【解決手段】第2の面にフィルム100a,100bが貼着されたコア基板31a,31bを、フィルム100a,100bが貼着されていないコア基板31a,31bの面を対向するように配置する。構造体110a,110bの間に支持体120を配置する。また、構造体110aと支持体120の間に絶縁体131aを配置し、構造体110bと支持体120の間に絶縁体131bを配置する。そして、それらを加圧して積層する。絶縁体131a,131bは、コア基板31a,31bの開口部に入り、電子部品40a,40bを固定する。また、絶縁体131a,131bを硬化させてコア基板31a,31bの第1の面を覆う絶縁層を形成する。そして、コア基板31a,31bからフィルム100a,100bを剥離する。
前記支持体は、外周部分が互いに接着された2枚の支持板銅箔を含み、前記2枚の銅箔の外周部分を切断して前記一対のコア基板と前記支持板銅箔を含む一対の構造体を互いに分離すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を添付図面を参照して説明する。
なお、添付図面は、部分的に拡大して示している場合があり、寸法,比率などは実際と異なる場合がある。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部のハッチングを省略している。
【0009】
図1に示すように、半導体装置10は、配線基板20と、配線基板20に実装された半導体チップ11と、配線基板20と半導体チップ11の間のアンダーフィル樹脂15を有している。
【0010】
配線基板20はコア部21を有している。コア部21のコア基板31は、例えば補強材であるガラスクロス(ガラス織布)にエポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性の絶縁性樹脂を含浸させ硬化させた、いわゆるガラスエポキシ基板である。なお、補強材として、ガラスやアラミドの織布や不織布、液晶ポリマ(Liquid Crystal Polymer:LCP)織布やLCP不織布を用いることができる。また、絶縁性樹脂として、ポリイミド樹脂やシアネート樹脂を用いることができる。
【0011】
コア基板31は、所定位置に形成された貫通孔32を有している。貫通孔32は、コア基板31の上面と下面との間、つまり厚さ方向に貫通するように形成されている。貫通孔32内には、コア基板31の上面と下面の間を貫通する貫通電極33が形成されている。貫通電極33は、例えば平面視略円形状に形成されている。貫通電極33の材料は、例えば銅、銅合金である。
【0012】
また、コア基板31は、所定の位置に開口部34を有している。開口部34は、例えば平面視矩形状に形成されている。開口部34は、コア基板31の第1の面と第2の面の間を貫通するように形成されている。すなわち、開口部34は、コア基板31を厚さ方向に貫通している。
【0013】
開口部34内には、電子部品40が配置されている。電子部品40は、チップキャパシタ等である。電子部品40は、直方体状の本体41と、本体41の長手方向の両端の2つの接続端子42を有している。接続端子42は、本体41の長手方向端面と、本体の側面の長手方向端部を覆うように形成されている。本体41は、例えば、主としてセラミックと銅等の電極により形成されている。また、接続端子42の材料は、例えば銅や銅合金である。
【0014】
電子部品40は、開口部34内に充填された絶縁材35により固定されている。絶縁材35は、所定の粘度を有する樹脂を開口部34内に充填し、その樹脂を硬化して得られる。絶縁材35に用いられる樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、またはこれらの樹脂にシリカやアルミナ等のフィラーを混入した樹脂材である。
【0015】
コア部21は、コア基板31の第1の面(
図1において上面)側の配線層51、絶縁層52、配線層53を有している。配線層51と絶縁層52と配線層53は、コア基板31の第1の面からこの順番で積層されている。配線層53は、絶縁層52を貫通するビア54を介して配線層51または電子部品40の接続端子42に接続されている。配線層51,53は、コア基板31の第1の面に沿って配列され、互いに離間する複数の配線を含む。配線層51,53の材料は、例えば銅または銅合金である。絶縁層52の材料は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、またはこれらの樹脂にシリカやアルミナ等のフィラーを混入した樹脂材である。
【0016】
同様に、コア部21は、コア基板31の第2の面(
図1において下面)側の配線層61、絶縁層62、配線層63を有している。配線層61と絶縁層62と配線層63は、コア基板31の第2の面からこの順番で積層されている。配線層63は、絶縁層62を貫通するビア64を介して配線層61に接続されている。配線層61,63は、コア基板31の第2の面に沿って配列され、互いに離間する複数の配線を含む。また、配線層61は、開口部34の周囲に沿って形成され、その開口部34を囲むように形成された配線を含む。配線層61,63の材料は、例えば銅または銅合金である。絶縁層62の材料は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、またはこれらの樹脂にシリカやアルミナ等のフィラーを混入した樹脂材である。
【0017】
なお、
図1では、電子部品40の接続端子42上面に接続されたビア54と、接続端子42下面に接続されたビア64を示しているが、何れか一方の面にビアを接続してもよい。
【0018】
配線基板20は、コア部21の第1の面(上面)側の配線部22と、コア部21の第2の面(下面)側の配線部23を有している。配線部22は、交互に積層された配線層と絶縁層を含む。配線層の層数は任意であり、絶縁層の膜厚は、各配線層を互いに絶縁するように設定される。例えば、配線部22は、絶縁層71、配線層72、絶縁層73、配線層74を含み、これらはコア部21の第1の面(上面)からこの順番で積層されている。配線層72,74の材料は、例えば銅または銅合金である。絶縁層71,73の材料は、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの絶縁性樹脂である。
【0019】
配線層72は、絶縁層71を貫通するビア72aを介して配線層53に接続されている。同様に、配線層74は、絶縁層73を貫通するビア74aを介して配線層72に接続されている。最外層(
図1において最上層)の配線層74は、レジスト層75により被覆されている。レジスト層75の材料は、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの絶縁性樹脂である。レジスト層75には、所定位置に開口75aが形成され、その開口75aにより露出する配線層74は、外部接続用のパッドP1として利用される。パッドP1には半導体チップ11のバンプ12が接続される。
【0020】
同様に、配線部23は、交互に積層された配線層と絶縁層を含む。配線層の層数は任意であり、絶縁層の膜厚は、各配線層を互いに絶縁するように設定される。例えば、配線部23は、絶縁層81、配線層82、絶縁層83、配線層84を含み、これらはコア部21の第2の面(下面)からこの順番で積層されている。
【0021】
配線層82は、絶縁層81を貫通するビア82aを介して配線層63に接続されている。同様に、配線層84は、絶縁層83を貫通するビア84aを介して配線層82に接続されている。最外層(
図1において最下層)の配線層84は、レジスト層85により被覆されている。レジスト層85には、所定位置に開口85aが形成され、その開口85aにより露出する配線層84は、外部接続用のパッドP2として利用される。レジスト層85の材料は、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの絶縁性樹脂である。パッドP2には、バンプ16が形成されている。バンプ16は、半導体装置10をマザーボード等の実装基板に実装する際に使用される。バンプ16の材料は、例えばはんだである。なお、パッドP2にリードピン等の端子を接続してもよい。
【0022】
次に、上記の配線基板20の製造方法を説明する。
なお、各図の説明に必要な部材について符号を付し、説明しない部材については符号を省略する場合がある。
【0023】
まず、
図2(a)に示す構造を得るまでの工程を説明する。
所定の厚さのコア基板31に貫通孔32を形成する。貫通孔32の形成には、例えばレーザ加工機やドリル機を用いることができる。例えば、レーザ加工機により貫通孔32を形成した場合、デスミア処理を行い、貫通孔32内に残留する樹脂スミア等を除去する。デスミア処理として、例えば過マンガン酸カリウム等を用いることができる。
【0024】
次いで、貫通孔32内に貫通電極33を形成し、コア基板31の上面及び下面に配線層51,61を形成する。配線層61は、開口部34の周囲に沿って形成され、その開口部34を囲むように形成された配線を含む。貫通電極33及び配線層51,61は、例えば、無電解銅めっきと電解銅めっきをこの順に施して形成される。
【0025】
次いで、
図2(b)に示すように、コア基板31に開口部34を形成する。開口部34の形成には、例えば、金型を用いたパンチングプレス装置、レーザ加工機、ドリル機、ルータ機を用いることができる。また、配線層51,61に対して粗化処理を施す。粗化は、例えばエッチング処理、CZ処理、黒化処理(酸化処理)やサンドブラスト処理によって行うことができる。なお、粗化処理の後に開口部34を形成するようにしてもよい。
【0026】
次いで、
図3(a)に示すように、コア基板31の一方の面(図において下面)に、仮止めフィルム100を貼着する。仮止めフィルム100は、キャリア101と、キャリア101の1つの面に塗布された粘着材102を含む。キャリア101は、例えば、耐薬品性や耐熱性に優れた材料を用いることができる。また、キャリア101の材料としては、例えば作業性が良好な材料であることが好ましい。このようなキャリア101の材料としては、例えばポリイミド樹脂やポリエステル樹脂を用いることができる。粘着材102は、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂である。
【0027】
次に、
図3(b)に示すように、マウンタを用いて、コア基板31の開口部34内において、フィルム100に電子部品40を仮止めする。
そして、このように、貼着したフィルム100により電子部品40を固定したコア基板31を含む構造体110を2つ形成する。
【0028】
つまり、
図3(c)に示すように、一対の構造体110a,110bを形成する。各構造体110a,110bの部材は、
図3(b)に示す構造体110の部材と同じである。このため、
図3(b)に示す符号に対し、構造体110aに含まれる部材の符号には「a」を付加し、構造体110bに含まれる部材の符号には「b」を付加して示す。
【0029】
これら一対の構造体110a,110bを、コア基板31a,31bのフィルム100a,100bが貼着されていない面が対向するように配置する。そして、一対のコア基板31a,31bの間に、支持体120を配置する。
【0030】
支持体120は、絶縁体121、セパレート銅箔122a,122b、支持板銅箔123a,123bを含む。絶縁体121の第1の面(
図3(c)において上面)には、セパレート銅箔122bと支持板銅箔123bをこの順番で積層されている。同様に、絶縁体121の第2の面(
図3(c)において下面)には、セパレート銅箔122aと支持板銅箔123aがこの順番で積層されている。絶縁体121は、例えばガラスクロス(織布)、ガラス不織布又はアラミド繊維などにエポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂を含侵させた半硬化状態(B−ステージ)のプリプレグ(prepreg)である。
【0031】
なお、絶縁体121の大きさは、セパレート銅箔122a,122bよりも大きい。したがって、絶縁体121の端部は、セパレート銅箔122a,122bの端部よりも突出する。そして、支持板銅箔123a,123bの大きさは、絶縁体121と同じ大きさに設定されている。したがって、支持板銅箔123a,123bの端部は、セパレート銅箔122a,122bの端部よりも突出する。そして、セパレート銅箔122a,122bの端部より突出する支持板銅箔123a,123bの端部(周縁部)は、絶縁体121の端部(周縁部)と密着する。
【0032】
支持体120と一対のコア基板31の間には、第1の絶縁体131a,131bが配置される。第1の絶縁体131a,131bは、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、またはこれらの樹脂にシリカやアルミナ等のフィラーを混入した樹脂材である。また、第1の絶縁体131a,131bは、半硬化状態(B−ステージ)のプリプレグ(prepreg)である。
【0033】
次に、
図4(a)に示すように、一対の構造体110a,110b、支持体120、一対の絶縁体131a,131bを、減圧雰囲気(例えば真空中)にてプレス装置等により構造体110a,110bを支持体120に向って加圧する。この加圧により、第1の絶縁体131aは、コア基板31aの開口部34a内に充填される。さらに、第1の絶縁体131aは、コア基板31aとフィルム100aの間であって配線層61aに含まれ開口部34aを囲むように形成された配線パターンにより囲まれた空間に充填される。同様に、第1の絶縁体131bは、コア基板31bの開口部34b内に充填される。さらに、第1の絶縁体131bは、コア基板31bとフィルム100bの間であって、配線層61bに含まれ開口部34bを囲むように形成された配線パターンにより囲まれた空間に充填される。
【0034】
その後、例えば熱硬化処理により絶縁体131a,131bを熱硬化して絶縁層52a,52b,絶縁体35a,35bを形成する。絶縁層52a,52bは第1の絶縁層の一例である。このとき、開口部34a,34b内の絶縁体35a、35bは、電子部品40a,40bの本体41の側面を被覆する。そして、開口部34a,34b内の絶縁体35a,35bにより、電子部品40a,40bが、開口部34a,34b内に固定される。
【0035】
次に、
図4(b)に示すように、
図4(a)に示すフィルム100a,100bを剥離する。このとき、支持体120を中心として、コア基板31a,31b及び絶縁層52a,52bが対称に配置されている。したがって、コア基板31a,31bにおいて、絶縁層52a,52bの収縮による応力は、支持体120を中心として対称に発生し、互いに打ち消し合うように作用する。このため、コア基板31a,31bにおける反りが抑制される。
【0036】
そして、露出する配線層61a,61bと電子部品40a,40bの接続端子42a,42bの面をクリーニングする。クリーニングは、例えば粗化処理であり、このクリーニングにより、露出する露出する配線層61a,61bと電子部品40a,40bの接続端子42a,42bの面の残留物を除去することができる。
【0037】
次に、
図4(c)に示すように、配線層61aを覆う絶縁層62aと,その絶縁層62aを覆う銅箔141aを積層する。同様に、配線層61bを覆う絶縁層62bと、その絶縁層62bを覆う銅箔141bを積層する。絶縁層62a,62bは、例えば、減圧雰囲気にて
図4(b)に示す構造体の上面側と下面側に積層した上記の絶縁体131a,131bと同様の第2の絶縁体と銅箔141a,141bを加圧及び加熱して得られる。絶縁層62a,62bは、は、第2の絶縁層の一例である。
【0038】
この構造体を、破線で示す位置にて切断する。この切断位置は、セパレート銅箔122a,122bの端部に対応し、セパレート銅箔122a,122bの端部よりも内側、つまり切断位置の間隔が、セパレート銅箔122a,122bの大きさよりも小さく設定される。したがって、
図5(a)に示すように、支持板銅箔123a,123bを絶縁体121から分離する。これにより、2つの構造体151a,151bが得られる。構造体151aは、コア基板31aと、コア基板31aの開口部34aに収容された電子部品40aと、コア基板31aの第1の面と第2の面を覆う絶縁層52a,62aと、絶縁層52a,62aを覆う銅箔123a,141aを含む。同様に、構造体151bは、コア基板31bと、コア基板31bの開口部34bに収容された電子部品40bと、コア基板31bの第1の面と第2の面を覆う絶縁層52b,62bと、絶縁層52b,62bを覆う銅箔123b,141bを含む。
【0039】
図4(c)において、セパレート銅箔122a,122bと支持板銅箔123a,123bは、単に積層された状態にある。したがって、支持体120の絶縁体121に密着した支持板銅箔123a,123bの端部(周縁部)を切除することにより、支持板銅箔123a,123bは、セパレート銅箔122a,122bから容易に分離される。そして、コア基板31aの第1の面を覆う絶縁層52aと、コア基板31aの第2の面を覆う絶縁層62aは、硬化している。このため、コア基板31aにおいて、分離の際に反りは発生し難い。同様に、コア基板31bの第1の面を覆う絶縁層52bと、コア基板31bの第2の面を覆う絶縁層62bは、硬化している。このため、コア基板31bにおいて、分離の際に反りは発生し難い。
【0040】
次に、
図5(b)に示すように、構造体151aについて、ビア54a,64aを形成する。また、
図5(a)に示す銅箔123a,141aにカバーめっきを施し、パターニングして、
図5(b)に示す配線層53a,63aを形成する。
【0041】
なお、
図5(b)では、コア基板31aを含む構造体151aについて説明したが、コア基板31bを含む構造体151b(
図5(a)参照)についても同様にビアとカバーめっきが形成される。そして、ビルドアップ工程により、
図1に示す配線部22,23が形成される。
【0042】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)コア基板31aの第2の面にフィルム100aが貼着され、コア基板31aの開口部34a内に配置された電子部品40aがフィルム100aに固定された構造体110aを形成する。同様に、コア基板31bの第2の面にフィルム100bが貼着され、コア基板31bの開口部34b内に配置された電子部品40bがフィルム100bに固定された構造体110bを形成する。これらの構造体110a,110bを、フィルム100a,100bが貼着されていないコア基板31a,31bの面を対向するように配置する。構造体110a,110bの間に支持体120を配置する。また、構造体110aと支持体120の間に絶縁体131aを配置し、構造体110bと支持体120の間に絶縁体131bを配置する。そして、それらを加圧して積層する。絶縁体131a,131bは、コア基板31a,31bの開口部34a,34bに入り、電子部品40a,40bを固定する。また、絶縁体131a,131bを硬化させてコア基板31a,31bの第1の面を覆う絶縁層52a,52bを形成する。そして、コア基板31a,31bからフィルム100a,100bを剥離する。
【0043】
支持体120を中心として、コア基板31a,31b及び絶縁層52a,52bが対称に配置されている。したがって、コア基板31a,31bにおいて、絶縁層52a,52bの収縮による応力は、支持体120を中心として対称に発生し、互いに打ち消し合うように作用する。このため、コア基板31a,31bにおける反りを抑制することができる。
【0044】
(2)コア基板31,31bの第2の面を覆う絶縁層62a,62bを形成する際に、コア基板31a,31bの反りが抑制されているため、フラット(平坦)な状態で絶縁層62a,62bを形成するための絶縁体を積層することができ、積層を容易に行うことができる。
【0045】
(3)コア基板31a,31bにおける反りが抑制されているため、反りが生じたコア基板を強制的に平坦状に整形する必要がなく、その整形において生じるクラック等の不具合の発生を防止することができる。
【0046】
(4)コア基板31a,31bにおける反りが抑制されているため、コア基板31a,31bを互いに分離した以降の工程においてコア基板31a,31bの搬送(ハンドリング)を容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0047】
(5)絶縁層52a,52bを形成する絶縁体131a,131bは、コア基板31a,31bの開口部34a,34bを介して、絶縁体131a,131bを配置した面と反対側の面とフィルム100aの間であって、その面に形成された配線層61a,61bに含まれ開口部34a,34bを囲む配線パターンにより囲まれた空間に充填される。これにより、フィルム100a,100bを剥離する際に開口部34a,34b内から電子部品40a,40bが抜け出すのを防止することができる。
【0048】
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
図1に示す配線基板20は、コア基板31に対して配線層51側に半導体チップ11を搭載するように形成されているが、コア基板31に対して配線層61側に半導体チップ11を搭載するように配線基板を形成してもよい。
【0049】
上記の製造工程は、適宜変更することができる。
例えば、
図3(c)に示す工程では、絶縁体121とセパレート銅箔122a,122bと支持板銅箔123a,123bを積層した支持体120を用いた。これに対し、構造体110a,110bと絶縁体131a,131bの積層と同時に、支持体120に含まれる絶縁体121とセパレート銅箔122a,122bと支持板銅箔123a,123bを積層してもよい。このようにすると、1回の積層で
図4(a)に示す構造体を得ることができ、工程数を少なくすることができる。
【0050】
また、
図3(c)に示す工程に関し、構造体110a,絶縁体131a,支持体120,絶縁体131b,構造体110bをこの順番で順次積層してもよい。
また、絶縁体131a,131bを、構造体110a,110b又は支持体120に貼り付けた後、これらを積層してもよい。
【0051】
また、
図3(c)に示す工程において、支持板銅箔123a,123bを互いに接着材にて接着した支持体を用いてもよい。この場合、2枚の支持板銅箔123a,123bの外周部分を互いに接着材にて接着する。
【0052】
また、電子部品を内蔵した後に貫通電極を形成するようにしてもよい。つまり、上記の方法と同様にして絶縁層52a,62a(たとえば、
図5(a)参照)を形成したコア基板を支持体120から分離した後に、貫通電極を形成する。以下に、分離後の工程を説明する。なお、以下の説明において、
図5(a)に示す構造体151aと同じ符号(「a」は省略)を用いて説明する。
【0053】
まず、
図6(a)に示すように、分離した構造体151に対し、X線ドリル加工、基準穴・端面加工、刻印等を施す。次いで、
図6(b)に示すように、銅箔123,141に対して粗化処理(CE処理、黒化処理)を施す。そして、レーザ加工等によりビア穴161を形成する。これらのビア穴161により、電子部品40の接続端子42、配線層51,61を露出する。そして、
図6(c)に示すように、例えば、機械ドリル加工により貫通孔162を形成し、デスミア処理を施す。なお、貫通孔162を形成した後にビア穴161を形成してもよい。次いで、
図6(d)に示すように、表面に無電解めっきまたは蒸着により金属膜163を形成する。金属膜163は、例えば銅である。そして、
図6(e)に示すように、金属膜163を電極とする電解めっきによって、銅の金属めっき層164を形成する。なお、
図6(b)において、下面の銅箔123側からビア穴を形成して電子部品40の接続端子42を露出し、接続端子42に接続されたビアを形成するようにしてもよい。なお、接続端子42に接続されるビアは、コア基板31の両面側に形成してもよい。
【0054】
次いで、
図7(a)に示すように、内壁が金属膜163及びめっき層164で覆われた貫通孔162内に絶縁材165を充填する。絶縁材165の材料は、例えばエポキシ樹脂、またはアクリル樹脂及びエポキシ樹脂である。絶縁材165の充填には、例えば、減圧か(例えば真空雰囲気)において、マスクスクリーンとスキージを用いた印刷法が用いられる。そして、絶縁材165を硬化させた後、研磨によって絶縁材165の表面を、金属めっき層164と略面一とする。絶縁材165の研磨には、バフ研磨、ブラスト処理が用いられる。なお、貫通孔162内に導電材(たとえば、はんだ等)を充填するようにしてもよい。
【0055】
次に、
図7(b)に示すように、デスミア処理を行い、表面の残留物を除去する。次いで、無電解銅めっきにより、上面及び下面に導電層166を形成する。次いで、
図7(c)に示すように、電解銅めっきにより導電層166の表面にカバーめっき167を形成する。次に、
図7(d)に示すように、銅箔123,141、金属膜163、金属めっき層164,導電層166、カバーめっき167を例えばエッチングによって所定形状にパターニングして配線層168、169を形成する。この後、ビルドアップ工程により配線部が形成される。
【0056】
コア部21を適宜変更してもよい。例えば、
図1に示す貫通電極33を、貫通孔32の内面に形成された筒状の導電部と、導電部内に充填された絶縁材と、導電部の端部を閉塞するランド部を含む、樹脂充填電極としてもよい。
【0057】
図4(a)に示す工程では、例えば絶縁体131aをコア基板31aの開口部34aに充填して電子部品40aを固定したが、フィルム100aを剥離したときに電子部品40aが移動しなければよく、電子部品40aの一部が絶縁体131aに覆われるようにしてもよい。そして、
図4(c)に示すように、絶縁層62aを形成する工程において、絶縁体を開口部34a内に充填するようにしてもよい。