【課題】本発明が解決しようとする課題は、例えば汗や皮脂や、エタノールをはじめとする各種アルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすことなく、長期間にわたり優れた接着力を維持可能な粘着テープを提供することである。
【解決手段】本発明は、水酸基とカーボネート結合とを有するポリウレタン(a)、及び、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート(b)の反応物であるポリウレタン(A)を含有する粘着層を有することを特徴とする粘着テープに関するものである。
水酸基とカーボネート結合とを有するポリウレタン(a)、及び、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート(b)の反応物であるポリウレタン(A)を含有する粘着層を有することを特徴とする粘着テープ。
水酸基及びカーボネート結合を有するポリウレタン(a)と、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート(b)とを含有する粘着剤を、離型ライナーまたは基材に塗工し、反応させることによって、前記ポリウレタン(A)を含有する粘着層を形成することを特徴とする粘着テープの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の粘着テープは、水酸基とカーボネート結合とを有するポリウレタン(a)、及び、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート(b)の反応物であるポリウレタン(A)を含有する粘着層を有することを特徴とする
【0014】
前記粘着テープの実施態様としては、例えば基材の片面側に直接または他の層を介して前記粘着層を有する片面粘着テープ、基材の両面側に直接または他の層を介して粘着層を有する両面粘着テープ、前記基材を有しない、いわゆる基材レスの粘着テープが挙げられる。前記粘着テープを構成する粘着層は、単層または複層のものであってもよい。前記両面粘着テープは、前記基材の少なくとも一方の粘着層が、水酸基とカーボネート結合とを有するポリウレタン(a)、及び、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート(b)の反応物を含有する粘着層であれば良く、他方の粘着層は上記と同一組成からなる粘着層であってもよく、異なる組成からなる粘着層であってもよい。
【0015】
本発明の粘着テープを、例えば電子機器等を構成する2以上の被着体の固定に使用する場合であれば、前記両面粘着テープの実施態様で使用することが好ましい。また、ラベル等に使用する場合には、前記片面粘着テープの実施態様で使用することが好ましい。
【0016】
また、本発明の粘着テープは、その粘着層の表面に離型フィルムが積層された状態で保管等されていてもよい。
【0017】
本発明の粘着テープとしては、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたりより一層優れた接着力を備え、かつ、電子機器等の薄型化に貢献するうえで、総厚さ500μm以下の厚さを有するものを使用することが好ましく、10μm〜500μmの範囲の厚さを有するものを使用することがより好ましく、10μm〜300μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましく、10μm〜200μmの範囲の厚さを有するものを使用することが特に好ましい。
【0018】
また、前記粘着テープを構成する粘着層としては、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたりより一層優れた接着力を備え、かつ、電子機器等の薄型化に貢献するうえで、5μm〜100μmの範囲の厚さを有するものを使用することが好ましく、10μm〜50μmの範囲の厚さを有するものを使用することがより好ましく、10μm〜30μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましい。
【0019】
前記粘着層としては、水酸基とカーボネート結合とを有するポリウレタン(a)の水酸基と、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート(b)のイソシアネート基とが反応して得られた反応物であるポリウレタン(A)を含有する粘着層を使用する。これにより、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得ることができる。
【0020】
前記粘着層としては、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持するうえで、5質量%〜70質量%のゲル分率を有するものを使用することが好ましく、5質量%〜60質量%のゲル分率を有するものを使用することが好ましく、15質量%〜55質量%のゲル分率を有するものを使用することが好ましい。
【0021】
前記粘着層に含まれるポリウレタン(A)としては、前記した反応物を使用できるが、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下をより効果的に防止でき、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで、下記一般式(1)で示される構造を有するポリウレタン、または、カルボジイミド基を有するポリウレタンを使用することが好ましい。
【0023】
[一般式(1)中のRはアルキレン基であり、X
1、X
2及びX
3のうち少なくとも1つがカーボネート結合を有するポリウレタン(a)由来の構造であり、前記ポリウレタン(a)由来の構造以外のX
1、X
2及びX
3を有する場合、それらはイソシアネート基である。nは0または1以上の自然数である。]
【0024】
前記X
1、X
2及びX
3のうち少なくとも1つは、カーボネート結合を有するポリウレタン(a)由来の構造であることが好ましく、そのすべてがカーボネート結合を有するポリウレタン(a)由来の構造であることが、経時的なゲル分率の上昇や各種物性変化を抑制するうえでより好ましい。
【0025】
前記一般式(1)中のRとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、炭素原子数1または2個のアルキレン基であるメチル基、エチル基が好ましい。
【0026】
また、ポリウレタン(A)としては、前記ポリウレタン(a)由来の構造として鎖状構造のものや分岐構造のものが使用できるが、鎖状構造のものを使用することが好ましい。
【0027】
前記ポリウレタン(A)としては、その分子中にカーボネート結合を有するものを使用することが、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすことなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで好ましい。前記ポリカーボネート結合は、後述するポリウレタン(a)が有するカーボネート結合に由来するものであることが好ましい。
【0028】
前記ポリウレタン(A)としては、前記カーボネート結合のほかに、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するものを使用することが、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで好ましい。前記芳香族環式構造または脂肪族環式構造は、後述するポリイソシアネート(b)が有する芳香族環式構造または脂肪族環式構造に由来するものが好ましく、その一部がポリウレタン(a)が有してもよい芳香族環式構造または脂肪族環式構造に由来する構造であってもよい。
【0029】
また、前記ポリウレタン(A)としては、直鎖または分岐していてもよい鎖状構造を有するものであることが好ましく、具体的には後述するポリオール及びポリイソシアネートが反応することによって形成される鎖状構造を有するものであることがより好ましい。
【0030】
前記ポリウレタン(A)は、前記粘着層の全量に対して_85質量%〜100質量%の範囲で含まれることが好ましく90質量%〜100質量%の範囲で含まれることがより好ましく、95質量%〜100質量%の範囲で含まれることが、より一層優れた耐オレイン酸性、耐皮脂性及び耐アルコール性を備えた粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0031】
前記ポリウレタン(A)としては、水酸基とカーボネート結合とを有するポリウレタン(a)、及び、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート(b)の反応物を使用する。
【0032】
上記粘着層は、例えば粘着剤を用いて形成することができる。
【0033】
前記粘着剤としては、水酸基及びカーボネート結合を有するポリウレタン(a)と、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート(b)と、必要に応じて有機溶剤や水等の溶媒とを含有する粘着剤を使用することができる。
【0034】
前記ポリウレタン(a)は、前記ポリウレタン(A)を構成する。したがって、前記ポリウレタン(a)としては、カーボネート結合を有するものを使用する。前記ポリウレタン(a)を使用することによって、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得ることができる。その際、前記ポリウレタン(a)としては、前記カーボネート結合の他に、エステル結合やエーテル結合を有するものの使用を排除しないが、前記エステル結合やエーテル結合の含有量が少ないポリウレタンを使用することが好ましく、前記エステル結合やエーテル結合を有しないポリウレタンを使用することが、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで特に好ましい。
【0035】
また、前記ポリウレタン(a)としては、水酸基を有するものを使用する。前記水酸基は、後述するポリイソシアネート(b)が有するイソシアネート基と反応しウレタン結合を形成する。前記水酸基のすべてが、前記イソシアネート基と反応しウレタン結合を形成したものであってもよく、その一部が前記イソシアネート基と反応しウレタン結合を形成したものであってもよい。
【0036】
また、前記ポリウレタン(a)としては、芳香族環式構造を有するものを使用することが、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで好ましい。
【0037】
前記ポリウレタン(a)としては、後述するゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定された重量平均分子量が5000〜50000のものを使用することが好ましく、10000〜35000の重量平均分子量を有するものを使用することが、優れた塗工性及び接着性を有し、かつ、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0038】
また、前記ポリウレタン(a)としては、3000〜40000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましく、4000〜30000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが、優れた塗工性及び接着性を有し、かつ、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで特に好ましい。なお、前記ポリウレタン(A)の重量平均分子量及び数平均分子量は、後述するポリカーボネートポリオール(a1)の分子量と同様の方法で測定して得られた値を示す。
【0039】
前記ポリウレタン(a)としては、例えばポリカーボネートポリオール(a1)を含むポリオールとポリイソシアネート(a2)との反応物を使用することができる。
【0040】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)としては、例えば、炭酸エステル及び/又はホスゲンと、2個以上の水酸基を有する化合物とを公知の方法で反応させて得られた反応物を使用することができる。
【0041】
前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0042】
前記2個以上の水酸基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパノールジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。なかでも、前記化合物としては、より一層優れた接着力を保持し、かつ、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても接着力の低下を防止するうえで、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールを単独または組み合わせ使用することが好ましい。
【0043】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量は、より一層優れた接着力を維持し、かつ、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても接着力の低下を防止するうえで、700〜5,000の範囲であることが好ましく、800〜3,000の範囲であることが好ましい。なお、前記ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、以下の条件にて測定した値を示す。
【0044】
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
【0045】
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
【0046】
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
【0047】
前記ポリオールとしては、前記ポリカーボネートポリオール(a1)と、それ以外のその他のポリオールとを組み合わせ使用してもよい。前記その他のポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ダイマージオール、ポリイソプレンポリオール等を用いることができる。
【0048】
一方、前記ポリウレタン(a)としては、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで、エステル結合やエーテル結合の存在量の少ないものを使用することが好ましい。したがって、前記その他のポリオールとしても、エステル結合やエーテル結合を有するポリオールの使用を最小限にとどめることが好ましい。
【0049】
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジイソシアナートメチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート等を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
【0050】
なかでも、前記ポリイソシアネート(a2)としては、前記ポリウレタン(a)やポリウレタン構造(A)に芳香族構造を導入でき、その結果、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで、芳香族ポリイソシアネートを用いることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はトルエンジイソシアネートを用いることがより好ましい。
【0051】
前記ポリウレタン(a)を製造する際には、前記ポリカーボネートポリオール(a1)やポリイソシアネート(a2)等の他に、必要に応じて鎖伸長剤を使用してもよい。
【0052】
前記鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオール化合物;水;エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン等のアミン化合物を用いることができる。
【0053】
なかでも、前記鎖伸長剤としては、エチレングリコールを使用することが、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで好ましい。
【0054】
前記ポリウレタン(a)は、例えば、ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基のモル比に対し、前記ポリカーボネートポリオール(a1)を含むポリオールが有する水酸基の合計モル比が過剰となるように反応させることによって製造することができる。前記反応は、後述する有機溶剤中で行ってもよい。また、前記ポリカーボネートポリオール(a1)は、一括で仕込んでも、反応を制御しながら2回以上に分けて仕込んでもよい。
【0055】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)を含むポリオールが有する水酸基の合計と、前記ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基とのモル比(イソシアネート基/水酸基)は、ウレタン化反応を制御しやすいことから、0.3〜0.99の範囲であることが好ましく、0.4〜0.9の範囲であることがより好ましい。すなわち、前記ポリウレタン(a)としては、2個以上の水酸基を有するものであることが好ましく、2〜4個の範囲の水酸基を有するものであることがより好ましい。また、前記ポリウレタン(a)製造後、残存するイソシアネート基を失活させることを目的として、1,3−ブタンジオールやメタノール等のアルコールを使用してもよい。
【0056】
前記ポリイソシアネート(b)としては、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネートを使用することができる。前記ポリイソシアネート(b)としては、イソシアネート基を3個有するものを使用することが好ましく、それとイソシアネート基を2個有するものとを組合せ使用することが、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0057】
前記イソシアネート基を3個有するポリイソシアネートとイソシアネート基を2個有するポリイソシアネートとを組合せ使用する場合、それらの質量比は、[イソシアネート基を3個有するポリイソシアネート:イソシアネート基を2個有するポリイソシアネート]=2:8〜7:3の範囲であることが、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能な粘着テープを得るうえで好ましい。
【0058】
前記ポリイソシアネート(b)としては、例えばフェニル基、ナフタレン基等の芳香族環式構造を有するポリイソシアネート、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の脂肪族環式構造を有するポリイソシアネートを使用することができる。前記芳香族環式構造としては、含窒素複素環構造を使用することもできるが、前記環式構造が窒素原子を含まない構造であることがより好ましい。
【0059】
前記粘着剤としては、前記ポリウレタン(a)及び前記ポリイソシアネート(b)の他に、必要に応じてその他の架橋剤を含有するものを使用することができる。
【0060】
前記その他の架橋剤としては、
前記粘着剤は、例えばカーボネート結合を有するポリウレタン(a)またはそれを含む組成物と、ポリイソシアネート(b)とを混合することによって製造することができる。また、前記混合後、前記ポリウレタン(a)とポリイソシアネート(b)との一部が反応してもよいが、前記粘着剤の塗工のしやすさ等を維持するうえで、できるだけ反応していないことが好ましい。
【0061】
また、前記粘着剤としては、前記したもののほかに必要に応じて水や有機溶剤等の溶媒を含有するものを使用することができ、界面活性剤に起因した前記接着力の低下を抑制するうえで、前記溶媒として有機溶剤を含有するものを使用することが好ましい。
【0062】
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素溶剤などを単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
【0063】
前記有機溶剤の使用量は、より一層優れた塗工性及び乾燥性を付与するうえで粘着剤の全量に対して20質量%〜80質量%の範囲であることが好ましく、30質量%〜70質量%の範囲であることがより好ましい。
【0064】
前記粘着剤としては、前記した成分の他に、必要に応じてその他の添加剤を含有するものを使用することができる。
【0065】
前記その他の添加剤としては、例えば、防錆剤、チキソ付与剤、分散剤、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、粘着付与剤、整泡剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0066】
本発明の粘着テープの製造方法としては、例えばカーボネート結合を有するポリウレタン(a)とポリイソシアネート(b)と必要に応じて溶媒とを含有する粘着剤を、離型ライナーまたは基材(中芯)に塗工した後、加熱することによって、前記粘着層を形成する方法が挙げられる。
【0067】
具体的には、基材を有する粘着テープであれば、基材の片面または両面に前記粘着剤を塗工し、加熱乾燥等することによって製造する方法(直接法)、または、離型ライナーの表面に前記粘着剤を塗工し加熱乾燥等することによって粘着層を形成した後、前記粘着層を、前記基材の片面または両面に転写することによって製造する方法(転写法)が挙げられる。
【0068】
また、前記基材レスの粘着テープの製造方法としては、例えば離型ライナーの表面に粘着剤を塗工し加熱乾燥等することによって粘着層を形成する方法が挙げられる。
【0069】
前記基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンエチレンビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドなどを用いて得られるシート又はフィルム;ガラス等の非発泡のフィルム基材を使用することができる。これらの基材の表面は、離型処理、帯電防止処理、コロナ処理等が施されていてもよい。
【0070】
また、前記基材としては、発泡体基材を使用してもよい。前記発泡体基材としては、例えばポリオレフィン系発泡体、ポリウレタン系発泡体、アクリル系発泡体、その他のゴム系発泡体等を使用することができる。前記発泡体基材の表面は、離型処理、帯電防止処理、コロナ処理等が施されていてもよい。
【0071】
前記基材として、前記非発泡のフィルム基材を使用する場合、その厚さは粘着テープが使用される用途に応じて決定されるが、例えば、5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲であることがより好ましく、10μm〜30μmの範囲であることがさらに好ましい。
【0072】
また、前記基材として、前記発泡体基材を使用する場合、その厚さは粘着テープが使用される用途に応じて決定されるが、例えば、60μm〜400μmの範囲であることが好ましく、70μm〜200μmの範囲であることがより好ましく、80μm〜150μmの範囲であることが、被着体が剛体である場合にそれらの貼付性が向上するためさらに好ましい。
【0073】
前記粘着剤を前記基材または離型ライナーに塗工する方法としては、例えば、アプリケーター、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、スプレーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター等を使用する方法が挙げられる。
【0074】
前記粘着剤を乾燥させる方法としては、例えば、50℃〜120℃で30秒〜10分間乾燥させる方法が挙げられる。また、前記乾燥後、硬化反応を促進する点から、30℃〜50℃の範囲で更にエージングを行っても良い。
【0075】
以上の方法で得られた粘着テープの接着力は、好ましくは1N/10mm〜20N/10mmの範囲であり、より好ましくは2N/10mm〜16N/10mmの範囲であり、更に好ましくは5N/10mm〜12N/10mmの範囲である。なお、前記粘着テープの接着力は、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0076】
本発明の粘着テープは、前記ポリウレタン(A)を含有する粘着層を採用することによって、良好な接着力を有し、かつ、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても、著しい接着力の低下を引き起こすとなく、長期間にわたり良好な接着力を維持可能なものである。
【0077】
したがって、本発明の粘着テープは、携帯電子端末やタブレットパソコン等を構成するきょう体の貼り合せに用いられる両面粘着テープ、前記きょう体の表面に意匠性を付与するラベル、防水テープ、医療用粘着テープ等の様々な分野で好適に使用することができる。
【実施例】
【0078】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【0079】
[合成例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートポリオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールT5652」、数平均分子量;2,000)を558質量部、1,4−ブタンジオールを17質量部、ジフェニルメタンジイソシアネートを87質量部、トリフェニルホスファイトを0.7質量部、ジメチルホルムアミドを357質量部仕込み、80℃まで加温して反応させた。イソシアネート基含有率が目標値になったことを確認した後、70℃まで冷却した。
【0080】
その後、残存するイソシアネート基を失活させる目的で1,3−ブタンジオールを0.6質量部加えて、70℃で1時間加温し、冷却することによって、固形分;65質量%、粘度;45,000mPa・s、重量平均分子量;17,148のポリウレタン(A−1)を得た。
【0081】
[合成例2]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートポリオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールT5652」、数平均分子量;2,000)を850質量部、エチレングリコール17質量部、ジフェニルメタンジイソシアネートを133質量部、トリフェニルホスファイト1質量部、ジメチルホルムアミドを1,000質量部仕込み、80℃まで加温して反応させた。イソシアネート基含有率が目標値になったことを確認した後、70℃まで冷却した。
【0082】
その後、1,3−ブタンジオールを1質量部加えて、70℃で1時間加温し、冷却することによって、固形分;50質量%、粘度;3,800mPa・s、重量平均分子量;15,961のポリウレタン(A−2)を得た。
【0083】
[合成例3]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートポリオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールT5652」、数平均分子量;2,000)を850質量部、エチレングリコール17質量部、ジフェニルメタンジイソシアネートを126質量部、クルードジフェニルメタンジイソシアネートを7質量部、トリフェニルホスファイト1質量部、ジメチルホルムアミドを500質量部、酢酸エチルを500質量部仕込み、75℃まで加温して反応させた。イソシアネート基含有率が目標値になったことを確認した後、70℃まで冷却した。
【0084】
その後、1,3−ブタンジオールを1質量部加えて、70℃で1時間加温し、冷却することによって、固形分;50質量%、粘度;6,870mPa・s、重量平均分子量;12,581のポリウレタン(A−5)を得た。
【0085】
[調製例1]粘着剤組成物(a−1)の調製
前記ポリウレタン(A−1)100質量部と、クルードジフェニルメタンジイソシアネートを0.8質量部とを混合することによって、粘着剤組成物(a−1)を得た。
【0086】
[調製例2]粘着剤組成物(a−2)の調製
前記ポリウレタン(A−2)100質量部と、クルードジフェニルメタンジイソシアネートを0.8質量部とを混合することによって、粘着剤組成物(a−2)を得た。
【0087】
[調製例3]粘着剤組成物(a−3)の調製
前記ポリウレタン(A−2)100質量部と、クルードジフェニルメタンジイソシアネートを0.5質量部と、イソホロンジイソシアネートを0.27質量部とを混合することによって、粘着剤組成物(a−3)を得た。
【0088】
[調製例4]粘着剤組成物(a−4)の調製
前記ポリウレタン(A−2)100質量部と、クルードジフェニルメタンジイソシアネートを0.5質量部と、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名「コロネートMX」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.34質量部とを混合することによって、粘着剤組成物(a−4)を得た。
【0089】
[調製例5]粘着剤組成物(a−5)の調製
前記ポリウレタン(A−3)100質量部と、クルードジフェニルメタンジイソシアネートを0.43質量部とを混合することによって、粘着剤組成物(a−5)を得た。
【0090】
[調製例6]粘着剤組成物(a−6)の調製
前記ポリウレタン(A−3)100質量部と、クルードジフェニルメタンジイソシアネートを0.12質量部と、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名「コロネートMX」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.35質量部とを混合することによって、粘着剤組成物(a−6)を得た。
【0091】
[実施例1]
調製例1で得た粘着剤組成物(a−1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着層の厚さが20μmとなるように塗工し、120℃で3分間乾燥させることによって、厚さ20μmの粘着層(a−1)を2枚作製した。
【0092】
次に、23℃環境下で、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に、前記厚さ20μmの粘着層(a−1)を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
【0093】
その後、40℃の環境下で72時間熟成させることによって、厚さ52μmの両面粘着テープを得た。なお、前記両面粘着テープを構成する粘着層(a−1)のゲル分率は32質量%であった。前記ゲル分率は、以下の方法で評価した値である。以下、粘着剤組成物(a−2)〜(a−4)を用いて得られた粘着層のゲル分率も、前記と同様の方法で算出した。
【0094】
両面粘着テープを、長さ50mm×幅40mmの大きさ(面積20cm
2)に切断したものを試験片とした。なお、前記両面粘着テープの製造する前に、その製造に使用した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの質量(G
0)を測定した。
【0095】
次に、上記試験片の質量(G
1)を測定した。次に、上記試験片をトルエンに25℃の環境下で24時間浸漬した後、それを300メッシュの金網で濾過することにより、トルエンに不溶であった残渣を分離し、105℃で1時間乾燥して得た残渣の質量(G2)を測定した。前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの質量(G
0)と、前記浸漬前の試験片の質量(G
1)と、前記残渣の質量(G
2)の値と、下記式に従って、ゲル分率を算出した。
【0096】
ゲル分率(質量%)=[(G
2−G
0)/(G
1−G
0)]×100
【0097】
[実施例2]
前記粘着剤組成物(a−1)の代わりに、前記粘着剤組成物(a−2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ52μmの両面粘着テープを得た。前記両面粘着テープを構成する粘着層(a−2)のゲル分率は35質量%であった。
【0098】
[実施例3]
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、ボラーラ#018001黒(積水化学工学株式会社製、発泡体基材、厚さ100μm)を使用し、その両面に設ける粘着層の厚さを20μmから厚さ25μmに変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。
【0099】
[実施例4]
粘着剤組成物(a−2)の代わりに、前記粘着剤組成物(a−3)を使用すること以外は、実施例3と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。前記両面粘着テープを構成する粘着層(a−3)のゲル分率は31質量%であった。
【0100】
[実施例5]
粘着剤組成物(a−2)の代わりに、前記粘着剤組成物(a−4)を使用すること以外は、実施例3と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。前記両面粘着テープを構成する粘着層(a−4)のゲル分率は33質量%であった。
【0101】
[実施例6]
粘着剤組成物(a−2)の代わりに、前記粘着剤組成物(a−5)を使用すること以外は、実施例3と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。前記両面粘着テープを構成する粘着層(a−6)のゲル分率は37質量%であった。
【0102】
[実施例7]
粘着剤組成物(a−2)の代わりに、前記粘着剤組成物(a−6)を使用すること以外は、実施例3と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。前記両面粘着テープを構成する粘着層(a−7)のゲル分率は31質量%であった。
【0103】
[比較合成例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートポリオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノールT5652」、数平均分子量;2,000)を558質量部、1,4−ブタンジオールを17質量部、ジフェニルメタンジイソシアネートを87質量部、トリフェニルホスファイトを0.7質量部、ジメチルホルムアミドを357質量部仕込み、80℃まで加温して反応させた。イソシアネート基含有率が目標値になったことを確認した後、70℃まで冷却した。
【0104】
その後、残存するイソシアネート基を失活させる目的で1,3−ブタンジオールを0.6質量部加えて、70℃で1時間加温し、冷却することによって、固形分;65質量%、粘度;45000mPa・s、重量平均分子量;17148のポリウレタン(A−1)を得た。
【0105】
次に、前記ポリウレタン(A−1)100質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物(DIC株式会社製「バーノックDN−980」)1.2質量部と、ウレタン化触媒(DIC株式会社製「T−81E」1質量部とを混合することによって、粘着剤組成物(a’−1)を得た。
【0106】
[比較例1]
前記粘着剤組成物(a−1)の代わりに、前記粘着剤組成物(a’−1)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ52μmの両面粘着テープを得た。前記両面粘着テープを構成する粘着層(a’−1)のゲル分率は47質量%であった。
【0107】
[接着力の測定方法]
実施例及び比較例で得られた両面粘着テープの一方の面側の離型ライナーを剥離し、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちし、10mm幅に裁断したものを試験片とした。
【0108】
前記試験片の他方の粘着層側の離型ライナーを剥離し、ステンレス(SUS)板の表面に貼付した後(接着面積10mm×80mm)、その上面を、2kgロールを2往復させ圧着することによって貼付物を得た。
【0109】
前記貼付物を23℃及び50%RHの雰囲気下で24時間放置した後、60℃及び90%RHの雰囲気下で3日間放置した。その後、23℃及び50%RHに24時間放置した。
【0110】
次に、23℃及び50%RHの雰囲気下でJISK6848−1974に準拠して前記貼付物の180度剥離強度(N/10mm)を測定した。
【0111】
[耐オレイン酸性の評価方法]
前記[接着力の測定方法]と同様の方法で作製した貼付物を、23℃及び50%RHの雰囲気下に24時間放置した後、濃度99質量%のオレイン酸溶液に浸漬した状態で、60℃及び90%RHの雰囲気下で3日間放置した。
【0112】
その後、前記溶液から前記貼付物を取り出し、洗浄した後、23℃及び50%RHに24時間放置した。
【0113】
次に、前記貼付物を構成する前記試験片の180°剥離強度を、23℃及び50%RHの雰囲気下でJISK6848−1974に準拠して測定した。
【0114】
[耐アルコール性の評価方法]
前記[接着力の測定方法]と同様の方法で作製した貼付物を、23℃及び50%RHの雰囲気下に24時間放置した後、濃度80質量%のイソプロピルアルコール水溶液または80質量%のエタノール水溶液に浸漬した状態で、60℃及び90%RHの雰囲気下で3日間放置した。
【0115】
その後、前記溶液から前記貼付物を取り出し、洗浄した後、23℃及び50%RHに24時間放置した。
【0116】
次に、前記貼付物を構成する前記試験片の180°剥離強度を、23℃及び50%RHの雰囲気下でJISK6848−1974に準拠して測定した。
【0117】
[耐人工皮脂性の評価方法]
前記[接着力の測定方法]と同様の方法で作製した貼付物を、23℃及び50%RHの雰囲気下に24時間放置した後、人工皮脂(ホホバ油31質量%、パーム油39質量%、オレイン酸12質量%及びパルミチン酸18質量%の混合物)に浸漬した状態で、60℃及び90%RHの雰囲気下で3日間放置した。
【0118】
その後、前記人工皮脂から前記貼付物を取り出し、洗浄した後、23℃及び50%RHに24時間放置した。
【0119】
次に、前記貼付物を構成する前記試験片の180°剥離強度を、23℃及び50%RHの雰囲気下でJISK6848−1974に準拠して測定した。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】