【解決手段】本実施の形態の受圧構造体1は、法面10に設置される受圧構造体であって、受圧板2と、アンカ3と、支圧板4と、を備える。受圧板2は、法面10側に配置される。アンカ3は、受圧板2の内部を貫通するようにして配置される。支圧板4は、受圧板2の上側に配置されアンカ3からの圧力を受ける。支圧板4は、降伏応力が100MPa以上の金属材料で形成されている。支圧板4は、表面粗度がRa100以下でありX線分析を可能とする分析部41を少なくとも一部に有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、受圧構造体を設置した後にアンカが正常に機能しているかどうかは外観から判断できない。そのため、一般的にリフトオフ試験によってアンカの健全性評価指標である残存緊張力が評価されているが、コストが高く簡単に行うことができなかった。
本発明は、簡易に検査を行うことが可能な受圧構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る受圧構造体は、法面に設置される受圧構造体であって、本体部と、アンカと、受圧部と、を備える。本体部は、法面側に配置される。アンカは、本体部の内部を貫通するようにして配置される。受圧部は、本体部の上側に配置されアンカからの圧力を受ける。受圧部は、降伏応力が100MPa以上の金属材料で形成されている。受圧部は、表面粗度がRa100以下でありX線分析を可能とする分析部を少なくとも一部に有する。
【0006】
ここで、アンカ力(数100kN)より設定される所定の降伏点を有する金属より構成される受圧部の弾性変形領域においてX線回折を用いることによって、歪みの状態からアンカの応力状況を特定できる。
すなわち、アンカの引張り力によって受圧部に生じる歪みをX線回折で検出することによって、間接的にアンカの残存緊張力を評価することができる。
このため、リフトオフ試験を用いずに簡易にアンカの応力状況を特定することができる。
【0007】
第2の発明に係る受圧構造体は、第1の発明に係る受圧構造体であって、受圧部は、平均結晶粒径が1〜30μmである。
受圧部の結晶粒径の平均が1〜30μmであることにより、より適切に残存緊張力を評価し、アンカの応力状況を特定することができる。
【0008】
第3の発明に係る受圧構造体は、第1の発明に係る受圧構造体であって、分析部は、アンカと受圧部との接触最外位置から半径100mm以内に配置されている。
このように接触最外位置から半径100mm以内の位置で分析を行うことによって、アンカによる受圧部の応力場において、歪みの状態を適切に判断できる。
すなわち、アンカと受圧部との接触位置から遠い位置で分析を行った場合、受圧部に生じる歪みが少なくなり、アンカの応力状況を正確に特定し難くなるが、接触最外位置から半径100mm以内の位置で分析を行うことにより、より正確に受圧部に生じる歪みを特定することができる。
【0009】
第4の発明に係る受圧構造体は、第1〜3のいずれかの発明に係る受圧構造体であって、分析部の表面を被覆する被覆部材を更に備えている。
このように被覆部材を備えていることにより、風雨等の経年劣化から分析部を適切に保護できるため、より正確にアンカの応力状況を特定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易に検査を行うことが可能な受圧構造体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の受圧構造体について図面を参照しながら説明する。
(受圧構造体1の概要)
図1は、本発明に係る実施の形態の受圧構造体1を示す斜視図である。
図2は、
図1のAA´間の矢示断面図であり、法面に設置した状態を示す図である。
本実施の形態の受圧構造体1は、
図1に示すように、主に受圧板2と、アンカ3と、支圧板4と、を備える。
【0013】
受圧板2は、
図2に示すように、傾斜地の法面10に設置される。受圧板2には、貫通孔が形成されている。アンカ3は、受圧板2の貫通孔を介して法面10に挿し込まれている。
支圧板4は、受圧板2の上面に載置されており、上方からアンカ3のナット部材32によって受圧板2に押え付けられている。
【0014】
(受圧板2)
受圧板2は、第1受圧部材21と、第2受圧部材22とを有する。
図3は、受圧板2の分解図である。
第1受圧部材21は、
図2に示すように、法面10に接触して配置される。第1受圧部材21は、
図3に示すように、底板211と、枠体212と、補強部材213と、鉄筋コンクリート部材214と、天板215と、を有する。
【0015】
底板211は、矩形の板状部材であって法面10に載置される。また、底板211は、ガラス長繊維強化プラスチック発砲体(Fiber reinforced Foamed Urethane:FFU、以下FFUと呼ぶ。)によって形成されている。
枠体212は、4辺の棒状部材がつながって形成された平面視において矩形状の部材であり、FFUから形成されている。枠体212は、対向且つ並行して配置された2つの辺からなる組を2組有する。枠体212は、底板211の上側に配置されている。補強部材213は、2つの棒状部材213b、213cが互いに垂直に交わって形成されており、枠体212の内側に配置されている。補強部材213は、FFUによって形成されている。棒状部材213bは、枠体212の一方の組の2辺の中央に、その2辺と平行に配置されている。棒状部材213cは、枠体212の他方の組の2辺の中央に、その2辺と平行に配置されている。補強部材213によって枠体212の内側の空間は4つの直方体状の空間に区切られている。補強部材213の棒状部材213bと棒状部材213cが交わる部分には、上下方向に貫通孔213aが形成されている。なお、図には示していないが、底板211にも、貫通孔213aに対応する位置に貫通孔211a(
図2参照)が形成されている。
【0016】
鉄筋コンクリート部材214は、4つの直方体状に空間のそれぞれに配置されている。鉄筋コンクリート部材214は、格子状に配置された鉄筋部材の周囲にモルタルまたはコンクリートが充填されることによって形成されている。
天板215は、矩形の板状部材であって、FFUによって形成されている。天板215は、枠体212の上側に配置される。天板215の外形は、枠体212の外形と一致するように形成されている。また、天板215には、貫通孔213aに対応する位置に、貫通孔215aが形成されている。
【0017】
第2受圧部材22は、平面視において十字形状であって、FFUによって形成されている。第2受圧部材22は、側面視において端から中央に向かって高さが高くなるように階段状に形成されている。第2受圧部材22は、その中央部分に、上下方向に貫通孔22aが形成されている。第2受圧部材22は、第1積層部221と、第2積層部222と、受圧ヘッド223とを有する。下から順に、第1積層部221、第2積層部222、および受圧ヘッド223の順に積層されており、貫通孔22aは、受圧ヘッド223、第1積層部221、および第2積層部222を貫いて形成されている。
【0018】
第1積層部221は、平面視において十字形状に形成された板状部材である。第1積層部221は、貫通孔22aが形成されている中央部分から4方向に板状部材が突出した形状である。第1積層部221は、天板215上に配置されている。
第2積層部222は、平面視において十字形状に形成された板状部材である。第2積層部222は、第1積層部221の十字形状と対応するように第1積層部221の上側に配置されている。第2積層部222は、第1積層部221と同様の形状であるが、貫通孔22aが形成されている中央部分から板状部材が突出している長さが第1積層部221よりも短く形成されている。
【0019】
受圧ヘッド223は、矩形の板状の部材であり、第2積層部222の中央部の上側に配置されている。受圧ヘッド223は、第1積層部221の中央部分と第2積層部222の中央部分と同様の形状である。
受圧板2の貫通孔2aは、
図2に示すように、底板211の貫通孔211a、補強部材213の貫通孔213a、天板215の貫通孔215a、第2受圧部材22の貫通孔22aから形成されている。
【0020】
(アンカ3)
アンカ3は、
図2に示すように、アンカ部材31と、ナット部材32とを有する。
法面10には、
図2に示すように、滑り線11を越えて岩盤12に達する採掘穴13が形成されている。アンカ部材31は、受圧板2の貫通孔2aを介して採掘穴13に挿通されている。アンカ部材31の地中側の端は、セメント等のグラウト材14によって固定されている。アンカ部材31の受圧板2側の端には、ネジ加工が施されている。このネジ加工の部分に、ナット部材32が螺合されている。
【0021】
(支圧板4)
支圧板4は、
図1および
図2に示すように、受圧板2の上面に載置されている。詳しくは、支圧板4は、受圧板2の受圧ヘッド223の上面に配置されている。支圧板4には、
図2に示すように、貫通孔22aに対応する位置に貫通孔4aが形成されている。支圧板4の上側には、アンカ部材31と螺合したナット部材32が配置されている。ナット部材32を締めることによって、支圧板4は上方からナット部材32によって受圧板2に押えつけられ、受圧板2は法面10を押え込む。
【0022】
図4(a)は、受圧構造体1の平面図であり、
図4(b)は、
図4(a)の支圧板4近傍の拡大図である。
図4(a)および
図4(b)に示すように、支圧板4は、X線による分析を可能とする分析部41を有している。分析部41は、支圧板4の上面4sに形成されたX線によって分析される領域であり、表面粗度がRa100以下に形成されている。分析部41は、アンカ3のナット部材32と支圧板4との接触最外位置から100mm以内に形成されている。ここで、ナット部材32と支圧板4との接触最外位置とは、
図4(b)の平面視においてナット部材32の外周端32eのことである。すなわち、外周端32eから100mm以内に分析部41が形成されているほうが好ましい。また、図では、分かり易くするために分析部41にハッチングが施されている。
【0023】
また、支圧板4は、降伏応力が100MPa以上の金属材料で形成されている。ナット部材32による支圧板4の締め付け力は、支圧板4の変形が弾性変形領域以内となる大きさに設定されている。また、支圧板4の平均結晶粒径は1μm以上30μm以内であることが好ましい。
なお、支圧板4は、降伏応力が500MPa以上の金属材料で形成されている方がより好ましい。降伏強度に関して、Pbが5MPaであり、Alが60〜80Pa、真鍮が200〜300Pa、鉄が300〜400Paであるため、支圧板4としては、真鍮、鉄を主とする金属板が好ましい。
【0024】
支圧板4の緊張力は、230〜1100kN程度である。緊張力が900kNのとき、ナット部材32近傍において450MPa程度の圧縮応力が発生し、周方向へ向かって100MPaに収束する。このため、支圧板4の応力範囲は、最大部分は100〜500MPaとなり、最小部分が20MPa〜110MPaとなる。上述したように、分析部41は、ナット部材32よりも外周側にずれているが、ナット部材32の外周端32eから100mm以内に形成することで、後述するX線の応力推定が可能な応力が発生している範囲内に設定されている。
また、Ra100は、測定可能下限であり、100よりも大きい場合には回折像が乱れ、算出応力値にばらつきが生じることが想定される。
【0025】
(X線応力測定)
図5は、本実施の形態の受圧構造体1の支圧板4に対してX線応力測定を行っている状態を示す側面模式図である。
【0026】
例えば、
図5に示すように、X線応力測定装置5が支圧板4の上方に配置され、支圧板4の分析部41に入射角θでX線が照射される。θは、支圧板4の上面4sに垂直な直線Lからの角度である。
これによって、分析部41の結晶構造に従ってデバイ環が形成される。すなわち、アンカ3のナット部材32によって、支圧板4が押さえつけられて応力が発生しているため、支圧板4の結晶構造に歪みが生じる。この結晶構造の歪みにより、X線の照射によって形成されるデバイ環に歪みが生じる。
【0027】
このようにアンカ3によって支圧板4に応力が生じた状態のデバイ環と、支圧板4に応力が生じていない状態(非載荷状態)でのデバイ環を比較することによって、支圧板4に生じる応力が推定される。
この支圧板4に生じる応力に基づいて、間接的にアンカ3が正常に機能しているかを判断することができる。すなわち、デバイ環の歪みが小さく、支圧板4に生じる応力が非常に小さい場合には、アンカ部材31が例えば腐食により途切れ、アンカ3による引張り力がほとんど機能していないと判断できる。
【0028】
次に、支圧板4を形成する金属材料の種類や粒径がX線回折による応力推定精度に与える影響について、実施例に基づいて説明する。
(実施例)
S45C、SM490AおよびSM490Bの3鋼種で形成した支圧板4を対象に、平均結晶粒径と応力推定精度の関係について、比較検討を行う。
【0029】
はじめに、JISG0551に基づいて、以下のように各鋼材の種類における平均結晶粒径を算出した。
(1)各鋼種の試験片表面を、ターンテーブル研磨機を用いて研磨し、平滑にする。
(2)研磨した各試験片を腐食液に十秒程度浸して腐食させ、速やかに水で洗い流して腐食の進行を止める。これにより、組織ごとの腐食の進行の違いにより、組織を凹凸として表すことができる。この作業は、エッチングという。
(3)エッチングをした各試験片について走査型電子顕微鏡(以下、SEMと称する)を用いて組織観察を行い、結晶粒界が明瞭なSEM画像が得られる。
(4)得られたSEM画像に線分を引き、線分上の結晶粒の個数を数える。
(5)SEM画像のスケールと比較し、線分の長さを換算する。
(6)換算した線分の長さを個数で除す。
(7)(4)〜(6)の手順を繰り返し、平均する。
【0030】
観察対象の各鋼種において、15×15×9mmのテストピースを用いた。エッチング液は、約1%の硝酸エタノールを使用した。SEM画像は1鋼種につき4−6枚を用意し、1枚当たりに引いた線分は約20本である。
上記3種類の支圧板4の表面の複数点について、
図6に示すように、非載荷状態(支圧板単体)でX線応力測定装置5を用いてX線応力推定を行い、応力推定精度の評価を行った。要するに、支圧板4を単体で載置した状態でX線応力測定装置5からX線を照射した。評価項目は、推定応力値と応力推定標準偏差の平均値およびデバイ環の形状とした。
【0031】
応力の推定箇所としては、20点を無作為に選択した。また、X線応力推定装置として、cosα法による二次元応力解析手法を採用した可搬型の応力推定装置が用いられた。なお、本実施例では、支圧板4の全体をエッチングしているため、分析部41は支圧板4の上面全体であり、応力の推定箇所は、支圧板4の全体から選択できる。
X線応力推定装置の測定条件は、X線の入射角θが35°であり、試料距離が39mmであり、X線出力は20kVで1mAに設定されている。試料距離とは、X線応力測定装置5のX線照射(コリメータ)位置から計測対象までの距離を示す。測定装置の角度は、角度計を用いて行い、材料との距離及び測定位置決めについては目視により行った。X線照射点は、直径2mm、深さ0.01mm程度であり、測定に要する時間は、1点あたり1〜2分程度である。
【0032】
なお、X線応力測定を行う前に、支圧板4の表面の黒皮を酸性除去剤により除去し、金属組織を露出させた。
【0033】
(結晶粒の観察結果)
図7(a)は、S45Cで形成された支圧板のSEM画像の一例を示す図である。
図7(b)は、SM490Aで形成された支圧板のSEM画像の一例を示す図である。
図7(c)は、SM490Bで形成された支圧板のSEM画像の一例を示す図である。
【0034】
本実施例で用いたS45Cの平均粒径は34.0μmと結晶粒が比較的粗大であったのに対してSM490A,SM490Bの平均粒径は、それぞれ7.2μm、4.6μmと小さいことが確認された。
【0035】
(結晶粒径と応力推定精度の関係)
図8(a)は、S45Cで形成された支圧板4のデバイ環画像の一例を示す図である。
図8(b)は、SM490Aで形成された支圧板4のデバイ環画像の一例を示す図である。
図8(c)は、SM490Bで形成された支圧板4のデバイ環画像の一例を示す図である。
図9は、S45C、SM490A、SM490Bのそれぞれの材料で形成された支圧板の推定応力、応力推定標準偏差、および平均粒径を示す表である。
【0036】
図8(a)および
図9に示すように、平均結晶粒が比較的粗大なS45Cでは推定応力に対して応力推定標準偏差の値が大きく、明瞭なデバイ環が得られなかった。一方、
図8(b)、
図8(c)および
図9に示すように、平均粒径が小さいSM490AおよびSM490Bでは応力推定標準偏差の値も比較的小さく、明瞭なデバイ環を得ることが可能なことが確認できる。
【0037】
すなわち、本実施例の条件では、平均粒径が7.2μm程度の鋼種については明瞭なデバイ環が取得可能となることが確認された。
このように、明瞭なデバイ環が得られることにより、アンカ3によって受圧板2に押えつけられたときの支圧板4の応力を測定することができ、間接的にアンカ3の状態を判断することができる。
【0038】
(特徴等)
(1)
本実施の形態の受圧構造体1は、法面10に設置される受圧構造体であって、受圧板2(本体部の一例)と、アンカ3と、支圧板4(受圧部の一例)と、を備える。受圧板2は、法面10側に配置される。アンカ3は、受圧板2の内部を貫通するようにして配置される。支圧板4は、受圧板2の上側に配置されアンカ3からの圧力を受ける。支圧板4は、降伏応力が100MPa以上の金属材料で形成されている。支圧板4は、表面粗度がRa100以下でありX線分析を可能とする分析部41を少なくとも一部に有する。
【0039】
ここで、アンカ力(数100kN)より設定される所定の降伏点を有する金属より構成される支圧板4の弾性変形領域においてX線回折を用いることによって、歪みの状態からアンカの応力状況を特定できる。
すなわち、アンカ3の引張り力によって支圧板4に生じる歪みをX線回折で検出することによって、間接的にアンカ3の残存緊張力を評価することができる。
このため、リフトオフ試験を用いずに簡易にアンカ3の応力状況を特定することができる。
【0040】
(2)
本実施の形態の受圧構造体1は、支圧板4は、平均結晶粒径が1〜30μmである。
支圧板4の結晶粒径の平均が1〜30μmであることにより、より適切に残存緊張力を評価し、アンカの応力状況を特定することができる。
【0041】
(3)
本実施の形態の受圧構造体1では、分析部41は、アンカ3と支圧板4との接触最外位置から半径100mm以内に配置されている。
このように接触最外位置から半径100mm以内の位置で分析を行うことによって、アンカ3による支圧板4の応力場において、歪みの状態を適切に判断できる。
すなわち、アンカ3と支圧板4との接触位置から遠い位置で分析を行った場合、受圧部に生じる歪みが少なくなり、アンカの応力状況を正確に特定し難くなるが、接触最外位置から半径100mm以内の位置で分析を行うことにより、より正確に特定することができる。
【0042】
[他の実施の形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、支圧板4の表面粗さRaが100以下である領域である分析部41は、外部環境に露出されているが、X線による測定を行うとき以外は、
図10に示すように、その表面が被覆部材42によって覆われていても良い。
このように被覆部材42を備えていることにより、風雨等の経年劣化から分析部を適切に保護できるため、より正確にアンカ3の応力状況を特定することができる。
【0043】
(B)
上記実施の形態では、底板211、枠体212、補強部材213、および第2受圧部材22は、FFUから形成されているが、FFUに限らなくても良く、コンクリートで形成されていてもよい。
また、鉄筋コンクリート部材214は、鉄筋が挿入されておらず、コンクリートだけで形成されていてもよい。
【0044】
(C)
上記実施の形態では、第2受圧部材22が平面視において十字形状に形成されているが、これに限られるものではない。例えば、第2受圧部材22の第1積層部221および第2積層部222が矩形状であって、上方からみて、天板215、第1積層部221、第2積層部222、受圧ヘッド223の順に外形が段々と小さくなるように形成されていてもよい。