特開2016-212935(P2016-212935A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-212935(P2016-212935A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】書込電圧生成回路及びメモリ装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/06 20060101AFI20161118BHJP
   G11C 16/02 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
   G11C17/00 632D
   G11C17/00 611E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-94334(P2015-94334)
(22)【出願日】2015年5月1日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】赤堀 旭
(72)【発明者】
【氏名】松井 克晃
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225CA01
5B225CA12
5B225DB22
5B225EA04
5B225EG08
5B225EG18
5B225EH01
5B225FA02
5B225FA05
(57)【要約】
【目的】装置規模の増大を招くことなく、メモリセルに対して高速にデータの書き込みを行うことが可能となる書込電圧生成回路及びメモリ装置を提供することを目的とする。
【構成】外部電源電圧を受ける電源端子と、外部電源電圧を昇圧して昇圧電圧を生成する昇圧回路と、外部電源電圧及び昇圧電圧のうちの一方を選択し、選択した方の電圧を書込電圧として出力するセレクタと、を有し、当該セレクタは、メモリセルにデータの書き込みを行う書込期間の前期では外部電源電圧を書込電圧として選択する一方、後期では昇圧電圧を書込電圧として選択する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルに印加する書込電圧を生成する書込電圧生成回路であって、
外部電源電圧を受ける電源端子と、
前記外部電源電圧を昇圧して昇圧電圧を生成する昇圧回路と、
前記外部電源電圧及び前記昇圧電圧のうちの一方を選択し、選択した方の電圧を前記書込電圧として出力するセレクタと、を有し、
前記セレクタは、前記メモリセルにデータの書き込みを行う書込期間の前期では前記外部電源電圧を前記書込電圧として選択する一方、前記書込期間の後期では前記昇圧電圧を前記書込電圧として選択することを特徴とする書込電圧生成回路。
【請求項2】
前記書込期間中に前記書込電圧を間欠的に繰り返し前記メモリセルに印加するタイミングを示すパルス系列を含む書込信号を受け、前記書込信号中のパルスの数を計数して計数値を得るカウンタを含み、
前記セレクタは、前記書込期間の先頭から前記計数値が所定数に到るまでの間は前記外部電源電圧を選択する一方、前記計数値が前記所定数に到った後は前記昇圧電圧を前記書込電圧として選択することを特徴とする請求項1記載の書込電圧生成回路。
【請求項3】
前記外部電源電圧の電圧値に対応した周波数を有するパルス系列からなる発振信号を生成し前記発振信号を前記書込信号として生成する電圧制御発振器を含むことを特徴とする請求項2記載の書込電圧生成回路。
【請求項4】
書込電圧をメモリセルに印加することによりデータの書き込みを行うメモリ装置であって、
外部電源電圧を受ける電源端子と、
前記外部電源電圧を昇圧して昇圧電圧を生成する昇圧回路と、
データの書き込みを行う書込期間の前期では前記外部電源電圧を前記書込電圧として前記メモリセルに印加する一方、前記書込期間の後期では前記昇圧電圧を前記書込電圧として前記メモリセルに印加する書込駆動部と、を有することを特徴とするメモリ装置。
【請求項5】
前記書込駆動部は、前記書込期間中において前記書込電圧を間欠的に繰り返し前記メモリセルに印加するタイミングを示すパルス系列を含む書込信号に応じて前記書込電圧を前記メモリセルに印加するデコーダと、前記書込電圧を生成する書込電圧生成回路と、を有し、
前記書込電圧生成回路は、
前記書込期間において前記書込信号中のパルスの数を計数して計数値を得るカウンタと、
前記書込期間の先頭から前記計数値が所定数に到るまでの間は前記外部電源電圧を前記書込電圧として選択する一方、前記計数値が前記所定数に到った後は前記昇圧電圧を前記書込電圧として選択するセレクタと、を含むことを特徴とする請求項4記載のメモリ装置。
【請求項6】
前記外部電源電圧の電圧値に対応した周波数を有するパルス系列からなる発振信号を生成し前記発振信号を前記書込信号として生成する電圧制御発振器を含むことを特徴とする請求項5記載のメモリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリセルに印加する書き込み電圧を生成する書込電圧生成回路及びこの書込電圧生成回路を含むメモリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリは、データの書き込みを行う為の書込電圧として高電圧(数ボルト〜20ボルト)を必要とする。そこで、不揮発性メモリでは、外部から供給された比較的低電圧の電源電圧を、チャージポンプ回路等の昇圧回路にて昇圧させることにより、メモリセルに印加する書込電圧を生成するようにしている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−17567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、メモリセルへの書き込み、特に電荷蓄積がゼロの状態にあるメモリセルに対して高速な書き込みを行う為には、昇圧回路には大電流供給能力が要求される。
【0005】
しかしながら、昇圧回路を大電流出力型にすると当該昇圧回路のチップ占有面積が大きくなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、装置規模の増大を招くことなく、メモリセルに対して高速にデータの書き込みを行うことが可能となる書込電圧生成回路及びメモリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る書込電圧生成回路は、メモリセルに印加する書込電圧を生成する書込電圧生成回路であって、外部電源電圧を受ける電源端子と、前記外部電源電圧を昇圧して昇圧電圧を生成する昇圧回路と、前記外部電源電圧及び前記昇圧電圧のうちの一方を選択し、選択した方の電圧を前記書込電圧として出力するセレクタと、を有し、前記セレクタは、前記メモリセルにデータの書き込みを行う書込期間の前期では前記外部電源電圧を前記書込電圧として選択する一方、前記書込期間の後期では前記昇圧電圧を前記書込電圧として選択する。
【0008】
また、本発明に係るメモリ装置は、書込電圧をメモリセルに印加することによりデータの書き込みを行うメモリ装置であって、外部電源電圧を受ける電源端子と、前記外部電源電圧を昇圧して昇圧電圧を生成する昇圧回路と、データの書き込みを行う書込期間の前期では前記外部電源電圧を前記書込電圧として前記メモリセルに印加する一方、前記書込期間の後期では前記昇圧電圧を前記書込電圧として前記メモリセルに印加する書込駆動部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、メモリセル内の蓄積電荷量が少ない書込期間の前期では、比較的大きな電流を供給可能な外部電源から供給された外部電源電圧を、書込電圧としてメモリセルに印加することにより、迅速にメモリセル内に電荷を注入して行く。これにより、書込期間の前期においてメモリセル内には所望量の電荷が蓄積される。そして、書込期間の後期では、外部電源電圧に代えて、この外部電源電圧を昇圧して得た昇圧電圧を、書込電圧としてメモリセルに印加する。これにより、昇圧回路として、電流供給能力が低い小電流出力型のものを採用することが可能となり、昇圧回路のチップ占有面積の縮小化が図られる。
【0010】
よって、本発明によれば、装置規模の増大を招くことなく高速な書き込みを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る書込電圧生成回路20を含む半導体メモリ100の概略構成を示すブロック図である。
図2】制御部103及び書込電圧生成回路20の動作の一例を示すタイムチャートである。
図3】書込電圧生成回路20の内部構成の一例を示す回路図である。
図4】書込電圧と書込時間との対応関係を表す図である。
図5】書込電圧生成回路20の内部構成の他の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る書込電圧生成回路を含む半導体メモリ100の概略構成を示すブロック図である。
【0014】
図1において、メモリセルアレイ101には、列方向に配列された複数のビット線BL1〜BLm(mは2以上の整数)及びこれと交叉して行方向に配列された複数のワード線WL1〜WLn(nは2以上の整数)が設けられている。ビット線BL及びワード線WLによる各交叉部にはメモリセル10が設けられている。
【0015】
メモリセル10は、例えばnチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)から構成されている。各メモリセル10において、MOSFETのドレイン端子及びソース端子は、互いに隣接するビット線BLに接続されている。
【0016】
かかる構成により、メモリセル10の各々は、ワード線WLを介してそのゲート端子に印加された電圧、及び一対のビット線BLを介してドレイン端子及びソース端各々に印加された電圧に応じて、2値又は多値のデータの書き込み及び読み出しを行う。
【0017】
ロウデコーダ102は、制御部103から供給された制御信号に基づいて、メモリセルアレイ101のワード線WL1〜WLnに選択電圧VSLを印加する。
【0018】
カラムデコーダ104は、制御部103から供給された制御信号に基づいて、メモリセルアレイ101のビット線BL1〜BLmに接地電位、読出電圧VRD又は書込電圧VWRを印加する。
【0019】
制御部103は、データ読出時には、アドレスADにて示される番地に対応したワード線WLに選択電圧VSLを印加させる為の制御信号をロウデコーダ102に供給する。更に、この間、制御部103は、接地電位又は読出電圧VRDをビット線BL1〜BLmに印加させる為の制御信号をカラムデコーダ104に供給する(読出制御)。かかる読出制御により、メモリセル10は、自身に蓄積されている電荷に応じた電流をビット線BL上に送出する。この際、カラムデコーダ104は、ビット線BL上に送出された電流値を表す読出電流値を制御部103に供給する。制御部103は、当該読出電流値に基づいてデータの値を判定し、その値を示す読出データを出力する。
【0020】
また、制御部103は、データ書込時には、外部から供給された書込データに応じて、以下のベリファイ書込制御を実行する。
【0021】
すなわち、制御部103は、アドレスADにて示される番地に対応したワード線WLに選択電圧VSLを印加させる制御信号をロウデコーダ102に供給する。この間、制御部103は、図2に示すように、アドレスADにて示される1つの番地に対して繰り返し書込電圧VWRを印加させる為のパルス列を有する書込信号WRを生成し、これをカラムデコーダ104及び電源部200に供給しつつ、上記した読出制御を繰り返し実行する。
【0022】
当該ベリファイ書込制御により、カラムデコーダ104は、図2に示す書込信号WRにおける各パルスに同期させて書込電圧VWRを、間欠的に繰り返しビット線BLを介してメモリセル10の各々に印加する。よって、各メモリセル10には、書込電圧VWRが印加される度に電荷が注入され、当該電荷が徐々に蓄積されて行く。この際、上記した読出制御により、カラムデコーダ104は、メモリセル10から送出された読出電流値を制御部103に供給する。制御部103は、当該読出電流値が書込データに対応した値に到達したか否かを判定し、読出電流値が書込データに対応した値に到達したら、カラムデコーダ104及び電源部200への書込信号WRの供給を停止する。
【0023】
尚、制御部103は、1つの番地に対して繰り返し書込電圧VWRを印加している間、つまり図2に示す書込期間WRTの間は論理レベル1の状態となり、他の期間は論理レベル0の状態となる書込期間信号WPを電源部200に供給する。
【0024】
電源部200は、外部電源(図示せぬ)から供給された外部電源電圧VCCを電源端子105を介して受け、当該外部電源電圧VCCに基づき、制御部103を動作させる為の内部電源電圧を生成する。電源部200は、この内部電源電圧を制御部103に供給する。また、電源部200は、電源端子105を介して受けた外部電源電圧VCCに基づきこの外部電源電圧VCCよりも高い電圧値を有する上記選択電圧VSLを生成し、これをロウデコーダ102に供給する。更に、電源部200は、電源端子105を介して受けた外部電源電圧VCCに基づき、この外部電源電圧VCCよりも高い電圧値を有する上記読出電圧VRDを生成し、これをカラムデコーダ104に供給する。
【0025】
尚、電源部200は、電源端子105を介して受けた外部電源電圧VCCに基づき上記書込電圧VWRを生成する書込電圧生成回路20を含む。
【0026】
図3は、書込電圧生成回路20の内部構成の一例を示す回路図である。図3において、前縁検出回路21は、図2に示すように、書込期間信号WPにて示される書込期間WRTの先頭部を検出した場合に所定期間だけ論理レベル1の状態となる1パルスの前縁検出信号FEを生成し、これをカウンタ22のリセット端子Rに供給する。カウンタ22のクロック端子には書込信号WRが供給されており、そのイネーブル端子Eには書込期間信号WPが供給されている。
【0027】
カウンタ22は、図2に示すように、論理レベル1の前縁検出信号FEに応じて現在の計数値をゼロに初期化した後、書込期間信号WPが論理レベル1の状態にある期間中、つまり書込期間WRTに亘り、書込信号WRにおけるパルスの数を計数する。カウンタ22は、現時点での計数値が最大値N(Nは2以上の整数)に到達したときに、論理レベル0から論理レベル1に遷移するキャリアウト信号COをJKフリップフロップ23(以下、JKFF23と称する)の端子Jに供給する。
【0028】
後縁検出回路24は、図2に示すように、書込期間信号WPにて示される書込期間WRTの後尾部を検出した場合に所定期間だけ論理レベル1の状態となる1パルスの後縁検出信号REを生成し、これをJKFF23の端子Kに供給する。
【0029】
JKFF23は、電源投入直後は論理レベル0の選択信号SEを生成しこれをセレクタ25に供給する。その後、図2に示すように、論理レベル1のキャリアウト信号COが端子Jに供給されると、JKFF23はセット状態に設定され、論理レベル1の選択信号SEをセレクタ25に供給しつづける。その後、端子Kに論理レベル1の後縁検出信号REが供給された場合に、JKFF23はリセット状態に設定され、論理レベル0の選択信号SEをセレクタ25に供給しつづける。
【0030】
昇圧回路26は、例えばチャージポンプ回路等からなり、外部電源電圧VCCを昇圧することにより、当該外部電源電圧VCCよりも高電圧であり且つ書込電圧として最適な電圧値を有する昇圧電圧VBを生成し、これをセレクタ25に供給する。
【0031】
セレクタ25は、昇圧電圧VB及び外部電源電圧VCCのうちから、選択信号SEにて示される方を選択し、選択した方の電圧を上記した書込電圧VWRとしてカラムデコード104に供給する。すなわち、セレクタ25は、図2に示すように選択信号SEが論理レベル0の状態にある間は、外部電源電圧VCCを選択し、この外部電源電圧VCCを書込電圧VWRとしてカラムデコード104に供給する。よって、この際、カラムデコード104は、外部電源電圧VCCと同一電圧値を有する書込電圧VWRを、図2に示す書込信号WRの各パルスに同期させて間欠的に繰り返し、ビット線BLを介してメモリセル10の各々に印加する。
【0032】
一方、選択信号SEが論理レベル1にある間は、セレクタ25は、昇圧電圧VBを選択し、この昇圧電圧VBを書込電圧VWRとしてカラムデコード104に供給する。よって、この際、カラムデコード104は、昇圧電圧VBと同一電圧値を有する書込電圧VWRを、図2に示す書込信号WRの各パルスに同期させて間欠的に繰り返し、ビット線BLを介してメモリセル10の各々に印加する。
【0033】
上記した構成により、書込電圧生成回路20は、図2に示す書込期間WRTの前期FTでは外部電源電圧VCCを書込電圧VWRとしてカラムデコード104に供給する。そして、当該書込期間WRTの後期LTでは、書込電圧生成回路20は、昇圧回路26によって外部電源電圧VCCを昇圧して得られた昇圧電圧VBを書込電圧VWRとしてカラムデコード104に供給する。これにより、書込期間WRTの前期FTでは、外部電源電圧VCCが書込電圧VWRとしてメモリセル10に印加される。そして、書込期間WRTの後期LTでは、当該外部電源電圧VCCよりも高く且つ書込電圧として適正な電圧値を有する昇圧電圧VBが書込電圧VWRとしてメモリセル10に印加される。
【0034】
ここで、書込電圧VWRをメモリセル10に印加した際にメモリセル10に送出される電流(書込電流と称する)の量は、メモリセル10内の蓄積電荷量が少ないほど大きくなる。つまり、書込期間WRTの前期FTでは、後期LTに比べてメモリセル10内の蓄積電荷量が少ないので、書込電流が大となる。言い換えると、書込期間WRTの後期LTでは、前期FTに比べて書込電流が小となる。
【0035】
そこで、書込電圧生成回路20は、書込期間WRTの前期FTでは、比較的大きな電流を流すことが可能な外部電源から供給された外部電源電圧VCCを書込電圧VWRとしてカラムデコード104に供給する。この際、外部電源電圧VCCは、書込電圧としての適正な電圧値よりも低電圧である。しかしながら、外部電源は、メモリセル10に対して比較的大なる電流を用いた電荷注入を行うことができるので、当該メモリセル10内に迅速に電荷を蓄積させることが可能となる。そして、書込期間WRTの後期LTにおいて、書込電圧生成回路20は、外部電源電圧VCCに代えて、昇圧回路26にて生成された、書込に最適な電圧値を有する昇圧電圧VBを書込電圧VWRとして設定する。この際、書込期間WRTの後期LTの直前の時点では、上記した外部電源電圧VCCに基づく電荷注入により、所望量の電荷がメモリセル10内に蓄積されている。これにより、昇圧回路26として、電流供給能力が低い小電流出力型のものを採用することが可能となり、昇圧回路26のチップ占有面積の縮小化が図られる。
【0036】
よって、書込電圧生成回路20によれば、装置規模の増大を招くことなく高速にデータの書き込みを行うことが可能となる。
【0037】
尚、外部電源から供給される外部電源電圧VCCの電圧値は固定化されたものではなく、電源部200が許容する動作保証範囲内の電圧値であれば良い。この際、図4に示すように、書込電圧VWRはその電圧値が低くなるほど、書込に費やされる時間が長くなる。よって、当該動作保証範囲内の最小の電圧値を有する外部電源電圧VCCが電源部200に供給されている場合には、書込期間WRTの前期FT内で所望量の電荷を蓄積させることができなくなる虞がある。
【0038】
そこで、外部電源電圧VCCの電圧値に基づき、前期FTの期間長を変更するようにしても良い。
【0039】
図5は、かかる点に鑑みて為された書込電圧生成回路20の内部構成の他の一例を示す回路図である。尚、図5に示す書込電圧生成回路20では、カウンタ22の前段に電圧制御発振器であるVCO(Voltage controlled Oscillator)31と、セレクタ32とを設けた点を除く他の構成は、図3に示すものと同一である。
【0040】
図5において、VCO31は、外部電源電圧VCCの電圧値に対応した周波数を有する2値の発振信号を生成し、これを書込信号WRVとしてセレクタ32に供給する。
【0041】
セレクタ32は、上記した書込信号WR及びWRVのうちから、制御部103から供給された選択信号SWRにて示される方を選択し、選択した方の書込信号をカウンタ22のクロック端子に供給する。この際、選択信号SWRが書込信号WRを示す場合、図5に示す構成を有する書込電圧生成回路20は図3に示す構成と同一の動作、つまり図2に示される動作を行う。
【0042】
一方、選択信号SWRが書込信号WRVを示す場合、書込電圧生成回路20は、基本的には図2に示す動作を行うものの、外部電源電圧VCCの電圧値が低い場合には高い場合に比して、図2に示す書込信号WRにおけるパルス周期TWを長くすることにより、前期FTの期間長を長くする。
【0043】
これにより、外部電源電圧VCCの電圧値に拘わらず、書込期間WRTの後期LTの直前までに、メモリセル10内の蓄積電荷量を所望量に到らせることが可能となる。
【0044】
要するに、書込電圧生成回路20としては、電源端子(105)を介して受けた外部電源電圧(VCC)を昇圧して昇圧電圧(VB)を生成する昇圧回路(26)と、以下のセレクタ(25)とにより、メモリセル(10)に印加する書込電圧(VWR)を生成するものであれば良いのである。尚、セレクタは、電源端子を介して受けた外部電源電圧及び昇圧電圧のうちの一方を選択し、選択した方の電圧を書込電圧として出力するにあたり、メモリセルにデータの書き込みを行う書込期間の前期では外部電源電圧を書込電圧として選択する一方、書込期間の後期では昇圧電圧を書込電圧として選択する。
【符号の説明】
【0045】
10 メモリセル
20 書込電圧生成回路
22 カウンタ
25 セレクタ
26 昇圧回路
104 カラムデコーダ
105 電源端子
200 電源部
図1
図2
図3
図4
図5