特開2015-49902(P2015-49902A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-499021つの制御装置と少なくとも1つの周辺装置とを同期させるための方法及び設備
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-49902(P2015-49902A)
(43)【公開日】2015年3月16日
(54)【発明の名称】1つの制御装置と少なくとも1つの周辺装置とを同期させるための方法及び設備
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/42 20060101AFI20150217BHJP
   G05B 19/414 20060101ALI20150217BHJP
【FI】
   G06F13/42 350B
   G05B19/414 R
   G05B19/414 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-157661(P2014-157661)
(22)【出願日】2014年8月1日
(31)【優先権主張番号】10 2013 217 381.4
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】10 2013 218 305.4
(32)【優先日】2013年9月12日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ローベルト・ヴァストルフーバー
【テーマコード(参考)】
3C269
5B077
【Fターム(参考)】
3C269BB01
3C269BB03
3C269BB11
3C269KK06
5B077GG16
5B077NN02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】1つのシリアルインターフェースを通じてデータを交換する、1つの制御装置と、複数のアクチュエータ及び/又は複数のセンサを有する少なくとも1つの周辺装置とを、簡略な方法・設備で同期させる。
【解決手段】制御装置1は、データを少なくとも1つの周辺装置2に送信し、データは、この周辺装置2内で複数のアクチュエータ及び/又は複数のセンサを稼働させるために処理される。同期のため、少なくとも1つの同期コードが、制御装置1から周辺装置2に伝送される。同期コードが、制御装置1から周辺装置2に送信すべき1つのデータストリームの第1データシーケンスに付加される。第1データシーケンスの後に伝送すべき第2データシーケンスが、制御装置1側で時間遅延され、同期コードに続くように制御装置1から周辺装置2に送信される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのシリアルインターフェース(3)を通じてデータを交換する、1つの制御装置(1)と、複数のアクチュエータ及び/又は複数のセンサを有する少なくとも1つの周辺装置(2)とを同期させるための方法であって、
前記制御装置(1)は、データを前記少なくとも1つの周辺装置(2)に送信し、前記データは、この周辺装置(2)内で前記複数のアクチュエータ(22)及び/又は複数のセンサ(23)を稼働させるために処理され、
当該同期のため、少なくとも1つの同期コード(105)が、前記制御装置(1)から前記周辺装置(2)に伝送される当該方法において、
前記同期コード(105)が、前記制御装置(1)側でこの制御装置(1)から前記周辺装置(2)に送信すべき1つのデータストリームの第1データシーケンス(101)に付加されること、及び
前記第1データシーケンス(101)の後に伝送すべき第2データシーケンス(102)の送信が、前記制御装置(1)側で時間遅延される結果、この第2データシーケンス(102)は、前記同期コード(105)に続くように前記制御装置(1)から前記周辺装置(2)に送信されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記同期コード(105)を前記データストリーム内に挿入する前は、前記第1データシーケンス及び前記第2データシーケンス(101,102)は、直接に前後して続くことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御装置(1)側で前記第2データシーケンス(102)を遅延させるため、前記周辺装置(2)に送信すべき前記1つのデータストリームに対して時間遅延された別のデータストリームが生成され、当該時間遅延された別のデータストリームとは、少なくとも前記第1データシーケンス(101)に続くデータシーケンス(102,100b)に関しては、前記1つのデータシーケンスのコピーを意味し、
前記別のデータストリームの時間遅延は、前記同期コード(105)の期間に一致し、
この同期コード(105)を前記1つのデータストリームの前記第1データシーケンス(101)に付加した後は、今度は、当該遅延された別のデータストリームのデータが、その第2データシーケンス(102)から開始して−前記1つのデータストリームの前記データの代わりに−前記周辺装置(2)に送信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記周辺装置(2)におけるタイムチャートを前記制御装置(1)におけるタイムチャートに同期させるため、1つの同期パルスが、前記同期コード(105)に基づいて生成された後に、この同期コード(105)は、この周辺装置(2)側で前記データストリームから分離されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記周辺装置(2)側では、前記同期コード(105)の代わりに、別のコード、特にインターバル(106)が、前記データストリーム内に挿入されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記周辺装置(2)側では、前記データストリーム内で前記同期コード(105)に続く前記第2データシーケンス(102)が、前記同期コード(105)の直前に伝送された前記第1データシーケンス(101)に対して時間的に先行される結果、この第2データシーケンス(102)は、分離された前記同期コード(105)の前に伝送された前記第1データシーケンス(101)に直接に続くことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記制御装置(1)から前記周辺装置(2)に伝送される前記データストリームに対して時間遅延された別のデータストリームが、この周辺装置(2)内で生成され、当該時間遅延された別のデータストリームとは、少なくとも前記同期コード(105)の前に伝送されたデータストリーム(100a,101)に関しては、当初の前記データストリームのコピーを意味し、
前記別のデータストリームの当該時間遅延は、前記同期コード(105)の期間に一致し、
この同期コード(105)を前記周辺装置(2)内で確認する前は、当該時間遅延された別のデータストリームが、この周辺装置(2)内で処理するために使用され、この同期コード(105)を前記周辺装置(2)内で確認した後は、前記第2データシーケンス(102)から開始して、当初の前記データストリームが、この周辺装置(2)内で処理するために使用されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つのデータストリームが、前記周辺装置(2)に再び伝送されることによって、前記同期コード(105)の挿入後に前記制御装置(1)によって伝送された前記遅延されたデータストリームがリセットされることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記同期コード(105)の送信後に、その遅延を補正するため、1つのインターバル(108)が、この同期コード(105)を挿入した後に前記制御装置(1)によって伝送された前記データストリームから分離されることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
1つのシリアルインターフェース(3)を介して互いに接続されている、1つの制御装置(1)と、複数のアクチュエータ及び/又は複数のセンサを有する少なくとも1つの周辺装置(2)とを同期させるための設備であって、
前記周辺装置(2)が、1つの処理装置(20)を有し、前記制御装置(1)から前記周辺装置(2)に伝送されるデータが、前記複数のアクチュエータ(22)及び/又は複数のセンサ(23)を稼働させるために前記処理装置(20)によって処理され、
前記制御装置(1)が、前記周辺装置(2)との当該同期のために1つのサイクル制御装置(14)を有し、このサイクル制御装置(14)は、少なくとも1つの同期コード(105)を前記制御装置(1)から前記周辺装置(2)に伝送させる当該設備において、
1つの送信装置(40)が、前記制御装置(1)側に設けられていて、この送信装置(40)の協働の下で、前記同期コード(105)が、前記制御装置(1)から前記周辺装置(2)に送信すべき1つのデータストリームの第1データシーケンス(101)に付加され、この第1データシーケンス(101)の後に伝送すべき第2データシーケンス(102)の送信が時間遅延される結果、この第2データシーケンス(102)は、前記同期コード(105)に続くように前記制御装置(1)から前記周辺装置(2)に送信されることを特徴とする設備。
【請求項11】
前記第2データシーケンス(102)を時間遅延させて伝送できるようにするため、前記1つのデータストリームに対して遅延された1つのデータストリームを生成させるための1つの遅延装置(42)が、前記送信装置(40)に付設されていることを特徴とする請求項10に記載の設備。
【請求項12】
前記1つのデータストリームと当該遅延されたデータストリームとの間で切り替えるための1つのマルチプレクサ(15)が、前記送信装置(40)に付設されていることを特徴とする請求項11に記載の設備。
【請求項13】
さらに、前記マルチプレクサ(15)は、前記同期コード(105)を前記送信すべきデータストリーム内に挿入するために構成されていて且つ設けられていることを特徴とする請求項12に記載の設備。
【請求項14】
前記挿入とは反対に、前記同期コードを前記データストリームから分離できるようにするため、前記周辺装置(2)は、前記送信装置(1)によって伝送されたデータを受信するための1つの受信装置(51)を有すること、及び、前記送信装置(1)から来た前記データストリームに対して遅延された1つのデータストリームを生成するための1つの遅延装置(52)が、前記受信装置(51)に付設されていることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の設備。
【請求項15】
前記設備は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法を実行するために構成されていて且つ設けられている請求項10〜14のいずれか1項に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1又は10に記載の、シリアルインターフェースを介して互いに接続されていて、且つこのシリアルインターフェースを通じてデータを交換する、1つの制御装置と付設されたアクチュエータ及び/又はセンサを有する少なくとも1つの周辺装置とを同期させるための方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このために、制御装置が、(送信装置によって)データを少なくとも1つの周辺装置に送信する。当該データは、周辺装置内で(受信装置によって)受信され、当該データは、アクチュエータ又はセンサを稼働させるために処理される。この場合、当該データは、それぞれのアクチュエータの所定の動作を開始させるために、1つ又は複数のアクチュエータ内に書き込まれる命令の形態でもよい、又は、当該データは、実際の測定値を1つのセンサから読み出させなければならない命令の形態でもよい。これらの方法ステップを実行するため、処理装置が、それぞれの周辺装置側に設けられ得る。
【0003】
当該制御装置は、例えば、デジタル制御用に構成された逐次制御装置(プロセッサ)を有するプリント配線板でもよい。また、当該付設された周辺装置は、(例えば、電流測定用の)センサと(例えば、必要ならばパルス幅変調器を有するパワーエレクトロニクス機器としての)アクチュエータとをそれぞれ有する別のプリント配線板として構成されてもよい。当該制御装置と当該付設された周辺装置とは、(例えば、8b/10b符号化を使用して)データを交換するために、例えばデュプレックス・インターフェースとしてのシリアルインターフェースを介して互いに接続されている。このシリアルインターフェースは、100Mbit/s〜200Mbit/sの一般的な範囲を有する。当該装置は、例えば独国特許出願公開第102004052175号明細書から公知である。
【0004】
したがって、一般に、上記のデータは、所定のクロックによって制御装置からそれぞれの周辺装置にシリアル通信で送信される。この場合、当該それぞれの周辺装置は、自律的なクロック信号によってデータの読み出し/書き込み用のクロック、及び必要ならば処理装置の稼働用のクロックを生成できる。
【0005】
制御装置内に構成された調整装置を使用して処理を高精度に制御するためには、それぞれの周辺装置の処理装置、又は一般的には周辺装置側のデータの処理を制御装置に時間同期させることが必要である。このために、いわゆる同期コードを制御装置からそれぞれの周辺装置に伝送すること、つまり制御装置とそれぞれの周辺装置との間の同期線を通じて同期コードを伝送すること、又は、制御装置とそれぞれの周辺装置との間のデータ伝送の中断中に同期コードを伝送することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004052175号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、同期の精度及び信頼性が損なわれることなしに、1つの制御装置と付設された少なくとも1つの周辺装置とを同期させるための、冒頭で述べた種類の方法及び設備を簡略化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、方法に関しては請求項1の特徴によって解決される。
【0009】
このために、このような種類の方法では、少なくとも1つの同期コードが、制御装置側でこの制御装置から付設された周辺装置に送信すべきデータストリームの第1データシーケンスに付加されること、及び、前記第1データシーケンスの後に伝送すべき第2データシーケンスの送信が時間遅延される結果、この第2データシーケンスは、前記同期コードに続くように前記制御装置から前記周辺装置に送信されることがさらに提唱されている。
【0010】
本発明は、制御装置からそれぞれの周辺装置までの1つのデータストリームを中断することなしに、1つの同期コードが、当該1つのデータストリーム内に区別して挿入されるという創作に基づく。この同期コードが負荷されなければならない1つのデータシーケンスの後に、当該1つのデータストリームが、(少なくとも)この同期コードの期間遅延されることによって、当該同期コードの挿入は達成される。その結果、当該データストリームの、第1データシーケンスに直接に続く最初の第2データシーケンスが、当該第1データシーケンスの直後ではなくて、当該同期コードに(直接に)続くように、制御装置から周辺装置に伝送される。具体的には、制御装置側で第2データシーケンスを遅延させるため、周辺装置に送信すべき当該1つのデータストリームに対して時間遅延された別のデータストリームが生成され得る。当該時間遅延された別のデータストリームとは、少なくとも当該第1データシーケンスに続くその他のデータシーケンスに関しては、当該1つのデータシーケンスのコピーを意味する。したがって、上記時間遅延は、(少なくとも)当該同期コードの時間遅延に一致し、この同期コードを当該1つのデータストリームの第1データシーケンスに付加した後は、当該別のデータストリームの第1データとして、その第2データシーケンスが、当該同期コードの(直ぐ)後に伝送されるように、(当該1つのデータストリームのその他のデータの代わりに)当該時間遅延した別のデータストリームのデータが、周辺装置に送信される。
【0011】
したがって、当該同期コードは、同期時点として選択された又は予め設定された時点に対して、つまり制御装置からそれぞれの周辺装置までの通信の実際の状態に関係ない時点に対して当該制御装置側でデータストリーム内に挿入される。本発明の方法は、通信の中断を必要とするのではなくて、制御装置からそれぞれの周辺装置に送信すべき1つのデータストリームの最小限の時間遅延だけを必要とするので、この制御装置と付設された1つの周辺装置との間のデータ交換が、高ダイナミック制御に対して中断されてはならないときでも、上記のデータストリーム内への1つの同期コードの本発明による挿入は実行され得る。
【0012】
特に、当該同期コードは、例えば、8b10bのkコードのような1つのデータ語でもよい。データを連続する複数のデータフレームの状態で当該制御装置からそれぞれの周辺装置に伝送する場合には、当該1つのデータ語が、例えば、これらのデータフレームのうちの1つのデータフレーム内の(隣接した最初の第1データシーケンスと第2データシーケンスとの間に)挿入され得る。同様に、当該同期コードが第1データシーケンスと第2データシーケンスとの間に挿入されるこの第1データシーケンス及びこの第2データシーケンスがそれぞれ、当該1つのデータ語でもよい。
【0013】
その結果、本発明の解決手段は、当該解決手段のために、2つの電子モジュール間の独立した接続線が必要であることなしに、又は2つの電子モジュール間の(データ交換としての)進行する通信の中断が必要であることなしに、シリアルインターフェースを介して互いに接続されている当該2つの電子モジュールの同期を可能にする。むしろ、専ら、1つの同期コードが、(所定の時点ごとに)データストリーム内に挿入されることによって、当該2つの電気モジュールの同期は、当該進行する通信と関係なく実行される。
【0014】
1つの周辺装置を1つの制御装置に同期させる目的で、1つの同期パルスを生成するため、この制御装置からこの周辺装置に送信されたそれぞれの同期コードが、この周辺装置側で使用され得る。
【0015】
本発明の1つの実施の形態では、当該データストリーム内の同期コードが、その後に(周辺装置側で)ブランク又はインターバル、すなわち周辺装置内でアクションを起こさない一連のデータと置換される。
【0016】
本発明の別の実施の形態によれば、(1つの同期コードの期間だけ)時間遅延された1つのデータストリームが、周辺装置内で、制御装置から来たデータストリームから生成される。1つの同期パルスの生成を開始するため、1つの同期コードが、当該時間遅延されたデータストリーム内で出現して確認されるまで、当該時間遅延されたデータストリームは、この周辺装置内で当該入力されたデータを処理するために使用される。その後に(当該制御装置によって送信された当該データストリーム内で当該同期コードに続く第2データシーケンスから開始して)、当該遅延されたデータストリームの代わりに、今度は、遅延されなかったデータストリーム(すなわち、上記のデータストリームに対して先行したデータストリーム)が、当該周辺装置内で処理される。その結果、その後に、当該同期コードの挿入後にこの同期コードによって一時的に互いに分離されていた1つのデータシーケンスと1つのデータシーケンスとが、直接に前後して処理され得る。
【0017】
別の実施の形態によれば、周辺装置におけるタイムチャートを制御装置におけるタイムチャートに同期させるため、1つの同期パルスの生成が、1つのブランク又はインターバルに基づいて開始された後に、同期コードが、この周辺装置側で当該ブランク又はインターバルのように処理されることが提唱され得る。このとき、当該同期コードをデータストリームから分離すること、又はブランク若しくはインターバルと置換することは必要でない。
【0018】
したがって、(制御装置側又は周辺装置側で)1つの同期コードをデータストリーム内に挿入すること又はデータストリームから分離すること、及び、必要ならば1つの同期コードを1つのブランク又はインターバルと置換することは、特にマルチプレクサによって実行され得る。
【0019】
1つの同期コードの入力及び確認又は処理後に、制御装置側のデータストリームの一部を遅延させることによって、又は、周辺装置側のデータストリームの一部を相対的に先行させることによって、一方では、当該同期コードの挿入時に、伝送すべきデータ消失させないことが達成され、他方では、当該同期コードの分離時に、データストリームを中断させないことが達成される。したがって、後者の措置に関しては、例えば、1つのブランク又はインターバルをデータストリーム内に挿入するような、上記の別の実施の形態が存在する。
【0020】
1つの同期コードをデータストリーム内に挿入した後に、最初に(当該同期コードに続き、第2データシーケンスから開始して)、当該データストリームの時間遅延されたデータストリームが、制御装置側に送信される。当該データストリームを1つの同期コードの挿入ごとにさらに遅延させないため、1つの同期コードの挿入後、すなわち当該挿入に関連するデータストリームの遅延後の適切な時点に対して、当該データストリームのリセットが実行される。その結果、再び、遅延されなかったデータストリームが、当該制御装置からそれぞれの周辺装置に伝送される。1つのブランク又はインターバルが、当該データストリームのリセット時に当該制御装置側で当該データストリームから分離される。したがって、このブランク又はインターバルの直後に伝送されるデータシーケンスが、このブランク又はインターバルの直前に伝送されるデータシーケンスに直接に続く。当該方法は、1つの周辺装置側のデータストリームから同期コードを分離するときの上記の可能な方法に対応する。
【0021】
1つのブランク又はインターバルを制御装置側で生成されたデータストリームから分離することは、情報損失を意味しない。何故なら、当該ブランク又はインターバルは、アクションを周辺装置側で起こさないからである。
【0022】
制御装置と周辺装置との間の通信中に、時間的に繰り返して、例えば予め設定されている所定の期間ごとに、それぞれ1つの同期コードが、この制御装置からこの周辺装置に伝送される場合、1つの第1同期コードの伝送後に、例えば一時的なノイズの結果として、当該最初の同期が維持され得ないときでも、これらの2つの電子モジュールの持続する同期が保証される。すなわち、一時的にノイズが発生しても、当該持続する同期を保証するため、当該制御装置とそれぞれの周辺装置との繰り返される、特に周期的な同期が、安全対策になる。
【0023】
同期コードの伝送が時間的に繰り返して実行されるときに、例えば、1つのブランク若しくはインターバルをデータストリームから分離することによる、又は1つのブランク若しくはインターバルをデータストリーム内に挿入することによる、上記の制御装置のリセットで説明した、ブランク又はインターバルの伝送が実行されてはならない場合、同期コードの当該伝送が、個別に阻止されてもよい。
【0024】
シリアルインターフェースを介して互いに接続されている制御装置と付設された周辺装置とを同期させるための設備が、請求項10の記載を特徴とする。この設備の好適な構成は、請求項10に従属する請求項に記載されている。
【0025】
以下に、本発明のその他の詳細及び利点を図面に基づく実施の形態で詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】シリアルインターフェースを介してデータを交換する、制御装置と割り当てられた周辺装置とを大まかに示す。
図2A】周辺装置に伝送するための、制御装置で生成されたデータストリームを示す。
図2B図2Aによるデータストリーム内への、同期コードの挿入を示す。
図2C図2Bによるタイムチャートの具体的な構成を示す。
図3A】周辺装置によって受信される図2Aに示されたデータストリームを示す。
図3B】周辺装置側で図2Bによるデータストリームから1つの同期コードを分離することを示す。
図3C図3Bによる方法と異なる方法を示す。
図4図1による制御装置用の送信装置の可能な構成を示す。
図5A図1による周辺装置用の受信装置の可能な構成を示す。
図5B図5Aによる受信装置と異なる受信装置を示す。
図6】複数の周辺装置が接続されている1つの制御装置を大まかに示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、シリアルインターフェース3を介して周辺装置2に接続されている制御装置1を示す。この制御装置1は、(例えば、プリント配線板上に設けられている)電子モジュールでもよい。この電子モジュールは、逐次制御装置10を(例えば、プロセッサとして)有する。この逐次制御装置10は、特に、当該割り当てられた周辺装置2でのシーケンスを(デジタル)制御するために使用される。この周辺装置は、例えば、プリント配線板上に設けられている別の電子モジュールによって構成され得る。この電子モジュールは、例えばパルス幅変調器を有するパワーエレクトロニクス機器として、例えばアクチュエータ22を備え、また例えば電流測定用のセンサ23を備える。
【0028】
この実施の形態3では、インターフェース3が、一方では制御装置1から周辺装置2にデータを伝送し、他方では周辺装置2から制御装置1にデータを伝送するためのデータチャネル31,32を有するデュプレックス・インターフェースとして構成されている。したがって、シリアルインターフェース3を介した当該データ交換のために、それぞれ1つのデータ伝送装置11又は21が、制御装置1側と周辺装置2側とに設けられている。また、当該データ伝送装置11又は21は、それぞれ1つの送信装置40又は50及び1つの受信装置41又は51を有する。
【0029】
制御装置1は、例えば、逐次制御装置10を通じて、且つ周辺装置2のセンサ23の出力信号を利用して当該周辺装置2にあるアクチュエータ22の稼働を制御するために使用され得る。このため、制御装置1と周辺装置2とが、シリアルインターフェース3を介してデータを交換する。この場合、センサ23によって測定される電流の実際値が、例えば、周辺装置2から制御装置1に送信される。この場合、−周辺装置2によって受信される信号の評価に基づいて−アクチュエータ22の所定の稼働を保証するデータが、制御装置1から周辺装置2に送信される。この場合、データストリームとして制御装置1から周辺装置2に伝送される命令にしたがって、データをアクチュエータ22に書き込むため、又はデータをセンサ23から読み出すため、周辺装置2が、処理装置20を有する。
【0030】
具体的には、逐次制御装置10を有する制御装置1が、例えば電流測定機器としてのセンサからデータ(実際値)を要求し、これらのデータに基づいて、アクチュエータ、例えばパルス幅変調器に対する目標値を計算し、対応する周辺装置2に出力することによって、制御ループを制御するために、当該制御装置1は使用され得る。
【0031】
したがって、クロックを発生させるクロック発生器16が、制御装置1に付設されている。データが、当該クロックに同期して制御装置1から周辺装置2に伝送される。当該対応するクロックが、この周辺装置2側で復元され、この周辺装置2に付設されたサイクル制御装置24に供給され得る。その結果、データ伝送とデータ処理との所定の時間フレームが生成され得る。この目的のために、クロック発生器16によって発生されたクロック及び/又はクロック信号を印加されたサイクル制御装置14の制御信号18が、特に、制御装置1の逐次制御装置10に供給される。
【0032】
センサ23によって取得される測定値に基づいて、周辺装置2のアクチュエータ22の確実な所定の制御が、制御装置1によって実行され得るように、データ処理の時間同期が、一方では制御装置1で実行され、他方では周辺装置2で実行される。このため、複数の同期コードが、例えば周期的に、制御装置1から周辺装置2に送信される。例えば、アクチュエータ22の稼働を調整若しくは制御するため、又は測定値をセンサ23から読み出させるため、これらの同期コードは、(時間発生器16によって規定された)上記時間フレームを、制御装置1によるデータ処理に同期させる。データが、この時間フレーム中に周辺装置2側で処理され得る。
【0033】
1つの同期を開始するため、制御装置1に付設されたサイクル制御装置14が、1つの同期パルスを生成する。この同期パルスは、データストリーム内の1つの同期コードを制御装置1から周辺装置2に伝送させる(この目的のために、この同期コードは、データ伝送装置11に出力される)。この周辺装置2内では、対応する1つの同期パルスが、この同期コードから復元され、この周辺装置2のサイクル制御装置24に供給される。
【0034】
周辺装置2は、制御装置1、特に制御装置1の逐次制御装置10によって制御されて、例えば以下のように稼働する。制御装置1から入力されたデータと、これらのデータ中にさらに含まれている命令とが、周辺装置2でそのデータ伝送装置21から処理装置20に転送される。これとは反対に、この周辺装置2内の当該データ伝送装置21が、生成された応答データ、例えばセンサ22の測定値を受信する。当該応答データは、同様に、制御装置1に伝送されなければならない。さらに、このデータ伝送装置21は、制御装置1から入力されたデータストリームから、(クロック発生器16によって発生された)クロック信号と、(サイクル制御装置14から1つの同期パルスを生成することによって作成された)同期コードとを取り出す。同様に、同期パルスが、周辺装置2内で当該同期コードから復元される。当該クロック信号と当該同期パルスとの双方が、周辺装置2のサイクル制御装置24に提供される。周辺装置2の内部クロックが、それぞれ1つの同期パルスによって制御装置1の内部クロックに同期される。その結果、(制御装置1で発生されたクロック信号にしたがって動作される)データ処理が、当該制御装置側と当該周辺装置2側とで時間同期されている。
【0035】
周辺装置2のサイクル制御装置24が、制御装置1によって予め設定されているクロックを使用して異なる制御信号26,27,28を生成する。当該制御信号は、例えば、処理装置20並びにアクチュエータ22及びセンサ23に転送される。こうして、当該複数のシーケンスが、この周辺装置2内で時間をずらして実行され得る。すなわち、例えば、最初に、電流測定器としてのセンサ23が、測定値を提供しなければならないことが、信号28によってこのセンサ23に通知され得る。引き続き、処理装置20が、信号26によってその測定値をフェッチし、周辺装置2のデータ伝送装置21に伝達しろといった命令を受け取る。等々。
【0036】
したがって、制御装置1での時間シーケンスと周辺装置2での時間シーケンスとの当該同期によって、この周辺装置2における当該シーケンスが処理装置20を用いて制御されるときの時間フレームが、この制御装置1によって使用される時間フレームに対して完全に合致する。
【0037】
図6の示されているように、1つの制御装置1に接続されている周辺装置2が、この制御装置1によって稼働される場合、この制御装置1と付設された各周辺装置2との間の複数の時間シーケンスが、上記の方法によって同期され得る。
【0038】
以下に、独立した接続線を設けることなしに、且つ、制御装置1から周辺装置2へのデータの進行する伝送を中断することなしに、同期コードを制御装置1から周辺装置2に伝送するための詳細を、図2A〜3Cに基づいて説明する。
【0039】
図2Aは、通常稼働中で且つ同期なしの、制御装置1から周辺装置2までのデータストリームS1を示す、つまり制御装置側の1つのデータフレームの送信を例示的に示す。
【0040】
図2Aでは、(データストリームS1の一部としての)このデータフレームは、4つのデータシーケンス100a,101,102,100bによって示される。これらのデータシーケンスのうちの最初のデータシーケンス100aが、このデータフレームの開始を示し、最後のデータシーケンス100bが、このデータフレームの終了を示す。例えば、このデータシーケンス100aとこのデータシーケンス100bとの間に存在するデータシーケンス101とデータシーケンス102とがそれぞれ、例えば、周辺装置2のアクチュエータ22を稼働させるための、又はデータを周辺装置2のセンサ23から読み出させるための(図1参照)、制御装置1から周辺装置2に伝送されなければならない有効データを有し得る。
【0041】
したがって、それぞれのデータフレームは、特に複数のデータ語によって構成され得る。1つのデータフレームの開始と終了とを示すコード100a及びコード100b並びに有効データを有するその他のデータ語(データシーケンス101,102)が、当該データ語に属し得る。さらに、ブランク又はインターバルとしてのデータ語が規定され得る。当該ブランク又はインターバルは、アクションが周辺装置2で開始される必要がないときに常に伝送される。
【0042】
制御装置1から周辺装置2に送信すべきデータストリームを従来の8b/10b方式でコード化する場合には、例えば、8b/10bの特にそれぞれ1つのkコードが、1つのデータフレームの開始を確認するために、1つのデータフレームの終了を確認するために、1つの同期コードを生成するために、及び1つのブランク又はインターバル(「コンマ」)を規定するために提供され得る。
【0043】
当該データストリームS1は、制御装置側のマルチプレクサ15を変更されずに通過し、当該最初に生成された形で周辺装置2に伝送される。当該データストリームS1は、この周辺装置2で図3に示されているように、適切に受信される。
【0044】
これに対して、図2Bは、1つの同期コード105が装置1側で(図1参照)データストリームS1内に挿入されなければならない状態を示す、すなわち、この場合には上記の図2Aに基づいて例示的に説明されたデータフレーム内に挿入されなければならない状態を示す。当該同期コード105の挿入は、制御装置1のマルチプレクサ15内で実行される。
【0045】
当該同期コード105は、このマルチプレクサ15内でデータストリームS1の第1データシーケンス101に付加される。
【0046】
したがって、用語「第1データシーケンス」とは、この場合には、データストリームS1の任意の1つのデータシーケンスを意味する。当該第1データシーケンスは、サイクル制御装置14によって開始された1つの同期コードの伝送が、当該第1データシーケンス101の送信の直後に続く時点に対して実行されなければならないことだけを特徴とする。したがって、当該対応するデータシーケンスは、基本的に−当該同期コードの挿入の時点に応じて−送信すべきデータストリームS1内の任意の位置に存在し得る。
【0047】
したがって、データストリームS1内で最初に第1データシーケンス101の直後に伝送すべき第2データシーケンス102が、同期コード105をこのデータストリーム内に挿入することによって消去されるのではなくて、当該同期コード105の直後に送信されることが保証されなければならない。この目的のために、図2Bに示されているように、コピーが、伝送すべきデータストリームS1から作成される。このコピーは、当該送信すべき最初のデータストリームS1に対して同期コード105の期間だけ(正確に)時間遅延されている。当該最初のデータストリームのこの遅延されたコピーは、図2Bの2番目の下の行に示されている。当該遅延されたデータストリームS2の個々のデータは、遅延されなかったデータストリームS1の個々のデータと同じである。つまり、専ら、同期コード105の期間だけ時間遅延している。
【0048】
当該遅延されたデータストリームS2は、−遅延されなかったデータストリームS1と同様に−マルチプレクサ15に供給される。同期コード105が、変更されなかったデータストリームS1の第1データシーケンス101に付加された直後に、当該マルチプレクサ15が切り替わり、今度は、このデータストリームS1のその他のデータの代わりに、遅延されたデータストリームS2のデータが出力される。その結果、データストリームS3が、当該マルチプレクサ15の出力部に出力される。このデータストリームS3は、第1データシーケンス101と第2データシーケンス102との間に同期コード105を有する。この場合、この同期コード105の前に送信されたデータは、遅延されなかったデータストリームS1からコピーされたものであり、この同期コード105の後に送信されたデータは、遅延されたデータストリームS2からコピーされたものである。
【0049】
以下に、上記の図2Bに基づいて説明されている方法を、マルチプレクサ15内での例示的に具体化された切り替え工程に基づいて詳しく説明する。
【0050】
図2Cでは、マルチプレクサ15の基本状態が、「0」で示されている。この基本状態では、このマルチプレクサ15は、遅延されなかったデータストリームS1を出力する。1つの同期コード105の伝送が、サイクル制御装置14の1つの同期パルスによって要求されると、このマルチプレクサは、対応する時点tに対して状態「1」に切り替えられる。この状態では、このマルチプレクサ15は、同期コード105を出力する。この同期コード105の出力後に、このマルチプレクサは、対応する時点t以降は状態「2」に切り替えられる。この状態では、このマルチプレクサは、今度は遅延されたデータストリームS2を出力する。
【0051】
1つのブランク又はインターバルが、当該遅延されなかったデータストリームの後に確認されると、このブランク又はインターバルは、対応する時点tに対して当該マルチプレクサを状態「0」に再び切り替えるために使用され得る。この状態では、このマルチプレクサは、遅延されなかったデータストリームを伝送する。当該データ伝送時に伴う1つのブランク又はインターバルの情報損失は問題でない。何故なら、当該ブランク又はインターバルは、いずれにしても、周辺装置2側でアクションを起こさないからである。
【0052】
ここで説明されている切り替え工程は、以下で図4に基づいて1つの実施の形態においてさらに詳しく説明されるように、送信シーケンス制御によって初期化され得る。
【0053】
周辺装置2側では、上記制御装置1側とは反対に、同期コード105が確認されたと同時に、1つの同期パルスが生成された後に、さらに、このときに、ブランク(中断)が、データストリームS3内に発生することなしに、この同期コード105は、図3B及び3Cに示されているように、当該データストリームS3から分離されなければならない。当該同期コード105をデータストリームS3から分離するための第1の可能性が、図3Bに示されている。
【0054】
この目的のために、入力されたデータストリームS3の、同期コード105の期間だけ時間遅延されたコピーが、制御装置1における上記方法に倣って周辺装置2内にセットアップされる。2つのデータストリームS3,S4、つまり制御装置1から入力されたデータストリームと、当該データストリームの時間遅延したコピーとの双方が、図3Bにしたがって周辺装置2のマルチプレクサ25に供給される。しかしながら、図2Bと違って、図3Bによれば、(1つの同期コードが、当該データストリーム内に現れるまで)最初は、遅延されたデータストリームS4が、マルチプレクサ25によって出力される。この同コード105を当該遅延されたデータストリームS4内で確認することによって、このマルチプレクサ25は、切り替わり、このマルチプレクサ25の出力部に当該遅延されたデータストリームS4を出力するのではなくて、制御装置1によって入力された(当該遅延されたデータストリームS4に対して時間的に先行する)遅延しなかったデータストリームS3のデータを出力する。これに応じて、データストリームS5が、図3Bにしたがうマルチプレクサ25の出力部に出力される。同期コード105の前に伝送された第1データシーケンス100a,101は、遅延されたデータストリームS4から入力されたものである一方で、当該第1データシーケンス100a,101に続くその他のデータ102,100b,...は、制御装置1内で生成された遅延されなかったデータストリームS3から入力されたものである。
【0055】
その結果、マルチプレクサ25の全ての出力部に出力されるデータストリームS5は、同期コード105を挿入する前に制御装置1内で生成され、この制御装置1から周辺装置2に送信すべきデータストリームS1に正確に一致する。
【0056】
図3Cは、図3Bに示された実施の形態とは違う実施の形態を示す。この目的のために、分離された同期コードの代わりに、周辺装置2側で、マルチプレクサ25によって、ブランク又はインターバル106が、受信されたデータストリームS4内に挿入される。したがって、当該ブランク又はインターバル106は、周辺装置2側でアクションを起こさないので、当該データストリームの情報の内容が変更されない。
【0057】
それ故に、図3Cによる実施の形態によれば、1つのデータストリーム(例えば、遅延されたデータストリームS4)及びブランク又はインターバルだけが、周辺装置2のマルチプレクサ25に供給され、同期コード105をデータストリームS4から分離するため、同期コード105が、データストリームS4内でブランク又はインターバル106と置換される。
【0058】
周辺装置2のマルチプレクサ25の可能な具体的な構成及び当該構成に関連する切り替え工程に関しては、図1に基づく制御装置1のマルチプレクサ15の対応する説明を参照のこと。
【0059】
制御装置1によって生成されたデータストリームS1内に1つの同期コードを挿入するのと同時に、当該データストリームS1を遅延させたために、さらなる時間遅延が、1つの同期コードの伝送ごとにさらに付加されないならば、当該遅延とは反対に、結果として生成されたデータストリームをリセットすることが必要である。1つのブランク又はインターバルが、制御装置1で生成されたデータストリームから分離されることによって、当該データストリームのリセットが、簡単に達成され得る。
【0060】
具体的には、上記の構成は、1つの同期コードをマルチプレクサ15によって出力した後に、後続する当該ブランク又はインターバルが、当該データストリームをリセットするために使用できるという方法で実行され得る。1つの同期コードをマルチプレクサ15によって出力した後に、1つのブランク又はインターバルが、マルチプレクサ15に供給されたデータストリーム内で確認されると、このマルチプレクサ15は、今度は遅延されなかったデータストリームを新たに出力するように、このマルチプレクサ15は切り替えられる又は初期状態に切り替えられる。この場合、当該ブランク又はインターバルは、一緒に伝送されないものの、このことは、情報損失とはならない。何故なら、当該ブランク又はインターバルは、それぞれの周辺装置2側でアクションを起こさないからである。
【0061】
周辺装置2のマルチプレクサ25が、1つの同期コードを受信した後に、制御装置1のマルチプレクサ15の上記のリセットと同様に、当該マルチプレクサ25のリセットが実行され得る。この場合には、マルチプレクサ25が、遅延されなかったデータストリームの代わりに、今度は遅延されたデータストリームを新たに伝送するように、このマルチプレクサ25は切り替えられる。当該切り替えは、1つのブランク又はインターバルを対応するデータストリーム内に付加することに対応する。このことは、同様に、情報損失とはならない。何故なら、当該ブランク又はインターバルは、周辺装置2内でアクションを起こさないからである。
【0062】
図4は、制御装置1の送信装置40の可能な構成を示す。したがって、図4を参照すると、特に、マルチプレクサ15を制御装置1内に組み込むことも明らかに可能である。
【0063】
図4によれば、マルチプレクサ15が、送信装置40に付設されている。遅延装置42が、このマルチプレクサ15の前方に接続されている。最初に生成されたデータストリームに対して遅延されたデータストリームが、この遅延装置42によって生成され得る。コンバータ44が、当該最初のデータストリームを生成するために使用される。このコンバータ44は、この実施の形態では8b10bコンバータとして構成されていて、このコンバータ44は、送信すべきデータを一時記憶装置45から受け取る。この一時記憶装置45は、例えばFIFO記憶装置として構成され得る。
【0064】
コンバータ44によって生成されたデータストリームと、このデータストリームに対して遅延装置42によって遅延されたデータストリームとの双方が、マルチプレクサ15に供給される。さらに、同期コードSYNCが、このマルチプレクサ15に供給され得る。この同期コードSYNCは、図1に示されたように、サイクル制御装置14によって出力される同期パルスに基づいて提供される。
【0065】
上位に配置された送信シーケンス制御装置43が、送信装置40内の複数のシーケンスを制御するために使用される。この送信シーケンス制御装置43は、どのデータがマルチプレクサ15によってその都度出力されるかを制御する。このために、特に、サイクル制御装置14によって出力される同期パルスも、この送信シーケンス制御装置43に供給される。
【0066】
制御装置1の中央逐次制御装置10が、この制御装置1の稼働中にデータ、特に命令を送信装置40の一時記憶装置45内に書き込む。コンバータ44が、一時記憶装置45からデータストリームを生成する。当該データストリームの生成は、一般には、この一時記憶装置45から得られるデータ/又は命令が、データストリーム内に挿入されるという方法で実行される。このデータストリームは、データ/命令を有しないときはブランク又はインターバルから成る。
【0067】
1つの同期パルスが、送信シーケンス制御装置43に入力されると、当該最初のデータシーケンスの代わりに、対応する同期コードが伝送されるように、(実際に伝送すべきコードが完全に出力された後に)この同期パルスは、マルチプレクサ15を切り替える。引き続き、上記の図2B及び2Cに基づいて説明されているように、遅延されたデータストリームへの切り替えが実行される。
【0068】
送信シーケンス制御装置43が、1つの同期コードの伝送後に当該遅延されたデータストリーム内の1つのブランク又はインターバルを確認すると、この送信シーケンス制御装置43は、マルチプレクサ15を初期状態に切り替える。その結果、このマルチプレクサ15は、最初のデータストリームを伝送する。この場合、当該データストリーム内のブランク又はインターバルが除去される。
【0069】
図5Aは、図1に示された周辺装置2の受信装置51の可能な構成を示す。この構成は、図3Cによる方法を実行するために適する。したがって、マルチプレクサ25を周辺装置2内に組み込むことも明らかに可能である。遅延装置52が、マルチプレクサ25の前方に接続されている。この遅延装置52は送信装置40から入力するデータストリームから遅延されたデータストリームを生成し、このマルチプレクサ52に出力する。さらに、個々のブランク又はインターバル「IDLE」が、このマルチプレクサ52に供給される。
【0070】
受信シーケンス制御装置53が、受信装置51内の複数のシーケンスを制御するために使用される。さらに、この受信シーケンス制御装置53は、送信装置40から入力するデータストリームからクロック信号を取り出す。さらに、この受信シーケンス制御装置は、(送信装置40によって伝送されるデータストリームの構成要素としての)1つの同期コードの入力及び確認時に1つの同期パルスを生成する。
【0071】
コンバータ54が、マルチプレクサ25の後方に接続されている。このコンバータ54は、(この実施の形態では、8b10b符号化された)データストリームをデコードし、別の処理のために周辺装置2の処理装置20に出力する(図1参照)。さらに、一時記憶装置が、コンバータ54に補足的に付設されてもよい。
【0072】
図5Aの実施の形態では、上記の図3Cに基づいて説明されているように、1つの同期コードを1つのブランク又はインターバルに置換するためには、マルチプレクサ25が、切り替えられ得る前に、1つの同期コードの入力が、最初に確認される必要があるので、遅延装置52が設けられている。このために、送信装置40から入力するデータストリームが、受信シーケンス制御装置53に直接に、すなわち遅延装置52による遅延なしに供給される。コンバータ54が、それぞれの同期コードを完全に無視する、又はブランク若しくはインターバルとみなす別の実施の形態では、遅延装置52が省略され得、さらにマルチプレクサ25も省略され得る。このとき、当該受信装置51は、主に、重要な構成要素としてのコンバータ54と、受信シーケンス制御装置53とから構成される。
【0073】
図5Bは、図1に示された周辺装置2用の、つまり図3Bに示された方法を実行するための構成における受信装置51の別の実施の形態を示す。
【0074】
この場合でも、周辺装置2のマルチプレクサ25が、受信装置51に付設されていて、同様に、遅延装置52が、このマルチプレクサの前方に接続されている。
【0075】
図5Bの実施の形態では、制御装置1によって伝送されるデータストリームが、一方では遅延装置52を介して遅延された形態でマルチプレクサ25に供給され、他方では遅延されなかった形態で直接にマルチプレクサ25に供給される。1つの同期コードを伝送する前に、このマルチプレクサ25は、図3Bに示されているように、遅延されたデータストリームを出力する。受信シーケンス制御装置53が、当該入力された遅延しなかったデータストリーム内に1つの同期コードを確認すると、このマルチプレクサ25が、今度は当該遅延しなかったデータストリームを伝送するように、この受信シーケンス制御装置53は、このマルチプレクサ25を切り替える。同時に、この受信シーケンス制御装置53は、1つの同期パルスを生成する。
【0076】
当該マルチプレクサ25によって出力されるデータストリームをさらに処理するため、同様に、コンバータ54が、このマルチプレクサ25の後方に接続され得る。
【0077】
当該受信シーケンス制御装置53が、マルチプレクサ25による1つの同期コードの出力後に1つのブランク又はインターバルを入力するデータストリーム内で確認すると、このマルチプレクサ25が、遅延されたデータストリームを再び出力するように、この受信シーケンス制御装置53は、このマルチプレクサ25を切り替える。その結果、対応するブランク又はインターバルが、−データストリーム内の情報の内容の変更なしに−再び伝送される。
【符号の説明】
【0078】
1 制御装置
2 周辺装置
3 シリアルインターフェース
10 逐次制御装置
11 データ伝送装置
14 サイクル制御装置
15 マルチプレクサ
16 クロック発生器
18 制御信号
20 処理装置
21 データ伝送装置
22 アクチュエータ
23 センサ
24 サイクル制御装置
25 マルチプレクサ
26 制御信号
27 制御信号
28 制御信号
31 データチャネル
32 データチャネル
40 送信装置
41 受信装置
42 遅延装置
43 送信シーケンス制御装置
44 コンバータ
45 一時記憶装置
50 送信装置
51 受信装置
52 遅延装置
53 受信シーケンス制御装置
54 コンバータ
100a データシーケンス
100b データシーケンス
101 第1データシーケンス
102 第2データシーケンス
105 同期コード
106 ブランク又はインターバル
S1 データストリーム
S2 データストリーム
S3 データストリーム
S4 データストリーム
S5 データストリーム
SYNC 同期コード
IDLE ブランク又はインターバル
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6