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特開2017-212367半導体装置の製造方法、及び半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-212367(P2017-212367A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20171102BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20171102BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20171102BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
   H01L27/04 C
   H01L21/90 W
   H01L21/90 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-105372(P2016-105372)
(22)【出願日】2016年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】伊関 毅
【テーマコード(参考)】
5F033
5F038
【Fターム(参考)】
5F033HH09
5F033HH18
5F033HH33
5F033JJ18
5F033JJ19
5F033JJ33
5F033MM08
5F033MM13
5F033MM26
5F033NN06
5F033NN07
5F033NN12
5F033NN21
5F033NN33
5F033NN34
5F033PP06
5F033PP15
5F033QQ08
5F033QQ31
5F033RR08
5F033SS11
5F033VV10
5F033XX00
5F038AC04
5F038AC05
5F038AC10
5F038AC15
5F038AC17
5F038EZ15
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】静電容量の低下を抑制しつつ小型化が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供すること。
【解決手段】基板上に第1の絶縁膜102を形成した後第1の絶縁膜102に複数の開孔を設け、複数の開孔を埋めつつ第1の絶縁膜102上に金属層を形成する工程と、金属層をエッチングして第1の絶縁膜102上の金属層を取り除くと共に複数の開孔の各々を埋める金属層の上面に凹部B1を形成する工程と、第1の絶縁膜102上に下層電極110、第2の絶縁膜112、及び上層電極114をこの順で形成してMIMキャパシタCを形成する工程と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1の絶縁膜を形成した後前記第1の絶縁膜に複数の開孔を設け、前記複数の開孔を埋めつつ前記第1の絶縁膜上に金属層を形成する工程と、
前記金属層をエッチングして前記第1の絶縁膜上の前記金属層を取り除くと共に前記複数の開孔の各々を埋める金属層の上面に凹部を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に下層電極、第2の絶縁膜、及び上層電極をこの順で形成してMIMキャパシタを形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記複数の開孔は、平面視で前記第2の絶縁膜の領域の内部にアレイ状に配置された複数の開孔である
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記複数の開孔の断面形状が、矩形、円形、及び六角形のいずれかである
請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記基板上に第1の配線を形成する工程をさらに含み、
前記金属層を形成する工程は、前記第1の配線上に前記第1の絶縁膜を形成した後前記第1の絶縁膜に前記第1の配線に達する前記複数の開孔を設け、前記複数の開孔を埋めつつ前記第1の絶縁膜上に金属層を形成する工程である
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記基板上に回路素子を含む回路素子層を形成する工程をさらに含み、
前記基板上に第1の配線を形成する工程は、前記回路素子を接続する配線の一部として前記回路素子層上に前記第1の配線を形成する工程である
請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の絶縁膜の一部、及び前記上層電極の一部をエッチングして取り除き前記下層電極の一部を露出させる工程と、
全面に層間膜を形成する工程と、
前記層間膜中に前記上層電極に接続される第1のビアコンタクト、及び露出した前記下層電極に接続される第2のビアコンタクトを形成する工程と、
前記層間膜上に第3の絶縁膜を形成し、前記第3の絶縁膜上に前記第1のビアコンタクトに接続される第2の配線、及び前記第2のビアコンタクトに接続される第3の配線を形成する工程と、をさらに含む
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
基板上に形成された配線と、
前記基板上に形成されると共に前記配線を覆う第1の絶縁膜と、
前記配線上の前記第1の絶縁膜に設けられ、かつ内部が金属で充填されると共に前記金属の上面に凹部を有する複数の開孔と、
前記第1の絶縁膜上にこの順で形成されると共に、各々前記複数の開孔に対応する位置に凹部を有する下層電極、第2の絶縁膜、及び上層電極を備えるMIMキャパシタと、
を含む半導体装置。
【請求項8】
前記複数の開孔は、平面視で前記第2の絶縁膜の領域の内部にアレイ状に配置された複数の開孔である
請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記基板上に形成された回路素子を含む回路素子層をさらに含み、
前記配線は、前記回路素子層上に形成されると共に前記回路素子を接続する配線の一部である
請求項7又は請求項8に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置におけるキャパシタ素子としてMIM(Metal Insulator Metal)キャパシタが知られている。MIMキャパシタとは、金属−絶縁体−金属の積層構造を有するコンデンサである。従来技術に係るMIMキャパシタの製造方法として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に開示されたMIMキャパシタの製造方法では、通常の容量絶縁膜の成膜温度よりも高い430℃以上500℃以下の範囲内の成膜温度で、下部電極膜上に絶縁材料を堆積して、下部電極膜の上面との間で微細な隙間を複数有すると共に、該隙間に伴って上面が凹凸状とされた誘電体膜(キャパシタ膜)を形成し、該誘電体膜上に下部電極膜と同じ導電材料を堆積し、上部電極膜を形成している。
【0004】
特許文献1では、上記のような製造方法のMIMキャパシタによれば、誘電体膜の上面が凹凸状に形成されることにより、平坦な誘電体膜に較べて実質的に大きな表面積を有する誘電体膜が形成できるので、同一サイズの従来のMIMキャパシタと比べて、容量を大きくすることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−205763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近代の半導体装置は益々微細化が進み、半導体装置に集積化される個々の回路素子についても小型化が求められている。MIMキャパシタも例外ではなく、素子面積を大幅に縮小する必要に迫られているが、小型化することによりMIMキャパシタの静電容量が低下したのでは意味がない。
【0007】
MIMキャパシタにおいて、静電容量を低下させずに素子面積を縮小するためには、単位面積当たりの静電容量を増やす必要がある。単位面積当たりの静電容量を増やす方法として、例えば絶縁膜の膜厚を薄くすることが挙げられる。しかしながら、絶縁膜の膜厚を薄くすると耐圧が低下するという新たな問題が発生する。
【0008】
その点、特許文献1に係るMIMキャパシタでは、単位面積当たりの静電容量が増加するような工夫がなされている。しかしながら、特許文献1に係るMIMキャパシタでは、下部電極膜と誘電体膜との間の間隙が設けられた部分で、下部電極膜と上部電極膜との距離が長くなり、静電容量が小さくなってしまうという問題がある。また、誘電体膜と隙間の領域とでは誘電率が異なるため、静電容量にばらつきが発生しやすいという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、静電容量の低下を抑制しつつ小型化が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に第1の絶縁膜を形成した後前記第1の絶縁膜に複数の開孔を設け、前記複数の開孔を埋めつつ前記第1の絶縁膜上に金属層を形成する工程と、前記金属層をエッチングして前記第1の絶縁膜上の前記金属層を取り除くと共に前記複数の開孔の各々を埋める金属層の上面に凹部を形成する工程と、前記第1の絶縁膜上に下層電極、第2の絶縁膜、及び上層電極をこの順で形成してMIMキャパシタを形成する工程と、を含むものである。
【0011】
一方、本発明に係る半導体装置は、基板上に形成された配線と、前記基板上に形成されると共に前記配線を覆う第1の絶縁膜と、前記配線上の前記第1の絶縁膜に設けられ、かつ内部が金属で充填されると共に前記金属の上面に凹部を有する複数の開孔と、前記第1の絶縁膜上にこの順で形成されると共に、各々前記複数の開孔に対応する位置に凹部を有する下層電極、第2の絶縁膜、及び上層電極を備えるMIMキャパシタと、を含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、静電容量の低下を抑制しつつ小型化が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係る半導体装置の概略構成の一例を示す縦断面図である。
図2】実施の形態に係る半導体装置のビアプラグアレイの一例を示す平面図である。
図3】実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す縦断面図の一部である。
図4】実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す縦断面図の一部である。
図5】実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す縦断面図の一部である。
図6】比較例に係る半導体装置の構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0015】
図1ないし図5を参照して、本実施の形態に係るMIMキャパシタを備えた半導体装置の製造方法及び半導体装置について説明するが、その前に、本実施の形態に係る半導体装置の理解のために、図6を参照して、比較例に係るMIMキャパシタCAPを備えた比較例に係る半導体装置20について説明する。
【0016】
図6に示すように、半導体装置20は、下層電極200、絶縁膜202、上層電極204、ビアプラグ208、209、配線210、212、及び絶縁膜206を含んで構成されている。
【0017】
比較例に係るMIMキャパシタCAPは、下層電極200、及び上層電極204を両電極(電極対)とし、絶縁膜202をキャパシタ膜として形成されている。下層電極200は、例えば、Al(アルミニウム)系合金膜をTi(チタン)、TiN(窒化チタン)等の高融点金属またはその積層膜で挟んで形成された多層金属膜であり、一例として、下層からTi/TiN/Al/TiNとされている。絶縁膜202としては、一例としてSiON膜(シリコンオキシナイトライド膜)が用いられ、上層電極204としては、一例として、TiN膜が用いられる。
【0018】
上層電極204は、絶縁膜206に設けられたビアプラグ208によって配線210に接続され、下層電極200は、絶縁膜206に設けられたビアプラグ209によって配線212に接続されている。MIMキャパシタCAPは、配線210、212によって、半導体装置20の他の回路素子等に接続されている。
【0019】
以上のように構成された比較例に係るMIMキャパシタCAPは、キャパシタ膜としての絶縁膜202が平坦に形成されているため、MIMキャパシタCAPの静電容量は、絶縁膜202の平面視の大きさによって決定される。
【0020】
次に、図1ないし図5を参照して、本実施の形態に係るMIMキャパシタCを備えた半導体装置10について説明する。図1は、本実施の形態に係るMIMキャパシタCを含む半導体装置10の概略構成を、図2は、半導体装置10におけるビアプラグアレイを、図3ないし図5は、本実施の形態に係る半導体装置10の製造方法における主要な工程を概略的に示している。
【0021】
なお、本実施の形態に係る半導体装置10では、MIMキャパシタと共にトランジスタ等の能動素子、抵抗等の受動素子等の他の素子も形成される場合があるが、以下の図では、他の素子の図示を省略しMIMキャパシタの周辺部のみを図示している。また、本実施の形態においてある層が「他の層上」あるいは「基板上」に形成されるとは、ある層が他の層上、又は基板上に直接形成される場合に限らず、第3の層を介して形成される場合を含む。
【0022】
図1に示すように、半導体装置10は、下層配線100、ビアプラグアレイ150、絶縁膜102、MIMキャパシタC、ビアプラグ118、119、層間膜116、絶縁膜124及び上層配線120、122を含んで構成されている。本実施の形態に係る半導体装置10では、基板、及び該基板上に形成された回路素子(トランジスタ等の能動素子、抵抗等の受動素子等)層、を含み、下層配線100は該回路素子層上に形成されているが、図1では、基板、及び回路素子層の図示を省略している。
【0023】
下層配線100は、半導体装置10における各回路素子を接続する配線層の一部であり、本実施の形態では、この下層配線100上にビアプラグアレイ150が形成されている。また、下層配線100、及びビアプラグアレイ150の周囲は、絶縁膜102で覆われている。
【0024】
ビアプラグアレイ150は、絶縁膜102に設けられた開孔(ビアホール)を金属で埋め込んだビアプラグ104がアレイ状に配列された部位である。ビアプラグアレイ150を構成する各々のビアプラグ104は、その上部に凹部B1を有している。そして、凹部B1の位置は、MIMキャパシタCの絶縁膜112の凹部B2に対応している。後述するように、ビアプラグ104の凹部B1は、半導体装置10の製造工程において、絶縁膜112に凹部B2を形成するために設けられたものである。
【0025】
本実施の形態に係るMIMキャパシタCは、MIMキャパシタCの電極対である下層電極110、上層電極114、及びキャパシタ膜としての絶縁膜112を含んで構成され、ビアプラグアレイ150の上部に配置されている。また、MIMキャパシタCの上部は、層間膜116で覆われている。
【0026】
上述したように、MIMキャパシタCの絶縁膜112には凹部B2が設けられており、この凹部によって、同等の素子面積を有する比較例に係るMIMキャパシタCAPと比較して、絶縁膜112の表面積が拡大されている。このことにより、本実施の形態に係るMIMキャパシタCは、比較例に係るMIMキャパシタCAPと比較して、静電容量を増加することが可能になっている。
【0027】
上層配線120、及び122は、半導体装置10における各回路素子を接続する配線層の一部であり、MIMキャパシタCは、上層配線120、122を介して半導体装置10の他の回路素子に接続されている。なわち、上層配線120は、MIMキャパシタCの一方の電極である上層電極114にビアプラグ118を介して接続され、上層配線122は、MIMキャパシタCの他方の電極である下層電極110にビアプラグ119を介して接続されている。上層配線120、及び122は、層間膜116の上部に形成された絶縁膜124で覆われている。
【0028】
次に、図2(a)を参照して、本実施の形態に係るビアプラグアレイ150について、より詳細に説明する。図2(a)は、本実施の形態に係るビアプラグアレイ150の平面図を示している。図2(a)に示すように、ビアプラグアレイ150は、略正方形の形状を有すると共に、一定の相互間隔でアレイ状に配置された複数(本実施の形態では、6×7=42個)のビアプラグ104を含んで構成されている。ビアプラグアレイ150は、平面視で、絶縁膜112の内部に位置するように形成されている。
【0029】
図1に示すように、個々のビアプラグ104は、上面に凹部B1を有することにより絶縁膜112に凹部B2を発現させ、絶縁膜112の表面積を拡大している。本実施の形態に係るMIMキャパシタCでは、さらに、凹部B1を有するビアプラグ104をアレイ状に配置することにより、絶縁膜112にも、凹部B1と対応する位置にアレイ状に配置された凹部B2を発現させ、さらに静電容量の増加を図っている。
【0030】
なお、本実施の形態では、ビアプラグアレイ150の各ビアプラグ104の断面形状(平面視形状)を略正方形とする形態を例示して説明したが、これに限られず、円形状や楕円形状等他の形状とする形態としてもよい。図2(b)には、ビアプラグ104の断面形状を略正六角形形状とする形態を示す。このように、断面形状が略正六角形のビアプラグ104aを採用することにより、ビアプラグ104aが最密に配置されたビアプラグアレイ150aを得ることができる。
【0031】
次に、図3ないし図5を参照して、本実施の形態に係るMIMキャパシタCを備える半導体装置10の製造方法について説明する。
【0032】
まず、図示しない基板上に、回路素子(トランジスタ等の能動素子、抵抗等の受動素子等)を形成し、回路素子上に絶縁膜を形成した後、配線用のビアコンタクトを形成する。
次に、上記絶縁膜上に配線層となる金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィー及びエッチングによって該金属膜を加工し、上記ビアコンタクトと接続される下層配線100を、後述の絶縁膜112に対応する位置に形成する。その後、下層配線100上に絶縁膜102を形成する。
【0033】
次に、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングを用いて、下層配線100上の絶縁膜102中に、後述のビアプラグアレイ150に対応する複数のビアV1を形成し、その後ビアV1の内部を含む絶縁膜102の上部に密着層を形成する。密着層は、次に形成するW(タングステン)層の密着度を高める下地層であり、一例として、Ti膜、及びTiN膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いて形成する。その後、図3(a)に示すように、CVD法等を用いて、ビアV1を埋め込むための金属層130を形成する。該金属層130は、例えばWを用いて形成する。
【0034】
次に、図3(b)に示すように、全面をドライエッチングによりエッチングして(Wエッチバック)複数のビアプラグ104を形成する。その際、複数のビアプラグ104の各々の断面は、例えば1μm×1μmの略正方形とし、隣り合うビアプラグ104同士の間隔は、例えば1μmとする。本エッチングの際、リセス(窪み)を発生させビアプラグ104に凹部B1を形成する。リセスは、例えばWエッチバックの時間を通常より長めに設定して発生させる。本工程により、下層配線100上にビアプラグアレイ150(あるいは、ビアプラグアレイ150a)が形成される。
【0035】
次に、図4(a)に示すように、スパッタ法等によりTi、及びTiNの高融点金属の積層膜、Al系合金膜、及びTiN膜の各膜を有する多層金属膜による下層電極110を形成する。下層電極110の膜構造は、一例として、下層からTi/TiN/Al/TiNとする。
【0036】
その後、CVD法等により絶縁膜112を形成する。絶縁膜112は、例えばSiON膜を用いて形成する。その後、スパッタ法等により、上層電極114を形成する。上層電極114は、例えばTiN膜によって形成する。下層電極110、及び上層電極114が本実施の形態に係るMIMキャパシタCの電極対、絶縁膜112が、本実施の形態に係るMIMキャパシタCのキャパシタ膜を構成する。
【0037】
ここで、図4(a)に示すように、ビアプラグアレイ150に凹部B1が存在することにより、下層電極110、絶縁膜112、及び上層電極114にも凹部が形成される。絶縁膜112に凹部B2が形成されることにより、絶縁膜112の表面積が、同等の素子面積を有する比較例に係るMIMキャパシタCAPの絶縁膜202(図6参照)の表面積に比べて増加する。このことにより、本実施の形態に係るMIMキャパシタCは、比較例に係るMIMキャパシタCAPに比べて、静電容量の増加が可能なように構成されている。
【0038】
図4(b)に示すように、フォトリソグラフィー、ドライエッチングを用いて絶縁膜112及び上層電極114を加工し、所望のMIMキャパシタCの形状に成形する。
【0039】
次に、図5(a)に示すように、層間膜116をCVD法等によって形成する。
【0040】
次に、層間膜116中にビアプラグ118、119に対応するビアV2を形成した後、該ビアV2を埋め込みつつ層間膜116上に多層金属膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー、及びエッチングを用いて該多層金属膜を加工し、上層配線120、122を形成する。次に、図5(b)に示すように、上層配線120、122上に絶縁膜124を形成して、本実施の形態に係る半導体装置10が製造される。
【0041】
以上、詳述したように、本実施の形態に係る半導体装置10におけるMIMキャパシタCによれば、絶縁膜を薄くすることなく表面積を増やすことにより、耐圧の低下をもたらすことなくMIMキャパシタの単位面積当たりの容量を増やすことができる。例えば、9μm×9μmの正方形のMIMキャパシタC(キャパシタ膜)に対応する領域に、1μm×1μmの正方形のビアプラグ104を16個配置し、リセスの深さを1μmとすれば、表面積を1.7倍程度に増やすことができる。これにより単位面積当たりの容量も1.7倍程度に増加する。
【0042】
なお、上記実施の形態では、MIMキャパシタのキャパシタ膜としてSiON膜を用いる形態を例示して説明したが、これに限られず、他の絶縁膜、例えばSiN膜(シリコン窒化膜)や、Ta膜(酸化タンタル膜)等を用いてもよい。
【0043】
また、上記実施の形態では、ビアプラグがアレイ状に配置されたビアプラグアレイを例示して説明したが、これに限られず、例えばビアプラグが市松模様状に配置された形態、あるいはランダムに配置された形態としてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、MIMキャパシタCの上部にビアプラグ118、119を介して上層配線120、122を形成し、半導体装置10の他の回路素子に接続する形態を例示して説明したが、これに限られない。例えば、下層電極110、及び上層電極114を延伸して配線を形成し、他の回路素子に接続する形態としてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10、20 半導体装置
100 下層配線
102 絶縁膜
104 ビアプラグ
110 下層電極
112 絶縁膜
114 上層電極
116 層間膜
118、119 ビアプラグ
120、122 上層配線
124 絶縁膜
130 金属層
150、150a ビアプラグアレイ
200 下層電極
202 絶縁膜
204 上層電極
206 絶縁膜
208、209 ビアプラグ
210、212 配線
B1、B2 凹部
C、CAP MIMキャパシタ
V1、V2 ビア
図1
図2
図3
図4
図5
図6