【解決手段】この負極端子20(電池用端子)は、軸部21と、軸部21からXおよびY方向に放射状の広がりを持つ鍔部22とを有する負極端子20である。負極端子20は、第1金属層30と第2金属層40とが接合されたクラッド材から構成され、軸部21および鍔部22のそれぞれは、Z1側が第1金属層30で構成され、Z2側が第2金属層40で構成され、軸部21の第1金属層30は、鍔部22の第1金属層30におけるZ2側の面よりもZ2側に突出する部分(凸部32)を有している。
前記第1金属層の前記突出する部分は、少なくとも前記軸部の中心部分において、前記鍔部の前記第1金属層における前記軸方向の他方側の面よりも前記軸方向の他方側に突出している、請求項1に記載の電池用端子。
前記軸心上において、前記凸部は、前記鍔部の前記軸方向の他方側の面よりも前記軸方向の他方側に、前記鍔部の前記軸方向の長さよりも大きく突出している、請求項4に記載の電池用端子。
前記軸部の軸心上において、前記鍔部の前記軸方向の他方側の面から前記凸部の前記軸方向の他方側の端部までの長さは、前記軸部の長さの80%以下である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の電池用端子。
前記第1金属層を構成する金属と前記第2金属層を構成する金属とが反応するのを抑制するための反応抑制層をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電池用端子。
前記第1金属層の前記突出する部分において、前記中心部分よりも外側の部分は、前記中心部分よりも前記軸方向の他方側に突出している、請求項2に記載の電池用端子。
前記第1金属層を構成する金属と前記第2金属層を構成する金属とが反応するのを抑制するための反応抑制層を前記第1金属層と前記第2金属層との間に接合する、請求項14に記載の電池用端子の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された負極リベットでは、Cuからなるヘッド部とAlからなるテール部とを摩擦撹拌溶接またはレーザ溶接によって接合する際に、接合部が摩擦やレーザ光によって大きな熱が発生するため高温になる。このときに熱がヘッド部のCuとテール部のAlとの界面に到達して脆弱な金属間化合物が生成されるため、ヘッド部とテール部との接合強度が低下しやすいという問題点があった。
【0006】
この発明は、異なる金属層を備える電池用端子における上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、異なる金属層の間の接合強度を大きくすることが可能な電池用端子と、その電池用端子の製造方法およびその電池用端子を用いる電池とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による電池用端子は、軸部と、軸部から放射方向に放射状の広がりを持つ鍔部とを有する電池用端子であって、電池用端子は、少なくとも第1金属層と第2金属層とが接合されたクラッド材から構成され、軸部および鍔部のそれぞれは、軸部の軸方向において一方側が第1金属層で構成され、他方側が第2金属層で構成され、軸部の第1金属層は、鍔部の第1金属層における軸方向の他方側の面よりも軸方向の他方側に突出する部分を有している。
【0008】
この発明の第1の局面による電池用端子では、上記のように、クラッド材から構成されていることによって、電池用端子を作製するときに金属間化合物が過剰に成長するような熱を加える必要がないため、摩擦撹拌溶接やレーザ溶接により第1金属層と第2金属層とを接合する場合と比べて、第1金属層と第2金属層との接合強度の低下を防止することができる。さらに、軸部の第1金属層が鍔部の第1金属層における軸方向の他方側の面よりも軸方向の他方側に突出する部分を有していることによって、突出する部分が形成された分、第1金属層と第2金属層との界面の面積を増加させることができるので、第1金属層と第2金属層との接合強度を大きくすることができる。
【0009】
また、この発明の第1の局面による電池用端子では、上記のように、軸部および鍔部のそれぞれを、軸部の軸方向において一方側を第1金属層で構成し、他方側を第2金属層で構成する。これにより、軸部の軸方向の一方側の第1金属層と電池同士を接続する接続部材または電池の集電体の一方とを容易に接合することができるとともに、軸部の軸方向の他方側の第2金属層と接続部材または集電体の他方とを容易に接合することができる。この結果、電池用端子を介して接続部材と集電体とを容易に電気的に接続することができる。また、この際、接続部材および集電体が異なる金属から構成される場合には、第1金属層と接続部材または集電体の一方とを同種の金属とから構成し、第2金属層と接続部材または集電体の他方とを同種の金属とから構成することによって、同種の金属同士の接合による強固な接合を確保した状態で、電池用端子を介して接続部材と集電体とを電気的に接続することができる。
【0010】
上記第1の局面による電池用端子において、好ましくは、第1金属層の突出する部分は、少なくとも軸部の中心部分において、鍔部の第1金属層における軸方向の他方側の面よりも軸方向の他方側に突出している。このように構成すれば、電池用端子の中心近傍である軸部の中心部分において、第1金属層と第2金属層との界面の面積を増加させることができるので、第1金属層と第2金属層との接合強度を効果的に大きくすることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、第1金属層の突出する部分は、軸部の中心部分において、軸方向の他方側に凸状に突出する凸部を有している。このように構成すれば、凸部が形成された分、第1金属層と第2金属層との界面の面積を確実に増加させることができるので、第1金属層と第2金属層との接合強度を確実に大きくすることができる。
【0012】
上記突出する部分が凸部を有する構成において、好ましくは、軸部の軸心上において、凸部は、鍔部の軸方向の他方側の面よりも軸方向の他方側に突出している。このように構成すれば、鍔部の軸方向の他方側の面よりも軸方向の他方側に突出していない場合と比べて、第1金属層と第2金属層との界面の面積を増加させることができるので、第1金属層と第2金属層との接合強度を大きくすることができる。また、軸部において第1金属層と接続部材または集電体とが接合される場合には、軸部において第1金属層と第2金属層との界面(凸部の軸方向の他方側の端部)を第1金属層が露出する軸方向の一方側から大きく離間させることができる。これにより、軸部における第1金属層と第2金属層との界面が、露出する第1金属層と接続部材または集電体との接合部から大きく離間されるので、前記接合部の接合(溶接)に起因する熱が前記界面に到達するのを抑制することができる。この結果、第1金属層と第2金属層との界面における脆弱な金属間化合物の発生を抑制することができるので、第1金属層と第2金属層との接合強度の低下を抑制することができる。
【0013】
上記凸部が鍔部の他方側の面よりも他方側に突出している構成において、好ましくは、軸心上において、凸部は、鍔部の軸方向の他方側の面よりも軸方向の他方側に、鍔部の軸方向の長さよりも大きく突出している。このように構成すれば、凸部が比較的大きく形成されるので、第1金属層と第2金属層との界面の面積を増加させることができる。
【0014】
上記第1の局面による電池用端子において、好ましくは、第1金属層または第2金属層の一方は、AlまたはAl合金(Al基合金)から構成されており、第1金属層または第2金属層の他方は、CuまたはCu合金(Cu基合金)から構成されている。このように構成すれば、電池用端子の軸方向の一方側の第1金属層を接続部材または集電体の一方と同種の金属(Al基合金またはCu基合金)から構成し、電池用端子の軸方向の他方側の第2金属層を接続部材または集電体の他方と同種の金属(Cu基合金またはAl基合金)から構成した場合には、同種の金属同士の接合による強固な接合を確保した状態で、電池用端子を介して接続部材と集電体とを電気的に接続することができる。また、Al基合金およびCu基合金は、共に比較的延性が大きく変形しやすいので、第1金属層または第2金属層の一方が比較的に延性が小さく変形しにくい場合と比べて、破断などが生じるのを抑制しつつ、容易に第1金属層に凸部を形成することができる。
【0015】
上記第1の局面による電池用端子において、好ましくは、軸方向において、鍔部の第1金属層の最小の長さは、鍔部の長さの30%以上である。このように構成すれば、鍔部において第1金属層を軸方向に十分に確保することができるので、電池用端子の軸方向の一方側に露出する第1金属層と接続部材または集電体とを接合する際に、第1金属層と接続部材または集電体との接合(溶接)に起因する熱が第1金属層と第2金属層との界面に到達するのを抑制することができる。
【0016】
上記突出する部分が凸部を有する構成において、好ましくは、軸部の軸心上において、鍔部の軸方向の他方側の面から凸部の軸方向の他方側の端部までの長さは、軸部の長さの80%以下である。このように構成すれば、軸部の軸方向の他方側において、第2金属層の軸方向の長さを容易に確保することができる。これにより、軸部の軸方向の他方側の第2金属層と接続部材または集電体とを接合する際に、第2金属層の軸方向の長さを確保し、第2金属層と接続部材または集電体とを接合しやすくすることができる。また、第2金属層の軸方向の長さを確保することにより、軸部の軸方向の他方側の端部と接続部材または集電体とが接合される場合において、第1金属層と第2金属層との界面(凸部の軸方向の他方側の端部)を第2金属層が露出する軸方向の他方側の端部から大きく離間させることができる。これにより、第1金属層と第2金属層との界面が、第2金属層と接続部材または集電体との接合部から大きく離間されるので、前記接合部の接合(溶接)に起因する熱が前記界面に到達するのを抑制することができる。この結果、第1金属層と第2金属層との界面における脆弱な金属間化合物の発生を抑制することができるので、第1金属層と第2金属層との接合強度の低下を抑制することができる。
【0017】
上記第1の局面による電池用端子において、好ましくは、軸部の軸方向の他方側の端部には、底面および内側面が第2金属層で構成された有底孔を有している。このように構成すれば、電池用端子と接続部材または集電体と固定する際に、例えば、有底孔の孔内に接続部材または集電体を挿入した状態で固定したり、有底孔の第2金属層の側面を変形させてかしめたりすることなどにより、電池用端子と接続部材または集電体とを容易に固定することができる。
【0018】
上記第1の局面による電池用端子において、好ましくは、第1金属層および第2金属層は、共に、軸心に対して略軸対称に形成されている。このように構成すれば、比較的単純な形状を有する電池用端子を容易に形成することができる。
【0019】
上記第1の局面による電池用端子において、好ましくは、第1金属層を構成する金属と第2金属層を構成する金属とが反応するのを抑制するための反応抑制層をさらに含む。このように構成すれば、反応抑制層により、第1金属層を構成する金属と第2金属層を構成する金属とが反応して脆弱な金属間化合物が形成されるのを確実に抑制することができるので、第1金属層と第2金属層との金属間化合物に起因する接合強度の低下を確実に抑制することができる。
【0020】
上記第1金属層の突出する部分が軸部の中心部分において突出する構成において、好ましくは、第1金属層の突出する部分において、中心部分よりも外側の部分は、中心部分よりも軸方向の他方側に突出している。このように構成すれば、外側の部分が形成された位置における第1金属層と第2金属層との接合強度を効果的に大きくすることができる。
【0021】
この場合、好ましくは、外側の部分は、軸方向の他方側に環状に突出している。このように構成すれば、環状に突出する外側の部分によって、第1金属層と第2金属層との界面において、軸方向と直交する方向にすべりが生じるのを効果的に抑制することができる。
【0022】
この発明の第2の局面による電池用端子の製造方法は、少なくとも第1金属層と第2金属層とを接合することによって、オーバーレイ型のクラッド材を形成する工程と、オーバーレイ型のクラッド材に対して押し出し加工を行うことによって、軸部と、軸部から放射方向に放射状の広がりを持つ鍔部とを有するとともに、軸部および鍔部のそれぞれが、軸部の軸方向において一方側が第1金属層で構成され、他方側が第2金属層で構成され、軸部の第1金属層が、鍔部の第1金属層における軸方向の他方側の面よりも軸方向の他方側に突出する部分を有するように電池用端子を形成する工程とを備える。
【0023】
この発明の第2の局面による電池用端子の製造方法では、上記第1の局面の効果に加えて、オーバーレイ型のクラッド材に対して比較的簡易な位置決めによる押し出し加工によって、容易に軸部の第1金属層に突出する部分を形成することができる。
【0024】
上記第2の局面による電池用端子の製造方法において、好ましくは、第1金属層を構成する金属と第2金属層を構成する金属とが反応するのを抑制するための反応抑制層を第1金属層と第2金属層との間に接合する。このように構成すれば、反応抑制層により、第1金属層を構成する金属と第2金属層を構成する金属とが反応して脆弱な金属間化合物が形成されるのを確実に抑制することができるので、第1金属層と第2金属層との金属間化合物に起因する接合強度の低下を確実に抑制することができる。
【0025】
この発明の第3の局面による電池は、軸部と、軸部から放射方向に放射状の広がりを持つ鍔部とを有する電池用端子を備え、電池用端子は、少なくとも第1金属層と第2金属層とが接合されたクラッド材から構成され、軸部および鍔部のそれぞれは、軸部の軸方向において一方側が第1金属層で構成され、他方側が第2金属層で構成され、軸部の第1金属層は、鍔部の第1金属層における軸方向の他方側の面よりも軸方向の他方側に突出する部分を有している。
【0026】
この発明の第3の局面による電池では、上記第1の局面の異なる金属層が接合された電池用端子により、電池同士を接続する接続部材と、接続部材とは異なる金属から構成される電池の集電体とを容易に接合することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、上記のように、異なる金属層(第1金属層と第2金属層)の間の接合強度を大きくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
(第1実施形態)
まず、
図1〜
図5を参照して、本発明の第1実施形態による組電池100の構造について説明する。
【0031】
本発明の第1実施形態による組電池100は、電気自動車(EV、electric vehicle)や、ハイブリッド自動車(HEV、hybrid electric vehicle)、住宅蓄電システムなどに用いられる大型の電池システムである。この組電池100は、
図1に示すように、複数のリチウムイオン電池1が、複数の平板状のバスバー101(点線で図示)によって電気的に接続されることによって構成されている。
【0032】
また、組電池100では、平面的に見てリチウムイオン電池1の狭幅方向(X方向)に沿って並ぶように、複数のリチウムイオン電池1が配置されている。また、組電池100では、狭幅方向と直交する広幅方向(Y方向)の一方側(Y1側)に正極端子10が位置するとともに、Y方向の他方側(Y2側)に負極端子20が位置するリチウムイオン電池1(1a)と、Y2側に正極端子10が位置するとともに、Y1側に負極端子20が位置するリチウムイオン電池1(1b)とが、X方向に沿って交互に配置されている。
【0033】
また、所定のリチウムイオン電池1の正極端子10は、X方向に延びるAlからなるバスバー101のX方向の一方端に溶接(接合)されている。また、その所定のリチウムイオン電池1と隣接するリチウムイオン電池1の負極端子20は、Alからなるバスバー101のX方向の他方端に溶接されている。これにより、リチウムイオン電池1の正極端子10は、バスバー101を介して、隣接するリチウムイオン電池1の負極端子20と接続されている。このようにして、複数のリチウムイオン電池1が直列に接続された組電池100が構成されている。なお、Alからなるバスバー101を用いることによって、Cuからなるバスバーを用いる場合と比べて、バスバー101を軽量化することができるので、複数のバスバー101を用いる組電池100全体を軽量化することが可能である。なお、Alとは、JIS規格に規定されたA1000番台のいわゆる純Alを意味するとともに、Cuとは、無酸素銅やタフピッチ銅、りん脱酸銅などのいわゆる純Cuを意味している。
【0034】
リチウムイオン電池1は、
図2に示すように、略直方体形状の外観を有している。また、リチウムイオン電池1は、X方向およびY方向と直交する上下方向(Z方向)の一方側(上方、Z1側)に配置される蓋部材2と、他方側(下方、Z2側)に配置される電池ケース本体3とを備えている。この蓋部材2および電池ケース本体3は、共にNiめっき鋼板からなる。
【0035】
蓋部材2は、
図3に示すように、平板状に形成されている。また、蓋部材2には、Z方向に貫通するように、一対の挿入穴2aおよび2bが設けられている。この一対の挿入穴2aおよび2bは、蓋部材2のY方向に所定の間隔を隔てて形成されているとともに、蓋部材2のX方向の略中央に形成されている。また、一対の挿入穴2aおよび2bには、それぞれ、正極端子10および負極端子20が挿入されるように構成されている。
【0036】
また、リチウムイオン電池1は、正極4a、負極4bおよびセパレータ4cがロール状に積層された発電素子4と、図示しない電解液とを備えている。正極4aは、正極活物質が塗布されたAl箔から構成されている。負極4bは、負極活物質が塗布されたCu箔から構成されている。セパレータ4cは、正極4aと負極4bとを絶縁する機能を有している。
【0037】
また、リチウムイオン電池1は、正極端子10と発電素子4の正極4aとを電気的に接続する正極集電体5と、負極端子20と発電素子4の負極4bとを電気的に接続する負極集電体6とを備えている。正極集電体5は、正極端子10に対応するようにY1側に配置されている。また、正極集電体5は、正極端子10が挿入される穴部5dが形成された接続部5aと、Z2側に延びる脚部5bと、脚部5bと複数の正極4aとを接続する接続板5cとを含んでいる。また、正極集電体5は、正極4aと同様にAlから構成されている。
【0038】
負極集電体6は、負極端子20に対応するようにY2側に配置されている。また、負極集電体6は、負極端子20が挿入される穴部6dが形成された接続部6aと、Z2側に延びる脚部6bと、脚部6bと複数の負極4bとを接続する接続板6cとを含んでいる。また、負極集電体6は、負極4bと同様にCuから構成されている。
【0039】
正極端子10は、Z方向に延びる円柱状の軸部11と、軸部11のZ1側の端部およびその周辺において、軸部11からX−Y平面方向に放射状の広がりを持つように形成された円環状の鍔部12とを有している。この結果、正極端子10は、リベット状に形成されており、Z方向に沿った断面がT字形状になるように形成されている。
【0040】
また、リベット状の正極端子10は、正極集電体5およびバスバー101と同様に、Alから構成されている。この正極端子10では、図示しないAl板に対して押し出し成形が行われることによって、軸部11と鍔部12とが一体的に形成されている。
【0041】
また、正極端子10の鍔部12と蓋部材2との間には、絶縁性を有するパッキン7が配置されているとともに、蓋部材2と正極集電体5の接続部5aとの間には、絶縁性を有するパッキン8が配置されている。なお、パッキン7および8は、それぞれ、正極端子10の軸部11が挿入される挿入穴7aおよび8aを有している。なお、正極端子10の鍔部12は蓋部材2の上側に配置されることによって、リチウムイオン電池1の外部に配置されている。一方、軸部11の鍔部12よりもZ2側に突出する部分は、挿入穴7a、2aおよび8aと、リチウムイオン電池1(電池ケース本体3)の内部とに配置されている。
【0042】
負極端子20は、正極端子10と同様の外形形状を有している。つまり、負極端子20は、Z方向に延びる円柱状の軸部21と、軸部21のZ1側の端部およびその周辺において、軸部21からX−Y平面方向に放射状の広がりを持つように形成された円環状の鍔部22とを有している。この結果、
図4および
図5に示すように、負極端子20は、リベット状に形成されており、Z方向に沿った断面がT字形状になるように形成されている。また、軸部21は、負極端子20のX方向およびY方向の略中央に位置するように構成されている。なお、負極端子20は、本発明の「電池用端子」の一例である。また、Z方向は、本発明の「軸方向」の一例であり、Z1側は、本発明の「軸方向の一方側」の一例であり、X−Y平面方向は、本発明の「放射方向」の一例である。
【0043】
また、負極端子20では、後述する押し出し成形が行われることによって、軸部21と鍔部22とが一体的に形成されている。また、
図5に示すように、負極端子20は、X方向およびY方向に約10mmの直径D1を有するとともに、Z方向に約12mmの長さL1を有している。また、鍔部22は、Z方向に約2mmの厚みt1を有している。なお、Z2側は、本発明の「軸方向の他方側」の一例である。
【0044】
ここで、第1実施形態では、
図4および
図5に示すように、負極端子20は、比較的延性が大きく変形しやすいAlから構成された第1金属層30と、比較的延性が大きく変形しやすいCuから構成された第2金属層40とが圧延により接合されたクラッド材から構成されている。圧延接合されている第1金属層30と第2金属層40とは、その界面Iにおいて強固に接合されている。また、負極端子20のZ方向(Z2側)に沿った断面において、第1金属層30は、軸部21および鍔部22の上部に配置されており、この結果、第1金属層30は、負極端子20のZ1側である、軸部21の上面21aと、鍔部22の上面22aと、上側面22b(鍔部22の上部における側面22d)とに露出するように形成されている。
【0045】
また、第1実施形態では、第1金属層30の軸部21の中心部分31には、Z方向(軸方向)のZ2側に突出する凸部32が設けられている。つまり、軸部21の第1金属層30は、軸部21の中心部分31において、Z方向(軸方向)のZ2側に突出する部分(凸部32)を有している。なお、凸部32の軸部21のZ2側の端部32aは、先細るように形成されている。
【0046】
なお、凸部32は、軸部21の軸心A上において、鍔部22のZ2側の下面22eよりもZ2側に、鍔部22のZ方向の長さ(厚みt1)よりも大きく突出している。つまり、軸部21における第1金属層30の凸部32は、鍔部22の第1金属層30におけるZ2側の面(界面I)よりもZ2側に突出している。一方、軸心A上において、鍔部22のZ2側の下面22eから凸部32のZ2側の端部32aまでの長さL2は、軸部21(負極端子20)の長さL1の80%以下になるように形成されている。また、軸心Aにおいて、軸部21における第1金属層30のZ方向の最大の長さL3は、負極端子20のZ方向に沿った長さL1の約90%以下になるように構成されている。なお、長さL3は、長さL1の約80%以下であるのが好ましく、約70%以下であるのがより好ましい。
【0047】
第2金属層40は、第1金属層30をZ2側から覆うように配置されており、軸部21のZ2側および鍔部22の下側面22c(鍔部22の下部における側面22d)に露出するように形成されている。この結果、凸部32は、負極端子20の外部に露出しないように形成されており、その結果、第1金属層30は、軸部21および鍔部22のZ2側には露出しないように形成されている。
【0048】
また、円環状の鍔部22では、第1金属層30と第2金属層40とが対向する全面においてZ方向に接合されている。つまり、鍔部22では、オーバーレイ型のクラッド接合が行われている。この結果、第1金属層30と第2金属層40との界面Iは、軸部21の側面ではなく、鍔部22の側面22dにおいて露出するように形成されている。これにより、界面Iがリチウムイオン電池1の内部に配置されないので、リチウムイオン電池1内部の電解液などが界面Iに到達するのを抑制することが可能である。この結果、リチウムイオン電池1内部の電解液などに起因して第1金属層30と第2金属層40と接合強度が小さくなるのを抑制することが可能である。
【0049】
また、第1金属層30および第2金属層40は、共に、軸心Aに対して略軸対称になるように形成されている。
【0050】
また、鍔部22において、第1金属層30のZ方向の最小の厚みt2は、鍔部22のZ方向の厚みt1の約30%以上になるように形成されている。ここで、最小の厚みt2とは、第1金属層30と第2金属層40との界面Iのうちの最も上側に位置する端面から上面22aまでの厚みを意味する。
【0051】
また、軸部21のZ方向に沿った断面において、第1金属層30の凸部32のZ方向と直交するX方向およびY方向に沿った長さ(幅)L4は、凸部32の周囲に形成される第2金属層40のX方向およびY方向に沿った長さL5よりも大きくなるように形成されている。なお、長さL4は、長さL5の2倍以上になるように形成するのが好ましい。ここで、長さL4およびL5とは、軸部21において、X方向およびY方向における第1金属層30の長さが最大の位置における各々の長さを意味している。
【0052】
また、
図4に示すように、軸部21の上面21a(Z1側の面)の略中央に、バスバー101がレーザ溶接されることによって、軸部21の上面21aの略中央には溶接部W1が形成されている。また、軸部21の下側の端部(頂面)21bの外周部と負極集電体6の接続部6aとがレーザ溶接されることによって、軸部21の端部21bおよびその周辺には溶接部W2が形成されている。
【0053】
また、正極端子10側と同様に、負極端子20の鍔部22と蓋部材2との間には、絶縁性を有するパッキン7が配置されているとともに、蓋部材2と負極集電体6の接続部6aとの間には、絶縁性を有するパッキン8が配置されている。なお、パッキン7および8は、それぞれ、負極端子20の軸部21が挿入される挿入穴7bおよび8bを有している。なお、負極端子20の鍔部22は蓋部材2の上側に配置されることによって、リチウムイオン電池1の外部に配置されている。一方、軸部21の鍔部22よりもZ2側に突出する部分は、挿入穴7b、2bおよび8bと、リチウムイオン電池1(電池ケース本体3)の内部とに配置されている。
【0054】
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0055】
第1実施形態では、上記のように、負極端子20をクラッド材から構成することによって、第1金属層30と第2金属層40とはその界面Iにおいて強固に接合しているので、熱による金属間化合物を生成しやすい摩擦撹拌溶接やレーザ溶接により第1金属層30と第2金属層40とを接合する場合と比べて、接合強度の低下を防止することができる。さらに、軸部21の第1金属層30に、鍔部22の第1金属層30におけるZ2側の面(界面I)よりもZ方向(軸方向)のZ2側に突出する部分(凸部32)を設けることによって、凸部32が形成された分、界面Iの面積を増加させることができるので、第1金属層30と第2金属層40との接合強度を大きくすることができる。
【0056】
第1実施形態では、Z2側に突出する部分(凸部32)を軸部21の中心部分31に設けることによって、負極端子20の中心近傍である軸部21の中心部分31において、第1金属層30と第2金属層40との界面Iの面積を増加させることができるので、第1金属層30と第2金属層40との接合強度を効果的に大きくすることができる。
【0057】
第1実施形態では、第1金属層30の軸部21の中心部分31がZ2側に突出する凸部32を有することによって、凸部32が形成された分、界面Iの面積を確実に増加させることができるので、第1金属層30と第2金属層40との接合強度を確実に大きくすることができる。
【0058】
また、第1実施形態では、軸部21および鍔部22のそれぞれを、Z1側を第1金属層30で構成し、Z2側を第2金属層40で構成する。これにより、負極端子20のZ1側に露出する第1金属層30とリチウムイオン電池1同士を接続するバスバー101とを容易に接合することができるとともに、負極端子20のZ2側に露出する第2金属層40とリチウムイオン電池1の負極集電体6とを容易に接合することができる。この結果、負極端子20を介してバスバー101と負極集電体6とを容易に電気的に接続することができる。また、第1金属層30をバスバー101と同種の金属(Al)から構成し、第2金属層40を負極集電体6と同種の金属(Cu)から構成することによって、同種の金属同士の接合による強固な接合を確保した状態で、負極端子20を介してバスバー101と負極集電体6とを電気的に接続することができる。
【0059】
また、第1実施形態では、軸部21の軸心A上において、凸部32が鍔部22のZ2側の下面22eよりもZ2側に突出することによって、凸部32が下面22eよりもZ2側に突出しない場合と比べて、第1金属層30と第2金属層40との界面Iの面積を増加させることができるので、第1金属層30と第2金属層40との接合強度を大きくすることができる。また、軸部21において第1金属層30とバスバー101とを接合する際に、軸部21において第1金属層30と第2金属層40との界面Iを第1金属層30が露出する負極端子20のZ1側の上面21aから大きく離間させることができる。これにより軸部21における界面Iが、露出する第1金属層30とバスバー101との接合部(溶接部W1)から大きく離間されるので、第1金属層30とバスバー101との接合(溶接)に起因する熱が界面Iに到達するのを抑制することができる。この結果、界面Iにおける脆弱な金属間化合物の発生を抑制することができるので、第1金属層30と第2金属層40との接合強度の低下を抑制することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、第1金属層30をバスバー101と同種のAlから構成し、第2金属層40を負極集電体6と同種のCuから構成することによって、バスバー101と負極端子20と負極集電体6とを、同種の金属同士による強固な接合状態を有し、かつ、電気的に接続することができる。また、AlおよびCuは、共に比較的延性が大きくて変形しやすく、かつ、その延性が同程度であるので、破断などが生じるのを抑制しつつ、さらに容易に第1金属層30に凸部32を形成することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、凸部32を、軸部21の軸心A上において、鍔部22のZ2側の下面22eよりもZ2側に、鍔部22のZ方向の長さ(厚みt1)よりも大きく突出させる。これにより、凸部32を十分に大きく形成することができるので、第1金属層30と第2金属層40との界面Iの面積を増加させることができる。
【0062】
また、第1実施形態では、鍔部22において、第1金属層30のZ方向の最小の厚みt2を鍔部22のZ方向の厚みt1の約30%以上になるように形成する。これにより、鍔部22において第1金属層30をZ方向に十分に確保することができるので、負極端子20のZ1側に露出する第1金属層30とバスバー101とを接合する際に、第1金属層30とバスバー101との接合(溶接)に起因する熱が界面Iに到達するのを抑制することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、軸心A上において、鍔部22のZ2側の下面22eから凸部32のZ2側の端部32aまでの長さL2を、軸部21(負極端子20)の長さL1の80%以下にする。これにより、軸部21のZ2側において、第2金属層40のZ方向に沿った長さを容易に確保することができる。これにより、軸部21のZ2側の第2金属層40と負極集電体6とを接合する際に、第2金属層40のZ方向の長さを確保し、第2金属層40と負極集電体6とを接合しやすくすることができる。
【0064】
また、第1実施形態では、第2金属層40のZ方向の長さを確保することにより、軸部21のZ2側の端部21bと負極集電体6とが接合される際に、第1金属層30と第2金属層40との界面I(凸部32のZ2側の端部32a)を第2金属層40が露出するZ2側の端部21bから大きく離間させることができる。これにより、界面Iが第2金属層40と負極集電体6との接合部(溶接部W2)から大きく離間されるので、溶接部W2の接合(溶接)に起因する熱が界面Iに到達するのを抑制することができる。この結果、界面Iにおける脆弱な金属間化合物の発生を抑制することができるので、第1金属層30と第2金属層40との接合強度の低下を抑制することができる。
【0065】
また、第1実施形態では、第1金属層30および第2金属層40を、共に、軸心Aに対して略軸対称になるように形成することによって、比較的単純な形状を有する負極端子20を容易に形成することができる。
【0066】
また、第1実施形態では、異なる金属層(第1金属層30と第2金属層40)が接合された負極端子20により、リチウムイオン電池1同士を接続するバスバー101と、バスバー101とは異なる金属から構成されるリチウムイオン電池1の負極集電体6とを容易に接合することができる。
【0067】
次に、
図1〜
図7を参照して、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン電池1および組電池100の製造プロセスについて説明する。
【0068】
まず、所定の厚みを有するロール状のAl板(図示せず)と、所定の厚みを有するロール状のCu板(図示せず)とを準備する。ここで、完成時の負極端子20(
図4参照)の鍔部22における第1金属層30の厚みt2と第2金属層40の厚み(t1−t2)との比率(t2:(t1−t2)、
図5参照)と略等しくなるように、Al板の厚みとCu板の厚みとを調節する。たとえば、Al板の厚みとCu板の厚みとを、共に約4mmに調整する。また、Al板の幅とCu板の幅とを略同一にする。
【0069】
そして、ロール状のAl板の一表面の全面にロール状のCu板をZ方向に積層させながら、所定の圧下率(たとえば、約50%)でAl板とCu板とを連続的に圧接接合するとともに、約500℃の温度状態で1分間保持することにより、拡散焼鈍を行う。これにより、約4mmの厚みを有するロール状のクラッド材が形成される。そして、このクラッド材を約10mmの直径を有する円板状に打ち抜くことによって、
図6に示すような円板状のクラッド材120が形成される。この円板状のクラッド材120は、Z方向の一方側(上側、Z1側)にAlから構成された第1金属層30が配置され、他方側(下側、Z2側)にCuから構成された第2金属層40が配置された状態で、第1金属層30と第2金属層40とがZ方向に接合された、いわゆるオーバーレイ型のクラッド材120である。
【0070】
ここで、第1実施形態の製造方法では、
図6に示すように、負極端子20(
図5参照)の形状に対応する型が形成された金型102内に、オーバーレイ型のクラッド材120を配置する。そして、オーバーレイ型のクラッド材120に対して、常温下において押し出し加工を行う。具体的には、プレス圧などを制御可能なサーボプレス機103を用いて、クラッド材120の第1金属層30側(上側、Z1側)から所定のプレス圧でクラッド材120に圧力を加える。これにより、
図7に示すように、クラッド材120のX方向およびY方向の中央部分が金型102の軸部21に対応する下部に向かって押し出される。
【0071】
これにより、
図5に示すように、円柱状の軸部21と円環状の鍔部22とを有し、Z方向に沿った断面がT字形状の負極端子20が形成される。また、第1金属層30の軸部21の中心部分31には、Z2側に突出する凸部32が設けられる。この際、円環状の鍔部22では、第1金属層30と第2金属層40とが対向する全領域において接合されたオーバーレイ型のクラッド接合になる。なお、この押し出し加工を複数回おこなうことによって、負極端子20の外形形状の寸法精度などを向上させてもよい。
【0072】
そして、
図4に示すように、負極端子20の鍔部22よりもZ2側の軸部21をパッキン7の挿入穴7b、蓋部材2の挿入穴2bおよびパッキン8の挿入穴8bに挿入した状態で、負極端子20の軸部21の端部21bと負極集電体6の接続部6aとを、レーザ光発生装置(図示せず)を用いて、レーザ溶接により接合する。この際、円柱状の軸部21の円周に沿ってレーザ光を照射(走査)する。これにより、負極端子20と負極集電体6とが接合(溶接)される。この際、負極端子20の軸部21の溶接部W2に位置する第2金属層40と負極集電体6とは、共にCuから構成されていることにより、強固に接合(溶接)される。さらに、界面Iが第2金属層40と負極集電体6との接合部(溶接部W2)から大きく離間されていることにより、溶接部W2の接合(溶接)に起因する熱が界面Iに到達するのが抑制される。
【0073】
同様に、
図3に示すように、正極端子10の軸部21の鍔部22よりもZ2側に突出する部分をパッキン7の挿入穴7a、蓋部材2の挿入穴2aおよびパッキン8の挿入穴8aに挿入した状態で、正極端子10の軸部11と、正極集電体5の接続部5aとを、レーザ光発生装置を用いて、レーザ溶接により接合する。この際、正極端子10と正極集電体5とは、共にAlから構成されていることにより、強固に接合(溶接)される。その後、電池ケース本体3と蓋部材2とを溶接する。これにより、
図2に示すように、リチウムイオン電池1が製造される。
【0074】
その後、
図1に示すように、X方向に沿って複数のリチウムイオン電池1を配置する。そして、リチウムイオン電池1の正極端子10と、隣接するリチウムイオン電池1の負極端子20とを平板状のバスバー101を用いて接合する。具体的には、
図4に示すように、負極端子20の軸部21の上面21aおよび鍔部22の上面22aに平板状のバスバー101の下面を当接させた状態で、所定の強度および照射時間に調節されたレーザ光発生装置を用いて、レーザ溶接により接合する。この際、軸部21において、溶接部W1が形成されるように溶接を行う。これにより、負極端子20とバスバー101とが接合(溶接)される。この際、負極端子20の溶接部W1に位置する第1金属層30とバスバー101とは、共にAlから構成されていることにより、強固に接合(溶接)される。さらに、界面Iが第1金属層30とバスバー101との接合部(溶接部W1)から大きく離間されていることにより、溶接部W1の接合(溶接)に起因する熱が界面Iに到達するのが抑制される。
【0075】
また、
図1に示すように、正極端子10の上面に、平板状のバスバー101の下面を当接させた状態で、レーザ光発生装置を用いて、レーザ溶接により接合する。これにより、正極端子10とバスバー101とが接合(溶接)される。この際、正極端子10とバスバー101とは、共にAlから構成されていることにより、強固に接合(溶接)される。この結果、複数のリチウムイオン電池1が複数のAlからなるバスバー101によって直列に接続された組電池100が製造される。
【0076】
第1実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
【0077】
第1実施形態の製造方法では、上記のように、オーバーレイ型のクラッド材120に対して簡易な位置決めによる押し出し加工によって、容易に第1金属層30の軸部21の中心部分31に凸部32が形成された負極端子20を作成することができる。これにより、負極端子20の作製に要する押し出し加工ステップ数が低減されてタクトタイムを短縮することができるとともに、負極端子20の歩留まりを向上させることができる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、
図8および
図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、負極端子220に有底孔221cを設けた場合について説明する。なお、負極端子220は、本発明における「電池用端子」の一例である。
【0079】
本発明の第2実施形態では、
図8および
図9に示すように、負極端子220は、円柱状の軸部221と円環状の鍔部22とを有している。この結果、負極端子220は、上記第1実施形態の負極端子20と同様に、リベット状に形成されており、Z方向に沿った断面がT字形状になるように形成されている。また、負極端子220は、Alから構成された第1金属層30とCuから構成された第2金属層40とが圧延により接合されたクラッド材から構成されている。また、第1金属層30の軸部221の中心部分31には、Z方向(軸方向)のZ2側に突出する凸部32が設けられている。
【0080】
また、第2実施形態では、
図9に示すように、軸部221の下部には、軸部221の端部(頂面)21b側(下側)において、周縁部を残して第2金属層40の一部が切り欠かれた有底孔221cが形成されている。つまり、有底孔221cでは、軸心Aに向かってZ1側に傾斜する底面221dと、底面221dからZ2側に延びる内側面221eとが、共に第2金属層40で構成されている。そして、有底孔221cの内側面221eが設けられた壁部221fは、
図8に示すように、負極集電体6の接続部6aの下面に当接するように軸部221の軸心A側から外側に向かって折り曲げられることによって、有底孔221cの内側面221eがZ2側に露出する状態で、負極集電体6の接続部6aにかしめられるように構成されている。
【0081】
ここで、折り曲げられた壁部221fと負極集電体6の接続部6aとは、壁部221fがかしめられた状態で、レーザ溶接により溶接されてもよいし、溶接されなくてもよい。これにより、壁部221fと負極集電体6とを溶接した場合には、より確実に、負極端子220と負極集電体6の接続部6aとを接合することが可能である。また、壁部221fと負極集電体6とを溶接しない場合には、溶接工程を削減することができるので、負極端子220を用いた電池(リチウムイオン電池)の製造工程を簡略化することが可能である。なお、
図9に示すように、切り欠きにより第1金属層30の凸部32が外部に露出しないように、凸部32の端部32aよりもZ2側に底面221dが位置するように有底孔221cが形成されている。
【0082】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0083】
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0084】
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、負極端子220がクラッド材から構成されているとともに、軸部221の第1金属層30に、鍔部22の第1金属層30におけるZ2側の面(界面I)よりもZ方向(軸方向)のZ2側に突出する部分(凸部32)を設けることによって、第1金属層30と第2金属層40との接合強度を大きくすることができる。また、軸部221および鍔部22のそれぞれを、Z1側を第1金属層30で構成し、Z2側を第2金属層40で構成する。これにより、負極端子220を介してバスバー101と負極集電体6とを容易に電気的に接続することができる。
【0085】
また、第2実施形態では、軸部221のZ2側の端部21bに、底面221dおよび内側面221eが第2金属層40で構成された有底孔221cを形成することによって、有底孔221cに負極集電体6の一部を挿入して固定したり、有底孔221cの内側面221eが設けられた壁部221fを変形させてかしめることができるので、負極端子220と負極集電体6とを容易に固定することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0086】
(第3実施形態)
次に、
図10を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態による負極端子320では、上記第1実施形態に加えて、第1金属層30と第2金属層40との間に反応抑制層350が配置される場合について説明する。なお、負極端子320は、本発明における「電池用端子」の一例である。
【0087】
本発明の第3実施形態による負極端子320は、
図10に示すように、円柱状の軸部21と円環状の鍔部22とを有しており、Z方向に沿った断面がT字形状になるように形成されている。また、負極端子320は、Alから構成された第1金属層30とCuから構成された第2金属層40と、Niから構成された反応抑制層350とが圧延により接合されたクラッド材から構成されている。また、第1金属層30の軸部21の中心部分31には、Z方向(軸方向)のZ2側に突出する凸部32が設けられている。
【0088】
反応抑制層350は、第1金属層30と第2金属層40との間に配置(接合)されている。また、反応抑制層350は、第1金属層30を構成するAlと第2金属層40を構成するCuとが反応することによって、脆弱なAl−Cu合金が第1金属層30と第2金属層40との界面Iに生じるのを抑制する機能を有している。また、反応抑制層350は、第1金属層30と第2金属層40との界面Iの略全体に亘って形成されている。
【0089】
この反応抑制層350は、AlおよびCuと比べて、価格の高いNiから構成されている。したがって、反応抑制層350の厚みt3は、材料コストの観点から小さい方が好ましく、具体的には、鍔部22のZ方向の厚みt1の約10%以下であるのが好ましい。なお、NiはAlやCuと比べて延性がやや小さいために破断しやすい。しかし、反応抑制層350の一部が破断していたとしても、反応抑制層350を配置する効果を著しく損なうことはない。例えば、破断した部分以外の領域において、脆弱なAl−Cu合金が第1金属層30と第2金属層40との界面Iに発生するのを抑制することや、異種金属が接触することに起因する腐食(異種金属接触腐食)を抑制する作用効果を奏することが可能である。
【0090】
また、第3実施形態による負極端子320の製造方法としては、Al板とNi板とCu板とを連続的に圧接接合することによって、Alから構成された第1金属層30と、Niから構成された反応抑制層350と、Cuから構成された第2金属層40とをZ1側からこの順で積層された状態で接合されたクラッド材を形成する点を除いて、上記第1実施形態と同様である。
【0091】
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0092】
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、負極端子320がクラッド材から構成されているとともに、軸部21の第1金属層30に、鍔部22の第1金属層30におけるZ2側の面(界面I)よりもZ方向(軸方向)のZ2側に突出する部分(凸部32)を設けることによって、第1金属層30と第2金属層40との接合強度を大きくすることができる。また、軸部21および鍔部22のそれぞれを、Z1側を第1金属層30で構成し、Z2側を第2金属層40で構成する。これにより、負極端子320を介してバスバーと負極集電体とを容易に電気的に接続することができる。
【0093】
また、第3実施形態では、第1金属層30と第2金属層40との間に配置(接合)され、第1金属層30を構成する金属と第2金属層40を構成する金属とが反応するのを抑制するための反応抑制層350を含む。これにより、反応抑制層350により、第1金属層30を構成するAlと第2金属層40を構成するCuとが反応して脆弱な金属間化合物(Al−Cu合金)が形成されるのを確実に抑制することができるので、第1金属層30と第2金属層40との金属間化合物に起因する接合強度の低下を確実に抑制することができる。また、反応抑制層350により、異種金属接触腐食を抑制することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0094】
(第4実施形態)
次に、
図11を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、第1金属層30の突出する部分432において、中心部分431よりも外側の外側部分433が、中心部分431よりもZ2側に突出する場合について説明する。なお、負極端子420は、本発明における「電池用端子」の一例である。
【0095】
本発明の第4実施形態では、
図11に示すように、負極端子420は、円柱状の軸部421と円環状の鍔部422とを有している。この結果、負極端子420は、リベット状に形成されている。また、負極端子420は、Alから構成された第1金属層30とCuから構成された第2金属層40とが圧延により接合されたクラッド材から構成されている。
【0096】
ここで、第4実施形態では、第1金属層30には、Z方向(軸方向)のZ2側に突出する部分432が設けられている。この突出する部分432は、軸部421の全体と、鍔部422の軸部421側(軸心A側)に連続的に設けられている。また、軸部421における第1金属層30の突出する部分432は、鍔部422の第1金属層30におけるZ2側の面(界面I)よりもZ2側に突出している。
【0097】
また、軸部421の突出する部分432では、中心部分431よりも外側(鍔部422側)の外側部分433が、中心部分431よりもZ2側に突出している。この結果、外側部分433に突出する部分432のZ2側の頂部434が形成されている。
【0098】
外側部分433の頂部434は、中心部分431を囲むようにZ2側に環状に突出している。この結果、
図11に示す負極端子420の断面において、頂部434は、外側部分433に一対設けられている。したがって、第1金属層30または第2金属層40のいずれかにZ方向と直交するX−Y平面方向の力が加えられることに起因して、第1金属層30と第2金属層40との界面IがX−Y平面方向にすべる(ずれる)のを、環状の頂部434が引掛りとなって妨げることが可能である。これにより、界面Iにおいて、X−Y平面方向にすべりが生じるのが抑制される。
【0099】
また、軸部421の下部には、軸部421の端部21b側において、周縁部を残して第2金属層40の一部が切り欠かれた有底孔421cが形成されている。この有底孔421cの底面421dは、鍔部422のZ2側の下面22eよりもZ2側で、かつ、下面22eの近傍に位置している。
【0100】
また、負極端子420において、第1金属層30および第2金属層40は、共に、軸心Aに対して略軸対称になるように形成されている。
【0101】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
【0102】
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0103】
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、負極端子420がクラッド材から構成されているとともに、軸部421の第1金属層30にZ方向(軸方向)のZ2側に突出する部分432を設けることによって、第1金属層30と第2金属層40との接合強度を大きくすることができる。また、軸部421および鍔部422のそれぞれを、Z1側を第1金属層30で構成し、Z2側を第2金属層40で構成する。これにより、負極端子420を介してバスバーと負極集電体とを容易に電気的に接続することができる。
【0104】
また、第4実施形態では、第1金属層30の突出する部分432において、中心部分431よりも外側(鍔部422側)の外側部分433を、中心部分431よりもZ2側に突出させる。これにより、外側部分433が形成された位置における第1金属層30と第2金属層40との接合強度を効果的に大きくすることができる。
【0105】
また、第4実施形態では、外側部分433の頂部434をZ2側に環状に突出させることによって、環状に突出する外側部分433の頂部434によって、第1金属層30と第2金属層40との界面Iにおいて、X−Y平面方向にすべりが生じるのを効果的に抑制することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0106】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0107】
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、第1金属層30をAlから構成し、第2金属層40をCuから構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、Alの替わりにAl合金を用いてもよいし、Cuの替わりにCu合金を用いてもよい。なお、Al合金としては、たとえば、JIS規格に規定されたA3000番台のAl−Mn系合金などがある。また、Cu合金としては、たとえば、C194であるCu−Fe系合金などがある。
【0108】
また、上記第1〜第4実施形態では、互いに接合される第1金属層30とバスバー101とを同一の金属材料(Al)から構成するとともに、互いに接合される第2金属層40と負極集電体6とを同一の金属材料(Cu)から構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、第1金属層またはバスバーの一方をAlから構成し、第1金属層またはバスバーの他方をAl合金から構成する場合のように、互いに接合される第1金属層とバスバーとを、同一ではないものの同種の金属材料から構成してもよい。同様に、たとえば、第2金属層または負極集電体の一方をCuから構成し、第2金属層または負極集電体の他方をCu合金から構成する場合のように、互いに接合される第2金属層と負極集電体とを、同一ではないものの同種の金属材料から構成してもよい。なお、本発明の「同種の金属材料」は、同じ化学成分からなる金属材料(純金属および合金)同士だけでなく、異なる化学成分であっても主となる金属元素が同じ金属材料同士も含む広い概念である。
【0109】
また、上記第1〜第4実施形態では、本発明の「電池用端子」として、Alから構成された第1金属層30とCuから構成された第2金属層40とを含むクラッド材からなる負極端子20(220、320、420)を用いるとともに、Alから構成された第1金属層30とバスバー101とを接続し、Cuから構成された第2金属層40と負極集電体6とを接続する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本発明の「電池用端子」として、Cuから構成された第1金属層とAlから構成された第2金属層とを含むクラッド材からなる正極端子を用いるとともに、Cuから構成された第1金属層とバスバーとを接続し、Alから構成された第2金属層と正極集電体とを接続してもよい。この場合、上記第1〜第4実施形態の各実施形態において、CuとAlとが逆になる。また、この場合、電気抵抗の小さいCuから構成されるバスバーを用いることができるので、バスバーにおいて電力が消費されるのを抑制することができ、その結果、組電池における電気的な損失を低減することが可能である。
【0110】
また、上記第1〜第4実施形態では、第1金属層30および第2金属層40を、それぞれ、AlおよびCuから構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1金属層または第2金属層の一方と他方との組み合わせとしては、たとえば、Al(Al合金)とFe(Fe合金)との組み合わせや、Al(Al合金)とNi(Ni合金)との組み合わせ、Cu(Cu合金)とFe(Fe合金)との組み合わせ、Cu(Cu合金)とNi(Ni合金)との組み合わせであってもよい。
【0111】
また、上記第1〜第4実施形態では、負極端子20(220、320、420)が円柱状の軸部21(221)と円環状の鍔部22とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図12に示す第1実施形態の変形例のように、負極端子520が、円柱状の軸部21と、軸部21から放射方向(Z方向に直交する方向)に放射状の広がりを持つように形成された矩形の枠状の鍔部522と含むように構成してもよい。なお、このような負極端子520であっても、Z方向に沿った断面は
図5に示す構造と同一になる。また、負極端子520は、本発明の「電池用端子」の一例である。また、負極端子の軸部を角柱状に形成してもよい。
【0112】
また、上記第1〜第4実施形態では、負極端子20(220、320)をT字形状に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図13に示す第2実施形態の変形例のように、負極端子620を十字形状に形成してもよい。具体的には、負極端子620の軸部621には、上面21aからZ1側に向かって突出する突出部621hが形成されている。この突出部621hは、軸部621の第1金属層30がZ1側に向かって突出することによって形成されている。この結果、負極端子620は、鍔部22と、鍔部22からZ1側およびZ2側の両方に延びる軸部621とにより十字形状に形成されている。なお、負極端子620は、本発明の「電池用端子」の一例である。
【0113】
また、第2実施形態の変形例の軸部621の突出部621hを、第1実施形態の構成に適用してもよい。つまり、第2実施形態の変形例の軸部621に有底孔221cを設けずに、突出部621hのみを設けてもよい。さらに、第2実施形態の変形例の軸部621の突出部621hに有底孔を設けてもよい。つまり、有底孔221cと、突出部621hに底面および内側面が第1金属層30で構成された有底孔との両方を軸部621に形成してもよい。この場合には、有底孔221cと同様に、図示しないバスバーに第1金属層30で構成された有底孔の壁部をかしめることができるので、負極端子とバスバーとを容易に固定することが可能である。
【0114】
また、上記第1〜第3実施形態では、第1金属層30の凸部32が、軸部21の軸心A上において、鍔部22のZ2側の下面22eよりもZ2側に突出する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1金属層の凸部を、軸部の軸心上において、鍔部の下面よりも下方に突出させなくてもよい。
【0115】
また、上記第1および第3実施形態では、レーザ溶接によって、負極端子20(320)とバスバー101とを接合(溶接)するとともに、負極端子20(320)と負極集電体6とを接合(溶接)した例を示し、上記第2実施形態では、レーザ溶接によって、負極端子220とバスバー101とを接合(溶接)する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、負極端子と、バスバーまたは負極集電体との位置関係などに応じて、負極端子とバスバーまたは負極集電体とを、抵抗溶接やTIG(Tungsten Inert Gas)溶接、超音波溶接などの他の溶接方法を用いて接合してもよい。なお、レーザ溶接は、溶接用の端子を溶接位置の近くに配置する必要のある抵抗溶接などと比べて、レーザが照射可能な位置であれば溶接可能であり、容易に溶接を行うことが可能であるので、好ましい。
【0116】
また、上記第1〜第4実施形態では、押し出し加工を行うことによって、第1金属層30に凸部32(突出する部分432)を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、押し出し加工以外の加工法により、第1金属層に凸部または突出する部分を形成してもよい。
【0117】
また、上記第3実施形態では、反応抑制層350をNiから構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、反応抑制層をNi合金から構成してもよいし、その他の材料からなるように構成してもよい。
【0118】
また、上記第1、第2および第4実施形態では、2層のクラッド材から負極端子20(220)を構成し、上記第3実施形態では、3層のクラッド材から負極端子320を構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、4層以上のクラッド材により電池用端子を構成してもよい。
【0119】
また、上記第1〜第4実施形態では、負極端子20(220、320)の鍔部22をリチウムイオン電池1の外部(蓋部材2の上側)に配置し、軸部21(221)の鍔部22よりも下側(Z2側)に突出する部分をリチウムイオン電池1(電池ケース本体3)の内部に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、負極端子の鍔部をリチウムイオン電池の内部に配置し、軸部の鍔部よりも上側に突出する部分をリチウムイオン電池の外部に配置してもよい。この場合、負極端子の軸方向の一方側の第1金属層は、負極集電体と同種の金属(Cu)になるとともに、負極端子の軸方向の他方側の第2金属層は、バスバーと同種の金属(Al)になる。
【0120】
また、上記第1〜第4実施形態では、第1金属層30のZ2側に突出する部分(凸部32および突出する部分432)を少なくとも軸部21(221)の中心部分31(431)に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、軸部の第1金属層の軸方向の他方側に突出する部分を、軸部の中心部分に設けずに、中心部分よりも外側(鍔部側)の部分にのみ設けてもよい。つまり、上記第4実施形態において、軸部の中心部分よりも外側(鍔部側)の部分における第1金属層を、鍔部における第1金属層よりも軸方向の他方側に突出させる一方、軸部の中心部分における第1金属層を、鍔部における第1金属層よりも軸方向の他方側に突出させないように構成してもよい。
【0121】
また、上記第2実施形態では、有底孔221cの内側面221eが設けられた壁部221fを変形させてかしめることにより、負極端子220と負極集電体6の接続部6aとを接合した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、有底孔に負極集電体を挿入した状態で溶接などを行うことにより、負極端子と負極集電体とを接合(固定)してもよい。