【解決手段】ナプキン2の個包装体1は、長手方向及び幅方向を有するナプキン2を、包装シート3とともに、前記幅方向に延びる折線領域5において折り畳むことにより形成され、吸収体9が、一方の面と、他方の面とを有し、前記折線領域において、前記一方の面から、前記吸収体の厚さ方向の途中まで切り込みを入れることにより形成されたスリット部12を少なくとも1つ以上備え、前記スリット部12が、前記一方の面に、前記幅方向に延びる開口部を有し、前記吸収体が、少なくとも前記スリット部12と前記吸収体9の厚さ方向に重複する位置に、前記スリット部12と前記吸収体9の厚さ方向に重複しない部分との比較における高密度部15を備える。
前記吸収体が、前記他方の面の、前記スリット部と前記吸収体の厚さ方向に重複する位置に、前記他方の面から、前記吸収体の厚さ方向の途中まで形成された凹部を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の個包装体。
前記個包装体が、前記吸収性物品を、前記包装シートとともに、複数の前記折線領域において複数回折り畳むことにより形成され、前記吸収体が、前記折線領域のそれぞれにおいて、前記スリット部を少なくとも1つ以上備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の個包装体。
前記吸収性物品が、前記吸収性物品の着衣当接面であって、前記折線領域以外の非折線領域に、前記吸収性物品を着用者の着衣に固定するための固定部を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の個包装体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、以下の態様に関する。
[態様1]
長手方向及び幅方向を有する吸収性物品を、包装シートとともに、前記幅方向に延びる折線領域において折り畳むことにより形成された、吸収性物品の個包装体であって、
前記吸収体が、一方の面と、他方の面とを有し、前記折線領域において、前記一方の面から、前記吸収体の厚さ方向の途中まで切り込みを入れることにより形成されたスリット部を少なくとも1つ以上備え、
前記スリット部が、前記一方の面に、前記幅方向に延びる開口部を有し、
前記吸収体が、少なくとも前記スリット部と前記吸収体の厚さ方向に重複する位置に、前記スリット部と前記吸収体の厚さ方向に重複しない部分との比較における高密度部を備えることを特徴とする、前記個包装体。
態様1に記載の吸収性物品の個包装体は、折線領域において、スリット部を少なくとも1つ以上備え、当該スリット部は、吸収体の幅方向に設けられており、吸収体の折線領域において、スリット部が設けられている部分とそれ以外の部分とで剛性差が生じ、個装形態に折り畳む際に、スリット部が折り起点となり、折り畳み形状を形成し易い。また、スリット部が吸収体の厚さ方向の途中までしか形成されておらず且つ長手方向における連続した領域が存在するので、平面形状に戻る力(復元力)が働き、平面形状にも戻り易い。さらに、本発明の吸収性物品は、少なくともスリット部と吸収体の厚さ方向に重複する位置に、高密度部を備えるので、当該高密度部とその周辺部分との間に剛性差が生じ、個装形態に折り畳む際に、高密度部が折り起点となり、折り畳み形状を形成し易い。また、前記高密度部は、スリット部と吸収体の厚さ方向に重複する位置における部分の剛性を高めるので、平面形状に戻る力(復元力)が働き、平面形状にも戻り易い。このように本発明の個包装体における吸収性物品は、スリット部と高密度部を同時に備えるので、折り畳み形状を形成し易さと平面形状への戻り易さの両方を兼ね備えるという効果を奏する。
【0014】
[態様2]
前記一方の面が、肌対向面である、前記個包装体。
態様2に記載の吸収性物品の個包装体は、スリット部が肌対向面側に形成されているので、吸収体を折り畳み易いと共に、スリット部が形成されていない部分が肌非対向面側にくるので、吸収体を折り畳む方向とは逆向きに平面形状に戻る力(復元力)が働き、折線領域における装着感がさらに改善される。
【0015】
[態様3]
前記スリット部が、前記吸収体の厚さの70%以下の深さを有する、前記個包装体。
態様3に記載の吸収性物品の個包装体は、スリット部の形成されていない部分が吸収体の厚さの30%以上を占めるので、平面形状に戻る力(復元力)が十分に働き、折線領域における装着感がさらに改善される。
【0016】
[態様4]
前記吸収体が、前記他方の面の、前記スリット部と前記吸収体の厚さ方向に重複する位置に、前記他方の面から、前記吸収体の厚さ方向の途中まで形成された凹部を備える、前記個包装体。
態様4に記載の吸収性物品の個包装体は、スリット部と吸収体の厚さ方向に重複する位置に凹部を備えるので、当該部分とそれ以外の部分とで剛性差が増し、個装形態に折り畳む際に、スリット部及び凹部が折り起点となり、折り畳み形状をより形成し易い。
【0017】
[態様5]
前記高密度部が、前記凹部の外周面から、前記吸収体の厚さ方向の途中まで形成されている、前記個包装体。
態様5に記載の吸収性物品の個包装体は、高密度部が凹部の外周面から吸収体の厚さ方向の途中まで形成されているので、吸収体が折り畳まれたときに高密度部が伸び、平面形状に戻る力(復元力)がより働く。
【0018】
[態様6]
前記個包装体が、前記吸収性物品を、前記包装シートとともに、複数の前記折線領域において複数回折り畳むことにより形成され、前記吸収体が、前記折線領域のそれぞれにおいて、前記スリット部を少なくとも1つ以上備える、前記個包装体。
態様6に記載の吸収性物品の個包装体は、折線領域が複数ある場合、それぞれにスリット部を少なくとも1つ以上設けることによって、いずれの折線領域においても吸収体が折り畳み易くなる。
【0019】
[態様7]
前記吸収体が、前記折線領域において、前記幅方向に間欠的に配置された、複数の前記スリット部を備える、前記個包装体。
態様7に記載の吸収性物品の個包装体は、折線領域において一のスリット部の延長線上に他のスリット部が非連続的に延在しているので、同一線上にスリット部がない領域ができ、一のスリット部が幅方向に横断している場合よりも吸収体の剛性が保たれる。
【0020】
[態様8]
前記吸収性物品が、前記吸収性物品の着衣当接面であって、前記折線領域以外の非折線領域に、前記吸収性物品を着用者の着衣に固定するための固定部を備える、前記個包装体。
態様8に記載の吸収性物品の個包装体は、吸収性物品を折り畳む際、当該吸収性物品の肌非対向面側の折線領域には固定部が存在しないので、吸収体が平面形状に戻る力(復元力)が阻害されない。
【0021】
[態様9]
前記開口部が、前記長手方向の端部に向かって突出する湾曲形状を有する、前記個包装体。
態様9に記載の吸収性物品の個包装体は、折線がスリット部の両端を結ぶ線分、又は凸の部分に形成されるよう誘導され、吸収体がさらに折り畳み易くなる。
【0022】
以下、本発明の吸収性物品に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1〜5は、本発明の第1実施形態を説明する図である。
図1は、個包装体1が展開された状態の平面図である。
図1に示すように、個包装体1は、折畳み状態から展開された場合、平面視にて、長手方向D
L及び該長手方向D
Lに直交する幅方向D
Wを有する縦長の形状を有している。個包装体1は、吸収性物品である生理用のナプキン2と、包装シート3と、タブ4と、を含む各種部材によって構成されている。生理用のナプキン2および包装シート3は、それぞれが厚さ方向に重なる位置においてD
W方向に折線領域5を有し、後述するように該折線領域5において順次内側に折り畳まれ、タブ4で止着されて個包装体1として包装される。
なお、
図1ではナプキン2が三つ折りされるように、折線領域5が2箇所ある場合を示したが、ナプキン2の収納方法に応じて、折線領域5は3箇所以上あってもよく、その形成される位置も適宜変更可能である。なお、折線領域5において、ナプキン2の折線から幅方向における第1の端部と、ナプキン2の折線から幅方向における第2の端部とまでの距離は、いずれも吸収体9の厚さと同じ長さであり、折線領域5は、第1の端部と第2の端部とで囲まれた領域である。
また、本明細書において、吸収体の厚さ(mm)は、以下の通り測定される。
株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS[測定面44mm(直径),測定圧3g/cm2]を準備し、標準状態(温度23±2℃,相対湿度50±5%)の下、吸収体の異なる5つの部位を加圧し、各部位における加圧10秒後の厚さを測定し、5つの測定値の平均値を吸収体の厚さとする。
【0024】
図2は、本発明の第1実施形態に係る個包装体1の生理用のナプキン2の平面図である。
図2に示すように、ナプキン2は、平面視にて、長手方向D
L及び該長手方向D
Lに直交する幅方向D
Wを有する縦長の形状を有している。ナプキン2は、着用者の肌面側に位置する左右一対の液不透過性の側部シート6a、6bと、該側部シート6a、6bの衣服側に位置し、不織布や液透過性プラスチックフィルム等からなる液透過性の表面シート7と、衣服側(すなわち、前記肌対向面側とは反対側)に位置する液不透過性の裏面シート8と、前記表面シート7及び前記裏面シート8の間に位置し、経血等の体液を吸収保持する吸収体9と、前記表面シート7及び前記吸収体9の間に位置し、前記吸収体9を少なくとも部分的に被覆する液透過性の被覆シート10と、を含む各種部材によって構成されている。
【0025】
また、
図1及び2に示すように、ナプキン2には略環状に圧搾溝11が形成されている。圧搾溝11は、表面シート7、被覆シート10及び吸収体9を厚み方向に圧搾して形成される。本実施形態において、圧搾溝11は、ナプキン2の表面シート7の肌対向面と吸収体9の肌非対向面とを圧搾することによって形成されている。
【0026】
なお、圧搾溝11は環状でなくてもよく、吸収体9と厚さ方向に重なる部分において、ナプキン2の幅方向D
wおける両端部に各々線状に1本以上形成されていてもよい。ただし、圧搾溝11は折線領域5においては、後述するように、スリット部12と平面視において略直交するように形成されていることが好ましい。ここで略直交とは、折線領域5におけるスリット部12と圧搾溝11とがなす角度が平面視にて、直角(90°)である場合のみならず、例えば、45°以上90°未満の角度を形成する場合も含む。
【0027】
本発明の第1実施形態に係るナプキンに用いられる吸収体及び被覆シートについて、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る吸収性物品(ナプキン2)に用いられる吸収体9及び被覆シート10の平面図であり、
図4は、
図3に示す吸収体9及び被覆シート10のIV−IV端面における部分端面図である。
図5は、
図3に示す吸収体及び被覆シートのV−V端面における部分端面図である。
図3に示すように、本実施形態においては、吸収体9及び被覆シート10が、ナプキン2の長手方向D
Lと一致する方向に長い、縦長の形状を有している。
【0028】
本実施形態において、吸収体9は、パルプを含む繊維構造体に高吸収性ポリマーを分散保持させたものが用いられるが、本発明の吸収性物品に用いられる吸収体は、経血等の体液を吸収保持する機能を有するものであれば特に制限されず、上述のパルプを含む繊維構造体に高吸収性ポリマーを分散保持させたもの以外にも、不織布等の任意の吸収性材料を用いることができる。また、吸収体としては、上述の吸収性材料をプレス等により圧縮したものも、吸収体の剛性が高いため、ナプキンの使用中に吸収体が裂け難くなるので、好適に用いることができる。
本発明の吸収性物品において、吸収体の坪量は、吸収性物品の吸収体として一般的に用いられる場合における坪量の範囲内にあれば特に制限されない。
【0029】
また、本実施形態において、被覆シート10は、ポリオレフィン系繊維(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等)やポリエステル系繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート等)などの合成繊維からなる不織布などの液透過性シートが用いられるが、本発明の吸収性物品に用いられる被覆シートは、経血等の体液を透過させることができるものであれば特に制限されず、上述の不織布以外にも、プラスチックフィルムや織布等の任意のシート材料を用いることができる。
【0030】
被覆シートが不織布や織布などの繊維構造体からなる場合、該繊維構造体の坪量も、吸収性物品に適用されるものとして一般的に用いられる場合における坪量の範囲内にあれば特に制限されない。また、被覆シートの厚さについては特に制限されないが、好ましくは0.1mm〜5.0mmであり、更に好ましくは0.2mm〜2.0mmである。
【0031】
本実施形態において、被覆シート10は、少なくとも一部がホットメルト等の任意の接着剤によって吸収体9と接合されている。吸収体9と被覆シート10とが接着剤を介して接合されていることで、ナプキン2の使用中に、吸収体9及び被覆シート10が後述するスリット部を起点として裂け難くなる。また、本発明の吸収性物品においては、吸収体と被覆シートとを一体化するために、上述の接着剤のほかにエンボス等の圧着手段などを併用してもよい。特に、吸収体と被覆シートとの一体化にエンボスを用いると、吸収体と被覆シートとが、複数のエンボスピンによる圧搾で形成される複数の圧搾部によって接合されるため、吸収体と被覆シートとの離間に起因して吸収体がよれたり、裂けたりし難くなると共に、繊維密度の高い圧搾部が複数箇所に形成されることで吸収体の剛性が高まり、ナプキンの使用中に吸収体が裂けるというようなことが起こり難くなる。
【0032】
本実施形態において、被覆シート10は、表面シート7及び吸収体9の間に配置されているが、本発明の吸収性物品に用いられる被覆シートは、吸収体を少なくとも部分的に被覆する位置であれば特に制限されず、所望の吸収性能や剛性等に応じて任意の位置に配置することができ、例えば、被覆シートは、吸収体及び裏面シートの間に配置されていても、吸収体の全体を囲繞するように配置されていてもよい。
【0033】
なお本実施形態においては、ナプキン2が被覆シート10を備える構成を説明したが、被覆シートは必須の構成要素ではなく、例えば吸収体自体が十分な剛性を有する場合、ナプキンは被覆シートを除いて構成してもよい。
【0034】
そして、上述のように接合された吸収体9及び被覆シート10は、少なくとも折線領域5内において、被覆シート10を貫通し、前記被覆シート10と当接する面から吸収体9の厚さ方向D
Tの途中部分まで形成されたスリット部12を肌対向面に備え、幅方向に延びる開口部を有する。
図3に示すように、本発明の第1実施形態においては、スリット部12が、平面視にて、吸収体9及び被覆シート10の略全面に亘って配置されている。本実施形態においては、複数のスリット部12の各々が、平面視にて、吸収体9及び被覆シート10の縦方向(すなわち、ナプキン2の長手方向D
L)に対して垂直な横方向、すなわちナプキン2の幅方向D
wと平行な方向に延在している。また、幅方向における同一線上にスリット部12と非スリット部120とが交互に存在している。
【0035】
本発明の吸収性物品において、のスリット部の長さは特に制限されないが、好ましくは3mm〜50mmであり、更に好ましくは5mm〜15mmである。スリット部の長さが3mm以上であると、吸収体の剛性の低下に寄与し、吸収体を折り畳み易くすることができる。一方、スリット部の長さが50mm以下であると、吸収体の幅方向端部においてスリット部が形成されていない部分を残し、吸収性物品が折り畳まれた状態から展開される際の復元力を発揮することができると共に、着用者が吸収性物品を着用時に、吸収体が幅方向D
Wに受ける圧力に耐えうる程度の剛性を維持することができる。ただし、折線領域における吸収性物品の折り畳み易さを考慮すると、幅方向において同一線上にあるスリット部の合計の長さの吸収体の幅方向の長さに占める割合は、好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜70%、さらにより好ましくは50〜60%である。
【0036】
図4および
図5に示すように、本実施形態において、スリット部12は、肌対向面から被覆シート10を貫通し、前記被覆シート10と当接する面から吸収体9の厚さ方向D
Tの途中部分まで形成されている。
本発明における吸収体のスリット部の深さは、特に制限されないが、吸収性物品の折り畳み易さなどの点から、例えば0.05mm〜5.0mmであり、好ましくは0.1mm〜3.0mmである。また、スリット部の厚さは、吸収体の厚さの70%以下、あるいは吸収体の厚さの半分以下となってもよい。
【0037】
なお、本明細書において、スリット部の深さは、スリット部を有する側の表面に沿った平面と、スリット部における最深部との間の距離を意味し、具体的には、以下の測定方法によって求められる深さを指す。(1)スリット部を有する吸収体及び被覆シート(以下、「吸収体等」という。)を、スリット部の延在する方向と垂直に交わる平面で切断する。(2)切断した吸収体等の断面を走査型電子顕微鏡などの電子顕微鏡で観察し、任意の隣り合う2つのスリット部の間に位置する最も厚さの厚い部分(以下、「最厚部」という。)の厚さ(mm)を測定する。(3)任意の10箇所の最厚部の厚さ(mm)を測定し、その平均値を最厚部平均厚さ(mm)とする。(4)電子顕微鏡写真又は画像を用いて、吸収体等のスリット部を有する面とは反対側の面を下側にして吸収体等を水平面に載置した場合に、該水平面に接する部分からなる平面を仮想底面と仮定するとともに、前記仮想底面と平行な平面であって、前記底面からの距離が前記最厚部平均厚さと一致する位置に位置する平面を仮想基準表面と仮定し、該仮想基準表面からスリット部の最深部までの距離(mm)を測定する。(5)任意の10個のスリット部について、前記仮想基準表面からスリット部の最深部までの距離(mm)を測定し、その平均値をスリット部の深さ(mm)とする。
【0038】
また、本実施形態においては、複数のスリット部12の各々が、平面視にて、ナプキン2の幅方向D
Wと平行な方向に延在している。複数のスリット部がこのような方向に延在していると、吸収体がナプキン2の長手方向D
Lに湾曲し易くなり、折線領域5において折り畳み易くなる。
【0039】
図3に示すように、本実施形態においては、複数のスリット部12が、平面視にて、吸収体9及び被覆シート10の略全面に亘って千鳥状に配置されている。また、複数のスリット部12が、平面視にて、一のスリット部の延長線上に他のスリット部12が非連続的に延在するように、すなわち、吸収体9の幅方向に間欠的に配置されている。このように複数のスリット部が配置されていると、吸収体においてスリット部12の存在しない剛性の高い領域が、ナプキン2の長手方向D
Lに連続して形成されないため、ナプキン2がより変形し易くなり、ナプキン2の着用感を向上させることができる。また、このような効果は、上述の千鳥状の配置形態に限らず、例えば、複数のスリット部を、ナプキン2の長手方向D
Lに隣接するスリット部同士が前記長手方向D
Lにおいて常に重なる部分を有するように配置することで得ることができる。
【0040】
また、本発明の吸収性物品において、複数のスリット部の配置形態は、上述の千鳥状に限定されず、吸収体の変形のし易さや吸収体としての剛性を損なわない範囲内で、任意の配置形態を採用することができる。
【0041】
複数のスリット部を形成する手段については特に制限されず、任意の切断手段を用いることができる。例えば、複数のスリット部は、上述のようにして接合した後の吸収体及び被覆シートを任意の搬送手段によって搬送しながら、被覆シートの上方から、回転する切断ロールの周面上に設けられた複数の切断刃を押し当てることによって形成することができる。なお、切断ロールの切断刃と搬送手段との間のクリアランスを調節することによって、スリット部を、吸収体を貫通しないように形成することができる。
【0042】
前記スリット部を形成する方法としては、一体化した被覆シート及び吸収体を任意の搬送手段によって搬送する工程(a)と、前記被覆シート及び吸収体を搬送しながら、前記被覆シートの上方から複数の切断刃を押し当てることによって、前記被覆シートを貫通し、前記吸収体の厚さ方向D
Tの途中部分まで形成された複数のスリット部を形成する工程(b)と、前記被覆シート及び吸収体から前記切断刃を取り除く工程(c)とを含む方法が挙げられる。
【0043】
この方法では、前記工程(b)において、前記複数のスリット部が形成されるが、その際に、前記切断刃の押圧力によって、前記スリット部の底部と前記搬送手段との間の部分が圧搾されて、高密度部が形成されるため、前記高密度部を起点とした吸収体の折り畳みを精度よく実現することができ、着用者に快適な装着感を提供することができる。
なお、高密度部とは、後述するように、スリット部と吸収体の厚さ方向に重複しない部分との比較における、繊維密度が高い部分である。また、繊維密度の比較は、例えば電子顕微鏡により測定対象部位を観察し、当該部位における繊維間空隙の最大径を比較することにより行うことができる。
【0044】
本発明の吸収性物品において、スリット部の延在方向は、吸収性物品の幅方向D
Wに平行な方向に限定されず、吸収性物品の幅方向D
Wに対して実質的に平行な方向を含む。本明細書において、「吸収性物品の幅方向D
Wに対して実質的に平行な方向」とは、複数のスリット部をこのような方向に延在するように形成した場合に、吸収体及び被覆シートが、前記スリット部を有する面側に折り畳み易くなる(すなわち、スリット部を有する面側に谷折りされ易くなる)ように作用する方向を指し、例えば、吸収性物品の幅方向D
Wに対して好ましくは、0°以上30°未満の角度、より好ましくは、0°以上20°未満の角度、さらにより好ましくは、0°以上10°未満の角度を形成する方向である。なお、本明細書において、「吸収性物品の幅方向D
Wに対して0°以上30°未満の角度」とは、吸収性物品の幅方向D
Wに平行な直線とスリット部とが交わることによって形成される角度のうちの最も小さい角度が、0°以上30°未満の角度であることを意味する。また、スリット部の延在方向と、吸収性物品の幅方向D
Wとのなす角度が30°以上であると、スリット部を形成する際に、吸収体内において吸収性物品の幅方向D
Wに配向した繊維が切断され易くなるため、吸収体の幅方向における剛性が低下する虞がある。それに対し、スリット部の延在方向が、吸収性物品の幅方向D
Wに対して実質的に平行な方向であると、吸収体及び被覆シートが、前記スリット部を有する面側に折り畳み易くなるので、吸収体及び被覆シートを着用者の身体形状に沿って変形させ易くすることができるとともに、前記スリット部から吸収体中のパルプ等が露出するのを防ぐことができる。
【0045】
また、
図4と
図5に示すように、本実施形態において、吸収体9は、吸収体9はさらに、吸収体9の厚さ方向でスリット部12と対応する位置に、肌非対向面から厚さ方向の途中まで形成された凹部14を備えている。本発明の吸収性物品において、凹部の構造は、吸収体の折り畳み易さを損なわない限り特に制限されないが、凹部の幅方向における長さは、身体形状に沿った変形のし易さなどの点から、例えば3mm〜60mmであり、好ましくは5mm〜20mmである。また、凹部の長手方向における長さも特に制限されないが、例えば0.1mm〜5mmであり、好ましくは0.5mm〜2mmである。凹部の幅がこのような範囲内にあると、吸収体が折れ曲がる際の起点として機能し易くなる。
【0046】
本発明の吸収性物品において、凹部の深さは特に制限されないが、吸収体の折り畳み易さ等の点から、例えば0.05mm〜5mmであり、好ましくは0.1mm〜3mmである。なお、本明細書において、凹部の深さは、吸収体9のスリット部を有する面と反対側の面と、凹部の最深部との間の距離を意味し、上述のスリット部の深さと同様の測定方法によって求めることができる。すなわち、上述のスリット部の深さの測定方法において、前記仮想底面から凹部の最深部までの距離(mm)を測定し、任意の10個の凹部について実施した上記距離の測定値の平均値を、凹部の深さ(mm)とする。
【0047】
また、ナプキン2においては、スリット部12の深さが、凹部14の深さよりも深い。スリット部12の深さを、凹部14の深さよりも深くすることで、吸収体9がスリット部12を有する面側に折れ曲がるようになるため、前記スリット部によって吸収体9中のパルプ等が露出するのを防ぐことができ、その結果、吸収体としての耐久性を向上させることができる。
【0048】
本発明の吸収性物品において、平面視における凹部の形状は特に制限されないが、スリット部12と実質的に同一の形状を有することが好ましい。スリット部と凹部とが、平面視にて実質的に同一の形状を有していると、スリット部と凹部との間の部分を起点として吸収体を精度よく折り畳むことができる。なお、本明細書において、実質的に同一の形状とは、各形状が、同一種類の形状であって、各形状の中心線同士が重複する形状を意味する。
【0049】
本発明の第1実施形態に係るナプキン2における凹部は、例えば、エンボス等の圧搾手段によって容易に形成することができる。前記凹部をエンボス等の圧搾手段によって形成すると、吸収体9の厚さ方向において、貫通しないスリット部12の底部と凹部14との間の部分が圧搾されて高密度化し、当該高密度部15とその周辺部分との間に剛性差が生じるため、当該高密度部15は、吸収体9の折り畳みの起点となると共に、吸収体9を平面形状に戻し易い。また、スリット部12の底部と凹部14との間の部分が高密度化することによって、吸収体9のスリット部12を有する領域が強化されるため、吸収体としての耐久性を向上させることもできる。
【0050】
また、前記圧搾手段を上述のスリット部12の形成手段と兼用することもできる。すなわち、凹部14は、スリット部12と同時に形成することができる。つまり、前述したスリット部12を形成する工程(前記工程(b))において、前記切断刃の押圧力によって、スリット部12の底部と前記搬送手段との間の部分が圧搾されて、高密度部15が形成されると共に、吸収体9が前記切断刃の当接点(すなわち、スリット部12の底部)を中心として下側に凸となるように変形する。そして、このように変形した吸収体9は、前記工程(c)において、前記切断刃の押圧力が取り除かれると、吸収体9を構成する繊維の弾性力によって元の形状に復元するが、スリット部12の底部と前記搬送手段との間の高密度部15は圧搾されていて復元せず、当該部分がスリット部12の底部に隣接した状態が維持されるため、当該部分を中心とした凹部14が、吸収体9の前記搬送手段側の面(すなわち、スリット部12を有する面と反対側の面)に形成される。
【0051】
このような方法によれば、スリット部12と凹部14とが、吸収体9の厚さ方向で対応する位置に、平面視にて実質的に同一の形状を有するように形成されるため、スリット部12の底部と凹部14との間の部分を起点とした吸収体の折り畳みを精度よく実現することができ、着用者に快適な装着感を提供することができる。また、スリット部12の底部と凹部14との間に高密度部15が形成されるため、上述のエンボス等による圧搾手段を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0052】
続いて、本発明の第1実施形態に係るナプキン2が包装シート3と共に折り畳まれる形態について、図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明の第1実施形態に係るナプキン2が包装シート3と共に一の折線領域5において折り畳まれた状態の斜視図であり、
図7は、本発明の第1実施形態に係るナプキン2が包装シート3と共に全折線領域5において折り畳まれた状態の斜視図である。
図6に示すように、一の折線領域5は、他の折線領域においてナプキン2と包装シート3とが折り畳まれた際の長手方向端部16が重複しない位置において形成されている。折線領域5がこのような位置に形成されることで、
図7に示すように、ナプキン2と包装シート3とが全折線領域5において折り畳まれても、先に折り畳まれた長手方向端部16が折線領域5内において再度捲れることがなく、形成された個包装体1も嵩高にならずに済む。
【0053】
図8は、本発明の第1実施形態に係る個包装体1が一の折線領域5において、途中まで折り畳まれた状態における部分断面図である。個包装体1が折線領域5で折り畳まれる際、肌対向面の表面シート7同士がなす角度θが減少していくと、表面シート7は、折線領域5において吸収体9との層内剥離を起こし始め、僅かに隆起する。そして肌対向面の表面シート7同士が接触し、折線領域5付近で圧力がかかると、隆起した表面シート7に破壊が起こる。このように、表面シート7は、ナプキン2を折り畳む際には前記隆起部分が生じることにより、ナプキン2の折り畳みやすさを阻害し、またナプキン2を折り畳んだ後は、前記隆起部分の破壊により、折り畳み形状を保持する。同様の現象は、裏面シート8、包装シート3等にも起こりうる。
【0054】
一方、ナプキン2の吸収体9はスリット部12を備え、スリット部12が少なくとも折線領域5内において、幅方向に且つ被覆シート10を貫通し、吸収体9の厚さ方向の途中部分まで形成されていることによって、折線領域5の長手方向におけるスリット部12が設けられている部分とそれ以外の部分とで剛性差が生じ、個装形態に折り畳む際に、スリット部12が折り起点となり、折り畳み形状を形成し易い。また、吸収体9の肌対向面にはスリット部12の切り込みが入っているので、前記表面シート7における隆起が生じず、ナプキン2の折り畳み易さは阻害されない。
【0055】
さらに、吸収体9は、少なくともスリット部12と吸収体の厚さ方向に重複する位置に、高密度部15を備えるので、当該高密度部15とその周辺部分との間に剛性差が生じ、個装形態に折り畳む際に、高密度部15が折り起点となり、折り畳み形状を形成し易い。また、前記高密度部15は、スリット部12と吸収体9の厚さ方向に重複する位置における部分の剛性を高めるので、平面形状に戻る力(復元力)が働き、吸収体9を平面形状に戻す際の力学的要素として機能する。
【0056】
また、高密度部15を含む領域は、凹部14の外周面から、弧状に吸収体9の厚さ方向の途中まで形成されている。高密度部15を含む領域がこのように形成されていると、吸収体9が折り畳まれたときに、高密度部15を含む領域、U字型バネが湾曲方向とは逆方向に伸びるように作用し、吸収体9が平面形状に戻る力(復元力)がより働く。
なお、高密度部15は、吸収体9の厚さ方向において、貫通しないスリット部12の底部と凹部14との間の部分に形成され、高密度部15を含む領域は、凹部14の外周面から、弧状に吸収体9の厚さ方向の途中まで形成されている、高密度部15以外の中密度部を含む。また、吸収体9における高密度部15を含む領域以外の領域は低密度部である。
さらに、本実施形態においては、吸収体が凹部14を備える構成を説明したが、別の実施形態では吸収体は凹部14を備えず、スリット部と厚さ方向において重複する部分においてのみ吸収体の坪量が高く、該吸収体を均一に押圧することにより高密度部を含む領域が形成される。
【0057】
本発明におけるスリット部の深さは、上述したように、吸収体9の厚さの半分以下、または70%以下であってもよい。スリット部12がこのように形成されると、スリット部12の形成されていない部分が吸収体9の厚さの半分以上、又は30%以上を占めるので、平面形状に戻る力(復元力)が十分に働き、折線領域5におけるナプキン2の装着感をさらに改善することができる。
【0058】
本発明における折線領域は、吸収性物品と包装シートとが重なる位置において複数形成されていてもよい。この場合、スリット部は、それぞれの折線領域内において少なくとも1つ以上形成されていることが好ましい。スリット部がこのように形成されると、いずれの折線領域においても吸収体が折り畳み易くなる。
【0059】
また、上述したように、スリット部は、一のスリット部の幅方向における延長線上に他のスリット部が間欠的に延在するように形成されていてもよい。スリット部がこのように形成されることで、折線領域において一のスリット部の延長線上に他のスリット部が非連続的に延在することとなるので、幅方向における同一線上に非スリット部が存在し、一のスリット部が幅方向に連続的に延在している場合よりも吸収体の剛性が保たれる。また、吸収体の幅方向においてスリット部が形成されていない部分を残し、吸収性物品が折り畳まれた状態から展開される際の復元力を発揮することができる。
【0060】
図8に示すように、裏面シート8において包装シート3に対向する面(すなわち、肌非対向面、又は着衣当接面)には、下着等着用者の衣服にナプキン2を移動不能に取り付けるための固定部13、13が形成されている。この固定部13、13は、例えば裏面シート8の着衣当接面の所定位置にホットメルト系接着剤を塗布することで形成される。
【0061】
固定部13、13は、ナプキン2の着衣当接面であって、折線領域5とスリット部12とが重複する領域以外の領域において形成される。固定部13、13がこのような領域に形成されることで、ナプキン2を折り畳む際、ナプキン2の着衣当接面の折線領域5には固定部13、13が存在しないので、吸収体9が平面形状に戻る力(復元力)が阻害されない。ナプキン2の着衣当接面の折線領域5には固定部13、13が存在すると、ナプキン2が折り畳まれた状態では固定部13、13が引き延ばされ、その状態が維持される。そして固定部13、13が引き延ばされたことに伴って、表面シート7と裏面シート8との間に経路差が生じ、裏面シート8も折り畳まれた状態を維持され易く、ナプキン2が平面形状に戻りにくくなり、結果としてナプキン2の装着感が悪くなる。
【0062】
また、
図2に示すように、本発明の第1実施形態に係るナプキン2は、前記吸収体9の幅方向D
Wにおける両縁部には、前記スリット部12が存在していない。このような両縁部にスリット部が存在していないことで、吸収体9が当該両縁部において所定の強度を確保することができるため、ナプキン2の幅方向D
Wの両縁部と着用者の腿周りとの間で摩擦等が生じても、吸収体が裂け難くなると共に、吸収体の幅方向端部においてスリット部12が形成されていない部分を残し、ナプキン2が折り畳まれた状態から展開される際の復元力を発揮することができる。
【0063】
本発明の吸収性物品は、吸収体と被覆シートとの離間を防ぐ観点から、吸収体と被覆シートとをエンボス等で圧搾して一体化することにより、複数の圧搾部を形成することができるが、この複数の圧搾部の数や大きさによっては、吸収体の剛性が高くなり過ぎてしまい、吸収性物品が着用者の身体形状に倣って変形し難くなる虞がある。そのため、吸収体及び被覆シートに複数の圧搾部を形成する場合は、前記圧搾部の少なくとも一部がスリット部と重なるように構成することが好ましい。圧搾部の少なくとも一部にスリット部を形成することで、吸収体の剛性を低下させることができるため、複数の圧搾部による吸収体の過度の高剛性化を一定の範囲内に抑えることができ、吸収性物品として好適なフィット性を得ることができる。
【0064】
また、本発明の第1実施形態に係るナプキン2は、前述したように、圧搾溝11が折線領域5内の少なくとも一つのスリット部12と平面方向に直交するように形成される。このように圧搾溝11を形成することで長手方向におけるナプキン2の剛性が強化され、平面形状平面形状ナプキン2を平面形状に戻す場合に平面形状に戻る力(復元力)が十分に働き、折線領域5におけるナプキン2の装着感をさらに改善することができる。
【0065】
また、本発明の吸収性物品において、複数のスリット部は、吸収体及び被覆シートの一部の領域のみに配置されていてもよく、この場合、複数のスリット部は、折線領域や、剛性を低下させたい箇所のみに配置されてもよい。例えば、本発明の吸収性物品は、着用者の排泄口が当接する排泄口当接領域の吸収性能を向上させるために、当該排泄口当接領域の吸収体中のパルプ量を周辺の領域よりも多く配合することができるが、吸収体中のパルプ量が多くなると排泄口当接領域の剛性が高くなるため、当該排泄口当接領域に複数のスリット部を配置することで、吸収性物品の吸収性能を向上させつつ、吸収体の高剛性化を抑制することができる。また、吸収性物品の長手方向の両端部側に位置する前方領域及び後方領域は、着用者の身体形状の曲率の大きい部分に対応する領域であるため、前記前方領域又は前記後方領域の少なくとも一方の領域に複数のスリット部を配置することで、着用者の身体形状の曲率の大きい部分に対応する領域の剛性が低下し、着用者の身体形状に対する吸収性物品のフィット性を更に向上させることができる。
【0066】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態に係る個包装体1’の吸収体9’の平面図である。この実施形態における吸収体9’は、スリット部12’の形成される態様以外は、上述の実施形態と同様の構成を有している。この実施形態においては、スリット部12’が折線領域内において、吸収体9’の長手方向端部17に向かって凸の形状を有するように1つ以上設けられている。
【0067】
本実施形態におけるスリット部12’は、吸収体9’の幅方向D
Wにおける両縁部以外の領域に設けられている限り、長さや曲率は適宜変更可能である。このように両縁部にスリット部12’が存在しないようにするのは、上述したとおり、当該両縁部において所定の強度を確保することができるため、ナプキン2’の幅方向D
Wの両縁部と着用者の腿周りとの間で摩擦等が生じても、吸収体が裂け難くすると共に、吸収体の幅方向端部においてスリット部12’が形成されていない部分を残し、ナプキン2’が折り畳まれた状態から展開される際の復元力を発揮することができるようにするためである。
【0068】
このように、スリット部12’を湾曲した形状で、ナプキン2’の幅方向に連続的に形成することによって、吸収体9’の折線がスリット部12’の始点と終点とを結ぶ線、又は凸の部分に形成されるよう誘導され、吸収体9’がさらに折り畳み易くすることができる。
【0069】
本発明の吸収性物品において、スリット部の平面視における形状は、上述の実施形態に限定されず、吸収体の変形のし易さや吸収体としての強度を損なわない範囲内で、任意の形状を採用することができる。このようなスリット部の形状としては、例えば、V字形、波形、ジグザグ形、円形、多角形等が挙げられる。
【0070】
また、第1及び第2実施形態においては、スリット部12、12’が肌対向面に形成されている場合を説明したが、本発明の別の実施形態に従う個包装体におけるスリット部は、肌非対向面に形成されている。この場合でも、吸収体の折線領域において、スリット部が設けられている部分とそれ以外の部分とで剛性差が生じ、スリット部が折り起点となる。また、スリット部が肌非対向面に形成されることにより、吸収性物品が折り畳まれる場合に生じる、経路差を吸収することができる。これらの作用により、吸収性物品を個装形態に折り畳む際に、折り畳み形状を形成し易い
【0071】
本発明は、上述した各実施形態の生理用のナプキンのほかに、例えば、パンティーライナー、失禁パッド等の様々な吸収性物品に適用することができる。また、本発明の吸収性物品は、上述した実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜変更が可能である。