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特開2016-152054半導体記憶装置のテスト方法及び半導体記憶装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-152054(P2016-152054A)
(43)【公開日】2016年8月22日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置のテスト方法及び半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/42 20060101AFI20160725BHJP
   G11C 11/22 20060101ALI20160725BHJP
   G11C 29/34 20060101ALI20160725BHJP
【FI】
   G11C29/00 631B
   G11C11/22 501P
   G11C29/00 671Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-30564(P2015-30564)
(22)【出願日】2015年2月19日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 信三
【テーマコード(参考)】
5L106
【Fターム(参考)】
5L106BB12
5L106DD11
5L106GG05
(57)【要約】
【目的】半導体記憶装置に対して信頼性の高いテストを実施することが可能な半導体記憶装置のテスト方法及び半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【構成】各ワード線にnビットのデータを格納する為のn個のメモリセルが接続されており、mビット単位で外部アクセスが為される半導体記憶装置を、以下の第1〜第3テスト工程によってテストする。第1テスト工程では、固定ビットパターンを有する(n−m)ビットのダミーデータを上記したn個のメモリセルのうちの(n−m)個のメモリセルに書き込む。第2テスト工程では、mビットのテストデータをn個のメモリセルのうちのm個のメモリセルに書き込む。そして、第3テスト工程では、n個のメモリセルの各々から同時にデータ読出を行って得られたnビットのデータ中からmビットのテストデータのみを半導体記憶装置の外部に出力させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ワード線にn(nは2以上の整数)ビットのデータを格納するn個のメモリセルが接続されており、前記n個のメモリセルに対してm(mはnより小なる自然数)ビット単位で外部からデータの書込及び読出アクセスが為される半導体記憶装置のテスト方法であって、
所定の固定ビットパターンを有する(n−m)ビットのダミーデータを前記n個の前記メモリセルのうちの(n−m)個のメモリセルに書き込む第1テスト工程と、
mビットのテストデータを前記n個の前記メモリセルのうちのm個のメモリセルに書き込む第2テスト工程と、
前記n個の前記メモリセルの各々から同時にデータ読出を行って得られたnビットのデータ中から前記mビットの前記テストデータのみを前記半導体記憶装置の外部に出力させる第3テスト工程と、を含むことを特徴とする半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項2】
前記n個の前記メモリセルは、第1領域に属するm個のメモリセルと、前記第1領域とは異なる第2領域に属する(n−m)個のメモリセルとに区分けされ、
前記第1テスト工程では、前記第2領域の全てのメモリセル、又は前記第1領域中の(n−m)個のメモリセルにだけ前記ダミーデータを書き込み、
前記第2テスト工程では、前記第1領域の全てのメモリセル、又は前記第1領域中の(2・m−n)個のメモリセルと前記第2領域の全てのメモリセルとに前記テストデータを書き込むことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項3】
前記n個の前記メモリセルは、第1領域に属するm個のメモリセルと、前記第1領域とは異なる第2領域に属するm個のメモリセルと、前記第1領域及び前記第2領域とは異なる第3領域に属する(n−2・m)個のメモリセルとに区分けされ、
前記第1テスト工程では、前記第2領域及び前記第3領域の全てのメモリセル、又は前記第1領域及び前記第3領域の全てのメモリセル、或いは前記第1領域中の(n−2・m)個のメモリセル及び前記第2領域の全てのメモリセルにだけ前記ダミーデータを書き込み、
前記第2テスト工程では、前記第1領域の全てのメモリセル、又は前記第2領域の全てのメモリセル、或いは前記第1領域中の(3・m−n)個のメモリセル及び前記第3領域の全てのメモリセルにだけ前記テストデータを書き込むことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項4】
前記メモリセルは強誘電体メモリであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項5】
前記ダミーデータは全ビットが論理レベル0のビットパターンを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の半導体記憶装置のテスト方法。
【請求項6】
n(nは2以上の整数)本のビット線と、前記ビット線の各々に接続されており且つ夫々がプレート線及びワード線に共通に接続されているn個のメモリセルと、を含み、前記n個のメモリセルに対してm(mはnより小なる自然数)ビット単位で外部からデータの書込及び読出アクセスが為される半導体記憶装置であって、
n本の前記ビット線は、第1〜第N(Nは3以上の整数)のビット線群に区分けされており、
前記第1〜第Nのビット線群に夫々対応して設けられており、夫々個別にイネーブル状態又はディスエーブル状態に設定され、前記イネーブル状態に設定された場合にだけ夫々に対応した前記ビット線群に書込電圧を印加する第1〜第Nの書込ドライバと、
テスト信号に応じて、所定の固定ビットパターンを有する(n−m)ビットのダミーデータに対応した書込電圧をn個の前記メモリセルのうちの(n−m)個のメモリセルに書き込ませる為に前記第1〜第Nの書込ドライバのうちの少なくとも1の書込ドライバを前記イネーブル状態に設定し、引き続きmビットのテストデータを前記n個の前記メモリセルのうちのm個のメモリセルに書き込ませる為に前記第1〜第Nの書込ドライバのうちの前記少なくとも1の書込ドライバを除く他の書込ドライバを前記イネーブル状態に設定する制御部と、を有することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項7】
前記メモリセルは強誘電体メモリであることを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記ダミーデータは全ビットが論理レベル0のビットパターンを有することを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置における製品出荷時のテスト方法、及び半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、不揮発性半導体メモリとして、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ(FeRAM)、磁気抵抗メモリ(MRAM)、相転移メモリ(PRAM)等が知られている。ここで、例えば強誘電体メモリをICカードのメモリとする場合には、製造上でのストレス、カード化に伴う熱ストレス等により、強誘電体キャパシタの分極電荷量の減少、或いはインプリント現象による読み出し動作マージンの減少などが生じる。これにより、製造後の各ICカードにおいて、データ保持特性にばらつきが生じる。
【0003】
そこで、製品出荷前に、各ICカードに形成されている磁気抵抗メモリに一定のストレスを加えた後に、そのデータ保持特性のばらつきを測定しこれを評価する評価方法が提案された(特許文献1参照)。当該評価方法では、強誘電体メモリに形成されている複数のメモリセルに対して1つずつ順にテスト用のデータの書込、読出及び比較処理を行う。読出処理では、メモリセルからビット線に電流が送出され、このビット線の電位が上昇する。そして、引き続き比較処理において、ビット線の電位よりも参照電位が大となるまで参照電位を段階的に徐々に増加させ、ビット線の電位を超えた時点での参照電位を特性実測値として得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−199648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような評価方法では、強誘電体メモリに形成されている複数のメモリセルに対して1つずつ順にテスト用データの書込及び読出を実施しなければならないので、評価に費やされる時間が長くなるという問題があった。
【0006】
そこで、1ワード毎に、そのワードに属する複数のメモリセルに対して同時に、テスト用データの書込及び読出を実施することが考えられる。
【0007】
ところで、ECC(Error Check and Correct)機能を備えたメモリでは、書き込まれた情報データに基づいてECCコードが生成され、このECCコードも情報データに対応付けして書き込まれる。これにより、ECC機能を備えたメモリにおける1ワードのデータ長は、情報データのビット数にECCコードのビット数を加えたものとなる。よって、ECC機能を備えた強誘電体メモリでは、1ワードに対応した1つのプレート線に、情報データのビット数に対応した数のメモリセルと、ECCコードのビット数に対応した数のメモリセルとが接続されている。
【0008】
かかる強誘電体メモリから読み出しを行うと、1ワードに対応したプレート線に接続されている全てのメモリセルが活性化し、ビット線を介して情報データ及びECCコードが読み出される。そして、情報データ及びECCコードのうちの情報データだけがメモリ外部に出力される。
【0009】
ところで、情報データの読み出し時において、ビット線の電位が上昇を開始してから安定するまでに費やされる時間は、1つのプレート線に接続されているメモリセル群に書き込まれたデータの内容によって変化する。例えば、書き込まれたデータ中に論理レベル1のビットの数が多いほど強誘電体キャパシタの容量が大となり、その読み出し時において、ビット線の電位が上昇を開始してから安定するまでに費やされる時間が長くなる。よって、テスト用の情報データのみならず、当該テスト用情報データに基づいて内部生成されるもののメモリ外部に出力されることの無いECCコードの内容によっても、その読み出し時においてビット線の電位が上昇を開始してから安定するまでの時間が変化する。
【0010】
したがって、テスト用データの内容により、データ読み出し時におけるビット線の電位推移特性が変化してしまうので、テスト対象となる半導体記憶装置が良品であるか否かを精度良く判定することが困難になるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、半導体記憶装置に対して信頼性の高いテストを実施することが可能な半導体記憶装置のテスト方法及び半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る半導体記憶装置のテスト方法は、各ワード線にn(nは2以上の整数)ビットのデータを格納するn個のメモリセルが接続されており、前記n個のメモリセルに対してm(mはnより小なる自然数)ビット単位で外部からデータの書込及び読出アクセスが為される半導体記憶装置のテスト方法であって、所定の固定ビットパターンを有する(n−m)ビットのダミーデータを前記n個の前記メモリセルのうちの(n−m)個のメモリセルに書き込む第1テスト工程と、mビットのテストデータを前記n個の前記メモリセルのうちのm個のメモリセルに書き込む第2テスト工程と、前記n個の前記メモリセルの各々から同時にデータ読出を行って得られたnビットのデータ中から前記mビットの前記テストデータのみを前記半導体記憶装置の外部に出力させる第3テスト工程と、を含む。
【0013】
また、本発明に係る半導体記憶装置は、n(nは2以上の整数)本のビット線と、前記ビット線の各々に接続されており且つ夫々がプレート線及びワード線に共通に接続されているn個のメモリセルと、を含み、前記n個のメモリセルに対してm(mはnより小なる自然数)ビット単位で外部からデータの書込及び読出アクセスが為される半導体記憶装置であって、n本の前記ビット線は、第1〜第N(Nは3以上の整数)のビット線群に区分けされており、前記第1〜第Nのビット線群に夫々対応して設けられており、夫々個別にイネーブル状態又はディスエーブル状態に設定され、前記イネーブル状態に設定された場合にだけ夫々に対応した前記ビット線群に書込電圧を印加する第1〜第Nの書込ドライバと、テスト信号に応じて、所定の固定ビットパターンを有する(n−m)ビットのダミーデータに対応した書込電圧をn個の前記メモリセルのうちの(n−m)個のメモリセルに書き込ませる為に前記第1〜第Nの書込ドライバのうちの少なくとも1の書込ドライバを前記イネーブル状態に設定し、引き続きmビットのテストデータを前記n個の前記メモリセルのうちのm個のメモリセルに書き込ませる為に前記第1〜第Nの書込ドライバのうちの前記少なくとも1の書込ドライバを除く他の書込ドライバを前記イネーブル状態に設定する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、各ワード線にnビットのデータを格納する為のn個のメモリセルが接続されており、mビット単位で外部アクセスが為される半導体記憶装置を、以下の第1〜第3テスト工程によってテストする。つまり、第1テスト工程では、所定の固定ビットパターンを有する(n−m)ビットのダミーデータを上記したn個のメモリセルのうちの(n−m)個のメモリセルに書き込む。第2テスト工程では、mビットのテストデータをn個のメモリセルのうちのm個のメモリセルに書き込む。そして、第3テスト工程では、n個のメモリセルの各々から同時にデータ読出を行って得られたnビットのデータ中からmビットのテストデータのみを半導体記憶装置の外部に出力させるのである。
【0015】
かかるテストによれば、1ワードに対応したnビット分のデータを格納するn個のメモリセルのうちでテスト対象外となる(n−m)個のメモリセルの各々には、常に所定の固定ビットパターンを有するダミーデータが書き込まれる。これにより、テスト対象外となる(n−m)個のメモリセルの強誘電体キャパシタに蓄積される容量が一定となる。
【0016】
よって、本発明によれば、テストデータの内容に拘わらず、データ読み出し時における、ビット線の電位が上昇を開始してから所望の電位に到るまでの電位推移特性が固定化されるので、半導体記憶装置に対して信頼性の高いテストを実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】半導体記憶装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2】テスト時における半導体記憶装置10とテスタ20との接続形態を示すブロック図である。
図3】メモリアレイ106の内部構成の一部を示す回路図である。
図4】第1領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
図5】テスト時にメモリセルMC0〜MC11に書き込まれる内容の一例を表す図である。
図6】第2領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
図7】半導体記憶装置10の構成の他の一例を示すブロック図である。
図8】メモリアレイ207の内部構成の一部を示す回路図である。
図9】第1領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
図10】テスト時にメモリセルMC0〜MC20に書き込まれる内容の一例を表す図である。
図11】第2領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
図12】第3領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態としてのECC機能を有する半導体記憶装置10の概略構成の一例を示すブロック図である。図1に示す半導体記憶装置10は、4ビットのECCコードを用いて8ビット単位で外部からデータの書込及び読出アクセスが為されるメモリである。
【0020】
図1に示すように、半導体記憶装置10は、制御部100、ECC生成部101、セレクタ102、書込ドライバ103〜105、メモリアレイ106、読出レジスタ107、ECC訂正部108、セレクタ109及び出力バッファ111を含む。尚、図1では、アドレス処理系を省略し、データ処理系のみを抜粋して示している。
【0021】
制御部100は、テスト信号TESTに応じて、セレクタ102、書込ドライバ103〜105、メモリアレイ106及びセレクタ109の各々に各種制御信号(後述する)を供給する。
【0022】
ECC生成部101は、8ビットのデータD0〜D7に対して誤り訂正符号化処理を施して得られた4ビットのECCコードE0〜E3をセレクタ102に供給する。
【0023】
セレクタ102は、データD0〜D3と、ECCコードE0〜E3とのうちから、制御部100から供給された選択信号SE1にて示される方を選択し、選択された方をデータD8〜D11として書込ドライバ103に供給する。例えば、セレクタ102は、論理レベル0の選択信号SE1が供給された場合にはECCコードE0〜E3をデータD8〜D11として書込ドライバ103に供給する一方、論理レベル1の選択信号SE1が供給された場合にはデータD0〜D3をデータD8〜D11として書込ドライバ103に供給する。
【0024】
書込ドライバ103は、制御部100から供給されたイネーブル信号EPが書込イネーブルを示す場合にだけ、データD8〜D11各々の論理レベルに対応した書込電圧を、メモリアレイ106に形成されているビット線BL8〜BL11に供給する。
【0025】
書込ドライバ104は、制御部100から供給されたイネーブル信号EN0が書込イネーブルを示す場合にだけ、データD0〜D3各々の論理レベルに対応した書込電圧を、メモリアレイ106に形成されているビット線BL0〜BL3に供給する。
【0026】
書込ドライバ105は、制御部100から供給されたイネーブル信号EN1が書込イネーブルを示す場合にだけ、データD4〜D7各々の論理レベルに対応した書込電圧を、メモリアレイ106に形成されているビット線BL4〜BL7に供給する。
【0027】
メモリアレイ106には、図3に示すように、ビット線BL0〜BL11、ワード線WL0〜WLm(mは2以上の整数)及びプレート線PL0〜PLmが形成されている。ワード線WL0〜WLmとプレート線PL0〜PLmとは、1つずつ交互に且つ互いに平行に配列されている。ビット線BL0〜BL11の各々は、ワード線WL0〜WLm及びプレート線PL0〜PLmと交叉して配列されている。ビット線BL0〜BL11には夫々に対応したセンスアンプSA0〜SA11が接続されている。更に、図3に示すように、ワード線WLi(iは0〜m)とプレート線PLiとの間において、ビット線BL0〜BL11の各々に対応した位置に、強誘電体メモリとしてのメモリセルMCが形成されている。
【0028】
メモリセルMCは、ゲートにワード線WLが接続され、そのドレイン(又はソース)にビット線BLが接続されているMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のトランジスタQと、データの記憶保持を担う強誘電体キャパシタCと、を含む。強誘電体キャパシタCの一端はトランジスタQのソース(又はドレイン)に接続されており、その他端はプレート線PLに接続されている。この際、データの書き込み時には、ワード線WLに選択電圧を印加することによりメモリセルMCのトランジスタQをオン状態とし、且つプレート線PLに選択パルス電圧を印加すると共にビット線BLに書込対象となるデータに対応した電圧を印加することにより強誘電体キャパシタCの強誘電体膜を分極させる。一方、データ読み出し時には、ワード線WLに選択電圧を印加することによりメモリセルMCのトランジスタQをオン状態とし、且つプレート線PLに選択パルス電圧を加えることにより、強誘電体キャパシタCにおける分極反転による電流をビット線BLに送出させる。
【0029】
センスアンプSA0〜SA11は、ビット線BL0〜BL11の各々毎に、そのビット線BLに流れた電流が閾値以上であるか否かを判定することにより、各メモリセルMCから読み出されたデータが論理レベル0及び1のいずれに該当するのかを決定する。例えば、センスアンプSA0〜SA11は、夫々に対応したビット線BLに流れた電流が閾値以上であった場合には論理レベル1、閾値未満であった場合には論理レベル0を示す読出データR0〜R11を生成する。
【0030】
メモリアレイ106は、これら読出データR0〜R11を読出レジスタ107に供給する。
【0031】
読出レジスタ107は、読出データR0〜R11を取り込んで保持し、これらを読出データV0〜V11としてECC訂正部108及びセレクタ109の各々に供給する。
【0032】
ECC訂正部108は、読出データV0〜V11に対してECC処理を施すことにより、読出データV0〜V11に生じている誤りビットを訂正して得られた8ビットの読出データC0〜C7をセレクタ109に供給する。
【0033】
セレクタ109は、読出データC0〜C7、読出データV0〜V7、及び読出データV8〜V11の3系統の読出データ群のうちから、制御部100から供給された選択信号SE2にて指定された1系統の読出データ群を選択し、これを読出データY0〜Y7として出力バッファ111に供給する。例えば、セレクタ109は、読出データC0〜C7を指定する選択信号SE2が供給された場合には読出データC0〜C7を読出データY0〜Y7として出力バッファ111に供給する。また、読出データV0〜V7を指定する選択信号SE2が供給された場合には、セレクタ109は、読出データV0〜V7を読出データY0〜Y7として出力バッファ111に供給する。
【0034】
また、4ビットの読出データV8〜V11を指定する選択信号SE2が供給された場合には、セレクタ109は、読出データV8〜V11に、例えば4ビット分が全て論理レベル0となるダミーデータ[0000]を付加した8ビットのデータを、読出データY0〜Y7として出力バッファ111に供給する。尚、制御部100は、半導体記憶装置10をテスト動作させる場合には読出データV0〜V7又は読出データV8〜V11を指定する選択信号SE2をセレクタ109に供給する。一方、半導体記憶装置10の通常使用時には読出データC0〜C7を指定する選択信号SE2をセレクタ109に供給する。
【0035】
出力バッファ111は、セレクタ109から供給された読出データY0〜Y7をデータD0〜D7として出力する。
【0036】
図1及び図3に示される構成を有する半導体記憶装置10では、外部から8ビット単位でデータ(D0〜D7)の読み書きが為されるが、ECC機能を備えている為、メモリアレイ106での1ワードのビット長は、4ビットのECCコードを含む12ビットとなっている。すなわち、半導体記憶装置10は、通常のデータ書込では、8ビットのデータを、ビット線BL0〜BL7に夫々接続されている各メモリセルMC(以下、メモリセルMC0〜MC7と称する)に書き込む。更に、この書き込まれた8ビットのデータに基づいてECC生成部101が生成した4ビットのECCコードE0〜E3を、ビット線BL8〜BL11に夫々接続されている各メモリセルMC(以下、メモリセルMC8〜MC11と称する)に書き込む。
【0037】
一方、通常のデータ読出時には、半導体記憶装置10は、互いに隣接する一対のワード線WL及びプレート線PLに接続されているメモリセルMC0〜MC11に格納されている8ビットのデータ及び4ビットのECCコードを、読出データV0(R0)〜V11(R11)として読み出す。そして、半導体記憶装置10は、読出データV0(R0)〜V11(R11)に対して誤り訂正処理を施して得られた8ビットのデータを、データD0〜D7として外部出力するのである。この際、通常のデータ読出時には、メモリセルMC8〜MC11に書き込まれている4ビットのECCコードがメモリアレイ106から読み出されるものの、ECCコードが外部に出力されることは無い。
【0038】
以下に、上記した半導体記憶装置10に対して良品及び不良品の判定を行うテスト動作について説明する。先ず、かかるテストを実施するにあたり、図2に示すように、テスタ20をテスト対象となる半導体記憶装置10に接続する。
【0039】
テスタ20は、8ビット単位でテストデータをメモリアレイ106に書き込ませ、これを読み出した際に得られた8ビット分の読出データが、書き込んだテストデータと一致しているか否かにより、この半導体記憶装置10が良品であるか否かを判定する。
【0040】
また、当該テストでは、8ビットのデータが格納される第1領域(MC0〜MC7)のみならず、4ビットのECCコードが格納される第2領域(MC8〜MC11)をもテスト対象としている。ここで、半導体記憶装置10において外部からデータの書込及び読出アクセ(以下、外部アクセスと称する)が可能なデータビット長は、メモリアレイ106における1ワードのビット長(12ビット)よりも小さい8ビットである。そこで、当該テストでは、1ワードあたり、第1領域をテストする第1領域テストと、第2領域をテストする第2領域テストとを順に実行する。尚、以下の説明では、メモリアレイ106の例えばワード線WL0に接続されている1ワード分のメモリセルMC0〜MC11に対してテストを実行するものとする。すなわち、第1及び第2領域テストでは、制御部100により、ワード線WL0〜WLmのうちのWL0のみに選択電圧が印加されているものとする。
【0041】
[第1領域テスト]
図4は、第1領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
【0042】
第1領域テストでは、先ず、テスタ20は、テスト動作を促すテスト信号TESTを半導体記憶装置10に供給する。テスト信号TESTに応じて制御部100は、読出データV0〜V7を指定する選択信号SE2をセレクタ109に供給すると共に、図4に示すように、テスト工程CY1〜CY3の各々にて、単一の選択パルス電圧をメモリアレイ106のプレート線PL0に供給する。
【0043】
引き続きテスタ20は、図4に示すテスト工程CY1にて、ダミーデータ[0000]を表すデータD0〜D3を半導体記憶装置10に供給する。当該テスト工程CY1において、制御部100は、データD0〜D3とECCコードE0〜E3とのうちからD0〜D3を選択させる論理レベル1の選択信号SE1をセレクタ102に供給する。更に、制御部100は、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EPを書込ドライバ103に供給する。また、当該テスト工程CY1では、制御部100は、図4に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EN0及びEN1を書込ドライバ104及び105に供給する。
【0044】
これにより、テスト工程CY1では、テスタ20から供給されたダミーデータ[0000]を表すデータD0〜D3がデータD8〜D11として、図5(a)に示すように、メモリアレイ106の第2領域(MC8〜MC11)に書き込まれる。つまり、テスト工程CY1では、第1領域テストにおいてテスト対象外となる第2領域に属するメモリセルMC8〜MC11に、ダミーデータ[0000]が書き込まれるのである。
【0045】
次に、図4に示すテスト工程CY2において、テスタ20は、4ビットのテストデータ[XXXX]を表すデータD0〜D3、及び4ビットのテストデータ[XXXX]を表すデータD4〜D7を半導体記憶装置10に供給する。尚、テストデータ[XXXX]は例えば[0101]又は[1010]等の4ビットデータである。当該テスト工程CY2において、制御部100は、図4に示すように、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN0を書込ドライバ104に供給すると共に、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN1を書込ドライバ105に供給する。また、当該テスト工程CY2では、制御部100は、図4に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EPを書込ドライバ103に供給する。
【0046】
これにより、テスト工程CY2では、テスタ20から供給されたテストデータ[XXXX]及び[XXXX]を表す8ビットのデータD0〜D7が書込ドライバ104及び105を介して、図5(a)に示すように、メモリアレイ106の第1領域(MC0〜MC7)に書き込まれる。つまり、テスト工程CY2では、第1領域テストにおいてテスト対象となる第1領域に属するメモリセルMC0〜MC7に、テストデータ[XXXX]及び[XXXX]が書き込まれるのである。
【0047】
次に、図4に示すテスト工程CY3では、プレート線PL0に印加された選択パルス電圧に応じて、メモリアレイ106が、プレート線PL0に接続されているメモリセルMC0〜MC11から、図5(a)に示すテストデータ[XXXX]及び[XXXX]と、4ビットのダミーデータ[0000]とからなる合計12ビットの読出データR0〜R11を出力する。
【0048】
ここで、第1領域テストでは、1ワード分のメモリセルMC0〜MC11のうちの第1領域に属するMC0〜MC7をテスト対象、第2領域に属するMC8〜MC11をテスト対象外としている。よって、第1領域テストにおけるテスト工程CY3では、図5(a)に示すように、メモリセルMC0〜MC11のうちの第1領域に属するMC0〜MC7に格納されている8ビットのテストデータ[XXXX]及び[XXXX]がデータDO〜D7として、出力バッファ111を介してテスタ20に供給される。テスタ20は、データDO〜D7によって表される内容、すなわちテスト対象となっているメモリセルMC0〜MC7から読み出された内容と、期待値としてのテストデータ[XXXX]及び[XXXX]とを比較し、両者が不一致である場合にこの半導体記憶装置10を不良品であると判定する。
【0049】
[第2領域テスト]
図6は、第2領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
【0050】
第2領域テストでは、先ず、テスタ20は、テスト動作を促すテスト信号TESTを半導体記憶装置10に供給する。テスト信号TESTに応じて制御部100は、読出データV8〜V11を指定する選択信号SE2をセレクタ109に供給すると共に、図6に示すように、テスト工程CY1〜CY3の各々にて、単一の選択パルス電圧をメモリアレイ106のプレート線PL0に供給する。
【0051】
引き続きテスタ20は、図6に示すテスト工程CY4にて、4ビット分が全て0、つまりダミーデータ[0000]を表すデータD0〜D3を半導体記憶装置10に供給する。当該テスト工程CY4において、制御部100は、データD0〜D3とECCコードE0〜E3とのうちからD0〜D3を選択させる論理レベル1の選択信号SE1をセレクタ102に供給する。更に、制御部100は、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN0を書込ドライバ104に供給する。また、当該テスト工程CY4では、制御部100は、図6に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EP及びEN1を書込ドライバ103及び105に供給する。
【0052】
これにより、テスト工程CY4では、テスタ20から供給されたダミーデータ[0000]を表すデータD0〜D3が書込ドライバ104を介して、図5(b)に示すように、メモリアレイ106の第1領域に属するメモリセルMC0〜MC3に書き込まれる。つまり、テスト工程CY4では、第2領域テストにおいてテスト対象外となる第1領域に属するメモリセルMC0〜MC3に、ダミーデータ[0000]が書き込まれるのである。
【0053】
次に、図6に示すテスト工程CY5において、テスタ20は、4ビットのテストデータ[XXXX]を表すデータD0〜D3、及び4ビットのテストデータ[XXXX]を表すデータD4〜D7を半導体記憶装置10に供給する。尚、テストデータ[XXXX]は例えば[0101]又は[1010]等の4ビットデータである。当該テスト工程CY5において、制御部100は、図6に示すように、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EPを書込ドライバ103に供給すると共に、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN1を書込ドライバ105に供給する。また、当該テスト工程CY5では、制御部100は、図6に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EN0を書込ドライバ104に供給する。
【0054】
これにより、テスト工程CY5では、テスタ20から供給されたテストデータ[XXXX]が、図5(b)に示すように、第2領域テストではテスト対象外となる第1領域に属するメモリセルMC4〜MC7に書き込まれる。更に、テスト工程CY5では、テスタ20から供給されたテストデータ[XXXX]が、図5(b)に示すように、第2領域テストではテスト対象となる第2領域に属するメモリセルMC8〜MC11に書き込まれる。
【0055】
次に、図6に示すテスト工程CY6では、プレート線PL0に印加された選択パルス電圧に応じて、メモリアレイ106が、プレート線PL0に接続されているメモリセルMC0〜MC11から、図5(b)に示すダミーデータ[0000]と、テストデータ[XXXX]及び[XXXX]とからなる合計12ビットの読出データR0〜R11を出力する。この際、第2領域テストでは、1ワード分のメモリセルMC0〜MC11のうちの第1領域に属するMC0〜MC7をテスト対象外、第2領域に属するMC8〜MC11をテスト対象としている。よって、第2領域テストにおけるテスト工程CY6では、図5(b)に示すように、メモリセルMC0〜MC11のうちの第2領域に属するMC8〜MC11に格納されている4ビットのテストデータ[XXXX]がデータD4〜D7として、出力バッファ111を介してテスタ20に供給される。尚、テスト工程CY6では、ダミーデータ[0000]もデータD0〜D3としてテスタ20に供給される。
【0056】
テスタ20は、データDO〜D7のうちのD4〜D7によって表される内容、すなわちテスト対象となっているメモリセルMC8〜MC11から読み出された内容と、期待値としてのテストデータ[XXXX]とを比較し、両者が不一致である場合にこの半導体記憶装置10を不良品であると判定する。
【0057】
上記したように、図1に示す半導体記憶装置10に対する製品出荷時のテストでは、テスタ20が、1ワード毎に、1つのワード線(WL)に接続されているメモリセルMC0〜MC11に書き込んだ12ビットのデータ(4ビットのECCコードを含む)を、8ビット(D0〜D7)単位で取り込むことにより、良否判定を行うようにしている。
【0058】
なお、1回分の書込及び読出処理でテストすることが可能なデータビット長は、半導体記憶装置10において外部アクセス可能なビット長、つまり8ビットとなる。よって、メモリアレイ106からは12ビットの読出データR0〜R11が同時に読み出されるものの、これら読出データR0〜R11のうちの8ビット分だけがテスト対象となって外部出力され、他の4ビットはテスト対象外となり外部出力されない。
【0059】
ここで、データ読出時には、メモリアレイ106における一対のワード線(WL)及びプレート線(PL)に接続されているメモリセルMC0〜MC11が同時にアクティブとなり、夫々の強誘電体キャパシタCで生じる分極反転に伴う読出電流がビット線BL0〜BL11に送出される。すると、この読出電流により、ビット線BLの電位が徐々に上昇し、その電位が、書き込まれていたデータの値(0又は1)に対応した所望の電位に到る。この際、データの値として[1]が書き込まれた場合には、[0]が書き込まれていた場合に比して強誘電体キャパシタCに蓄積される容量が大となるので、プレート線駆動に対する負荷容量が大となる。よって、データの値として[1]が書き込まれている場合には、[0]が書き込まれている場合に比して、ビット線BLの電位が上昇を開始してから所望の電位に到るまでの時間が長くなる。従って、テスト対象外となる4ビット分のメモリセルMCに書き込まれる4ビットのデータのうちで論理レベル1(又は0)となるビットの数が固定化されていないと、データ読み出し時におけるビット線の電位推移特性が変化してしまうので、半導体記憶装置10に対して信頼性の高いテストを実施することが困難になる。
【0060】
そこで、第1及び第2領域テストでは、図5(a)及び図5(b)に示すように、1つのワード線(プレート線)に接続されているメモリセルMCの数(12個)から、外部アクセス可能なビット数(8ビット)を減算した数(4個)のメモリセルMC各々に、固定ビットパターンを有するダミーデータとしてデータ値[0]を書き込むようにしている。つまり、テスト対象外となる4個のメモリセルMCに対して常に、固定ビットパターンを有するダミーデータを書き込んでおくことにより、これら4個のメモリセルMCの強誘電体キャパシタに蓄積される総容量を一定にしたのである。
【0061】
これにより、データ読出時において、ビット線BLの電位が上昇を開始してから所望の電位に到るまでの電位推移特性が固定化されるので、半導体記憶装置10に対して信頼性の高いテストを実施することが可能となる。
【0062】
更に、第1及び第2領域テストでは、最初のテスト工程(CY1、CY5)にてテスト対象外となるメモリセルMC群に対して、ダミーデータとしてデータ値[0]の書き込み(以降、ゼロ書込と称する)を施してから、次のテスト工程(CY2、CY6)で、テスト対象となるメモリセルMC群にテストデータ[X]を書き込むようにしている。
【0063】
これにより、テスト対象外となるメモリセルMCの強誘電体キャパシタCに対するゼロ書込に伴い、テスト対象となるメモリセルMCの強誘電体キャパシタCに容量変化が生じてしまっても、引き続き、テスト対象となるメモリセルMCの強誘電体キャパシタCにはテストデータ[X]が書き込まれる。よって、このような強誘電体キャパシタCの容量変化に伴うテストデータの書き込み不良が防止される。
【0064】
また、図1に示す半導体記憶装置10では、上記した第1及び第2領域テストを実現する為に、夫々個別にイネーブル状態に設定することが可能な書込ドライバ103〜105を設けるようにしている。これにより、書込ドライバ103〜105のうちでゼロ書込の対象となるメモリセルMCに対応した書込ドライバだけをイネーブル状態に設定し、他の書込ドライバをディスエーブル状態に設定することが可能となる。
【0065】
ここで、上記実施例では、テスト対象とする半導体記憶装置10として、図1又は図3に示すように、1ワードのデータビット長が12ビットのメモリアレイ106に対して、外部アクセス可能なビット長が8ビットであるものを用いている。しかしながら、テスト対象とする半導体記憶装置10のメモリアレイとしては、1ワードのデータビット長が12ビット以外のビット長を有するものを採用しても良い。
【0066】
図7は、かかる点に鑑みて為された半導体記憶装置10の他の構成を示すブロック図である。図7に示す半導体記憶装置10は、1ワードが21ビット長のデータを8ビット単位で書き込み、これを読み出すECC機能付きの強誘電体メモリである。この際、21ビットのうちの5ビットがECCコードである。尚、図7においては、アドレス処理系及び読出処理系を省略したデータ処理系のみを示している。
【0067】
図7に示す半導体記憶装置10は、制御部200、ECC生成部201、セレクタ202、書込ドライバ203〜206、及びメモリアレイ207を含む。
【0068】
制御部200は、テスト信号TESTに応じて、セレクタ202、書込ドライバ203〜206、及びメモリアレイ207の各々に各種制御信号(後述する)を供給する。
【0069】
ECC生成部201は、データD0〜D7によって時分割にて供給された合計16ビット長のデータに対して誤り訂正符号化処理を施して得られた5ビットのECCコードE0〜E4をセレクタ202に供給する。
【0070】
セレクタ202は、データD0〜D4と、ECCコードE0〜E4とのうちから、制御部200から供給された選択信号SE1にて示される方を選択し、選択された方をデータD16〜D20として書込ドライバ203に供給する。例えば、セレクタ202は、論理レベル0の選択信号SE1が供給された場合にはECCコードE0〜E4を選択する一方、論理レベル1の選択信号SE1が供給された場合にはデータD0〜D3を選択する。 書込ドライバ203は、制御部200から供給されたイネーブル信号EPが書込イネーブルを示す場合にだけ、データD16〜D20各々の論理レベルに対応した書込電圧を、メモリアレイ207に形成されているビット線BL16〜BL20に供給する。
【0071】
書込ドライバ204は、制御部200から供給されたイネーブル信号EN0が書込イネーブルを示す場合にだけ、データD0〜D4各々の論理レベルに対応した書込電圧を、メモリアレイ207に形成されているビット線BL0〜BL4に供給する。
【0072】
書込ドライバ205は、制御部200から供給されたイネーブル信号EN1が書込イネーブルを示す場合にだけ、データD5〜D7各々の論理レベルに対応した書込電圧を、メモリアレイ207に形成されているビット線BL5〜BL7に供給する。
【0073】
書込ドライバ206は、制御部200から供給されたイネーブル信号EN2が書込イネーブルを示す場合にだけ、データD0〜D7各々の論理レベルに対応した書込電圧を、メモリアレイ207に形成されているビット線BL8〜BL15に供給する。
【0074】
メモリアレイ207には、図8に示すように、ビット線BL0〜BL20、ワード線WL0〜WLm(mは2以上の整数)及びプレート線PL0〜PLmが形成されている。ワード線WL0〜WLmとプレート線PL0〜PLmとは、1つずつ交互に且つ互いに平行に配列されている。ビット線BL0〜BL11の各々は、ワード線WL0〜WLm及びプレート線PL0〜PLmと交叉して配列されている。ビット線BL0〜BL20には夫々に対応したセンスアンプSA0〜SA20が接続されている。更に、図8に示すように、ワード線WLi(iは0〜m)とプレート線PLiとの間において、ビット線BL0〜BL20の各々に対応した位置にメモリセルMCが形成されている。
【0075】
メモリセルMCは、ゲートにワード線WLが接続され、そのドレイン(又はソース)にビット線BLが接続されているMOS型のトランジスタQと、データの記憶保持を担う強誘電体キャパシタCと、を含む。強誘電体キャパシタCの一端はトランジスタQのソース(又はドレイン)に接続されており、その他端はプレート線PLに接続されている。この際、データの書き込み時には、ワード線WLに選択電圧を印加することによりメモリセルMCのトランジスタQをオン状態とし、且つプレート線PLに選択パルス電圧を印加すると共にビット線BLに書込対象となるデータに対応した電圧を印加することにより強誘電体キャパシタCの強誘電体膜を分極させる。一方、データ読み出し時には、ワード線WLに選択電圧を印加することによりメモリセルMCのトランジスタQをオン状態とし、且つプレート線PLに選択パルス電圧を加えることにより、強誘電体キャパシタCにおける分極反転による電流をビット線BLに送出させる。
【0076】
センスアンプSA0〜SA20は、ビット線BL0〜BL20の各々毎に、そのビット線BLに流れた電流が閾値以上であるか否かを判定することにより、各メモリセルMCから読み出されたデータが論理レベル0及び1のいずれに該当するのかを決定する。例えば、センスアンプSA0〜SA20は、夫々に対応したビット線BLに流れた電流が閾値以上であった場合には論理レベル1、閾値未満であった場合には論理レベル0を示す読出データR0〜R20を生成して出力する。
【0077】
図7及び図8に示される構成を有する半導体記憶装置10は、通常のデータ書込及び読出では、8ビット毎に2回に分けて16ビットのデータを読み書きする。尚、図7及び図8に示す構成からなる半導体記憶装置10はECC機能を備えており、そのECCコードが5ビットであることから、メモリアレイ207における1ワードのビット長は21ビットとなる。よって、通常のデータ書込動作時には、互いに隣接する一対のプレート線PLとワード線WLとの間において各ビット線BL1〜BL20に接続されている21個のメモリセルMC(以下、メモリセルMC0〜MC20と称する)のうちのMC0〜MC15に16ビットのデータが書き込まれ、MC16〜MC20に5ビットのECCコードが書き込まれる。
【0078】
一方、通常のデータ読出時には、メモリアレイ207のメモリセルMC0〜MC20から、16ビット分のデータと5ビット分のECCコードとが同時に読み出される。そして、16ビット分のデータがデータD0〜D7にて8ビット毎に2分割にて外部に出力される。この際、通常のデータ読出時には、5ビット分のECCコードは外部には出力されない。
【0079】
以下に、図7及び図8に示す半導体記憶装置10に対して良品及び不良品の判定を行うテスト動作について説明する。かかるテストでは、図2に示すように、テスタ20をテスト対象となる半導体記憶装置10に接続する。また、当該テストでは、16ビットのデータが格納される第1及び大2領域(MC0〜MC15)のみならず、5ビットのECCコードが格納される第3領域(MC16〜MC20)をもテスト対象とする。この際、半導体記憶装置10にて外部アクセスが可能なデータビット長は、1ワードのビット長(21ビット)よりも少ない8ビットである。そこで、当該テストでは、1ワードあたり、第1領域(MC0〜MC7)をテストする第1領域テスト、第2領域(MC8〜MC15)をテストする第2領域テスト、及び第3領域(MC16〜MC20)をテストする第3領域テストを順に実行する。尚、以下の説明では、メモリアレイ207の例えばワード線WL0に接続されている1ワード分のメモリセルMC0〜MC20に対してテストを実行するものとする。
【0080】
[第1領域テスト]
図9は、第1領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
【0081】
第1領域テストでは、先ず、テスタ20は、テスト信号TESTを半導体記憶装置10に供給すると共に、図9に示すテスト工程CQ1にて、5ビットのダミーデータ[00000]を表すデータD0〜D4、及び3ビットのダミーデータ[000]を表すデータD5〜D7を半導体記憶装置10に供給する。当該テスト工程CQ1において、制御部200は、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN2を書込ドライバ206に供給する。また、当該テスト工程CQ1では、制御部200は、図9に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EP、EN0及びEN1を書込ドライバ203、204及び205に供給する。
【0082】
これにより、テスト工程CQ1では、テスタ20から供給された8ビットのダミーデータ[00000000]が図10(a)に示すように、メモリアレイ207の第2領域(MC8〜MC15)に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ1では、第1領域テストにおいてテスト対象外となる第2領域に属するメモリセルMC8〜MC15に、ダミーデータ[00000000]が書き込まれるのである。
【0083】
次に、図9に示すテスト工程CQ2において、テスタ20は、5ビットのダミーデータ[00000]を表すデータD0〜D4を半導体記憶装置10に供給する。当該テスト工程CQ2において、制御部200は、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EPを書込ドライバ203に供給する。また、当該テスト工程CQ2では、制御部200は、図9に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EN0、EN1及びEN2を書込ドライバ204、205及び206に供給する。
【0084】
これにより、テスト工程CQ2では、テスタ20から供給された5ビットのダミーデータ[00000]が図10(a)に示すように、メモリアレイ207の第3領域(MC16〜MC20)に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ2では、第1領域テストにおいてテスト対象外となる第3領域に属するメモリセルMC16〜MC20に、ダミーデータ[00000]が書き込まれるのである。
【0085】
次に、図9に示すテスト工程CQ3において、テスタ20は、5ビットのテストデータ[XXXXX]を表すデータD0〜D4、及び3ビットのテストデータ[XXX]を表すデータD5〜D7を半導体記憶装置10に供給する。尚、テストデータ[XXXXX]は例えば[01010]又は[10101]等の5ビットデータであり、[XXX]は、例えば[010]又は[101]等の3ビットデータである。当該テスト工程CQ3において、制御部200は、図9に示すように、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN0及びEN1を書込ドライバ204及び205に供給すると共に、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EP及びEN2を書込ドライバ203及び206に供給する。
【0086】
これにより、テスト工程CQ3では、テスタ20から供給された8ビットのテストデータ[XXXXXXXX]が図10(a)に示すように、メモリアレイ207の第1領域(MC0〜MC7)に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ3では、第1領域テストにおいてテスト対象となる第1領域に属するメモリセルMC0〜MC7に、テストデータ[XXXXXXXX]が書き込まれるのである。
【0087】
次に、図9に示すテスト工程CQ4において、プレート線PL0に供給された選択パルス電圧に応じて、メモリアレイ207が、プレート線PL0に接続されているメモリセルMC0〜MC20から、図10(a)に示す8ビットのテストデータ[XXXXXXXX]と、13ビットのダミーデータ[0000000000000]とからなる合計21ビットの読出データR0〜R20を出力する。
【0088】
ここで、第1領域テストでは、1ワード分のメモリセルMC0〜MC20のうちの第1領域に属するMC0〜MC7をテスト対象、第3領域に属するMC8〜MC15及び第3領域に属するMC16〜MC20をテスト対象外としている。よって、第1領域テストにおけるテスト工程CQ4では、図10(a)に示すように、メモリセルMC0〜MC20のうちのMC0〜MC7に格納されている8ビットのテストデータ[XXXXXXXX]がデータDO〜D7として、テスタ20に供給される。テスタ20は、データDO〜D7によって表される内容、すなわちテスト対象となっているメモリセルMC0〜MC7から読み出された内容と、期待値としてのテストデータ[XXXXXXXX]とを比較し、両者が不一致である場合にこの半導体記憶装置10を不良品であると判定する。
【0089】
[第2領域テスト]
図11は、第2領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
【0090】
第2領域テストでは、先ず、テスタ20は、テスト信号TESTを半導体記憶装置10に供給すると共に、図11に示すテスト工程CQ5にて、5ビットのダミーデータ[00000]を表すデータD0〜D4、及び3ビットのダミーデータ[000]を表すデータD5〜D7を半導体記憶装置10に供給する。当該テスト工程CQ5において、制御部200は、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN0及びEN1を書込ドライバ204及び205に供給する。また、当該テスト工程CQ5では、制御部200は、図11に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EP及びEN2を書込ドライバ203及び206に供給する。
【0091】
これにより、テスト工程CQ5では、テスタ20から供給された8ビットのダミーデータ[00000000]が図10(b)に示すように、メモリアレイ207の第1領域(MC0〜MC7)に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ5では、第2領域テストにおいてテスト対象外となる第1領域に属するメモリセルMC0〜MC7に、ダミーデータ[00000000]が書き込まれるのである。
【0092】
次に、図11に示すテスト工程CQ6において、テスタ20は、5ビットのダミーデータ[00000]を表すデータD0〜D4を半導体記憶装置10に供給する。当該テスト工程CQ6において、制御部200は、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EPを書込ドライバ203に供給する。また、当該テスト工程CQ6では、制御部200は、図11に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EN0、EN1及びEN2を書込ドライバ204、205及び206に供給する。
【0093】
これにより、テスト工程CQ6では、テスタ20から供給された5ビットのダミーデータ[00000]が図10(b)に示すように、メモリアレイ207の第3領域(MC16〜MC20)に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ6では、第2領域テストにおいてテスト対象外となる第3領域に属するメモリセルMC16〜MC20に、ダミーデータ[00000]が書き込まれるのである。
【0094】
次に、図11に示すテスト工程CQ7において、テスタ20は、5ビットのテストデータ[XXXXX]を表すデータD0〜D4、及び3ビットのテストデータ[XXX]を表すデータD5〜D7を半導体記憶装置10に供給する。尚、テストデータ[XXXXX]は例えば[01010]又は[10101]等の5ビットデータであり、[XXX]は、例えば[010]又は[101]等の3ビットデータである。当該テスト工程CQ7において、制御部200は、図11に示すように、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN2を書込ドライバ206に供給すると共に、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EN0、EN1及びEPを書込ドライバ204、205及び203に供給する。
【0095】
これにより、テスト工程CQ7では、テスタ20から供給された8ビットのテストデータ[XXXXXXXX]が図10(b)に示すように、メモリアレイ207の第2領域(MC8〜MC15)に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ7では、第2領域テストにおいてテスト対象となる第2領域に属するメモリセルMC8〜MC15に、テストデータ[XXXXXXXX]が書き込まれるのである。
【0096】
次に、図11に示すテスト工程CQ8において、プレート線PL0に供給された選択パルス電圧に応じて、メモリアレイ207が、プレート線PL0に接続されているメモリセルMC0〜MC20から、図10(b)に示す8ビットのダミーデータ[00000000]と、8ビットのテストデータ[XXXXXXXX]と、5ビットのダミーデータ[00000]とからなる合計21ビットの読出データR0〜R20を出力する。
【0097】
ここで、第2領域テストでは、1ワード分のメモリセルMC0〜MC20のうちの第2領域に属するMC8〜MC15をテスト対象、第1領域に属するMC0〜MC7及び第3領域に属するMC16〜MC20をテスト対象外としている。よって、第2領域テストにおけるテスト工程CQ8では、図10(b)に示すように、メモリセルMC0〜MC20のうちのMC8〜MC15に格納されている8ビットのテストデータ[XXXXXXXX]がデータDO〜D7として、テスタ20に供給される。テスタ20は、データDO〜D7によって表される内容、すなわちテスト対象となっているメモリセルMC8〜MC15から読み出された内容と、期待値としてのテストデータ[XXXXXXXX]とを比較し、両者が不一致である場合にこの半導体記憶装置10を不良品であると判定する。
【0098】
[第3領域テスト]
図12は、第3領域テストでのテスト動作を示すタイムチャートである。
【0099】
第3領域テストでは、先ず、テスタ20は、テスト信号TESTを半導体記憶装置10に供給すると共に、図12に示すテスト工程CQ9にて、5ビットのダミーデータ[00000]を表すデータD0〜D4を半導体記憶装置10に供給する。当該テスト工程CQ9において、制御部200は、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN0を書込ドライバ204に供給する。また、当該テスト工程CQ9では、制御部200は、図12に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EP、EN1及びEN2を書込ドライバ203、205及び206に供給する。
【0100】
これにより、テスト工程CQ9では、テスタ20から供給された5ビットのダミーデータ[00000]が図10(c)に示すように、メモリアレイ207の第1領域に属するメモリセルMC0〜MC4に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ9では、第3領域テストにおいてテスト対象外となる第1領域に属するメモリセルMC0〜MC4に、ダミーデータ[00000]が書き込まれるのである。
【0101】
次に、図12に示すテスト工程CQ10において、テスタ20は、5ビットのダミーデータ[00000]を表すデータD0〜D4、及び3ビットのダミーデータ[000]を表すデータD5〜D7を半導体記憶装置10に供給する。当該テスト工程CQ10において、制御部200は、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EN2を書込ドライバ206に供給する。また、当該テスト工程CQ10では、制御部200は、図12に示すように、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EP、EN0及びEN1を書込ドライバ204及び205に供給する。
【0102】
これにより、テスト工程CQ10では、テスタ20から供給された8ビットのダミーデータ[00000000]が図10(c)に示すように、メモリアレイ207の第2領域(MC8〜MC15)に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ10では、第2領域テストにおいてテスト対象外となる第2領域に属するメモリセルMC8〜MC15に、ダミーデータ[00000000]が書き込まれるのである。
【0103】
次に、図12に示すテスト工程CQ11において、テスタ20は、5ビットのテストデータ[XXXXX]を表すデータD0〜D4、及び3ビットのテストデータ[XXX]を表すデータD5〜D7を半導体記憶装置10に供給する。尚、テストデータ[XXXXX]は例えば[01010]又は[10101]等の5ビットデータであり、[XXX]は、例えば[010]又は[101]等の3ビットデータである。当該テスト工程CQ11において、制御部200は、図12に示すように、書込イネーブルを示す論理レベル1のイネーブル信号EP及びEN1を書込ドライバ203及び205に供給すると共に、書込ディスエーブルを示す論理レベル0のイネーブル信号EN0及びEN2を書込ドライバ204及び206に供給する。
【0104】
これにより、テスト工程CQ11では、テスタ20から供給された8ビットのテストデータ[XXXXXXXX]のうちの上位3ビットが図10(c)に示すように、メモリアレイ207の第1領域に属するメモリセルMC5〜MC7に書き込まれる。更に、テスト工程CQ11では、テスタ20から供給された8ビットのテストデータ[XXXXXXXX]のうちの下位5ビットが図10(c)に示すように、メモリアレイ207の第3領域(MC16〜MC20)に書き込まれる。つまり、テスト工程CQ11では、第3領域テストにおいてテスト対象となる第3領域に属するメモリセルMC16〜MC20に、5ビットのテストデータ[XXXXX]が書き込まれるのである。
【0105】
次に、図12に示すテスト工程CQ12において、プレート線PL0に供給された選択パルス電圧に応じて、メモリアレイ207が、プレート線PL0に接続されているメモリセルMC0〜MC20から、図10(c)に示す4ビットのダミーデータ[0000]と、3ビットのテストデータ[XXX]と、8ビットのダミーデータ[00000000]と、5ビットのテストデータ[XXXXX]とからなる合計21ビットの読出データR0〜R20を出力する。
【0106】
ここで、第3領域テストでは、1ワード分のメモリセルMC0〜MC20のうちの第1及び第2領域に属するMC0〜MC15をテスト対象外、第3領域に属するMC16〜MC20をテスト対象としている。よって、第3領域テストにおけるテスト工程CQ12では、図10(c)に示すように、メモリセルMC0〜MC20のうちのMC16〜MC20に格納されている5ビットのテストデータ[XXXXX]がデータDO〜D7として、テスタ20に供給される。テスタ20は、データDO〜D7によって表される内容、すなわちテスト対象となっているメモリセルMC16〜MC20から読み出された内容と、期待値としてのテストデータ[XXXXX]とを比較し、両者が不一致である場合にこの半導体記憶装置10を不良品であると判定する。
【0107】
上記したように、図7に示す半導体記憶装置10に対する製品出荷時のテストでは、テスタ20が、1ワード毎に、1つのワード線(WL)に接続されているメモリセルMC0〜MC20に書き込んだ21ビットのデータ(5ビットのECCコードを含む)を、8ビット(D0〜D7)単位で取り込むことにより、良否判定を行うようにしている。
【0108】
ここで、上記した第1〜第3領域テストでは、図10(a)〜図10(c)に示すように、1つのワード線(プレート線)に接続されているメモリセルMCの数(21個)から、外部アクセス可能なビット数(8ビット)を減算した数(13個)のメモリセル、つまりテスト対象外となるメモリセルMC各々に、固定ビットパターンを有するダミーデータとしてデータ値[0]を書き込むようにしている。つまり、テスト対象外となる13個のメモリセルMCに対して常に、固定ビットパターンを有するダミーデータを書き込んでおくことにより、これら13個のメモリセルMCの強誘電体キャパシタに蓄積される総容量を一定にしたのである。
【0109】
これにより、データ読出時において、ビット線BLの電位が上昇を開始してから所望の電位に到るまでの電位推移特性が固定化されるので、半導体記憶装置10に対して信頼性の高いテストを実施することが可能となる。
【0110】
更に、第1〜第3領域テストでは、最初のテスト工程(CQ1、CQ5、CQ9)と次のテスト工程(CQ2、CQ6、CQ10)にてテスト対象外となるメモリセルMC群に対してゼロ書込を施してから、次のテスト工程(CQ3、CQ7、CQ11)で、テスト対象となるメモリセルMC群にテストデータ[X]を書き込むようにしている。
【0111】
これにより、テスト対象外となるメモリセルMCの強誘電体キャパシタCに対するゼロ書込に伴い、テスト対象となるメモリセルMCの強誘電体キャパシタCに容量変化が生じてしまっても、引き続き、テスト対象となるメモリセルMCの強誘電体キャパシタCにはテストデータ[X]が書き込まれる。よって、このような強誘電体キャパシタCの容量変化に伴うテストデータの書き込み不良が防止される。
【0112】
また、図7に示す半導体記憶装置10では、上記した第1〜第3領域テストを実現する為に、夫々個別にイネーブル状態に設定することが可能な書込ドライバ203〜206を設けるようにしている。これにより、書込ドライバ203〜206のうちでゼロ書込の対象となるメモリセルMCに対応した書込ドライバだけをイネーブル状態に設定し、他の書込ドライバをディスエーブル状態に設定することが可能となる。
【0113】
尚、上記実施例では、テスト対象とする半導体記憶装置10として、外部アクセス可能なビット長が8ビットであるものを採用しているが、外部アクセス可能なビット長は8ビットに限定されない。
【0114】
また、上記実施例においては、メモリセルに書き込むダミーデータとして、全ビットが論理レベル0となるビットパターンを有するものを用いているが、かかるビットパターンに限定されない。例えば、全ビットが論理レベル1となるビットパターンをダミーデータとして採用しても良く、或いは[1010・・・]又は[0101・・・]等の各種の固定ビットパターンを有するダミーデータを採用しても良いのである。要するに、テスト対象外となるメモリセルMC各々に書き込むダミーデータが固定ビットパターンを有するものであれば、テスト対象外となるメモリセルMC群内において論理レベル0(又は論理レベル1)が書き込まれるメモリセルMCの数は常に固定となる。よって、当該テスト対象外となるメモリセルMC各々における強誘電体キャパシタCの総容量が一定化するので、データ読出時におけるビット線の電位推移特性を固定化することが可能となる。
【0115】
要するに、本発明においては、各ワード線(WL)にn(nは2以上の整数)ビットのデータを格納する為のn個のメモリセル(MC)が接続されており、m(mはnより小なる自然数)ビット単位で外部アクセスが為される半導体記憶装置(10)を、以下の第1〜第3テスト工程によってテストするものであれば良いのである。つまり、第1テスト工程(CY1,CY4,CQ1,CQ2,CQ5,CQ6,CQ9,CQ10)では、所定の固定ビットパターンを有する(n−m)ビットのダミーデータを上記したn個のメモリセルのうちの(n−m)個のメモリセルに書き込む。第2テスト工程(CY2,CY5,CQ3,CQ7,CQ11)では、mビットのテストデータをn個のメモリセルのうちのm個のメモリセルに書き込む。そして、第3テスト工程(CY3,CY6,CQ4,CQ8,CQ12)では、n個のメモリセルの各々から同時にデータ読出を行って得られたnビットのデータ中からmビットのテストデータのみを半導体記憶装置の外部に出力させるのである。
【0116】
この際、図1に示す半導体記憶装置に対するテストでは、n個のメモリセルを、第1領域に属するm個のメモリセル(MC0〜MC7)と、第1領域とは異なる第2領域に属する(n−m)個のメモリセル(MC8〜MC11)とに区分する。ここで、第1テスト工程(CY1,CY4)において、第2領域中の全てのメモリセル(MC8〜MC11)、又は第1領域中の(n−m)個のメモリセル(MC0〜MC3)にだけダミーデータを書き込む。そして、第2テスト工程(CY2,CY5)では、第1領域中の全てのメモリセル(MC0〜MC7)、又は第1領域中の(2・m−n)個のメモリセル(MC0〜MC3)及び第2領域中の全てのメモリセル(MC8〜MC11)にテストデータを書き込むのである。
【0117】
一方、図7に示す半導体記憶装置に対するテストでは、n個のメモリセルを、第1領域に属するm個のメモリセル(MC0〜MC7)と、第1領域とは異なる第2領域に属するm個のメモリセル(MC8〜MC15)と、第1及び第2領域とは異なる第3領域に属する(n−2・m)個のメモリセル(MC16〜MC20)とに区分けする。ここで、第1テスト工程(CQ1,CQ2,CQ5,CQ6,CQ9,CQ10)において、第2及び第3領域の全てのメモリセル(MC8〜MC20)、又は第1及び第3領域の全てのメモリセル(MC0〜MC7,MC16〜MC20)、或いは第1領域中の(n−2・m)個のメモリセル(MC0〜MC4)及び第2領域の全てのメモリセル(MC8〜MC15)にだけダミーデータを書き込む。そして、第2テスト工程(CQ3,CQ7,CQ11)では、第1領域の全てのメモリセル(MC0〜MC7)、又は第2領域の全てのメモリセル(MC8〜MC15)、或いは第1領域中の(3・m−n)個のメモリセル(MC5〜MC7)及び第3領域の全てのメモリセル(MC16〜MC20)にだけテストデータを書き込む。
【0118】
また、テスト対象となる半導体記憶装置10としては、図1又は図7に示される構成に限定されない。
【0119】
要するに、半導体記憶装置(10)としては、n本のビット線(BL)と、ビット線の各々に接続されており且つ夫々がプレート線(PL)及びワード線(WL)に共通に接続されているn個のメモリセル(MC)と、を含み、当該n個のメモリセルに対してmビット単位で外部からデータの書込及び読出アクセスが為されるものであれば良いのである。この際、n本のビット線は、第1〜第N(Nは3以上の整数)のビット線群(BL0〜BL3,BL4〜BL7,BL8〜BL11又はBL0〜BL4,BL5〜BL7,BL8〜BL15,BL16〜BL20)に区分けされており、当該半導体記憶装置には、第1〜第Nのビット線群に夫々対応して第1〜第Nの書込ドライバ(103〜105又は203〜206)が設けられている。第1〜第Nの書込ドライバは、夫々個別にイネーブル状態又はディスエーブル状態に設定され、イネーブル状態に設定された場合にだけ夫々に対応したビット線群に書込電圧を印加する。更に、当該半導体記憶装置には、以下の動作を行う制御部(100)が設けられている。当該制御部は、先ず、テスト信号(TEST)に応じて、所定の固定ビットパターンを有する(n−m)ビットのダミーデータに対応した書込電圧をn個のメモリセルのうちの(n−m)個のメモリセルに書き込ませる為に第1〜第Nの書込ドライバのうちの少なくとも1の書込ドライバをイネーブル状態に設定する。次に、制御部は、mビットのテストデータをn個のメモリセルのうちのm個のメモリセルに書き込ませる為に第1〜第Nの書込ドライバのうちの上記した少なくとも1の書込ドライバを除く他の書込ドライバをイネーブル状態に設定するのである。
【符号の説明】
【0120】
10 半導体記憶装置
20 テスタ
100 制御部
106 メモリアレイ
103〜105 書込ドライバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12