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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225436(P2016-225436A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】エッチング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20161205BHJP
   H01L 21/8247 20060101ALI20161205BHJP
   H01L 27/115 20060101ALI20161205BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20161205BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20161205BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   H01L27/10 434
   H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-109567(P2015-109567)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】澤田石 真之
(72)【発明者】
【氏名】三輪 智典
(72)【発明者】
【氏名】金子 雄基
【テーマコード(参考)】
5F004
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F004BA04
5F004BB22
5F004BB26
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA15
5F004DA17
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA26
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA13
5F004EA28
5F004EA32
5F083EP76
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA39
5F083PR03
5F083PR06
5F083PR07
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH14
(57)【要約】
【課題】第1の誘電体膜及びシリコン窒化膜である第2の誘電体膜が交互に積層されることによって構成された多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を有する第2領域とをエッチングする方法を提供する。
【解決手段】一実施形態の方法は、プラズマ処理装置の処理容器内で、フルオロカーボンガス、及び酸素ガスを含む第1の処理ガスのプラズマを生成する第1プラズマ処理工程と、処理容器内で、水素ガス、三フッ化窒素ガス、及、炭素含有ガスを含む第2の処理ガスのプラズマを生成する第2プラズマ処理工程と、を含む。この方法では、第1プラズマ処理工程では、静電チャックの温度が第1の温度に設定され、第2プラズマ処理工程では、静電チャックの温度が第1の温度よりも低い第2の温度に設定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理体の第1領域及び第2領域をエッチングする方法であって、該第1領域は、第1の誘電体膜及び第2の誘電体膜が交互に積層されることによって構成された多層膜を有し、該第2の誘電体膜はシリコン窒化膜であり、該第2領域は、単層のシリコン酸化膜を有し、該被処理体は、該第1領域及び該第2領域上に開口を提供するマスクを有し、該方法は、
前記被処理体をプラズマ処理装置の処理容器内に設けられた静電チャック上に載置する工程と、
前記処理容器内で、フルオロカーボンガス、及び酸素ガスを含む第1の処理ガスのプラズマを生成する工程と、
前記処理容器内で、水素ガス、三フッ化窒素ガス、及、炭素含有ガスを含む第2の処理ガスのプラズマを生成する工程と、
を含み、
第1の処理ガスのプラズマを生成する前記工程において前記静電チャックの温度が第1の温度に設定され、
第2の処理ガスのプラズマを生成する前記工程において前記静電チャックの温度が前記第1の温度よりも低い第2の温度に設定される、
方法。
【請求項2】
第1の処理ガスのプラズマを生成する前記工程と第2の処理ガスのプラズマを生成する前記工程とが連続的に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の処理ガスが臭化水素ガスを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記被処理体は、前記第1領域及び前記第2領域の下地としてシリコン又はタングステンから形成された下地層を有し、
第1の処理ガスのプラズマを生成する前記工程、及び、第2の処理ガスのプラズマを生成する前記工程が、前記下地層が露出する直前まで行われ、
前記処理容器内で、フルオロカーボンガス、及び酸素ガスを含む第3の処理ガスのプラズマを生成する工程を更に含み、
第3の処理ガスのプラズマを生成する前記工程において前記静電チャックの温度が前記第1の温度よりも高い第3の温度に設定される、
請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
各々が第1の処理ガスのプラズマを生成する前記工程、及び第2の処理ガスのプラズマを生成する前記工程を含む複数回のシーケンスが実行される、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エッチング方法に関するものであり、特に、第1の誘電体膜及び第2の誘電体膜が交互に積層されることによって構成された多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を含む第2領域とをエッチングする方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の一種として、3次元構造を有するNAND型フラッシュメモリデバイスが知られている。3次元構造を有するNAND型フラッシュメモリデバイスの製造においては、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に設けられることによって構成される多層膜のエッチングを行って、当該多層膜に深いホールを形成する工程が行われる。このようなエッチングについては、下記の特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、多層膜上にマスクを有する被処理体を処理ガスのプラズマに晒すことによって、当該多層膜のエッチングを行う方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0059450号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エッチングの対象である被処理体には、第1の誘電体膜とシリコン窒化膜である第2の誘電体膜とが交互に設けられることによって構成される多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を有する第2領域とを備えるものがある。このような被処理体にエッチングを行って、ホール及び/又はトレンチのようなスペースを第1領域と第2領域の双方に形成することが求められている。また、このエッチングには、エッチングレートの低下を抑制しつつ、良好な形状のスペースを第1領域及び第2領域に形成することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様においては、被処理体の第1領域及び第2領域をエッチングする方法が提供される。第1領域は、第1の誘電体膜及び第2の誘電体膜が交互に積層されることによって構成された多層膜を有する。第2の誘電体膜はシリコン窒化膜である。第2領域は、単層のシリコン酸化膜を有する。被処理体は、第1領域及び第2領域上に開口を提供するマスクを有する。この方法は、(i)被処理体をプラズマ処理装置の処理容器内に設けられた静電チャック上に載置する工程と、(ii)処理容器内で、フルオロカーボンガス、及び酸素ガスを含む第1の処理ガスのプラズマを生成する工程(以下、「第1プラズマ処理工程」という)と、(iii)処理容器内で、水素ガス、三フッ化窒素ガス、及、炭素含有ガスを含む第2の処理ガスのプラズマを生成する工程(以下、「第2プラズマ処理工程」という)と、を含む。この方法では、第1プラズマ処理工程において被処理体の温度が第1の温度に設定され、第2プラズマ処理工程において被処理体の温度が第1の温度よりも低い第2の温度に設定される。
【0007】
第1の処理ガスのプラズマによるエッチングは、第1領域のエッチングレートよりも第2領域のエッチングレートが高いという特性を有する。また、第1の処理ガスのプラズマによるエッチングは、被処理体の温度が比較的高温であるときには、マスクへの堆積物の付着を低減することができ、マスクの開口の目詰まり及びマスクの開口の閉塞を抑制することができるという特性を有する。
【0008】
第2の処理ガスのプラズマによるエッチングは、第2領域のエッチングレートよりも第1領域のエッチングレートが高いという特性を有する。また、第2の処理ガスのプラズマによるエッチングは、被処理体の温度が比較的低温であるときに、第1領域のエッチングレートが高くなり、且つマスクの削れを低減することができるという特性を有する。
【0009】
第1の処理ガスのプラズマによるエッチングは上述した特性を有するので、上記一態様に係る方法では、第1プラズマ処理工程の実行後には、第1領域に形成されたスペースの深さよりも第2領域に形成されたスペースの深さが深くなる。また、第1プラズマ処理工程では、静電チャックの温度が比較的高温の第1の温度に設定されるので、被処理体の温度が比較的高温に設定された状態で、第1の処理ガスのプラズマによるエッチングが行われる。したがって、第1プラズマ処理工程の実行後のマスクの開口の目詰まり又はマスクの開口の閉塞が抑制される。
【0010】
また、第2の処理ガスのプラズマによるエッチングは上述した特性を有するので、上記一態様に係る方法では、第2プラズマ処理工程の実行後には、第1領域に形成されたスペースの深さと第2領域に形成されたスペースの深さとの差異が低減又は解消される。また、第2プラズマ処理工程では、比較的低温の第2の温度に静電チャックの温度が設定されるので、被処理体の温度が比較的低温に設定された状態で、第2の処理ガスのプラズマによるエッチングが行われる。したがって、第1領域のエッチングレートとして高いエッチングレートが得られ、且つ、マスクの削れが抑制される。このように、本方法によれば、第1プラズマ処理工程ではマスクの開口の目詰まり又はマスクの開口の閉塞が抑制され、第2プラズマ処理工程ではマスクの削れが抑制され、マスクの形状が良好に保たれる。結果的に、良好な形状のスペースを第1領域と第2領域の双方に形成することができる。また、第2プラズマ処理工程において高いエッチングレートが得られるので、エッチングレートの低下が抑制される。
【0011】
一実施形態においては、第1プラズマ処理工程と第2プラズマ処理工程とが連続して実行されてもよい。即ち、一実施形態においては、第1プラズマ処理工程と第2プラズマ処理工程との間に、プラズマを生成せずに、処理容器内のガスを第1の処理ガスから第2の処理ガスに置換する期間が設けられていいなくてもよい。この実施形態によれば、スループットが改善される。
【0012】
一実施形態において、第2の処理ガスが臭化水素ガスを更に含んでいてもよい。
【0013】
一実施形態では、被処理体は、第1領域及び第2領域の下地としてシリコン又はタングステンから形成された下地層を有し、第1プラズマ処理工程及び第2プラズマ処理工程が下地層が露出する直前まで行われる。即ち、第1プラズマ処理工程及び第2プラズマ処理工程が第1領域及び第2領域が下地層上に僅かに残されるように実行される。この実施形態の方法は、処理容器内で、フルオロカーボンガス、及び酸素ガスを含む第3の処理ガスのプラズマを生成する工程(以下、「第3プラズマ処理工程」という)を更に含む。第3プラズマ処理工程において、静電チャックの温度は第1の温度よりも高い第3の温度に設定される。この実施形態の第3プラズマ処理工程で用いられる第3の処理ガスのプラズマは、下地層を実質的にエッチングしない程度に生成され得る。また、第3プラズマ処理工程においては、静電チャックの温度が高温の第3の温度に設定されるので、被処理体の温度が高くなり、下地層に対する活性種の付着係数が小さくなる。したがって、この実施形態によれば、下地層が露出する期間のエッチングに起因する下地層の損傷を抑制することができる。
【0014】
一実施形態においては、各々が第1プラズマ処理工程及び第2プラズマ処理工程を含む複数回のシーケンスが実行されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、第1の誘電体膜及びシリコン窒化膜である第2の誘電体膜が交互に積層されることによって構成された多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を有する第2領域とをエッチングする技術において、エッチングレートの低下を抑制しつつ、第1領域及び第2領域の双方に良好な形状のスペースを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係るエッチング方法を示す流れ図である。
図2図1に示すエッチング方法が適用され得る被処理体の一例を示す断面図である。
図3図1に示すエッチング方法の実施に利用可能なプラズマ処理装置の一例を概略的に示す図である。
図4図1に示すエッチング方法の実行中の途中段階の被処理体の状態の一例を示す断面図である。
図5図1に示すエッチング方法の実行中の途中段階の被処理体の状態の一例を示す断面図である。
図6図1に示すエッチング方法の実行後の被処理体の状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0018】
図1は、一実施形態に係るエッチング方法を示す流れ図である。図1に示す方法MTは、被処理体(以下、「ウエハW」ということがある)の第1領域及び第2領域に対するエッチングを行って、ホール又はトレンチといったスペースを第1領域及び第2領域の双方に形成する方法である。この方法MTは、例えば、3次元構造を有するNANDフラッシュメモリの製造に用いることができる。
【0019】
図2は、図1に示すエッチング方法が適用され得る被処理体の一例を示す断面図である。図2に示すウエハWは、下地層UL、第1領域R1、第2領域R2、及び、マスクMSKを有する。下地層ULは、基板上に設けられた層である。下地層ULは、例えば、シリコン又はタングステンから形成される。より具体的な一例では、下地層ULは、多結晶シリコン層である。
【0020】
第1領域R1及び第2領域R2は、下地層ULの一主面上に設けられている。第1領域R1は、多層膜を有している。この多層膜は、複数の第1の誘電体膜IL1及び複数の第2の誘電体膜を有しており、複数の第1の誘電体膜IL1及び複数の第2の誘電体膜IL2は交互に積層されている。複数の第1の誘電体膜IL1の各々は、任意の誘電体膜である。複数の第1の誘電体膜IL1の各々は、一実施形態ではシリコンを含有する膜であり、例えば、シリコン酸化膜である。複数の第2の誘電体膜IL2は、シリコン窒化膜である。複数の第1の誘電体膜IL1の各々厚さは、例えば、5nm〜50nmであり、複数の第2の誘電体膜IL2の各々の厚さは、例えば、10nm〜75nmである。一実施形態では、多層膜は、合計で24層以上の膜から構成される。第2領域R2は、単層のシリコン酸化膜から構成されている。第2領域R2の厚さは、第1領域R1の厚さと略同様である。
【0021】
第1領域R1上及び第2領域R2上には、マスクMSKが設けられている。マスクMSKは、第1領域R1及び第2領域R2にホール又はトレンチといったスペースを形成するためのパターンを有している。即ち、マスクMSKは、第1領域R1上及び第2領域R2上に開口OPを提供している。マスクMSKは、例えば、アモルファスカーボン製であり得る。或いは、マスクMSKは、有機ポリマー、ポリシリコン、又はアモルファスシリコン等から構成されていてもよい。
【0022】
再び図1を参照する。方法MTの工程ST1では、ウエハWがプラズマ処理装置の処理容器内に収容され、当該プラズマ処理装置の静電チャック上に載置される。図3は、図1に示すエッチング方法の実施に利用可能なプラズマ処理装置の一例を概略的に示す図である。図3では、一例のプラズマ処理装置の縦断面における構造が示されている。
【0023】
図3に示すプラズマ処理装置10は、容量結合型プラズマエッチング装置である。プラズマ処理装置10は、略円筒状の処理容器12を備えている。処理容器12は、例えば、アルミニウムムから形成されており、その内壁面には陽極酸化処理が施されている。この処理容器12は保安接地されている。
【0024】
処理容器12の底部上には、支持部14が設けられている。支持部14は、略円筒形状を有しており、石英又はアルミナといった絶縁材料から形成されている。支持部14は、処理容器12内において、処理容器12の底部から鉛直方向に延在している。処理容器12内には、載置台PDが設けられている。載置台PDは、支持部14によって支持されている。
【0025】
載置台PDは、下部電極16及び静電チャック18を有している。下部電極16は、第1部材16a及び第2部材16bを含んでいる。第1部材16a及び第2部材16bは、アルミニウムといった金属から形成されており、略円盤形状を有している。第2部材16bは、第1部材16a上に設けられており、第1部材16a電気的に接続されている。
【0026】
静電チャック18は、下部電極16上に設けられている。具体的には、静電チャック18は、第2部材16b上に設けられている。静電チャック18は、その上面の上に載置されたウエハWを保持するように構成されている。具体的に、静電チャック18は、略円盤状の絶縁膜を有しており、当該絶縁膜の内部に電極18aを有している。この電極18aには、スイッチSWを介して直流電源22が接続されている。静電チャック18は、直流電源22からの直流電圧が電極18aに印加されると、クーロン力等の静電力を発生する。静電チャック18は、発生した静電力によってウエハWを吸着し、当該ウエハWを保持する。
【0027】
下部電極16の周縁部の上には、フォーカスリングFRが設けられている。フォーカスリングFRは、環状板形状を有しており、ウエハWのエッジ及び静電チャック18のエッジを囲むように配置されている。フォーカスリングFRは、エッチング対象の膜の材料によって適宜選択される材料から構成されており、例えば、石英から構成され得る。
【0028】
プラズマ処理装置10は、静電チャック18の温度を制御するための温度調整機構を有している。具体的に、下部電極16の内部には、流体用の流路16fが形成されている。流路16fには、配管26a及び配管26bが接続されている。配管26a及び配管26bは、処理容器12の外部に設けられたチラーユニットCUに接続されている。流路16fには、チラーユニットCUから配管26aを介して熱媒体が供給される。流路16fに供給された熱媒体は、配管26bを介してチラーユニットCUに戻される。このように、流路16fとチラーユニットCUとの間では、熱媒体が循環される。これにより、静電チャック18の温度が調整され、その結果、ウエハWの温度が調整されるようになっている。
【0029】
また、温度調整機構の一部として、プラズマ処理装置10には、ガス供給ライン28が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャック18の上面とウエハWの裏面との間に供給する。さらに、温度調整機構の一部として、静電チャック18の内部には、ヒータ18hが設けられている。ヒータ18hは、ヒータ電源HPに接続されている。ヒータ18hは、ヒータ電源HPからの電力によって発熱する。これによって、静電チャック18の温度が調整され、その結果、ウエハWの温度が調整されるようになっている。
【0030】
また、プラズマ処理装置10は、上部電極30を更に備えている。上部電極30は、載置台PDの上方に設けられており、当該載置台PDと対向配置されている。これら上部電極30と載置台PDとの間には、ウエハWにプラズマ処理を行うための処理空間Sが画成されている。
【0031】
上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、処理容器12の上部に支持されている。上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34は、処理空間Sに面しており、複数のガス吐出孔34aを提供している。この天板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から構成され得る。
【0032】
支持体36は、天板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から構成され得る。この支持体36は、水冷構造を有し得る。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。このガス拡散室36aからは、ガス吐出孔34aに連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。また、支持体36には、ガス拡散室36aに処理ガスを導くガス導入口36cが形成されており、このガス導入口36cにはガス供給管38が接続されている。
【0033】
ガス供給管38には、バルブ群42及び流量制御器群44を介して、ガスソース群40が接続されている。ガスソース群40は、第1の処理ガス、第2の処理ガス、及び第3の処理ガスのための複数のガスソースを含んでいる。具体的に、複数のガスソースは、フルオロカーボンガス用の一以上のガスソース、酸素ガス(Oガス)用のガスソース、水素ガス(Hガス)用のガスソース、ハイドロフルオロカーボンガス用のガスソース、三フッ化窒素ガス(NFガス)用のガスソース、臭化水素ガス(HBrガス)用のガスソース、炭素含有ガス用のガスソース、及び希ガス用のガスソースを含んでいる。フルオロカーボンガスは、一例では、Cガス、Cガス、及びCFガスのうち一以上を含んでいる。ハイドロフルオロカーボンガスは、一例では、CHガスである。炭素含有ガスは、炭素を含む任意のガスであり、一例では、メタンガス(CHガス)といった炭化水素ガスであり得る。希ガスは、任意の希ガスであり、一例では、Arガスである。
【0034】
バルブ群42は複数のバルブを有している。また、流量制御器群44は、マスフローコントローラ(MFC)といった複数の流量制御器を有している。ガスソース群40の複数のガスソースはそれぞれ、流量制御器群44の対応の流量制御器及びバルブ群42の対応のバルブを介して、ガス供給管38に接続されている。したがって、プラズマ処理装置10では、複数のガスソースのうち選択されたガスソースからのガスが、処理容器12内に供給されるようになっている。具体的には、第1の処理ガス、第2の処理ガス、及び第3の処理ガスが選択的に処理容器12内に供給されるようになっている。なお、第1の処理ガス、第2の処理ガス、及び第3の処理ガスの詳細については後述する。
【0035】
プラズマ処理装置10は、接地導体12aを更に備え得る。接地導体12aは、略円筒形状を有しており、処理容器12の側壁から上部電極30の高さ位置よりも上方に延びるように設けられている。
【0036】
また、プラズマ処理装置10では、処理容器12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、処理容器12にエッチング副生物が付着することを防止するものであり、アルミニウム材にY等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
【0037】
支持部14と処理容器12の内壁との間には、排気プレート48が設けられている。排気プレート48には、その板厚方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。排気プレート48は、例えば、アルミニウム材にY等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。この排気プレート48の下方において処理容器12には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、圧力調整弁、及び、ターボ分子ポンプといった真空ポンプを有しており、処理容器12内を所望の真空度まで減圧することができる。また、処理容器12の側壁にはウエハWの搬送用の開口12gが設けられており、この開口12gはゲートバルブ54により開閉可能となっている。
【0038】
処理容器12の内壁には、導電性部材(GNDブロック)56が設けられている。導電性部材56は、高さ方向においてウエハWと略同じ高さに位置するように、処理容器12の内壁に取り付けられている。この導電性部材56は、グランドにDC的に接続されており、異常放電防止効果を発揮する。なお、導電性部材56はプラズマ生成領域に設けられていればよく、その設置位置は図3に示す位置に限られるものではない。
【0039】
また、プラズマ処理装置10は、第1の高周波電源62及び第2の高周波電源64を更に備えている。第1の高周波電源62は、プラズマ生成用の第1の高周波を発生する電源であり、27〜100MHzの周波数、一例においては100MHzの高周波を発生する。第1の高周波電源62は、整合器66を介して下部電極16に接続されている。整合器66は、第1の高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(下部電極16側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。なお、第1の高周波電源62は、整合器66を介して、上部電極30に接続されていてもよい。
【0040】
第2の高周波電源64は、ウエハWにイオンを引き込むための第2の高周波、即ち高周波バイアスを発生する電源であり、400kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数、一例においては400kHzの高周波バイアスを発生する。第2の高周波電源64は、整合器68を介して下部電極16に接続されている。整合器68は、第2の高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極16側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
【0041】
また、プラズマ処理装置10は、直流電源部70を更に備えている。直流電源部70は、上部電極30に接続されている。直流電源部70は、負の直流電圧を発生し、当該直流電圧を上部電極30に与えることが可能である。
【0042】
また、プラズマ処理装置10は、制御部Cntを更に備えている。この制御部Cntは、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、プラズマ処理装置10の各部を制御する。この制御部Cntでは、入力装置を用いて、オペレータがプラズマ処理装置10を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができ、また、表示装置により、プラズマ処理装置10の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御部Cntの記憶部には、プラズマ処理装置10で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラムや、処理条件に応じてプラズマ処理装置10の各部に処理を実行させるためのプログラム、即ち、処理レシピが格納される。
【0043】
一実施形態では、制御部Cntは、方法MT用の処理レシピに従い、方法MTの各工程において、スイッチSW、バルブ群42の複数のバルブ、流量制御器群44の複数の流量制御器、排気装置50、第1の高周波電源62、整合器66、第2の高周波電源64、整合器68、チラーユニットCU、ヒータ電源HP等のプラズマ処理装置10の各部を制御する。
【0044】
再び図1を参照して、方法MTの説明を続ける。以下の説明では、図1と共に、図4図6を参照する。図4及び図5は、図1に示すエッチング方法の実行中の途中段階の被処理体の状態の一例を示す断面図である。また、図6は、図1に示すエッチング方法の実行後の被処理体の状態の一例を示す断面図である。
【0045】
図1に示すように、方法MTでは、まず、上述したように、工程ST1が実行される。工程ST1では、ウエハWが、プラズマ処理装置の処理容器内に収容され、静電チャック上に載置される。プラズマ処理装置10が用いられる場合には、ウエハWは、静電チャック18上に載置される。しかる後に、直流電源22からの電圧が静電チャック18の電極18aに与えられる。これにより、ウエハWが静電チャック18によって保持される。
【0046】
次いで、方法MTでは、工程ST2が実行される。工程ST2では、プラズマ処理装置の処理容器内において、第1の処理ガスのプラズマが生成される。第1の処理ガスは、一種以上のフルオロカーボンガス、及び酸素ガス(Oガス)を含む。一実施形態では、第1の処理ガスは、フルオロカーボンガスとして、Cガス及びCガスを含む。また、一実施形態では、第1の処理ガスは、ハイドロフルオロカーボンガス及び/又は希ガスを更に含んでいてもよい。ハイドルフルオロカーボンガスとしては、CHガスを用いることができる。希ガスとしては、任意の希ガスを用いることができる。例えば、希ガスとして、Arガスを用いることができる。
【0047】
工程ST2では、処理容器内の空間の圧力が所定の圧力に調整される。また、工程ST2では、静電チャックの温度が第1の温度に設定される。第1の温度は、後述する工程ST3において設定される静電チャックの温度である第2の温度より高い温度である。一実施形態では、第1の温度は、20℃以上、40℃以下の温度である。なお、ウエハWはプラズマからの輻射熱を受けるので、ウエハWの温度は静電チャックの温度よりも、10℃〜15℃程度高い温度となる。したがって、工程ST2では、ウエハWの温度は、30℃以上、55℃以下の温度に設定される。さらに、工程ST2では、処理容器内に供給された第1の処理ガスが励起されて、プラズマが生成される。
【0048】
プラズマ処理装置10を用いる場合には、工程ST2において、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択されたガスソースから第1の処理ガスが処理容器12内に供給される。また、排気装置50によって、処理容器12内の空間の圧力が所定の圧力に調整される。また、チラーユニットCU及び/又はヒータ18hによって、静電チャック18の温度が第1の温度に設定される。さらに、第1の高周波電源62からの高周波及び第2の高周波電源64からの高周波バイアスが下部電極16に供給される。これにより、処理容器12内で、第1の処理ガスのプラズマが生成される。
【0049】
工程ST2では、図4に示すように、マスクMSKの開口OPを介して露出されている部分において第1領域R1がエッチングされ、当該第1領域R1にスペースSP1が形成される。また、マスクMSKの開口OPを介して露出されている部分において第2領域R2がエッチングされ、当該第2領域R2にスペースSP2が形成される。また、工程ST2のエッチング時には、マスクMSKの表面、及び、エッチングによって形成されたスペースを画成する壁面に堆積物DPが形成される。堆積物DPは、炭素、フルオロカーボン、及び/又はエッチング副生成物等によって構成される。
【0050】
工程ST2の第1の処理ガスのプラズマによるエッチングは、第1領域R1のエッチングレートよりも第2領域R2のエッチングレートが高いという特性を有する。また、第1の処理ガスのプラズマによるエッチングは、静電チャックの温度、即ち、ウエハWの温度が高温であるときには、マスクへの堆積物の付着を低減することができ、マスクMSKの開口OPの目詰まり及びマスクMSKの開口OPの閉塞を抑制することができるという特性を有する。
【0051】
第1の処理ガスのプラズマによるエッチングは上述した特性を有するので、方法MTでは、第1プラズマ処理工程の実行後には、第1領域R1に形成されたスペースの深さよりも第2領域R2に形成されたスペースの深さが深くなる。また、工程ST2では、静電チャックの温度が比較的高温の第1の温度に設定されるので、ウエハWの温度が比較的高温に設定された状態で、第1の処理ガスのプラズマによるエッチングが行われる。したがって、工程ST2の実行後のマスクMSKの開口OPの目詰まり又はマスクMSKの開口OPの閉塞が抑制される。
【0052】
次いで、方法MTでは、工程ST3が実行される。工程ST3では、プラズマ処理装置の処理容器内において、第2の処理ガスのプラズマが生成される。第2の処理ガスは、水素ガス(Hガス)、三フッ化窒素ガス(NFガス)、及び炭素含有ガスを含む。第2の処理ガスに含まれる炭化水素ガスは、炭素を含む任意のガスであり、一例では、メタンガス(CHガス)といった炭化水素ガスであり得る。一実施形態では、第2の処理ガスは、臭化水素ガス(HBrガス)を更に含んでいてもよい。また、一実施形態では、第2の処理ガスは、ハイドロフルオロカーボンガス及び/又はフルオロカーボンガスを更に含んでいてもよい。ハイドロフルオロカーボンガスとしては、例えば、CHガスを用いることができる。また、フルオロカーボンガスとしてはCFガスを用いることができる。
【0053】
工程ST3では、処理容器内の空間の圧力が所定の圧力に調整される。また、工程ST3では、静電チャックの温度が第2の温度に設定される。第2の温度は、第1の温度より低い温度である。一実施形態では、第2の温度は、20℃より低い温度である。なお、ウエハWはプラズマからの輻射熱を受けるので、工程ST3では、ウエハWの温度は30℃よりも低い温度に設定される。さらに、工程ST3では、処理容器内に供給された第2の処理ガスが励起されて、プラズマが生成される。
【0054】
プラズマ処理装置10を用いる場合には、工程ST3において、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択されたガスソースから第2の処理ガスが処理容器12内に供給される。また、排気装置50によって、処理容器12内の空間の圧力が所定の圧力に調整される。また、チラーユニットCU及び/又はヒータ18hによって、静電チャック18の温度が第2の温度に設定される。さらに、第1の高周波電源62からの高周波及び第2の高周波電源64からの高周波バイアスが下部電極16に供給される。これにより、処理容器12内において第2の処理ガスのプラズマが生成される。
【0055】
工程ST3では、図5に示すように、マスクMSKの開口OPを介して露出されている部分において第1領域R1が更にエッチングされ、スペースSP1の深さが深くなる。また、マスクMSKの開口OPを介して露出されている部分において第2領域R2がエッチングされ、スペースSP2の深さが深くなる。また、工程ST3のエッチング時においては、マスクMSKの表面、及び、エッチングによって形成されたスペースを画成する壁面に堆積物DPが形成される。堆積物DPは、炭素、炭化水素、及び/又はエッチング副生成物等によって構成される。
【0056】
工程ST3の第2の処理ガスのプラズマによるエッチングは、第2領域R2のエッチングレートよりも第1領域R1のエッチングレートが高いという特性を有する。また、第2の処理ガスのプラズマによるエッチングは、静電チャックの温度、即ち、ウエハWの温度が低温であるときに、第1領域R1のエッチングレートが高くなり、且つマスクMSKの削れを低減することができるという特性を有する。
【0057】
第2の処理ガスのプラズマによるエッチングは上述した特性を有するので、工程ST3の実行後には、第1領域R1に形成されたスペースSP1の深さと第2領域R2に形成されたスペースSP2の深さとの差異が低減又は解消される。また、工程ST3では、比較的低温の第2の温度に静電チャックの温度が設定されるので、ウエハWの温度が比較的低温に設定された状態で、第2の処理ガスのプラズマによるエッチングが行われる。したがって、第1領域R1のエッチングレートとして高いエッチングレートが得られ、且つ、マスクMSKの削れが抑制される。このように、方法MTによれば、工程ST2ではマスクMSKの開口OPの目詰まり又はマスクMSKの開口OPの閉塞が抑制され、工程ST3ではマスクMSKの削れが抑制されるので、マスクMSKの形状が良好に保たれる。結果的に、良好な形状のスペースSP1及びスペースSP2を第1領域R1と第2領域R2のそれぞれに形成することができる。また、工程ST3では高いエッチングレートが得られるので、方法MTにおけるエッチングレートの低下が抑制される。
【0058】
方法MTでは、続く工程STJにおいて、停止条件が満たされるか否かが判定される。停止条件は、工程ST2及び工程ST3を含むシーケンスの実行回数が所定回数に達しているときに満たされるものと判定される。この所定回数は、1回であってもよく、複数回であってもよい。所定回数が1回である場合には、工程STJは不要である。所定回数が複数回である実施形態では、工程STJにおいて停止条件が満たされないと判定される場合に、再び工程ST2及び工程ST3が順に実行される。一方、工程STJにおいて停止条件が満たされると判定される場合には、工程ST2及び工程ST3を含むシーケンスの実行が終了する。なお、所定回数が複数回である実施形態では、各シーケンスにおける工程ST2の実行時間及び工程ST3の実行時間はそれぞれ、所定回数が1回である実施形態での工程ST2の実行時間及び工程ST3の実行時間よりも短く設定される。このように、工程ST2及び工程ST3を含む複数回のシーケンスを実行することにより、第1領域R1と第2領域R2に形成されるスペースの深さの差異を小さく保ちつつ、第1領域R1及び第2領域R2のエッチングを進行させることが可能となる。
【0059】
一実施形態の方法MTでは、工程ST2及び工程ST3は、下地層ULが露出する直前まで、実行される。即ち、工程ST2及び工程ST3は、第1領域R1及び第2領域R2が下地層上に僅かに残されるように実行される。そして、工程ST4が実行される。工程ST4では、プラズマ処理装置の処理容器内において第3の処理ガスのプラズマが生成される。第3の処理ガスには、第1の処理ガスと同じ処理ガスを用いることができる。
【0060】
工程ST4では、処理容器内の空間の圧力が所定の圧力に調整される。また、工程ST4では、静電チャックの温度が第3の温度に設定される。第3の温度は、第1の温度より高い温度である。一実施形態では、第3の温度は、70℃以上の温度である。なお、ウエハWはプラズマからの輻射熱を受けるので、ウエハWの温度は静電チャックの温度よりも、10℃〜15℃程度高い温度となる。したがって、工程ST4では、ウエハWの温度は、80℃以上の温度に設定される。さらに、工程ST4では、処理容器内に供給された第3の処理ガスが励起されて、プラズマが生成される。
【0061】
プラズマ処理装置10を用いる場合には、工程ST4において、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択されたガスソースから第3の処理ガスが処理容器12内に供給される。また、排気装置50によって、処理容器12内の空間の圧力が所定の圧力に調整される。また、チラーユニットCU及び/又はヒータ18hによって、静電チャック18の温度が第3の温度に設定される。さらに、第1の高周波電源62からの高周波及び第2の高周波電源64からの高周波バイアスが下部電極16に供給される。これにより、処理容器12内において第3の処理ガスのプラズマが生成される。
【0062】
工程ST4では、図6に示すように、マスクMSKの開口OPを介して露出されている部分において第1領域R1及び第2領域R2が更にエッチングされる。これにより、スペースSP1及びスペースSP2を介して下地層ULが露出する。また、工程ST4のエッチング時には、工程ST2のエッチング時と同様に、マスクMSKの表面、及び、エッチングによって形成されたスペースを画成する壁面に堆積物DPが形成される。
【0063】
工程ST4において用いられる第3の処理ガスのプラズマは、下地層を実質的にエッチングしない程度に生成され得る。また、工程ST4では、静電チャックの温度が比較的高温の第3の温度に設定されるので、ウエハWの温度が高くなり、下地層ULに対する活性種の付着係数が小さくなる。したがって、下地層ULが露出する期間のエッチングに起因する下地層ULの損傷を抑制することができる。
【0064】
以上、実施形態の方法MTについて説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、方法MTの実行に用いられるプラズマ処理装置は、容量結合型プラズマ処理装置に限定されるものではなく、誘導結合型プラズマ処理装置、或いは、マイクロ波といった表面波をプラズマ源として用いるプラズマ処理装置であってもよい。また、方法MTは工程ST4を含んでいるが、工程ST2及び工程ST3の実行によって下地層ULを露出させ、工程ST4を省略してもよい。
【0065】
また、第1の処理ガスと第2の処理ガスがプラズマ処理装置の処理容器内で混合した状態でプラズマが生成されることを避けるために、工程ST2と工程ST3との間にはプラズマを生成せずに、プラズマ処理装置の処理容器内のガスを第1の処理ガスから第2の処理ガスに置換するための期間(以下、「ガス置換期間」という)が設けられていてもよい。例えば、プラズマ処理装置10を用いる場合には、工程ST2と工程ST3との間のガス置換期間に、第1の高周波電源62からの高周波を下部電極16に供給されていない状態で、ガスソース群40からのガスが第1の処理ガスから第2の処理ガスに切り換えられ、処理容器12内のガスが第1の処理ガスから第2の処理ガスに置換される。このガス置換期間は、処理容器内のガスが第1の処理ガスから第2の処理ガスに置換されたと見なすことのできる所定時間長の期間である。
【0066】
一方、工程ST2と工程ST3が連続して実行されてもよい。即ち、工程ST2と工程ST3との間にガス置換期間が設けられていなくてもよい。例えば、工程ST2の実行期間と工程ST3の実行期間にわたって連続的にプラズマが生成されていてもよい。なお、工程ST2の実行期間及び工程ST3の実行期間の各々において、プラズマが間欠的に生成されてもよい。即ち、工程ST2の実行期間及び工程ST3の実行期間の各々において、プラズマが生成される期間と実質的にプラズマが生成されない期間とが交互に繰り返されてもよい。例えば、工程ST2の実行期間及び工程ST3の実行期間の各々において、プラズマ生成用の高周波として、パルス変調された高周波が利用されてもよい。また、パルス変調された高周波に同期又は位相反転して、高周波バイアスがパルス変調されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10…プラズマ処理装置、12…処理容器、PD…載置台、16…下部電極、18…静電チャック、30…上部電極、50…排気装置、62…第1の高周波電源、64…第2の高周波電源、Cnt…制御部、W…ウエハ、R1…第1領域、R2…第2領域、IL1…第1の誘電体膜、IL2…第2の誘電体膜、MSK…マスク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6