(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-92330(P2016-92330A)
(43)【公開日】2016年5月23日
(54)【発明の名称】仕切弁装置及び基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20160418BHJP
C23C 14/56 20060101ALI20160418BHJP
【FI】
H01L21/68 A
C23C14/56 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-228015(P2014-228015)
(22)【出願日】2014年11月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】藤井 佳詞
【テーマコード(参考)】
4K029
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA24
4K029DA03
4K029DA10
4K029DC24
4K029DC25
4K029DC39
4K029KA01
4K029KA09
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BB03
5F131CA07
5F131CA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB76
5F131DB83
5F131DD03
5F131DD43
5F131DD94
5F131HA28
5F131KA15
5F131KA17
5F131KA55
5F131KA72
5F131KB02
5F131KB42
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】搬送とは無関係の工程を追加することなく簡便に基板の反りの有無を検知することが可能な仕切弁装置及び基板搬送方法を提供する。
【解決手段】真空引きが可能な第1室Tと第2室C1との間に介設され、両室を選択的に隔絶する本発明の仕切弁装置IVは、弁箱21とこの弁箱内に往復動自在に設けられる弁体22とを備え、弁体の往復動方向をZ軸方向、このZ軸方向に直交する平面内で互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、弁箱のX軸方向の壁面部分に互いに対向させて第1室と第2室との連通を可能とする透孔21aが夫々開設され、弁箱部のY軸方向の壁面部分に、両透孔のZ軸方向の幅の範囲内に位置させて投光部24aと受光部24bとを有する光電センサ24を設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空引きが可能な第1室と第2室との間に介設され、両室を選択的に隔絶する仕切弁装置であって、
弁箱とこの弁箱内に往復動自在に設けられる弁体とを備え、弁体の往復動方向をZ軸方向、このZ軸方向に直交する平面内で互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、弁箱のX軸方向の壁面部分に互いに対向させて第1室と第2室との連通を可能とする透孔が夫々開設されているものにおいて、
弁箱のY軸方向の壁面部分に、両透孔のZ軸方向の幅の範囲内に位置させて投光部と受光部とを有する光電センサを設けたことを特徴とする仕切弁装置。
【請求項2】
前記弁箱のY軸方向の壁面部分に光透過窓を設け、この光透過窓に前記透光部及び受光部を設けたことを特徴とする請求項1記載の仕切弁装置。
【請求項3】
前記受光部はZ軸方向に並設される複数の受光素子を有することを特徴とする請求項1又は2記載の仕切弁装置。
【請求項4】
請求項1記載の仕切弁装置を介して連設された第1室と第2室との間でいずれか一方の室に配置された搬送ロボットにより基板を搬送する基板搬送方法であって、
搬送元の室を第1室、搬送先の室を第2室とし、弁体を開弁位置に移動させて第1室と第2室とを連通し、弁箱を通して搬送ロボットに保持された基板を第1室から第2室に搬送する間、弁箱内を通過する基板に対して投光部から投光し、その透過光または反射光を受光部で受光してそのときの光量から基板の反りの有無を判定する判定工程と、基板に反りがあると判定されると、搬送ロボットによる基板の搬送を禁止し、搬送ロボットを第1室に戻す搬送禁止工程とを含むことを特徴とする基板搬送方法。
【請求項5】
前記搬送ロボットの作動に関する制御信号を取得する取得工程を更に含み、この取得した制御信号に基づき基板が弁箱内を通過する通過時間から前記光量の計測開始及び計測終了を制御することを特徴とする請求項4記載の基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空引きが可能な第1室と第2室との間に介設される仕切弁装置、及びこの仕切弁装置を介して連通される第1室と第2室との間でいずれか一方の室に配置された搬送ロボットにより基板を搬送する基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処理すべき基板に対し、真空雰囲気下で熱処理、成膜処理やエッチング処理といった複数の処理を施す真空処理装置として、基板を保持する搬送ロボットが配置される中央の搬送室と、この搬送室を囲うように配置される複数の処理室とを備える所謂クラスターツールが知られている。そして、搬送室と処理室とは、弁箱とこの弁箱内に往復動自在に設けられる弁体とを備え、両室を選択的に隔絶することができる仕切弁装置を介して連設することが一般である。
【0003】
近年、量産性向上等のため、処理すべき基板の大型化や薄肉化が進んでおり、これに伴い、歪や所定の処理で基板に加わる外部ストレスで基板に反りが発生している。他方、基板に対して複数の処理を施す上記真空処理装置は、装置の小型化等のため、処理室を画成する真空チャンバの小容積化が進んでおり、これに伴い、基板を搬送するために利用できる空間も狭くなっている。このような場合、基板に大きな反りが生じていると、搬送ロボットにより基板を搬送する際、搬送室、各処理室及び仕切弁装置の弁箱の壁面や、処理室内に設けられる部品(例えば、スパッタリングによる成膜処理の場合には、防着板やアースシールド)に基板が接触して基板の破損や欠けを招くという不具合がある。例えば処理室内で基板が破損や欠けたりすると、量産を中止し、当該基板を除去する必要があり、これでは、量産性の著しい低下を招来する。
【0004】
従来、基板の反りを検出する方法は例えば特許文献1で知られている。このものでは、基板外周部に形成されたノッチやオリフラを検知するアライナにおいて、基板の上方に位置させてセンサを設け、センサから基板までの距離を測定する。そして、基板を同一平面上の一方向に移動させながら、この測定を繰り返し行うことで、基板面内の異なるポイントで複数の測定が実行され、複数の測定データに基づき基板の反りを検知している。
【0005】
然し、従来例のものでは、基板を一方向に移動させる機構を別途設ける必要があるため、装置構成が複雑化するという問題や、基板の搬送とは無関係な工程が追加されるためスループットの低下を招くという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2011−504290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、搬送とは無関係の工程を追加することなく簡便に基板の反りの有無を検知することが可能な仕切弁装置及び基板搬送方法を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、真空引きが可能な第1室と第2室との間に介設され、両室を選択的に隔絶する本発明の仕切弁装置は、弁箱とこの弁箱内に往復動自在に設けられる弁体とを備え、弁体の往復動方向をZ軸方向、このZ軸方向に直交する平面内で互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、弁箱のX軸方向の壁面部分に互いに対向させて第1室と第2室との連通を可能とする透孔が夫々開設され、弁箱部のY軸方向の壁面部分に、両透孔のZ軸方向の幅の範囲内に位置させて投光部と受光部とを有する光電センサを設けたことを特徴とする。尚、受光部により反射光を受光する場合、Z軸方向に並設する投光部と受光部のいずれか一方が、両透孔のZ軸方向の幅の範囲外に位置させる場合も含むものとする。
【0009】
これによれば、上記仕切弁装置を介して連通される第1室から第2室に基板を搬送する場合を例に説明すると、弁箱内を通過する基板に対してY軸方向から投光し、その透過光または反射光を受光する。受光した透過光または反射光の光量は、基板のZ軸方向の反りと相関を有するため、基板に対する投光及び受光を1回行うだけで基板の反りを簡便に検知することができる。しかも、仕切弁装置の弁箱内を基板が通過する間に基板の反りの有無を判定できるため、従来例のような基板の搬送とは無関係な工程を追加する必要がなく、スループットが低下しない。
【0010】
本発明において、前記弁箱のY軸方向の壁面部分に光透過窓を設け、この光透過窓に前記透光部及び受光部を設けることが好ましい。
【0011】
また、本発明において、前記受光部はZ軸方向に並設される複数の素子を有することが好ましい。これによれば、各素子の光量から基板の反りの方向を判定することもできる。
【0012】
上記仕切弁装置を介して連設された第1室と第2室との間でいずれか一方の室に配置された搬送ロボットにより基板を搬送する本発明の基板搬送方法は、搬送元の室を第1室、搬送先の室を第2室とし、弁体を開弁位置に移動させて第1室と第2室とを連通し、弁箱を通して搬送ロボットに保持された基板を第1室から第2室に搬送する間、弁箱内を通過する基板に対して投光部から投光し、その透過光または反射光を受光部で受光してそのときの光量から基板の反りの有無を判定する判定工程と、基板に反りがあると判定されると、搬送ロボットによる基板の搬送を禁止し、搬送ロボットを第1室に戻す搬送禁止工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
これによれば、仕切弁装置の弁箱内を基板が通過する間に基板の反りの有無を判定できるため、従来例のような基板の搬送とは無関係な工程を追加する必要がなく、スループットが低下しない。しかも、基板の反りがあると判定した場合には、第2室への基板の搬送が禁止されるため、第2室の壁面や第2室内に設けられる部品に基板が接触することを未然に防止できる。
【0014】
また、本発明において、前記搬送ロボットの作動に関する制御信号を取得する取得工程を更に含み、この取得した制御信号に基づき基板が弁箱内を通過する通過時間から前記光量の計測開始及び計測終了を制御することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の仕切弁装置を適用したクラスターツールを説明する図。
【
図2】
図1に示す第1室Tと第2室C1との間に介設された仕切弁装置IVを示す図。
【
図4】(a)及び(b)は、基板WにY軸方向から投光したときの遮光領域r1及び受光領域r2を示す図。
【
図5】(a)〜(c)は、受光部で受光した受光光の光量変化を示す図。
【
図6】(a)及び(b)は、基板の反り方向を判定可能な受光部の受光素子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、クラスターツールで構成された真空処理装置に組み付けられるものを例に、本発明の実施形態の仕切弁装置IVについて説明する。
図1に示すように、真空処理装置たるスパッタリング装置Mは、基板Wを保持する搬送ロボットRが配置される中央の搬送室Tと、この搬送室Tを囲うように配置される処理室C1,C2及びロードロック室L1,L2とを備える。これら搬送室T、ロードロック室L1,L2及び処理室C1,C2は、図示省略の真空ポンプにより夫々真空引きできるようになっている。搬送ロボットRは、図示省略の2個のモータを有し、同心に配置された各モータの回転軸11a,11bにはロボットアーム12が図示省略のリンク機構を介して連結され、ロボットアーム12の先端に基板Wを保持するロボットハンド13が取り付けられている。そして、回転軸11a,11bの各回転角を適宜制御することで、ロボットアーム12が伸縮及び旋回自在となり、ロボットハンド13で保持した基板Wを各室の所定位置に搬送できるようになっている。
【0017】
搬送室Tとロードロック室L1,L2及び処理室C1,C2とは、本実施形態の仕切弁装置IVを介してそれぞれ連結され、各室が相互に隔絶できるようになっている。
図2及び
図3も参照して、仕切弁装置IVは、弁箱21と、この弁箱21内で、図中実線で示す開弁位置と仮想線で示す閉弁位置との間で往復動自在に設けられる弁体22とを備える。以下においては、弁体22の往復動方向をZ軸方向、このZ軸方向に直交する同一平面内で互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向として説明する。
【0018】
弁箱21のX軸方向の壁面部分には互いに対向させて透孔21a,21aが夫々開設されている。弁体22が開弁位置に移動した状態では、これらの透孔21a,21aを通じて搬送室Tと処理室C1とが連通し、両室T,C1の間で基板Wの搬送が可能となる。
【0019】
処理室C1を画成する真空チャンバ1の底壁には、排気口30が設けられ、この排気口31に図示省略の真空ポンプに通じる排気管が接続され、処理室C1内を真空引きできるようになっている。また、真空チャンバ1側壁にはガス源に通じるガス管31が接続され、このガス管11に介設された図示省略のマスフローコントローラにより、Arなどの希ガス(または希ガスと酸素ガスの混合ガス)からなるスパッタガスを処理室C1内に所定流量で導入できる。真空チャンバ1の天井部には、成膜しようとする薄膜の組成に応じて適宜選択されるターゲット32が配置され、ターゲット32の上面にはボンディング材を介して金属製のバッキングプレート33が接合され、成膜時にターゲット32が冷却される。ターゲット32には、公知の構造を有するスパッタ電源Eからの出力が接続され、スパッタリング時、ターゲット31に直流電力が投入される。バッキングプレート33の上方には、ターゲット32の下面(スパッタ面)の下方空間に磁場を発生させる公知構造を有する磁石ユニット34が配置され、ターゲット32からのスパッタ粒子を効率よくイオン化している。真空チャンバ1の底部には、ターゲット32に対向させてステージ35が配置され、基板Wがその成膜面を上側にして位置決め保持されるようにしている。また、処理室C1内には、上下の防着板36u,36dが配置され、真空チャンバ1内壁面にスパッタ粒子が付着しないようにしている。
【0020】
このように、処理室C1内には防着板36u,36d等の部品が設けられており、ロボットハンド13により保持された基板Wが反りを有する場合、この基板Wを搬送室Tから処理室C1に搬送する際、これらの部品に接触し、基板Wの破損や欠けを招く虞がある。
【0021】
そこで、本実施形態では、弁箱21のY軸方向の壁面部分に光透過窓23を設け、両透孔21a,21aのZ軸方向の幅の範囲内に位置させて投光部24aと受光部24bとを有する透過型の光電センサ24を設けた。そして、弁箱21内を通過する基板Wに対してY軸方向から投光し、その透過光を受光するように構成した。ここで、受光した透過光の光量は、基板WのZ軸方向の反りと相関を有する。すなわち、基板WのZ軸方向の反りが大きいほど、基板Wで遮蔽される光が増えると共に基板Wを透過する光が少なくなり、結果として、受光部24bでの受光光量が少なくなる。このため、従来例の如くセンサから基板までの距離を多点で測定する必要はなくなり、基板Wに対する投光及び受光を1回行うだけで基板Wの反りの有無を簡便に検知することができる。
【0022】
尚、上記スパッタリング装置Mは、特に図示しないが、マイクロコンピュータやシーケンサ等を備えた公知の制御手段を有し、この制御手段により、搬送ロボットRの作動のほか、電源Eの稼働、マスフローコントローラの稼働や真空ポンプの稼働等を統括管理するようになっている。さらに、上記制御手段は、搬送ロボットRの作動に関する制御信号を取得し、その制御信号に基づき基板Wが弁箱21内を通過する通過時間を求め、この通過時間から上記光量の計測開始及び計測終了を制御すると共に、受光部24bにより受光した透過光の光量から基板Wの反りの有無を判定できるようになっている。以下、仕切弁装置IVを介して連設される搬送室Tを第1室、処理室C1を第2室とし、搬送室Tから処理室C1に基板Wを搬送する場合を例に、本実施形態の基板搬送方法を説明する。
【0023】
先ず、大気中でロードロック室L1に基板Wを投入し、ロードロック室L1が真空引きした後、搬送ロボットRによりロードロック室L1から搬送室Tに基板Wを搬送する。
【0024】
次に、搬送室Tの基板Wを処理室C1に搬送する搬送ロボットRの作動に関する制御信号を取得し(取得工程)、この取得した制御信号に基づき基板Wが弁箱21内を通過する通過時間(通過タイミング)を求める。そして、求めた通過時間から透過光の光量の計測開始及び計測終了を制御する。これにより、弁箱21内を通過する基板Wに対してY軸方向から投光され、その透過光を受光部24bにより受光し、受光した透過光の光量から基板Wの反りを判定する(判定工程)。
【0025】
ここで、受光した透過光の光量は、基板WのZ軸方向の反りと相関を有する。すなわち、基板WのZ軸方向の反りが大きいほど、基板Wで遮蔽される光が増えると共に基板Wを透過する光が少なくなり、結果として、受光部24bでの受光光量が少なくなる。このため、従来例の如くセンサから基板までの距離を多点で測定する必要はなくなり、基板Wに対する投光及び受光を1回行うだけで基板Wの反りの有無を簡便に検知することができる。しかも、弁箱21内を基板Wが通過する間に判定できるため、従来例のような基板の搬送とは無関係な工程を追加する必要がなく、スループットが低下しない。
【0026】
また、
図4(a)に示すように基板Wが凹状に反る場合と
図4(b)に示すように基板Wが凸状に反る場合とでは、反り量が同じであれば、光を遮光する遮光領域r1(光を受光する受光領域r2)の面積が同等となる。このため、
図5(b)の実線L2及び
図5(c)の実線L3で示すように、受光部24bにより受光した受光光の光量の変化も同等となる。尚、
図5(a)の実線L1並びに
図5(b)及び(c)の破線L1は、基板Wに反りが発生していない場合の受光光の光量の変化を示す。基板Wの反り量だけでなく、反りの方向(凹状又は凸状)をも判定する必要がある場合には、
図5(b)及び(c)中の仮想線Lmで示す部分に透光部24aから投光し、その透過光を受光部24bにより受光すればよい。このとき、ロボットハンド13と基板Wとの間の隙間を光が透過して受光部24bに達するため、受光部24bでは、ロボットハンド13により遮光された遮光領域、上記隙間に対応する受光領域、基板Wにより遮光された遮光領域が、Z軸方向に沿って検出されることとなる。このため、受光部24bとして、
図6に示すようにZ軸方向に並設される複数の受光素子25を有し、受光した(光量が閾値よりも高い)受光素子25と受光していない(光量が閾値以下である)受光素子25とを個別に判別できるものを用いれば、基板Wの反りの方向を求めることができる。
図6(a)に示すように、基板Wの反りが凸状である場合、ロボットハンド13による遮光領域に対応して光量が閾値以下となる受光素子(下から4番目の黒丸)25
4と、基板Wによる遮光領域に対応して光量が閾値以下となる受光素子(下から5番目の黒丸)25
5とが連続することとなる。一方、
図6(b)に示すように、基板Wの反りが凹状である場合、ロボットハンド13による遮光領域に対応して光量が閾値以下となる受光素子(下から4番目の黒丸)25
4と、基板Wによる遮光領域に対応して光量が閾値以下となる受光素子(下から6番目の黒丸)25
6との間に、基板Wとロボットハンド13の間に生じるスリット(隙間)による受光領域に対応して光量が閾値よりも高くなる受光素子(下から5番目の白丸)25
5が存するため、遮光領域を検出する受光素子25
4,25
6が不連続となる。このように、Z軸方向に沿って並設された複数の受光素子25のうち遮光領域を検出する受光素子の連続/不連続を判別することにより、基板の反り方向を判定することができる。尚、各受光素子25の形状は特に限定されないが、0.5mm〜1.0mmのスリットを検出できるように、φ1mm以下の受光素子25を有することが好ましい。
【0027】
上記判定工程において、基板Wの反りがあると判定されると、搬送ロボットRによる処理室C1への基板Wの搬送を禁止し、搬送ロボットRを搬送室Tに戻す(搬送禁止工程)。これにより、処理室C1の壁面や処理室C1内に設けられる防着板36u,36d等の部品に基板Wが接触することを未然に防止することができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。上記実施形態では、透過型の光電センサ24を用いる場合を例に説明したが、反射型の光電センサを用いることができる。この場合、投光部と基板Wからの反射光を受光する受光部とをZ軸方向に並設するが、この投光部と受光部のいずれか一方が両透孔21aのZ軸方向の幅の範囲外に位置してもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、搬送室Tから処理室C1に搬送する際に基板Wの反りの有無を判定する場合を例に説明したが、ロードロック室L1から搬送室Tに搬送する際に判定してもよい。
【符号の説明】
【0030】
IV…仕切弁装置、T…搬送室(第1室)、C1…処理室(第2室)、R…搬送ロボット、W…基板、21…弁箱、21a…透孔、22…弁体、24…光電センサ、24a…透光部、24b…受光部、25…受光素子。