端子との間に断線が発生しておらず、さらに異常状態ではない場合に限り、ALARM端子の電位はHレベルとなる。電池監視LSI20の少なくとも異常検出ブロック22が検出動作を行っていない場合、検出動作を行っていても異常状態である場合、あるいは、ALARM端子と、システムコントローラ40のALM
端子との間に断線が発生している場合のいずれかの場合は、ALARM端子の電位、または断線箇所よりもシステムコントローラ40側の基板上のパターンがLレベルとなり、全てが正常状態である場合と明確に区別が可能である。
動作制御端子及び検出結果出力端子を有し、前記動作制御端子に入力される制御信号に応じて、組電池に関する異常状態を検出する検出動作の実行及び検出動作の停止を行い、検出結果に応じたレベルの検出信号を前記検出結果出力端子から出力する電池監視用の半導体装置と、
前記検出信号が入力される検出結果入力端子及び制御信号出力端子を有し、前記制御信号出力端子から前記検出動作の実行及び前記検出動作の停止を指示する前記制御信号を前記動作制御端子に出力し、また、前記検出結果入力端子の電位が所定のレベルである場合に前記異常状態であると判断するシステムコントローラと、
前記組電池に関する異常状態と異なる予め定められた異常状態が発生した場合に、前記検出結果入力端子の電位を前記所定のレベルに制御する、検出結果入力端子制御部と、
を備えた電池監視システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の電池監視システムについて説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
まず、本実施の形態の電池監視システムの構成について図面を参照して説明する。
図1には、本実施の形態の電池監視システムの一例の回路図を示す。
【0013】
本実施の形態の電池監視システム10は、組電池12が備える各電池セルCell1〜Cell5(以下、総称する場合は「電池セルCell」という。)の電池電圧をモニタして監視し、電圧が規定の範囲内に収まるように制御する機能を有している。
図1に示すように、電池監視システム10は、電池監視LSI(Large Scale Integration)20、SLEEP端子駆動部34、ALARM端子駆動部36(検出結果入力端子制御部の一例)、及びシステムコントローラ40を備えている。
【0014】
本実施の形態の組電池12は、5つの電池セルCell1乃至Cell5を、電池セルCell1を最下段とし、電池セルCell5を最上段として直列に接続することで構成されている。電池セルの具体的一例としてはリチウムイオン電池やニッケル水素電池等が挙げられる。
【0015】
電池監視用の半導体装置である電池監視LSI20は、GND(グランド)端子、V1〜V5端子、及びVDD端子を備えており、これらの端子を介して組電池12と接続されている。具体的には、GND端子には組電池12の電池セルCell1の低電位側が接続されている。V1端子には電池セルCell1の高電位側(電池セルCell2の低電位側)が接続されている。V2端子には電池セルCell2の高電位側(電池セルCell3の低電位側)が接続されている。V3端子には電池セルCell3の高電位側(電池セルCell4の低電位側)が接続されている。V4端子には電池セルCell4の高電位側(電池セルCell5の低電位側)が接続されている。V5端子には電池セルCell5の高電位側が接続されている。また、VDD端子には電池セルCell5の高電位側が接続されている。
【0016】
図1に示すように、電池監視LSI20は、異常検出ブロック22及び制御回路30を備えている。電池監視LSI20は、組電池12の各電池セルCellの電池電圧を測定する機能及び組電池12に関する異常を検出する機能を有する。
【0017】
異常検出ブロック22は、組電池12の各電池セルCellの電池電圧をモニタして、過充電、過放電及び電池セルCell(組電池12)との間における断線を異常として検出する機能を有している。そのため、異常検出ブロック22は、過充電検出ブロック24、過放電検出ブロック26及びセンサ27を有している。過充電検出ブロック24は、電池セルCellの過充電を検出する機能を有する。過放電検出ブロック26は、電池セルCellの過放電を検出する機能を有する。断線検出ブロック28は、電池セルCell(組電池12)との間における断線を検出する機能を有する。なお、
図1では、図示の便宜上、過充電検出ブロック24、過放電検出ブロック26及び断線検出ブロック28をそれぞれ異なるブロックとして図示したが、これらの各機能ブロックは各々別個の構成(回路)でなくてもよい。単一の回路ブロック等が検出する異常に応じた動作を行うことにより、過充電検出ブロック24、過放電検出ブロック26及び断線検出ブロック28として機能する構成としてもよい。
【0018】
異常検出ブロック22は、制御回路30の制御により異常の検出を行い、検出結果を制御回路30に出力する。
【0019】
制御回路30は、電池監視LSI20全体を制御する機能を有し、また、異常検出ブロック22による異常の検出を制御する機能を有する。なお、異常を検出する検出遅延時間は、CDLY端子に接続された外付けのコンデンサCの充放電時間を用いてもよいし、電池監視LSI20内部でタイミングを計測してもよい。CDLY端子と制御回路30とは、スイッチング素子SW2、SW3及び電流源I2を含む回路31を介して接続されている。
【0020】
また、電池監視LSI20は、SLEEP端子(動作制御端子)、及びALARM端子(検出結果出力端子)を備えており、これらの端子を介してシステムコントローラ40と接続されている。
【0021】
電池監視LSI20は、SLEEP端子及びSLEEP端子駆動部34を介してシステムコントローラ40から、異常を検出する検出動作の起動、停止を指示する制御信号を受信する。電池監視LSI20は、SLEEP端子に起動を指示する制御信号を受信している間、異常を検出する検出動作を常時あるいは一定のインターバルで行う。
【0022】
SLEEP端子は、電池監視LSI20内に備えられた抵抗素子R1により、電源電圧VDDにプルアップされる。
【0023】
また、電池監視LSI20は、異常検出ブロック22が異常を検出した場合に、ALARM端子及びALARM端子駆動部36を介してシステムコントローラ40にアラームを送信する。ALARM端子の電位は、電池監視LSI20内に備えられたNMOSトランジスタN1により制御される。NMOSトランジスタN1は、ドレイン端子が電流源I1及びスイッチング素子SW1を介して電源電圧VDDにプルアップされている。また、NMOSトランジスタN1のゲート端子は制御回路30に接続されており、制御回路30から出力される信号により、オン、オフが制御される。本実施形態では、異常検出ブロック22が異常を検出した場合(以下、「異常状態」という)には制御回路30はHレベル(本発明の所定のレベルの一例)の信号を出力し、NMOSトランジスタN1はオン状態になる。一方、異常検出ブロック22が異常を検出していない場合(以下、「正常状態」という)には制御回路30はLレベルの信号を出力し、NMOSトランジスタN1はオフ状態になる。
【0024】
スイッチング素子SW1は、SLEEP端子に入力される制御信号(電圧)と連動しており、当該制御信号のレベルにより、オン(オープン)、オフ(クローズ)が制御される。具体的には、スイッチング素子SW1は、SLEEP端子に入力される制御信号のレベルがスリープ(検出動作の停止、Hレベル)を表す場合は、オフ状態になり、制御信号のレベルが動作状態(検出動作の実行、Lレベル)を表す場合は、オフ状態になる、
一方、システムコントローラ40は、電池監視システム10全体を制御する機能を有しており、CTL
OUT端子(制御信号出力端子)及びALM
IN端子(検出結果入力端子)を備えている。システムコントローラ40は、電池監視LSI20の異常検出ブロック22に組電池12の異常を検出する検出動作を行わせる場合は、CTL
OUT端子からHレベルの制御信号を出力する。一方、異常検出ブロック22の検出動作を停止させる場合は、CTL
OUT端子からLレベルの制御信号を出力する。
【0025】
また、システムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がHレベルの場合には異常状態であると判断する。一方、ALM
IN端子の電位がLレベルの場合には正常状態であると判断する。
【0026】
電池監視LSI20とシステムコントローラ40との間のインターフェースは、一般的には、電源電圧VDD及び電池監視システム10におけるHレベルを考慮して、これらを満足する耐圧を有するようなNMOSトランジスタを介して構成する。
【0027】
具体的には、電池監視LSI20のSLEEP端子は、SLEEP端子駆動部34のNMOSトランジスタN3を介してシステムコントローラ40のCTL
OUT端子に接続されている。NMOSトランジスタN3のドレイン端子にはSLEEP端子が接続されており、ゲート端子にはCTL
OUT端子が接続されている。また、NMOSトランジスタN3のゲート−ソース間には、バイアス設定用の抵抗素子R4が接続されている。
【0028】
一方、電池監視LSI20のALARM端子は、ALARM端子駆動部36のNMOSトランジスタN2を介してシステムコントローラ40のALM
IN端子に接続されている。NMOSトランジスタN2のドレイン端子は、抵抗素子R2を介して電池監視システム10におけるHレベルにプルアップされ、また、システムコントローラ40のALM
IN端子に接続されている。NMOSトランジスタN2のゲート端子にはALARM端子が接続されている。また、NMOSトランジスタNのゲート-ソース間にはバイアス設定用の抵抗素子R2と、必要に応じて保護用のツェナーダイオードZDとが並列に接続されている。
【0029】
なお、本実施形態では、NMOSトランジスタN1〜N3はいずれもNMOSFET(N channel Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いている。
【0030】
次に本実施の形態の電池監視システム10の異常を検出する動作について説明する。
【0031】
まず、電池監視LSI20とシステムコントローラ40との間において、断線やシステム不良等の異常がない場合の電池監視システム10の動作について説明する。
【0032】
電池監視LSI20の異常検出ブロック22に異常検出動作を開始させる場合、システムコントローラ40は、CTL
OUT端子からHレベルの制御信号を出力する。当該Hレベルの制御信号により、NMOSトランジスタN3はオン状態となる。そのため、電池監視LSI20とシステムコントローラ40との間に断線等の異常が無い場合は、SLEEP端子にはLレベルの制御信号が入力される。制御回路30は、当該Lレベルの制御信号に応じて異常検出ブロック22に検出動作を行わせる。
【0033】
一方、電池監視LSI20のスイッチング素子SW1はSLEEP端子に入力される制御信号のレベルに連動しているため、Lレベルの制御信号に応じて、オン状態になる。スイッチング素子SW1がオン状態になることにより、ALARM端子には電流源I1が接続されてプルアップされる。
【0034】
異常検出ブロック22が検出動作を行っている間、正常状態では制御回路30はLレベルの信号を出力するため、NMOSトランジスタN1はオフ状態であり、ALARM端子から出力される信号はHレベルになる。当該Hレベルの信号により、NMOSトランジスタN2はオン状態になり、ALM
IN端子にはLレベルの信号が入力される。システムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がLレベルであるため、正常状態であると判断する。
【0035】
ここで、異常検出ブロック22が異常を検出した場合、制御回路30は、Hレベルの信号を出力する。当該Hレベルの信号により、NMOSトランジスタN1はオン状態に変化し、ALARM端子から出力される信号はLレベルになる。当該Lレベルの信号により、NMOSトランジスタN2はオフ状態になり、ALM
IN端子の電位はHレベルになる。システムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がHレベルであるため、異常状態であると判断する。
【0036】
次に、電池監視LSI20のSLEEP端子とシステムコントローラ40のCTL
OUT端子との間において、断線やシステム不良等の異常が有り、SLEEP端子の電位が制御不能である場合の電池監視システム10の動作について説明する。
【0037】
断線やシステム不良等によりSLEEP端子の電位をLレベルにできない場合、電池監視LSI20の異常検出ブロック22は異常の検出動作を開始しないままとなる。
【0038】
一方、電池監視LSI20のスイッチング素子SW1はSLEEP端子の電位に連動しているため、オフ状態のままである。そのため、ALARM端子は、抵抗素子R3を介してプルダウンされて、ALARM端子の電位はLレベルとなり、NMOSトランジスタN2はオフ状態となる。システムコントローラ40のALM
IN端子の電位は抵抗素子R2を介してプルアップされHレベルになる。システムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がHレベルであるため異常状態であると判断する。
【0039】
さらに、電池監視LSI20のALARM端子とシステムコントローラ40のALM
IN端子との間において、断線等の異常が有る場合の電池監視システム10の動作について説明する。
【0040】
ALARM端子とALARM端子駆動部36との間において断線が発生した場合、断線箇所よりもシステムコントローラ40側の基板上パターン(ALARM端子駆動部36)がプルダウンされるため、ALARM端子からLベルの信号が出力された場合と、同様となる。
【0041】
従って、上述したように、ALM
IN端子の電位はプルアップされHレベルになる。システムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がHレベルであるため異常状態であると判断する。
【0042】
[第2の実施の形態]
図2には、本実施の形態の電池監視システムの一例の回路図を示す。
図2に示すように本実施の形態の電池監視システム10は、第1の実施の形態の電池監視システム10(
図1参照)と同様の構成を有しているため、同様の構成については説明を省略する。
【0043】
本実施の形態の電池監視システム10の電池監視LSI20では、内蔵の電源または外部の装置から電源電圧(具体例として3.3V)が供給され、スイッチング素子SW1及び抵抗素子R1には当該電源電圧を供給する配線に接続されている。
【0044】
この場合、電池監視LSI20とシステムコントローラ40とはロジックレベルでインターフェースされるため、電池監視LSI20とシステムコントローラ40との間に設けられる回路を簡素化することが可能である。
【0045】
そのため、
図2に示すように、システムコントローラ40がオープンドレインのNMOSトランジスタN4を備えており、NMOSトランジスタN4のドレインにCTL
OUT端子が接続されている場合、CTL
OUT端子とSLEEP端子とは直結が可能である。
【0046】
また、電池監視LSI20のALARM端子とシステムコントローラ40のALM
IN端子との間には、ALM
IN端子の電位をプルダウンする抵抗素子R5(検出結果入力端子制御部の一例)のみが接続されている。本実施の形態の電池監視システム10では、電池監視LSI20の内部プルアップ抵抗である抵抗素子R4と外部プルダウン抵抗である抵抗素子R5とは1:10程度の抵抗比で構成され、典型的には、抵抗値は各々100kΩと1MΩである。
【0047】
また、SLEEP端子は、抵抗素子R1を介して電源電圧3.3Vにプルアップされる。また、ALARM端子の電位はNMOSトランジスタN1により制御されるが、NMOSトランジスタN1のドレイン端子は、抵抗素子R4及びスイッチング素子SW1を介して電源電圧3.3Vにプルアップされる。
【0048】
スイッチング素子SW1及びNMOSトランジスタN1の構成及び動作は第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0049】
なお、本実施の形態のシステムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がLレベルの場合は異常状態であると判断する。一方、ALM
IN端子の電位がHレベルの場合は正常状態であると判断する。
【0050】
次に本実施の形態の電池監視システム10の異常を検出する動作について説明する。
【0051】
まず、電池監視LSI20とシステムコントローラ40との間において、断線やシステム不良等の異常がない場合の電池監視システム10の動作について説明する。
【0052】
電池監視LSI20の異常検出ブロック22に異常検出動作を開始させる場合、システムコントローラ40はNMOSトランジスタN4の制御端子にHレベルの信号を入力させ、NMOSトランジスタN4をオン状態にする。これにより、CTL
OUT端子からはLレベルの制御信号が出力されて、電池監視LSI20のSLEEP端子にそのまま入力される。制御回路30は、当該Lレベルの制御信号に応じて、異常検出ブロック22に検出動作を行わせる。
【0053】
一方、電池監視LSI20のスイッチング素子SW1はSLEEP端子に入力される制御信号のレベルに連動しているため、Lレベルの制御信号に応じてオン状態になる。スイッチング素子SW1がオン状態になることにより、ALARM端子は抵抗素子R4を介して3.3Vにプルアップされる。
【0054】
異常検出ブロック22が検出動作を行っている間、正常状態では、制御回路30はLレベルの信号を出力するため、NMOSトランジスタN1はオフ状態であり、ALARM端子から出力される信号の電位は抵抗素子R4と抵抗素子R5とで分圧される。上述したように、抵抗素子R4と抵抗素子R5との抵抗比を1:10としているため、ALARM端子から出力される信号のレベルはHレベルとなり、システムコントローラ40のALM
IN端子にそのまま入力される。システムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がHレベルであるため、正常状態であると判断する。
【0055】
ここで、異常検出ブロック22が異常を検出した場合、制御回路30はHレベルの信号を出力する。当該Hレベルの信号により、NMOSトランジスタN1はオン状態に変化して、ALARM端子からはLレベルの信号が出力されてそのままALM
IN端子に入力される。システムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がLレベルであるため、異常状態であると判断する。
【0056】
次に、電池監視LSI20のSLEEP端子とシステムコントローラ40のCTL
OUT端子との間において断線やシステム不良等の異常が有り、SLEEP端子の電位が制御不能である場合の電池監視システム10の動作について説明する。
【0057】
断線やシステム不良等によりSLEEP端子の電位をLレベルにできない場合、電池監視LSI20の異常検出ブロック22は、異常の検出動作を開始しないままとなる。
【0058】
一方、電池監視LSI20のスイッチング素子SW1はSLEEP端子の電位に連動しているため、オフ状態のままである。そのため、ALARM端子は抵抗素子R5によりプルダウンされて、ALARM端子の電位はLレベルとなり、ALM
IN端子の電位もLレベルになるため、異常状態であると判断する。
【0059】
さらに、電池監視LSI20のALARM端子とシステムコントローラ40のALM
IN端子との間において、断線等の異常が有る場合の電池監視システム10の動作について説明する。
【0060】
ALARM端子と抵抗素子R5との間において断線が発生した場合、断線箇所よりもシステムコントローラ40側の基板上パターンがプルダウンされるため、ALARM端子からLベルの信号が出力された場合と同様となる。
【0061】
従って、上述したように、ALM
IN端子の電位はプルダウンされLレベルになる。システムコントローラ40は、ALM
IN端子の電位がLレベルであるため異常状態であると判断する。
【0062】
(参考形態)
上記各実施の形態の対する参考形態の電池監視システムについて説明する。
【0063】
図3には、参考形態の電池監視システムの一例の回路図を示す。
図3に示すように参考形態の電池監視システム100は、第1の実施の形態の電池監視システム10(
図1参照)と同様の構成を有しているため、同様の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0064】
なお、参考形態のシステムコントローラ40は、第2の実施の形態のシステムコントローラ40と同様に、ALM
IN端子の電位がLレベルの場合は異常状態であると判断する。一方、ALM
IN端子の電位がHレベルの場合は正常状態であると判断する。
【0065】
参考形態の電池監視システム100の異常を検出する動作において、システムコントローラ40が異常検出ブロック22の状態が異常であるか否かにかかわらず正常状態であると判断してしまう場合について説明する。
【0066】
断線やシステム不良等によりSLEEP端子の電位をLレベルにできない場合、電池監視LSI120の異常検出ブロック22は異常の検出動作を開始しないままとなる。
【0067】
一方、ALARM端子は抵抗素子R2を介してプルアップされて、ALARM端子の電位はHレベルとなり、システムコントローラ40のALM
IN端子の電位がHレベルとなるため、見かけ上は正常状態と同様になる。そのため、システムコントローラ40は正常状態であると判断してしまう。
【0068】
ALARM端子とALARM端子駆動部36との間において断線が発生した場合、抵抗素子R2によりALM
INは常時プルアップされているため電位がHレベルとなり、異常検出ブロック22の検出結果にかかわらず、見かけ上は正常状態と同様になる。そのため、システムコントローラ40は、正常状態であると判断してしまう。
【0069】
このように、参考形態の電池監視システム100では、上記各実施の形態の電池監視システム10と比較して、異常検出ブロック22の状態が異常であるか否かにかかわらず、システムコントローラ40が正常状態であると判断してしまう場合がある。
【0070】
以上説明したように、上記各実施の形態の電池監視システム10では、電池監視LSI20が検出動作を行っており、かつ、ALARM端子とシステムコントローラ40のALM
IN端子との間に断線が発生しておらず、さらに異常状態ではない場合に限り、ALARM端子の電位(ALARM端子から出力される信号の電位)はHレベルとなる。
【0071】
そのため、第1の実施の形態の電池監視システム10のシステムコントローラ40では、ALM
IN端子の電位がLレベルとなり正常状態であると判断できる。また、第2の実施の形態の電池監視システム10のシステムコントローラ40では、ALMIN端子の電位がHレベルとなり正常状態であると判断できる。
【0072】
また、電池監視LSI20の少なくとも異常検出ブロック22が検出動作を行っていない場合、検出動作を行っていても異常状態である場合、あるいは、ALARM端子とシステムコントローラ40のALM
IN端子との間に断線が発生している場合のいずれかの場合は、ALARM端子の電位または断線箇所よりもシステムコントローラ40側の基板上のパターンがLレベルとなり、全てが正常状態である場合と明確に区別が可能である。
【0073】
そのため、第1の実施の形態の電池監視システム10のシステムコントローラ40では、ALM
IN端子の電位がHレベルとなり異常状態であると判断できる。また、第2の実施の形態の電池監視システム10のシステムコントローラ40では、ALM
IN端子の電位がLレベルとなり異常状態であると判断できる。
【0074】
従って、上記各実施の形態の電池監視システム10によれば、自システム内に発生する異常を検出することにより、高精度に組電池12の電池電圧の制御を行うことができる。また、電池監視システム10を低コストで実現することができる。
【0075】
なお、上記実施の形態では、電池監視LSI20は異常検出ブロック22により、組電池12に関する異常として過充電、過放電及び組電池12と電池監視LSI20との間における断線について説明したが、組電池12に関する異常は、これらに限定されない。例えば、過電流、高温、低温及びその他のエラー等であってもよい。電池監視LSI20は、組電池12に関する異常の少なくとも1つを検出する機能を有していればよく、どのような異常を検出するかについては電池監視LSI20の仕様やユーザの所望等に応じればよい。
【0076】
上記各実施の形態では、電池監視LSI20が組電池12の異常を監視する機能を有するものとして説明したが、電池監視LSI20の機能はこれに限定されない。また、本発明の応用範囲はこれに限定されず、その他の一般的なシステムの制御に適用が可能である。
【0077】
また、上記各実施の形態の組電池12が備える電池セルCellの個数等は、一例であり、特に限定されるものではない。
【0078】
また、上記各実施の形態で説明した電池監視システム10等の構成及び動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。