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特開2016-204334(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-204334(P2016-204334A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 221/00 20060101AFI20161111BHJP
   C07C 223/02 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   C07C221/00
   C07C223/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-91381(P2015-91381)
(22)【出願日】2015年4月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小礒 尚之
(72)【発明者】
【氏名】古川 泰志
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC45
4H006AC52
4H006BC40
4H006BJ50
4H006BQ30
4H006BU38
(57)【要約】
【課題】反応系中の一部をサンプリング採取し定量分析することが可能な(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法を提供する。
【解決手段】(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)とを反応させることで、得られる1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)を定量分析することにより、アミノメチルアリールアルカリ金属塩(1)の純度を測定する。
【化1】

(式中、R及びRは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を、Mはアルカリ金属原子を示す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】
(式中、R及びRは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を、Mはアルカリ金属原子を示す。)で表されるアミノメチルアリールアルカリ金属塩と一般式(2)
【化2】
(R、R及びRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表されるアミド化合物とブレンステット酸を反応させることで、得られる一般式(3)
【化3】
(式中、R、R及びRは一般式(1)及び(2)のR、R及びRと同義である。)で表される1−カルボニル−2−アミノメチルベンゼンを定量分析することにより、一般式(1)で表されるアミノメチルアリールアルカリ金属塩の純度を測定することを特徴とするアミノメチルアリールアルカリ金属塩の定量分析方法
【請求項2】
、R、R、R及びRが水素原子又はメチル基である請求項1に記載のアミノメチルアリールアルカリ金属塩の定量分析方法
【請求項3】
、R、R及びRがメチル基、Rが水素原子である請求項1又は2に記載の(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法
【請求項4】
Mがリチウム、ナトリウムまたはカリウムである請求項1〜3のいずれかに記載の(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法
【請求項5】
Mがリチウムである請求項1〜4のいずれかに記載の(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法
【請求項6】
測定方法としてガスクロマトグラフィーを用いる請求項1〜5のいずれかに記載の(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(アミノメチル)フェニル基は医薬中間体、染料、界面活性材、半導体前駆体の部分構造に広く用いられ、その合成中間体の(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩は工業的に重要である。しかし(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩は(アミノメチル)ベンゼンなどの不純物を有し、続く工程での収率低下を引き起こす。(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩は空気中の水と速やかに反応して分解するために、分析の前に誘導体化処理等の作業が必要となる。
【0003】
非特許文献1には、(N,N−ジアルキルアミノメチル)ベンゼンとブチルリチウムより(N,N−ジアルキルアミノメチル)アリールリチウムが製造でき、次いでトリメチルシリルクロライドとを反応させる方法により、1−トリメチルシリル−2−(N,N−ジアルキルアミノ)ベンゼンを製造し、ガスクロマトグラフィー分析により定量分析する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Organometallics、32巻、1674ページ(2013年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載の(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法は、(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩に対し、過剰量のトリメチルシリルクロライドを加えると副反応が生じ、測定の誤差が大きくなる点で好ましいとは言い難く、特に反応系中の一部をサンプリング採取し定量化する分析は困難である。本発明は反応系中の一部をサンプリング採取し定量分析することが可能な(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩の定量分析方法の開発である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩とアミド化合物とを反応させる方法により、1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼンを製造し、定量分析できる方法を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、一般式(1)
【0007】
【化1】
(式中、R及びRは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を、Mはアルカリ金属原子を示す。)で表される(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩と一般式(2)
【0008】
【化2】
(R、R及びRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表されるアミド化合物とブレンステット酸を反応させることで、得られる一般式(3)
【0009】
【化3】
(式中、R、R及びRは一般式(1)及び(2)のR、R及びRと同義である。)で表される1−カルボニル−2−アミノメチルベンゼンを定量分析することにより、一般式(1)で表されるアミノメチルアリールアルカリ金属塩の純度を測定することを特徴とするアミノメチルアリールアルカリ金属塩の定量分析方法。
【0010】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0011】
まず一般式(1)中のR及びRの定義について詳しく説明する。R及びRは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基のいずれでも良く、炭素数1〜3のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基などを例示することが出来る。これらの中でも安価である点でメチル基であることが更に好ましい。
【0012】
次に一般式(1)中のMの定義について詳しく説明する。Mで表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフランシウムを挙げることが出来る。安価である点で、Mはリチウム、ナトリウムおよびカリウムであることが更に好ましく、リチウムであることが更に好ましい。
【0013】
(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)の例としては、[2−(アミノメチル)フェニル]リチウム(2−NHCH)Li、[2−(アミノメチル)フェニル]ナトリウム(2−NHCH)Na、[2−(アミノメチル)フェニル]カリウム(2−NHCH)K、(2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−Me(H)NCH)Li、(2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル)ナトリウム(2−Me(H)NCH)Na、(2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル)カリウム(2−Me(H)NCH)K、(2−[(エチルアミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−Et(H)NCH)Li、(2−[(エチルアミノ)メチル]フェニル)ナトリウム(2−Et(H)NCH)Na、(2−[(エチルアミノ)メチル]フェニル)カリウム(2−Et(H)NCH)K、(2−[(プロピルアミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−Pr(H)NCH)Li、(2−[(プロピルアミノ)メチル]フェニル)ナトリウム(2−Pr(H)NCH)Na、(2−[(プロピルアミノ)メチル]フェニル)カリウム(2−Pr(H)NCH)K、(2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−MeNCH)Li、(2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)ナトリウム(2−MeNCH)Na、(2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)カリウム(2−MeNCH)K、[(エチル(メチル)アミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−Et(Me)NCH)Li、(2−[(エチル(メチル)アミノ)メチル]フェニル)ナトリウム(2−Et(Me)NCH)Na、(2−[(エチル(メチル)アミノ)メチル]フェニル)カリウム(2−Et(Me)NCH)K、(2−[(メチル(プロピル)アミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−Pr(Me)NCH)Li、(2−[(メチル(プロピル)アミノ)メチル]フェニル)ナトリウム(2−Pr(Me)NCH)Na、(2−[(メチル(プロピル)アミノ)メチル]フェニル)カリウム(2−Pr(Me)NCH)K、(2−[(ジエチルアミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−EtNCH)Li)、(2−[(ジエチルアミノ)メチル]フェニル)ナトリウム((2−EtNCH)Na、(2−[(ジエチルアミノ)メチル]フェニル)カリウム((2−EtNCH)K、(2−[(ジプロピルアミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−PrNCH)Li(2−[(ジプロピルアミノ)メチル]フェニル)ナトリウム(2−PrNCH)Na、(2−[(ジプロピルアミノ)メチル]フェニル)カリウム(2−PrNCH)Kなどを挙げることが出来る。安価である点で、2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)リチウム(2−MeNCH)Li、(2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)ナトリウム(2−MeNCH)Na、(2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)カリウム(2−MeNCH)Kが好ましい。
【0014】
次に一般式(2)中のR、R及びRの定義について詳しく説明する。R、R及びRは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基のいずれでも良く、炭素数1〜3のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基などを例示することが出来る。これらの中でも安価である点で、R、R及びRは水素原子またはメチル基であることが好ましい。
【0015】
アミド化合物(2)の例としてはホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N、N−ジエチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N、N−ジプロピルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N、N−ジエチルアセトアミド、N−プロピルアセトアミド、N、N−ジプロピルアセトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプロピオンアミド、N、N−ジメチルプロピオンアミド、N−エチルプロピオンアミド、N、N−ジエチルプロピオンアミド、N−プロピルプロピオンアミド、N、N−ジプロピルプロピオンアミド、ブチルアミド、N−メチルブチルアミド、N、N−ジメチルブチルアミド、N−エチルブチルアミド、N、N−ジエチルブチルアミド、N−プロピルブチルアミド、N、N−ジプロピルブチルアミドなどを挙げることが出来る。安価である点で、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミドが好ましく、N、N−ジメチルホルムアミドが更に好ましい。
【0016】
(1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)の例としては、1−ホルミル−2−(アミノメチル)ベンゼン(1−COH−2−NHCH)、1−アセト−2−(アミノメチル)ベンゼン(1−COMe−2−NHNCH)、1−プロピオニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(1−COEt−2−NHNCH)、1−ホルミル−2−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−Me(H)NCH)、1−アセト−2−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COMe−2−Me(H)NCH)、1−プロピオニル−2−[(メチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COEt−2−Me(H)NCH)、1−ホルミル−2−[(エチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−Et(H)NCH)、1−アセト−2−[(エチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COMe−2−Et(H)NCH)、1−プロピオニル−2−[(エチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COEt−2−Et(H)NCH)、1−ホルミル−2−[(プロピルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−Pr(H)NCH)、1−アセト−2−[(プロピルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COMe−2−Pr(H)NCH)、1−プロピオニル−2−[(プロピルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COEt−2−Pr(H)NCH)、1−ホルミル−2−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−MeNCH)、1−アセト−2−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COMe−2−MeNCH)、1−プロピオニル−2−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COEt−2−MeNCH)、1−ホルミル−[(エチル(メチル)アミノ)メチル]ベンゼン[1−COH−2−Et(Me)NCH]、1−アセチル−2−[(エチル(メチル)アミノ)メチル]ベンゼン[1−COMe−2−Et(Me)NCH]、1−プロピオニル−2−(エチル(メチル)アミノ)メチルベンゼン[1−COEt−2−Et(Me)NCH]、1−ホルミル−2−(メチル(プロピル)アミノ)メチルベンゼン[1−COH−2−Pr(Me)NCH]、1−アセチル−2−[(メチル(プロピル)アミノ)メチル]ベンゼン[1−COMe−2−Pr(Me)NCH]、1−プロピオニル−2−[(メチル(プロピル)アミノ)メチル]ベンゼン[1−COEt−2−Pr(Me)NCH]、1−ホルミル−2−[(イソプロピル(メチル)アミノ)メチル]ベンゼン[1−COH−2−Pr(Me)NCH]、1−アセチル−2−[(イソプロピル(メチル)アミノ)メチル]ベンゼン[1−COMe−2−Pr(Me)NCH]、1−プロピオニル−2−[(イソプロピル(メチル)アミノ)メチル]ベンゼン[1−COEt−2−Pr(Me)NCH]、1−ホルミル−2−[(ジエチルアミノ)メチル]ベンゼン[1−COH−2−EtNCH)]、1−アセチル−2−[(ジエチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COMe−2−EtNCH)、1−プロピオニル−2−(ジエチルアミノ)メチルベンゼン(1−COEt−2−EtNCH)、1−ホルミル−2−[(ジプロピルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−PrNCH)、1−アセチル−2−[(ジプロピルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COMe−2−PrNCH、1−プロピオニル−2−[(ジプロピルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COEt−2−PrNCH)などを挙げることが出来る。安価である点で、1−ホルミル−2−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−MeNCH)、1−アセト−2−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COMe−2−MeNCH)が好ましい。
【0017】
次に(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)との反応により1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)が製造される際の反応条件に関して詳しく説明する。収率が良い点で、(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)を1.0:10000〜1.0:1.0のモル比で反応させるのが好ましく、1.0:100〜1.0:10のモル比で反応させるのが更に好ましい。
【0018】
本発明においては(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)を正確に秤量する必要はなく、(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)の含有液を過剰量のアミド化合物(2)に添加することで1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)を製造してもよい。
【0019】
(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)との反応により1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)が製造される際には使用可能な溶媒としては、使用可能な溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、シクロペンチルエチルエーテル(CPEE)などのジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどの環状エーテル、ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)、1,4−ジメトキシブタンなどのジエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのオリゴエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどのオリゴエーテルを例示することが出来、これらを単独で用いても良く、複数の有機溶媒を任意の比率で混合して用いても良い。1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)の収率が良い点で、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素が好ましく、これら芳香族炭化水素にペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素を混合して用いるのも好ましい。
【0020】
(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)との反応により1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)が製造される際の反応温度及び反応時間について説明する。−80〜120℃の範囲から適宜選択された温度において、1分間〜120時間の範囲から適宜選択された時間をかけて(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)を反応させるのが1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)の収率が良い点で好ましく、−15〜80℃の範囲及び1分間〜30分間の範囲から適宜選択された条件で反応させるのが更に好ましい。
【0021】
(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)との反応により1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)が製造される際は、収率が良い点で不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。用いることが出来る不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどを例示することが出来る。安価な点で窒素又はアルゴンが好ましい。
【0022】
(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)との反応の後、1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)が製造される際は、ブレンステット酸を加える。用いることが出来るブレンステット酸は水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコールなどを例示することが出来る。安価な点で水が好ましい。
【0023】
ブレンステット酸を加える際はアミド化合物(2)に対しブレンステット酸を1.0:100〜100:1.0の体積比で反応させるのが好ましく、1.0:10〜10:1.0の体積比で反応させるのが更に好ましい。
【0024】
ブレンステット酸を加える際は0〜100℃の範囲から適宜選択された温度において、1分間〜120時間の範囲から適宜選択された時間をかけて反応させるのが1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)の収率が良い点で好ましく、0〜25℃の範囲及び1分間〜30分間の範囲から適宜選択された条件で反応させるのが更に好ましい。
【0025】
本発明では(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)との反応により調製される溶液から1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)を定量分析する。測定方法は分光化学的手法、電気化学的手法、分離分析的手法等を挙げることができる。分光化学的手法としては吸光光度分析法、紫外分光分析法、赤外分光分析法、X線分析法、核磁気共鳴吸収法等が挙げられる。電気化学的手法としては電位差分析法、電量分析法、サイクリックボルタモグラム分析法等が挙げられる。分離分析的手法としてはガスクロマトグラフ分析法、液体クロマトグラフ分析法等が挙げられる。これらの中で分離分析的手法として行われるクロマトグラフィー測定により定量を行うことが好ましく、ガスクロマトグラフィー測定により定量を行うことが更に好ましい。
【0026】
ガスクロマトグラフィー測定による定量法は特に限定されず、公知の方法が制限なく使用される。一般に知られる定量法としては、内部標準法が挙げられ、予め内部標準物質と1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)及び一般式(1)で表されるアミノメチルアリールアルカリ金属塩に含まれる代表的な不純物である1−(アミノメチル)ベンゼン(4)のモル比が既知の標準サンプルを数種類分析し、それぞれの検量線を作製する。サンプル分析時は(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)とアミド化合物(2)の混合物にブレンステッド酸を加えた後、正確に秤量した内部標準物質を加えよく撹拌し、ガスクロマトグラフィー測定を行う。測定の結果得られた1−カルボニル−2−(アミノメチル)ベンゼン(3)及び(アミノメチル)ベンゼン(4)と内部標準物質の面積比を算出し、検量線より各成分の物質量を求めることで(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)の定量分析を行う。
【0027】
内部標準物質としては、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素を挙げることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によって、(アミノメチル)アリールアルカリ金属塩(1)を精度良く分析することが出来る。
【実施例】
【0029】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。H NMRスペクトルは、Varian社製VXR−500S NMR Spectrometerを用いて測定した。ガスクロマトグラフィー分析の装置は島津製作所社製GC−2014を、カラムはAgilent Technologies社製DB−5を用いて測定した。
【0030】
参考例1
【0031】
【化4】
Journal of the American Chemical Society、100巻、8068ページ(1978年)に記載の方法に従い(2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)リチウム((2−MeNCH)Li)(A)を得た。
【0032】
実施例1
【0033】
【化5】
アルゴン雰囲気下、参考例1で得た2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)リチウム((2−MeNCH)Li)(A)のヘキサンスラリーを激しく撹拌しながら1mLサンプリング採取し、関東化学社製脱水ジメチルホルムアミド(B)9.5g(10mL、62.1mmol)に加えて10分間激しく撹拌した。得られた反応液に水10mLを加えて10分間激しく撹拌することで1−ホルミル−2−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−MeNCH)(C)の溶液を得て、ドデカン56.0mg(0.33mmol)を加え、ガスクロマトグラフィー用測定サンプルを調製した。
【0034】
得られた測定サンプルをガスクロマトグラフィー分析し、図1、及び図2に示す検量線を使用し内部標準法により(C)と、2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル)リチウムに含まれる代表的な不純物である1−(アミノメチル)ベンゼン(D)の物質量を算出し、(C)の物質量を(C)と(D)の物質量の和で除算することにより(C)の定量分析を行った。同一サンプルに対し、6回の測定を実施したところ(C)の純度が94%であるという結果が再現性良く得られた(図3)。(C)は(A)より定量的に得られるため(A)の純度は94%であることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】実施例1で用いたドデカンを内部標準とした1−ホルミル−2−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−MeNCH)(C)のガスクロマトグラフィー検量線の図である。
図2】実施例1で用いたドデカンを内部標準とした[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(MeNCH)(D)のガスクロマトグラフィー検量線の図である。
図3】実施例1で得られた1−ホルミル−2−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゼン(1−COH−2−MeNCH)(C)の定量分析の結果を示す図である。
図1
図2
図3