【解決手段】ADC30は、基準電圧vrefの分圧電圧を出力する抵抗ラダー回路44と、コンデンサC1〜C9の一端を信号線L1及び信号線L2のいずれかに切替可能に接続するスイッチング素子SWC1〜SWC9、及びコンデンサC10の一端を抵抗ラダー回路44及び信号線L2のいずれかに切替可能に接続するスイッチング素子SWC10を含むスイッチング素子群SWCと、入力電圧Vxと閾値電圧Vthとの比較結果を表す信号を出力する比較回路48と、比較結果を複数のビットの各々の値とした出力信号outを出力する逐次比較レジスタ42と、信号線L2と抵抗ラダー回路44との間に設けられ抵抗ラダー回路44の動作状態を検出する場合、信号線L2と抵抗ラダー回路44とを電気的に接続するテスト回路50を備える。
前記第2信号線と前記抵抗ラダー回路とを前記第1テスト回路により電気的に接続し、前記出力部から出力された前記デジタル信号に基づいて、前記抵抗ラダー回路の動作状態を検出する第1検出部をさらに備えた、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
前記第2テスト回路により前記記憶部に入力される信号を前記所定の信号に切り替え、前記出力部から出力された前記デジタル信号に基づいて、前記記憶部の動作状態を検出する第2検出部をさらに備えた、
請求項6に記載の半導体装置。
アナログ信号を複数のビットからなるデジタル信号に変換する半導体装置であって、各々重み付けされた大きさの容量を備え、前記アナログ信号に応じた電荷を各々蓄積する、互いに並列に接続された複数のコンデンサと、前記デジタル信号の、所定の下位側の複数のビットの数に応じて基準電圧を分圧した分圧電圧を出力する抵抗ラダー回路と、前記複数のコンデンサのうち、最も重み付けが小さな1つのコンデンサ以外のコンデンサ各々の一端を、前記基準電圧が供給される第1信号線および、前記アナログ信号が供給される第2信号線のいずれかに切替可能に接続する複数の第1スイッチング素子、及び前記最も重み付けが小さな1つのコンデンサの一端を、前記抵抗ラダー回路及び、前記第2信号線のいずれかに切替可能に接続する第2スイッチング素子を含むスイッチング素子群と、前記複数のコンデンサ各々の他端に入力端子が電気的に接続され、前記入力端子の電圧と所定の電圧とを比較した比較結果を表す信号を出力する比較回路と、前記比較回路の比較結果を前記複数のビットの各々の値とした前記デジタル信号を出力する出力部と、を備えた半導体装置の前記抵抗ラダー回路の動作状態のテスト方法であって、
第1テスト回路により、前記第2信号線と前記抵抗ラダー回路とを電気的に接続し、
前記半導体装置により、前記抵抗ラダー回路から出力された分圧電圧をデジタル信号に変換し、
検出部により、前記分圧電圧が変換された前記デジタル信号に基づいて、前記抵抗ラダー回路の動作状態を検出する、
処理を含むテスト方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
【0015】
まず、本実施形態の電池監視システムについて説明する。
図1には、本実施形態の電池監視システム10の一例の概略を表す構成図を示す。
【0016】
本実施形態の電池監視システム10は、
図1に示すように、電池セル群12、電池監視LSI(large scale integrated circuit)14、及びマイクロコンピュータ16を備える。
【0017】
本実施形態の電池セル群12は、一例として
図1に示すように、直列に接続された3個の電池セルV1〜V3を備える。電池セルV1〜V3は、低電位側からV1、V2、V3の順で配置されている。なお、以下では、電池セルV1〜V3の個々を区別せずに総称する場合は、個々を表す符号1〜3の記載を省略して「電池セルV」という。なお、電池セル群12が備える電池セルVの数は、任意であり、本実施形態の数(3個)に限定されない。
【0018】
マイクロコンピュータ16は、電池監視LSI14による、電池セル群12に含まれる各電池セルVcの電池電圧の検出、及び詳細を後述するADC30における動作テストに関する制御を行う。なお、本実施形態において、電池監視LSI14及びマイクロコンピュータ16は、それぞれ、別個の半導体チップとして構成されている。
【0019】
電池監視LSI14は、電池セル群12に含まれる電池セルVの各々の電圧状態を監視する。本実施形態では、電池監視LSI14が本発明の半導体装置に対応する。電池監視LSI14は、
図1に示すように、端子21〜25、セル選択スイッチ26、アナログレベルシフタ28、ADC(analog to digital converter)30、及びチップ内制御部32を備える。
【0020】
端子21〜24は、電池監視LSI14が電池セル群12と電気的に接続されるための電極パッドである。端子21は、電池セルV1の負極に接続されると共に接地されている。端子22は、電池セルV1の正極(電池セルV2の負極)に接続されている。端子23は、電池セルV2の正極(電池セルV3の負極)に接続されている。端子24は、電池セルV3の正極に接続されている。
【0021】
端子25は、電池監視LSI14がマイクロコンピュータ16と電気的に接続されるための電極パッドである。端子25からは、チップ内制御部32からマイクロコンピュータ16へ送信される信号が出力される。また、端子25には、マイクロコンピュータ16からチップ内制御部32に送信される信号が入力される。
【0022】
セル選択スイッチ26は、端子21〜24に接続されており、チップ内制御部32から供給される制御信号に応じて電池セル群12のうちから選択された1つの電池セルVの正極及び負極の各々の電圧を出力する。
【0023】
アナログレベルシフタ28は、セル選択スイッチ26から出力された電池セルVの正極電圧と負極電圧との差分である差分電圧ainを、グランド電位を基準としたレベルで出力する差分電圧出力回路である。
【0024】
ADC30は、アナログレベルシフタ28から出力された差分電圧ainに応じたデジタル信号を生成し、生成したデジタル信号を出力信号outとしてチップ内制御部32に出力する。
【0025】
チップ内制御部32は、マイクロコンピュータ16から供給される制御信号に応じてセル選択スイッチ26、及びADC30を制御する。また、チップ内制御部32は、ADC30から出力されるセル電圧の測定結果を示す出力信号out及びADC30の逐次比較レジスタ42(
図2参照)及び抵抗ラダー回路44(
図2参照)の動作状態の検出結果等をマイクロコンピュータ16に送信する。
【0026】
次に、本実施形態のADC30について詳細に説明する。
【0027】
図2には、ADC30の回路構成の一例を示す。ADC30は、一例として、14ビットの分解能を有する逐次比較型コンパレータである。
図2に示すように、ADC30は、制御回路40、逐次比較レジスタ42、抵抗ラダー回路44、比較回路48、スイッチング素子SWTを有するテスト回路50、及びMUX(multiplexer)46を有するテスト回路52を備える。また、ADC30は、スイッチング素子SWI、スイッチング素子SWG、スイッチング素子群SWC、スイッチング素子SWcomp、互いに並列に接続されたコンデンサC1〜C10を備える。以下では、コンデンサC1〜C10の個々を区別せずに総称する場合は、個々を表す符号1〜10の記載を省略して「コンデンサC」という。また、ADC30内の上述したスイッチング素子について個々を区別せずに総称する場合は、個々を区別するための符号を省略して「スイッチング素子SW」という。
【0028】
コンデンサCの数は、コンデンサCにより変換するデジタル信号の上位ビット数に応じて定められ、具体的には、コンデンサCの数は上位ビット数に1を加えた数となる。本実施形態では、一例として、第14ビット目〜第6ビット目の9ビットを上位ビット、第5ビット目〜第1ビット目の5ビットを下位ビットとしている。そのため、上述したように、ADC30は、10個のコンデンサCを備える。
【0029】
制御回路40は、チップ内制御部32から入力される制御信号1に基づいて、ADC30全体の動作を制御する。具体的には、制御回路40は、制御信号1に基づいて、スイッチング素子SWI、スイッチング素子SWG、スイッチング素子群SWC、スイッチング素子SWcomp、及びスイッチング素子SWTのオン、オフを制御する。また、制御回路40は、逐次比較レジスタ42、MUX46、及び抵抗ラダー回路44を制御する。
【0030】
逐次比較レジスタ42は、テスト回路52のMUX46から入力された信号を格納する、14ビットのレジスタである。逐次比較レジスタ42は、格納した14ビットの信号を、出力信号outとしてチップ内制御部32へ出力する。
【0031】
テスト回路52は、逐次比較レジスタ42の動作状態を検出するためのテストを行うための回路である。本実施形態のテスト回路52は、
図2に示すようにMUX46を有する。
【0032】
MUX46には、チップ内制御部32から入力される制御信号2、及び比較回路48から出力される信号が入力される。MUX46は、制御回路40の制御に応じて、制御信号2及び比較回路48から出力される信号のいずれかを逐次比較レジスタ42へ出力する。
【0033】
コンデンサC、スイッチング素子群SWC、及び抵抗ラダー回路44は、差分電圧ainのサンプルホールド回路として機能する。各コンデンサCは、一端が比較回路48の入力端子に接続されており、他端がスイッチング素子群SWCに接続されている。本実施形態のADC30では、各コンデンサCの容量値には重み付けがなされており、コンデンサC10の容量をCとすると、コンデンサC1の容量は256C、コンデンサC2の容量は128C、コンデンサC3の容量は64C、コンデンサC4の容量は32C、コンデンサC5の容量は16C、コンデンサC6の容量は8C、コンデンサC7の容量は4C、コンデンサC8の容量は2C、及びコンデンサC9の容量はCとなっている。なお、以下では、コンデンサC10の容量をCとした場合の各コンデンサCの容量を用いて説明を行う。
【0034】
スイッチング素子群SWCは、
図2に示すように、各コンデンサCの各々に対応する、スイッチング素子SWC1〜SWC10を有する。スイッチング素子SWC1〜SWC10は、制御回路40の制御により、各コンデンサCの他端を、信号線L1、または信号線L2と接続する。具体的には、スイッチング素子SWC1〜SWC10は、オン状態の場合、各コンデンサCの他端と信号線L1とを接続する。信号線L1には、基準電圧vrefが供給される。スイッチング素子SWC1〜SWC10は、オフ状態の場合、各コンデンサCの他端と信号線L2とを接続する。信号線L2には、差分電圧ain、電源電圧vss(一例として接地電圧)、及び抵抗ラダー回路44から出力された電圧のいずれかが供給される。
【0035】
スイッチング素子SWIは、制御回路40の制御に応じてオン/オフし、スイッチング素子SWIがオン状態の場合に、差分電圧ainが信号線L2に供給される。
【0036】
スイッチング素子SWGは、制御回路40の制御に応じてオン/オフし、スイッチング素子SWGがオン状態の場合に、電源電圧vssが信号線L2に供給される。
【0037】
比較回路48は、入力電圧Vxを閾値電圧Vthと比較した比較結果をテスト回路52のMUX46に出力する。入力電圧Vxが閾値電圧Vth以上の場合(Vx≧Vth)、比較回路48から出力される信号はLレベルになる。比較回路48から出力される信号がLレベルの場合、変換結果(デジタル値)は「0」になる。一方、入力電圧Vxが閾値電圧Vth未満の場合(Vx<Vth)、比較回路48から出力される信号はHレベルになる。比較回路48から出力される信号がHレベルの場合、変換結果(デジタル値)は「1」になる。なお、本実施形態では、比較回路48の一例としてチョッパ型コンパレータを用いている。
【0038】
スイッチング素子SWcompは、制御回路40の制御に応じてオン/オフし、スイッチング素子SWcompがオン状態の場合に、比較回路48の入力と出力とが接続される。
【0039】
本実施形態の抵抗ラダー回路44は、
図3に示した一例のように、直列に接続された抵抗素子R1〜R32と、スイッチング素子群SWRを備える。スイッチング素子群SWRは、スイッチング素子SWR1〜SWR31を備える。抵抗素子R1〜R32は、上述した下位ビット数(本実施形態では5ビット)に応じて、基準電圧vrefを分圧した分圧電圧を生成する。本実施形態では、抵抗素子R1〜R32の抵抗値は全て同じ(但し、誤差やばらつきは無視する)である。スイッチング素子群SWRは、
図3に示すように、制御回路40の制御に応じて、スイッチング素子SWR1〜SWR31が選択的にオン/オフし、抵抗素子R1〜R32により基準電圧vrefを分圧して生成された各分圧電圧をスイッチング素子SWC10及び信号線L2に出力する。
【0040】
テスト回路50は、抵抗ラダー回路44の動作状態を検出するためのテストを行うための回路である。本実施形態のテスト回路50は、
図2に示すようにスイッチング素子SWTを有する。
【0041】
スイッチング素子SWTは、制御回路40の制御に応じてオン/オフし、オン状態の場合に、抵抗ラダー回路44から出力された分圧電圧を信号線L2に供給する。
【0042】
次に、本実施形態のADC30の動作について説明する。
【0043】
まず、本実施形態のADC30による、AD変換動作(以下、「通常動作」という)について説明する。
【0044】
本実施形態の電池監視システム10では、電池セル群12の各電池セルVの電池電圧の監視(測定)を行う場合に、測定の実行を指示する制御信号をマイクロコンピュータ16が電池監視LSI14に出力する。当該制御信号に応じて、電池監視LSI14のチップ内制御部32は、セル選択スイッチ26やADC30を制御して各電池セルVの電池電圧を測定し、測定結果(ADC30から出力される出力信号out)をマイクロコンピュータ16に出力する。
【0045】
本実施形態のADC30は、チップ内制御部32の制御に応じて、
図4に示した通常動作を実行することにより、アナログ信号の差分電圧ainをデジタル信号の出力信号outに変換して出力する。なお、通常動作中は、制御回路40は、テスト回路50のスイッチング素子SWTをオフ状態のままとする。また、通常動作中は、制御回路40は、比較回路48から出力された信号が逐次比較レジスタ42に入力されるよう、テスト回路52のMUX46を制御する。また、以下では、差分電圧ain=3V、基準電圧vref=5V、及び閾値電圧Vth=vref/2=2.5Vである場合を具体例として用いて説明する。
【0046】
まず、ステップS100でADC30の制御回路40は、差分電圧ainを各コンデンサCにチャージさせる。なお、以下では、当該動作をサンプルホールド(S/H)動作という。
【0047】
具体的には、制御回路40は、スイッチング素子SWI、スイッチング素子SWcompをオン状態にし、その他のスイッチング素子SWをオフ状態にする。
【0048】
スイッチング素子SWcompがオン状態のため、入力電圧Vxは比較回路48の閾値電圧Vthとなる(Vx=Vth)。従って、各コンデンサCには、差分電圧ainと閾値電圧Vthとの差(ain−Vth)の電圧がチャージされる。また、各コンデンサCの容量値の合計は、下記(1)式より、512Cとなる。
【0049】
256C+128C+64C+32C+16C+8C+4C+2C+C+C=512C ・・・(1)
従って、コンデンサCに蓄積される電荷の総量は、下記(2)式により得られる。
【0050】
電荷の総量=512C×(ain−Vth) ・・・(2)
次に、ステップS102で制御回路40は、上位ビット(第14ビット目(最上位)〜第6ビット目)の変換を順次、行う。
【0051】
具体的には、まず、第14ビット目の変換では、制御回路40は、スイッチング素子SWG及びスイッチング素子SWC1をオン状態にし、その他の全てのスイッチング素子SWをオフ状態にする。この場合、コンデンサC1に蓄積される電荷量は、256C×(vref−Vx)となる。また、コンデンサC2〜C10に蓄積される電荷量の合計は、256C×Vxとなる。この場合のコンデンサCに蓄積される電荷の総量は、下記(3)式により得られる。
【0052】
電荷の総量=256C×(vref−Vx)−256C×Vx ・・・(3)
従って、上記(2)式及び(3)式から、電荷保存の法則より、下記(4)式が成り立つ。(4)式から、入力電圧Vxは、下記(5)式により得られる。
【0053】
512C(ain−Vth)=256C×(vref−Vx)−256C×Vx ・・・(4)
Vx={256×vref−512×(ain−Vth)}/512 ・・・(5)
上述した具体例では、上記(5)式より、入力電圧Vx=2Vとなり、比較回路48には、2Vの入力電圧Vxが入力される。入力電圧Vxの方が、閾値電圧Vth(2.5V)よりも小さい(Vx<Vth)ため、比較回路48から出力される信号はHレベルとなる。従って、第14ビット目の変換結果は、「1」となる。
【0054】
次に、第13ビット目の変換では、第14ビット目の変換結果が「1」であったため、制御回路40は、スイッチング素子SWC1をオン状態にする。なお、この際、上述したように既にスイッチング素子SWC1はオン状態なので、オン状態を維持させればよい。本実施形態では、スイッチング素子SWのオン/オフについて、オン状態/オフ状態を維持させる場合であっても、このように、「オン状態にする」や「オフ状態にする」等と称する。
【0055】
また、制御回路40は、スイッチング素子SWG及びスイッチング素子SWC2をオン状態にし、その他の全てのスイッチング素子SWをオフ状態にする。この場合、コンデンサC1、C2に蓄積される電荷量の合計は、384C×(vref−Vx)となる。また、コンデンサC3〜C10に蓄積される電荷量の合計は、128C×Vxとなる。第14ビット目の変換を行った場合と同様に、電荷保存の法則を用いると、コンデンサCに蓄積される電荷の総量から入力電圧Vxは、下記(6)式により得られる。
【0056】
Vx={384×vref−512×(ain−Vth)}/512 ・・・(6)
上述した具体例では、上記(6)式より、入力電圧Vx=3.25Vとなる。入力電圧Vxの方が、閾値電圧Vth(2.5V)よりも大きい(Vx>Vth)ため、比較回路48から出力される信号はLレベルとなる。従って、第13ビット目の変換結果は、「0」となる。
【0057】
次に、第12ビット目の変換では、第14ビット目の変換結果が「1」、及び第13ビット目の変換結果が「0」であったため、制御回路40は、スイッチング素子SWC1をオン状態にし、スイッチング素子SWC2をオフ状態にする。また、制御回路40は、スイッチング素子SWG及びスイッチング素子SWC3をオン状態にし、その他の全てのスイッチング素子SWをオフ状態にする。この場合、コンデンサC1、C3に蓄積される電荷量の合計は、320C×(vref−Vx)となる。また、コンデンサC3〜C10に蓄積される電荷量の合計は、192C×Vxとなる。14ビットの変換を行った場合と同様に、電荷保存の法則を用いると、コンデンサCに蓄積される電荷の総量から入力電圧Vxは、下記(7)式により得られる。
【0058】
Vx={320×vref−512×(ain−Vth)}/512 ・・・(7)
上述した具体例の値を用いると、上記(7)式より、入力電圧Vx=2.625Vとなる。入力電圧Vxの方が、閾値電圧Vthよりも大きい(Vx>Vth)ため、比較回路48から出力される信号はLレベルとなる。従って、第12ビット目の変換結果は、「0」となる。
【0059】
以下、第11ビット目〜第6ビット目の変換も上述の変換動作と同様に行うことにより、ADC30は、上述した具体例の場合、第14ビット目=「1」、第13ビット目=「0」、第12ビット目=「0」、第11ビット目=「1」、第10ビット目=「1」、第9ビット目=「0」、第8ビット目=「0」、第7ビット目=「1」、及び第6ビット目=「1」に変換する。
【0060】
次に、ステップS104で制御回路40は、下位ビット(第5ビット目〜第1ビット目(最下位))の変換を順次、行う。
【0061】
具体的には、まず、第5ビット目の変換では、制御回路40は、上述した第14ビット目〜第6ビット目の変換結果に応じて、スイッチング素子群SWCのオン/オフを制御する。本実施形態では、制御回路40は、ビット数を「x」とすると、「1」に変換されたビットに対応するスイッチング素子SWC(15−n)をオン状態にし、「0」に変換されたビットに対応するスイッチング素子SWC(15−n)をオフ状態にする。上述した具体例の場合、制御回路40は、スイッチング素子SWC1、SWC4、SWC5、SWC8、SWC9をオン状態にし、スイッチング素子SWC2、SWC3、SWC6、SWC7をオフ状態にする。また、制御回路40は、スイッチング素子SWC10をオン状態にする。
【0062】
また、制御回路40は、スイッチング素子SWGをオン状態にし、また、比較回路48から基準電圧vrefの1/2の電圧を出力させるためにスイッチング素子SWR16をオン状態にし、さらに、その他のスイッチング素子SWをオフ状態にする。
【0063】
なお、第5ビット目〜第1ビット目の変換動作において、スイッチング素子群SWR以外の全てのスイッチング素子SWのオン/オフは、同一の状態に制御されるため、以下では、スイッチング素子群SWRのオン/オフについてのみ説明する。
【0064】
コンデンサC1、C4、C5、C8、C9に蓄積された電荷量の合計は、307C×(vref−Vx)、コンデンサC2、C3、C6、C7に蓄積された電荷量の合計は、204C×Vx、及びコンデンサC10に蓄積された電荷は、c×(Vx−1/2Vref)となる。
【0065】
上述したように、電荷保存の法則を用いると、入力電圧Vxは、下記(8)式により得られる。
【0066】
Vx={307.5×vref-512×(ain−Vth)}/512 ・・・(8)
上述した具体例では、上記(8)式より、入力電圧Vx=2.50293Vとなる。入力電圧Vxの方が、閾値電圧Vth(2.5V)よりも大きい(Vx>Vth)ため、比較回路48から出力される信号はLレベルとなる。従って、第5ビット目の変換結果は、「0」となる。
【0067】
次に、第4ビット目の変換では、制御回路40は、第5ビット目の変換結果が「0」であるため、基準電圧vrefの1/2の電圧の1/2の電圧(基準電圧vrefの1/4の電圧)を出力させるためにスイッチング素子SWR24をオン状態にし、他のスイッチング素子SWRをオフ状態にする。
【0068】
コンデンサC1、C4、C5、C8、C9に蓄積された電荷量の合計、及びコンデンサC2、C3、C6、C7に蓄積された電荷量の合計は、上述した第5ビット目の変換時と同様である。一方、コンデンサC10に蓄積された電荷は、c×(Vx−1/4vref)となる。
【0069】
上述したように、電荷保存の法則を用いると、入力電圧Vxは、下記(9)式により得られる。
【0070】
Vx={307.25×vref-512×(ain−Vth)}/512 ・・・(9)
上述した具体例では、上記(9)式より、入力電圧Vx=2.5000488Vとなる。入力電圧Vxの方が、閾値電圧Vth(2.5V)よりも大きい(Vx>Vth)ため、比較回路48から出力される信号はLレベルとなる。従って、第4ビット目の変換結果は、「0」となる。
【0071】
なお、第5ビット目の変換結果が「1」の場合、制御回路40は、基準電圧vrefと基準電圧vrefの1/2の電圧との間の電圧(基準電圧vrefの3/4の電圧)を出力させるためにスイッチング素子SWR8をオン状態にし、他のスイッチング素子SWRをオフ状態にする。
【0072】
以下、第3ビット目〜第1ビット目の変換も上述の変換動作と同様に行う。なお、上述した具体例では、第3ビット目の変換動作では、制御回路40は、スイッチング素子SWR28をオン状態にし、抵抗ラダー回路44から出力される電圧を4/32vrefとする。また、第2ビット目の変換動作では、制御回路40は、スイッチング素子SWR26をオン状態にし、抵抗ラダー回路44から出力される電圧を6/32vrefとする。さらに、第1ビット目の変換動作では、制御回路40は、スイッチング素子SWR25をオン状態にし、抵抗ラダー回路44から出力される電圧を7/32vrefとする。
【0073】
次のステップS106で制御回路40は、変換結果である出力信号outを、逐次比較レジスタ42からチップ内制御部32に出力させた後、通常動作を終了する。上述の具体例では、差分電圧ain=3Vを変換した変換結果(出力信号out)は、「10011001100110」となる。
【0074】
次に、ADC30の逐次比較レジスタ42及び抵抗ラダー回路44の動作状態を検出するためのテスト動作について説明する。本実施形態の電池監視LSI14では、チップ内制御部32が
図5に示したテスト動作を実行することにより、ADC30では、逐次比較レジスタ42及び抵抗ラダー回路44のテストが行われる。
【0075】
まず、ステップS200でチップ内制御部32は、
図6に示した第1テスト動作を行うことにより、逐次比較レジスタ42のテストを行う。第1テスト動作とは、テスト回路52を用いた逐次比較レジスタ42の動作状態のテスト動作である。
【0076】
図6に示すようにステップS230でチップ内制御部32は、制御信号2を逐次比較レジスタ42に出力させるよう、制御回路40によりテスト回路52のMUX46を制御する。制御信号2は、上述した通常動作において第14ビット目〜第1ビット目をAD変換した際の比較回路48の出力が印加されるタイミングと同様に、任意のテスト用のデータを印加するための信号である。なお、制御信号2は、特に限定されない。本実施形態では、具体例として、「00000000000000」及び「11111111111111」の2つの制御信号2を用いている。
【0077】
次のステップS232でチップ内制御部32は、制御信号2=「00000000000000」とし、次のステップS234でチップ内制御部32は、出力信号outが制御信号2と一致するか否かを判定する。
【0078】
出力信号outが制御信号2(「00000000000000」)と一致しない場合、否定判定となりステップS236へ移行する。逐次比較レジスタ42が正常に動作している場合、出力信号outは、制御信号2と一致する。そのため一致しない場合、ステップS236でチップ内制御部32は、逐次比較レジスタ42の動作状態が異常であることを検出した後、第1テスト動作を終了する。
【0079】
一方、出力信号outが制御信号2と一致する場合、肯定判定となりステップS238へ移行する。ステップS238でチップ内制御部32は、制御信号2=「11111111111111」とし、次のステップS240でチップ内制御部32は、出力信号outが制御信号2と一致するか否かを判定する。
【0080】
出力信号outが制御信号2(「11111111111111」)と一致しない場合、否定判定となりステップS236へ移行する。
【0081】
一方、出力信号outが制御信号2と一致する場合、肯定判定となりステップS242へ移行する。ステップS242でチップ内制御部32は、逐次比較レジスタ42の動作状態が正常であることを検出した後、第1テスト動作を終了する。
【0082】
図6に示した第1テスト動作が終了すると、
図5に示したように、ステップS202でチップ内制御部32は、第1テストによる逐次比較レジスタ42の動作状態の検出結果が正常であったか否かを判定する。検出結果が正常ではない場合、否定判定となりステップS204へ移行する。ステップS204でチップ内制御部32は、検出結果として、逐次比較レジスタ42の動作状態が異常であることを表す情報をマイクロコンピュータ16に出力した後、テスト動作を終了する。逐次比較レジスタ42の動作状態が異常である場合、抵抗ラダー回路44の動作状態が正常であるか否かにかかわらず、比較回路48から出力された信号と異なる信号がチップ内制御部32に出力される可能性があるため、抵抗ラダー回路44の動作状態のテストを適切に行うことは困難である。そのため、本実施形態の電池監視LSI14では、逐次比較レジスタ42の動作状態が異常である場合は、抵抗ラダー回路44の動作状態のテストは行わない。
【0083】
一方、第1テストによる逐次比較レジスタ42の動作状態の検出結果が正常である場合、ステップS202で肯定判定となりステップS206へ移行して、チップ内制御部32は、
図7に示した第2テスト動作を行うことにより、抵抗ラダー回路44のテストを行う。
【0084】
図7に示すようにステップS250でチップ内制御部32は、変数kを「0」とする(k=0)。次のステップS252でチップ内制御部32は、変数kを1つ、インクリメントする(k=k+1)。
【0085】
次のステップS254でチップ内制御部32は、制御回路40により、スイッチング素子群SWRのスイッチング素子SWRkをオン状態にする。なお、他のスイッチング素子SWRはオフ状態にする。
【0086】
次のステップS256でチップ内制御部32は、制御回路40により、抵抗ラダー回路44から出力された電圧を各コンデンサCにチャージさせるサンプルホールド動作を行わせる。第2テスト動作の開始後、最初にステップS254を実行する場合、k=1であるため、スイッチング素子SWR1がオン状態となり、当該サンプルホールド動作により、各コンデンサCの各々には、31/32vref−Vthの電荷が蓄積される。
【0087】
具体的には、制御回路40はスイッチング素子群SWR群以外のスイッチング素子SWについて、スイッチング素子SWT、SWcompをオン状態にし、その他のスイッチング素子SWをオフ状態にする。
【0088】
次のステップS258でチップ内制御部32は、制御回路40に上述した通常動作(
図4参照)を行わせて、第14ビット目〜第1ビット目の変換を行わせ、変換結果(出力信号out)を変換結果kとして、一旦、電池監視LSI14内の記憶部やチップ内制御部32が有する記憶部(いずれも図示省略)等のいずれかの記憶部に記憶させる。
【0089】
次のステップS260でチップ内制御部32は、kが31である(k=31)か否かを判定する。kが31ではない場合(本実施形態では、k=1〜30の場合)、否定判定となり、ステップS252に戻り、上記処理を繰り返す。
【0090】
一方、kが31である場合、肯定判定となりステップS262へ移行する。ステップS262でチップ内制御部32は、変換結果1〜31のアナログ値と、0Vとを比較する。次のステップS264でチップ内制御部32は、ほぼ0V(0V±誤差)である変換結果1〜31が存在するか否かを判定する。
【0091】
抵抗ラダー回路44の動作状態が正常な場合、変換結果kのアナログ値(アナログの電圧値)は、(32−k)/32×Vrefとなる。しかしながら、例えば、スイッチング素子SWRが常時オフ状態である不良の場合、信号線L2に電圧が供給されず、各コンデンサCには、電荷が蓄積されない。そのため、変換結果kのアナログ値は、ほぼ0Vとなる。そのため、本実施形態のチップ内制御部32は、一例として、変換結果がほぼ0V(0V±誤差)である場合、抵抗ラダー回路44の動作状態が異常であることを検出する。
【0092】
変換結果1〜31のうち、ほぼ0V(0V±誤差)の変換結果が1つでもある場合、肯定判定となり、ステップS266へ移行する。ステップS266でチップ内制御部32は、抵抗ラダー回路44の動作状態が異常であることを検出した後、第2テスト動作を終了する。なお、ほぼ0V(0V±誤差)となった変換結果が(異常な変換結果)が変換結果1〜31の何れであるかを記憶しておき、異常な変換結果がいずれに生じたかを表す情報を出力するようにしてもよい。
【0093】
一方、変換結果1〜31のうち、ほぼ0V(0V±誤差)の変換結果が1つもない場合、否定判定となり、ステップS268へ移行する。ステップS268でチップ内制御部32は、抵抗ラダー回路44の動作状態が正常であることを検出した後、第2テスト動作を終了する。
【0094】
図7に示した第2テスト動作が終了すると、
図5に示したように、ステップS208でチップ内制御部32は、第2テストによる抵抗ラダー回路44の動作状態の検出結果が正常であったか否かを判定する。検出結果が正常ではない場合、否定判定となりステップS210へ移行する。ステップS210でチップ内制御部32は、検出結果として、抵抗ラダー回路44が異常であることを表す情報をマイクロコンピュータ16に出力した後、テスト動作を終了する。
【0095】
一方、第2テストによる抵抗ラダー回路44の動作状態の検出結果が正常であった場合、ステップS208で肯定判定となりステップS212へ移行する。チップ内制御部32は、検出結果として、逐次比較レジスタ42及び抵抗ラダー回路44の動作状態が正常であることを表す情報をマイクロコンピュータ16に出力した後、テスト動作を終了する。
【0096】
以上説明したように、本実施形態の電池監視LSI14のADC30は、各々重み付けされた大きさの容量を備え、アナログ信号に応じた電荷を各々蓄積する、互いに並列に接続された複数のコンデンサCと、デジタル信号の、下位ビット数(本実施形態では5)に応じて基準電圧vrefを分圧した分圧電圧を出力する抵抗ラダー回路44と、コンデンサCのうち、最も重み付けが小さなコンデンサC10以外のコンデンサC1〜C9各々の一端を、基準電圧vrefが供給される信号線L1、及び差分電圧ainが供給される信号線L2のいずれかに切替可能に接続するスイッチング素子SWC1〜SWC9、及びコンデンサC10の一端を、抵抗ラダー回路44、及び信号線L2のいずれかに切替可能に接続するスイッチング素子SWC10を含むスイッチング素子群SWCを備える。また、ADC30は、コンデンサC各々の他端に入力端子が電気的に接続され、入力端子の入力電圧Vxと閾値電圧Vthとを比較した比較結果を表す信号を出力する比較回路48と、比較回路48の比較結果を複数のビットの各々の値としたデジタル信号(出力信号out)を出力する逐次比較レジスタ42を備える。さらにADC30は、信号線L2と抵抗ラダー回路44との間に設けられ、抵抗ラダー回路44の動作状態を検出する場合、信号線L2と抵抗ラダー回路44とを電気的に接続するテスト回路50を備える。
【0097】
従来の電池監視LSIでは、ADCの抵抗ラダー回路の動作状態を検出する場合、抵抗ラダー回路における変換に対応する下位ビットに応じた電圧を順次、外部から差分電圧ainとしてADCに入力し出力信号outに変換し、マイクロコンピュータが出力信号outに基づいて動作状態の検出を行っていた。しかしながら従来のADCではアナログ信号をデジタル信号に変換する際に、各コンデンサCの容量のばらつき等により、変換誤差が生じる場合があるため、当該変換誤差が生じていると抵抗ラダー回路の動作状態に異常(不良)が生じているのか、それとも変換誤差が生じているのかを判定することが困難な場合があった。特に、最下位のビットに応じて分圧した分圧電圧を出力する場合の抵抗ラダー回路の動作状態の検出が困難となる場合が多い。
【0098】
一方、本実施形態の電池監視LSI14では、本実施形態の電池監視LSI14のADC30は、抵抗ラダー回路44から出力される分圧電圧を信号線L2に供給して逐次比較レジスタ42のテストを行い、マイクロコンピュータ16は、分圧電圧を変換した出力信号outに基づいて抵抗ラダー回路44の動作状態を検出する。すなわち、本実施形態のADC30は、差分電圧ainに代わり抵抗ラダー回路44から出力される分圧電圧を用いて抵抗ラダー回路44の動作状態のテストを行う。このように、本実施形態のADC30では、抵抗ラダー回路44に異常が生じている場合、異常な値となる分圧電圧そのものを用いて、抵抗ラダー回路44の動作状態のテストを行うため、従来のADCよりも、エラストグ出力信号outに、抵抗ラダー回路44の動作状態が反映される。
【0099】
従って、本実施の形態の電池監視LSI14によれば、抵抗ラダー回路44の動作状態の検出を適切に行うことができる。また、本実施形態の電池監視LSI14によれば、抵抗ラダー回路44の動作状態の検出を行う場合、外部から動作状態の検出用(テスト用)の電圧を差分電圧ainとして入力する必要がない。そのため、本実施形態の電池監視LSI14によれば、より簡易な構成で抵抗ラダー回路44の動作状態の検出を行うことができる。
【0100】
また、本実施形態のADC30は、逐次比較レジスタ42の動作状態を検出する場合に、逐次比較レジスタ42部に入力される信号を、比較回路48から出力される信号から制御信号2に切り替えるテスト回路52をさらに備える。そして、逐次比較レジスタ42の動作状態を検出する場合、チップ内制御部32は、チップ内制御部32を介してADC30から出力される出力信号outに基づいて、逐次比較レジスタ42の動作状態を判定する。
【0101】
本実施形態によれば、ADC30がアナログからデジタルに変換した出力信号outを用いずに、逐次比較レジスタ42の動作状態の検出を行うことができるため、逐次比較レジスタ42の動作状態の検出を適切に行うことができる。
【0102】
なお、本実施形態では、チップ内制御部32の制御により上記テスト動作(
図5〜7)を行う場合について説明したが、その他の回路や機能部で制御を行ってもよい。例えば、制御回路40やマイクロコンピュータ16が制御を行ってもよい。また、上記テスト動作(
図5〜7)の制御を、複数の回路や機能部で分担して行ってもよい。
【0103】
また、本実施形態では、上記テスト動作において逐次比較レジスタ42及び抵抗ラダー回路44の動作が正常または異常のいずれであるかの判定を行っていたが、当該判定については、別途行うようにしてもよい。例えば、
図6に示した第1テスト動作ではステップS230〜S240までを実行して得られたステップS234及びステップS240の判定結果、及び
図7に示した第2テスト動作ではステップS250〜S264までを実行して得られたステップS234の判定結果を各々、電池監視LSI14やマイクロコンピュータ16内の記憶部(いずれも図示省略)等に記憶しておき、別のタイミングで、記憶部に記憶されたこれらの判定結果に基づいて動作状態の判定を行ってもよい。
【0104】
また、本実施形態では、上記第2テスト動作のステップS264において、ほぼ0V(0V±誤差)である変換結果1〜31が存在するか否かを判定していがた、抵抗ラダー回路44の動作状態を判定する方法はこれに限定されない。例えば、スイッチング素子SWRが常時オン状態である不良の場合、信号線L2に電圧が供給されたままとなり、常時オン状態のスイッチング素子SWRに応じた分圧電圧により各コンデンサCに電荷が蓄積される。そのため、常時オン状態のスイッチング素子SWR以外のスイッチング素子SWRkの変換結果kのアナログ値は、当該分割電圧に応じて大きくなる。このような場合、例えば、変換結果kのアナログ値である、(32−k)/32×Vrefから誤差を考慮した範囲内に変換結果1〜31が存在すれば動作状態が正常であると判定することができる。
【0105】
また、本実施形態では、ADC30が14ビットの分解能を有する逐次比較型コンパレータである場合について説明したが、ADC30の分解能は本実施形態に限定されるものではない。
【0106】
また、本実施形態では、コンデンサCにより変換を行う上位ビットを9ビット、抵抗ラダー回路44により変換を行う下位ビットを5位ビットとしていたが、上位ビット数及び下位ビット数は、本実施形態に限定されるものではない。なお、コンデンサCにより変換を行う方が抵抗ラダー回路44により変換を行う場合に比べて、変換精度は高くなるが、ADC30全体の面積が増加する。そのため、上位ビット及び下位ビットのビット数は、所望の変換精度及びADC30の面積等に応じて適宜、定めればよい。
【0107】
また、本実施形態では、ADC30がシングルエンド型の逐次比較コンパレータである場合について説明したが、ADC30は差動型の逐次比較コンパレータであってもよい。
【0108】
また、本実施形態のADC30では、電池監視システム10における電池監視LSI14に適用する場合について説明したが、ADC30が適用される装置は本実施形態に限定されるものではない。
【0109】
また、その他の上記各実施の形態で説明した電池監視システム10、電池監視LSI14、及びADC30の構成及び動作は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。