本発明に係る光変調器は、該変調電極に変調信号を印加して光変調を行う光変調部であり、互いに異なる変調信号を用いる少なくとも第1の光変調部M1と第2の光変調部M2とを有する。また、受光素子3が基板1に配置され、該受光素子3には、前記第1の光変調部M1からの信号光を伝搬する第1の導波路部23から信号光を検出する第1の受光部31(31a,31b)が設けられている。更に、該受光素子3には、前記第2の光変調部M2からの信号光を伝搬する第2の導波路部24から信号光を検出する第2の受光部32(32a,32b)も設けられている。
【背景技術】
【0002】
光通信分野や光計測分野において、マッハツェンダー型光導波路を有する強度変調器や位相変調器など各種の光変調器が用いられている。マッハツェンダー型光導波路から出力される光の強度変化は、変調電極に印加される電圧に対して例えば正弦関数的な特性を示す。光変調器の用途に応じて、最適な出力光の強度を得るため、変調電極に印加される変調信号は、適切な動作バイアス点に設定することが必要となる。
【0003】
このため、従来では、光変調器から出力される信号光の一部、あるいはマッハツェンダー型光導波路の合波部から放射される放射光を、モニタ光として、光検出器のような受光素子で検出し、光変調器の出力光の強度の状態をモニタすることが行われている。そして、受光素子の検出値(モニタ出力)に基づき、変調電極に印加される変調信号の動作バイアス点を調整(バイアス制御)している。
【0004】
このような光変調器に関し、これまでに種々の発明が提案されている。
例えば、特許文献1には、マッハツェンダー型光導波路の合波部からの2つの放射光を同時に受光モニタする場合でも、受光素子の周波数帯域の低下を抑制するようにした光変調器が開示されている。また、特許文献2には、基板上に受光素子を配置した場合でも、受光素子の受光感度を高めると共に、受光素子の周波数帯域の低下を抑制するようにした光変調器が開示されている。また、特許文献3には、受光素子の検出信号に電気的クロストークなどのノイズが入り込むのを抑制するようにした光変調器が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年の通信の大容量化に伴い、1つの基板に複数の光変調部を設け、光変調部毎に異なる変調信号を変調電極に印加して光変調を行う構造の光変調器が開発されている。また、複数の光変調部が設けられた基板を複数備えた多素子構造の光変調器も開発されている。このような光変調器では、各々の光変調部で独立に変調信号のバイアス制御を行うために、基板に多数の受光素子を配置して、光変調部毎にモニタ光を検出する構成となる。
一方、光変調器の小型化の要請に伴い、光変調器を構成する基板の小型化が進められているが、基板に多数の受光素子を配置することは基板サイズの増大を招き、基板の小型化を進める上で難点となる。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、1つの基板に複数設けた光変調部毎に異なる変調信号を変調電極に印加して光変調を行う場合において、基板サイズの増大を抑えた光変調器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の光変調器は、以下のような技術的特徴を有する。
(1) 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器において、該変調電極に変調信号を印加して光変調を行う光変調部であり、互いに異なる変調信号を用いる少なくとも第1の光変調部と第2の光変調部とを有し、受光素子が該基板に配置され、該受光素子には、前記第1の光変調部からの信号光を伝搬する第1の導波路部から信号光を検出する第1の受光部と、前記第2の光変調部からの信号光を伝搬する第2の導波路部から信号光を検出する第2の受光部とが設けられていることを特徴とする。
【0009】
(2) 上記(1)に記載の光変調器において、前記第1の導波路部及び前記第2の導波路部は、前記第1の受光部及び前記第2の受光部の領域に至るまでに導波路間の間隔が狭まるように形成されていることを特徴とする。
【0010】
(3) 上記(1)又は(2)に記載の光変調器において、前記第1の導波路部及び前記第2の導波路部は、前記第1の受光部及び前記第2の受光部の領域における導波路幅を、該領域に至る前の導波路幅よりも広げてあることを特徴とする。
【0011】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光変調器において、該基板には、前記第1の導波路部と前記第2の導波路部の間での光のクロストークを防止するために、前記第1の導波路部と前記第2の導波路部の間に、溝、スラブ導波路、金属、電極のいずれかが形成されていることを特徴とする。
【0012】
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光変調器において、該受光素子及び該基板の少なくとも一方には、該受光素子を該基板上の所定位置に配置するための目印が形成されていることを特徴とする。
【0013】
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の光変調器において、前記第1の光変調部及び前記第2の光変調部は、それぞれ、少なくとも1つのマッハツェンダー型光導波路を用いて構成され、前記第1の光変調部と前記第2の光変調部を並列に配置した構造であることを特徴とする。
【0014】
(7) 上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光変調器において、前記第1の導波路部は、前記第1の光変調部で変調された信号光の出力導波路部から一部の信号光を抽出して前記第1の受光部へ導くように形成され、前記第2の導波路部は、前記第2の光変調部で変調された信号光の出力導波路部から一部の信号光を抽出して前記第2の受光部へ導くように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器において、該変調電極に変調信号を印加して光変調を行う光変調部であり、互いに異なる変調信号を用いる少なくとも第1の光変調部と第2の光変調部とを有し、受光素子が該基板に配置され、該受光素子には、前記第1の光変調部からの信号光を伝搬する第1の導波路部から信号光を検出する第1の受光部と、前記第2の光変調部からの信号光を伝搬する第2の導波路部から信号光を検出する第2の受光部とが設けられているため、1つの基板に複数設けた光変調部毎に異なる変調信号を変調電極に印加して光変調を行う場合において、光変調部毎に受光素子を設ける場合に比べて基板サイズの増大を抑えた光変調器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る光変調器について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る光変調器を説明する平面図である。
図2は、
図1における受光素子部分の拡大平面図である。
本発明の光変調器は、
図1及び
図2に示すように、電気光学効果を有する基板1と、該基板に形成された光導波路2と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極(不図示)とを有する光変調器に関するものである。
該光変調器は、該変調電極に変調信号を印加して光変調を行う光変調部であり、互いに異なる変調信号を用いる少なくとも第1の光変調部M1と第2の光変調部M2とを有する。また、受光素子3が該基板に配置され、該受光素子3には、前記第1の光変調部M1からの信号光を伝搬する第1の導波路部23から信号光を検出する第1の受光部31(31a,31b)が設けられている。更に、該受光素子3には、前記第2の光変調部M2からの信号光を伝搬する第2の導波路部24から信号光を検出する第2の受光部32(32a,32b)も設けられている。
【0018】
基板1としては、石英、半導体など光導波路を形成できる基板や、電気光学効果を有する基板である、LiNbO
3(ニオブ酸リチウム),LiTaO
3(タンタル酸リチウム)又はPLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)のいずれかの単結晶などを用いた基板がある。
【0019】
基板に形成する光導波路2は、例えば、LiNbO
3基板(LN基板)上にチタン(Ti)などの高屈折率物質を熱拡散することにより形成される。また、光導波路となる部分の両側に溝を形成したリブ型光導波路や光導波路部分を凸状としたリッジ型導波路も利用可能である。また、PLC等の異なる基板に光導波路を形成し、これらの基板を貼り合せ集積した光回路にも、本発明を適用することが可能である。
【0020】
変調電極は、信号電極や接地電極から構成され、基板表面に、Ti・Auの電極パターンを形成し、金メッキ方法などにより形成する。さらに、必要に応じて光導波路形成後の基板表面に誘電体SiO
2等のバッファ層を設けることも可能である。なお、基板1(光導波路2)内を伝搬する信号光を、受光素子3側に導出する領域においては、バッファ層を形成すると、信号光を効率良く導出することが難しくなるため、当該領域にはバッファ層を形成しないことが好ましい。また、バッファ層を介して受光素子3を配置する場合には、受光感度を確保するには、受光素子3を配置する領域のバッファ層の厚みを他の領域よりも薄くする方がよい。
【0021】
受光素子3は光導波路2に直接接触させてもよいが、光導波路2から放射される光(エバネセント波)を効率よく抽出するには、光導波路2上に高屈折率膜を形成してその上に配置することが好ましい。この場合、高屈折率膜の屈折率は、光導波路2の屈折率よりも高く、受光素子基板の屈折率よりも低く設定する必要がある。また、例えば特開2013−80009号公報に開示されているように、基板1(あるいは光導波路2等)に溝又は反射部材を配置して、信号光の一部を反射により受光素子の方に導くように構成してもよい。
【0022】
図1の光変調器は、変調電極に変調信号を印加して光変調を行う2つの光変調部M1,M2を並列に有している。光変調部M1,M2は、互いに異なる変調信号を用いて光変調を行っており、各々独立に変調信号のバイアス制御を行うように構成されている。各光変調部を並列に有するとは、光波進行方向(
図1における左右方向)の位置が一致することを求めるものではなく、光波進行方向の位置がずれていても構わない。
なお、互いに異なる変調信号を用いて光変調を行う光変調部としては、
図1のように1つのマッハツェンダー型光導波路で形成したものに限定されない。すなわち、例えば、2つのマッハツェンダー型光導波路を入れ子型に配置したネスト型光導波路で形成したもの、2つのネスト型光導波路を更に入れ子型に配置したものなど、種々の形状のものを用いることができる。
【0023】
基板1には、光変調部M1,M2の下流側の領域に、光変調部M1,M2で共用する受光素子3が配置される。
図1の例では、光変調部M1で変調された信号光を光変調器の出力側に導くための出力導波路部21と、光変調部M2で変調された信号光を光変調器の出力側に導くための出力導波路部22との間に、受光素子3が配置されている。本例では、基板1として、20μm以下の厚みの基板を用いているが、基板の厚みは任意である。
【0024】
出力導波路部21には、光変調部M1で変調された信号光の一部を抽出するモニタ用の導波路部23を設けてある。このモニタ用導波路部23は、出力導波路部21から抽出した信号光を受光素子3に導くように形成されている。
また、出力導波路部22には、光変調部M2で変調された信号光の一部を抽出するモニタ用の導波路部24を設けてある。このモニタ用導波路部24は、出力導波路部22から抽出した信号光を受光素子3に導くように形成されている。
【0025】
受光素子3は、
図2に示すように、光変調部M1からの信号光を検出するための受光部31と、光変調部M2からの信号光を検出するための受光部32とを有する。本例では、受光部31として、光変調部M1に対するモニタ用導波路部23に沿って2つの受光部31a,31bを設けてあり、受光部32として、光変調部M2に対するモニタ用導波路部24に沿って2つの受光部32a,32bを設けてある。なお、受光部の数や配置は任意であり、基板1に設けた各々の光変調部からの信号光を検出できればよい。例えば
図3には、受光部の他の例として、モニタ用導波路部23,24に沿う方向を長くした形状の1つの受光部31c,32cを示してある。
【0026】
以上のように、本例の光変調器は、基板1に対して1つの受光素子3を配置してあり、この受光素子3に、光変調部M1に対する受光部31と光変調部M2に対する受光部32とを設けている。すなわち、1つの受光素子3を2つの光変調部M1,M2で共用する構成となっている。このため、光変調部毎に受光素子を設ける場合に比べて、基板サイズの増大を大幅に抑えた光変調器を提供することができる。
【0027】
なお、モニタ用導波路部23,24は、受光部31及び受光部32の領域に至るまでに導波路間の間隔が狭まるように形成されている。また、受光素子3は、モニタ用導波路部23,24の間隔が狭まった後の位置に配置されている。すなわち、モニタ用導波路部23,24の受光素子3側の間隔をL1とし、モニタ用導波路部23,24の信号入力側の間隔をL2とすると、L1<L2となるようにモニタ用導波路部23,24が形成されている。これにより、受光素子3のサイズを小さくすることができるので、基板1の小型化を図る際に有効である。
【0028】
図2のモニタ用導波路部23,24は、受光素子3の手前の領域において緩やかな曲線を描くようにして互いを近づけていき、間隔をL1に狭めた後は略平行な直線になるように形成してあるが、このような形状でなくとも構わない。すなわち、例えば、
図3に変形例を示すように、モニタ用導波路部23,24を直線的に近づくように形成することもできる。
【0029】
ここで、受光素子3における受光部31と受光部32との間隔L1が狭い場合には、受光部31で受光するモニタ用導波路部23と受光部32で受光するモニタ用導波路部24との間での光のクロストークの発生が懸念される。そこで、これらモニタ用導波路部23,24の間に、光のクロストークを防止するための光クロストーク防止手段4を設けることが望ましい。光クロストーク防止手段4としては、基板1におけるモニタ用導波路部23,24の間に、溝、スラブ導波路、金属、電極のいずれかを形成する構成が挙げられる。これにより、受光部31と受光部32を近接させる場合でも、モニタ用導波路部23,24間の光のクロストークを防止できるので、受光素子3のサイズをより小さくすることができ、基板1の更なる小型化を実現できる。なお、受光素子側にも、光のクロストークを防止するための光クロストーク防止手段を設けてもよい。
【0030】
また、
図2、3に示すように、受光部31,32の領域におけるモニタ用導波路部23,24の導波路幅は、該領域に至る前の導波路幅よりも広げた構造とすることが望ましい。これにより、受光素子3の受光部31,32で、光変調部M1からの信号光と光変調部M2からの信号光を効率よく受光できるようになる。
【0031】
ここで、以上の説明では、出力導波路部から信号光の一部を抽出して伝搬するモニタ用導波路部に対して受光素子を設けたが、これに限定するものではない。
例えば、出力導波路部を伝搬する信号光そのものを受光するように受光素子を設けることができる。すなわち、
図4に示すように、光変調部M1の出力導波路部21と、光変調部M2の出力導波路部22とに跨るように受光素子3を配置する。そして、受光素子3で、出力導波路部21を伝搬する信号光の一部を受光すると共に、出力導波路部22を伝搬する信号光の一部を受光するようにする。この場合、出力導波路部21と出力導波路部22を、それらの間隔が次第に狭まるように形成し、ある程度近づいた箇所に受光素子3を設けることで、受光素子3のサイズを小さくすることができる。なお、出力導波路部(21,22)から信号光の一部を抽出して受光素子3で受光するには、出力導波路部の断面の一部に溝や反射部材を設け、出力導波路部を伝搬する信号光の一部を反射により取り出して受光素子で受光すればよい。
【0032】
また例えば、光変調部を構成するマッハツェンダー型光導波路の合波部を出力導波路部に接続する構造において、この合波部から放射される放射光を信号光として検出してもよい。すなわち、
図5に示すように、光変調部M1の出力導波路部21を挟むように、光変調部M1の合波部からの放射光を導く放射光導波路部25a,25bを設ける。また、光変調部M2の出力導波路部22を挟むように、光変調部M2の合波部からの放射光を導く放射光導波路部26a,26bを設ける。また、光変調部M1の放射光導波路部25a,25bのうちの光変調部M2側の放射光導波路部25bと、光変調部M2の放射光導波路部26a,26bのうちの光変調部M1側の放射光導波路部26aとに跨るように受光素子3を配置する。そして、受光素子3で、放射光導波路部25bを伝搬する放射光を受光すると共に、放射光導波路部26aを伝搬する放射光を受光するようにする。この場合、放射光導波路部25bと放射光導波路部26aを、それらの間隔が次第に狭まるように形成し、ある程度近づいた箇所に受光素子3を設けることで、受光素子3のサイズを小さくすることができる。
【0033】
また、以上の説明では、1つの基板に2つの光変調部M1,M2と1つの受光素子を設け、1つの受光素子3を2つの光変調部M1,M2で共用する光変調器について説明したが、本発明は、より多くの光変調部を1つの基板に設けた光変調器に適用することもできる。
【0034】
例えば、
図6に示すように、1つの基板に4つの光変調部M1,M2,M3,M4を並列に形成する場合に、光変調部M1,M2で第1の受光素子3aを共用し、光変調部M3,M4で第2の受光素子3bを共用する構成とすることができる。この場合、光変調部M1の出力導波路部に対するモニタ用導波路部と、光変調部M2の出力導波路部に対するモニタ用導波路部とを縦断するように、第1の受光素子3aを配置する。そして、この第1の受光素子3aに、光変調部M1,M2に係る各々のモニタ用導波路部に対応する各領域に受光部を設ければよい。また、光変調部M3の出力導波路部に対するモニタ用導波路部と、光変調部M4の出力導波路部に対するモニタ用導波路部とを縦断するように、第2の受光素子3bを配置する。そして、この第2の受光素子3bに、光変調部M3,M4に係る各々のモニタ用導波路部に対応する各領域に受光部を設ければよい。
また、例えば、光変調部M2,M3に対して1つの受光素子を設けて共用するようにし、光変調部M1,M4に対してはそれぞれ個別に受光素子を設けるようにしてもよい。
【0035】
また、例えば、1つの基板に4つの光変調部M1,M2,M3,M4を並列に形成する場合に、全ての光変調部M1〜M4で1つの受光素子を共用する構成とすることもできる。すなわち、
図7に示すように、光変調部M1〜M4の各々の出力導波路部を縦断するように、1つの受光素子3を設ける。そして、この受光素子3に、光変調部M1〜M4の各々の出力導波路部に対応する各領域に受光部を設ければよい。
【0036】
次に、基板1に対して受光素子3を正確に配置するための工夫について説明する。
図8は、基板1及び受光素子3に設ける目印の例を示す平面図である。目印は、基板1に対して受光素子3を配置すべき位置(予め定められた位置)を特定するものである。
受光素子3には、上流側端辺の両端位置にマーク33a,33bを設けてあり、受光素子3の下流側端辺の中央位置にマーク33cを設けてある。また、基板1には、受光素子3の配置位置を示すマークであり、受光素子3のマーク33a,33b,33cにそれぞれ対応させたマーク11a,11b,11cを設けてある。そして、基板1に受光素子3を配置する際には、マーク11aとマーク33a、マーク11bとマーク33b、マーク11cとマーク33cがそれぞれ突き合うように受光素子3を配置する。これにより、基板1に対して受光素子3を正確に配置することができる。なお、基板1に設ける各マークは種々の手法により形成でき、例えば、基板1に電極を所定形状に配置して形成したり、基板1にTiを所定形状に熱拡散して形成したりすることができる。また、受光素子3に設ける各マークも種々の手法により形成することができる。
【0037】
図9は、基板1及び受光素子3に設ける目印の他の例を示す平面図である。
受光素子3には、上流側端辺の両端位置に切欠き34a,34bを設けてあり、受光素子3の下流側端辺の中央位置に切欠き34cを設けてある。また、基板1には、受光素子3の配置位置を示すマークであり、受光素子3の切欠き34a,34b,34cにそれぞれ対応させたマーク12a,12b,12cを設けてある。そして、基板1に受光素子3を配置する際には、マーク12aが切欠き34aから露呈し、マーク12bが切欠き34bから露呈し、マーク21cが切欠き34cから露呈するように受光素子3を配置する。これにより、基板1に対して受光素子3を正確に配置することができる。
【0038】
図10は、基板1に配線された電極を目印に用いる例を示す平面図である。
同図では、基板1に配線された電極5は、その一部に矩形状の窪み51を設けた平面形状としてある。そして、受光素子3の電極5に沿った辺側の角35a,35bが電極5の窪み51に合うように、受光素子3を配置する。これにより、基板1に対して受光素子3を正確に配置することができる。
【0039】
図11は、基板1に配線された電極を目印に用いる他の例を示す平面図である。同図では、基板1に配線された電極5は、その一部に矩形状の窪み51を設けた平面形状としてある。また、受光素子3の電極5に沿った辺に2つの突出部36a,36bを設けてある。そして、受光素子3の突出部36a,36bが電極5の窪み51に合うように、受光素子3を配置する。これにより、基板1に対して受光素子3を正確に配置することができる。
なお、
図8〜11に示したものは一例に過ぎず、他の種々な形状・態様の目印を用いることができる。
【0040】
ここで、これまでの説明では、1枚の基板に複数の光変調部を設けた光変調器を例にしたが、本発明は、複数の光変調部が設けられた基板を複数備えた多素子構造の光変調器にも適用することができる。また、複数の光変調部でそれぞれ異なる波長の光波を光変調する構成にも適用することができる。
また、各光変調部は、1つのマッハツェンダー型光導波路で形成したもの、2つのマッハツェンダー型光導波路を入れ子型に配置してネスト型光導波路としたもの、2つのネスト型光導波路を更に入れ子型に配置したものなど、種々の形状とすることができる。この場合、外側のマッハツェンダー型光導波路で構成される主変調部に対して受光素子を設けるだけでなく、内側のマッハツェンダー型光導波路で構成される副変調部に対しても受光素子を設けることができる。
【0041】
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能であることはいうまでもない。