以上の電圧を出力するまでの時間が外部環境に応じて変動する電源1が接続される端子T1と、端子T1から電源が供給されるレギュレータ4と、被駆動用半導体装置20に電源を供給する端子T4と、レギュレータ4と端子T4との接続を制御するスイッチSW1と、端子T1から電源が供給され、端子T4に電圧を供給するダイオードD1及びD2と、を備え、端子T1から供給される電源の電圧が動作可能電圧V
前記制御部は、前記入力端子から供給される電源の電圧値に応じて前記電源部及び前記電圧調整部の何れか一方から電源が供給される出力部を介して、前記出力端子と接続され、
前記出力部は、前記制御部から入力された前記スタンバイ信号を前記出力端子に出力する
請求項2記載の半導体装置。
前記制御部は、前記入力端子から供給される電源の電圧値に応じて前記スイッチをオン又はオフにするスイッチ状態制御信号を前記スイッチに出力し、前記スイッチのオンオフ状態を制御する
請求項2又は請求項3に記載の半導体装置。
前記制御部は、前記スタンバイ信号及び前記スイッチ状態制御信号を出力するリセット回路と、 前記リセット回路からの前記スタンバイ信号により内部動作を制御準備状態に移行する制御回路と、を含む
請求項4記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して開示の技術の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、機能が同じ働きを担う構成要素には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
【0016】
まず、
図4に、駆動電圧が被駆動用半導体装置と同じ電圧である制御用半導体装置から、被駆動用半導体装置を駆動させる場合の回路図の一例を示す。
【0017】
図4に示す回路図は、例えば電源1、制御用半導体装置10A、及び被駆動用半導体装置20を含む。制御用半導体装置10Aは端子T1、T2、T3、及びT4を備え、被駆動用半導体装置20は端子T5、T6、及びT7を備える。そして、電源1は端子T1と電気的に接続され、端子T2と端子T5、端子T3と端子T6、及び端子T4と端子T7が各々電気的に接続される。
【0018】
ここで、電源1は、天候、時間帯、及び設置場所等の外部環境によって、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20を駆動するために必要となる予め定めた電圧値(動作可能電圧V
B)以上の電圧を出力するまでの時間が変動するような電源、例えばソーラーパネルを用いた電源(太陽光電源)である。なお、電源1は、外部環境によって動作可能電圧V
B以上の電圧を出力するまでの時間が変動するような電源であれば何でもよく、太陽光電源に制限されない。例えば、風力を利用して電圧を供給する電源であってもよい。
【0019】
端子T1に接続される電源1は、制御用半導体装置10Aに含まれる各機能部、すなわち制御部2及び出力部3に供給されると共に、端子T1と電気的に接続される端子T4から、端子T7を介して被駆動用半導体装置20に供給され、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20が駆動する。
【0020】
しかし、例えば天候の変化等により電源1周辺の照度が、電源1から動作可能電圧V
Bを供給するために必要となる照度より低くなる場合がある。こうした状態で制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20を起動する場合、電源1から制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20を駆動するために必要となる十分な電流を取得することができず過負荷状態となり、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20共に正常に起動できない場合がある。
【0021】
このように、電源1から動作可能電圧V
B未満の電圧しか供給されない状態で制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20を起動する方法としては、一旦、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20を起動するための準備段階にあたるスタンバイ状態で起動し、電源1から動作可能電圧V
B以上の電圧が供給された際に、スタンバイ状態を解除して制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20を駆動する手法が考えられる。
【0022】
スタンバイ状態では、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20に含まれる部品のうち、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20に含まれる全ての機能が動作可能となる状態、すなわち動作可能状態へ移行させるために必要となる部品のみに電源が供給される。
【0023】
従って、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20をスタンバイ状態で起動する場合、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20を動作可能状態で起動する場合と比較して、消費電力が低く抑えられる。そのため、電源1から動作可能電圧V
B未満の電圧しか供給されない状態であっても、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20で過負荷が発生せずに、共に正常にスタンバイ状態で起動することができる。
【0024】
このように、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20をスタンバイ状態で起動するため、制御部2は、電源1から供給される電源の電圧が動作可能電圧V
B未満である場合に、スタンバイ信号を出力部3に出力する。出力部3は、制御部2からスタンバイ信号が入力されると、電源1から出力部3に供給される電圧値を有するスタンバイ信号を、端子T3から端子T6を介して被駆動用半導体装置20に出力し、被駆動用半導体装置20をスタンバイ状態にする。一方、制御部2は、生成したスタンバイ信号を制御部2自身に出力することで、制御用半導体装置10Aもスタンバイ状態にする。
【0025】
そして、電源1から供給される電圧が動作可能電圧V
B以上となった場合に、制御部2はスタンバイ信号の出力を停止し、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20のスタンバイ状態を解除する。当然のことながら、この際、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20に電源1から供給される電圧は動作可能電圧V
B以上となっているため、制御用半導体装置10A及び被駆動用半導体装置20は共に正常に起動する。以降、制御部2は、制御部2に接続される端子T2から被駆動用半導体装置20の端子T5に制御信号を出力し、被駆動用半導体装置20を制御することで、目的とする動作を実行する。
【0026】
次に、
図5に、駆動電圧が被駆動用半導体装置20と異なる電圧である制御用半導体装置10Bから、被駆動用半導体装置20を駆動させる場合の回路図の一例を示す。
【0027】
この場合、電源1から制御用半導体装置10Bに供給される電源の電圧は、制御用半導体装置10Bの駆動電圧に合わせた電圧に設定される。従って、例えば制御用半導体装置10Bの駆動電圧より被駆動用半導体装置20の駆動電圧が低い場合、
図4に示したように、端子T1に供給された電源1の電圧を直接端子T4から出力してしまうと、被駆動用半導体装置20に被駆動用半導体装置20の駆動電圧を超える電圧が供給されることになる。
【0028】
そこで、制御用半導体装置10Bは、
図4の制御用半導体装置10Aの端子T1と端子T4とを接続する接続線に、電源1の電圧を降圧するレギュレータ4を挿入する。そして、レギュレータ4によって、被駆動用半導体装置20に供給する電源の電圧を、被駆動用半導体装置20の駆動電圧に変換する。
【0029】
レギュレータ4は、
図5に示すように、例えば抵抗R1及びR2と、エラーアンプAMP1と、基準電源V
REFを含み、端子T1に接続され電源1から電源が供給される。なお、レギュレータ4の内部回路は
図5に例示した回路に限られず、例えばスイッチングレギュレータ等を用いてもよい。ここで、基準電源V
REFは被駆動用半導体装置20の駆動電圧と同じ電圧に設定される。
【0030】
レギュレータ4の非反転端子には基準電源V
REFが入力されると共に、レギュレータ4の反転端子にはレギュレータ4の出力電圧が帰還電圧として入力される。そして、レギュレータ4は、電源1の電圧変動に伴いレギュレータ4の出力電圧が変動しても、エラーアンプAMP1が連続的にレギュレータ4の帰還電圧と基準電源V
REFの電圧とを比較して、その差分が零になるようにエラーアンプAMP1の出力電圧を調整することで、レギュレータ4の出力電圧が基準電源V
REFの電圧に近づくように制御する。
【0031】
しかし、電源1から供給される電源の電圧が制御用半導体装置10Bの動作可能電圧V
B未満である場合、電源1からレギュレータ4を動作させるために必要となる十分な電流を取得することができない。従って、レギュレータ4が正常に起動せず、レギュレータ4の出力電圧が不定値となり、被駆動用半導体装置20をスタンバイ状態で起動することができない場合が発生する。また、レギュレータ4で電源1からの電流が消費され、制御部2に、制御部2が起動するために必要となる電流が供給されなくなる場合も考えられる。
【0032】
従って、
図5に例示した制御用半導体装置10Bに、レギュレータ4の消費電流を抑制する回路を追加する必要がある。
【0033】
更に、レギュレータ4の出力電圧が不定値となる場合、状況によっては、一時的にレギュレータ4から被駆動用半導体装置20の駆動電圧より大きい電圧が出力される場合が考えられる。従って、
図5に例示した制御用半導体装置10Bに、レギュレータ4の起動時の電圧を被駆動用半導体装置20の耐圧電圧以下に抑制する回路を追加する必要がある。
【0034】
こうしたレギュレータ4の起動時の電圧を被駆動用半導体装置20の耐圧電圧以下に抑制する回路、及びレギュレータ4の消費電流を抑制する回路は複雑な回路となり、制御用半導体装置10Bのコストが上昇すると共に、制御用半導体装置10Bの大きさが回路追加前に比べて大きくなる場合がある。
【0035】
従って、以下では、駆動電圧が制御用半導体装置と被駆動用半導体装置とで異なる状況で、電源1から制御用半導体装置の動作可能電圧V
B未満の電圧しか供給されない状態であっても、ダイオードの電圧降下を利用して、より簡単な回路で制御用半導体装置及び被駆動用半導体装置をスタンバイ状態で起動することができる半導体装置について説明する。
【0036】
図1は、本実施形態に係る制御用半導体装置10及び被駆動用半導体装置20の一例を示す回路図である。
【0037】
図1に例示する制御用半導体装置10の回路図が、
図5に例示した制御用半導体装置10Bの回路図と異なる点は、端子T1及びレギュレータ4の電源端子を接続する接続線上の地点Pと、出力部3の電源端子及び端子T4を接続する接続線上の地点Qと、の間にダイオードD1及びD2を接続した点と、レギュレータ4の出力と、出力部3の電源端子及び端子T4を接続する接続線上の地点Uと、の間にスイッチSW1を接続した点と、端子T1と、制御回路2Aと、を接続する接続線間に制御回路用電源5を接続した点である。
【0038】
図1に示す制御用半導体装置10では、地点Pと地点Qとの間に直列に接続した2個のダイオードD1及びD2が挿入されているが、挿入するダイオードの数は一例である。ここで、挿入するダイオードの数は、ダイオードに順方向バイアスが印加された場合にダイオードに生じる電圧降下分の合計が、制御用半導体装置10及び被駆動用半導体装置20の駆動電圧の差分に近づくように設定することが好ましい。
【0039】
例えば、制御用半導体装置10の駆動電圧が3V、被駆動用半導体装置20の駆動電圧が2V、及びダイオード1個の電圧降下が0.5Vである場合には、2個のダイオードを直列に接続して地点Pと地点Qとの間に挿入する。このようにダイオードの個数を設定することで、例えば電源1から制御用半導体装置10の駆動電圧が供給されたとしても、ダイオードD1及びD2によって電源1から供給される電圧が被駆動用半導体装置20の駆動電圧まで降圧され、出力部3及び端子T4に供給される。従って、制御用半導体装置10から被駆動用半導体装置20に出力されるスタンバイ信号及び電源の電圧を、被駆動用半導体装置20の駆動電圧以下に制限することができる。
【0040】
なお、ダイオードの個数の他、ダイオードの種類を変更して、ダイオードによる電圧降下を調整してもよい。
【0041】
また、
図1では制御部2の内容を詳細に記載し、制御部2には制御回路2A及びリセット回路2Bが含まれることを示している。
【0042】
制御回路2A及びリセット回路2Bは、制御部2の内部で互いに接続され、互いに信号及びデータ等を送受信すると共に、リセット回路2Bは、出力部3及びスイッチSW1と接続される。また、制御回路2Aは端子T2と接続され、端子T2及びT5を介して、被駆動用半導体装置20に制御信号を出力する。
【0043】
そして、制御回路2Aには、制御回路用電源5から電源が供給される。また、リセット回路2Bは端子T1と接続され、リセット回路2Bには制御回路用電源5からではなく、電源1から電源が供給される。なお、制御回路用電源5を制御回路2Aに含めるようにしてもよい。
【0044】
次に、制御用半導体装置10の動作について説明する。制御用半導体装置10は、電源1の出力電圧によって複数の動作を実行する。
【0045】
図2は、電源1の出力電圧の変化の一例を示すグラフである。電源1はソーラーパネルを利用して電圧を出力するため、ソーラーパネルに照射される太陽光の照度に応じて出力電圧が変動する。
図2に例示する電源1の出力電圧のグラフは、例えば天候が悪く当初出力電圧が0Vであったが、時間の経過と共に徐々に天候が回復し、それに伴い出力電圧も上昇していく様子を示している。なお、説明の便宜上、
図2では電源1の出力電圧が時間に比例して上昇するグラフを示しているが、実際には電源1の出力電圧を示すグラフは時間の変化に対して曲線となる場合が多い。
【0046】
リセット回路2Bは、端子T1から供給される電源1の電圧の変化を監視し、予め定めた複数の閾値電圧と比較することで、電源1の電圧値毎に定められた制御用半導体装置10の起動処理を実行する。複数の閾値電圧には、例えば動作可能電圧V
Bと、動作可能電圧V
Bより低い電圧に設定されるスタンバイ可能電圧V
Aと、が含まれる。
【0047】
この際、スタンバイ可能電圧V
Aは、ダイオードD1及びD2の電圧降下分の合計に相当する電圧に設定されることが好ましい。また、制御部2は、スタンバイ可能電圧V
A以上の電源が供給されるとスタンバイ状態で起動することが可能となり、かつ、動作可能電圧V
B以上の電源が供給されると被駆動用半導体装置20の制御を実行することが可能となるように設定されている。
【0048】
従って、電源1の電圧がスタンバイ可能電圧V
A未満である状態を「停止状態」、スタンバイ可能電圧V
A以上、かつ、動作可能電圧V
B未満である状態を「スタンバイ状態」、動作可能電圧V
B以上である状態を「動作可能状態」という。
【0049】
まず、停止状態における制御用半導体装置10の動作について説明する。
【0050】
この場合、既に説明したように、リセット回路2Bは起動できず動作が停止した状態となると共に、制御回路2Aも起動できず動作が停止した状態となる。
【0051】
スイッチSW1は、電源1の電圧がスタンバイ可能電圧V
A未満の場合にオフとなるように予め設定されており、そのためレギュレータ4の出力はハイインピーダンス状態になり、レギュレータ4と端子T4とが切り離された状態となる。
【0052】
一方、ダイオードD1及びD2には電源1から順方向バイアスが供給される。しかし、ダイオードD1及びD2で生じる電圧降下によって、端子T4から被駆動用半導体装置20へ電源1の電圧が供給されないため、被駆動用半導体装置20も動作できずに停止した状態となる。
【0053】
次に、スタンバイ状態における制御用半導体装置10の動作について説明する。
【0054】
この場合、リセット回路2Bは動作を開始し、出力部3にスタンバイ信号を出力すると共に、制御回路2Aにもスタンバイ信号を出力する。制御回路2Aは、リセット回路2Bからのスタンバイ信号を受け付けるとスタンバイ状態となり、リセット回路2Bによってスタンバイ信号が停止されるまで、被駆動用半導体装置20の制御を実行しないように待機する。
【0055】
また、リセット回路2Bは、スイッチSW1にオフを指示するスイッチ状態制御信号を出力し、スイッチSW1を制御する。なお、スイッチSW1は停止状態においてもオフであるため、スイッチSW1は引き続きオフ状態を継続することになる。
【0056】
一方、端子T4及び出力部3には、電源1からダイオードD1及びD2の電圧降下分だけ降圧された電圧が供給される。従って、出力部3は、リセット回路2Bからスタンバイ信号を受け付けると、出力部3に供給された電源の電圧値を有するスタンバイ信号を、端子T3から被駆動用半導体装置20に出力する。
【0057】
被駆動用半導体装置20には、制御用半導体装置10の端子T4から端子T7を介して、電源1からダイオードD1及びD2の電圧降下分だけ降圧された電圧が供給されると共に、制御用半導体装置10の端子T3から端子T6を介してスタンバイ信号が入力される。従って、被駆動用半導体装置20はスタンバイ状態に移行し、制御用半導体装置10からのスタンバイ信号が停止されるまで、被駆動用半導体装置20の動作を実行しないように待機する。
【0058】
次に、動作可能状態における制御用半導体装置10の動作について説明する。
【0059】
この場合、リセット回路2Bは、出力部3に出力しているスタンバイ信号を停止すると共に、制御回路2Aに出力しているスタンバイ信号も停止する。制御回路2Aは、リセット回路2Bからのスタンバイ信号の停止を受けて動作可能状態となる。そして、制御回路2Aは、制御信号を、端子T2を介して被駆動用半導体装置20に出力し、被駆動用半導体装置20に対して予め定めた制御を実行する。
【0060】
また、リセット回路2Bは、例えばリセット回路2Bに含まれるストラップピンの設定状態を読み込み、ストラップピンが短絡されている場合には、スイッチSW1にオンを指示するスイッチ状態制御信号を出力する。反対に、リセット回路2Bは、ストラップピンがオープン状態、すなわちハイインピーダンスに設定されている場合には、引き続きスイッチSW1にオフを指示するスイッチ状態制御信号を出力する。
【0061】
このように、リセット回路2Bは、制御用半導体装置10のスタンバイ状態解除後のスイッチSW1のオンオフ状態を、ユーザの指示に従って制御する。なお、ユーザによるスイッチSW1の制御指示の方法に制限はなく、レジスタ値の読み込み等、ストラップピンの設定と異なる方法を用いてもよいことは言うまでもない。ここでは一例として、ユーザからスイッチSW1をオンに設定する指示が与えられているものとして説明を行う。なお、ユーザからスイッチSW1をオフに設定する指示が与えられている場合、ユーザからのスイッチSW1をオンにする指示を待ってから、スイッチSW1をオンにする。
【0062】
このようにして、リセット回路2BによってスイッチSW1がオンされるため、端子T4及び出力部3には、レギュレータ4から被駆動用半導体装置20の駆動電圧に設定した電源が供給される。
【0063】
また、出力部3は、リセット回路2Bからのスタンバイ信号の停止に合わせて、被駆動用半導体装置20に出力しているスタンバイ信号を停止する。
【0064】
すなわち、被駆動用半導体装置20には、制御用半導体装置10の端子T4から端子T7を介して被駆動用半導体装置20の駆動電圧が供給されると共に、制御用半導体装置10から入力されていたスタンバイ信号が停止されることになる。従って、被駆動用半導体装置20はスタンバイ状態から動作可能状態に移行し、端子T5を介して制御用半導体装置10から入力される制御信号に従って駆動を開始する。
【0065】
なお、
図1ではダイオードD1及びD2を用いて電源1の電圧を被駆動用半導体装置20の駆動電圧まで降圧させたが、ダイオード以外の他の方法で電源1の電圧を降圧させるようにしてもよい。
【0066】
図3は、FET(Field Effect Transistor)を用いた電圧降下の例を示す回路図である。
図3に示すように、例えばP型のFET1及びFET2のゲートを接地すると共に、FET1のドレイン端子と、FET2のソース端子と、を接続し、FET1のソース端子を地点P、FET2のドレイン端子を地点Qに接続する。この場合もFET1及びFET2で生じる電圧降下分により電源1の電圧が降圧される。
【0067】
この他、抵抗を用いる方法、ダイオードと抵抗を組み合わせる方法、及びFETに抵抗を組み合わせる方法等、様々な電圧降下の例が考えられる。しかし抵抗を用いる場合、制御用半導体装置10が停止状態にある場合であっても抵抗で電流が消費されるため、電源1の電圧がスタンバイ可能電圧V
A以上になってもスタンバイ状態に移行できなくなる可能性がある。従って、抵抗の他に付加回路が必要となることが考えられる。
【0068】
一方、ダイオードは抵抗及びFET等の他の部品に比べて製造し易く、制御用半導体装置10が停止状態にあり、制御部2から制御が行えない状態であっても電圧を降下させることができる。従って、停止状態及びスタンバイ状態において電源1の電圧を降下させる方法として、ダイオードを使用することが好ましい。
【0069】
また、
図1に示す制御用半導体装置10において、制御回路2Aには制御回路用電源5からの電源を供給する一方、リセット回路2Bには電源1から電源を供給するようにした。
【0070】
制御回路2Aには、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリ等、リセット回路2Bより安定した電源を必要とする部品が含まれる。従って、制御回路2Aには電源1の電源を直接供給せずに、例えば電源1の電圧変動を制御回路用電源5で抑制した上で、制御回路2Aに供給する。
【0071】
しかし、制御用半導体装置10が停止状態又はスタンバイ状態にある場合、電源1から制御回路用電源5が正常に動作するために必要となる電力の供給を受けられず、制御回路用電源5の出力が不定となることが考えられる。その場合、リセット回路2Bで上述した各状態における制御を実行することが困難になる。
【0072】
従って、リセット回路2Bに電源1の電源を直接供給することで、リセット回路2Bは、電源1の出力電圧と、動作可能電圧V
B及びスタンバイ可能電圧V
Aと、を比較することが可能となり、電源1の電圧に応じた各状態における制御を実行することができる。
【0073】
このように本実施形態によれば、制御用半導体装置10が停止状態及びスタンバイ状態にある場合、スイッチSW1をオフにして、レギュレータ4からの電源ではなく、電源1の電圧をダイオードD1及びD2で被駆動用半導体装置20の駆動電圧まで降圧させた電源を、被駆動用半導体装置20に供給する。従って、制御用半導体装置10が停止状態及びスタンバイ状態にある場合に、レギュレータ4の消費電流を抑制すると共に、レギュレータ4から、被駆動用半導体装置20の駆動電圧を超える起動時電圧が、一時的に被駆動用半導体装置20に供給されることを防止することができる。
【0074】
すなわち、制御用半導体装置10は、複雑な回路構成を備えることなく、異なる駆動電圧を有する制御用半導体装置10及び被駆動用半導体装置20を起動することができる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記の実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。