【実施例】
【0025】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
〔実施例1:核酸の作製〕
(1)cM362−140(化学合成核酸)の作製
表1に記載の各一本鎖核酸(S1、S2、S3、AS1、AS2およびAS3)は、株式会社ジーンデザインに委託して合成した。RNA部分の化学合成にはtBDMS RNA amiditeを、DNA部分の化学合成には一般的なDNA amiditeを、S化(ホスホロチオエート)部分はPADSを使用した。合成方法は固相担体を用いたホスホロアミダイト法(Scaringe, S. A.et al, ;J Am Chem 1998;120:11820-11821)を基本とし、最適化したパラメーターを用いて実行した。合成完了後、一般的な方法を用いて塩基部分および2’位に存在する保護基を除去し、逆相HPLCにて精製を行った後脱塩し、各一本鎖核酸を得た。
【0027】
【表1】
【0028】
化学合成長鎖RNAであるcM362−140は、スプリントDNAによって媒介されるライゲーション反応(参考文献:Moore MJ, & Sharp PA. Site-specific modification of pre-mRNA: the 2’-hydroxyl groups at the splice sites. Science 256: 992-997 (1992)、Jing Xu, Lapham J, & Crothers DM. Determining RNA solution structure by segmental isotopic labeling and NMR: Application to Caenorhabditis elegans spliced leader RNA 1. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 44-48 (1996))により作製した。
【0029】
cM362−140のセンス鎖RNA(一本鎖核酸A)は、二段階のライゲーション反応により作製した。第一のライゲーションとして、S2フラグメント(配列番号7、40 nmol)、S3フラグメント(配列番号8、40 nmol)およびライゲーション部位に特異的なスプリントDNA(配列番号12、40-48 nmol)を混合し、95℃で5分間加熱した後、4℃までゆっくり冷却し、ハイブリダイズさせた。続いてT4DNAリガーゼ(タカラバイオ)を添加して室温で16〜22時間インキュベートした。ライゲーション反応混合物は、15.4μMのアニール複合体、66mMのTris−HCl(pH7.6)、6.6mMのMgCl2,10mMのDTT、0.1mMのATPおよび〜31unit/μLのT4DNAリガーゼを含む。第二のライゲーションとして、S1フラグメント(配列番号6、40 nmol)と第二のライゲーション部位に特異的なスプリントDNA(配列番号13、40-48 nmol)を第一のライゲーション反応混合物に添加し、第一のライゲーションと同様にハイブリダイズさせ、T4DNAリガーゼを添加して室温で16〜22時間インキュベートした。第二のライゲーション反応混合物は、8.9μMのアニール複合体、66mMのTris−HCl(pH7.6)、6.6mMのMgCl
2,10mMのDTT、0.1mMのATPおよび〜31unit/μLのT4DNAリガーゼを含む。得られた全長165merのセンス鎖RNA(一本鎖核酸A)は、7Mの尿素を含む8%PAGEで分離し、UV照射によって可視化した後、目的のバンドを切り出し、0.3M酢酸ナトリウムで溶出した。溶出したRNAはエタノール沈殿させ、RNaseフリー水に再懸濁した。RNAの大規模調製のために、電気溶出はD−チューブダイアライザーマキシ(Novagen社)を使用して実施し、溶出したRNAを透析し、濃縮し、エタノールで沈殿させた。RNAの濃度は、分光光度計で260nmの吸光度を測定することによって決定した。収率は8〜10%であった。
【0030】
cM362−140のアンチセンスRNA(一本鎖核酸B)を作製するために、3つのフラグメント、AS1(配列番号9、33 nmol)、AS2(配列番号10、33 nmol)およびAS3(配列番号11、33 nmol)ならびに二箇所のライゲーション部位に特異的な二種類のスプリントDNA(配列番号14および15、各 33 nmol)を混合し、ハイブリダイズし、その後T4DNAリガーゼを添加し室温で16〜22時間インキュベートした。ライゲーション反応混合物は、15μMのアニール複合体、66mMのTris−HCl(pH7.6)、6.6mMのMgCl
2,10mMのDTT、0.1mMのATPおよび〜31unit/μLのT4DNAリガーゼを含む。得られた全長140merのアンチセンスRNA(一本鎖核酸B)は、上記センスRNAと同様の手順で精製した。収率は15〜22%であった。
【0031】
得られたセンスRNA(一本鎖核酸A)およびアンチセンスRNA(一本鎖核酸B)をアニールさせて、cM362−140を得た。
図1にcM362−140の構造(A)および合成された165merのセンスRNA(一本鎖核酸A)および140merのアンチセンスRNA(一本鎖核酸B)を8%PAGEに供した結果(B)を示した。センスRNAおよびアンチセンスRNAは、それぞれの塩基長に相当する位置に単一のバンドとして検出された。
【0032】
(2)対照核酸cM362−139の作製
cM362−139の構造を
図2に、cM362−139を構成する核酸の塩基配列を表2に示す。
【表2】
【0033】
一本鎖DNA(ODN+リンカーDNA)は、株式会社ジーンデザインに委託して合成した。二本鎖RNAのテンプレートとして、馴化麻疹ウイルス株であるEdmonston(ED)株由来のdiRNA(defective interference RNA)を用いた。MVゲノムのこの領域およびT7プロモーター配列をカバーするDNA断片は、プラスミドpCR−T7MVを鋳型として用いたPCRで増幅した。用いたプライマーを以下に示す。
ODN-139 sense RNA (5’ primer)
5’-tg
taatacgactcactatagggaccagacaaagctggga-3’(配列番号19)
下線部はT7プロモーター配列
ODN-139 sense RNA (3’ primer)
5’-ggatacagtgccctgattaa-3’(配列番号20)
ODN-139 antisense RNA (5’ primer)
5’-tg
taatacgactcactataggatacagtgccctgattaa-3’(配列番号21)
下線部はT7プロモーター配列
ODN-139 antisense RNA (3’ primer)
5’-ccgtggtcatgctccgggaccagacaaagctggga-3’(配列番号22)
【0034】
AmpliScribe
TMT7転写キット(Epicentre Technologies)を用いて、製造業者のプロトコールに従い、PCR産物からセンスRNAおよびアンチセンスRNAをそれぞれインビトロ転写により作製した。得られた転写産物は、7M尿素を含む8%PAGEで分離し、上記実施例1と同じ方法で精製した。最後に、一本鎖DNA(ODN+リンカーDNA)、センスRNAおよびアンチセンスRNAを混合し、アニールさせて、cM362−139を得た。
【0035】
〔実施例2:核酸の安定性〕
(1)血清を添加したPBS中の安定性
cM362−140およびcM362−139をそれぞれ、血清を含まないPBS、10%熱不活化FBS(ウシ胎児血清)、10%MS(マウス血清)または10%HS(ヒト血清)を含むPBSに20μg/mLの濃度で溶解し、37℃または42℃で60分間インキュベートした。インキュベート開始前(0分、血清を含まないPBSのみ)、5分後、15分後、30分後および60分後に、0.1μgの核酸が含まれるように溶液を取り、10×ローディングダイ(タカラバイオ)と混合し、臭化エチジウムを含む4%アガロースゲル(Nusieve 3:1 Agarose, Ronza)で電気泳動した。
結果を
図3に示した。(A)がcM362−140の結果、(B)がcM362−139の結果である。37℃30分のインキュベーションでは、どちらの核酸も安定であったが、42℃30分のインキュベーションでは、インビトロ転写により作製したcM362−139は、血清(FBS、MS、HS)を含むPBS中で少し分解した。
【0036】
(2)血清を添加したRNaseフリー水中の安定性
PBSに代えてRNaseフリー水を用い、電気泳動に3%アガロースゲルを用いたこと以外は上記と同じ条件で安定性を検討した。
結果を
図4に示した。(A)がcM362−140の結果、(B)がcM362−139の結果である。cM362−140はいずれの条件下でも安定であったが、cM362−139は、血清(FBS、MS、HS)存在下では部分的な分解が見られた。
以上の結果から、cM362−139よりcM362−140のほうが安定性に優れていることが明らかになった。
【0037】
〔実施例3:IFN−βプロモーター活性化〕
HEK293細胞(8×10
5cells/well)を6穴培養プレートに播種した。ヒトTLR3発現ベクター(400ng/well)または空ベクター(400ng/well)を、レポータープラスミドp−125(400ng/well)および内部コントロールベクターのphRL−TK(20ng/well、Promega)と共に、Lipofectamine2000(Invitrogen)を用いてHEK293細胞にトランスフェクションした。ヒトIFN−βプロモーター(-125〜+19)を含むレポータープラスミドp−125は、東京大学の谷口博士から提供された。培地には、10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS、Invitrogen)および抗生物質を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Invitrogen)を用いた。
【0038】
トランスフェクションから24時間後に細胞を回収し、培地に再懸濁して96穴培養プレートに播種した。核酸濃度が10μg/mLとなるようにcM362−140、cM362−139、ポリIC(Amersham)またはcM362−140の二本鎖RNA部分(dsRNA140)を以下の条件で添加した。
(A)ヒトTLR3発現HEK293細胞の培地に核酸を直接添加
(B)ヒトTLR3発現HEK293細胞の培地に核酸とDOTAPリポソーム型トランスフェクション試薬(Roche)を添加
(C)HEK293細胞の培地に核酸とLipofectamine2000(Invitrogen)を添加
ルシフェラーゼ活性の測定には、Dual−Luciferase Reporter Assay System(Promega)を用いた。上記(A)および(B)は核酸添加から6時間後に、上記(C)は核酸添加から24時間後に、それぞれルシフェラーゼ活性の測定を行った。
【0039】
結果を
図5に示した。左が上記(A)、中央が上記(B)、右が上記(C)の結果である。データはn=3の平均値および標準偏差で示した。ヒトTLR3発現HEK293細胞の外(培地)にcM362−140を単純添加した場合(A)、およびヒトTLR3発現HEK293細胞のエンドソームにcM362−140を送達した場合(B)のいずれも、cM362−140はcM362−139と同様に、IFN−βプロモーターを効率的に活性化した(
図5左および中央)。一方、ヒトTLR3を発現していないHEK293細胞の細胞質にcM362−140を送達した場合(C)には、IFN−βプロモーターを活性化しなかった。この結果から、cM362−140は、TLR3を介してIFN−βプロモーターを活性化し、他のRNA/DNAセンサーを介したIFN−βプロモーター活性化は誘導しないことが示された。
【0040】
〔実施例4:インビトロサイトカイン産生誘導〕
C57BL/6Jマウス(野生型:WT)およびTLR3ノックアウトマウス(TLR3KO、大阪大学の審良博士から提供された)からそれぞれ脾臓を摘出し、コラゲナーゼ処理を行った。フィルターを通過させ、溶血後、培地で洗浄し、anti−CD11c microbeadsを用いたMACS system(miltenyi biotech)でCD11c陽性細胞を単離し、脾臓DCとした。培地には、10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS、Invitrogen)および抗生物質を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Invitrogen)を用いた。なお、本明細書に記載の全ての動物実験は、北海道大学動物実験委員会が作成したガイドラインに従って実施された。
脾臓DCを5×10
5個/500μL培地/wellとなるように24穴プレートに分注し、核酸(cM362−140、cM362−139、ポリIC、またはdsRNA140)20μg/mLを(A)単独で、(B)DOTAPリポソーム型トランスフェクション試薬(Roche)と共に、または(C)Lipofectamine2000(Invitrogen)と共に添加して24時間培養した。24時間後、培養上精を回収し、TNF−α、IL−6およびIFN−βの産生量を測定した。TNF−αおよびIL−6の測定にはBD CBA Flex Set Systemを用いた。IFN−βの測定には、マウスIFN−β用ELISAキット(PBL Assay Science)を用いた。
【0041】
結果を
図6に示した。左列が(A)培地に核酸を単独で添加した場合、中央列が(B)培地に核酸とDOTAPリポソーム型トランスフェクション試薬を添加した場合、右列が(C)培地に核酸とLipofectamine2000を添加場合であり、上段がTNF−α、中段がIL−6、下段がIFN−βである。データは独立した3回の試験の平均値および標準偏差で示した。左列の結果からわかるように、脾臓DCの細胞外へのcM362−140を単独で添加することにより、野生型マウス由来の脾臓DCにおいて、TNF−α、IL−6およびIFN−βの産生がわずかに増加した。対照的に、中央列の結果からわかるように、DOTAPリポソーム型トランスフェクション試薬を用いてcM362−140をエンドソームに送達すると、野生型マウス由来の脾臓DCにおいて、TNF−α、IL−6およびIFN−βの産生量が増加した。一方、右列の結果からわかるように、Lipofectamine2000を用いてcM362−140を細胞質に送達した場合は、エンドソームに送達した場合よりTNF−α、IL−6およびIFN−βの産生量が減少した。いずれの場合もTLR3KOマウスの脾臓DCではcM362−140によるサイトカイン産生は見られなかった。これらの結果から、cM362−140は、エンドソームのTLR3を標的とするが、細胞質のRNA/DNAセンサーを標的としないことが示された。
【0042】
〔実施例5:インビボサイトカイン産生誘導〕
野生型C57BL/6Jマウス(9週齢、メス)またはTLR3KOマウス(9週齢、メス)に、50μgのcM362−140、cM362−139またはポリICを腹腔内投与した。一群あたり3匹のマウスを用いた。各核酸溶液は、RNaseフリー水を用いて調製した。核酸投与後、1時間目、3時間目および6時間目に尾静脈から採血し、血清中のTNF−α、IL−6およびIL−10を測定した。測定には、BD CBA Flex Set Systemを用いた。
【0043】
結果を
図7に示した。左列がポリIC、中央列がcM362−139、右列がcM362−140、上段がTNF−α、中段がIL−6、下段がIL−10の結果である。データはn=3の平均値±SEで示した。
図7から明らかなように、cM362−140はポリICと比較して、インビボでのサイトカイン産生量が顕著に少ないことが示された。この結果から、cM362−140は、生体に投与した際にサイトカインストーム等の副作用の懸念がなく、安全性が高いと考えられた。
【0044】
〔実施例6:抗原特異的CTLの誘導〕
(1)腫瘍退縮効果
C57BL/6Jマウスの背部を剃毛し、2×10
6cells/200μL(PBS)のEG7細胞(C57BL/6マウスの胸腺種に由来するEL4細胞にオボアルブミン抗原を発現させたがん細胞)を皮下に移植して腫瘍を形成させ、腫瘍体積(cm
3)(長径×短径
2×0.4)を経時的に測定した。移植後8日目(腫瘍体積:約0.6cm
3)に、cM362−140単独、OVA単独、またはcM362−140+OVAを腫瘍周辺の皮下に投与した。対照としてPBS(−)のみを同様に投与した。一群あたり4匹のマウスを用いた。cM362−140の用量は50μg、OVAの用量は100μgとし、いずれもPBS(−)に溶解して調製した。投与容量は50μLとした。一回目の投与から7日後(移植後15日目)に二回目の投与を行った。OVAには、エンドトキシンフリーOVA(Hyglos)を用いた。
【0045】
結果を
図8に示した。cM362−140の単独投与群では腫瘍がほとんど退縮しなかったが、cM362−140+OVA投与群では腫瘍が顕著に退縮した(*:p<0.05)。なお、データは平均値±SEで示し、統計解析には一元配置分散分析およびボンフェローニテストを用いた。
【0046】
(2)テトラマーアッセイ
cM362−140のアジュバント活性を評価するために、EG7担がんマウスから脾臓細胞を調製し、テトラマーアッセイを行った。上記(1)において、PBS、cM362−140単独、OVA単独、またはcM362−140+OVAの二回目の投与から7日後(移植後22日目)に、定法に従い脾臓細胞を調製した。得られた脾臓細胞をFITC−CD8α(BioLegend)、PerCP/Cy5.5−7AAD(BD Biosciences)、APC−CD3ε(BioLegend)およびPE−OVA−テトラマー(MBL)で染色し、OVA特異的CD8陽性T細胞(テトラマー
+/CD8
+/CD3
+細胞)を検出し、その割合を求めた。
【0047】
結果を
図9に示した。
図9から明らかなように、cM362−140+OVA投与群は、他群と比較して、脾臓細胞中のOVA特異的CD8陽性T細胞の割合が有意に増加していた(**:p<0.01)。なお、統計解析には一元配置分散分析およびボンフェローニテストを用いた。
【0048】
(3)IFN−γ産生
上記(2)で調製した脾臓細胞(2×10
6cells/200μL/well)を96穴培養プレートに播種し、OVAペプチド(SL8)100nM存在下で3日間培養した後、培養上清中のIFN−γ量をBD CBA Flex Set Systemを用いて測定した。
結果を
図10に示した。
図10から明らかなように、cM362−140+OVA投与群は、他群と比較して、脾臓細胞のIFN−γ産生量が有意に増加していた(**:p<0.01)。なお、データは平均値±SEで示し、統計解析には一元配置分散分析およびボンフェローニテストを用いた。
【0049】
(4)小括
実施例6の各結果から、cM362−140は抗原特異的細胞傷害性T細胞の増殖と活性化を誘導し、がん抗原と併用することにより優れたアジュバント効果を奏することが明らかになった。
【0050】
〔実施例7:NK細胞の活性化による腫瘍退縮効果〕
C57BL/6−B16同系NK感受性腫瘍移植モデル(Akazawa T., T. Ebihara, M. Okuno, Y. Okuda, K. Tsujimura, T. Takahashi, M. Ikawa, M. Okabe, T. Ebihara, M, Shingai, N. Inoue, M. Tanaka-Okamoto, H. Ishizaki, J. Miyoshi, M. Matsumoto, and T. Seya. 2007. Antitumor NK activation induced by the Toll-like receptor3-TICAM-1 (TRIF) pathway in myeloid dendritic cells. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 104: 252-257.)を用いて、NK細胞の活性化による移植がんの退縮効果を評価した。C57BL/6Jマウス(野生型:WT)およびTICAM−1ノックアウトマウス(TICAM−1 KO、発明者らが作製)の背部を剃毛し、6×10
5cells/200μL(PBS)のB16メラノーマ細胞(B16D8)を皮下に移植して腫瘍を形成させ、腫瘍体積(cm
3)(長径×短径
2×0.4)を経時的に測定した。移植後12日目に、in vivo−JetPEIと混合した150μgのcM362−140または蒸留水(DW)を腫瘍周辺の皮下に投与した。一群あたり3匹のマウスを用いた。
【0051】
結果を
図11に示した。左が野生型マウス、右がTICAM−1 KOマウスの結果である。
図11から明らかなように、cM362−140は野生型マウスにおいて蒸留水(DW)投与と比較して顕著な腫瘍退縮効果を示したが、TICAM−1 KOマウスにおいては、腫瘍退縮効果を示さなかった。この結果から、本発明の核酸は、TICAM−1を介するシグナル伝達で効果を発揮することが示された。
【0052】
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。