層を合わせた厚さと等しい、又は配線構造12の厚さよりも厚く形成するようにした。これにより、配線基板10を上下方向(厚さ方向)に見たときの物性値の分布を、コア基板20を中心にして上下対称に近づけることができる。したがって、コア基板20を中心とした上下の物性値のバランスが良好となり、熱収縮などに伴って配線基板10に反りや変形が発生することを好適に抑制することができる。
【0110】
(第2実施形態)
以下、
図17に従って第2実施形態を説明する。この実施形態の配線基板10Aは、配線構造11が配線構造11Aに置換された点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、先の
図1〜
図16に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0111】
図17に示すように、配線基板10Aは、配線構造11Aと、配線構造11Aの上側に積層された配線構造12と、配線構造11Aの下側に積層されたソルダレジスト層13とを有している。
【0112】
配線構造11Aは、配線構造12よりも配線密度の低い配線層が形成された低密度配線層である。配線構造11Aでは、コア基板20の上面20Aに絶縁層35及びビア配線36が積層され、コア基板20の下面20Bに絶縁層45及び配線層46が積層されている。
【0113】
絶縁層35,45の材料としては、例えばコア基板20と同様に、ガラスクロス等の補強材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁性樹脂を用いることができる。すなわち、絶縁層35,45は、補強材入りの絶縁層であって、機械的強度(剛性や硬度等)の高い絶縁層である。
【0114】
絶縁層35には、当該絶縁層35を厚さ方向に貫通して配線層22の上面の一部を露出する貫通孔35Xが形成されている。貫通孔35X内には、配線層22と配線構造12内の配線層50とを電気的に接続するビア配線36が形成されている。ビア配線36は、貫通孔35Xを充填するように形成されている。
【0115】
これら絶縁層35の上面35A上及びビア配線36の上端面36A上には、配線構造12が積層されている。
絶縁層45には、当該絶縁層45を厚さ方向に貫通して配線層23の下面の一部を露出する貫通孔45Xが形成されている。配線層46は、絶縁層45の下面に積層されている。配線層46は、貫通孔45X内に充填されたビア配線を介して配線層23と電気的に接続されている。
【0116】
このようにコア基板20の上下両面に絶縁層と配線層とが多層に積層されていない場合であっても、上記第1実施形態の(1)〜(7)の効果と同様の効果を奏することができる。
【0117】
(第3実施形態)
以下、
図18に従って第3実施形態を説明する。この実施形態の配線基板10Bは、配線構造11が配線構造11Bに置換された点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、先の
図1〜
図17に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0118】
図18に示すように、配線基板10Bは、配線構造11Bと、配線構造11Bの上側に積層された配線構造12Bと、配線構造11Bの下側に積層されたソルダレジスト層13とを有している。
【0119】
配線構造11Bは、絶縁層と配線層とが多層に積層された積層構造を有しない配線構造であり、配線構造12Bよりも配線密度の低い配線層が形成された低密度配線層である。この配線構造11Bでは、コア基板20の上面20Aに絶縁層37のみが積層され、コア基板20の下面20Bに絶縁層47及び配線層48が積層されている。絶縁層37,47の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする非感光性の絶縁性樹脂を用いることができる。これら絶縁層37,47は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。配線層48の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。また、絶縁層37と絶縁層47とは、例えば、同一の厚さとすることができる。例えば、絶縁層37,47の厚さは、20〜45μm程度とすることができる。配線層48の厚さは、例えば、15〜35μm程度とすることができる。
【0120】
コア基板20、絶縁層37及び絶縁層47には、それらコア基板20及び絶縁層37,47を厚さ方向に貫通する貫通孔20Yが形成されている。この貫通孔20Yには、貫通電極21が形成されている。貫通電極21は、例えば、貫通孔20Yを充填するように形成されている。貫通電極21の上端面は絶縁層37の上面から露出され、貫通電極21の下端面は絶縁層47の下面から露出されている。例えば、貫通電極21の上端面は絶縁層37の上面と略面一になるように形成され、貫通電極21の下端面は絶縁層47の下面と略面一になるように形成されている。そして、貫通電極21の上端面は、配線構造12B内の配線層52と一体に形成されたビア配線V1と直接接合されている。貫通電極21の下端面は、配線層48と直接接合されている。
【0121】
配線構造12Bは、配線層50及びプレーン層60を有さず、ビア配線V1の下端面が貫通電極21の上端面と直接接合されている。絶縁層51は、絶縁層37の上面全面を被覆するように形成されている。絶縁層51の上面には、ビア配線V1と一体に形成された配線層52と、プレーン層62とが積層されている。
【0122】
ソルダレジスト層13は、絶縁層47の下面に、最下層の配線層48を被覆するように形成されている。ソルダレジスト層13には、最下層の配線層48の一部を外部接続用パッドP2として露出させるための開口部13Xが形成されている。ソルダレジスト層13の厚さ(絶縁層47の下面からソルダレジスト層13の下面までの厚さ)は、配線構造12Bの厚さ(絶縁層37の上面から絶縁層55の上面までの厚さ)と等しい、又は配線構造12Bの厚さよりも厚く設定されている。
【0123】
このように配線構造11Bが絶縁層と配線層とが多層に積層された積層構造を有しない場合であっても、上記第1実施形態の(1)〜(7)の効果と同様の効果を奏することができる。
【0124】
(第4実施形態)
以下、
図19に従って第4実施形態を説明する。この実施形態の配線基板10Cは、配線構造11が配線構造11Cに置換された点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、先の
図1〜
図18に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0125】
図19に示すように、配線構造11Cは、コア基板20を有していない配線構造であり、配線構造12よりも配線密度の低い配線層が形成された低密度配線層である。配線構造11Cは、配線層100と、絶縁層101と、配線層102と、絶縁層103と、配線層104と、絶縁層105と、ビア配線106とが順に積層された構造を有している。絶縁層101,103,105の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする非感光性の絶縁性樹脂を用いることができる。これら絶縁層101,103,105は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。配線層102,104及びビア配線106の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。また、絶縁層101,103,105の厚さは、例えば、20〜45μm程度とすることができる。配線層100,102,104の厚さは、例えば、15〜35μm程度とすることができる。配線層100,102,104のラインアンドスペース(L/S)は、例えば、20μm/20μm程度とすることができる。
【0126】
配線層100は、配線構造11Cの最下層の配線層である。例えば、配線層100の下面は、絶縁層101から露出されている。配線層100の下面は、例えば、絶縁層101の下面と略面一になるように形成されている。例えば、配線層100としては、第1導電層(例えば、Cu層)と、第2導電層(例えば、Ni層/Au層)とが積層された構造を採用することができる。この場合に、配線層100は、Au層が絶縁層101から露出するように形成されている。
【0127】
絶縁層101は、配線層100の上面及び側面を被覆し、配線層100の下面を露出するように形成されている。絶縁層101には、所要の箇所に、当該絶縁層101を厚さ方向に貫通して配線層100の上面の一部を露出する貫通孔101Xが形成されている。
【0128】
配線層102は、絶縁層101の上面に積層されている。配線層102は、貫通孔101X内に充填されたビア配線を介して配線層100と電気的に接続されている。配線層102は、例えば、貫通孔101X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0129】
絶縁層103は、絶縁層101の上面に、配線層102を被覆するように形成されている。絶縁層103には、所要の箇所に、当該絶縁層103を厚さ方向に貫通して配線層102の上面の一部を露出する貫通孔103Xが形成されている。
【0130】
配線層104は、絶縁層103の上面に積層されている。配線層104は、貫通孔103X内に充填されたビア配線を介して配線層102と電気的に接続されている。配線層104は、貫通孔103X内に充填されたビア配線と一体に形成されている。
【0131】
絶縁層105は、絶縁層103の上面に、配線層104を被覆するように形成されている。絶縁層105には、当該絶縁層105の上面の所要の箇所に開口し、当該絶縁層105を厚さ方向に貫通して配線層104の上面の一部を露出する貫通孔105Xが形成されている。
【0132】
ここで、貫通孔101X,103X,105Xは、
図19において下側(ソルダレジスト層13側)から上側(配線構造12側)に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。すなわち、配線構造11Cに形成された貫通孔101X,103X,105Xの全てが、ソルダレジスト層13側の開口部に対して配線構造12側の開口部が拡開されたテーパ状に形成されている。なお、貫通孔101X,103X,105Xの上側の開口端の開口径は、例えば、60〜70μm程度とすることができる。
【0133】
貫通孔105X内には、配線層104と絶縁層105の上面105A上に形成された配線層50とを電気的に接続するビア配線106が形成されている。ビア配線106は、例えば、貫通孔105X内に充填されている。このため、ビア配線106は、貫通孔105Xと同様の形状に形成されている。ビア配線106の上端面106Aは、例えば、絶縁層105の上面105Aと略面一になるように形成されている。
【0134】
これら絶縁層105の上面105A及びビア配線106の上端面106A上には、配線構造12が積層されている。例えば、配線構造12の配線層50は、ビア配線106の上端面106Aと接続するように、絶縁層105の上面105A上に積層されている。また、貫通孔60X,60Yを有するプレーン層60は、絶縁層105の上面105A上に積層されている。ここで、絶縁層105の上面105A及びビア配線106の上端面106Aを、例えば、上記第1実施形態の絶縁層35の上面35A及びビア配線36の上端面36A(
図1参照)と同様に、研磨面としてもよい。
【0135】
一方、ソルダレジスト層13は、絶縁層101の下面に、最下層の配線層100を被覆するように形成されている。ソルダレジスト層13には、最下層の配線層100の一部を外部接続用パッドP2として露出させるための開口部13Xが形成されている。
【0136】
このように配線構造11Cがコア基板20を有しない場合であっても、上記第1実施形態の(1)〜(5),(7)の効果と同様の効果を奏することができる。
なお、配線構造11Cは、公知の製造方法により製造することが可能であるため、図示を省略して説明を割愛するが、例えば以下のような方法で製造される。まず、支持体としての仮基板を用意し、この仮基板の上に、配線層100と、絶縁層101と、配線層102と、絶縁層103と、配線層104と、絶縁層105とを順に積層し、絶縁層105にビア配線106を形成する。これにより、仮基板上に配線構造11Cに対応する構造体が製造される。そして、
図8(b)〜
図14(b)に示した工程と同様に、配線構造11Cの上面に配線構造12を積層した後、仮基板を除去し、絶縁層101の下面にソルダレジスト層13を形成することにより、配線基板10Cを製造することができる。
【0137】
(第5実施形態)
以下、
図20に従って第5実施形態を説明する。この実施形態の配線基板10Dは、最上層の配線層の構造が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、先の
図1〜
図19に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0138】
図20に示すように、配線基板10Dでは、
図1に示した配線基板10における最上層に、パッドP1を有する配線層56と併せて、他の配線基板や他の半導体装置と電気的に接続される接続パッドP3を有する配線層58を設けるようにした。
【0139】
配線層58は、貫通孔55Y内に形成されている。ここで、貫通孔55Yは、絶縁層55を厚さ方向に貫通して配線層54の上面の一部を露出するように形成されている。貫通孔55Yは、貫通孔55Xよりも外側の領域に形成されている。貫通孔55Yは、例えば、上側の開口端の開口径が下側の開口端の開口径よりも大径となる逆円錐台形状に形成されている。また、貫通孔55Yは、貫通孔55Xよりもアスペクト比が小さい値に設定されている。貫通孔55Xのアスペクト比は、例えば0.05〜0.1程度とすることができ、貫通孔55Yのアスペクト比は、例えば0.01〜0.02程度とすることができる。
【0140】
配線層58は、アスペクト比の小さい貫通孔55Yの内側面及び底面に沿って形成されるとともに、貫通孔55Y内から絶縁層55の上面に延出するように形成されている。すなわち、配線層58は、貫通孔55Y内に形成された凹状の接続パッドP3を有している。
【0141】
接続パッドP3は、例えば、パッドP1よりも外側の領域に形成されている。複数の接続パッドP3は、例えば、最上層の絶縁層55の上面に平面視でペリフェラル状に配置されている。各接続パッドP3の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。各接続パッドP3の平面形状は、例えば、パッドP1の平面形状よりも大きく形成されている。例えば、各接続パッドP3の平面形状は、直径が120〜170μm程度の円形状とすることができる。
【0142】
このように配線層56に接続パッドP3を設けた場合であっても、配線構造12の各層にプレーン層60,62,64を設けることにより、上記第1実施形態の(1)〜(7)の効果と同様の効果を奏することができる。
【0143】
次に、
図21〜
図23に従って、配線基板10Dの適用例について説明する。
(適用例1)
まず、
図21に従って、配線基板10Dに他の半導体パッケージ200を搭載した半導体装置71について説明する。
【0144】
半導体装置71は、配線基板10Dと、配線基板10Dに実装された1又は複数(
図21では、2つ)の半導体チップ81と、配線基板10Dに積層接合された半導体パッケージ200と、外部接続端子86とを有している。
【0145】
次に、半導体パッケージ200の構造について簡単に説明する。
半導体パッケージ200は、配線基板210と、その配線基板210に実装された1又は複数の半導体チップ220と、配線基板210と半導体チップ220との間に形成されたアンダーフィル樹脂225とを有している。
【0146】
配線基板210は、コア基板211と、コア基板211に設けられた貫通電極212と、コア基板211の下面に形成された最下層の配線層213と、コア基板211の上面に形成された最上層の配線層214と、ソルダレジスト層215,216とを有している。配線層213,214は、貫通電極212を介して相互に電気的に接続されている。
【0147】
ソルダレジスト層215は、配線層213の一部を覆うようにコア基板211の下面に積層されている。ソルダレジスト層215には、配線層213の一部を接続パッドP4として露出させるための開口部215Xが形成されている。この接続パッドP4は、配線基板10Dの接続パッドP3と電気的に接続されるパッドであり、接続パッドP3の各々に対向するように設けられている。
【0148】
ソルダレジスト層216は、配線層214の一部を覆うようにコア基板211の上面に積層されている。ソルダレジスト層216には、配線層214の一部をパッドP5として露出させるための開口部216Xが形成されている。このパッドP5は、半導体チップや受動素子等の電子部品と電気的に接続するための電子部品搭載用のパッドとして機能する。
【0149】
なお、配線基板210は、コア基板211を有する配線基板に限らず、コア基板211を含まないコアレス基板を用いてもよい。
半導体チップ220は、以上説明した配線基板210にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体チップ220の回路形成面(
図21では、下面)に配設されたバンプ221をパッドP5に接合することにより、半導体チップ220は、バンプ221を介して配線層214と電気的に接続されている。このようにフリップチップ接合された配線基板210と半導体チップ220との隙間には、アンダーフィル樹脂225が形成されている。
【0150】
配線基板10Dの接続パッドP3上には、はんだボール230が接合されている。はんだボール230は、配線基板10Dと半導体パッケージ200との間に介在して設けられ、その一端が接続パッドP3に接合され、他端が接続パッドP4に接合されている。はんだボール230としては、例えば、導電性コアボール(銅コアボールなど)や樹脂コアボールの周囲をはんだで覆った構造を有するはんだボールを用いることができる。なお、はんだボール230としては、導電性コアボールや樹脂コアボールを省略したはんだボールを用いることもできる。
【0151】
このように、配線基板10Dと半導体パッケージ200とがはんだボール230を介して積層接合され、POP(Package on Package)構造の半導体装置71が形成されている。
【0152】
(適用例2)
次に、
図22に従って、配線基板10Dを電子部品内蔵基板72に適用した場合について説明する。
【0153】
電子部品内蔵基板72は、配線基板10Dと、配線基板10Dに実装された1又は複数(
図22では、2つ)の半導体チップ81と、配線基板10Dに搭載された他の配線基板210と、配線基板10Dと配線基板210との間の空間に形成された封止樹脂240とを有している。
【0154】
電子部品内蔵基板72では、配線基板10Dと配線基板210とがはんだボール230を介して積層接合されている。配線基板10Dと配線基板210との間の空間には、封止樹脂240が充填されている。この封止樹脂240によって、配線基板210が配線基板10Dに対して固定されるとともに、配線基板10Dに実装された半導体チップ81が封止される。すなわち、封止樹脂240は、配線基板10Dと配線基板210とを接着する接着剤として機能するとともに、半導体チップ81を保護する保護層として機能する。
【0155】
このように、電子部品内蔵基板72は、配線基板10Dと配線基板210との間の空間に電子部品である半導体チップ81が内蔵された構造を有している。
(適用例3)
次に、
図23に従って、電子部品内蔵基板72に、他の半導体パッケージ300を搭載した半導体装置73について説明する。
【0156】
半導体装置73は、配線基板10Dを有する電子部品内蔵基板72と、その電子部品内蔵基板72に積層接合された半導体パッケージ300と、外部接続端子86とを有している。電子部品内蔵基板72の配線基板210に形成されたパッドP5は、他の配線基板や他の半導体装置と電気的に接続されるパッドとして機能する。
【0157】
次に、半導体パッケージ300の構造について簡単に説明する。
半導体パッケージ300は、配線基板310と、その配線基板310に実装された1又は複数の半導体チップ320と、配線基板310と半導体チップ320との間に形成されたアンダーフィル樹脂325とを有している。
【0158】
配線基板310は、コア基板311と、コア基板311に設けられた貫通電極312と、コア基板311の下面に形成された最下層の配線層313と、コア基板311の上面に形成された最上層の配線層314と、ソルダレジスト層315,316とを有している。配線層313,314は、貫通電極312を介して相互に電気的に接続されている。
【0159】
ソルダレジスト層315は、配線層313の一部を覆うようにコア基板311の下面に積層されている。ソルダレジスト層315には、配線層313の一部を接続パッドP6として露出させるための開口部315Xが形成されている。この接続パッドP6は、電子部品内蔵基板72のパッドP5と電気的に接続されるパッドであり、パッドP5の各々に対向するように設けられている。
【0160】
ソルダレジスト層316は、配線層314の一部を覆うようにコア基板311の上面に積層されている。ソルダレジスト層316には、配線層314の一部をパッドP7として露出させるための開口部316Xが形成されている。このパッドP7は、半導体チップや受動素子等の電子部品と電気的に接続するための電子部品搭載用のパッドとして機能する。
【0161】
なお、配線基板310は、コア基板311を有する配線基板に限らず、コア基板311を含まないコアレス基板を用いてもよい。
半導体チップ320は、以上説明した配線基板310にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体チップ320の回路形成面(
図23では、下面)に配設されたバンプ321をパッドP7に接合することにより、半導体チップ320は、バンプ321を介して配線層314と電気的に接続されている。このようにフリップチップ接合された配線基板310と半導体チップ320との隙間には、アンダーフィル樹脂325が形成されている。
【0162】
半導体パッケージ300は、はんだボール330を介して電子部品内蔵基板72上に積層接合されている。はんだボール330は、電子部品内蔵基板72と半導体パッケージ300との間に介在して設けられ、その一端が電子部品内蔵基板72のパッドP5に接合され、他端が接続パッドP6に接合されている。
【0163】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第2〜第4実施形態の配線基板10A〜10Cにおける最上層の配線層56に、上記第5実施形態の配線基板10Dと同様に、接続パッドP3を設けるようにしてもよい。
【0164】
・
図24に示すように、各実施形態におけるプレーン層60の上面を山なりに形成するようにしてもよい。すなわち、本例のプレーン層60の上面は、周縁部から中央部に向かうに連れて上方に盛り上がるように湾曲して形成されている。この場合には、プレーン層60を被覆する絶縁層51を形成する際に、プレーン層60の上面が上方に盛り上がるように曲面状に形成されているため、絶縁性樹脂の流動性を向上させることができる。これにより、貫通孔60X内に絶縁層51を好適に充填することができる。この結果、絶縁層51の上面の平坦性を向上させることができる。なお、プレーン層62,64についても同様に変更することができる。
【0165】
・上記各実施形態では、貫通孔60X,62X,64Xを平面視略矩形状に形成するようにしたが、貫通孔60X,62X,64Xの平面形状は特に限定されない。
例えば、
図25(a)に示すように、貫通孔60X,62X,64Xの平面形状を円形状に形成するようにしてもよい。また、
図25(b)に示すように、貫通孔60X,62X,64Xの平面形状を六角形等の多角形状に形成するようにしてもよい。また、貫通孔60X,62X,64Xの平面形状を、楕円形状や三角形状に形成するようにしてもよい。
【0166】
・上記各実施形態では、貫通孔60X,62X,64Xを平面視でマトリクス状に配置するようにした。これに限らず、例えば、
図25(a)及び
図25(b)に示すように、貫通孔60X,62X,64Xを平面視で千鳥状に配置するようにしてもよい。
【0167】
・
図26及び
図27に示すように、例えば、上下に隣接して設けられたプレーン層60とプレーン層62とを相互に平面方向(厚さ方向と断面視で直交する方向)にずれた位置に形成するようにしてもよい。この場合には、
図27に示すように、貫通孔60Xの位置と貫通孔62Xの位置とが平面視において異なる位置に形成される、つまりプレーン層60が形成されていない位置と、プレーン層62が形成されていない位置とが平面視でずれた位置に配置される。これにより、配線構造12内の各絶縁層51,53,55の上面において、貫通孔60X,62X,64Xに起因して生じるうねりを平面方向に分散させることができる。したがって、絶縁層51,53,55の上面の平坦性を向上させることができる。なお、
図26では、絶縁層35,51が透視的に描かれている。
【0168】
・上記各実施形態におけるプレーン層60の平面形状は、少なくとも一部が平面視格子状に形成されていれば、プレーン層60の一部にべた状又はランド状のパターンが形成されていてもよい。なお、プレーン層62,64についても同様に変更することができる。
【0169】
・上記各実施形態では、レジスト層93の開口パターン93Xを、上側の開口端の開口幅D3が下側の開口端の開口幅D4よりも広くなる形状に形成することにより、プレーン層60の貫通孔60Xを、上側の開口端の開口幅D1が下側の開口端の開口幅D2よりも狭くなる形状に形成するようにした。これに限らず、例えば、金属層50B,60Bをマスクにしてシード層92をエッチングする際の処理条件(エッチング液の組成や処理時間等)を調整することにより、プレーン層60の貫通孔60Xを、上側の開口端の開口幅D1が下側の開口端の開口幅D2よりも狭くなる形状に形成してもよい。
【0170】
・上記各実施形態では、ソルダレジスト層13の厚さを、配線構造12の厚さと等しい、又は配線構造12の厚さよりも厚く設定するようにした。これに限らず、例えば、ソルダレジスト層13の厚さを、配線構造12の厚さよりも薄く設定するようにしてもよい。
【0171】
・上記各実施形態では、ビア配線36の上端面36Aを絶縁層35の上面35Aと面一になるように形成し、ビア配線106の上端面106Aを絶縁層105の上面105Aと面一になるように形成した。これに限らず、例えば、ビア配線36,106の上端面36A,106Aを、絶縁層35,105の上面35A,105Aよりも下方に凹むように形成してもよい。また、ビア配線36,106の上端面36A,106Aを、絶縁層35,105の上面35A,105Aよりも上方に突出するように形成してもよい。
【0172】
・上記各実施形態の配線基板10,10A〜10Dに形成された貫通孔の断面形状は特に限定されない。例えば、配線基板10,10A〜10Dに形成された貫通孔をストレート形状(断面視略矩形状)に形成するようにしてもよい。
【0173】
・上記各実施形態における配線構造11,11A〜11Cにおける配線層及び絶縁層の層数や配線の取り回しなどは様々に変形・変更することが可能である。
・上記各実施形態における配線構造12,12Bにおける配線層50,52,54,56及び絶縁層51,53,55の層数や配線の取り回しなどは様々に変形・変更することが可能である。
【0174】
・上記第1実施形態と上記第5実施形態の適用例では、配線基板10,10Dに半導体チップ81を実装するようにした。これに限らず、例えば、半導体チップ81の代わりに、チップコンデンサ、チップ抵抗やチップインダクタ等のチップ部品や水晶振動子などの半導体チップ以外の電子部品を配線基板10,10Dに実装するようにしてもよい。また、上記第2〜第4実施形態の配線基板10A〜10Cに半導体チップ81等の電子部品を実装するようにしてもよい。
【0175】
・また、半導体チップ81、チップ部品及び水晶振動子などの電子部品の実装の形態(例えば、フリップチップ実装、ワイヤボンディング実装、はんだ実装又はこれらの組み合わせ)などは様々に変形・変更することが可能である。
【0176】
・上記各実施形態では、コア基板20の貫通孔20X,20Yを充填する貫通電極21を介してコア基板20の上下の配線層を相互に電気的に接続するようにした。これに限らず、例えば、貫通孔20X,20Yの内壁に設けられたスルーホールめっき層(貫通電極)を介してコア基板20の上下の配線層を相互に電気的に接続するようにしてもよい。この場合、スルーホールめっき層よりも内側に形成された貫通孔20X,20Yの孔を樹脂で充填するようにしてもよい。