【解決手段】吸収性物品の製造方法である。前記吸収性物品は、完成前の状態において、液体を吸収する吸収性本体と、前記吸収性本体に重ね合わせられつつ、前記吸収性本体の長手方向と交差する幅方向に並んで配された一対のベルト部材と、を有する。前記一対のベルト部材は、それぞれ脚回り開口部を有する。前記ベルト部材を形成するための前記長手方向に連続した基材シートであって、前記幅方向の一部に補強シートが重ね合わせられて固定された前記基材シートを、前記長手方向を搬送方向として搬送することと、前記補強シートが固定された前記基材シートに対して、前記補強シートと前記基材シートとを貫通する複数の前記脚回り開口部を前記長手方向に並べて形成することと、を有する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
吸収性物品の製造方法であって、
前記吸収性物品は、完成前の状態において、液体を吸収する吸収性本体と、前記吸収性本体に重ね合わせられつつ、前記吸収性本体の長手方向と交差する幅方向に並んで配された一対のベルト部材と、を有し、
前記一対のベルト部材は、それぞれ脚回り開口部を有し、
前記ベルト部材を形成するための前記長手方向に連続した基材シートであって、前記幅方向の一部に補強シートが重ね合わせられて固定された前記基材シートを、前記長手方向を搬送方向として搬送することと、
前記補強シートが固定された前記基材シートに対して、前記補強シートと前記基材シートとを貫通する複数の前記脚回り開口部を前記長手方向に並べて形成することと、を有することを特徴とする吸収性物品の製造方法である。
【0012】
このような吸収性物品の製造方法によれば、基材シートに補強シートを重ね合わせて固定した状態で、これら両シートを貫通するように脚回り開口部を形成する。よって、脚回り開口部の周縁部を補強シートで補強することができる。そして、これにより、脚回り開口部での破断を防止し得る吸収性物品を製造可能となる。
また、補強シートを基材シートにおける上記幅方向の一部に設けているので、当該幅方向の全域に亘って同補強シートを設ける場合と比べてコスト削減を図れて、その結果、上記の吸収性物品を廉価に製造可能となる。
更に、脚回り開口部を形成する際には、補強シートによって基材シートの変形が抑制される。よって、基材シートに脚回り開口部を円滑に貫通形成可能となる。
【0013】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記形成することにおいては、前記補強シートに収まるように前記脚回り開口部が形成されるのが望ましい。
【0014】
このような吸収性物品の製造方法によれば、補強シートに収まるように脚回り開口部が形成されるので、脚回り開口部の周縁部を全周に亘って補強シートで補強することができる。そして、これにより、脚回り開口部での破断を確実に防ぐことができる。
【0015】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記補強シートは、前記長手方向に伸縮性を有したシートであり、
前記補強シートは、前記長手方向に伸長した状態で前記基材シートに固定されているのが望ましい。
【0016】
このような吸収性物品の製造方法によれば、補強シートの伸縮性に基づいて脚回り開口部にギャザーを形成することができる。そして、これにより、脚回り開口部のフィット性を良好にできるとともに、脚回り開口部からの尿等の排泄物の漏出を有効に防ぐことができる。
【0017】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記基材シートは、互いに重なり合う第1シートと第2シートとを有し、
前記第1シートと前記第2シートとは、前記補強シートよりも前記長手方向の伸長性が低いシートであり、
前記補強シートは、前記第1シートと前記第2シートとの間に介挿されているのが望ましい。
【0018】
このような吸収性物品の製造方法によれば、脚回り開口部を貫通形成する際には、補強シートの伸縮性に起因して同シートが変形し易いことから、当該補強シートに脚回り開口部を貫通形成するのは難しいが、ここで、かかる補強シートは、基材シートが具備する第1シートと第2シートとの間に介挿されているとともに、これら第1シート及び第2シートは、共に補強シートよりも伸長性が低い。よって、補強シートに脚回り開口部を貫通形成する際の同シートの変形を、これら第1シート及び第2シートでもって補強シートの厚さ方向の両側から規制することができる。そして、その結果、補強シートに脚回り開口部を円滑に貫通形成可能となる。
【0019】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記形成することにおいては、前記補強シートには、前記長手方向に沿った糸状弾性部材の連続体が前記長手方向に伸長された状態で重ね合わせられて固定されているのが望ましい。
【0020】
このような吸収性物品の製造方法によれば、上記糸状弾性部材の連続体は上記の長手方向に伸長された状態で補強シートに固定されているので、ギャザーを脚回り開口部に確実に形成可能となる。
また、脚回り開口部を基材シート及び補強シートに貫通形成する際には、上記の糸状弾性部材の連続体から補強シートには長手方向に沿った引っ張り力が作用し得る。よって、脚回り開口部を形成する際の補強シートの姿勢を安定化することができて、その結果、脚回り開口部を安定して貫通形成可能となる。
【0021】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記補強シートに重ね合わせられて固定された前記糸状弾性部材の連続体は、前記補強シートにおける前記脚回り開口部の形成対象部分の前記幅方向の両側の各位置にそれぞれ配置されているのが望ましい。
【0022】
このような吸収性物品の製造方法によれば、上記の糸状弾性部材の連続体は、補強シートにおける脚回り開口部の形成対象部分の上記幅方向の両側の各位置にそれぞれ配置されている。よって、上記の補強シートの姿勢の安定化作用を確実に奏することができる。
【0023】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
複数の前記吸収性本体が前記長手方向に連続してなる吸収性本体の連続体と前記基材シートとを重ね合わせた状態に固定すべく、前記吸収性本体の連続体と前記基材シートとを挟圧して圧着部を形成することを有し、
前記重ね合わせた状態においては、前記基材シートは、前記吸収性本体の連続体よりも前記幅方向の外側に突出した部分を有するとともに、前記突出した部分には、前記補強シートが位置しており、
前記圧着部を形成することにおいては、前記基材シートにおける前記突出した部分と前記補強シートとを挟圧して圧着部を形成するのが望ましい。
【0024】
このような吸収性物品の製造方法によれば、上記突出した部分では、当該部分と補強シートとが挟圧されて圧着部が形成される。よって、当該突出した部分においても圧着される部材量を多く確保することができて、これにより、突出した部分での圧着部の強度低下を防ぐことができる。
【0025】
かかる吸収性物品の製造方法であって、
前記搬送することと前記圧着部を形成することとの間では、前記基材シートに設定された折り返し線で前記基材シートを前記幅方向に折り返すことを行い、
前記圧着部を形成することにおいては、前記折り返し線で折り返された前記基材シートが、前記吸収性本体の連続体に重ね合わせられた状態で前記圧着部を形成し、
前記搬送することにおいては、前記補強シートのうちで前記折り返し線よりも前記幅方向の一方側に位置する部分の寸法と、他方側に位置する部分の寸法とが互いに異なるように前記補強シートが前記基材シートに重ね合わせられて固定されているのが望ましい。
【0026】
このような吸収性物品の製造方法によれば、補強シートのうちで折り返し線よりも上記幅方向の一方側に位置する部分と他方側に位置する部分との間の上記幅方向の寸法差に基づいて、基材シートを折り返し線で折り返した状態におけるシートの積層枚数を上記幅方向の位置に応じて段階的に変化させることができる。よって、積層枚数が過大に変化した部分に上記圧着部を形成した場合に起こり得るベルト部材の破損等の不具合を有効に防ぐことができる。
【0027】
また、
吸収性物品の製造装置であって、
前記吸収性物品は、完成前の状態において、液体を吸収する吸収性本体と、前記吸収性本体に重ね合わせられつつ、前記吸収性本体の長手方向と交差する幅方向に並んで配された一対のベルト部材と、を有し、
前記一対のベルト部材は、それぞれ脚回り開口部を有し、
前記ベルト部材を形成するための前記長手方向に連続した基材シートであって、前記幅方向の一部に補強シートが重ね合わせられて固定された前記基材シートを、前記長手方向を搬送方向として搬送する搬送装置と、
前記補強シートが固定された前記基材シートに対して、前記補強シートと前記基材シートとを貫通する複数の前記脚回り開口部を前記長手方向に並べて形成する形成装置と、を有することを特徴とする吸収性物品の製造装置である。
【0028】
このような吸収性物品の製造装置によれば、前述した製造方法の場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0029】
===第1実施形態===
第1実施形態の吸収性物品の製造方法及び製造装置は、例えば、吸収性物品の一例としての使い捨ておむつ1の製造ラインで使用される。
図2は、同おむつ1の一例としてのパンツ型おむつ1を腹側から見た概略正面図である。
図3は、完成前の状態たる延板状態のおむつ1をベルト部材30側から見た概略平面図であり、
図4は、同おむつ1を吸収性本体10側から見た概略平面図である。また、
図5は、
図3中のV−V断面図である。
【0030】
このおむつ1は、製造工程の最終段階において
図3のような平坦に延びた延板状態(完成前の状態に相当)になっている。詳しくは、先ず、着用対象者の股間に配されるべき吸収性本体10は、互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有したシート状部材であり、長手方向の各端部10eLa,10eLbがそれぞれ略V字形の先細り形状となっている。また、着用対象者の主に胴回り部に配されるべき一対のベルト部材30,30は、吸収性本体10の肌側面に重ね合わせられつつ、吸収性本体10の長手方向と交差する上記幅方向に並んで配置されている。そして、各ベルト部材30,30は、それぞれ、脚回り開口部30HL,30HLを有する。また、
図3及び
図5に示すように、各ベルト部材30は、当該ベルト部材30を幅方向に折り返すための折り返し線L30であって、同ベルト部材30の幅方向の両端部30ew1,30ew2が上記折り返し線L30よりも幅方向の内側に位置するように折り返すための同折り返し線L30を有し、そして、当該折り返し線L30で折り返されたベルト部材30は、上記の両端部30ew1,30ew2のうちで幅方向の外側に位置する端部30ew2を介して、吸収性本体10の幅方向の端部10ewにホットメルト接着剤等で接合されている。また、各ベルト部材30,30は、吸収性本体10の略V字形の上記各端部10eLa,10eLbでも溶着等で接合されている。
【0031】
そして、このような延板状態から、一対のベルト部材30,30において内側に位置する各端部30ew1,30ew1同士を幅方向の両側に開きながら、各ベルト部材30を長手方向の略中央位置CLL30で二つ折りする過程で、吸収性本体10を長手方向の略中央位置CLL10で二つ折りすれば、各ベルト部材30,30における幅方向の内側の端部30ew1,30ew1同士が互いに共同しておむつ1の胴回り開口部1HBを形成するとともに、各ベルト部材30,30の脚回り開口部30HL,30HLがそれぞれ吸収性本体10の幅方向の両側に位置した状態となって、これにより、
図2に示すようなパンツ型のおむつ1として着用可能な状態となる。
【0032】
なお、以下では、主に
図3の延板状態のおむつ1を参照しながら、各構成部品10,30,30について説明するが、この延板状態における吸収性本体10の長手方向、幅方向、及び厚さ方向は、それぞれ、同延板状態のおむつ1の長手方向、幅方向、及び厚さ方向と概ね一致している。そのため、以下の説明では、これらの各方向のことを単に「長手方向」、「幅方向」、及び「厚さ方向」と言う。また、長手方向については、一方側が着用対象者の腹側に位置し、他方側が着用対象者の背側に位置することから、一方側のことを「腹側」又は「前側」とも言い、他方側のことを「背側」又は「後側」とも言う。更に、厚さ方向に関しては、着用対象者に接触する側のことを「肌側」とも言い、その逆側のことを「非肌側」とも言う。また、幅方向のことを「左右方向」とも言う。
【0033】
図3及び
図5に示すように、吸収性本体10は、長手方向の各端部10eLa,10eLbがそれぞれ平面視略V字形に先細った形状のシート状部材であり、吸収体11と、同吸収体11を肌側から覆って設けられたトップシート13(肌側シートに相当)と、同吸収体11を非肌側から覆って設けられたバックシート15(非肌側シートに相当)と、を有する。
そして、これら各部材13,11,15は、それぞれ、厚さ方向に隣接する部材と、ホットメルト接着剤等で接合されている。なお、同接着剤の塗布パターンとしては、Ωパターンやスパイラルパターン、ストライプパターン等を例示できて、このことは、後で出てくる他の接着剤についても同様である。
【0034】
吸収体11は、液体吸収性の吸収性コア11cと、同コア11cの外周面を被覆する不図示のコアラップシートと、を有する。吸収性コア11cは、所定の液体吸収性素材を所定形状の一例としての平面視略砂時計形状に成形した成形体である。液体吸収性素材としては、パルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等の液体吸収性粒状物を例示できて、この例では、同素材として所定範囲の坪量(g/m
2)のパルプ繊維と所定範囲の坪量(g/m
2)のSAPとの両者を混合して使用しているが、何等これに限らない。また、コアラップシートには、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性シートを使用可能である。更に、吸収性コア11cの形状は、何等上記の平面視略砂時計形状に限らず、他の形状でも良い。
【0035】
トップシート13は、例えばエアスルー不織布等の液透過性シートで形成され、その平面サイズは、吸収体11の長手方向の両側及び幅方向の両側から突出するようなサイズである。また、長手方向の各端部は、それぞれ吸収性本体10の各端部10eLa,10eLbを構成することから、その形状は、それぞれ長手方向の腹側又は背側に進むに従って幅方向の寸法が小さくなった前述の略V字形の先細り形状をなしている。
【0036】
また、バックシート15も、吸収体11の長手方向の両側及び幅方向の両側から突出するような平面サイズのシートであり、そして、トップシート13と同様に、長手方向の各端部はそれぞれ吸収性本体10の各端部10eLa,10eLbを構成していることから、その形状は、それぞれ長手方向の腹側又は背側に進むに従って幅方向の寸法が小さくなった前述の略V字形の先細り形状をなしている。そして、これらトップシート13とバックシート15とは、互いの両端部の略V字形が概ね揃うように厚さ方向に重ね合わせられていて、これにより、これらシート13,15同士の間に吸収体11が保持されている。
【0037】
なお、バックシート15の素材例としては、
図5に示すように、ポリエチレン(PE)フィルム又はポリプロピレン(PP)フィルム等の液不透過性の防漏シート15fと、防漏シート15fの非肌側に貼り合わされた不織布製の外装シート15nとを有した二層構造のラミネートシート15を挙げることができて、ここでは、これが使用されているが、一定の防漏性を有していれば、何等これに限らない。また、この例では、外装シート15nの平面サイズよりも防漏シート15fの平面サイズの方が小さくなっていて、これにより、外装シート15nの外周縁よりも長手方向の内側及び幅方向の内側に防漏シート15fが収まっているが、何等これに限らず、互いに同サイズでも良い。
【0038】
図6Aは、説明の都合上、
図3の延板状態のおむつ1において一部の接合を解いて肌側面が見えるように展開した状態の概略平面図である。すなわち、同
図6Aは、吸収性本体10の長手方向の両端部10eLa,10eLbと各ベルト部材30,30との接合を解くとともに、各ベルト部材30,30をそれぞれ幅方向の外側に開いた展開状態の概略平面図である。そして、同
図6Aでは、吸収性本体10の肌側及びベルト部材30の肌側が見えている。また、
図6Bは、
図6A中のB−B断面図である。ちなみに、これら
図6A及び
図6Bは、ギャザーが無くなるまでおむつ1を長手方向及び幅方向に伸長した状態の図であり、このことは、前述の
図3乃至
図5並びに後述の
図18A乃至
図22Bについても同様である。
【0039】
図6A及び
図6Bに示すように、一対のベルト部材30,30は、それぞれ、長手方向に長いシート状部材であり、この例では、不織布31,32を厚さ方向に二枚重ねにして形成されている。また、既述のように、一対のベルト部材30,30のどちらも、幅方向の所定位置に長手方向に沿って設定された折り返し線L30,L30によって、
図6A及び
図6Bの状態から
図3及び
図5の状態へと幅方向の内側に折り返されていて、これにより、同
図3及び
図5に示すように、一方のベルト部材30が、吸収性本体10の肌側面における左側部分に重ね合わせられ、また、他方のベルト部材30が、同肌側面における右側部分に重ね合わせられていて、これら一対のベルト部材30,30同士は、吸収性本体10の幅方向の中心位置CLW10に関して鏡像関係となっている。また、この折り返された状態においては、ベルト部材30の幅方向の両端部30ew1,30ew2は、どちらも、折り返し線L30よりも幅方向の内側に位置している。そして、
図5に示すように、これら両端部30ew1,30ew2のうちで厚さ方向の吸収性本体10に近い方の端部30ew2が、遠い方の端部30ew1よりも幅方向の外側に位置していて、当該近い方の端部30ew2が、吸収性本体10の肌側面をなすトップシート13の幅方向の端部13ewに長手方向の略全長に亘ってホットメルト接着剤等で接合されている。なお、
図5中では、トップシート13の端部13ewのみにベルト部材30が接合されているように示されているが、何等これに限らない。すなわち、この
図5のように、バックシート15の端部15ewがトップシート13の端部13ewよりも幅方向の外側に突出している場合には、当該バックシート15の端部15ewもベルト部材30に接合されていても良い。
また、これも一部既述の内容であるが、
図3に示すように各ベルト部材30の長手方向の両端部30eLa,30eLbは、それぞれ、吸収性本体10の略V字形の両端部10eLa,10eLbにおける幅方向の各半部に重ね合わせられて固定されている。そのため、ベルト部材30の両端部30eLa,30eLbの形状は、それぞれ、上記の略V字形の両端部10eLa,10eLbにおける幅方向の各半部に重なるように傾斜形状をなしていて、これにより、ベルト部材30の長手方向の各端部30eLa,30eLbは、対応する吸収性本体10の各端部10eLa,10eLbと厚さ方向に重なった状態で溶着等により接合されている。
【0040】
また、この例では、
図2のパンツ型の状態とされた際には、
図3の延板状態のおむつ1の一対のベルト部材30,30のどちらについても、幅方向の内側の端部30ew1,30ew1が胴回り開口部1HBとなる。そのため、当該端部30ew1,30ew1に着用対象者の肌ストレス軽減用の端部仕舞い構造を付与する目的で、当該端部30ew1,30ew1は、
図5のように一回だけ幅方向に折り返されてホットメルト接着剤等で当該折り返し状態に固定されている。但し、何等これに限らず、二回以上折り返しても良いし、或いは、端部30ew1を折り返さずに当該端部仕舞い構造を省略しても良い。
【0041】
一方、
図6Aに示すように、脚回り開口部30HLは、前述の折り返し線L30を幅方向に跨ぐような形状でベルト部材30を厚さ方向に貫通して形成されている。そして、この例では、同脚回り開口部30HLは、上記の折り返し線L30に関して線対称ではない非対称形状に形成されている。なお、この非対称形状は、着用対象者の脚回り形状を考慮して決定される。よって、この例では、非対称形状にすることにより、着用対象者の脚回りへの良好なフィット性を奏することができる。
【0042】
また、
図6A及び
図6Bに示すように、ベルト部材30に伸縮性を付与する目的で、ベルト部材30に係る2枚の不織布31,32同士の間には、長手方向に沿って糸ゴム等の複数の糸状弾性部材35,35…が幅方向に並んで介挿されている。すなわち、かかる糸状弾性部材35,35…は、長手方向に所定の伸長倍率まで伸長された状態で同不織布31,32にホットメルト接着剤等で固定されていて、これにより、各ベルト部材30,30には長手方向の伸縮性が付与されている。
【0043】
ここで、この例では、これら糸状弾性部材35,35…のうちの幾つかの弾性部材35については、ベルト部材30における脚回り開口部30HLと胴回り開口部1HBとの間の部分に配されているが、少なくとも一つの別の弾性部材35については、ベルト部材30における脚回り開口部30HLと吸収性本体10との間の部分に配されている。よって、ベルト部材30における脚回り開口部30HLの幅方向の両側の各位置には、それぞれ長手方向の収縮力が付与されていて、これにより、脚回り開口部30HLは、概ねその全周に亘って複数の襞を形成しながら収縮して、その結果、略全周に亘ってギャザーが形成されている。
【0044】
更に、この例では、
図6A及び
図6Bに示すように、脚回り開口部30HLを補強する目的で補強シート40(
図3、
図4、
図6A中のドット模様の部分を参照)が設けられている。すなわち、ベルト部材30に係る二枚の不織布31,32同士の間には、脚回り開口部30HLと同形の開口を有した帯状の補強シート40が介挿されていて、これにより、脚回り開口部30HLの周縁部は、その全周に亘って補強されている。また、この例では、当該補強シート40として、例えば自然長の1.5倍〜4.0倍の任意倍率まで破断せずに伸長可能な伸縮性を有した伸縮性シートが使用されている。そして、かかる補強シート40も、長手方向に所定の伸長倍率まで伸長された状態で同不織布31,32にホットメルト接着剤等で固定されている。よって、当該補強シート40も、脚回り開口部30HLへのギャザーの形成に有効に寄与し得る。なお、かかる伸縮性シートの一例としては、ポリウレタン系エラストマー等の略弾性を示すエラストマー繊維とポリオレフィン系樹脂等の略非弾性を示す熱可塑性樹脂繊維とを有した不織布に対して所謂ギア延伸加工を施して伸縮性が発現した不織布を例示できて、この例では、これを使用しているが、何等これに限らない。例えば、上記の繊維を有した織布でも良いし、或いは、ゴム系樹脂などのエラストマー材料を含む伸縮性フィルムでも良い。更に言えば、補強シート40は、上述のような伸縮性を有していなくても良く、かかる伸縮性を有しないシートの一例としては、ポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂などの非エラストマー材料からなる不織布やフィルム等を例示することができる。
【0045】
図7乃至
図12は、このおむつ1の製造方法の説明図である。このおむつ1は、製造ラインにおいて所謂「縦流し法」で製造される。縦流し法では、吸収性本体10の長手方向を搬送方向としておむつ1の中間製品を搬送する間に、順次種々の加工や他の部品の接合等を行って、最終的に前述の延板状態のおむつ1を製造する。なお、
図7乃至
図12中では、紙面の都合上、中間製品をおむつ一つ分の単票状に図示しているが、実際の中間製品は、搬送方向に連続した連続体又は連続シートの状態にある。
また、中間製品の搬送は、サクションベルトコンベア等のベルトコンベアや搬送ローラー等の周知の搬送装置(不図示)を用いてなされる。そして、以下では、特段の説明が無い限り、これらの搬送装置が適宜使用されているものとする。更に、既述のように、搬送方向は吸収性本体10の長手方向に沿っていることから、当該搬送方向は、吸収性本体10の厚さ方向及び幅方向と直交している。そして、ここでは、この製造ラインにおいて、上記の幅方向に対応する方向のことを「CD方向」とも言う。
【0046】
この第1実施形態の製造方法では、以下の第1工程〜第6工程を経て、前述の
図3の延板状態のおむつ1を製造する。
第1工程:吸収性本体の連続体10aの生成工程
第2工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aの生成工程
第3工程:吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとの接合工程
第4工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aの折り返し工程
第5工程:折り返し状態の固定工程
第6工程:製品ピッチP1での分断工程
以下、各工程について説明する。
【0047】
<<第1工程:吸収性本体の連続体10aの生成工程>>
図7に示すように、この工程では、概ね複数の吸収性本体10,10…が長手方向に連続してなる吸収性本体の連続体10aを生成し、生成された吸収性本体の連続体10aをその連続方向を搬送方向として搬送する。
【0048】
詳しくは、先ず、
図7の左図のように、バックシート15の連続シート15aを、その連続方向を搬送方向として搬送する。なお、この例では、バックシート15に係る外装シート15nは搬送方向に連続した連続シート15naであるが、防漏シート15fの方は、外装シート15nの連続シート15na上に製品ピッチP1で離散的に配置された単票状シート15fとなっている。但し、何等これに限らない。すなわち、防漏シート15fも、搬送方向に連続した連続シートであっても良い。
【0049】
次に、不図示の積繊装置等を用いて生成した吸収体11を、同
図7の中央図のように、各防漏シート15fに一つずつ載置してホットメルト接着剤等で接合する。なお、かかる載置処理は、不図示の回転ドラム装置等により行われる。
また、これと同時並行又はこの後に、同
図7の右図のように各吸収体11の肌側面に向けてトップシート13を、搬送方向に沿った連続シート13aの形態で供給し、同肌側面をトップシート13の連続シート13aで覆ってホットメルト接着剤等で接合する。そして、これにより、吸収性本体の連続体10aが生成される。
【0050】
なお、積繊装置の一例としては、回転ドラムの外周面に形成された凹部の底面にダクトから散布される液体吸収性素材を吸着させて吸収性コア11cを生成する装置を挙げることができ、また、回転ドラム装置の一例としては、吸収体11を吸着保持可能な外周面を有した回転ドラムを挙げることができる。そして、どちらの装置も周知構成のため、その詳細な説明については省略する。
【0051】
<<第2工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aの生成工程>>
図8乃至
図10に示すように、この工程は、上述の第1工程の「吸収性本体の連続体10aの生成工程」とは、上下流関係の無い同時並行処理可能な工程とされている。そして、この工程では、一対のベルト部材の連続体30a,30aを生成する。なお、ベルト部材の連続体30aとは、概ね複数のベルト部材30,30…が長手方向に連続したものである。
【0052】
先ず、
図8の左図に示すように、ベルト部材の連続体30aの主に非肌側面となる非肌側基材シート30sha1として、一枚の不織布31が、搬送方向に連続した連続シート31aの形態で上流工程から搬送される。そして、この非肌側基材シート30sha1からは、最終的にベルト部材の連続体30a,30aの一対分の非肌側面が生成されることから、当該非肌側基材シート30sha1のCD方向の寸法は、ベルト部材の連続体30aのCD方向の寸法の概ね二倍の大きさの広幅サイズとされている。なお、このことは、後で出てくる肌側基材シート30sha2についても同様である。
【0053】
次に、
図8の右図に示すように、搬送方向に搬送される非肌側基材シート30sha1は、搬送方向の所定位置に設定された補強シート40の供給位置PS1を通過する。そして、その通過時には、同シート30sha1の肌側面に向けて、一対の補強シート40,40が搬送方向に連続した連続シート40a,40aの形態でCD方向に並んで供給されて、非肌側基材シート30sha1の肌側面にホットメルト接着剤等で接合される。ここで、この接合時には、各補強シートの連続シート40a,40aは、それぞれ前述の伸長倍率で伸長された状態にあって、この伸長された状態のまま非肌側基材シート30sha1の肌側面に接合される。そして、これにより、
図2のおむつ1の状態においては脚回り開口部30HLにギャザーが形成されるようになる。
【0054】
また、この例では、当該補強シートの連続シート40aを、非肌側基材シート30sha1におけるCD方向の一部に設けている。すなわち、同補強シートの連続シート40aが、非肌側基材シート30sha1において脚回り開口部30HLの形成対象部分の全域を覆うようにすべく、同連続シート40aのCD方向の寸法は、当該形成対象部分のそれよりも大きくなっているが、同連続シート40aは、非肌側基材シート30sha1におけるCD方向の全域に亘っては設けられていない。よって、CD方向の全域に亘って補強シートの連続シート40aを設けた場合と比べてコスト削減を図れて、その結果、上記のおむつ1を廉価に製造可能となる。
【0055】
なお、ホットメルト接着剤の塗布は、上記の接合前に予め補強シートの連続シート40a及び非肌側基材シート30sha1のどちらか一方又は両方に対してなされていれば良く、この例では、予め補強シートの連続シート40aの方に所定の塗布パターンで同接着剤は塗布されている。また、補強シートの連続シート40aの供給装置(不図示)の一例としては、同連続シート40aを外周面に当接させた供給ローラーを有した装置を挙げることができる。
【0056】
また、この例では、補強シート40は、搬送方向に連続した連続シート40aとされているが、何等これに限らない。すなわち、単票状シートでも良い。なお、その場合には、補強シート40は、非肌側基材シート30sha1上に製品ピッチP1で繰り返し現れる脚回り開口部30HLの形成対象部分毎に間欠的に供給されて当該各形成対象部分に接合される。そして、この場合には、補強シート40の資材量の更なる削減を図ることができる。
【0057】
次に、
図9の左図に示すように、非肌側基材シート30sha1は、上記の供給位置PS1よりも搬送方向の下流に設定された糸状弾性部材35の供給位置PS2を通過する。そして、その通過時には、同シート30sha1の肌側面に向けて、糸状弾性部材35,35…が搬送方向に連続した連続体35a,35a…の形態でCD方向に並んで供給されて、非肌側基材シート30sha1の肌側面にホットメルト接着剤等で接合される。ここで、この接合時には、各糸状弾性部材の連続体35a,35a…は、それぞれ所定の伸長倍率で伸長された状態にあって、この伸長された状態のまま非肌側基材シート30sha1の肌側面に接合される。そして、これにより、
図2のおむつ1の状態においては、ベルト部材30に伸縮性が付与される。また、糸状弾性部材の連続体35aのうちの幾つかは、補強シートの連続シート40aに重ね合わせられて同シート40aに接合され、更に言えば、同連続体35a,35aは、脚回り開口部30HLの形成対象部分のCD方向の両側にそれぞれ配されている。そして、これにより、
図2のおむつ1の状態においては、脚回り開口部30HLの略全周に亘ってギャザーが確実に形成されるようになる。なお、この例では、ホットメルト接着剤の塗布は、上記の接合前に予め糸状弾性部材の連続体35aに所定の塗布パターンでなされているが、何等これに限らない。すなわち、非肌側基材シート30sha1及び補強シートの連続シート40aの方に接着剤を塗布しても良い。
【0058】
また、この例では、この糸ゴムの連続体35aの供給位置PS2(
図9)よりも搬送方向の上流側に、前述の補強シートの連続シート40aの供給位置PS1(
図8)が位置しているが、何等これに限らず、順不同である。すなわち、糸ゴムの連続体35aの供給位置PS2よりも搬送方向の下流側に、補強シートの連続シート40aの供給位置PS1が位置していても良い。
【0059】
次に、
図9の中央図に示すように、非肌側基材シート30sha1は、ベルト部材の連続体30aの肌側面となる肌側基材シート30sha2の供給位置PS3を通過する。そして、その通過時には、非肌側基材シート30sha1の肌側面に向けて、肌側基材シート30sha2として一枚の不織布32が、搬送方向に連続した連続シート32aの形態で供給されて、同肌側面にホットメルト接着剤等で接合される。そして、これにより、二枚の基材シートたる非肌側基材シート30sha1と肌側基材シート30sha2との間に、補強シートの連続シート40aと糸状弾性部材の連続体35aとが介挿された状態の基材シート30shaが生成される。
【0060】
そうしたら、基材シート30shaは、上記の供給位置PS2よりも搬送方向の下流に配された端部折り返し装置(不図示)を通過する。そして、その通過時には、端部折り返し装置によって、同シート30shaにおけるCD方向の各端部30shaew1,30shaew1が、
図9の中央図の状態から右図の状態へとCD方向の内側に折り返されるとともに、当該折り返し状態にホットメルト接着剤等で固定されて、これにより、基材シート30shaにおいて胴回り開口部1HBに相当する各端部30shaew1,30shaew1には、前述の端部仕舞い構造が付与される。なお、端部折り返し装置の一例としては、各端部30shaew1,30shaew1に当接して折り返すための折り返し用プレートを有した周知の装置を挙げることができるが、何等これに限らない。
【0061】
次に、基材シート30shaは、端部折り返し装置よりも搬送方向の下流に配されたスリッター装置(不図示)を通過する。そして、その通過時には、スリッター装置によって、同
図10の左図の状態から中央図の状態へと基材シート30shaはCD方向の中央位置で二分割されて、これにより、CD方向の寸法が半分の大きさの狭幅の基材シート30sa,30saが一対生成される。なお、スリッター装置の一例としては、回転刃を有した周知の装置を挙げることができるが、何等これに限らない。
【0062】
次に、一対の狭幅の基材シート30sa,30saは、スリッター装置よりも搬送方向の下流に配された拡幅装置(不図示)を通過する。そして、その通過時には、拡幅装置によって、狭幅の各基材シート30sa,30saはそれぞれCD方向の外側に移動されて、これにより、同中央図に示すように、各基材シート30sa,30sa同士の間には、吸収性本体の連続体10aのCD方向の寸法よりも若干小さい間隔D30saが形成される。なお、これは、この後になされる吸収性本体の連続体10aの合流時に、同連続体10aのCD方向の各端部10aew,10aewに各基材シート30sa,30saを接合するための下準備である。また、拡幅装置の一例としては、回転方向が搬送方向よりもCD方向の外側に傾いたローラーをCD方向の両側の各位置にそれぞれ有した周知の装置を挙げることができるが、何等これに限らない。
【0063】
そうしたら、この互いの間にCD方向の間隔D30saを有した状態の狭幅の各基材シート30sa,30saは、搬送方向に沿って搬送されて(「搬送すること」に相当)、これにより、拡幅装置よりも搬送方向の下流に配されたダイカッター装置(形成装置に相当し、不図示)を通過する。そして、その通過時にダイカッター装置は、同
図10の右図に示すように、各基材シート30sa,30saに対して、それぞれ搬送方向に製品ピッチP1で並ぶように脚回り開口部30HL,30HLを形成して(「形成すること」に相当)、これにより、一対のベルト部材の連続体30a,30aが生成される。
【0064】
ここで、同右図に示すように、当該脚回り開口部30HLは、補強シートの連続シート40aに収まるように形成される。よって、脚回り開口部30HLの周縁部を全周に亘って補強シートの連続シート40aで補強することができて、その結果、脚回り開口部30HLでの破断を確実に防ぐことができる。
【0065】
また、脚回り開口部30HLを形成する際には、補強シートの連続シート40aによって基材シート30saの変形が抑制される。よって、基材シート30saに脚回り開口部30HLを円滑に貫通形成可能となる。
【0066】
但し、かかる補強シートの連続シート40aに、前述のような伸縮性を有したシート40aを使用した場合には、その伸縮性に起因して同シート40aが変形し易いことから、脚回り開口部30HLの貫通形成時に同シート40aが変形してしまって、同シート40a自身の切断性が悪くなり得る。そして、これにより、補強シートの連続シート40aに脚回り開口部30HLを形成し損ねてしまう恐れがあるが、これについては、次のようにして回避している。すなわち、補強シートの連続シート40aは、既述のように非肌側基材シート30sha1(第1シートに相当)と肌側基材シート30sha2(第2シートに相当)との間に介挿されているが、これら基材シート30sha1,30sha2の自然長状態(無負荷時)での伸長性は、補強シートの連続シート40aの自然長状態(無負荷時)での伸長性よりも低くなっている。よって、補強シートの連続シート40aに脚回り開口部30HLを貫通形成する際の同シート40aの変形を、これら非肌側基材シート30sha1及び肌側基材シート30sha2でもって補強シートの連続シート40aの厚さ方向の両側から規制することができる。そして、その結果、補強シートの連続シート40aに脚回り開口部30HLを円滑に貫通形成可能となる。ちなみに、ここで言う伸長性とは、幅方向の寸法が25mmの帯状シートを、長手方向に1.0Nの荷重で均等に引っ張った時に伸長し易い性質のことであり、例えば、上記の荷重で引っ張った際の伸び率(荷重負荷時の長手方向の長さから荷重負荷前の長手方向の長さを減算してなる減算値を、荷重負荷前の長さで除算した値)で、伸縮性の大小を評価することができる。
【0067】
更に、同右図に示すように、この例では、補強シートの連続シート40aには、前述の糸状弾性部材の連続体35a,35a…のうちの幾つかの連続体35aが厚さ方向に重ね合わせられている。しかも、同連続体35a,35aは、補強シートの連続シート40aにおける脚回り開口部30HLの形成対象部分のCD方向の両側の各位置にそれぞれ配置されている。よって、脚回り開口部30HLを貫通形成する際には、上記の糸状弾性部材の連続体35aから補強シートの連続シート40aには搬送方向に沿った引っ張り力が作用し得て、これにより、脚回り開口部30HLを形成する際の補強シートの連続シート40aの姿勢を安定化することができる。そして、このことも、上述の脚回り開口部30HLの円滑な形成に有効に寄与する。
【0068】
ところで、同右図に示すように、当該脚回り開口部30HLの形成時には、基材シート30saにもベルト部材30の前述の折り返し線L30が設定されていて、これにより、ダイカッター装置は、当該折り返し線L30をCD方向に跨ぐように脚回り開口部30HLを形成する。よって、ベルト部材30において着用対象者の胴回り部に配される部分30pのCD方向の寸法S30pを、大き過ぎず小さ過ぎない適度な大きさに設定可能となる。
また、この脚回り開口部30HLを形成する時点というのは、折り返し線L30で基材シート30saを折り返すよりも前の時点である。よって、非対称形状の脚回り開口部30HLを基材シート30saに何等問題なく形成することができて、これにより、脚回り開口部30HLの形状の選択の自由度を高めることができる。
【0069】
なお、かかるダイカッター装置の一例としては、抜き刃態様のカッターローラー及びアンビルローラーを有した周知の装置を挙げることができるが、何等これに限らない。
【0070】
また、この例では、スリッター装置及び拡幅装置の搬送方向の下流にダイカッター装置が配置されていたが、何等これに限らない。例えば、並び順を逆にしても良い。すなわち、ダイカッター装置で広幅の基材シート30shaに一対の脚回り開口部30HL,30HLをCD方向に並べて形成した後に、スリッター装置で広幅の基材シート30shaをCD方向の中央位置で二分割して一対の狭幅の基材シート30sa,30saを生成し、しかる後に、拡幅装置で狭幅の各基材シート30sa,30saをそれぞれCD方向の外側に移動しても良い。但し、脚回り開口部30HLが形成されると、基材シート30saの搬送が不安定になる恐れがあって、この不安定現象は、特に基材シート30sa,30saのCD方向の移動時に顕著に起こり得る。そのため、望ましくは、前者の並び順にすると良い。
【0071】
更に、場合によっては、スリッター装置については無くても良い。例えば、予めCD方向の大きさが上記の狭幅の基材シート30saに相当する寸法に調整済みの非肌側基材シート及び肌側基材シートを巻き取ってなる二つの基材シートロール(不図示)を準備すれば、これら各基材シートロールを、当該第2工程に設けられた各リール装置(不図示)に回転可能に支持させて、各基材シートロールから狭幅の非肌側基材シート及び狭幅の肌側基材シートをそれぞれ搬送方向に繰り出すことにより、上述の広幅の基材シート30shaを二分割する処理を省略することができる。
【0072】
<<第3工程:吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとの接合工程>>
この工程は、上記の第2工程たる「一対のベルト部材の連続体30a,30aの生成工程」の搬送方向の下流に直結されている。すなわち、
図11の左図に示すように、当該一対のベルト部材の連続体30a,30aの搬送経路には、搬送方向の所定位置において吸収性本体の連続体10aが合流している。そして、この合流の際に、吸収性本体の連続体10aの肌側面をなすトップシートの連続シート13aにおけるCD方向の各端部13aew,13aewに、各ベルト部材の連続体30a,30aのCD方向の内側の端部30aew2,30aew2がそれぞれホットメルト接着剤等で接合されて一体化される。
【0073】
ちなみに、このときには、トップシート及びバックシートの各連続シート13a,15aがベルト部材の連続体30aの脚回り開口部30HLを覆わないように位置調整しながらトップシートの連続シート13aにベルト部材の連続体30a,30aが接合されて、これにより、脚回り開口部30HL,30HLは、開口状態に維持されるようになっている。
【0074】
<<第4工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aの折り返し線L30,L30での折り返し工程>>
図11の左図及び右図に示すように、この工程では、一対のベルト部材の連続体30a,30aにそれぞれ規定された前述の折り返し線L30,L30で、同連続体30a,30aをそれぞれCD方向の内側に折り返し、これにより、CD方向の一方側及び他方側に位置する各ベルト部材の連続体30a,30aを、それぞれ吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の一方側部分及び他方側部分に重ね合わせる。
【0075】
かかる折り返し処理は、不図示の周知の折り返し装置によって行われる。すなわち、搬送方向の所定位置に配された折り返し装置の折り返し用プレート部材の位置を、吸収性本体の連続体10aに接合された一対のベルト部材の連続体30a,30aが通過する際に、上記の折り返し用プレート部材を一対のベルト部材の連続体30a,30aの各折り返し線L30,L30或いはその近傍部分に当てることにより、当該折り返し線L30,L30で一対のベルト部材の連続体30a,30aを折り返す。
【0076】
ここで、この例では、
図11の左図に示すように、ベルト部材の連続体30aを構成する前述の狭幅の基材シート30saの剛性は、補強シートの連続シート40aによって高められているとともに、当該基材シート30saを折り返し線L30で折り返す際には、補強シートの連続シート40aも一緒に折り返す。よって、上記の剛性が向上されていることに基づいて、基材シート30saの折り返し時に生じ得る同シート30saの不用な変形を補強シートの連続シート40aが効果的に抑制し得て、これにより、折り返し線L30でベルト部材の連続体30aを安定して折り返し可能となる。
【0077】
また、この例では、トップシートの連続シート13aとベルト部材の連続体30a,30aとが接合一体化した状態で同ベルト部材の連続体30a,30aを折り返す。そのため、当該折り返しの際に、ベルト部材の連続体30aの不用な変形をトップシートの連続シート13aで効果的に規制しながら、同ベルト部材の連続体30aを折り返すことができて、このことも、上述の折り返し線L30での円滑な折り返しに有効に寄与する。
【0078】
更に、
図13の概略平面図に示すように、この第4工程の直前の時点では、上記の狭幅の基材シート30saは、搬送方向に沿った帯状領域A30(ハッチングの部分を参照)を有し、この帯状領域A30には、上記の脚回り開口部30HLが形成されているが、一方で、同帯状領域A30には、糸状弾性部材の連続体35a及び糸状弾性部材35が設けられていない。よって、当該糸状弾性部材の連続体35a及び糸状弾性部材35の影響で、脚回り開口部30HLに位置する折り返し線L30で折り返し難くなってしまう事態を有効に回避できて、このことも、上述の折り返し線L30での円滑な折り返しに有効に寄与する。
【0079】
また、当該折り返しをより円滑に行う観点からは、望ましくは、
図14の概略拡大図に示すように、脚回り開口部30HLの搬送方向の長さが最大となるCD方向の位置PmaxからCD方向にずれた位置に折り返し線L30が設定されていると良い。そして、このようになっていれば、前述のようにベルト部材の連続体30aを折り返すべく折り返し線L30及びその近傍に折り返し用プレート部材を当てる際に、ベルト部材の連続体30aを構成する上記基材シート30saにおいて折り返し用プレート部材を当てる部分を大きく確保することができて、その結果、折り返し線L30で円滑に折り返し可能となる。
【0080】
なお、ここで、上記の折り返しの際には、当該折り返し用プレート部材は、折り返す前の状態のベルト部材の連続体30aにおいて折り返し線L30よりもCD方向の内側の部分の方に当接されることが多い。そのため、同折り返し用プレート部材に当てる部分の面積をベルト部材の連続体30a上において大きく確保する観点からは、望ましくは、
図14のような折り返し前の状態の脚回り開口部30HLのうちで、折り返し線L30よりもCD方向の内側に位置する開口部分30HL1の面積の方が、同線L30よりもCD方向の外側に位置する開口部分30HL2の面積よりも小さくなっていると良い。ちなみに、かかる脚回り開口部30HLに係る上記面積の大小比較や、前述のPmaxとなる位置が折り返し線L30からずれているか否かの判定については、例えば、
図6Aの展開状態において脚回り開口部30HLのギャザーが無くなるまで長手方向(搬送方向)及び幅方向(CD方向)におむつ1を伸長した状態にして、これを目視することで行うことができる。
【0081】
<<第5工程:一対のベルト部材の連続体30a,30aを折り返し状態に固定する固定工程>>
図12の左図に示すように、この工程では、一対のベルト部材の連続体30a,30aを上述の折り返し状態に固定する。すなわち、吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の一方側部分及び他方側部分に、それぞれ各ベルト部材の連続体30a,30aが重ね合わせられた状態に固定する。
【0082】
かかる固定は、同
図12の左図のように、吸収性本体10の腹側の端部10eLa及び背側の端部10eLbに相当する位置で吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとを接合することでなされる。そして、かかる接合処理は、エンボスローラー及びアンビルローラーを有した周知のヒートシール装置(不図示)で行うことができる。すなわち、一対のベルト部材の連続体30a,30aが重ね合わせられた吸収性本体の連続体10aが、搬送方向におけるヒートシール装置の位置を通過する際には、エンボスローラーの外周面の凸部及びアンビルローラーの外周面により、吸収性本体10の腹側の端部10eLa及び背側の端部10eLbに相当する位置で吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとが一緒に厚さ方向に挟圧されて圧着の一種の溶着で接合される。そして、当該接合された痕跡として、吸収性本体10の腹側の端部10eLa及び背側の端部10eLbに相当する位置には、それぞれ略V字形の溶着部ja,jb(圧着部に相当)が形成される(「圧着部を形成すること」に相当)。
【0083】
但し、ここで詳しく言うと、
図12の左図の状態、すなわち、吸収性本体の連続体10aにベルト部材の連続体30aが重ね合わせられた状態においては、ベルト部材の連続体30aは、吸収性本体の連続体10aよりもCD方向の外側に突出している。つまり、ベルト部材の連続体30aにおけるCD方向の内側の部分30a1は、吸収性本体の連続体10aに重ね合わせられているが、外側の部分30a2については、吸収性本体の連続体10aよりもCD方向の外側に突出していて、吸収性本体の連続体10aに重ね合わせられていない。そのため、上記の溶着部ja,jbは、基本的には、ベルト部材の連続体30aにおける上記内側の部分30a1に形成される。
【0084】
しかし、この例では、不図示であるが、ヒートシール装置のエンボスローラーの外周面の上記凸部は、吸収性本体の連続体10aよりもCD方向の外側の位置まで延在し、更にベルト部材の連続体30aよりもCD方向の外側の位置まで延在している。よって、ベルト部材の連続体30aにおける上記外側の部分30a2も、エンボスローラーの上記凸部で厚さ方向に挟圧されて、これにより、当該部分30a2にも溶着部ja,jbが形成される。
そして、このとき、
図12の左図に示すように、当該外側の部分30a2(突出した部分に相当)には、補強シートの連続シート40aが位置している。よって、当該シート40aの分だけ溶着される部材量を多くすることができて、これにより、当該外側の部分30a2での部材量不足要因の溶着部ja,jbの強度低下を抑制できる。そして、その結果、当該溶着部ja,jbのうちの脚回り開口部30HLの近傍部分jap,jbpでの破断を有効に防ぐことができる。
【0085】
ちなみに、この破断防止の観点からは、溶着部ja,jb及びその近傍部分でのシートの積層枚数が、CD方向の所定位置で急激に変化しているのではなく、CD方向の位置に応じて段階的に変化しているのが望ましい。
図15は、この望ましい例の説明図である。先ず、この例では、前述の第2工程において補強シートの連続シート40aが非肌側基材シート30sha1に重ね合わせられて固定される際には、同
図15の左部に示すように、当該補強シートの連続シート40aのうちで前述の折り返し線L30となる位置よりもCD方向の一方側に位置する部分の寸法L1と、他方側に位置する部分の寸法L2とが互いに異なるように補強シートの連続シート40aは非肌側基材シート30sha1に重ね合わせられて固定される。すなわち、同シート40aにおけるCD方向の各端部40aew1,40aew2同士は、互いに折り返し線L30からの距離L1,L2が異なっている。
よって、同
図15の右部に示すように、前述の第4工程において基材シート30saを折り返し線L30で折り返した際には、補強シートの連続シート40aにおける上記の各端部40aew1,40aew2同士は、互いに厚さ方向に重ならずにCD方向に位置ずれした状態となる。そして、この位置ずれに基づいて、溶着部ja,jb及びその近傍部分でのシートの積層枚数をCD方向の位置に応じて段階的に変化させることができて、その結果、積層枚数が過大に変化した部分に溶着部ja,jbを形成した場合に起こり得るベルト部材30の破損等の不具合を有効に防ぐことができる。
【0086】
ところで、この例では、
図16に示すように、搬送方向の長さで比べた場合に、脚回り開口部30HLの長さL30HLの方が、上記の脚回り開口部30HLが形成されない部分の長さL30HLNよりも大きくなっている。よって、折り返し線L30での曲げ剛性の低下を通して、当該折り返し線L30で折り返した状態にベルト部材の連続体30aは維持され易くなっている。そして、その結果、上述のヒートシール装置による固定処理を安定して行うことができる。
【0087】
<<第6工程:製品ピッチP1での分断工程>>
図12の左図及び右図に示すように、この工程では、上述の略V字形の溶着部ja,jbで一対のベルト部材の連続体30a,30aが接合された吸収性本体の連続体10aを搬送方向に沿って搬送中に、当該吸収性本体の連続体10a及び一対のベルト部材の連続体30a,30aをおむつ1の製品ピッチP1で分断するとともに、略V字形の溶着部ja,jbの近傍位置で略三角形の端材T,T…を切除する。そして、これにより、
図3の延板状のおむつ1が製造される。なお、かかる分断・切除処理は、カッターロールとアンビルロールとを有した周知のカッター装置(不図示)で行うことができるが、何等これに限らない。
【0088】
===第2実施形態===
図17は、第2実施形態の製造方法の手順を示す概略平面図である。
前述の第1実施形態では、
図11に示すように、一対のベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ吸収性本体の連続体10aのCD方向の各端部10aew,10aewにホットメルト接着剤等で接合後に、各ベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ折り返し線L30で折り返していたが、この第2実施形態では、
図17に示すように、各ベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ折り返し線L30で折り返した後に、各ベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ吸収性本体の連続体10aのCD方向の各端部10aewにホットメルト接着剤等で接合している。そして、主にこの点で上述の第1実施形態と相違し、これ以外の点は概ね同じである。そのため、以下では、主にこの相違点について説明し、同じ内容の説明については省略する。
【0089】
先ず、この第2実施形態の製造方法でも、
図17の左図のように、第1実施形態の第2工程たる「一対のベルト部材の連続体30a,30aの生成工程」と同じ工程を経て、一対のベルト部材の連続体30a,30aが生成される。そして、この時点では、一対のベルト部材の連続体30a,30aは、これら連続体30a,30a同士の間に吸収性本体の連続体10aのCD方向の寸法よりも若干小さい間隔D30saを有した状態で搬送方向に搬送されている。
【0090】
次に、この状態で一対のベルト部材の連続体30a,30aを搬送方向に搬送しながら、同
図17の中央図のように、一対のベルト部材の連続体30a,30aをそれぞれ折り返し線L30,L30でCD方向の内側に折り返す。そして、これにより、CD方向の一方側及び他方側に位置する各ベルト部材の連続体30a,30aは、それぞれ、吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の一方側部分及び他方側部分に対向可能な状態となる。
【0091】
そうしたら、それよりも搬送方向の下流の位置で、当該一対のベルト部材の連続体30a,30aの搬送経路には、同
図17の右図のように吸収性本体の連続体10aが合流する。なお、この吸収性本体の連続体10aの生成については、第1実施形態の第1工程と同じ工程を経てなされる。
そして、この合流時には、吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の一方側部分及び他方側部分に、それぞれ、CD方向の一方側及び他方側に位置する各ベルト部材の連続体30a,30aが重ね合わせられるとともに、吸収性本体の連続体10aの肌側面におけるCD方向の各端部10aew,10aewと、各ベルト部材の連続体30a,30aにおいてこれら各端部10aew,10aewと対向する部分とがホットメルト接着剤等で接合されて、これにより、一対のベルト部材の連続体30a,30aと吸収性本体の連続体10aとは、第1実施形態における第4工程を経た直後の状態となる。
よって、これ以降については、前述の第1実施形態の場合と同様に、
図13の第5工程と第6工程とを経て、その結果、
図3の延板状態のおむつ1が製造される。
【0092】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0093】
上述の第1実施形態では、
図18Aの概略断面図に示すように、第3工程たる「吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとの接合工程」において、ベルト部材の連続体30a,30aを主にトップシートの連続シート13aにおけるCD方向の各端部13aew,13aewに接合していたが、何等これに限らない。すなわち、
図18Bの概略断面図に示すように、ベルト部材の連続体30a,30aを主にバックシートの連続シート15aにおけるCD方向の各端部15aew,15aewに接合しても良い。なお、この場合には、上記の第3工程たる「吸収性本体の連続体10aと一対のベルト部材の連続体30a,30aとの接合工程」においては、バックシートの連続シート15aの平面サイズが、
図18Bに示すように、トップシートの連続シート13aよりもCD方向の両側に突出するような平面サイズにされているとともに、当該バックシートの連続シート15aのうちでCD方向の両側に突出する各部分15aew,15aewに、それぞれ、各ベルト部材の連続体30a,30aが接合されることになる。また、このことは前述の第2実施形態についても同様であり、その内容については、上述の記載内容に基づいて容易に想到可能であるので、その説明については省略する。ちなみに、ベルト部材の連続体30aが、トップシートの連続シート13aとバックシートの連続シート15aとの両者に接合される場合の上記の「主に接合されるシート」の意味は、「ベルト部材の連続体30aへの接合面積が大きい方のシート」と言う意味である。例えば、前者たる
図18Aの例では、上記の接合面積を比べた場合に、バックシートの連続シート15aよりもトップシートの連続シート13aの方が大きいことから、主にトップシートの連続シート13aに接合されていると言っている一方、後者たる
図18Bの例では、上記の接合面積を比べた場合に、トップシートの連続シート13aよりもバックシートの連続シート15aの方が大きいことから、主にバックシートの連続シート15aに接合されていると言っている。
【0094】
上述の第1実施形態では、
図18Aの概略断面図に示すように、一対のベルト部材の連続体30a,30aと吸収性本体の連続体10aとをそれぞれ生成した後に、これら一対のベルト部材の連続体30a,30aと吸収性本体の連続体10aとを接合していたが、何等これに限らない。例えば、
図19A及び
図19Bの概略断面図に示すように、吸収性本体の連続体10aの生成前に、同連続体10aを構成するトップシートの連続シート13a又はバックシートの連続シート15aに一対のベルト部材の連続体30a,30aを接合しても良い。詳しくは、
図19Aに示すように、トップシートの連続シート13aの非肌側面におけるCD方向の各端部13aew,13aewにそれぞれ各ベルト部材の連続体30a,30aを接合した後に、吸収体11が接合されたバックシートの連続シート15aが、トップシートの連続シート13aとベルト部材の連続体30a,30aとに対してそれぞれ非肌側から重ね合わせられて接合されても良いし、或いは、
図19Bに示すように、吸収体11が肌側面に載置固定されたバックシートの連続シート15aの肌側面におけるCD方向の各端部15aew,15aewに、それぞれ各ベルト部材の連続体30a,30aを接合した後に、トップシートの連続シート13aが、バックシートの連続シート15aと吸収体11とベルト部材の連続体30a,30aとに対してそれぞれ肌側から重ね合わせられて接合されても良い。そして、このようにした場合には、
図19Cの概略断面図の構造のおむつ1を製造可能となる。すなわち、ベルト部材30の幅方向の各端部30ew2,30ew2が吸収性本体10のトップシート13とバックシート15との間に介挿された構造のおむつ1を製造可能となる。
【0095】
上述の実施形態では、脚回り開口部30HLの形状は、吸収性本体10の長手方向に沿った直線に関して非対称形状とされていたが、何等これに限らず、対称形状でも良い。また、上述の実施形態では、脚回り開口部30HLは、ダイカッター装置の抜き刃等で打ち抜かれて形成されていた。すなわち、脚回り開口部30HLと同形状の抜き屑を生じながら、同脚回り開口部30HLは形成されていたが、何等これに限らない。すなわち、場合によっては、脚回り開口部30HLを、スリットSLの形態、つまり、直線、曲線、ジグザク線、及び波線等の切断線SLの形態で形成しても良く、この場合には、脚回り開口部30HLを形成する際に抜き屑は生じない。
図20A乃至
図21Bに、上記の四つのスリットSL態様の脚回り開口部30HLを示す。なお、これら
図20A乃至
図21Bでは、前述の
図6Aと同様の展開状態でおむつ1を示している。先ず、
図20Aの例では、スリットSLは、吸収性本体10の長手方向から0°以外の所定角度で傾いた斜め直線状の切断線SLの形態で形成されている。また、
図20Bの例では、スリットSLは、長手方向に沿った円弧状の切断線SLの形態で形成されている。更に、
図21Aの例では、スリットSLは、長手方向に沿ったジグザグ形状の切断線SLの形態で形成されている。また、
図21Bでは、スリットSLは、長手方向に沿った波形状の切断線SLの形態で形成されている。
【0096】
上述の実施形態では、不織布31,32を二枚重ねにしてベルト部材30を形成していて、これにより、ベルト部材の連続体30aに係る基材シート30sha(30sa)は、非肌側面をなす非肌側基材シート30sha1と肌側面をなす肌側基材シート30sha2とを有していたが、何等これに限らない。すなわち、非肌側基材シート30sha1及び肌側基材シート30sha2のうちのどちらか一方のシートのみでも良いし、或いは、非肌側基材シート30sha1及び肌側基材シート30sha2に加えて更に別の基材シートを一枚または複数枚積層しても良い。また、更に言えば、上記の不織布に代えて、織布やフィルムを用いて基材シート30sha(30sa)を形成しても良い。
【0097】
上述の実施形態では、
図6Aに示すように、折り返し線L30を幅方向(CD方向)に跨ぐようにベルト部材30に脚回り開口部30HLを形成していたが、何等これに限らない。すなわち、
図22Aに示すように、ベルト部材30において折り返し線L30と吸収性本体10との間の部分に脚回り開口部30HLを形成しても良いし、或いは、
図22Bに示すように、ベルト部材30において折り返し線L30と胴回り開口部1HBとなる端部30ew1との間の部分に脚回り開口部30HLを形成しても良い。
但し、ベルト部材30において着用対象者の胴回り部に配される部分30pのCD方向の寸法S30p(
図2を参照)を、大き過ぎず小さ過ぎない適度な大きさに設定可能にする観点からは、
図6Aのように折り返し線L30を幅方向(CD方向)に跨ぐように脚回り開口部30HLを形成するのが望ましい。ちなみに、これら
図22A及び
図22Bの例の場合も、補強シート40は、脚回り開口部30HLの形成対象部分に重なるように配置されるのは言うまでもない。
前記吸収性物品は、完成前の状態において、液体を吸収する吸収性本体と、前記吸収性本体に重ね合わせられつつ、前記吸収性本体の長手方向と交差する幅方向に並んで配された一対のベルト部材と、を有し、
前記ベルト部材を形成するための前記長手方向に連続した基材シートであって、前記幅方向の一部に補強シートが重ね合わせられて固定された前記基材シートを、前記長手方向を搬送方向として搬送することと、
前記補強シートが固定された前記基材シートに対して、前記補強シートと前記基材シートとを貫通する複数の前記脚回り開口部を前記長手方向に並べて形成することと、を有
前記吸収性物品は、完成前の状態において、液体を吸収する吸収性本体と、前記吸収性本体に重ね合わせられつつ、前記吸収性本体の長手方向と交差する幅方向に並んで配された一対のベルト部材と、を有し、
前記ベルト部材を形成するための前記長手方向に連続した基材シートであって、前記幅方向の一部に補強シートが重ね合わせられて固定された前記基材シートを、前記長手方向を搬送方向として搬送する搬送装置と、
前記補強シートが固定された前記基材シートに対して、前記補強シートと前記基材シートとを貫通する複数の前記脚回り開口部を前記長手方向に並べて形成する形成装置と、を有
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。