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特開2016-116087ネットワーク設計装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-116087(P2016-116087A)
(43)【公開日】2016年6月23日
(54)【発明の名称】ネットワーク設計装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/24 20060101AFI20160527BHJP
【FI】
   H04L12/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-253396(P2014-253396)
(22)【出願日】2014年12月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504202472
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】スクソブーン カリカ
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 正機
(72)【発明者】
【氏名】林 通秋
(72)【発明者】
【氏名】武田 英明
(72)【発明者】
【氏名】ラッタチャイ チャウウタイ
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA19
5K030MD06
(57)【要約】
【課題】ネットワーク機能の配置を決定するネットワーク設計装置を提供する。
【解決手段】ネットワーク設計装置は、配置決定対象の各機能それぞれについて、第1サイトへの第1仮想リンクと、第2サイトへの第2仮想リンクを設定し、第1仮想リンクのリンクコストは、当該第1仮想リンクと接続する機能の機能コストに第1係数を乗じた値であり、第2仮想リンクのリンクコストは、当該第2仮想リンクと接続する機能の機能コストに前記第1係数とは異なる第2係数を乗じた値であり、グラフ内のサイト間を接続するリンクを除くリンクの内、最もリンクコストの高いリンクを選択して縮約することを、グラフのノードが第1サイト及び第2サイトの2つになるまで繰り返す。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークの配置決定対象の各機能の機能コストと、各機能について、他の機能と接続する実リンクのリンクコストを示す情報を保持する保持手段と、
配置決定対象の各機能それぞれについて、第1サイトへの第1仮想リンクと、第2サイトへの第2仮想リンクを設定することで、第1サイトと、第2サイトと、各機能をノードとし、実リンク、第1仮想リンク及び第2仮想リンクをリンクとするグラフを決定するグラフ決定手段であって、第1仮想リンクのリンクコストは、当該第1仮想リンクと接続する機能の機能コストに第1係数を乗じた値であり、第2仮想リンクのリンクコストは、当該第2仮想リンクと接続する機能の機能コストに前記第1係数とは異なる第2係数を乗じた値である、グラフ決定手段と、
前記グラフ内の前記第1サイトと前記第2サイトを接続するリンクを除くリンクの内、最もリンクコストの高いリンクを選択し、選択したリンクが実リンクであると、当該実リンクが接続する2つの機能を1つの機能に縮約し、選択したリンクが第1仮想リンクであると、当該第1仮想リンクに接続する機能を前記第1サイトに配置すると決定して当該機能を前記第1サイトに縮約し、選択したリンクが第2仮想リンクであると、当該第2仮想リンクに接続する機能を前記第2サイトに配置すると決定して当該機能を前記第2サイトに縮約することを、前記グラフのノードが前記第1サイト及び前記第2サイトの2つになるまで繰り返す、機能配置決定手段と、
を備えていることを特徴とするネットワーク設計装置。
【請求項2】
前記機能配置決定手段は、前記選択したリンクが第1仮想リンクであると、当該第1仮想リンクに接続する機能を前記第1サイトに縮約すると共に、当該機能に接続する第2仮想リンクを前記グラフから削除し、前記選択したリンクが第2仮想リンクであると、当該第2仮想リンクに接続する機能を前記第2サイトに縮約すると共に、当該機能に接続する第1仮想リンクを前記グラフから削除することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク設計装置。
【請求項3】
前記第1係数は、機能を第2サイトに配置したときのコストに基づき決定され、前記第2係数は、機能を第1サイトに配置したときのコストに基づき決定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項にネットワーク設計装置としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワークの設計技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、通信ネットワーク上での柔軟なサービス提供のため、ネットワーク機能の仮想化を開示している。また、特許文献1は、仮想ノードと通常ノードとのリンクの固定費と変動費の総和が最小になるように、データセンタの配置点を決定する構成を開示している。また、特許文献2は、仮想ノードを最適配備する際に、品質に関する条件をどのように考慮するかを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−48423号公報
【特許文献2】特開2012−44487号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"Network Functions Virtualisation",ETSI,[平成26年8月18日検索]、インターネット <URL:http://portal.etsi.org/NFV/NFV_White_Paper.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、ネットワークのノードをユーザ自身が管理するサイト(以下、ユーザサイト)のみに設置するのではなく、データセンタ事業者のサイト(以下、データセンタ)に設置することが行われている。非特許文献1に記載の仮想化技術により、必要なサービスを提供するためのネットワークの各機能を、ユーザサイトとデータセンタに柔軟に分散配置することができる。しかしながら、必要なサービスを提供するためのネットワークの各機能の内、何れの機能をデータセンタに配置し、何れの機能をユーザサイトに配置すべきかが問題となる。
【0006】
特許文献1は、リンクの費用と、データセンタ敷設費を考慮するが、機能のコスト、つまり、機能を設けて運用するために必要な費用を考慮してはいない。つまり、特許文献1は、リンクのコストと、機能のコストの両方を考慮して機能の配置を決定するものではない。特許文献2は、運用中のサービスを最適化する際に、品質に関する条件をどのように考慮するかという問題を解決するが、最適化のための具体的なアルゴリズムを開示してはいない。
【0007】
本発明は、ネットワークを構成する各機能の配置を決定するネットワーク設計装置及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、ネットワーク設計装置は、ネットワークの配置決定対象の各機能の機能コストと、各機能について、他の機能と接続する実リンクのリンクコストを示す情報を保持する保持手段と、配置決定対象の各機能それぞれについて、第1サイトへの第1仮想リンクと、第2サイトへの第2仮想リンクを設定することで、第1サイトと、第2サイトと、各機能をノードとし、実リンク、第1仮想リンク及び第2仮想リンクをリンクとするグラフを決定するグラフ決定手段であって、第1仮想リンクのリンクコストは、当該第1仮想リンクと接続する機能の機能コストに第1係数を乗じた値であり、第2仮想リンクのリンクコストは、当該第2仮想リンクと接続する機能の機能コストに前記第1係数とは異なる第2係数を乗じた値である、グラフ決定手段と、前記グラフ内の前記第1サイトと前記第2サイトを接続するリンクを除くリンクの内、最もリンクコストの高いリンクを選択し、選択したリンクが実リンクであると、当該実リンクが接続する2つの機能を1つの機能に縮約し、選択したリンクが第1仮想リンクであると、当該第1仮想リンクに接続する機能を前記第1サイトに配置すると決定して当該機能を前記第1サイトに縮約し、選択したリンクが第2仮想リンクであると、当該第2仮想リンクに接続する機能を前記第2サイトに配置すると決定して当該機能を前記第2サイトに縮約することを、前記グラフのノードが前記第1サイト及び前記第2サイトの2つになるまで繰り返す、機能配置決定手段と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
ネットワークを構成する各機能の効果的な配置を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態によるネットワーク構成図。
図2図1の構成における装置コストとリンクコストを示す図。
図3】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図4】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図5】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図6】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図7】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図8】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図9】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図10】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図11】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図12】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図13】一実施形態による配置決定処理の説明図。
図14】一実施形態によるネットワーク設計装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明を実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0012】
図1は、本実施形態の説明に使用するネットワーク構成図である。図1において、f1はゲートウェイルータであり、f2はファイアウォールである。また、図1において、f3及びf4はロードバランサであり、f5〜f8はウェブサーバである。さらに、図1において、f9はロードバランサであり、f10及びf11はアクセス分析機能であり、f12はアクセス分析結果を、f13のクライアント装置にリポートするリポートサーバである。なお、装置への実装として、1つの装置に1つの機能のみを実装することも、1つの装置上に複数の機能を実装することも可能である。なお、以下の説明においては、1つの装置には1つの機能のみを実装するものとし、機能と装置を同じ意味で使用する。
【0013】
本発明のネットワーク設計装置(以下、単に設計装置と呼ぶ。)は、図1に示すネットワークの各装置(機能)f1〜f13の配置位置を決定する。ユーザは、初期情報として設計装置に、図1に示す各装置と、2つの装置を接続するリンクを示す情報と、各装置の装置コスト(機能コスト)と、各リンクのリンクコストを入力する。図1においては、本実施形態の説明に使用する装置コストと、リンクコストを、それぞれ、対応する装置、リンクの横に示している。なお、装置コストは、装置における処理負荷及び運用負荷に基づきユーザが決定し、リンクコストは、リンクに必要な帯域(伝送速度)に基づきユーザが決定する。さらに、ユーザは、各装置の内、必ずデータセンタに配置しなければならないものと、必ずユーザサイトに配置しなければならないものを決定し、設計装置に入力する。図1に示す様に、本例では、f1をデータセンタに配置し、f13をユーザサイトに配置するとしている。
【0014】
本実施形態において、設計装置は、ネットワーク全体のコストNcが低くなる様に、配置決定対象の装置、本例では装置f2〜f12の配置を決定する。本実施形態において、ネットワーク全体のコストは、以下の式により計算する。
Nc=Σαfd+Σβfu+ΣγL (1)
ここで、fdはデータセンタに設置される装置の装置コストであり、fuはユーザサイトに設置される装置の装置コストであり、Lはデータセンタとユーザサイト間に必要となるリンクのリンクコストである。さらに、α、β、γは、コストの重み係数であり0以上のユーザが予め決定する値である。なお、一般的に、ユーザサイトに設置するノードについては、ユーザ側にてその運用負荷が増えるため、β>αとする。以下の説明においては、α、β、γをそれぞれ、1、2、1とする。
【0015】
本実施形態の設計装置は、データセンタ及びユーザサイトをそれぞれ1つのノードとし、各装置それぞれについて、データセンタと接続する仮想リンクと、ユーザサイトと接続する仮想リンクを設定する。そして、装置とデータセンタとを接続する仮想リンクのコストを、当該装置の装置コストにユーザサイトの重み係数を乗じた値とする。同様に、装置とユーザサイトとを接続する仮想リンクのコストを、当該装置の装置コストにデータセンタの重み係数を乗じた値とする。例えば、図1のf3の装置コストは250であるので、f3とデータセンタを接続する仮想リンクのコストは、250にユーザサイトの重み係数β=2を乗じた500となる。また、f3とユーザサイトを接続する仮想リンクのコストは、250にデータセンタの重み係数α=1を乗じた250となる。なお、以下の説明において、装置間を接続する実際のリンクを実リンクと呼び、仮想リンクとは区別する。また、実リンク及び仮想リンクを区別する必要が無い場合には単にリンクと呼ぶものとする。
【0016】
図2は、仮想リンクを点線で、実リンクを実線で示し、各リンクの横にリンクコストを示したグラフである。なお、f1はデータセンタに必ず設置するものであるため、f1はデータセンタを示すノードに縮約させている。同様に、f13はユーザサイトに必ず設置するものであるため、f13はユーザサイトを示すノードに縮約させている。以後、設計装置は、データセンタ及びユーザサイトを直接接続するリンクを除くリンクを探索対象とし、探索対象のリンクの内、最も高いリンクコストを有するリンクを選択し、選択したリンクで接続されている2つのノードを1つのノードに縮約する縮約処理を繰り返し実行する。つまり、探索対象のリンクとは、言い換えると、データセンタ又はユーザサイトと装置を接続するリンクか、2つの装置を接続するリンクである。また、選択したリンクの一方が、データセンタ又はユーザサイトであると、選択したリンクに接続する装置を当該リンクが接続するデータセンタ又はユーザサイトに配置すると決定する。一方、選択したリンクが装置間を接続するものであると、当該リンクにより接続される2つの装置を単に1つの装置に縮約する。設計装置は、この縮約処理を総ての装置がデータセンタ又はユーザサイトに縮約されるまで繰り返す。これにより、設計装置は、各装置の配置位置を決定する。
【0017】
具体的には、図2において、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f5とデータセンタを接続する仮想リンクと、f6とデータセンタを接続する仮想リンクの800である。設計装置は、最もコストの高いリンクが複数ある場合、任意の1つを選択する。ここでは、f5とデータセンタを接続する仮想リンクを選択したものとする。この場合、設計装置は、f5をデータセンタに縮約させる。また、f5に接続する実リンクは、そのままとし、f5に接続する仮想リンクは削除する。したがって、グラフは図3に示す様になる。図3に示す様に、f5をデータセンタに縮約させたため、f5とf3を接続する実リンクと、f5とf9を接続する実リンクは共に、データセンタと接続される実リンクに変更される。また、f5と接続する仮想リンクは削除される。
【0018】
続いて、図3のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f6とデータセンタを接続する仮想リンクの800である。したがって、設計装置は、f6をデータセンタに縮約させ、よって、グラフは図4に示す様になる。図4のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f2とデータセンタを接続する仮想リンクの700である。したがって、設計装置は、f2をデータセンタに縮約させ、よって、グラフは図5に示す様になる。図5のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f7とデータセンタを接続する仮想リンクと、f7とデータセンタを接続する仮想リンクの600である。本例では、設計装置がf7とデータセンタを接続する仮想リンクを選択したものとし、f7をデータセンタに縮約させる。よって、グラフは図6に示す様になる。図6のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f8とデータセンタを接続する仮想リンクの600である。したがって、設計装置は、f8をデータセンタに縮約させ、よって、グラフは図7に示す様になる。
【0019】
図7のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f3とデータセンタを接続する仮想リンクの500である。したがって、設計装置は、f3をデータセンタに縮約させ、よって、グラフは図8に示す様になる。図8のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f9とデータセンタを接続する仮想リンクの400である。したがって、設計装置は、f9をデータセンタに縮約させ、よって、グラフは図9に示す様になる。図9のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f4とデータセンタを接続する仮想リンクと、f10とデータセンタを接続する仮想リンクと、f11とデータセンタを接続する仮想リンクとの300である。本例では、設計装置がf4とデータセンタを接続する仮想リンクを選択したものとし、f4をデータセンタに縮約させる。よって、グラフは図10に示す様になる。
【0020】
図10のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f10とデータセンタを接続する仮想リンクと、f11とデータセンタを接続する仮想リンクの300である。本例では、設計装置がf10とデータセンタを接続する仮想リンクを選択したものとし、f10をデータセンタに縮約させる。よって、グラフは図11に示す様になる。図11のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f11とデータセンタを接続する仮想リンクの300である。したがって、設計装置は、f11をデータセンタに縮約させ、よって、グラフは図12に示す様になる。図12のグラフにおいて、探索対象のリンクの内、最もコストが高いリンクは、f12とユーザサイトを接続する実リンクの220である。したがって、設計装置は、f12をユーザサイトに縮約させ、よって、グラフは図13に示す様になる。図13のグラフは、データセンタ及びユーザサイトの2つのノードとなっているので、設計装置は、処理を終了し、結果を出力する。
【0021】
図14は、本実施形態による設計装置1の構成図である。ユーザ・インタフェース部10は、装置(機能)、リンク、装置コスト(機能コスト)、リンクコストや、ユーザサイト及びデータセンタに配置すると予め決定した装置を示す情報をユーザが入力し、設計装置1の出力をユーザに表示するためのユーザ・インタフェースである。保持部11は、ユーザが入力した各情報を保持する。決定部12は、保持部11が保持する情報に基づき上述した方法により各装置(機能)の配置を決定する。
【0022】
以上、本実施形態では、装置コストを、仮想リンクとして、リンクコストに変換する。ネットワーク全体のコストNcを最小化するには、最も高いリンクから順に削除していけばよい。例えば、最もコストが高いリンクが仮想リンクであると、当該仮想リンクは削除される。また、最もコストが高いリンクが実リンクであると、この実リンクが接続する2つの装置は1つに縮約され、よって、この実リンクは1つのノード内のリンクであるから、上記グラフから削除される。したがって、少ない処理にてネットワーク全体のコストNcを最小化する装置の配置を決定することができる。
【0023】
なお、上記実施形態では、データセンタの重み係数よりユーザサイトの重み係数を大きくしたが、ユーザサイトでの運用負荷やコストから、ユーザサイトの重み係数よりデータセンタの重み係数を大きくする構成であっても良い。また、本発明による設計装置は、コンピュータを上記設計装置として動作させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14