【課題】麺質の改良、特に、茹で伸びを抑制し、麺類に適度な硬さと粘りの食感を付与するために慣用される卵白粉末と同等の作用効果を有し、その全部又は一部の代替として使用することができる麺類用品質改良剤、並びにこれを用いる麺類の品質改良方法及び麺類の製造方法を提供すること。
【解決手段】カルボキシメチルセルロース又はその塩、及び小麦蛋白を含む麺類用品質改良剤、並びに前記麺類用品質改良剤を用いる麺類の品質改良方法、及び麺類の製造方法である。
小麦粉を主体とする穀粉類に対して、カルボキシメチルセルロース又はその塩0.05〜2質量%、及び小麦蛋白0.2〜4質量%で用いられる請求項1に記載の品質改良剤。
【背景技術】
【0002】
近年、生麺を茹で上げ後、喫食する際、スープ浸漬中に食感の変化が激しい。また、生麺を茹で上げた後、冷蔵状態又は冷凍状態で保存又は流通され、スーパーやコンビニエンスストアで販売される冷蔵麺(いわゆるチルド麺)が増えている。しかし、茹で上げてから喫食されるまで、少なくとも半日以上、通常は1〜2日程経過していることから、食感が柔らかく脆くなり、茹で伸びた状態となり、品質が著しく低下するという問題があった。さらに、密封包装され、常温保存・流通されるロングライフ麺でも同様に食感の低下が問題であった。
前記問題を解決し、麺類の茹で伸びを抑制し、適度な硬さと粘りの食感を付与するために、麺類の製造時に副原料として卵白粉末を添加することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、欧州や米国、東南アジア諸国での卵白粉末の需要の急増により、この5年間で卵白粉末の価格が倍以上になり、今後も価格高騰が続くと予想されている。卵白粉末は麺類の製造に慣用されてきた副原料であり、その価格高騰は麺類の製造コストを引き上げることになり、重要な問題である。そこで、卵白粉末と同様な効果を有し、その代替として使用可能な副原料乃至麺類用品質改良剤の開発が急務となっている。
【0004】
茹で伸びの抑制や、粘弾性の食感の改善のために、グルテンを副原料として使用することも慣用技術である。しかしながら、グルテンだけでは、茹で伸びを抑制することはできず、食感に与える効果も卵白粉末とは異なるため、グルテンを卵白粉末の代替とすることは困難である。また、グルテンを用いた場合、添加量が増えるとグルテン臭が生じたり、ゴムのような食感となるという問題もある。
【0005】
これまでに、麺類に適度の硬さを付与し、茹で伸びを抑制するために、微細セルロースと既存の麺質改良素材(卵白、グルテン等)とを併用する技術(例えば、特許文献2参照)、アルギン酸カルシウムと既存の麺質改良素材(卵白、グルテン等)とを併用する技術(例えば、特許文献3参照)が提案されている。また、中華麺の茹で伸びを抑制するために、アルギニンと卵白とを併用する技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、これらの提案の技術は、あくまでも既存の麺質改良素材である卵白粉末やグルテンと組み合わせることが必須であり、そもそも卵白粉末の代替として用いることを想定しておらず、卵白粉末と同様な効果を有し、その代替として使用可能な麺品質改良剤とはほど遠いものであるという問題がある。
【0006】
一方、即席麺、特に油揚げ麺の復元性及び食感を改善するための技術として、特定の粘度・エーテル化度のカルボキシメルセルロースNa塩を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、前記提案の技術では、麺の硬さの付与や茹で伸びの抑制については何ら示唆されていない。
【0007】
したがって、麺質の改良、特に、茹で伸びを抑制し、麺類に適度な硬さと粘りの食感を付与するために慣用される卵白粉末と同等の作用効果を有し、その全部又は一部の代替として使用することができる麺類用品質改良剤は未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(麺類用品質改良剤)
本発明の麺類用品質改良剤(以下、「品質改良剤」と称することがある)は、カルボキシメチルセルロース又はその塩と、小麦蛋白とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
【0014】
<カルボキシメチルセルロース又はその塩>
前記カルボキシメチルセルロース又はその塩としては、食品用途に使用できるもの(グレード)であれば特に制限はなく、適宜選択することができる。前記カルボキシメチルセルロース又はその塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシメチルセルロース又はその塩の中でも、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(以下、「CMC・Na」と称することがある)が、小麦蛋白と組み合わせることで、奏される効果がより卵白に近いものになる点で、好ましい。
前記カルボキシメチルセルロース又はその塩は市販されており、市販品を適宜使用することができる。
前記カルボキシメチルセルロース又はその塩の前記品質改良剤における含有量としては、特に制限はなく、後述する麺類の製造に用いる小麦粉を主体とする穀粉類に対する使用量(以下、「配合量」と称することがある)などに応じて適宜選択することができる。
【0015】
<小麦蛋白>
前記小麦蛋白(以下、「グルテン」と称することがある)としては、食品用途に使用できるもの(グレード)であれば特に制限はなく、適宜選択することができる。
前記小麦蛋白は市販されており、市販品を適宜使用することができる。
前記小麦蛋白の前記品質改良剤における含有量としては、特に制限はなく、後述する麺類の製造に用いる小麦粉を主体とする穀粉類に対する配合量などに応じて適宜選択することができる。
【0016】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、賦形剤・分散剤、色素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分は、市販品を適宜使用することができる。
前記その他の成分の前記品質改良剤における含有量としては、特に制限はなく、後述する麺類の製造に用いる小麦粉を主体とする穀粉類に対する配合量などに応じて適宜選択することができる。
【0017】
−賦形剤・分散剤−
前記賦形剤・分散剤としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、澱粉、穀粉類、糖類、デキストリン、セルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記賦形剤・分散剤は、市販品を使用することができる。
前記賦形剤・分散剤の前記品質改良剤における含有量としては、特に制限はなく、後述する麺類の製造に用いる小麦粉を主体とする穀粉類に対する配合量などに応じて適宜選択することができる。
【0018】
<態様>
前記品質改良剤は、前記カルボキシメチルセルロース又はその塩と、前記小麦蛋白と、必要に応じて前記その他の成分とを同一の包材に含む態様であってもよいし、前記各成分を別々の包材に入れ、使用時に混合する態様であってもよい。
【0019】
<配合量>
前記品質改良剤の麺類の製造に用いる小麦粉を主体とする穀粉類に対する配合量としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。
なお、本発明において、麺類の製造に用いる小麦粉を主体とする穀粉類に対する配合量は、ベーカーズパーセントで表したものである。
【0020】
−カルボキシメチルセルロース又はその塩−
前記カルボキシメチルセルロース又はその塩の配合量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、麺類の製造に用いる小麦粉を主体とする穀粉類に対して、0.05〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましく、0.2〜0.7質量%が特に好ましい。前記配合量が、0.05質量%未満であると、小麦蛋白との相乗効果が得られない可能性があり、2質量%を超えても小麦蛋白との効果のバランスが崩れ、その結果、相乗効果が奏されない可能性がある。
【0021】
−小麦蛋白−
前記小麦蛋白の配合量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、麺類の製造に用いる小麦粉を主体とする穀粉類に対して、0.2〜4質量%が好ましく、0.4〜2質量%がより好ましく、0.5〜1.5質量%が特に好ましい。前記配合量が、0.2質量%未満であると、カルボキシメチルセルロース又はその塩との相乗効果が得られない可能性があり、4質量%を超えてもカルボキシメチルセルロースまたはその塩との効果のバランスが崩れ、その結果、相乗効果が奏されない可能性がある。
【0022】
−カルボキシメチルセルロース又はその塩と、小麦蛋白との質量比−
前記カルボキシメチルセルロース又はその塩と、前記小麦蛋白との質量比(以下、「配合比」と称することもある)としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、前記カルボキシメチルセルロース又はその塩と、前記小麦蛋白との相乗効果がより優れる点で、1:9〜5:5が好ましく、2:8〜4:6がより好ましい。
【0023】
<麺類>
本発明における麺類としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、中華麺、うどん、焼きそば、パスタなどが挙げられる。これらの中でも、中華麺が好ましい。
麺類の状態としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、生麺、半乾燥麺、乾燥麺、茹で麺などが挙げられる。
前記麺類は、冷蔵品、チルド品、冷凍品、又は常温品とすることができる。
【0024】
本発明の品質改良剤によれば、カルボキシメチルセルロース又はその塩と、小麦蛋白とを併用することにより、好ましくは、これらを特定量及び/又は特定の配合割合で使用することにより、卵白粉末と同等の茹で伸びの抑制及び麺類への適度な硬さと粘りの食感の付与といった作用効果を奏し、卵白粉末の全部または一部代替として使用することができる。
前記一部代替として使用する場合には、麺類の種類や形態、所望の効果により異なるが、卵白粉末の使用量を3割程度、好ましくは5割程度を減らすことが可能となる。
【0025】
(麺類の製造方法)
本発明の麺類の製造方法は、本発明の品質改良剤を使用する限り、特に制限はなく、常法を適宜選択することができる。
【0026】
例えば、小麦粉を主体とする穀粉類に、本発明の品質改良剤、水、及び必要に応じてその他の副原料を加えた後にミキシングして麺生地を得る。前記ミキシングは、常法に従って、常圧下又は減圧下で行うことができる。得られた麺生地は、常法に従って、圧延、複合乃至積層した後、更に圧延し、麺線に切り出すことにより麺類を得ることができる。
得られた麺類は、生麺の状態で、あるいは乾燥処理して半乾燥麺若しくは乾燥麺として流通又は販売することができるが、生麺に茹で処理又は蒸し処理を施した後、冷蔵若しくはチルド状態の茹で麺として、又は冷凍麺の形態で流通又は販売することができる。更に、茹で処理又は蒸し処理を施した後に殺菌処理などの所定の処理を施し、常温品として流通又は販売してもよい。
【0027】
<小麦粉を主体とする穀粉類>
本発明において、小麦粉を主体とする穀粉類は、小麦粉(強力粉、準強力粉、中力粉、デュラム小麦粉)を主体とし、必要に応じて更に米粉、ソバ粉、ライ麦粉、大麦粉、コーンフラワー、各種澱粉を添加してもよい。前記穀粉類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
前記澱粉としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチ、甘藷澱粉などが挙げられ、それらの加工澱粉を用いてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記加工澱粉としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、熱処理澱粉、α化澱粉、酸処理澱粉、架橋澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉などが挙げられる。また、複数の加工処理を施された澱粉、例えば、エーテル化架橋澱粉やエステル化架橋澱粉であってもよい。
【0029】
<副原料>
前記副原料としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、食塩;キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸エステル、寒天、ゼラチン、ペクチンなどの増粘剤;かんすい;油脂類;エチルアルコールなどが挙げられる。
前記副原料の配合量としては、特に制限はなく、使用目的などに応じて適宜選択することができる。
【0030】
<品質改良剤の配合量>
前記品質改良剤の配合量としては、上記した本発明の品質改良剤の<配合量>の項目に記載したものと同様である。
【0031】
<麺類>
前記麺類としては、上記した本発明の品質改良剤の<麺類>の項目に記載したものと同様である。
【0032】
前記麺類の製造方法では、前記品質改良剤が、麺類の品質改良において、卵白の代替として使用されることが好ましい。
前記代替の程度は、全部であってもよいし、一部であってもよい。
前記一部代替として使用する場合には、麺類の種類や形態、所望の効果により異なるが、卵白粉末の使用量を3割程度、好ましくは5割程度を減らすことが可能となる。
【0033】
本発明の麺類の製造方法によれば、卵白粉末を用いた場合と同等の麺質を有する麺類を製造することができる。
【0034】
(麺類の品質改良方法)
本発明の麺類の品質改良方法は、麺類の製造の際に本発明の品質改良剤を使用する。
【0035】
前記麺類の製造方法は、上記した本発明の麺類の製造方法と同様である。
また、前記麺類の品質改良方法における前記品質改良剤の配合量は、上記した本発明の品質改良剤の<配合量>の項目に記載したものと同様である。
【0036】
前記麺類としては、上記した本発明の品質改良剤の<麺類>の項目に記載したものと同様である。
【0037】
前記麺類の品質改良方法では、前記品質改良剤が、麺類の品質改良において、卵白の代替として使用されることが好ましい。
前記代替の程度は、全部であってもよいし、一部であってもよい。
前記一部代替として使用する場合には、麺類の種類や形態、所望の効果により異なるが、卵白粉末の使用量を3割程度、好ましくは5割程度を減らすことが可能となる。
【0038】
本発明の麺類の品質改良方法によれば、卵白粉末を用いた場合と同等の麺質の改良、特に、茹で伸びを抑制し、麺類に適度な硬さと粘りの食感を付与することができる。
【実施例】
【0039】
以下、参考例、実施例、比較例、及び試験例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例及び試験例に何ら限定されるものではない。
【0040】
(参考例1、実施例1、比較例1〜6:麺類用品質改良剤の製造)
下記表1の配合にて、参考例1、実施例1、及び比較例1〜6の麺類用品質改良剤を製造した。
【0041】
【表1】
【0042】
(試験例1:生中華麺の製造及び評価)
前記参考例1、実施例1、又は比較例1〜6の麺類用品質改良剤を用い、下記の配合及び工程で、生中華麺を製造した。
<配合>
・ 小麦粉(準強力粉) ・・・ 100質量部
・ 麺類用品質改良剤 ・・・ 1質量部
・ 食塩 ・・・ 1質量部
・ 粉末かんすい(赤)(オリエンタル酵母工業株式会社製) ・・・ 1.5質量部
・ 水 ・・・ 33質量部
・ アルコール ・・・ 2質量部
<工程>
・ ミキシング時間 ・・・ 高速6分低速7分
・ 捏上温度 ・・・ 25℃
・ 複合回数 ・・・ 1回
・ 圧延・切出し ・・・ 18番角刃、1.5mm
・ 茹で時間 ・・・ 2分45秒
【0043】
<評価>
前記配合及び工程で製造した麺をスープに浸漬後、喫食し、以下の評価項目について評価した。結果を表2に示す。
【0044】
−茹で伸び−
茹でた直後の麺の硬さと、浸漬5分間経過後の麺の硬さとの差を茹で伸びと表わす。
前記参考例1の麺類用品質改良剤を用いた場合の茹で伸びを3点とし、5段階で評価した。点数が高い(茹でた直後の麺の硬さと、浸漬5分間経過後の麺の硬さとの差が大きい)程、茹で伸びしやすいことを示す。
【0045】
−食感(硬さ)−
浸漬後、喫食した際に、歯が麺の表面に当たった時の硬さを評価した。
前記参考例1の麺類用品質改良剤を用いた場合の麺の硬さを3点とし、5段階で評価した。点数が高いほど麺が硬く、点数が低いほど麺が柔らかいことを示す。
【0046】
−食感(粘り)−
浸漬後、喫食した際に、歯が麺の中心を噛み切った時の粘りを評価した。
前記参考例1の麺類用品質改良剤を用いた場合の麺の粘りを3点とし、5段階で評価した。点数が高いほど麺の粘りが強く、点数が低いほど麺の粘りが弱いことを示す。
【0047】
【表2】
【0048】
表2の結果から、実施例1の麺類用品質改良剤を用いた場合には、茹で伸び、及び食感(硬さ、粘り)が、比較例1〜6と比べて、参考例1の麺類用品質改良剤を用いた場合に近い結果となった。
したがって、カルボキシメチルセルロース又はその塩と、小麦蛋白とを含む本発明の麺類用品質改良剤を用いることにより、麺類の茹で伸びを抑制し、優れた食感を得ることができ、本発明の麺類用品質改良剤は、慣用されている卵白粉末の全部又は一部代替として使用できることが示された。
【0049】
(試験例2:チルド中華麺(冷やし中華)の製造及び評価)
下記の配合及び工程にて茹で中華麺を製造した後、冷水で冷却した。次いで、4℃で1日間、又は2日間保存後、冷やし中華用スープを添加し、喫食し、以下の評価項目について評価した。結果を表3に示す。
<配合>
・ 小麦粉(準強力粉) ・・・ 85質量部
・ 加工でん粉(タピオカ) ・・・ 15質量部
・ 麺類用品質改良剤 ・・・ 表3参照
・ 食塩 ・・・ 2質量部
・ 粉末かんすい(青)(オリエンタル酵母工業株式会社製) ・・・ 1.8質量部
・ 水 ・・・ 38質量部
<工程>
・ ミキシング時間 ・・・ 高速6分低速7分
・ 真空引き ・・・ −700mmHg
・ 捏上温度 ・・・ 25℃
・ 複合回数 ・・・ 1回
・ 熟成 ・・・ 30分
・ 圧延・切出し ・・・ 20番角刃、1.4mm
・ 茹で条件 ・・・ 99℃、2分30秒(歩留り180%になるように)
・ 水冷(氷水) ・・・ 30秒
【0050】
<評価>
−経時変化−
茹で直後の食感(D+0)と、4℃で2日間保存後の食感(D+2)との差を経時変化と表す。
試験例2−1の場合の経時変化を3点とし、5段階で評価した。点数が高い程、経時変化が大きいことを示す。
【0051】
−食感(硬さ)−
4℃で1日間保存後の麺を喫食した際に、歯が麺の表面に当たった時の硬さを評価した。
試験例2−1の場合の麺の硬さを3点とし、5段階で評価した。点数が高いほど麺が硬く、点数が低いほど麺が柔らかいいことを示す。
【0052】
−食感(粘り)−
4℃で1日間保存後の麺を喫食した際に、歯が麺の中心を噛み切った時の粘りを評価した。
試験例2−1の場合の麺の粘りを3点とし、5段階で評価した。点数が高いほど麺の粘りが強く、点数が低いほど麺の粘りが弱いことを示す。
【0053】
【表3】
【0054】
表3の結果から、試験例2−2〜2−5の麺類用品質改良剤を用いた場合には、冷やし中華(チルド中華麺)であっても、試験例2−1の麺類用品質改良剤を用いた場合に近い結果となった。
したがって、カルボキシメチルセルロース又はその塩と、小麦蛋白とを含む本発明の麺類用品質改良剤を用いることにより、チルド保存における麺の食感の低下を抑制し、優れた食感のチルド麺を得ることができ、本発明の麺類用品質改良剤は、慣用されている卵白粉末の全部又は一部代替として使用できることが示された。