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特開2016-221456テーブル比重選鉱システムにおける照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221456(P2016-221456A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】テーブル比重選鉱システムにおける照明装置
(51)【国際特許分類】
   B03B 5/04 20060101AFI20161205BHJP
   B03B 13/02 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B03B5/04
   B03B13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-110281(P2015-110281)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健司
【テーマコード(参考)】
4D071
【Fターム(参考)】
4D071AA12
4D071AB04
4D071AB55
4D071AB61
4D071AB70
4D071BA01
4D071BA11
4D071BB01
4D071DA08
(57)【要約】
【課題】 テーブル比重選鉱システムにおいて、揺動テーブル上の金線領域を均一に照明する。
【解決手段】テーブル比重選鉱システム300において、揺動テーブル3上の金線領域に沿って該金線領域の両側に配置される少なくとも2つの照明部120A、120Bにより斜め上方より該金線領域を照明する。上記少なくとも2つの照明部120A、120Bは、 それぞれ、少なくとも横方向に分割された複数の発光領域に配置された複数の発光素子からなり、制御装置140の照明制御部により、上記発光領域単位で照明の明るさが制御可能な面光源である。上記照明制御部は、上記少なくとも横方向に分割された複数の発光領域単位で照明の明るさを制御して、上記揺動テーブル3上の金線領域を上記少なくとも2つの照明部120A、120Bにより均一に照明する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリッフルが設けられ、該リッフルの伸長方向に揺動運動可能に傾斜して設置された盤を備え、水流と共に給鉱された鉱粒を比重により分散させる揺動テーブルと、上記揺動テーブルの盤の端縁に沿って配置され、上記分散された鉱粒を異なる貯槽に分離して排出するための仕切り板と、上記仕切り板の配置位置を移動させるための仕切り板駆動装置を備えるテーブル比重選鉱機の上記盤上の金線領域を撮像してられる画像から、画像処理により上記金線領域を認識して、上記仕切り板の位置を制御するようにしたテーブル比重選鉱システムにおける照明装置であって、
上記揺動テーブル上の金線領域に沿って該金線領域の両側に配置され、斜め上方より該金線領域を照明する少なくとも2つの照明部と、
上記少なくとも2つの照明部による照明の明るさを制御する制御部とを備え、
上記少なくとも2つの照明部は、それぞれ、少なくとも横方向に分割された複数の発光領域に配置された複数の発光素子からなり、上記発光領域単位で照明の明るさが制御可能な面光源であり、
上記制御部は、上記少なくとも横方向に分割された複数の発光領域単位で照明の明るさを制御して、上記揺動テーブル上の金線領域を上記少なくとも2つの照明部により均一に照明することを特徴とするテーブル比重選鉱システムにおける照明装置。
【請求項2】
上記少なくとも2つの照明部は、縦横方向に分割された複数の発光領域を有し、
上記制御部は、上記少なくとも2つの照明部による照明の明るさを、上記縦横方向に分割された発光領域単位で照明の明るさを制御することを特徴とする請求項1に記載のテーブル比重選鉱システムにおける照明装置。
【請求項3】
上記少なくとも2つの照明部の設置角度を調整可能な照明部保持機構を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテーブル比重選鉱システムにおける照明装置。
【請求項4】
上記揺動テーブル上の金線領域に沿って該金線領域の両側に配置される上記少なくとも2つの照明部は、上記照明部保持機構により、上記金線領域の上流側ほど設置間隔が狭い状態に保持されることを特徴とする請求項3に記載のテーブル比重選鉱システムにおける照明装置。
【請求項5】
上記発光素子は、発光ダイオードであり、
上記制御部は、上記発光領域単位で発光ダイオードに流す電流の大きさを制御することにより、上記少なくとも2つの照明部による照明の明るさを制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のテーブル比重選鉱システムにおける照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の照明装置を用いたテーブル比重選鉱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈石鉱物や硫化鉱物を含有する金鉱石から直接精製可能な高濃度の金精鉱を得るテーブル比重選鉱機と画像処理技術とを組み合わせ、仕切り板の調整を自動化するようにしたテーブル比重選鉱システムにおける照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から金鉱石の選鉱方法としては、金鉱石を破砕した後、適当な粒度に微粉砕し、得られた鉱粒をシアン化物水溶液中に懸濁させて金を浸出するいわゆる青化法によって金を脈石鉱物や硫化鉱物から分離・濃縮する方法や、比重選鉱および浮遊選鉱によって金鉱物を脈石鉱物や硫化鉱物から分離・濃縮した後に、さらに青化法により金を分離・濃縮する方法が採られている。
【0003】
これらの方法で用いられる青化法では、粗大な金鉱石が存在したり金鉱石の量が多い場合は、そのすべてを青化法により溶解させるには時間が掛かり、溶解装置の処理能力の低下や金の回収が不充分となる問題がある。
【0004】
そこで、高品位の金精鉱を回収する方法として、テーブル比重選鉱(揺動薄流選鉱ともいう)が提案されており、テーブル比重選鉱により、粗大な金鉱石、或いは金鉱石の大半を分離することで低品位金鉱石の青化法による金の分離・濃縮工程を効率化することができる。
【0005】
テーブル比重選鉱には、ウィルフレー・テーブルやジェームス・テーブル等の揺動テーブルが用いられる。揺動テーブルは、揺動方向に沿って形成されたリッフルを有する盤と、盤に揺動運動を与えるための揺動機構を備える。盤上には、盤の揺動方向とは異なる方向に流れる水流と共に、金鉱石の鉱粒が給鉱される。これにより、比重の重い金粒子は、リッフルに沿って揺動方向に前進し、精鉱として回収され、比重の軽い脈石鉱物や硫化鉱物の粒子は、水流方向にリッフルを乗り越えて運搬され、尾鉱として排出される。精鉱と尾鉱とは、たとえば揺動テーブルに沿って移動可能な仕切り板によって分離され、それぞれの貯槽に回収される。
【0006】
このように、比重が異なる鉱粒を揺動テーブルに給鉱することにより、精鉱と脈石鉱物や硫化鉱物とが分離して回収されることになる。
【0007】
テーブル比重選鉱を採用することにより、分離した粗大な金鉱石、或いは高品位金鉱石は物量が少なくなるため、直接熔錬を行ったり小規模な高濃度の青化法により金の分離・濃縮を行なうことができる。
【0008】
しかしながら、単に揺動テーブルを用いただけでは、精鉱と尾鉱が明確に分離される訳ではない。また、給鉱される鉱石の種類、特に金鉱石のうちでも産地や状況(あらかじめ他の選鉱がなされているか否か等)に応じて、精鉱と尾鉱の分離状況が異なってくる。さらに、テーブル比重選鉱を繰り返し行うことがあるが、それぞれのバッチごとに、同様に精鉱と尾鉱との境界位置が異なってくることとなる。
【0009】
このため、操業ごとに、精鉱と尾鉱の区分けは作業者の目視によって決定され、かつ、手動により仕切り板の位置を調整する必要があるため、適確な選鉱については作業者の経験に頼らざるを得ないのが実情であった。
【0010】
そこで、本件出願人は、テーブル比重選鉱と画像処理技術とを組み合わせ、仕切り板の調整を自動化することにより、作業者の経験に頼ることなく、金鉱石から直接精製可能な高品位の金精鉱を回収できるようにしたテーブル比重選鉱機及び比重選鉱方法を先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2012−139675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の如く、テーブル比重選鉱では、テーブル上に鉱粒のスラリーを供給し、テーブルを搖動させつつ水を供給して、スラリー中の固形分(鉱粒)の比重と粒径によるテーブル上の「流れ方」の違いによって、金品位の高い鉱粒の流れを形成させ、仕切り板によってこの流れだけを回収することにより分離している。金品位の高い流れの部分を「金線」という。
【0013】
しかしながら、テーブル比重選鉱機に鉱石を安定に供給することが容易ではないため金線の位置が変動する。金線の位置変動を画像処理により捉え、仕切り板の位置を金線位置に合わせて制御する場合、精度良く制御するためには、揺動テーブル上の金線領域の鮮明な画像を安定に且つ確実に取得し、取得した画像から金線位置を正確に推定できるようにする必要がある。
【0014】
本件出願人は、脈石鉱物や硫化鉱物を含有する金鉱石から直接精製可能な高濃度の金精鉱を得るテーブル比重選鉱機と画像処理技術とを組み合わせ、仕切り板の調整を自動化するようにしたテーブル比重選鉱システムを特願2015−69721として先に提案している。
【0015】
本件出願人が先に提案しているテーブル比重選鉱システムにおいて、揺動テーブル上の金線領域を撮像して得られる画像から、上記金線領域を確実に認識するためには、揺動テーブル上の金線領域を均一に照明する必要がある。
【0016】
本発明の目的は、このような従来の事情に鑑み、揺動テーブル上の金線領域を撮像して得られる画像から金線位置を正確に推定して、仕切り板の位置を金線位置に合わせて精度良く自動制御することができるようにしたテーブル比重選鉱システムおいて、揺動テーブル上の金線領域を均一に照明することのできる照明装置を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、複数のリッフルが設けられ、該リッフルの伸長方向に揺動運動可能に傾斜して設置された盤を備え、水流と共に給鉱された鉱粒を比重により分散させる揺動テーブルと、上記揺動テーブルの盤の端縁に沿って配置され、上記分散された鉱粒を異なる貯槽に分離して排出するための仕切り板と、上記仕切り板の配置位置を移動させるための仕切り板駆動装置を備えるテーブル比重選鉱機の上記盤上の金線領域を撮像してられる画像から、画像処理により上記金線領域を認識して、上記仕切り板の位置を制御するようにしたテーブル比重選鉱システムにおける照明装置であって、上記揺動テーブル上の金線領域に沿って該金線領域の両側に配置され、斜め上方より該金線領域を照明する少なくとも2つの照明部と、上記少なくとも2つの照明部による照明の明るさを制御する制御部とを備え、上記少なくとも2つの照明部は、それぞれ、少なくとも横方向に分割された複数の発光領域に配置された複数の発光素子からなり、上記発光領域単位で照明の明るさが制御可能な面光源であり、上記制御部は、上記少なくとも横方向に分割された複数の発光領域単位で照明の明るさを制御して、上記揺動テーブル上の金線領域を上記少なくとも2つの照明部により均一に照明する。
【0019】
本発明に係るテーブル比重選鉱システムにおける照明装置において、少なくとも2つの照明部は、縦横方向に分割された複数の発光領域を有し、制御部は、上記少なくとも2つの照明部による照明の明るさを、上記縦横方向に分割された発光領域単位で照明の明るさを制御するものとすることができる。
【0020】
また、本発明に係るテーブル比重選鉱システムにおける照明装置は、少なくとも2つの照明部の設置角度を調整可能な照明部保持機構を備えるものとすることができる。
【0021】
また、本発明に係るテーブル比重選鉱システムにおける照明装置において、揺動テーブル上の金線領域に沿って該金線領域の両側に配置される少なくとも2つの照明部は、照明部保持機構により、上記金線領域の上流側ほど設置間隔が狭い状態に保持されるものとすることができる。
【0022】
さらに、本発明に係るテーブル比重選鉱システムにおける照明装置において、発光素子は、発光ダイオードであり、制御部は、発光領域単位で発光ダイオードに流す電流の大きさを制御することにより、少なくとも2つの照明部による照明の明るさを制御するものとすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、テーブル比重選鉱システムにおいて、揺動テーブル上の金線領域に沿って該金線領域の両側に配置される少なくとも2つの照明部は、それぞれ、少なくとも横方向に分割された複数の発光領域に配置された複数の発光素子からなり、上記発光領域単位で照明の明るさが制御可能な面光源であり、該金線領域を斜め上方より照明し、制御部は、上記少なくとも横方向に分割された複数の発光領域単位で照明の明るさを制御する。
【0024】
これにより、複数のリッフルが設けられ、該リッフルの伸長方向に揺動運動可能に傾斜して設置された盤を備え、水流と共に給鉱された鉱粒を比重により分散させる揺動テーブルと、上記揺動テーブルの盤の端縁に沿って配置され、上記分散された鉱粒を異なる貯槽に分離して排出するための仕切り板と、上記仕切り板の配置位置を移動させるための仕切り板駆動装置を備えるテーブル比重選鉱機の上記盤上の金線領域を撮像して得られる画像から、画像処理により上記金線領域を認識して、上記仕切り板の位置を制御するようにしたテーブル比重選鉱システムにおいて、上記揺動テーブル上の金線領域を上記少なくとも2つの照明部により均一に照明することができる。
【0025】
したがって、本件出願人が先に提案しているテーブル比重選鉱システム等において、揺動テーブル上の金線領域を均一に照明することができ、揺動テーブル上の金線領域を撮像して得られる画像から、上記金線領域を確実に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明を適用したテーブル比重選鉱システムの構成を概略的に示す概念図である。
図2】上記テーブル比重選鉱システムにおける照明装置の設置状態を概略的に示す外観斜視図である。
図3】上記照明装置における2つの照明部の設置状態を概略的に示す要部正面図である。
図4】上記照明装置における2つの照明部の設置状態を概略的に示す要部平面図である。
図5】上記照明部における分割された発光領域の例を示す平面図である。
図6】テーブル比重選鉱機の揺動テーブルの揺動タイミングを検出する検出器の構成例を示す模式図である。
図7】テーブル比重選鉱機に備えられる制御装置による撮像装置及び発光装置の制御動作を示すタイミングチャートである。
図8】テーブル比重選鉱機において揺動テーブルの盤に給鉱された鉱粒が比重や大きさによって分離された精鉱ゾーンと尾鉱ゾーンを示す模式図である。
図9】上記精鉱ゾーンを示す2値化処理データ化したイメージ図である。
図10】テーブル比重選鉱機に備えられた撮像装置、検出器、制御装置、画像解析装置による上記テーブル比重選鉱機の自動運転の手順を示すフローチャートである。
図11】このテーブル比重選鉱システムにおける上記画像解析装置により、金線領域の画像から最小二乗法により決定される金線の中心線を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
本発明は、例えば、図1に概念図を示すような構成のテーブル比重選鉱システム300に適用される。
【0029】
このテーブル比重選鉱システム300は、複数のリッフル1が設けられた盤2上に給鉱される鉱粒を比重により分散させる揺動テーブル3を備えるテーブル比重選鉱機100と、上記揺動テーブル3の盤2の分散された鉱粒を異なる貯槽に分離して排出するための仕切り板4の配置位置を移動させるための仕切り板駆動装置10の駆動を制御する制御装置140を備える。
【0030】
このテーブル比重選鉱システム300におけるテーブル比重選鉱機100の基本的な構造は、従来から知られているテーブル比重選鉱機と同様であり、複数のリッフル1が設けられ、該リッフル1の伸長方向に揺動運動可能に傾斜して設置された盤2の上面2aに水流と共に給鉱される鉱粒を比重により分散させる揺動テーブル3と、上記揺動テーブル3の盤2の端縁に沿って配置され、分散された鉱粒を異なる貯槽に分離して排出するための仕切り板4と、上記仕切り板4の配置位置を移動させるための仕切り板駆動装置10を備える。
【0031】
上記揺動テーブル3としては、ウィルフレー・テーブルおよびジェームス・テーブルとして知られているタイプの揺動テーブルをいずれも適用することができる。揺動テーブル3は、いずれのタイプでも、複数のリッフル1が設けられた盤2を備える。この盤2は、通常、支持台の上にレール等の手段を介して載置され、揺動機構20による揺動運動が可能となっている。
【0032】
このテーブル比重選鉱機100では、例えば電動モータを用いた回転駆動装置21とクランク・カム機構22を用いた揺動機構20により、毎分数100回ぐらいの頻度で揺動テーブル3を往路はゆっくりで復路は素早く往復運動させて揺動させるようになっている。
【0033】
また、揺動テーブル3の盤2は、基本的に、給鉱側から尾鉱排出側に傾斜するように、0°〜10°程度の傾きで配置される。このテーブル比重選鉱機100では、上記盤2の傾斜角が0.5°〜9°の角度範囲で調整されるように構成されており、また、揺動テーブル3の給鉱側で盤2の下方に、この盤2の傾斜角を調整するための図示しない盤駆動装置が備えられている。この盤駆動装置としては、揺動テーブル3の盤2の給鉱側を所定範囲で昇降させることができる、アクチュエータ等の既存の駆動機構を用いることができる。
【0034】
このテーブル比重選鉱機100において、上記仕切り板4は、精鉱回収貯槽5に配置立設されており、仕切り板駆動装置10により、上記精鉱回収貯槽5とともに水平移動されるようになっている。また、上記仕切り板4は、ポリ塩化ビニル製、若しくはアルミニウムやステンレス等の金属製、若しくは、板状に薄く並べた刷毛で、揺動テーブル3の盤2と接触する部分の形状が三角柱状となっている。このような材質および形状を用いることによって、精鉱と尾鉱の分離時に、仕切り板4を揺動テーブル3上でスムーズに移動させることができる。
【0035】
また、このテーブル比重選鉱機100において、仕切り板4を駆動する仕切り板駆動装置10は、上記仕切り板4を上記精鉱回収貯槽5とともに上記盤2の精鉱側端縁に沿って所定範囲の水平移動可能とするものであって、例えば、ステッピングモータ11とボールねじ12からなる既存の駆動機構を用いることができる。この仕切り板駆動装置10には、上記盤2の精鉱側端縁に沿って水平移動される上記仕切り板4の移動範囲の原点位置においてオンとなる例えばリミットスイッチからなる原点センサ10Aが設けられている。
【0036】
このテーブル比重選鉱機100では、複数のリッフル1が設けられた盤2を備える揺動テーブル3を揺動駆動機構20によってリッフル1の伸長方向に揺動させつつ、揺動テーブル3に、給鉱樋6によって、揺動テーブル3の幅方向から鉱石を粉砕した鉱粒に水を加えて製造した鉱石スラリーを供給し、給水樋7によって、矢印Aに示すように、揺動テーブル3の幅方向から添加水を供給する。
【0037】
すると、揺動テーブル3に供給された鉱石スラリーのうち、脈石鉱物や硫化鉱物等の比重の小さな低比重鉱粒は、揺動テーブル3の揺動運動とは無関係に、給水樋7からの添加水によってリッフル1を乗り越えて、矢印B1、B2、B3に示すように、揺動テーブル3の前側面3A側に流れ落ちて、尾鉱として第1の尾鉱回収貯槽8に回収される。
【0038】
その一方で、比重の大きな高比重鉱粒は、揺動テーブル3の揺動運動に伴って、リッフル1に沿って該リッフル1の伸長方向に沿って移動し、リッフル1の配置された領域からリッフル1が配置されていない平坦部40に流れ出る。鉱粒は、同じ比重であっても、粒径の大きなものは粒径の小さなものよりも給水樋7からの添加水等によって添加水の水流方向すなわち揺動テーブル3の幅方向に移動する傾向が強い。したがって、平坦部40には、高比重で粒径の小さな金品位の高い鉱粒の流れ41と、高比重で粒径の大きな鉱粒の流れ42とが形成される。そして、仕切り板4によって、高比重で粒径の小さな金品位の高い鉱粒の流れ41と高比重で粒径の大きな鉱粒の流れ42とが分離され、高比重で粒径の小さな金品位の高い鉱粒は、精鉱として精鉱回収貯槽5に回収され、高比重で粒径の大きな鉱粒は、尾鉱として第2の尾鉱回収貯槽9に回収される。
【0039】
すなわち、揺動機構20により、揺動テーブル3を往路はゆっくりで復路は素早く往復運動させて揺動させることにより、慣性により徐々に比重の軽いものはリッフル1を乗り越えて移動し、重いものはリッフル1を乗り越えることなくリッフル1に沿って移動する。
【0040】
なお、金品位の高い鉱粒の流れの部分を金線という。
【0041】
そして、このテーブル比重選鉱システム300では、図2に示すように、上記テーブル比重選鉱機100の揺動テーブル3に備えられた盤2の上方に、該盤2上の金線領域を撮像するための例えばカラーエリアカメラからなる撮像装置110と、該盤2上の金線領域を照明するためのLED発光装置からなる照明装置120が設置されている。
【0042】
すなわち、このテーブル比重選鉱システム300において、上記撮像装置110は、上記テーブル比重選鉱機100の揺動テーブル3に備えられた盤2の上方に位置する取り付けベース400の下面に取り付けられ、上記盤2上の金線領域を上方から撮像するようになっている。
【0043】
そして、このテーブル比重選鉱システム300における照明装置120は、上記取り付けベース400の下面に設置された照明部保持機構410により保持され、上記揺動テーブル3の盤2上の金線領域を斜め上方より金線領域を照明する少なくとも2つの照明部120A、120Bからなる。
【0044】
上記照明部保持機構410は、リンク機構により設置角度が調整自在な二本の保持アーム410A、410Bを備える。
【0045】
上記少なくとも2つの照明部120A、120Bは、上記二本の保持アーム410A、410Bの先端部に取り付けられており、上記照明部保持機構410により、上記リンク機構により設置角度が調整自在に保持され、上記揺動テーブル3上における姿勢を自在に設定できるようになっている。
【0046】
そして、上記少なくとも2つの照明部120A、120Bは、上記揺動テーブル3上の高比重で粒径の小さな金品位の高い鉱粒の流れ41の部分すなわち金粒を多く含む金線領域に沿って該金線領域の両側に配置されており、図3に示すように、上記揺動テーブル3の盤2に対して傾斜し、かつ、図4に示すように、上記金線領域の上流側ほど設置間隔が狭い状態で、上記揺動テーブル3上の金線領域を斜め上方より照明するようになっている。
【0047】
また、この照明装置120において、上記少なくとも2つの照明部120A、120Bは、図5に示すように、それぞれ、縦横方向にそれぞれ4分割された16個の複数の発光領域AR11〜AR44に配置された複数の発光ダイオードからなり、発光領域単位で照明の明るさが制御可能な面光源が用いられている。
【0048】
なお、この照明装置120において、1つの発光領域は、砲弾型LEDが横方向に20個配列されている。
【0049】
ここで、上記砲弾型LEDは、配光角度が10°〜20°という狭い照射角を有するものを用いることが望ましい。面の明るさは光源からの距離の二乗に比例して変化するので、広い照射角のLEDよりも、狭い照射角のLEDを用いる方が細かな照度調整ができるという利点がある。
【0050】
上記砲弾型LEDは、照射角度が狭いので、この照明装置120では、LEDが搭載された基板から個々のLEDを個別に配光調整が可能しておくことが望ましい。
【0051】
そして、上記照明装置120は、上記制御装置140の照明制御部により、上記発光領域単位で発光ダイオードに流す電流の大きさが制御されることによって、上記少なくとも2つの照明部120A、120Bによる照明の明るさが制御されるようになっている。
【0052】
すなわち、このテーブル比重選鉱システム300における照明装置120では、上記照明部保持機構410により保持されて、上記揺動テーブル3上の金線領域に沿って該金線領域の両側に配置され、上記揺動テーブルの盤2に対して傾斜し、かつ、上記金線領域の上流側ほど設置間隔が狭い状態に設置された上記少なくとも2つの照明部120A、120Bにより、上記揺動テーブル3上の金線領域を含む上記撮像装置110による撮像領域を斜め上方より照明して、オペレータが、上記撮像装置110による撮像状態を確認しながら、上記照明部保持機構410による保持状態を調整することにより、上記少なくとも2つの照明部120A、120Bの設置角度を調整することができる。そして、オペレータが上記制御装置140を操作することにより、発光領域単位で発光ダイオードに流す電流の大きさを制御して、上記縦横方向にそれぞれ4分割された16個の複数の発光領域AR11〜AR44に配置された複数の発光ダイオードから面光源を構成している上記少なくとも2つの照明部120A、120Bによる照明の明るさを、発光領域単位で個別に変えることによって、上記撮像装置110による撮像領域内の金線領域全体が均一な明るさとなるように調整することができる。
【0053】
さらに、このテーブル比重選鉱システム300は、上記揺動テーブル3の揺動タイミングを検出する検出器130を備え、上記検出器130による検出出力に基づいて、上記制御装置140により撮像装置110及び照明装置120の動作を制御するようになっている。
【0054】
上記制御装置140は、上記検出器130による検出出力に基づいて、上記回転駆動装置21とクランク・カム機構22を用いた揺動機構20により、往路はゆっくりで復路は素早く往復運動させて揺動される揺動テーブル3の揺動の速度が最も遅くなる停止位置近傍のタイミングで上記揺動テーブル3の盤2上の金線領域を撮像するように、上記撮像装置110及び照明装置120の動作を制御する。
【0055】
ここで、上記検出器130は、例えば、図6に示すように、上記揺動テーブル3の揺動させるクランク・カム機構22に設けられた光反射板131と、上記光反射板131に光を照射して、上記光反射板131による反射光を検出する光検出器132からなり、 上記クランク・カム機構22により揺動される上記揺動テーブル3の揺動の速度が最も遅くなる停止位置近傍のタイミングよりも前の所定のタイミングを上記光検出器132により検出するようになっている。
【0056】
そして、上記制御装置140は、例えばマイクロコンピュータからなり、図7のタイミングチャートに示すように、上記光検出器132による検出出力の立ち上がりのタイミングでタイマ1を起動し(図7(A)、図7(B))、このタイマ1に設定された所定時間(T1)経過後に、上記撮像装置110を所定時間(T4)(例えば100ms)だけ動作させるとともに(図7(C))、照明装置120を動作させるためのタイマ2を起動して(図7(D))、このタイマ2に設定された所定時間(T2)経過後に、上記撮像装置110の撮像動作期間中に上記照明装置120を短時間発光させる(図7(E))制御を行う。上記照明装置120は、所謂ストロボ発光装置として機能している。図7(C)に示す撮像動作指示信号が出てから撮像装置110による実際の撮像が開始されるまで若干の時間遅れが生じるので、上記照明装置120は撮像動作指示信号から所定時間(T2)遅れで点灯し始める。撮像画像の明るさが適切になるように露光光量を調整するために上記照明装置120の発光時間(T3)を調整する。
【0057】
ここで、上記タイマ1には、上記光検出器132による検出出力の立ち上がりのタイミングから、揺動テーブル3の揺動の速度が最も遅くなる停止位置近傍のタイミングまでの時間(T1)が予め設定される。すなわち、上記タイマ2に設定される時間(T2)により決まる上記撮像装置110の露光期間と上記照明装置120の明るさや発光時間(T3)を考慮して、上記揺動テーブル3上の金線領域の鮮明な画像を安定に且つ確実に取得することのできる移動速度以下の範囲内となる上記停止位置近傍のタイミングまでの時間(T1)が上記タイマ1に予め設定される。
【0058】
このように、上記揺動テーブル3の揺動タイミングを検出する上記検出器130の検出出力に基づいて、上記制御装置140により、上記揺動テーブル3に備えられた上記盤2の上方に設置された撮像装置110の動作を制御して、上記揺動テーブル3の揺動の速度が最も遅くなる停止位置近傍のタイミングで上記揺動テーブル3の上記盤2上の金線領域を撮像することにより、ブレの少ない鮮明な画像を取得することができる。さらに、上記撮像装置110の撮像動作期間中に上記照明装置120を短時間発光させることにより、上記金線領域の鮮明な画像を安定に且つ確実に取得することができる。
【0059】
すなわち、このテーブル比重選鉱システム300において、上記テーブル比重選鉱機100に設けられた、上記撮像装置110、検出器130、制御装置140は、上記揺動テーブル3の揺動タイミングを検出器130により検出し、上記検出器130による検出出力に基づいて、上記揺動テーブル3に備えられた上記盤2の上方に設置された上記撮像装置110の動作を上記制御装置140により制御して、上記揺動テーブル3の揺動の速度が最も遅くなる停止位置近傍のタイミングで上記揺動テーブル3の上記盤2上の金線領域を上記撮像装置110で撮像する金線領域撮像装置200を構成している。
【0060】
さらに、このテーブル比重選鉱システム300において、上記テーブル比重選鉱機100には、上記撮像装置110により得られる上記金線領域の画像を解析して金線位置を推定する画像解析装置150が設けられている。
【0061】
そして、上記制御装置140は、この画像解析装置150による上記金線位置の推定結果に応じて、上記仕切り板駆動装置10の駆動を制御するようになっている。
【0062】
上記画像解析装置150としては、既存のサーバ、パーソナルコンピュータ等のハードウェアと、2値化画像処理用のソフトウェア等の組合せのほか、専用の2値化画像処理装置等を用いることができる。かかる画像解析装置150は、入力した撮像データを2値化処理して、盤上の状況に基づいて白黒(0または1)の2値画像データを得る。この2値画像データを当該画像解析装置150のモニタ部150Aもしくは外部モニタを通じて表示させることもできる。
【0063】
ここで、上記カラーエリアカメラからなる撮像装置110により得られる金線領域のカラー画像は、通常、上記揺動テーブル3の揺動運動に伴って盤2の平坦部40に形成される高比重で粒径の小さな金品位の高い鉱粒の流れ41の部分すなわち金粒を多く含む金線領域は、金色(有彩色)であるのに対し、高比重で粒径の大きな鉱粒の流れ42の部分すなわち精鉱として回収される領域やそれ以外の盤2の上面2aが露出している領域は、灰色(無彩色)となる傾向が強い。すなわち、上記カラーエリアカメラからなる撮像装置110により得られる上記金線領域のカラー画像における1画素の赤色成分の光強度R、緑色成分の光強度G、青色成分の光強度Bは、金線の画素では、赤色成分の光強度R及び緑色成分の光強度Gよりも青色成分の光強度Bが低いが、金線以外の灰色の画素では、赤色成分の光強度R、緑色成分の光強度G、青色成分の光強度Bが互いにほぼ等しい状態になっている。
【0064】
テーブル比重選鉱において、金の隣に位置する物は比重が金に近いものである。多くの場合、それは硫砒鉄鉱であり硫砒鉄鉱の色は灰色である。黄鉄鉱は金色であり産出量が多い場合があるが、比重は硫砒鉄鉱よりも小さいので金の隣に黄鉄鉱は位置しない。従って、金色の金線の隣は灰色の硫砒鉄鉱の線ができる。
【0065】
そこで、このテーブル比重選鉱システム300において、上記画像解析装置150は、上記カラーエリアカメラからなる撮像装置110により得られる上記金線領域のカラー画像について、色差(R−B)、(G−B)に基づいて、金線の画素と金線以外の灰色の画素を判別して、上記処理対象のカラー画像を2値化して金線を抽出し、金線位置を推定するようにしている。
【0066】
このテーブル比重選鉱システム300において、上記画像解析装置150は、上記カラーエリアカメラからなる撮像装置110により得られる上記金線領域のカラー画像に対し、処理対象のカラー画像の1画素の赤色成分の光強度R、緑色成分の光強度G、青色成分の光強度Bに基づき、検出対象の金線に隣接する鉱物の色において、赤色成分の光強度Rに対する係数をx、青色成分の光強度Bに対する係数をy、金線の画素を判定するための閾値をzとして設定し、
【0067】
(x・R+(2−x)・G)/2−y・B>z (z>0)
となる画素を金線の画素と判定し、上記処理対象のカラー画像を2値化して金線を抽出し、金線位置を推定する。
【0068】
例えば、R、G、B各々の最低輝度値を0、最高輝度値を255としたとき、上記x=1、y=1、z=40を設定して、
【0069】
(R+G)/2−B>40
となる画素を金線の画素と判定することにより、検出対象の金線の画素と、この隣接する鉱物(硫砒鉄鉱)の線の画素とを確実に識別することができる。なお、撮像画像の明るさに応じてz値を調整する必要がある。
【0070】
2値化の際における閾値は、選鉱される鉱石の種類、精鉱における高比重鉱粒の含有率(精鉱の回収率)等に応じてあらかじめ適切に設定ないしは選択される。通常は、既存の選鉱において、精鉱とされる範囲と片刃とされる範囲の境界に、この閾値が設定されるように調整することが好ましい。また、操業開始前にテストを行い、操業ごとに画像解析装置150により適宜閾値を調整できるようにしておくことが好ましい。
【0071】
ここで、このテーブル比重選鉱機100において、例えば、図8に示すように、揺動テーブル3の盤2に給鉱されると、鉱粒がその比重や大きさによって分離し、揺動テーブル3の盤2の上では、精鉱のみが存在する、ないしは精鉱が主として存在する精鉱ゾーンと、尾鉱のみが存在する、ないしは尾鉱が主として存在する尾鉱ゾーンと、両者が混在する片刃ゾーンに概ね分離される。通常、選鉱においては、精鉱ゾーンと片刃ゾーンとの境界線が、盤2の精鉱側端縁と尾鉱側端縁の交点となる盤2の角に向けて伸長するように、すなわち、精鉱が精鉱側端縁から脱落し、尾鉱(片刃を含む)が尾鉱側端縁から脱落するように、比重選鉱機100の運転条件があらかじめ設定されることになる。図8において、●は高比重粒、○は低比重粒、丸の大きさは粒の大きさを表している。
【0072】
したがって、上記の閾値を精鉱ゾーンと片刃ゾーンの輝度の間に設定すると、精鉱ゾーンのみが数値1として処理され、それ以外の部分は数値0として処理され、例えば、これを白黒で表現すると、図9のようなデータが得られることになる。画像解析装置150は、この精鉱ゾーンと片刃ゾーンの間に境界があると認定し、2値化処理データとしての位置情報データを出力する。
【0073】
ここで、このテーブル比重選鉱機100では、上記仕切り板7の例えば頂部にマーカ4Aが設けられており、上記撮像装置110により、上記揺動テーブル3の盤2上の金線領域とともに上記マーカ4Aを撮像する。
【0074】
そして、上記制御装置140は、上記仕切り板駆動装置10と電気的に接続されており、上記画像解析装置150から出力された位置情報データに基づいて、上記仕切り板駆動装置11の駆動を制御して、上記撮像装置110による画像を上記画像解析装置150により解析して得られる金線領域の位置と上記マーカ4Aの位置が一致するように、上記盤2の精鉱側端縁に沿って、所定範囲内で仕切り板7を自動的に水平移動させる。金線領域とマーカ4Aの相対位置で制御を行なうので、揺動テーブル3に対する撮像装置110の位置を厳密に調整する必要がない。また、動作中に撮像装置110が動き、画像内の金線領域の位置が変化しても制御に影響は出ない。一方で、マーカ4Aが無くても、揺動テーブル3に対する撮像装置110の位置と撮像倍率を厳密に調整すればマーカ4Aを認識する制御と相対位置を計算する制御は不要になる。
【0075】
すなわち、このテーブル比重選鉱システム300において、上記テーブル比重選鉱機100に設けられた上記撮像装置110、検出器130、制御装置140は、上記揺動テーブル3の揺動タイミングを検出器130により検出し、上記検出器130による検出出力に基づいて、上記揺動テーブル3に備えられた上記盤2の上方に設置された上記撮像装置110の動作を上記制御装置140により制御して、上記揺動テーブル3の揺動の速度が最も遅くなる停止位置近傍のタイミングで上記揺動テーブル3の上記盤2上の金線領域を上記撮像装置110により撮像し、上記撮像装置110により得られる上記金線領域の画像を上記画像解析装置150により解析して金線位置を推定し、上記画像解析装置150による上記金線位置の推定結果に応じて、上記仕切り板駆動装置10の駆動を上記制御装置140により制御する。
【0076】
このテーブル比重選鉱システム300において、上記制御装置140は、ハブ(HUB)を介して上記照明装置120及び画像解析装置150にLAN(Local Area Network)で接続されている。
【0077】
また、上記画像解析装置150は、Webサーバ160に接続されており、Webサーバ160にデータベースから設定されるデータとして、解析処理に必要なパラメータ等の各種情報を設定することができるようになっている。
【0078】
ここで、このテーブル比重選鉱システム300において、上記撮像装置110、検出器130、制御装置140、画像解析装置150は、後述するように、図10のフローチャートに示す手順にしたがって、このテーブル比重選鉱機100の自動運転を行う。
【0079】
このテーブル比重選鉱システム300のオペレータは、テーブル比重選鉱機100の自動運転に先だって、上記照明装置120による照明を次のように調整する。
【0080】
すなわち、このテーブル比重選鉱システム300において、上記照明部保持機構410により保持されて、上記揺動テーブル3上の金線領域に沿って該金線領域の両側に配置され、上記揺動テーブル3の盤2に対して傾斜し、かつ、上記金線領域の上流側ほど設置間隔が狭い状態に設置された上記少なくとも2つの照明部120A、120Bにより、上記揺動テーブル3上の金線領域を含む上記撮像装置110による撮像領域を斜め上方より照明して、オペレータが、上記撮像装置110による撮像状態を確認しながら、上記照明部保持機構410による保持状態を調整することにより、上記少なくとも2つの照明部120A、120Bの設置角度を調整する。
【0081】
オペレータは、図3に示すように、上記揺動テーブル3上の金線領域に沿って該金線領域の両側に上記揺動テーブル3の盤2に対して傾斜して配置され、上記揺動テーブル3上の金線領域を斜め上方より照明する上記少なくとも2つの照明部120A、120Bの設置角度θ1A、θ1Bを調整することにより、上記撮像装置110による撮像領域に含まれる金線領域の幅方向における明るさのむらを少なくすることができる。
【0082】
さらに、オペレータは、図4に示すように、上記金線領域の上流側ほど設置間隔が狭い状態で、上記揺動テーブル3上の金線領域を斜め上方より照明する上記少なくとも2つの照明部120A、120Bの設置角度θ2A、θ2Bを調整することによって、上記撮像装置110による撮像領域内の金線領域の上流から下流に亘る全体の明るさにむらが少なくなるようにすることができる。
【0083】
このように、オペレータは、上記少なくとも2つの照明部120A、120Bにより上記撮像装置110による撮像領域を照明して、上記金線領域を含む撮像領域内の全体の明るさにむらが少なくなるように、上記少なくとも2つの照明部120A、120Bの設置角度を調整する。
【0084】
次に、オペレータが上記制御装置140を操作することにより、発光領域単位で発光ダイオードに流す電流の大きさを制御して、図5に示すように、上記縦横方向にそれぞれ4分割された16個の発光領域AR11〜AR44に配置された複数の発光ダイオードから面光源を構成している上記少なくとも2つの照明部120A、120Bによる照明の明るさを、発光領域単位で個別に変えることによって、 上記撮像装置110による撮像領域内に残存する照明の明るさのむら、すなわち、上記少なくとも2つの照明部120A、120Bの設置角度の調整だけではなくすことができずに残存する明るさのむらをなくし、上記撮像装置110による撮像領域全体が均一な明るさとなるように調整する。
【0085】
このテーブル比重選鉱システム300のオペレータは、上記撮像装置110による撮像領域全体が均一な明るさとなるように、上記照明装置120による照明を調整を行ってから、このテーブル比重選鉱機100の自動運転を開始させる。
【0086】
このテーブル比重選鉱機100の自動運転は、図10のフローチャートに示す手順にしたがって実行される。
【0087】
すなわち、自動運転を開始すると、上記制御装置140は、先ず、原点復帰処理を行う(ステップS1)。すなわち、上記制御装置140は、上記仕切り板駆動装置10により上記盤2の精鉱側端縁に沿って上記仕切り板4を水平移動させ、上記仕切り板4の移動範囲の原点位置においてオンとなるように設置された原点センサ10Aからオン信号が得られる位置において上記仕切り板4を停止させることにより、原点復帰処理を行う。
【0088】
そして、上記制御装置140は、上記検出器130による検出出力が得られたか否かを判定する判定処理(ステップS2)を行っており、その判定結果が「Yes」すなわち上記検出器130による検出出力が得られると撮像指令を上記撮像装置110及び照明装置120に送り(ステップS3)、上記照明装置120を点灯するとともに(ステップS4)、上記撮像装置110を動作させる。
【0089】
次に、上記撮像装置110は、上記制御装置140からの撮像指令に応じて照明装置120により照明された金線領域を撮像し(ステップS5)、得られた金線領域の画像を上記画像解析装置150に転送する(ステップS6)。
【0090】
次に、上記画像解析装置150は、上記撮像装置110から送られてくる金線領域の画像を受信し(ステップS7)、受信した金線領域の画像を解析する処理を行う(ステップS8、S9)。
【0091】
すなわち、上記画像解析装置150は、上記撮像装置110による画像を解析して金線領域の位置と上記仕切り板7のマーカ4Aの位置が得られたかを判定する判定処理(ステップS8)を行っており、その判定結果が「No」である場合には、上記検出器130による検出出力が得られたか否かを判定する上記ステップS3の判定処理に戻り、また、その判定結果が「Yes」すなわち金線領域の位置と上記仕切り板7のマーカ4Aの位置が得られた場合には、上記金線領域の位置と上記仕切り板7のマーカ4Aの位置の相対距離を計測して(ステップS9)、仕切り板位置修正情報を生成して上記制御装置140に送信する(ステップS10)。
【0092】
上記制御装置140は、上記画像解析装置150から送られてくる仕切り板位置修正情報を受信し(ステップS11)、受信した仕切り板位置修正情報に応じて仕切り板位置移動指令を送って上記仕切り板駆動装置11の駆動を制御して(ステップS12)、上記検出器130による検出出力が得られたか否かを判定する上記ステップS3の判定処理に戻る。
【0093】
このテーブル比重選鉱システム300では、上記揺動テーブル3の揺動タイミングを検出器130により検出し、上記検出器130による検出出力に基づいて、上記揺動テーブル3に備えられた上記盤2の上方に設置された上記撮像装置110の動作を上記制御装置140により制御して、上記揺動テーブル3の揺動の速度が最も遅くなる停止位置近傍のタイミングで上記揺動テーブル3の上記盤2上の金線領域を上記撮像装置110により撮像し、上記撮像装置110により上記金線領域の鮮明な画像として安定に且つ確実に取得される上記金線領域の画像を上記画像解析装置150により解析して金線位置を推定し、上記画像解析装置150による上記金線位置の推定結果に応じて、上記仕切り板駆動装置10の駆動を上記制御装置140により制御して、上記テーブル比重選鉱機100の自動運転を行うことができる。
【0094】
すなわち、このテーブル比重選鉱システム300において、撮像装置110、制御装置140、画像解析装置150は、上記テーブル比重選鉱機100の揺動テーブル3に備えられた上記盤2の上方に設置された撮像装置110により上記盤2上の金線領域を撮像し、上記撮像装置110により得られる上記金線領域の画像に対し、画像解析装置150により、最小二乗法により金線の中心ベクトルを求め、標準偏差から金線の幅を推定し、上記画像解析装置150による上記金線位置の推定結果に応じて、制御装置140により、上記仕切り板駆動装置10の駆動を制御して、上記画像解析装置150により推定された上記金線位置に上記仕切り板7を位置させる仕切り板の位置制御装置200を構成している。
【0095】
このテーブル比重選鉱システム300において、上記画像解析装置150では、上記撮像装置110により得られる上記金線領域の画像に対し、図11に示すように、上記金線領域の画像に含まれる金粒子の画素の分布から、最小二乗法により金線の中心ベクトルを求め中心線Lを1次近似により決定するとともに標準偏差σから金線の幅Hを推定する。
【0096】
すなわち、上記金線領域の画像に対する処理対象の画像範囲AR内に分布する金粒子の画素数をn、画素位置を(x、y)として、中心線L(y=ax+b)とyとの差の二乗和を最小とするような係数a、bは、
a=(nΣx−ΣxΣy)/(nΣx−(Σx
b=(ΣxΣy−ΣxΣx)/(nΣx−(Σx
で求められ、また、図11に示すように、中心線Lと直交する方向の金線幅を±3σとし、中心線Lと平行な直線S1、S2と仕切板移動線13との交点の幅を金線の幅Hとしている。
【0097】
なお、上記揺動テーブル3の盤2の上面2aが全体的に均一な平面であれば上記1次近似により高精度に中心線Lを求めることができるのであるが、ゴムシート等で覆われた上記盤2の上面2aの上記平坦部40に生じる局所的な凹凸の影響を受けて、上記平坦部40上の高比重で粒径の小さな金品位の高い鉱粒の流れ41や高比重で粒径の大きな鉱粒の流れ42にうねりが生じてしまうと、大きな誤差を持った中心線Lが上記1次近似により決定されてしまうことになる。
【0098】
そこで、このテーブル比重選鉱システム300では、上記撮像装置110により得られる上記金線領域の画像を上記画像解析装置150のモニタ部150Aに表示させ、その画面上でオペレータが上記平坦部40に生じた局所的な凹凸の影響を受けない上記金線領域の画像に対する処理対象の画像範囲ARをキーボードやマウスの操作により指定する範囲指定部150Bが上記画像解析装置150に設けられている。
【0099】
上記画像解析装置150は、上記範囲指定部150Bにより指定される処理対象の画像範囲AR内で、上記最小二乗法により金線の中心ベクトルを求め中心線Lを1次近似により高精度に決定するとともに標準偏差σから金線の幅Hを推定することができる。
【0100】
そして、上記画像解析装置150による上記金線位置の推定結果に応じて、上記制御装置140により、上記仕切り板駆動装置10の駆動を制御し、上記画像解析装置150による上記金線位置の推定結果として得られる金線幅Hの位置に仕切り板4を位置させる。所望により、金線の幅Hにさらに予め定めたオフセットを加えても良い。
【0101】
このテーブル比重選鉱システム300では、揺動テーブル3上の金線領域を均一に照明することができ、揺動テーブル3上の金線領域を撮像して得られる画像から、上記金線領域を確実に認識することができ、金線位置を正確に推定して、仕切り板4の位置を金線位置に合わせて精度良く自動制御することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 リッフル、2 盤、3 揺動テーブル、4 仕切り板、4A マーカ、5 精鉱回収貯槽、6 給鉱樋、7 給水樋、8 第1の尾鉱回収貯槽、9 第2の尾鉱回収貯槽、10 仕切り板駆動装置、11 ステッピングモータ、12 ボールねじ、13 仕切板移動線、20 揺動機構、21 回転駆動装置、22 クランク・カム機構、40 平坦部、100 テーブル比重選鉱機、110 撮像装置、120 照明装置、120A、120B 照明部、130 検出器、131 光反射板、132 光検出器、140 制御装置、150 画像解析装置、150A モニタ部、150B 範囲指定部、200 仕切り板の位置制御装置、300 テーブル比重選鉱システム、400 取り付けベ−ス、410 照明部保持機構、410A、410B 保持アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11