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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-233091(P2015-233091A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】基板洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   H01L21/304 644B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-119724(P2014-119724)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】石橋 知淳
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA16
5F157AA96
5F157AB02
5F157AB17
5F157AB26
5F157AB33
5F157AB90
5F157BA07
5F157BA13
5F157BA31
5F157CE27
5F157DB43
(57)【要約】
【課題】 揺動洗浄部材を用いて基板を洗浄するときに、基板が反り形状になるのを防ぐことのできる基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】 基板洗浄装置は、回転する基板Wの外周を支持する複数の外周支持部材32と、基板Wの中心部Aを通りながら基板Wの第1の外周位置Bと第2の外周位置B’との間を揺動して、回転する基板Wの表面を洗浄する揺動洗浄部材34と、基板Wの中心部Aを通るように基板Wの第3の外周位置Cから第4の外周位置C’まで長尺状に延びて、回転する基板Wの裏面を支持する長尺支持部材36を備える。第1の外周位置Bは、複数の外周支持部材32のうち第3の外周位置Cに最も近い外周支持部材32の位置Dと第3の外周位置Cとの間に配置されている。
【選択図】 図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する基板の外周を支持する複数の外周支持部材と、
前記基板の中心部を通りながら前記基板の第1の外周位置と第2の外周位置との間を揺動して、前記回転する基板の表面を洗浄する揺動洗浄部材と、
前記基板の中心部を通るように前記基板の第3の外周位置から第4の外周位置まで長尺状に延びて、前記回転する基板の裏面を支持する長尺支持部材と、
を備え、
前記第1の外周位置と前記第2の外周位置の少なくとも一方は、前記複数の外周支持部材のうち前記第3の外周位置に最も近い外周支持部材の位置と前記第3の外周位置との間、または、前記複数の外周支持部材のうち前記第4外周位置に最も近い外周支持部材の位置と前記第4の外周位置との間に配置されている、ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
前記基板の中心位置Aと前記第1の外周位置Bとを結ぶ線分ABと前記基板の中心位置Aと前記第3の外周位置Cとを結ぶ線分ACとのなす角の大きさは、前記基板の中心位置Aと前記第3の外周位置に最も近い外周支持部材の位置Dとを結ぶ線分ADと前記基板の中心位置Aと前記第3の外周位置Cとを結ぶ線分ACとのなす角の大きさ以下になるように設定されている、請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記揺動洗浄部材は、ペンシルスクラブ洗浄部材であり、
前記ペンシルスクラブ洗浄部材は、前記基板の表面に接触する洗浄スポンジと、前記洗浄スポンジを保持する保持部材とを備え、
前記洗浄スポンジは、下面が前記基板の表面に接触する本体部と、前記本体部の上面から立設され前記保持部材に保持されるネック部とを備え、
前記ネック部の根端部には、窪み部が設けられている、前記本体部の上面には凹部または凸部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記揺動洗浄部材は、ペンシルスクラブ洗浄部材であり、
前記ペンシルスクラブ洗浄部材は、前記基板の表面に接触する洗浄スポンジと、前記洗浄スポンジを保持する保持部材とを備え、
前記洗浄スポンジは、下面が前記基板の表面に接触する本体部と、前記本体部の上面から立設され前記保持部材に保持されるネック部とを備え、
前記本体部の上面には、凹部または凸部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記長尺支持部材は、ロール部材であり、
前記ロール部材の表面には、複数の凸部が設けられ、
前記複数の凸部のうち最も外側の凸部は、前記基板の外周部より内側に位置している、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記揺動洗浄部材が前記基板の外周からはみ出したときに、前記基板に対する前記揺動洗浄部材の圧力が一定になるように、前記基板に接触している前記揺動洗浄部材の面積に応じて、前記基板に対する前記揺動洗浄部材の押し付け力を制御する制御部を備える、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
前記長尺支持部材は、前記基板の中心部から前記第3の外周位置までの第1の回転ロール部材と、前記基板の中心部から前記第4の外周位置までの第2の回転ロール部材とで構成され、
前記第1の回転ロール部材の回転方向と前記第2の回転ロール部材の回転方向は、前記基板の回転方向と同じ方向に設定されている、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動洗浄部材を用いて基板を洗浄する基板洗浄装置に関し、特に、大径の基板の洗浄に適した基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの微細化にともなって、微細構造を有する基板(物性の異なる様々な材料膜を形成した基板)の加工が行われている。例えば、基板に形成した配線溝を金属で埋めるダマシン配線形成工程においては、ダマシン配線形成後に基板研磨装置(CMP装置)により、余分な金属を研磨除去して、基板表面に物性の異なる様々な材料膜(金属膜、バリア膜、絶縁膜など)が形成される。このような基板表面には、CMP研磨で使用されたスラリー残渣や金属研磨屑(Cu研磨屑など)が存在する。そのため、基板表面が複雑で洗浄が困難な場合など、基板表面の洗浄が充分に行わない場合には、残渣物などの影響によってリークや密着性不良が発生し、信頼性低下の原因になるおそれがある。そこで、半導体基板の研磨を行うCMP装置では、研磨後の洗浄工程でロールスクラブ洗浄やペンスクラブ洗浄が行われている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−172019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の基板洗浄装置においては、例えば、水平平置きした基板を回転させながら基板表面の洗浄が行われる。基板を単に水平平置きした場合、基板は自重によって反り形状(凹形状)になる。この基板の自重による反り形状の問題は、基板サイズが大径化するとより顕著になる。例えば、基板の直径が1.5倍になる(300mmから450mmになる)と、基板の中央部の反り量は2〜3倍になる。
【0005】
また、基板表面をペンスクラブ洗浄する場合、洗浄部材が基板表面上を揺動する洗浄部材によって基板洗浄が行われる。その場合、洗浄部材が基板表面の中央部を通過するとき、基板裏面に支持部材がないと、洗浄部材の押圧力によっても基板が反り形状になる。この洗浄部材の押圧力による反り形状の問題は、基板を水平平置きした場合に限られず、基板を垂直に置いた場合や斜めに置いた場合にも生じ得る。
【0006】
基板が反り形状になると、基板中央部と基板外周部とで洗浄特性にバラツキが生じるおそれがある。例えば、基板を水平平置きにする場合、基板を回転させることにより生じる遠心力によって洗浄液の排出が行われるが、基板の中央部が凹形状になると洗浄液の排出能力が低下してしまう。この洗浄液の排出能力低下の問題は、特に薬液洗浄後の濯ぎのときに影響が大きく、総合洗浄プロセスマージンの低下や、長時間処理によるスループットの低下、消耗部材のための高コスト化を招くおそれがある。
【0007】
また、基板が反り形状になると、ペンスクラブ洗浄を行う場合にも、基板の中央部と外周部とで洗浄特性にバラツキが生じるおそれがある。すなわち、基板が反り形状になると、基板の中央部で洗浄部材の押圧力が低くなり、基板の中央部(旋回速度が低い)で洗浄特性が劣化するおそれがある。そこで、洗浄部材の押圧力を単に高くすると、基板の外周部(旋回速度が高い)で洗浄部材が角あたりしてしまい、逆汚染が増加するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、揺動洗浄部材を用いて基板を洗浄するときに、基板が反り形状になるのを防ぐことのできる基板洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基板洗浄装置は、回転する基板の外周を支持する複数の外周支持部材と、基板の中心部を通りながら基板の第1の外周位置と第2の外周位置との間を揺動して、回転する基板の表面を洗浄する揺動洗浄部材と、基板の中心部を通るように基板の第3の外周位置から第4の外周位置まで長尺状に延びて、回転する基板の裏面を支持する長尺支持部材と、を備え、第1の外周位置と第2の外周位置の少なくとも一方は、複数の外周支持部材のうち第3の外周位置に最も近い外周支持部材の位置と第3の外周位置との間、または、複数の外周支持部材のうち第4外周位置に最も近い外周支持部材の位置と第4の外周位置との間に配置されている。
【0010】
この構成によれば、基板の表面を洗浄する搖動洗浄部材は、基板の中心を通りながら第1の外周位置と第2の外周位置との間を揺動する。基板の裏面を支持する長尺支持部材は、基板の中心部を通るように第3の外周位置から第4の外周位置まで長尺状に延びている。したがって、搖動洗浄部材が基板の中心部に位置しているとき、長尺支持部材によって基板が支持され、基板が反り形状(凹形状)になるのを防止することができる。また、この場合、第1の外周位置と第2の外周位置の少なくとも一方が、複数の外周支持部材のうち第3の外周位置に最も近い外周支持部材の位置と第3の外周位置との間、または、複数の外周支持部材のうち第4外周位置に最も近い外周支持部材の位置と第4の外周位置との間に配置される。したがって、搖動洗浄部材が基板の中心部と外周部(第1の外周位置と第2の外周位置の少なくとも一方)の間に位置しているときにも、長尺支持部材と外周支持部材(第3の外周位置または第4の外周位置に最も近い外周支持部材)とによって基板が支持され、基板が反り形状(凹形状)になるのを低減することができる。
【0011】
また、本発明の基板洗浄装置では、基板の中心位置Aと第1の外周位置Bとを結ぶ線分ABと基板の中心位置Aと第3の外周位置Cとを結ぶ線分ACとのなす角の大きさは、基板の中心位置Aと第3の外周位置に最も近い外周支持部材の位置Dとを結ぶ線分ADと基板の中心位置Aと第3の外周位置Cとを結ぶ線分ACとのなす角の大きさ以下になるように設定されてもよい。
【0012】
この構成によれば、搖動洗浄部材が基板の中心位置Aに位置しているとき、長尺支持部材によって基板が支持され、基板が反り形状(凹形状)になるのを防止することができる。また、搖動洗浄部材が基板の中心位置Aと第1の外周位置Bとの間に位置しているときにも、長尺支持部材と外周支持部材(第3の外周位置に最も近い外周支持部材)とによって基板が支持され、基板が反り形状(凹形状)になるのを低減することができる。
【0013】
また、本発明の基板洗浄装置では、揺動洗浄部材は、ペンシルスクラブ洗浄部材であり、ペンシルスクラブ洗浄部材は、基板の表面に接触する洗浄スポンジと、洗浄スポンジを保持する保持部材とを備え、洗浄スポンジは、下面が基板の表面に接触する本体部と、本体部の上面から立設され保持部材に保持されるネック部とを備え、ネック部の根端部には、窪み部が設けられている、本体部の上面には凹部または凸部が設けられてもよい。
【0014】
この構成によれば、ペンシルスクラブ洗浄部材の洗浄スポンジには、ネック部の根端部に窪み部が設けられているので、ネック部が本体部に対して倒れるように変形しやすい。すなわち、洗浄スポンジは、ネック部が保持部に保持された状態で、本体部の下面が傾くように変形しやすいように構成されている。基板が反り形状(凹形状)になった場合、基板の表面に傾きが生じることになるが、その場合には、洗浄スポンジの本体部の下面が傾いて基板の表面の傾きに追従することができ、洗浄スポンジが基板の表面に片当たりするのを抑制することができる。
【0015】
また、本発明の基板洗浄装置では、揺動洗浄部材は、ペンシルスクラブ洗浄部材であり、ペンシルスクラブ洗浄部材は、基板の表面に接触する洗浄スポンジと、洗浄スポンジを保持する保持部材とを備え、洗浄スポンジは、下面が基板の表面に接触する本体部と、本体部の上面から立設され保持部材に保持されるネック部とを備え、本体部の上面には、凹部または凸部が設けられてもよい。
【0016】
この構成によれば、ペンシルスクラブ洗浄部材の洗浄スポンジには、本体部の上面に凹部または凸部が設けられているので、本体部が反るように変形しやすい。基板が反り形状(凹形状)になった場合、基板の表面に傾きが生じることになるが、その場合には、洗浄スポンジの本体部が反るように変形し基板の表面の傾きに追従することができ、洗浄スポンジが基板の表面に片当たりするのを抑制することができる。
【0017】
また、本発明の基板洗浄装置では、長尺支持部材は、ロール部材であり、ロール部材の表面には、複数の凸部が設けられ、複数の凸部のうち最も外側の凸部は、基板の外周部より内側に位置してもよい。
【0018】
この構成によれば、ロール部材の表面の複数の凸部のうち最も外側の凸部(最外凸部)が、基板の外周部より内側に位置しているので、基板の外周部が凸部(最外凸部)に部分的に当たるのを防ぐことができる。基板の外周部が凸部(最外凸部)に部分的に当たると、凸部(最外凸部)の表面のうち基板の外周部が当たっている部分が凹むことになり、凸部(最外凸部)の表面に段差ができてしまう。凸部(最外凸部)の表面に段差ができ、基板の外周部が当たっていない部分が基板より上に突出してしまうと、揺動洗浄部材で基板の外周部まで洗浄しようとしたときに、その凸部(最外凸部)の突出部分に引っかかるおそれがある。本発明によれば、基板の外周部が凸部(最外凸部)に部分的に当たるのを防ぐことができるので、引っかかりのおそれがなく、基板の外周まで洗浄することが可能になる。
【0019】
また、本発明の基板洗浄装置では、揺動洗浄部材が基板の外周からはみ出したときに、基板に対する揺動洗浄部材の圧力が一定になるように、基板に接触している揺動洗浄部材の面積に応じて、基板に対する揺動洗浄部材の押し付け力を制御する制御部を備えてもよい。
【0020】
この構成によれば、揺動洗浄部材が基板の外周からはみ出したときに、基板に接触している揺動洗浄部材の面積に応じて基板に対する揺動洗浄部材の押し付け力が制御され、基板に対する揺動洗浄部材の圧力が一定に保たれる。したがって、揺動洗浄部材の圧力の上昇による食い込みの発生を抑えることができ、基板の外周まで洗浄することが可能になる。
【0021】
また、本発明の基板洗浄装置では、長尺支持部材は、基板の中心部から第3の外周位置までの第1の回転ロール部材と、基板の中心部から第4の外周位置までの第2の回転ロール部材とで構成され、第1の回転ロール部材の回転方向と第2の回転ロール部材の回転方向は、基板の回転方向と同じ方向に設定されてもよい。
【0022】
この構成によれば、長尺支持部材が第1の回転ロール部材と第2の回転ロール部材とで構成され、第1の回転ロール部材の回転方向と第2の回転ロール部材の回転方向が、基板の回転方向と同じ方向に設定されているので、基板の回転を阻害することなく、円滑に基板を回転させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、揺動洗浄部材を用いて基板を洗浄するときに、基板が反り形状になるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態における基板洗浄装置(洗浄ユニット)を備えた基板処理装置の平面図である。
図2】本発明の実施の形態における基板洗浄装置(洗浄ユニット)の斜視図である。
図3】本発明の実施の形態における基板洗浄装置(洗浄ユニット)の側面図である。
図4】本発明の実施の形態における基板洗浄装置(洗浄ユニット)の平面図である。
図5】本発明の実施の形態における洗浄スポンジの斜視図である。
図6】本発明の実施の形態における洗浄スポンジの側面図である。
図7】本発明の実施の形態における洗浄スポンジの平面図である。
図8】本発明の実施の形態における長尺支持部材(ロール部材)の側面図である。
図9】本発明の実施の形態における長尺支持部材(ロール部材)の端部の拡大図である。
図10】本発明の実施の形態における洗浄スポンジの押し付け力制御の説明図である。
図11】本発明の実施の形態における揺動洗浄部材(ペンシルスクラブ洗浄部材)の動作の説明図である。
図12】基板洗浄装置(洗浄ユニット)の変形例の平面図である。
図13】基板洗浄装置(洗浄ユニット)の変形例における揺動洗浄部材(ペンシルスクラブ洗浄部材)の動作の説明図である。
図14】長尺支持部材(ロール部材)の変形例の説明図である。
図15】基板洗浄装置(洗浄ユニット)の変形例の側面図である。
図16】基板洗浄装置(洗浄ユニット)の変形例の平面図である。
図17】基板洗浄装置(洗浄ユニット)の変形例の平面図である。
図18】基板洗浄装置(洗浄ユニット)の変形例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態の基板洗浄装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、半導体基板の研磨を行うCMP装置等に用いられる基板洗浄装置の場合を例示する。
【0026】
本発明の実施の形態の基板洗浄装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置(洗浄ユニット)を備えた基板処理装置の全体構成を示す平面図である。図1に示すように、基板処理装置は、略矩形状のハウジング10と、多数の半導体ウェハ等の基板をストックする基板カセットが載置されるロードポート12を備えている。ロードポート12は、ハウジング10に隣接して配置されている。ロードポート12には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。SMIF、FOUPは、内部に基板カセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
【0027】
ハウジング10の内部には、4つの研磨ユニット14a〜14dと、研磨後の基板を洗浄する洗浄ユニット(第1洗浄ユニット16及び第2洗浄ユニット18)と、洗浄後の基板を乾燥させる乾燥ユニット20が収容されている。洗浄ユニット(第1洗浄ユニット16,第2洗浄ユニット18)は、上下2段に配置した上下2段構造としてもよい。研磨ユニット14a〜14dは、基板処理装置の長手方向に沿って配列され、洗浄ユニット16,18及び乾燥ユニット20も基板処理装置の長手方向に沿って配列されている。本発明の実施形態の基板洗浄装置は、第1洗浄ユニット16や第2洗浄ユニット18に適用することができる。
【0028】
ロートポート12、該ロートポート12側に位置する研磨ユニット14a及び乾燥ユニット20に囲まれた領域には、第1基板搬送ロボット22が配置され、また研磨ユニット14a〜14dと平行に、基板搬送ユニット24が配置されている。第1基板搬送ロボット22は、研磨前の基板をロートポート12から受け取って基板搬送ユニット24に受け渡すとともに、乾燥後の基板を乾燥ユニット20から受け取ってロートポート12に戻す。基板搬送ユニット24は、第1基板搬送ロボット22から受け取った基板を搬送して、各研磨ユニット14a〜14dとの間で基板の受け渡しを行う。
【0029】
第1洗浄ユニット16と第2洗浄ユニット18の間には、これらの各ユニット16,18との間で基板の受け渡しを行う第2基板搬送ロボット26が配置されている。また、第2洗浄ユニット18と乾燥ユニット20との間には、これらの各ユニット18,20との間で基板の受け渡しを行う第3基板搬送ロボット28が配置されている。更に、ハウジング10の内部には、基板処理装置の各機器の動きを制御する制御部30が配置されている。制御部30は、例えば洗浄ユニット(第1洗浄ユニット16,第2洗浄ユニット18)の動作を制御する。
【0030】
図2は、本実施の形態の基板洗浄装置(洗浄ユニット)の構成を示す斜視図である。また、図3は、基板洗浄装置(洗浄ユニット)の構成を示す側面図であり、図4は、基板洗浄装置(洗浄ユニット)の構成を示す平面図である。図2図4に示すように、基板洗浄装置は、基板Wの外周を支持する4つの外周支持部材32と、基板Wの表面を洗浄する揺動洗浄部材34と、基板Wの裏面を支持する長尺支持部材36を備えている。
【0031】
外周支持部材32は、例えばチャック等で構成される。このチャック等の回転により、基板Wを回転させることができる。揺動洗浄部材34は、基板W上を円弧状に揺動して、基板Wの表面を洗浄するように構成されている。また、長尺支持部材36は、長尺状に延びており、回転しながら基板Wの裏面を支持するように構成されている。なお、長尺支持部材36は、回転せずに基板Wの裏面を支持するように構成されてもよい。
【0032】
揺動洗浄部材34は、例えばペンシルスクラブ洗浄部材で構成される。ペンシルスクラブ洗浄部材は、回転しながら基板Wの表面に接触する洗浄スポンジ38と、洗浄スポンジ38を保持する保持部材40を備えている(図5および図6参照)。保持部材40は、揺動アーム42の先端に設けられている。揺動アーム42の根端は、回転自在な支持軸44に支持されている。また、基板洗浄装置の側方には、洗浄液(薬液)やスラリーを供給するノズル46が立設されている。
【0033】
図5図7は、本実施の形態の洗浄スポンジ38の説明図である。図5に示すように、洗浄スポンジ38は、下面が基板Wの表面に接触する本体部48と、本体部48の上面から立設され保持部材40に保持されるネック部50を備えている(図6(a)参照)。図6(b)に示すように、ネック部50の根端部には、窪み部52が設けられてもよい。また、図7に示すように、本体部48の上面には、凹凸部54(凹部または凸部)が設けられてもよい。なお、ネック部50の窪み部52と本体部48の凹凸部54は、一方だけ設けられても良く、両方とも設けられても良い(図6(c)参照)。
【0034】
長尺支持部材36は、例えばロール部材で構成される。図8は、長尺支持部材36の側面図であり、図9は、ロール部材の端部の拡大図である。図8に示すように、ロール部材の表面には、複数の凸部60が設けられている。そして、図9に示すように、ロール部材の複数の凸部60のうち最も外側(図9における最も右側)の凸部60は、基板Wの外周部より内側に位置している。
【0035】
図10は、制御部30による洗浄スポンジ38の押し付け力制御の説明図である。図10に示すように、制御部30は、洗浄スポンジ38が基板Wの外周からはみ出したときに、基板Wに対する洗浄スポンジ38の圧力が一定になるように、基板Wに接触している洗浄スポンジ38の面積に応じて、基板Wに対する洗浄スポンジ38の押し付け力を制御する。
【0036】
図11は、揺動洗浄部材34の動作の説明図である。図11に示すように、揺動洗浄部材34は、基板Wの中心部Aを通りながら基板Wの両端の外周位置(第1の外周位置Bと第2の外周位置B’)の間を円弧状に揺動する。この場合、長尺支持部材36は、基板Wの中心部Aを通るように基板Wの第3の外周位置Cから第4の外周位置C’まで長尺状に延びている。
【0037】
第1の外周位置Bは、4つの外周支持部材32のうち第3の外周位置Cと第3の外周位置Cに最も近い外周支持部材32の位置Dとの間(位置Cと位置Dの間)に配置されている。なお、第2の外周位置B’が、第4の外周位置C’と複数の外周支持部材32のうち第4外周位置C’に最も近い外周支持部材32の位置D’との間(位置C’と位置D’の間)に配置されてもよい。
【0038】
換言すると、基板Wの中心位置Aと第1の外周位置Bとを結ぶ線分ABと基板Wの中心位置Aと第3の外周位置Cとを結ぶ線分ACとのなす角θの大きさは、基板Wの中心位置Aと第3の外周位置Cに最も近い外周支持部材32の位置Dとを結ぶ線分ADと基板Wの中心位置Aと第3の外周位置Cとを結ぶ線分ACとのなす角αの大きさ以下になるように設定されている。
【0039】
このような本実施の形態では、図11に示すように、基板Wの表面を洗浄する揺動洗浄部材34が、基板Wの中心部Aを通りながら第1の外周位置Bと第2の外周位置B’との間を揺動し、基板Wの裏面を支持する長尺支持部材36が、基板Wの中心部Aを通るように第3の外周位置Cから第4の外周位置C’まで長尺状に延びている。したがって、揺動洗浄部材34が基板Wの中心部Aに位置しているときには、長尺支持部材36によって基板Wが支持され、基板Wが反り形状(凹形状)になるのを防止することができる。また、この場合、第1の外周位置Cが、4つの外周支持部材32のうち第3の外周位置Cに最も近い外周支持部材32の位置Dと第3の外周位置Cとの間に配置される。したがって、揺動洗浄部材34が基板Wの中心部Aと外周部(第1の外周位置C)の間に位置しているときにも、長尺支持部材36と外周支持部材32(第3の外周位置Cに最も近い外周支持部材32)とによって基板Wが支持され、基板Wが反り形状(凹形状)になるのを低減することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、図6(b)に示すように、洗浄スポンジ38のネック部50の根端部に窪み部52が設けられているので、ネック部50が本体部48に対して倒れるように変形しやすい。すなわち、洗浄スポンジ38は、ネック部50が保持部に保持された状態で、本体部48の下面が傾くように変形しやすいように構成されている。基板Wが反り形状(凹形状)になった場合、基板Wの表面に傾きが生じることになるが、その場合には、洗浄スポンジ38の本体部48の下面が傾いて基板Wの表面の傾きに追従することができ、洗浄スポンジ38が基板Wの表面に片当たりするのを抑制することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、図7に示すように、洗浄スポンジ38の本体部48の上面に、凹凸部54(凹部または凸部)が設けられているので、洗浄スポンジ38の本体部48が反るように変形しやすい。基板Wが反り形状(凹形状)になった場合、基板Wの表面に傾きが生じることになるが、その場合には、洗浄スポンジ38の本体部48が反るように変形し基板Wの表面の傾きに追従することができ、洗浄スポンジ38が基板Wの表面に片当たりするのを抑制することができる。
【0042】
また、本実施の形態では、図9に示すように、ロール部材の表面の複数の凸部のうち最も外側の凸部(最外凸部)が、基板Wの外周部より内側に位置しているので、基板Wの外周部が凸部(最外凸部)に部分的に当たるのを防ぐことができる。基板Wの外周部が凸部(最外凸部)に部分的に当たると、凸部(最外凸部)の表面のうち基板Wの外周部が当たっている部分が凹むことになり、凸部(最外凸部)の表面に段差ができてしまう。凸部(最外凸部)の表面に段差ができ、基板Wの外周部が当たっていない部分が基板Wより上に突出してしまうと、揺動洗浄部材34で基板Wの外周部まで洗浄しようとしたときに、その凸部(最外凸部)の突出部分に引っかかるおそれがある。本実施の形態によれば、基板Wの外周部が凸部(最外凸部)に部分的に当たるのを防ぐことができるので、引っかかりのおそれがなく、基板Wの外周まで洗浄することが可能になる。
【0043】
また、本実施の形態では、図10に示すように、揺動洗浄部材34が基板Wの外周からはみ出したときに、基板Wに接触している揺動洗浄部材34の面積に応じて基板Wに対する揺動洗浄部材34の押し付け力が制御され、基板Wに対する揺動洗浄部材34の圧力が一定に保たれる。したがって、揺動洗浄部材34の圧力の上昇による食い込みの発生を抑えることができ、基板Wの外周まで洗浄することが可能になる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0045】
例えば、図12に示すように、揺動洗浄部材34は、基板W上を直線状に揺動して、基板Wの表面を洗浄するように構成されてもよい。すなわち、揺動洗浄部材34は、図13に示すように、基板Wの中心部Aを通りながら基板Wの両端の外周位置(第1の外周位置Bと第2の外周位置B’)の間を直線上に揺動してもよい。この場合、第1の外周位置Bは、4つの外周支持部材32のうち第3の外周位置Cと第3の外周位置Cに最も近い外周支持部材32の位置Dとの間(位置Cと位置Dの間)に配置されている。また、第2の外周位置B’が、第4の外周位置C’と複数の外周支持部材32のうち第4外周位置C’に最も近い外周支持部材32の位置D’との間(位置C’と位置D’の間)に配置されている。
【0046】
この場合にも、基板Wの中心位置Aと第1の外周位置Bとを結ぶ線分ABと基板Wの中心位置Aと第3の外周位置Cとを結ぶ線分ACとのなす角θの大きさは、基板Wの中心位置Aと第3の外周位置Cに最も近い外周支持部材32の位置Dとを結ぶ線分ADと基板Wの中心位置Aと第3の外周位置Cとを結ぶ線分ACとのなす角αの大きさ以下になるように設定されている(図13参照)。
【0047】
また、図14に示すように、長尺支持部材36は、基板Wの中心部Aから第3の外周位置Cまでの第1の回転ロール部材56と、基板Wの中心部Aから第4の外周位置C’までの第2の回転ロール部材58とで構成してもよい。この場合、第1の回転ロール部材56の回転方向と第2の回転ロール部材58の回転方向は、基板Wの回転方向と同じ方向に設定される。
【0048】
このように、長尺支持部材36が第1の回転ロール部材56と第2の回転ロール部材58とで構成され、第1の回転ロール部材56の回転方向と第2の回転ロール部材58の回転方向が、基板Wの回転方向と同じ方向に設定されていれば、基板Wの回転を阻害することなく、円滑に基板Wを回転させることができる。
【0049】
また、基板洗浄装置は、図15図17に示すように、基板Wを垂直に置いた場合にも適用できる。基板Wを垂直に置いた場合にも、基板Wを水平平置きした場合と同様、揺動洗浄部材34は、基板W上を円弧状に揺動してもよく(図16参照)、基板W上を直線状に揺動してもよい(図17参照)。また、基板洗浄装置は、図18に示すように、基板Wを斜めに置いた場合にも適用できる。なお、基板Wを垂直に置いた場合や斜めに置いた場合、長尺支持部材36の回転方向は、基板Wを下向きにおさえる向きに設定するのが好適である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる基板洗浄装置は、揺動洗浄部材を用いて基板を洗浄するときに、基板が反り形状になるのを防ぐことができるという効果を有し、半導体基板(ウェハ)の研磨を行うCMP装置等に適用され、有用である。例えば、本発明の基板洗浄装置は、2流体(2FJ)洗浄装置やバフ研磨装置に適用できる。
【0051】
本発明の基板洗浄装置は、半導体ウェハ等のデバイス構造を有する基板の製造段階において、基板表面上のパーティクル汚染の物理洗浄をするときに、接触による汚染影響を回避しつつ、有益な洗浄特性を得ることができる。本発明の基板洗浄装置は、半導体製造装置などの微細加工設備において装置内においてパーティクル汚染が懸念される装置(例えば、フラットパネル製造装置、CMOSやCCDなどのイメージセンサ製造装置、MRAMの磁性膜製造装置など)に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10 ハウジング
12 ロードポート
14a〜14d 研磨ユニット
16 第1洗浄ユニット
18 第2洗浄ユニット
20 乾燥ユニット
22 第1基板搬送ロボット
24 基板搬送ユニット
26 第2基板搬送ロボット
28 第3基板搬送ロボット
30 制御部
32 外周支持部材
34 揺動洗浄部材(ペンスクラブ洗浄部材)
36 長尺支持部材(ロール部材)
38 洗浄スポンジ
40 保持部材
42 揺動アーム
44 支持軸
46 ノズル
48 本体部
50 ネック部
52 窪み部
54 凹凸部
56 第1の回転ロール部材
58 第2の回転ロール部材
60 凸部
W 基板
図1
図2
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