(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-187521(P2017-187521A)
(43)【公開日】2017年10月12日
(54)【発明の名称】光変調器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/03 20060101AFI20170919BHJP
G02F 1/035 20060101ALI20170919BHJP
【FI】
G02F1/03 505
G02F1/035
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-73841(P2016-73841)
(22)【出願日】2016年4月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 徳一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 圭
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA21
2K102BA03
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD01
2K102DA04
2K102DB05
2K102DD05
2K102EA02
2K102EA09
2K102EB22
(57)【要約】
【課題】
光導波路が形成された基板の配線構造を簡素化した光変調器を提供する。
【解決手段】
電気光学効果を有する基板1と、基板1上に形成された光導波路2と、光導波路2を伝搬する光波を制御するための複数の制御電極3と、光導波路2を伝搬する光波を検出するための複数の受光素子4と、を備えた光変調器において、2以上の独立した光導波路変調部を有し、独立した光導波路変調部のそれぞれに対して受光素子4が基板1上部に備えられ、光変調器の上方には、配線基板7があり、配線基板7には、複数の電気配線8があり、複数の電気配線8は、配線基板7の一辺の近傍に延伸配置されており、かつ、受光素子4と電気的に接続されて、受光素子4で検出された信号を外部へ出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を制御するための複数の制御電極と、該光導波路を伝搬する光波を検出するための複数の受光素子と、を備えた光変調器において、
該光変調器は2以上の独立した光導波路変調部を有し、
該独立した光導波路変調部のそれぞれに対して該受光素子が基板上部に備えられ、
該光変調器の上方には、配線基板があり、
該配線基板には、複数の電気配線があり、
該複数の電気配線は、該配線基板の一辺の近傍に延伸配置されており、かつ、該受光素子と電気的に接続されて、該受光素子で検出された信号を外部へ出力することを特徴とする光変調器。
【請求項2】
電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を制御するための複数の制御電極と、該光導波路を伝搬する光波を検出するための複数の受光素子と、を備えた光変調器において、
該光変調器は2以上の独立した光導波路変調部を有し、
該独立した光導波路変調部のそれぞれに対して該受光素子が基板上部に備えられ、
該光変調器の上方には、配線基板があり、
該配線基板には、複数の電気配線があり、
該複数の電気配線は、該配線基板の対向する両辺の近傍に延伸配置されており、かつ、該受光素子と電気的に接続されて、該受光素子で検出された信号を外部へ出力することを特徴とする光変調器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光変調器において、
該独立した光導波路変調部は、複数の基板で構成されていることを特徴とする光変調器。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光変調器において、
該制御電極のうちDC電圧を印加する電極が、該配線基板に形成された電気配線と電気的に接続されていることを特徴とする光変調器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光変調器において、
該配線基板が複数あることを特徴とする光変調器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調器に関し、特に、2波長集積型などの高集積型変調器の配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムの高速化、大容量化が進む中で、それに使用される光変調器の高性能化、高密度化が進んでいる。また、光変調器の小型化の要請に伴い、光変調器を構成する基板の小型化も進められている。しかしながら、光変調器の高性能化、高密度化と小型化とを両立するには、基板サイズの制約により配線の自由度が少ないため、基板上の配線の工夫が求められている。
【0003】
このような光変調器の配線に関し、以下のような発明が提案されている。
例えば、特許文献1〜3には、光導波路が形成された基板と、変調用の高周波信号を増幅,中継または終端する基板とを、離間させて重ねた構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−128440号公報
【特許文献2】特開2005−128185号公報
【特許文献3】特開2015−55669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、2波長集積型などの高集積型光変調器が開発されている。
図1には、従来の2波長集積型DP−QPSK(Dual Polarization - Quadrature Phase Shift Keying)変調器の構成例を示してある。同図の光変調器は、波長λ1の光波が入力される光導波路変調部M1と、波長λ2の光波が入力される光導波路変調部M2とを有し、これら光導波路変調部M1,M2は互いに独立して動作するように構成される。
【0006】
光導波路変調部M1,M2の各々は、電気光学効果を有する基板1上に、光導波路2と、光導波路2を伝搬する光波を制御するための制御電極3と、光導波路2を伝搬する光波を検出するための受光素子4とを備えている。制御電極3は、高周波信号(変調信号)が印加される信号電極31や、DC電圧(バイアス電圧)が印加されるDCバイアス電極32などで構成される。
【0007】
各光導波路変調部M1,M2の光導波路2は、マッハツェンダー型導波路を入れ子型に多重に配置した構造となっており、これに相応して多数の制御電極3や受光素子4が設けられている。同図では、光導波路変調部M1,M2のそれぞれに、4つの信号電極31と、6つのDCバイアス電極32と、2つの受光素子4を設けてある。
光導波路変調部M1の下流には偏波合成部5が配置されており、メインとなるマッハツェンダー型導波路の出力側アーム部を伝搬する光波を偏波合成部5で合成して、光ファイバ6に出力する。光導波路変調部M2についても同様である。偏波合成部5は、空間光学系を用いて偏波合成を行う構造のものや、光導波路を用いて偏波合成を行う構造のものがある。
【0008】
上記のように、高集積型光変調器には、基板1上に多数の制御電極3や受光素子4が設けられる。このため、それらの部品に接続する電気配線が複雑化してしまい、また、電気配線の線路間隔が狭くなると電気配線間で電気的なクロストークが発生する懸念もある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、光導波路が形成された基板の配線構造を簡素化した光変調器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の光変調器は、以下のような技術的特徴を有する。
(1) 電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を制御するための複数の制御電極と、該光導波路を伝搬する光波を検出するための複数の受光素子と、を備えた光変調器において、該光変調器は2以上の独立した光導波路変調部を有し、該独立した光導波路変調部のそれぞれに対して該受光素子が基板上部に備えられ、該光変調器の上方には、配線基板があり、該配線基板には、複数の電気配線があり、該複数の電気配線は、該配線基板の一辺の近傍に延伸配置されており、かつ、該受光素子と電気的に接続されて、該受光素子で検出された信号を外部へ出力することを特徴とする。
【0011】
(2) 電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を制御するための複数の制御電極と、該光導波路を伝搬する光波を検出するための複数の受光素子と、を備えた光変調器において、該光変調器は2以上の独立した光導波路変調部を有し、該独立した光導波路変調部のそれぞれに対して該受光素子が基板上部に備えられ、該光変調器の上方には、配線基板があり、該配線基板には、複数の電気配線があり、該複数の電気配線は、該配線基板の対向する両辺の近傍に延伸配置されており、かつ、該受光素子と電気的に接続されて、該受光素子で検出された信号を外部へ出力することを特徴とする。
【0012】
(3) 上記(1)又は(2)に記載の光変調器において、該独立した光導波路変調部は、複数の基板で構成されていることを特徴とする。
【0013】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光変調器において、該制御電極のうちDC電圧を印加する電極が、該配線基板に形成された電気配線と電気的に接続されていることを特徴とする。
【0014】
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光変調器において、該配線基板が複数あることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光変調器は、2以上の独立した光導波路変調部を有し、該独立した光導波路変調部のそれぞれに対して受光素子が基板上部に備えられ、該光変調器の上方には、配線基板があり、該配線基板には、複数の電気配線があり、該複数の電気配線は、該配線基板の一辺の近傍または対向する両辺の近傍に延伸配置されており、かつ、該受光素子と電気的に接続されて、該受光素子で検出された信号を外部へ出力するため、光導波路が形成された基板の配線構造を簡素化した光変調器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来の2波長集積型DP−QPSK変調器の構成例を示す平面図である。
【
図2】本発明の第1実施例に係る光変調器を示す平面図である。
【
図3】本発明の第1実施例に係る光変調器の変形例を示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施例に係る光変調器の変形例を示す断面図である。
【
図5】本発明の第2実施例に係る光変調器を示す平面図である。
【
図6】本発明の第3実施例に係る光変調器を示す平面図である。
【
図7】本発明の第4実施例に係る光変調器を示す平面図である。
【
図8】本発明の第5実施例に係る光変調器を示す平面図である。
【
図9】本発明の第5実施例に係る光変調器を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る光変調器について詳細に説明する。
本発明に係る光変調器は、例えば
図2や
図3に示すように、電気光学効果を有する基板1と、基板1上に形成された光導波路2と、光導波路2を伝搬する光波を制御するための複数の制御電極3と、光導波路2を伝搬する光波を検出するための複数の受光素子4と、を備える。光変調器は、2以上の独立した光導波路変調部(M1,M2)を有し、該独立した光導波路変調部のそれぞれに対して受光素子4が基板上部に備えられる。光変調器の上方には、配線基板7があり、配線基板7には、複数の電気配線8がある。複数の電気配線8は、配線基板7の一辺の近傍または対向する両辺の近傍に延伸配置されており、かつ、受光素子4と電気的に接続されて、受光素子4で検出された信号を外部へ出力する。
【0018】
基板1としては、石英、半導体など光導波路を形成できる基板であれば良く、特に、電気光学効果を有する基板である、LiNbO
3(ニオブ酸リチウム),LiTaO
3(タンタル酸リチウム)又はPLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)のいずれかの単結晶が好適に利用可能である。
【0019】
基板1に形成する光導波路2は、例えば、LiNbO
3基板(LN基板)上にチタン(Ti)などの高屈折率物質を熱拡散することにより形成される。また、光導波路となる部分の両側に溝を形成したリブ型光導波路や光導波路部分を凸状としたリッジ型導波路も利用可能である。また、PLC等の異なる導波路基板に光導波路を形成し、これらの導波路基板を貼り合せ集積した光回路にも、本発明を適用することが可能である。
【0020】
基板1には、光導波路2を伝搬する光波を制御するための制御電極3が設けられる。制御電極3としては、変調電極を構成する信号電極31やこれを取り巻く接地電極、DC電圧を印加するDCバイアス電極32などがある。これら制御電極は、基板表面に、Ti・Auの電極パターンを形成し、金メッキ方法などにより形成することが可能である。さらに、必要に応じて光導波路形成後の基板表面に誘電体SiO
2等のバッファ層を設けることも可能である。
【0021】
なお、本発明に係る光変調器は、2以上の独立した光導波路変調部を有しており、例えば、
図1の光導波路変調部M1,M2のように構成されている。尚、
図1では、光導波路変調部M1、M2は、ひとつの基板1に設けられているが、2つ以上の独立した光導波路変調部は、それぞれ独立した基板に設けられていてもよい。
本発明に係る光変調器の主な特徴は、光変調器の上方に配線基板7を配置し、該配線基板7に、基板1上の受光素子4と電気的に接続される電気配線8を設けたことである。以下、実施例を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図2は、本発明の第1実施例に係る光変調器を示す平面図である。
本例の光変調器は、独立した光導波路変調部のそれぞれに対して受光素子4が基板1の上部に備えられる。同図では、基板1上に4つの受光素子4を備えている。基板1の上方に重なるように、配線基板7が離間させて配置される。基板1上の4つの受光素子4は、配線基板7の一辺に沿うように並べて配置される。配線基板7の上面には、複数の電気配線8が、受光素子4の並びに沿う辺の近傍に延伸配置される。各電気配線8の該辺側の端部は、その配置位置に対応する受光素子4とワイヤー等により電気的に接続される。各電気配線8は、光変調器の筐体(図示略)の側面に沿う他辺に向かって延伸し、該筐体に設けられた出力ピンに電気的に接続されて、受光素子4で検出された信号を筐体外部へ出力する。電気配線8は、他の中継基板を経由して出力ピンに接続されても構わない。
【0023】
このように、受光素子で検出された信号を伝送する電気配線を、光導波路が形成された導波路基板ではなく、その上方に配置した配線基板に形成するようにした。このため、導波路基板の配線構造を簡素化することができ、また、該基板のサイズを小型化することもできる。
また、導波路基板に電気配線を配置する場合よりも線路間隔を広くとることができ、電気配線間に接地電極を配置することもできる。これにより、電気配線間での電気的なクロストーク(受光素子で検出された信号同士のクロストーク)も効果的に抑制できる。
更に、配線基板の上面に各電気配線を挟み込むように接地電極を配置したり、配線基板7の下面全体を覆うように接地電極を配置してもよい。これにより、導波路基板の信号電極から漏れた高周波信号から電気配線をシールドすることができ、受光素子で検出された信号のノイズとなることを防止できる。
また、多層の配線基板を使用して、配線と接地電極を交互に層配置することもできる。この場合、さらに線路間の電気的なクロストークが抑制され、また導波路基板からの漏れ信号に対する電気シールドもより強固となる。
【0024】
図3は、本発明の第1実施例に係る光変調器の変形例を示す平面図であり、
図4は、その断面図である。
同図では、配線基板7内部に電気配線9を通した構造となっている。電気配線9は、受光素子4に繋げるワイヤー等が接続される配線基板7上面のパッド部9aと、パッド部9aに電気的に接続されて配線基板7内部に通された電気配線9bで構成される。このように、受光素子4で検出された信号を伝送する電気配線は、配線基板7の内部に設けても構わない。また、
図3の配線基板7は、パッド部9a付近を除く上面全体と、下面全体とが、接地電極10で覆ってあり、電気配線9のシールド効果をより高めた構成となっている。
【実施例2】
【0025】
図5は、本発明の第2実施例に係る光変調器を示す平面図である。
本例の光変調器は、基板1上の4つの受光素子4が、配線基板7の対向する両辺に沿うように並べて配置されている。例えば、第1の光導波路変調部側の2つの受光素子4が、これら両辺のうちの一方の辺に沿って配置され、第2の光導波路変調部側の2つの受光素子4が、他方の辺に沿って配置される。配線基板7の上面には、複数の電気配線8が、受光素子4の並びに沿う両辺の近傍に延伸配置される。
【0026】
このような構成でも、上記実施例に係る光変調器と同様な効果を得ることができる。また、第1の光導波路変調部に係る受光素子と第2の光導波路変調部に係る受光素子とは、光波進行方向の位置が異なるので、上記両辺に沿う方向の位置を部分的に重ねることができ、該方向の導波路基板の幅を短縮することができる。
【実施例3】
【0027】
図6は、本発明の第3実施例に係る光変調器を示す平面図である。
本例の光変調器は、独立した光導波路変調部が複数の導波路基板1で構成されている。すなわち、第1の光導波路変調部が基板1aで構成され、第2の光導波路変調部が基板1bで構成されている。また、基板1a上に2つの受光素子4を備えると共に、基板1b上に2つの受光素子4を備えている。基板1a,1bは互いに同一平面上に並べて配置され、その上方に重なるように、配線基板7が離間させて配置される。同図では、基板1a,1b上の4つの受光素子4は、配線基板7の一辺に沿うように並べて配置されているが、実施例2のように、対向する両辺に沿うように並べて配置してもよい。配線基板7の上面には、複数の電気配線8が、受光素子4の並びに沿う一辺(または両辺)の近傍に延伸配置される。
【0028】
このように、独立した光導波路変調部を複数の導波路基板で構成することで、導波路基板の配線構造を更に簡素化することができる。また、複数の光導波路変調部を1枚の導波路基板で構成する場合に比べ、導波路基板の強度を高める効果も得られる。
【実施例4】
【0029】
図7は、本発明の第4実施例に係る光変調器を示す平面図である。
本例の光変調器は、基板1上の複数の受光素子4及び複数のDCバイアス電極32が、配線基板7の両辺に沿うように並べて配置されている。同図では、複数の受光素子4が、これら両辺のうちの一方の辺に沿って配置され、複数のDCバイアス電極32が、他方の辺に沿って配置されている。配線基板7の上面には、複数の受光素子4で検出された信号を伝送する複数の電気配線8aが、受光素子4の並びに沿う辺の近傍に延伸配置される。また、配線基板7の上面には、複数のDCバイアス電極32にDC電圧を供給する複数の電気配線8bが、DCバイアス電極32の並びに沿う辺の近傍に延伸配置される。
【0030】
このように、DC電圧を印加するDCバイアス電極が、導波路基板の上方に配置した配線基板に形成された電気配線と電気的に接続することで、導波路基板の配線構造を更に簡素化することができる。
【実施例5】
【0031】
図8は、本発明の第5実施例に係る光変調器を示す平面図であり、
図9は、その側面図である。
本例の光変調器は、配線基板7を複数有している。同図では、受光素子4に対する電気配線(図示略)と一部のDCバイアス電極32に対する電気配線(図示略)が、基板1の上方にある第1の配線基板7aに配置されている。また、残りのDCバイアス電極32に対する電気配線(図示略)が、第1の配線基板7aより上方にある第2の配線基板7bに配置されている。
【0032】
このように、複数の配線基板を階層状に有することで、受光素子やDCバイアス電極が多数あって1枚の配線基板では十分なスペースを確保できない場合にも対応できる。なお、受光素子に対する電気配線用の配線基板と、DCバイアス電極に対する電気配線用の配線基板といったように、電気配線の種類に応じて配線基板を分けるようにしてもよい。
【0033】
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能であることはいうまでもない。
なお、信号電極に対する電気配線を配線基板に配置することも考えられるが、信号電極に対する電気配線を伝わる高周波信号は、例えば100GbpsではFECなどの誤り訂正符号を含めて28〜32Gbaudの伝送シンボルレートに達するため、適用は難しい。従って、上記実施例のように、受光素子やDCバイアス電極に対する電気配線のように、比較的低周波(1GHz以下)の信号を伝送する電気配線に適用することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上、説明したように、本発明によれば、光導波路が形成された基板の配線構造を簡素化した光変調器を提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
1,1a,1b 基板
2 光導波路
3 制御電極
4 受光素子
5 偏波合成部
6 光ファイバ
7,7a,7b 配線基板
8,8a,8b 電気配線
9 接地電極
31 信号電極
32 接地電極