第一電極2が設けられた吸着板21に処理対象物23を配置し、第一開閉装置7を閉状態にして第一電極2を吸着電源24に接続し、処理対象物23を吸着しながら真空処理を行った後、第一開閉装置7を開状態にし、処理対象物23を導電性の帯電ガスで接地電位に接続し、第一電極2の電位を測定する。処理対象物23を吸着板21から剥離させる前に、残留電荷の値が分かるから、正確な逆電圧を第一電極2に印加して、残留電荷を小さくすることができる。逆電圧を印加した後の残留電荷を測定し測定結果から求めた逆電圧を印加する手順を繰り返し行って、逆電荷を消滅させることができる。
前記第一被測定部の電位を測定する際には、前記制御装置によって前記真空槽の真空雰囲気中に導電性を有する帯電ガスが含有され、前記処理対象物が前記帯電ガスによって前記接地部材に電気的に接続される請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の吸着装置。
前記制御装置は、前記第一電位測定装置が測定した測定結果に基づいて逆電圧を算出し、前記第一開閉装置を閉状態にして、前記吸着電源から前記第一電極に前記逆電圧を出力させ、前記第一電極を除電する請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の吸着装置。
前記制御装置は、前記第一電位測定装置が測定した測定結果に基づいた大きさの電力でプラズマを生成して前記処理対象物に接触させて接地電位に接続させ、前記第一開閉装置を閉状態にして、前記第一電極を接地電位にして前記第一電極を除電する請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の吸着装置。
前記第一被測定部の電位を測定する際には、前記制御装置によって、前記処理対象物が前記接地部材に接触される請求項12又は請求項13のいずれか1項記載の真空処理装置。
前記第一被測定部の電位を測定する際には、前記制御装置によって前記真空槽の真空雰囲気中に導電性を有する帯電ガスが含有され、前記処理対象物が前記帯電ガスによって前記接地部材に電気的に接続される請求項12又は請求項13のいずれか1項記載の真空処理装置。
前記制御装置は、前記第一電位測定装置が測定した測定結果に基づいて逆電圧を算出し、前記第一開閉装置を閉状態にして、前記吸着電源から前記逆電圧を前記第一電極に出力させて前記第一電極を除電する請求項12乃至請求項17のいずれか1項記載の真空処理装置。
前記制御装置は、前記第一電位測定装置が測定した測定結果に基づいた大きさの電力でプラズマを生成して前記処理対象物に接触させて接地電位に接続させ、前記第一開閉装置を閉状態にして、前記第一電極を接地電位にして前記第一電極を除電する請求項12乃至請求項17のいずれか1項記載の真空処理装置。
前記測定工程の測定結果に基づいて逆電圧を算出し、前記第一電極を前記吸着電源に電気的に接続させて、前記吸着電源から前記逆電圧を前記第一電極に出力させる請求項23乃至請求項27のいずれか1項記載の真空処理方法。
第一被測定部の電位の測定結果に基づいた大きさの電力でプラズマを生成して前記処理対象物に接触させ、前記第一電極を接地電位に接続して前記第一電極を除電する請求項23乃至請求項27のいずれか1項記載の真空処理方法。
【背景技術】
【0002】
図7Aの符号111は、従来技術の真空処理装置であり、真空槽120を有している。真空槽120の内部には、吸着板121が配置されており、吸着板121の上方には、カソード電極133に取り付けられたターゲット134が配置されている。
真空槽120に、真空排気装置131が設けられており、真空排気装置131を動作させると、真空槽120の内部が真空排気され、真空槽120の内部に真空雰囲気が形成される。
【0003】
また、真空槽120には、搬入口174aと搬出口174bとが設けられており、搬入口174aから真空槽120の内部に基板を搬入し、真空槽120の内部に搬入された基板を、搬出口174bから真空槽120の外部に搬出できるようにされている。
【0004】
吸着板121には、複数の貫通孔136が設けられており、各貫通孔136には、ピン140がそれぞれ挿通されている。
各ピン140は、昇降装置175に接続され、昇降移動できるようにされている。
基板搬送ロボットのハンドに乗せ、搬入口174aから搬入した基板は、ピン140を上昇させてピン140に移載させ、ピン140を降下させて基板を吸着板121上に載置する。
【0005】
図7Bの符号123は、吸着板121上に載置された基板を示している。
ガス導入装置132からスパッタリングガスを真空槽120の内部に導入し、スパッタ電源135によってカソード電極133にスパッタ電圧を印加すると、ターゲット134の表面近傍にプラズマが形成され、ターゲット134がスパッタリングされ、基板123の表面に薄膜が成長する。
【0006】
このとき、プラズマによって、基板123は接地電位の真空槽120に電気的に接続されており、吸着電源124から、吸着板121の内部に配置された電極102に吸着電圧を印加して、基板123と電極102との間に形成されるコンデンサを充電すると、基板123は静電吸着力によって吸着板121上に静電吸着され、基板123と吸着板121との間の熱伝達率が向上する。
【0007】
吸着板121は、温度調整装置138上に配置されており、温度調整装置138によって、基板123の温度制御が容易になる。
薄膜が所定膜厚に成長すると、スパッタリングによる真空処理は終了し基板123は、真空槽120の外部に搬出され、別の未処理の基板が真空槽120内に搬入され、スパッタリングが開始される。
【0008】
上記のような、 吸着板121を使用した真空処理方法において、真空処理が終了した基板123を真空槽120の外部に搬出するために基板123を吸着板121から剥離させる際に、電極102に印加した吸着電圧を遮断しても、電極102と基板123とで形成されるコンデンサには残留電荷があり、基板123は吸着板121に吸着されたままである。
【0009】
図7Cは、ピン140を上昇させてピン140の上端を基板123の裏面に接触させた状態であり、残留電荷がある状態で、
図7Cのピン140を更に上昇させて、吸着板121上から基板123を持ち上げようとすると、残留吸着力によって、基板123が割れてしまったり、基板123を持ち上げたときに、ピン140上で位置がずれたり、また、ピン140上から基板123が脱落する等の問題が起こる(
図7D)。
【0010】
残留電荷を直接測定しようとしても、残留電荷によって形成される電気力線は、吸着板121と基板123との間の微少空間に形成されるため、直接測定することが困難である。基板搬送ロボットのアーム等にセンサを設け、吸着板121から持ち上げた基板123を真空槽120の外部に搬出するときに、基板123の帯電量を測定し、次の基板を持ち上げる際に、測定結果から求めた大きさの逆電圧を印加する技術がある。
【0011】
また、真空処理が終了した基板123を吸着板121上から剥離させて持ち上げたときに、電極102に流れる電流を測定し、測定結果から逆電圧の大きさを求め、次に真空処理をした基板に対し、直前に真空処理をした基板123の測定結果から求めた大きさの逆電圧を印加した後、持ち上げる技術がある。
【0012】
しかし、プロセス条件の相違、プロセスの変化、基板の反り状態の相違、基板表面の相違などによって、残留電荷は基板毎に異なる大きさであるから、持ち上げようとする基板ではなく、別の基板123で求めた大きさの逆電圧を、持ち上げようとする基板に印加することになるから、残留電荷を小さくすることはできても、消滅させることはできない。
【0013】
なお、アームにセンサを設ける場合は、吸着板121が求められる真空処理は、PVD,CVD,エッチング等、いろいろな種類があり、センサが置かれる雰囲気が異なるから、汎用的な吸着装置を提供することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するために創作されたものであり、剥離させようとする基板に対応した逆電圧の大きさを求め、基板を安全に剥離させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため本発明は、真空槽の内部に配置され、処理対象物が接触して配置される絶縁板と、前記絶縁板に配置され前記処理対象物と非接触で対面する第一電極と、前記第一電極に接続され、電気導電性を有する第一電源配線と、前記絶縁板上の前記処理対象物が、接地電位に電気的に接続された状態で、吸着電源によって、前記第一電源配線を介して、前記第一電極に吸着電圧が印加され、前記処理対象物と前記第一電極との間の容量が充電され、前記処理対象物が前記絶縁板に吸着される単極型の吸着装置であって、前記第一電源配線に設けられ、閉状態になると前記第一電極と前記吸着電源とを電気的に接続させ、開状態になると前記第一電極と前記吸着電源との間の電気的接続を遮断させる第一開閉装置と、第一信号配線によって前記第一電極に電気的に接続され、前記真空槽の外部に配置される第一被測定部と、前記第一被測定部の電位を測定する第一電位測定装置と、前記処理対象物を接地電位に接続された接地部材に電気的に接続すると共に、前記第一開閉装置を開状態にし、前記第一電極が電気的に浮遊した状態で、前記第一電位測定装置に前記第一被測定部の電位を測定させる制御装置を有する吸着装置である。
本発明は、真空槽の内部に配置され、処理対象物が接触して配置される絶縁板と、前記絶縁板に配置され前記処理対象物と非接触で対面する第一電極と第二電極と、前記第一電極に接続され、電気導電性を有する第一電源配線と、前記第二電極に接続され、電気導電性を有する第二電源配線と、前記第一電源配線と前記第二電源配線を介し、吸着電源によって前記第一電極と前記第二電極との間に吸着電圧を印加して、前記絶縁板に配置された前記処理対象物と前記第一電極との間と、前記処理対象物と前記第二電極との間との容量を充電し、前記処理対象物を前記絶縁板に吸着させる双極型の吸着装置であって、前記第一電源配線に設けられ、閉状態になると前記第一電極と前記吸着電源とを電気的に接続させ、開状態になると前記第一電極と前記吸着電源との間の電気的接続を遮断させる第一開閉装置と、前記第一電極に第一信号配線によって電気的に接続され、前記真空槽の外部に配置される第一被測定部と、前記第一被測定部の電位を測定する第一電位測定装置と、前記処理対象物を接地電位に接続された接地部材に電気的に接続すると共に、前記第一開閉装置を開状態にし、前記第一電極が電気的に浮遊した状態で、前記第一電位測定装置に前記第一被測定部の電位を測定させる制御装置を有する吸着装置である。
本発明は、前記第一被測定部の電位を測定する際には、前記制御装置によって、前記処理対象物が前記接地部材に接触される吸着装置である。
本発明は、前記第一被測定部の電位を測定する際には、前記制御装置によって前記真空槽の真空雰囲気中に導電性を有する帯電ガスが含有され、前記処理対象物が前記帯電ガスによって前記接地部材に電気的に接続される吸着装置である。
本発明は、前記帯電ガスを生成して前記処理対象物に接触させ、前記処理対象物を前記接地部材に電気的に接続する帯電ガス生成装置を有し、前記帯電ガス生成装置は、前記制御装置の制御によって、前記帯電ガスを生成する吸着装置である。
本発明は、前記帯電ガス生成装置には、前記処理対象物を前記真空槽内で加工する加工装置が用いられる吸着装置である。
本発明は、前記制御装置は、前記第一電位測定装置が測定した測定結果に基づいて逆電圧を算出し、前記第一開閉装置を閉状態にして、前記吸着電源から前記第一電極に前記逆電圧を出力させ、前記第一電極を除電する吸着装置である。
本発明は、前記制御装置は、前記第一電位測定装置が測定した測定結果に基づいた大きさの電力でプラズマを生成して前記処理対象物に接触させて接地電位に接続させ、前記第一開閉装置を閉状態にして、前記第一電極を接地電位にして前記第一電極を除電する吸着装置である。
本発明は、前記第一電位測定装置は、前記第一被測定部の電位を検出し、検出した電位の大きさに応じた電位信号を生成する第一電位検出部と、前記電位信号が入力され、前記電位信号が示す電位の値を求める第一測定装置本体と、を有し、前記第一電位検出部は、前記第一被測定部と非接触な状態で前記第一被測定部の電位を検出する吸着装置である。
本発明は、前記第一電位測定装置は、前記第一被測定部の電位を検出し、検出した電位の大きさに応じた電位信号を生成する第一電位検出部と、前記電位信号が入力され、前記電位信号が示す電位の値を求める第一測定装置本体と、電流の流れを制限する電流制限装置と、を有し、前記第一電位検出部は、前記第一被測定部と前記電流制限装置を介して接触した状態で前記第一被測定部の電位を検出する吸着装置である。
本発明は、前記第一信号配線の少なくとも一部が、前記第一電源配線にされた吸着装置である。
本発明は、真空槽と、前記真空槽の内部に配置され、処理対象物が接触して配置される絶縁板と、前記絶縁板に配置され前記処理対象物と非接触で対面する第一電極と、前記第一電極に接続され、電気導電性を有する第一電源配線と、前記第一電源配線によって前記第一電極に接続された吸着電源と、前記真空槽の内部を真空雰囲気にする真空排気装置と、前記処理対象物を前記真空雰囲気中で加工をする加工装置と、接地電位にされた接地部材と、を有し、前記吸着電源によって前記第一電極に吸着電圧を印加し、接地電位に電気的に接続された前記処理対象物を吸着して前記加工装置で加工する真空処理装置であって、前記第一電源配線に設けられ、閉状態になると前記第一電極と前記吸着電源とを電気的に接続させ、開状態になると前記第一電極と前記吸着電源との間の電気的接続を遮断させる第一開閉装置と、前記第一電極に第一信号配線によって電気的に接続され、前記真空槽の外部に配置された第一被測定部と、前記第一被測定部の電位を測定する第一電位測定装置と、前記処理対象物を前記接地部材に電気的に接続すると共に、前記第一開閉装置が開状態にされた状態で、前記第一電位測定装置に前記第一被測定部の電位を測定させる制御装置と、を有する真空処理装置である。
本発明は、真空槽と、前記真空槽の内部に配置され、処理対象物が接触して配置される絶縁板と、前記絶縁板に配置され前記処理対象物と非接触で対面する第一電極と第二電極と、前記第一電極に接続され、電気導電性を有する第一電源配線と、前記第一電源配線によって前記第一電極に接続された吸着電源と、前記真空槽の内部を真空雰囲気にする真空排気装置と、前記処理対象物を前記真空雰囲気中で加工をする加工装置と、を有し、前記吸着電源によって前記第一電極と前記第二電極との間に吸着電圧を印加し、前記絶縁板に配置された前記処理対象物を吸着して前記加工装置で加工する真空処理装置であって、前記第一電源配線に設けられ、閉状態になると前記第一電極と前記吸着電源とを電気的に接続させ、開状態になると前記第一電極と前記吸着電源との間の電気的接続を遮断させる第一開閉装置と、前記第一電極に第一信号配線によって電気的に接続され、前記真空槽の外部に配置された第一被測定部と、前記第一被測定部の電位を測定する第一電位測定装置と、前記処理対象物を接地電位に接続された接地部材に電気的に接続すると共に、前記第一開閉装置が開状態にされた状態で、前記第一電位測定装置に前記第一被測定部の電位を測定させる制御装置と、を有する真空処理装置である。
本発明は、前記第一被測定部の電位を測定する際には、前記制御装置によって、前記処理対象物が前記接地部材に接触される真空処理装置である。
本発明は、前記第一被測定部の電位を測定する際には、前記制御装置によって前記真空槽の真空雰囲気中に導電性を有する帯電ガスが含有され、前記処理対象物が前記帯電ガスによって前記接地部材に電気的に接続される真空処理装置である。
本発明は、前記帯電ガスを生成して前記処理対象物に接触させ、前記処理対象物を前記接地部材に接続する帯電ガス生成装置を有し、前記帯電ガス生成装置は、前記制御装置の制御によって、前記帯電ガスを生成する真空処理装置である。
本発明は、前記帯電ガス生成装置には、前記加工装置が用いられる真空処理装置である。
本発明は、前記制御装置は、前記第一電位測定装置が測定した測定結果に基づいて逆電圧を算出し、前記第一開閉装置を閉状態にして、前記吸着電源から前記逆電圧を前記第一電極に出力させて前記第一電極を除電する真空処理装置である。
本発明は、前記制御装置は、前記第一電位測定装置が測定した測定結果に基づいた大きさの電力でプラズマを生成して前記処理対象物に接触させて接地電位に接続させ、前記第一開閉装置を閉状態にして、前記第一電極を接地電位にして前記第一電極を除電する真空処理装置である。
本発明は、前記第一電位測定装置は、前記第一被測定部の電位を検出し、検出した電位の大きさに応じた電位信号を生成する第一電位検出部と、前記電位信号が入力され、前記電位信号が示す電位の値を求める測定装置本体と、を有し、前記第一電位検出部は、前記第一被測定部と非接触な状態で前記第一被測定部の電位を検出する真空処理装置である。
本発明は、前記第一電位測定装置は、前記第一被測定部の電位を検出し、検出した電位の大きさに応じた電位信号を生成する第一電位検出部と、前記電位信号が入力され、前記電位信号が示す電位の値を求める測定装置本体と、電流の流れを制限する電流制限装置と、を有し、前記第一電位検出部は、前記第一被測定部と前記電流制限装置を介して接触した状態で前記第一被測定部の電位を検出する真空処理装置である。
本発明は、前記第一信号配線の少なくとも一部が、前記第一電源配線にされた真空処理装置である。
本発明は、真空槽内に真空雰囲気を形成する真空雰囲気形成工程と、前記真空槽内に配置された絶縁板に処理対象物を配置する配置工程と、前記絶縁板に配置され前記処理対象物と非接触で対面する第一電極を吸着電源に接続し、前記吸着電源から前記第一電極に吸着電圧を印加し、前記絶縁板に配置され、接地電位に電気的に接続された前記処理対象物を前記絶縁板に吸着しながら、前記処理対象物を加工する真空処理工程と、を有する真空処理方法であって、前記真空雰囲気中に導電性を有する帯電ガスを含有させ、前記処理対象物を接地電位に接続された接地部材に電気的に接続する接地工程と、前記第一電極を前記吸着電源から電気的に切り離して前記第一電極を電気的に浮遊させ、第一信号配線によって前記第一電極に接続され、前記真空槽の外部に配置された第一被測定部の電位を測定する測定工程と、を有する真空処理方法である。
本発明は、真空槽内に真空雰囲気を形成する真空雰囲気形成工程と、前記真空槽内に配置された絶縁板に処理対象物を配置する配置工程と、前記絶縁板に配置され前記処理対象物と非接触で対面する第一電極と第二電極とを吸着電源に接続し、前記吸着電源から前記第一電極と前記第二電極との間に吸着電圧を印加し、前記絶縁板に配置された前記処理対象物を前記絶縁板に吸着しながら、前記処理対象物を加工する真空処理工程と、を有する真空処理方法であって、前記真空雰囲気中に導電性を有する帯電ガスを含有させ、前記処理対象物を接地電位に接続された接地部材に電気的に接続する接地工程と、前記第一電極を前記吸着電源から電気的に切り離し、第一信号配線によって前記第一電極に電気的に接続され、前記真空槽の外部に配置された第一被測定部の電位を測定する測定工程と、を有する真空処理方法である。
本発明は、前記第一被測定部の電位を測定する際には、前記処理対象物が前記接地部材に接触される真空処理方法である。
本発明は、前記真空処理工程では、前記真空雰囲気中に、導電性を有する帯電した加工ガスを含有させ、前記加工ガスを、前記処理対象物と前記接地部材とに接触させて、前記処理対象物を前記接地部材に電気的に接続させる真空処理方法である。
本発明は、前記帯電ガスには、帯電した前記加工ガスを用いる真空処理方法である。
本発明は、前記測定工程の測定結果に基づいて逆電圧を算出し、前記第一電極を前記吸着電源に電気的に接続させて、前記吸着電源から前記逆電圧を前記第一電極に出力させる真空処理方法である。
本発明は、第一被測定部の電位の測定結果に基づいた大きさの電力でプラズマを生成して前記処理対象物に接触させ、前記第一電極を接地電位に接続して前記第一電極を除電する真空処理方法である。
本発明は、前記測定工程では、第一電位測定装置によって前記第一被測定部の電位を測定する真空処理方法であって、前記第一電位測定装置に接続され、前記第一被測定部の電位を検出する第一電位検出部を、前記第一被測定部と非接触の状態にして、前記第一電位測定装置によって、前記第一被測定部の電位を測定する真空処理方法である。
本発明は、前記測定工程では、第一電位測定装置によって前記第一被測定部の電位を測定する真空処理方法であって、前記第一電位測定装置に接続され、前記第一被測定部の電位を検出する第一電位検出部を、電流の流れを制限する電流制限装置を介して前記第一被測定部に接続し、前記第一電位測定装置によって、前記第一被測定部の電位を測定する真空処理方法である。
【0017】
本発明は上記のように構成されており、吸着板に内蔵された電極と処理対象物の間のコンデンサの容量をCとし、処理対象物を接地させたときの残留電荷による電極の電圧をVとすると、電極と処理対象物の間の残留電荷Qは、下記式(1)で表すことができる。
Q = C・V……(1)
電極と処理対象物との間の距離をdとし、比例定数をkとすると、残留電荷Qによる残留吸着力Fは、下記(2)式で表すことができる。
F=k・Q
2/d
2……(2)
電圧Vを測定すれば残留電荷Qや残留吸着力Fを求めることができる。また残留電荷Qを消滅させるために電極に印加する逆電圧も、測定した残留電荷Qと対応して予め測定や計算などによって求めておき、測定した電圧Vと、予め求めた残留電荷Qと逆電圧の対応とから、印加すべき逆電圧を求めることができる。
【発明の効果】
【0018】
吸着板から剥離させようとする処理対象物の残留電荷を剥離前に測定することができる。
処理対象物に、最適な値の逆電圧を求めることができ、処理対象物の残留電荷を小さくすることができる。
剥離前に測定できるから、逆電圧を印加した後の残留電荷を測定することができ、逆電圧を印加した後の測定結果に基づいて求めた逆電圧を印加することで、残留電荷を一層小さくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<真空処理装置>
図1A、
図2A、
図3A、
図4A、
図5A、
図5Cには、本発明の第一例〜第六例の真空処理装置11〜16がそれぞれ示されている。
各真空処理装置11〜16は、真空槽20と、吸着装置8又は9と、加工装置18とを有している。
第一例〜第六例の真空処理装置11〜16の各吸着装置8又は9は、表面が絶縁性である吸着板21又は22を有している。
【0021】
図1C、
図2C、
図3B、
図4B、
図5B、
図5Cは、吸着板21又は22上に処理対象物23が乗せられた状態を示している。
吸着板21,22は、絶縁体が板状に成形された絶縁板27を有している。
【0022】
第一例の真空処理装置11の吸着板21は単極型であり、絶縁板27の内部に第一電極2が配置されており、第二例〜第六例の真空処理装置12〜16の吸着板22は双極型であり、絶縁板27の内部に第一電極2aと第二電極2bとが配置されている。
【0023】
吸着板21,22に配置された処理対象物23は、絶縁板27と接触しており、第一電極2,2aは、絶縁板27の一部又は全部を間に挟んで、処理対象物23の片面と非接触で対面するように配置されており、第二電極2bも、絶縁板27の一部又は全部を間に挟んで、第一電極2aが対面する処理対象物23と同じ面に非接触で対面するようにされている。
【0024】
真空槽20の底面には、台73が配置されており、台73上には温度調整装置38が配置されている。吸着板21,22は、温度調整装置38上に温度調整装置38と接触して配置されている。
【0025】
第一電極2,2aには、被覆された金属配線である第一電源配線10,10aが接続され、その第一電源配線10,10aは、真空槽20の壁面(ここでは底壁面)に設けられた端子28,28aを介して、真空槽20の外部に導出されており、第一電源配線10,10aのうち、真空槽20の外部に導出された部分は、第一開閉装置7又は7aを介して、吸着電源24又は25に接続されている。
【0026】
同様に、第二電極2bには、被覆された金属配線である第二電源配線10bが接続され、その第二電源配線10bは、真空槽20の壁面(ここでは底壁面)に設けられた端子28bを介して、真空槽20の外部に導出されており、真空槽20の外部に導出された部分は、第二開閉装置7bを介して、吸着電源25に接続されている。
【0027】
第一開閉装置7,7aと第二開閉装置7bとは二端子のスイッチ装置であり、二端子間の電気的接続を遮断させる開状態と、二端子間を電気的に接続する閉状態とを切り替えられるようになっている。
【0028】
第一電源配線10,10aにより、第一開閉装置7,7aの一方の端子は第一電極2,2aに電気的に接続され、他方の端子は吸着電源24又は25に電気的に接続されており、第一電極2,2aと吸着電源24,25とは、第一開閉装置7,7aが閉状態のときは電気的に接続され、開状態のときは電気的に遮断される。
【0029】
同様に、第二電源配線10bにより、第二開閉装置7bの一方の端子は第二電極2bに接続され、他方の端子は吸着電源25に接続されており、第二電極2bと吸着電源25とは、第二開閉装置7bが閉状態のときは電気的に接続され、開状態のときは電気的に遮断される。
【0030】
吸着電源24,25が出力した電圧は、第一開閉装置7,7aが閉状態のときに第一電極2,2aに印加される。また、吸着電源25が出力した電圧は、第二開閉装置7bが閉状態のときに、第二電極2bに印加される。
【0031】
双極型の吸着装置9に接続された吸着電源25は、第一、第二開閉装置7a,7bが閉状態のときには、第一電極2aと第二電極2bのうち、いずれか一方又は両方に電圧を印加することができ、両方に印加するときには、同じ値の電圧や異なる値の電圧(異なる極性の電圧を含む)を印加できるようにされている。
【0032】
単極型の吸着板21に配置された処理対象物23と第一電極2とは互いに平行であり、双極型の吸着板22に配置された処理対象物23と第一、第二電極2a,2bとはそれぞれ平板である。
【0033】
処理対象物23と第一電極2,2aの間と、処理対象物23と第二電極2bとの間には、絶縁板27を構成する絶縁体が配置されており、従って、処理対象物23と第一電極2,2aの間には第一コンデンサが形成され、処理対象物23と第二電極2bの間には第二コンデンサがそれぞれ形成される。
双極型の吸着板22に処理対象物23を配置したときの第一、第二のコンデンサは直列接続されている。
【0034】
<配置手順>
次に、処理対象物23を吸着板21,22に配置する手順を説明する。
真空槽20には、搬入口74aと搬出口74bとが設けられており、また、真空槽20には、真空排気装置31が設けられている。
搬入口74aと搬出口74bとを閉じ、真空槽20の内部を、真空排気装置31によって真空排気し、真空雰囲気にする。真空排気装置31は、継続して真空槽20の内部を真空排気するものとする。
【0035】
真空槽20で行う真空処理の前処理側には前段槽30aが配置され、後処理側には後段槽30bが配置されており、前段槽30aと後段槽30bとは、それぞれ真空雰囲気にされている。
搬入口74aを開けると、真空槽20の内部は前段槽30aの内部と接続され、また、搬出口74bを開けると、真空槽20の内部は後段槽30bの内部と接続されるように構成されている。
【0036】
真空槽20の内部で真空処理を行う際には、先ず、真空槽20の内部の真空雰囲気を維持しながら搬入口74aを開け、前段槽30aの内部に位置する処理対象物(ここでは半導体基板や、金属薄膜が形成されたガラス基板などの基板である。)を真空槽20の内部に搬入する。
【0037】
真空槽20の外部には、昇降装置75が配置されており、昇降装置75には、上端が真空槽20の内部に配置された昇降部材76が取り付けられている。
吸着板21,22と温度調整装置38とには、複数個の貫通孔36が設けられており、各貫通孔36には、下端が昇降部材76に固定されたピン40がそれぞれ挿通されている。
図1Bは、単極型の第一電極2に形成された貫通孔36の位置を示しており、
図2Bは、双極型の第一、第二電極2a,2bに形成された貫通孔36の位置を示している。
【0038】
昇降装置75が動作すると、昇降部材76が昇降移動し、それに伴って、ピン40も昇降移動する。符号72は、昇降部材76が昇降移動する台73内部の空間を示している。符号79はベロースであり、真空槽20の内部の雰囲気は、ベロースによって維持される。
昇降装置75によって、各ピン40を上昇させ、上端を吸着板21,22の表面より上方に位置させ、真空槽20の内部に搬入された処理対象物23をピン40上に乗せる。
【0039】
次いで、ピン40を降下させ、上端を吸着板21,22の表面より下方に位置させると、ピン40上の処理対象物23は吸着板21,22上に乗る。
図1C、
図2C、
図3B、
図4B、
図5Bは、その状態を示している。搬入口74aは閉じる。
【0040】
<吸着手順>
次に、処理対象物23の真空処理手順について説明する。
加工装置18は、加工ガス導入装置32を有しており、加工装置18により、真空槽20の真空雰囲気中に、プラズマ状の加工ガスや、イオン化した加工ガス等の、帯電した加工ガスを含有させることができるようにされている。加工ガス導入装置32から、帯電した加工ガスを真空槽20の真空雰囲気に導入してもよいし、加工装置18が、加工ガス導入装置32から真空槽20の真空雰囲気に導入した加工ガスを、帯電させるようにしてもよい。
【0041】
真空槽20は接地電位に接続されており、真空槽20の内部には、真空槽20の内部に位置し、真空槽20と同じ接地電位に接続された接地部材が露出されている。ここでは、真空槽20の内壁面が真空雰囲気に露出され、符号49の接地部材として用いられている。
【0042】
単極型の吸着板21で処理対象物23を吸着するためには、処理対象物23を接地電位等の一定の電位に接続する必要がある。
例えば、導電性のプローブを吸着板21に配置された処理対象物23に接触させて、プローブを介して処理対象物23を接地電位に接続してもよいが、この第一例の真空処理装置11では、真空雰囲気に、帯電した加工ガスが含有されると、帯電した加工ガスは接地部材49と処理対象物23とに接触し、処理対象物23は接地部材49に電気的に接続され、接地電位になる。
【0043】
従って第一例の真空処理装置11では、真空雰囲気に帯電した加工ガスが含有された状態で、第一開閉装置7を閉じ、第一電極2を吸着電源24に接続し、吸着電源24から吸着電圧を出力すると、第一電極2に吸着電圧が印加され、処理対象物23と第一電極2とで形成された第一コンデンサが吸着電圧で充電される。その結果、静電気力によって処理対象物23が第一電極2に引き寄せられるので、処理対象物23が絶縁板27に吸着される。
【0044】
吸着された状態では、処理対象物23と絶縁板27との間の熱抵抗は、吸着されていない状態のときよりも小さくなっており、処理対象物23は、温度調整装置38によって温度制御されながら、加工装置18によって真空処理がされる。
【0045】
第二例〜第六例の真空処理装置12〜16に設けられた双極型の吸着装置9では、処理対象物23を吸着板22上に配置したときに形成された第一、第二コンデンサは直列接続されており、第一開閉装置7aと第二開閉装置7bとを閉状態にすると、直列接続によって形成されたコンデンサの一端と他端は、吸着電源25に接続される。
従って、吸着電源25から、第一電極2aと第二電極2bとに異なる値の電圧を印加すると、第一、第二コンデンサを充電することができる。
【0046】
ここでは、第一電極2aと第二電極2bのうち、一方に負極性の電圧を出力し、他方に正極性の電圧を出力することで、処理対象物23を接地電位に接続しなくても、第一電極2aと第二電極2bの間に吸着電圧を印加し、処理対象物23と第一電極2aの間の第一コンデンサと処理対象物23と第二電極2bの間の第二コンデンサとを充電すると、処理対象物23は、吸着板22に吸着される。
図2A等の符号70aは、双極型の吸着装置9に用いた吸着電源25の内部で、第一電極2aに電圧を印加する回路を示しており、符号70bは、吸着電源25の内部で第二電極2bに電圧を印加する回路を示している。
【0047】
<真空処理>
加工装置18の真空処理を説明すると、第一例と第二例の真空処理装置11、12の加工装置18は、真空槽20内に配置されたカソード電極33と、カソード電極33に設けられたターゲット34とを有している。
【0048】
第一例と第二例の真空処理装置11、12の加工装置18には、アルゴンガス等の希ガスから成るスパッタリングガスが加工ガスとして用いられており、加工ガス導入装置32から真空槽20の内部に加工ガスが導入される。
加工ガスを導入しながら、スパッタ電源35によって、カソード電極33に負電圧を印加すると、加工ガスのプラズマが生成され、ターゲット34がスパッタリングされ、処理対象物23の表面に薄膜が成長する。
【0049】
単極型の吸着板21では、プラズマ中の帯電したアルゴンガスが帯電した加工ガスであり、処理対象物23が接地部材49に電気的に接続され、吸着電源24から第一電極2に吸着電圧が印加されることで、処理対象物23が吸着板21に吸着される。
双極型の吸着板22では、第一、第二電極2a、2bの間に吸着電圧を印加することで、処理対象物23が吸着板22に吸着される。
【0050】
図3Bの第三例の真空処理装置13と、
図5B、
図5Cの第五、第六例の真空処理装置15,16とでは、加工装置18は、シャワーヘッド43と、プラズマ電源45とを有しており、加工ガス導入装置32はシャワーヘッド43に接続され、薄膜の原料ガスである加工ガスが、加工ガス導入装置32からシャワーヘッド43を介して真空槽20の内部の真空雰囲気に導入される。
【0051】
プラズマ電源45は、シャワーヘッド43に接続されており、プラズマ電源45を起動してシャワーヘッド43に電圧を印加すると、加工ガスのプラズマが生成され、処理対象物23の表面で化学反応が生じて、吸着板22に吸着された処理対象物23の表面に薄膜が形成される。
【0052】
薄膜を形成するときのプラズマに含有される加工ガスは帯電しており、処理対象物23を接地電位に接続できるから、単極型の吸着装置8を、第三例と第五例の真空処理装置13,15に用いることもできる。
【0053】
図4Bの第四例の真空処理装置14では、加工装置18は、ターゲット34と、イオンガン71とを有している。
イオンガン71は、イオン生成装置46と、イオン生成電源48と、加工ガス導入装置32とを有しており、加工ガス導入装置32から、アルゴンガス等の加工ガスをイオン生成装置46内に導入し、イオン生成電源48から供給された電圧によって、加工ガスのプラズマを形成し、加工ガスを電離させて帯電した加工ガスを生成する。生成された帯電した加工ガスは、加速されてターゲット34に照射され、ターゲット34がスパッタリングされて、吸着板22に吸着された処理対象物23の表面に薄膜を形成する。
【0054】
第四例の真空処理装置14の加工装置18が形成する帯電した加工ガスも、処理対象物23を接地電位に接続できるから、単極型の吸着装置8を、第四例の真空処理装置14に用いることもできる。
【0055】
本発明の真空処理装置11〜16は、制御装置39を有しており、加工装置18は、制御装置39によって動作が開始された後、所定膜厚の薄膜が形成された等、処理対象物23の真空処理を終了させる状態になったことが制御装置39に検出されると、吸着装置8が単極型の第一例の真空処理装置11では、制御装置39は、吸着電源24によって、第一電極2を接地電位に接続して電荷を放電させた後、加工装置18の動作を停止させ、第一開閉装置7を開状態にして、第一電極2と吸着電源24との間の電気的接続を遮断させ、第一電極2を電気的に浮遊した状態に置く。
【0056】
吸着装置9が双極型の第二例〜第六例の真空処理装置12〜16では、制御装置39は、加工装置18の動作を停止させ、吸着電源25によって、第一、第二電極2a,2bを接地電位に接続して電荷を放電させた後、第一開閉装置7aと第二開閉装置7bとを開状態にして、第一、第二電極2a,2bと吸着電源25との電気的接続を遮断させ、第一、第二電極2a,2bを電気的に浮遊した状態に置く。
【0057】
<測定手順>
次に、残留電荷の測定手順を説明する。
本発明の真空処理装置11〜15は、真空槽20の真空雰囲気中に、導電性を有する帯電ガスを含有させる帯電ガス生成装置19を有している。
第一例〜第四例の真空処理装置11〜14では、加工装置18が帯電ガス生成装置として用いられており、加工ガス導入装置32から帯電ガス生成装置19(加工装置18)に希ガスや窒素ガス等の反応性が低い低反応ガスが供給され、低反応性ガスは帯電ガス生成装置19内で帯電されて、真空槽20の内部に導電性を有する帯電ガスとして放出される。その結果、真空槽20の真空雰囲気中に、導電性を有する帯電ガスを含有させることができる。
【0058】
第五例の真空処理装置15では、第四例の真空処理装置14に設けられたイオンガン71と同じ構成のイオンガンが帯電ガス生成装置19として設けられている。
この帯電ガス生成装置19は、イオン生成装置46と、イオン生成電源48と、低反応性ガス導入装置42とを有しており、制御装置39の制御によって、低反応性ガス導入装置42から、アルゴンガス等の低反応性ガスをイオン生成装置46内に導入し、イオン生成電源48から供給された電圧によって、低反応性ガスのプラズマを形成し、低反応性ガスを電離させ、帯電した低反応性ガスを生成する。
【0059】
帯電した低反応性ガスは真空槽20の内部に導電性を有する帯電ガスとして放出し、真空雰囲気に含有させることができる。低反応性ガスには加工ガスと同種類のガスを用いてもよい。
従って、第五例の真空処理装置15では、加工装置18を動作させずに、帯電ガス生成装置19を動作させて、真空雰囲気に導電性を有する帯電ガスを含有させることができる。
【0060】
第一例〜第五例の真空処理装置11〜15において、真空雰囲気に含有された導電性を有する帯電ガスは、吸着板21,22上の処理対象物23と接地部材49とに接触し、処理対象物23を接地電位に接続する。
【0061】
ここで、
図5Cの第六例の真空処理装置16には、第五例の真空処理装置15の帯電ガス生成装置19に替え、接地接続装置50を設け、制御装置39が接地接続装置50の装置本体51を制御し、装置本体51に取り付けられ、接地電位に接続された触針52を接地部材49として吸着板22上に配置された処理対象物23の表面又は裏面に接触させることで処理対象物23を接地電位に置いて、後述するように、第一、第二電極2a,2bの電位を測定するようにしてもよい。
【0062】
単極型の吸着装置8の場合も、接地電位の触針を処理対象物23に接触させることで、第一電極2の残留電荷を測定することができる。
触針52を接地部材49にして処理対象物23を接地電位に接続する場合は、例えば、真空処理装置15がイオン注入装置であれば、触針52を処理対象物23に接触させてイオン注入処理を行える点で都合がよい。他方、触針52は、プラズマに曝されると劣化するため、処理対象物23に行う真空処理が、処理対象物23をプラズマに曝さない処理であれば都合がよい。
【0063】
導電性を有する帯電ガスや、接地接続装置50によって処理対象物23が接地電位に接続されるときに、第一開閉装置7,7aを開状態にし、第一電極2,2aと吸着電源24,25との間の電気的接続を遮断させ第一電極2,2aを電気的に浮遊した状態に置くと、第一電極2,2aには、第一コンデンサの残留電荷に応じた大きさの電位が現れる。
【0064】
また、処理対象物23が同様に導電性を有する帯電ガスや、接地接続装置50によって接地電位に接続されるときに、第二開閉装置7bを開状態にし、第二電極2bと吸着電源25との間の電気的接続を遮断させ第二電極2bを電気的に浮遊した状態に置くと、第二電極2bには、第二コンデンサの残留電荷に応じた大きさの電位が現れる。
【0065】
単極型の吸着装置8は、第一電極2に接続された第一信号配線17と、第一信号配線17に接続された第一被測定部3と、第一被測定部3の電位を測定する第一電位測定装置4とを有している。
【0066】
また、双極型の吸着装置9では、第一電極2aに接続された第一信号配線17aと、第二電極2bに接続された第二信号配線17bと、第一信号配線17aに接続された第一被測定部3aと、第二信号配線17bに接続された第二被測定部3bと、第一被測定部3aの電位を測定する第一電位測定装置4aと、第二被測定部3bの電位を測定する第二電位測定装置4bとを有している。
【0067】
ここでは、第一被測定部3,3aと第二被測定部3bとは露出された金属配線又は露出された金属片であり、第一被測定部3,3aは、第一電源配線10、10aの真空槽20の外部に位置する部分に接続され、第一電源配線10,10aのうち、第一電極2,2aと第一被測定部3、3aが接続された部分の間が第一信号配線17,17aにされており、同様に、第二被測定部3bは、第二電源配線10bの真空槽20の外部に位置する部分に接続されており、第二電源配線10bのうち、第二電極2bと第二被測定部3bが接続された部分の間が第二信号配線17bにされている。
【0068】
第一電位測定装置4,4aと第二電位測定装置4bとは表面電位計であり、第一電位測定装置4,4aは、第一電位検出部5,5aと、第一測定装置本体6,6aとを有しており、第二電位測定装置4bは、第二電位検出部5bと、第二測定装置本体6bとを有している。
【0069】
符号44,44aは、第一電位検出部5,5aと第一測定装置本体6,6aとを接続する金属配線であり、符号44bは、第二電位検出部5bと第二測定装置本体6bとを接続する金属配線である。
【0070】
第一電位検出部5、5aは、第一被測定部3,3aとは非接触で、第一被測定部3,3aの近傍に配置されており、第二電位検出部5bは、第二被測定部3bとは非接触で、第二被測定部3bの近傍に配置されている。
第一電位検出部5、5aは、第一被測定部3,3aの電位を検出し、検出結果を示す電位信号を生成し、第一測定装置本体6,6aに出力する。
第二電位検出部5bは、第二被測定部3bの電位を検出し、検出結果を示す電位信号を生成し、第二測定装置本体6bに出力する。
【0071】
第一測定装置本体6,6aは、入力された電位信号に基づいて、第一電極2,2aの極性と、接地電位を基準とした電位の値を求め、求めた極性と電位の値とを制御装置39に出力する。
第二測定装置本体6bは、入力された電位信号に基づいて、第二電極2bの極性と接地電位を基準とした電位の値を求め、求めた極性と電位の値とを制御装置39に出力する。
【0072】
制御装置39は、入力された第一電極2,2aの極性と電位の値とから、第一電極2,2aの残留電荷を消去するために第一電極2,2aに印加すべき逆電圧の極性と大きさとを求める。
また、第二電極2bの電位の値が入力される制御装置39は、入力された第二電極2bの極性と電位の値とから、第二電極2bの残留電荷を消去するために第二電極2bに印加すべき逆電圧の極性と大きさとも求める。
【0073】
第一測定装置本体6,6aが、第一電位検出部5,5aから入力された電位信号に基づいて、第一電極2,2aに印加すべき逆電圧の極性と大きさとを求め、制御装置39に出力してもよいし、第二測定装置本体6bが、第二電位検出部5bから入力された電位信号に基づいて、第二電極2bに印加すべき逆電圧の極性と大きさとを求め、制御装置39に出力してもよい。
また、第一電位検出部5aと第二電位検出部5bとを、一台の測定装置本体に接続し、その測定装置本体で、第一、第二電極2a,2bの極性と電位の値とを測定するようにしてもよい。
【0074】
<残留電荷の消滅>
次に、残留電荷を消滅させる手順について説明する。
制御装置39は、帯電ガス生成装置19又は接地接続装置50を動作させ、処理対象物23が導電性を有する帯電ガス又は触針52によって接地電位に接続された状態で、第一開閉装置7,7aを閉状態にし、第一電極2,2aの残留電荷を消去するために求めた極性、大きさの逆電圧を吸着電源24、25から第一電極2,2aに出力させ、第一電極2,2aを除電する。
【0075】
吸着装置8が単極型である第一例の真空処理装置11では、第一電極2に逆電圧が印加された後、真空雰囲気中への帯電ガスの供給を停止し、搬出口74bを開け、処理対象物23を後段槽30bに搬出することができる。
【0076】
吸着装置9が双極型である第二例〜第五例の真空処理装置12〜15では制御装置39は、帯電ガス生成装置19又は接地接続装置50を動作させ、処理対象物23が、導電性を有する帯電ガス又は触針52によって接地電位に接続されると共に、制御装置39は第二開閉装置7bを閉状態にし、第一電極2aに逆電圧を印加した後、又は印加する前に、若しくは印加したときと同時に、第二電極2bの残留電荷を消去するために求めた極性、大きさの逆電圧を吸着電源25から第二電極2bに出力させ、第二電極2bを除電する。第一、第二電極2a,2bの逆電圧は同時に求めてもよい。
第一、第二電極2a,2bのうち、一方の電位を測定しているときは、他方に接続された第一又は第二開閉装置7a,7bは開状態にすることが望ましい。
【0077】
単極型の吸着装置8では、処理対象物23を接地電位に接続した状態で、第一開閉装置7を開状態にし、第一電極2の電位を測定し、直前に測定した測定結果から、残留電荷を消滅させるための逆電圧の極性と電圧値を求め、第一開閉装置7を閉状態にし、直前に求めた逆電圧を吸着電源24から第一電極2に出力する手順を繰り返し行い、測定した第一電極2の電位の値が、所定の電位範囲内の値になったところで、第一電極2に対する残留電荷の消滅手順を終了させ、処理対象物23を吸着板21から剥離させることができる。
【0078】
双極型の吸着装置9の場合は、単極型の場合と同様に、第一開閉装置7aを開状態にし、第一電極2aの電位を測定し、直前に測定した測定結果から、残留電荷を消滅させるための逆電圧の極性と電圧値を求め、第一開閉装置7aを閉状態にし、直前に求めた逆電圧を吸着電源25から第一電極2aに出力する手順を繰り返し行うと共に、処理対象物23を接地電位に接続した状態で、第二開閉装置7bを開状態にし、第二電極2bの電位を測定し、直前に測定した測定結果から、残留電荷を消滅させるための逆電圧の極性と電圧値を求め、第二開閉装置7bを閉状態にし、直前に求めた逆電圧を吸着電源25から第二電極2bに出力する手順を繰り返し行い、測定した第一電極2aの電位の値と第二電極2bの電位の値とが、所定の電位範囲内の値になったところで、第一、第二電極2a,2bに対する残留電荷の消滅手順を終了させ、処理対象物23を吸着板22から剥離させることができる。
【0079】
図6Aは、単極型の吸着装置8の第一電極2に関する等価回路であり、符号29は、第一電極2と処理対象物23とで形成される第一コンデンサを示している。符号77は、帯電ガスが真空雰囲気に含有されるときに、処理対象物23を接地電位に接続し(本例では接地部材49に接続する)、帯電ガスの供給を停止して、真空雰囲気に帯電ガスが含有されなくなると、処理対象物23を接地電位から電気的に切り離す等価的な開閉部材である。
この等価的な開閉部材77が閉状態になると、第一コンデンサ29の処理対象物23側の端子が接地電位に接続される。
【0080】
図6Bは、双極型の吸着装置9の、第一、第二電極2a,2bに関する等価回路であり、符号29aは、第一電極2aと処理対象物23とで形成される第一コンデンサを示し、符号29bは、第二電極2bと処理対象物23とで形成される第二コンデンサを示している。符号78は、帯電ガスが真空雰囲気に含有されるときに、処理対象物23を接地電位に接続し(本例では接地部材49に接続する)、帯電ガスの供給が停止され、真空雰囲気に帯電ガスが含有されなくなると処理対象物23を接地電位から電気的に切り離すことを示す等価的な開閉部材である。
第一、第二コンデンサ29a,29bの処理対象物23側の端子は、この等価的な開閉部材78が閉状態になったときに、接地電位に接続される。
【0081】
図6Cは、単極型の吸着装置8の別例の等価回路であり、第一電源配線10には、分岐のための第一信号配線17が電気的に接続されており、その分岐のための第一信号配線17に、第一被測定部3が電気的に接続されている。分岐のための第一信号配線17が接続された第一電源配線10の位置と、第一電極2との間の第一電源配線10は、第一信号配線17としても用いられている。
【0082】
この
図6Cの等価回路の単極型の吸着装置8でも、第一被測定部3の電位を非接触の第一電位検出部5によって検出することで、第一電極2の電位を測定し、測定結果から逆電圧を求めて印加することができる。又、双極型の吸着装置9の第一、第二電源配線10a,10bに、それぞれ分岐のための第一、第二信号配線17a,17bを接続し、その分岐のための第一、第二信号配線17a,17bに第一、第二被測定部3a、3bを電気的に接続して、第一、第二被測定部3a、3bの電位を第一、第二電位検出部5a,5bによって検出することで、第一、第二電極2a,2bの電位を測定し、測定結果から逆電圧を求めて、第一、第二電極2a,2bに印加することができる。
【0083】
図6Dは、単極型の吸着装置8の他の別例の等価回路であり、流れる電流を制限するための10
10Ω以上の高インピーダンスの電流制限装置37によって、第一電位検出部5を第一電源配線10に接続することで、第一電位検出部5を第一電極2に電気的に接続したときの等価回路である。
【0084】
ここでも第一信号配線17は一部が第一電源配線10と共用にされている。この等価回路のように、単極型の吸着装置8の第一電位検出部5を電流制限装置37を介して第一電極2に電気的に接続してもよいし、双極型の吸着装置9の第一、第二電位検出部5a,5bを、別々の電流制限装置37を介して、それぞれ第一、第二電極2a,2bに接続しても良い。第一、第二電位検出部5,5a,5bが電流制限装置37を介して第一、第二信号配線17,17a,17bの電位を検出することで、第一、第二電極2,2a,2bの電位を測定し、逆電圧を求めて第一、第二電極2,2a,2bに印加すればよい。
【0085】
上記第一例〜第六例の真空処理装置11〜16は、処理対象物23の表面に薄膜を形成する装置であったが、処理対象物23の表面をエッチングするエッチング装置など、種々の装置が含まれる。
【0086】
以上説明した真空処理装置11〜16では、第一、第二被測定部3,3a,3bは、真空槽20の外部に設けられており、第一、第二被測定部3,3a、3bの電位を測定し易く、また、第一、第二電位検出部5,5a,5bを真空槽20の外部に配置することができるため、第一、第二電位検出部5,5a,5bが真空処理の影響を受けることが無く、寿命が長くなる。但し、第一、第二被測定部3,3a,3bを、真空槽20の内部に設けた吸着装置や真空処理装置には、その利点が無いが、本発明に含まれる。
【0087】
また、以上説明した第一例〜第六例の真空処理装置11〜16では、導電性を有する帯電ガスを真空雰囲気に含有させて、残留電荷に応じた第一、第二電極2,2a,2bの電位を測定する際に、帯電ガス生成装置19は、直流電圧を用いて導電性を有する帯電ガスを生成することが望ましい。電位の測定中には、交流電圧を停止させなくても測定は可能である。
【0088】
なお、上記第一、第二測定装置本体6,6a,6bには、例えば振動容量方法等、種々の測定原理に基づいて動作する装置が含まれる。
【0089】
なお、上記第一電極2,2aと第二電極2bは、それぞれ一枚の電極であったが、第一電極2,2aと第二電極2bとは、吸着電源24、25から同じ電圧が印加される複数の電極で構成することができる。
【0090】
以上は第一電極2と接地電位の間に、又は第一、第二電極2a,2bの間に逆電圧を印加することで、残留電荷を消滅させたが、逆電圧を印加するのでは無く、加工装置18を動作させてプラズマを生成し、プラズマを処理対象物23と接地部材49とに接触させ、処理対象物23をプラズマと接地部材49とによって接地電位に接続することで、処理対象物23の残留電荷を消滅させてもよい。
【0091】
第一電極2,2aを除電する場合は、処理対象物23を吸着しながら真空処理を行い、第一電極2の残留電荷又は第一、第二電極2a,2bの残留電荷を測定した後、第一開閉装置7,7aを閉状態にし、吸着電源24,25から、第一電極2,2aに接地電位の電圧を印加し、第一電極2の残留電荷の測定結果から求めた電力をプラズマを生成するスパッタ又はプラズマ電源35,45から出力し、カソード電極33やシャワーヘッド43から出力させ、低反応性ガスのプラズマを生成し、プラズマと吸着電源24,25を介して、処理対象物23と第一電極2,2aとの残留電荷を放電させて消滅させる。
【0092】
第二電極2bをプラズマによって除電するときには、第二開閉装置7bを閉状態にし、吸着電源25から第二電極2bに接地電位の電圧を印加し、プラズマと吸着電源25を介して、処理対象物23と第二電極2bとの残留電荷を放電させて消滅させる。
【0093】
第一、第二電極2,2a,2bを接地電位に接続するためには、吸着電源24,25から接地電位の電圧を第一、第二電極2,2a、2bにそれぞれ印加してもよいが、吸着電源24,25から接地電位の電圧を印加するのでは無く、吸着電源24,25内部又は外部に第一、第二補助開閉装置を設け、第一補助開閉装置を閉状態にすることによって、第一電極2,2aを接地電位に接続し、第二補助開閉装置を閉状態にすることで第二電極2bを接地電位に接続してもよく、そのとき、処理対象物23をプラズマなどの帯電ガスや触針52によって接地電位に接続して、残留電荷を放電させるようにしてもよい。第一、第二電極2,2a,2bを接地電位から切り離すためには、第一、第二補助開閉装置を開状態にすればよい。
【0094】
また、プラズマによる除電を行った後、除電を行った第一、第二電極2,2a,2bの電位を測定して残留電荷を求め、測定結果の電位が、所定の電位範囲内の値で無い場合には、測定結果の電位に応じた大きさの電力でプラズマを生成し、除電を行う。このように、プラズマによって除電する場合も、測定結果の電位が所定の電位範囲内に入るまで、測定と除電を繰り返し行い、残留電荷を小さくすることができる。
【0095】
以上は、スパッタ装置やCVD装置等の成膜装置を例にしたが、本発明は、成膜装置の他、エッチング装置やイオン注入装置等、成膜対象物を真空雰囲気中で処理する真空処理装置が広く含まれる。
特に、イオン注入装置の場合は、処理対象物を真空雰囲気中に配置して処理対象物にイオンを注入するときには、上述の接地接続装置50によって、処理対象物を接地電位に接続しているから、プラズマを用いずに接地接続装置50によって処理対象物を接地電位に接続し、第一、第二電極2,2a,2bの電位を測定することができる。
【0096】
以上説明した各真空処理装置11〜16を構成する帯電ガス生成装置19等の部材は、制御装置39によって制御されているが、残留電荷の測定結果の値が異常であった場合には、制御装置39が警報を出力するようにしたり、又は、制御装置39が処理対象物23の種類を判別して、逆電圧等の除電の条件を変更する等、制御装置39に記憶された処理手順を追加、変更することで、真空処理装置11〜16の動作の追加や変更をすることができる。
【実施例】
【0097】
PIフィルム(ポリイミドフィルム)が貼付された半導体基板である処理対象物23を、第一例の真空処理装置11の吸着板21に配置し、加工装置18を動作させ、処理対象物23を接地電位に接続し、第一電極2に吸着電圧を印加して処理対象物23を吸着した後、加工装置18を停止させ、第一開閉装置7を開状態にして、処理対象物23と第一電極2とを浮遊電位に置いて、第一被測定部3の電位を測定した(条件1)。
次に、その状態で、導電性を有する帯電ガスによって、処理対象物23を接地電位に接続し(条件2)、第一被測定部3の電位を測定した。
【0098】
測定した電位の値から逆電圧を求め、第一開閉装置7を閉状態にし、帯電ガス生成装置19によって処理対象物23を接地電位に接続し、第一電極2に逆電圧を印加する。次いで、帯電ガス生成装置19によって処理対象物23を接地電位に接続しながら第一開閉装置7を開状態にし(条件3)、第一被測定部3の電位を測定した。
【0099】
測定結果を下記表1に示す。各条件とも測定回数は3回である。
「等価的な開閉装置」は、導電性を有する帯電ガスの有無であり、電気的接続の遮断は処理対象物が接地電位に接続されていないとき、電気的に接続される導通は接地電位に接続されているときである。
【0100】
【表1】
【0101】
測定値がゼロVのときは、処理対象物23を剥離しても、第一電極2には電流は流れなかった。
本発明に用いた電位測定方法によって正確な値が求められており、残留電荷が消滅したことが分かる。