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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-221643(P2017-221643A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/535 20060101AFI20171124BHJP
   A61F 13/534 20060101ALI20171124BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20171124BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20171124BHJP
   A61F 13/472 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   A61F13/535 100
   A61F13/535 200
   A61F13/534 100
   A61F13/53 300
   A61F13/47 100
   A61F13/472
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2017-48900(P2017-48900)
(22)【出願日】2017年3月14日
(31)【優先権主張番号】特願2016-116577(P2016-116577)
(32)【優先日】2016年6月10日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】中下 将志
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA14
3B200BB05
3B200CA11
3B200DB01
3B200DB02
3B200DB06
3B200DB12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液透過性、液取り込み性、股間にフィットする装着感、及び液漏れ防止、に優れる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】吸収体4は、幅方向中央部4Cにおいて長手方向の中間部と両端部との表面シート側に中央部吸収コア上層412を有し、幅方向両側部4Sにおいて長手方向の中間部と両端部との表面シート側に中央部吸収コア上層に隣接する両側部吸収コア層413を有し、長手方向中間部の幅方向中央部と長手方向両端部の少なくとも幅方向中央部とにおいて、捲縮を有する親水性繊維と吸水材とを含有し、長手方向中間部の幅方向中央部において中央部吸収コア上層と接して裏面シート側に存在する低密度骨格層411を有し、低密度骨格層の密度は中央部吸収コア上層及び両側部吸収コア層より小さく、かつ厚みは少なくとも長手方向中間部が両側部吸収コア層より厚く、中央部吸収コア上層の坪量は両側部吸収コア層より小さい坪量を有する、吸収性物品。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌当接面側に配された液透過性の表面シート、非肌当接面側に配された液不透過性の裏面シート、及び該表面シート及び該裏面シートの間に介在配置された液保持性の吸収体を備え、長手方向及び幅方向を有する吸収性物品であって、
前記吸収体は、前記幅方向において、中央に前記長手方向の全長に延在する幅方向中央部と、前記幅方向中央部の両側に前記長手方向の全長に延在する幅方向両側部とに区画され、また、前記吸収体は、前記長手方向において、全長の中間領域にあって前記幅方向の全幅に延在する長手方向中間部と、前記長手方向中間部の両側に前記幅方向の全幅に延在する長手方向両端部とに区画され、
前記吸収体は、1)前記幅方向中央部において前記長手方向中間部と前記長手方向両端部との前記表面シート側に中央部吸収コア上層を有し、2)前記幅方向両側部において前記長手方向中間部と前記長手方向両端部との前記表面シート側に前記中央部吸収コア上層に隣接する両側部吸収コア層を有し、3)前記長手方向中間部の前記幅方向中央部と前記長手方向両端部の少なくとも前記幅方向中央部とにおいて、捲縮を有する親水性繊維と吸水材とを含有する低密度骨格層を有し、前記低密度骨格層は、前記幅方向中央部の少なくとも前記長手方向中間部において前記中央部吸収コア上層と接して前記裏面シート側に存在し、
前記低密度骨格層は前記中央部吸収コア上層及び前記両側部吸収コア層のそれぞれの密度より小さい密度を有し、前記低密度骨格層は少なくとも前記長手方向中間部の厚みが前記両側部吸収コア層のそれぞれの厚みより大きい厚みを有し、前記中央部吸収コア上層は前記両側部吸収コア層の坪量より小さい坪量を有する、吸収性物品。
【請求項2】
前記中央部吸収コア上層は前記両側部吸収コア層の密度より小さい密度を有し、前記中央部吸収コア上層は前記両側部吸収コア層の厚みより小さい厚みを有し、前記中央部吸収コア上層は前記低密度骨格層の少なくとも前記長手方向中間部における坪量より小さい坪量を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記低密度骨格層は、前記長手方向中間部及び長手方向両端部の両方の前記の前記幅方向中央部において前記中央部吸収コア上層と接して前記裏面シート側に存在する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記長手方向両端部の少なくとも一方において、前記低密度骨格層が、前記幅方向中央部から連続して前記幅方向両側部にも延在し、前記低密度骨格層は前記幅方向両側部では前記両側部吸収コア層と接して前記裏面シート側に存在し、前記長手方向両端部の前記少なくとも一方における前記低密度骨格層の前記幅方向の最大寸法は前記長手方向中間部における前記低密度骨格層の前記幅方向の最大寸法より大きく、前記長手方向両端部の前記少なくとも一方における前記低密度骨格層の坪量は前記長手方向中間部における前記低密度骨格層の坪量より小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記低密度骨格層において、前記親水性繊維はお互いにネット状に絡まっており、前記ネット状に絡まった前記親水性繊維の間に前記吸水材が担持されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記親水性繊維が開繊されたトウの連続フィラメントであり、前記開繊されたトウの連続フィラメントが前記長手方向に並んでいる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記低密度骨格層が前記吸収体の前記長手方向の両端まで延在し、前記開繊されたトウの連続フィラメントが前記吸収体の前記両端まで存在する、請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記低密度骨格層に含まれる前記吸水材は、接着剤で固定されていない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記両側部吸収コア層及び前記中央部吸収コア上層のそれぞれが、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含み、前記低密度骨格層に含まれる前記親水性繊維の親水度が前記パルプ繊維の親水度より低い、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸水材が高吸水性ポリマーである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記吸収性物品は前記表面シートから前記両側部吸収コア層に至る圧搾溝を有し、前記圧搾溝は前記幅方向両側部において前記長手方向に延在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記中央部吸収コア上層の密度が前記表面シートの密度より大きく、前記低密度骨格層の密度が前記表面シートの密度より小さい、請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記表面シートと前記吸収体との間にクッション層を有し、前記表面シートと前記クッション層とを一体にして測定した密度より、前記低密度骨格層の密度が小さく、前記中央部吸収コア上層の密度が大きい、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
失禁パッドまたは生理用ナプキンである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、吸収性物品に係り、とりわけ液透過性と液取り込み性の両方に優れるとともに、股間にフィットして装着感に優れ、液漏れ防止に優れる吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
失禁パッドや生理用ナプキン、使い捨ておむつなどの吸収性物品は、通常、透過性の表面シートと不透過性の裏面シートの間に体液を吸収する吸収体が配置された構造を有し、吸収性物品の装着性、体液吸収性は吸収体の構造や構成素材に依存するところが大きい。
【0003】
使い捨ておむつなどの吸収性物品において体液を効率よく取り込み、閉じ込めることを目的として、排泄口付近にパルプ繊維からなる獲得帯とその周囲にパルプ繊維からなる貯蔵帯を有し、さらにはその獲得帯及び貯蔵帯吸にパルプ繊維からなる吸収体層を積層してなり、獲得帯の平均密度及び坪量は貯蔵帯より低い平均密度と低い坪量である吸収体を具備する吸収性物品が開示されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1の吸収性物品では、獲得帯は低い平均密度と低い坪量を有しているので液透過性を有するが、獲得帯も貯蔵帯と同じ繊維パルプが用いられているので、液透過性が十分でないとして、トウからなる繊維集合体で構成されたトウ領域と、トウ以外の吸収性素材からなりトウ領域より圧縮仕事量(WC)が小さい厚み維持領域と、を備える吸収体が提案されている(特許文献2)。
【0005】
また、特許文献2の吸収性物品では、上層のトウは液透過性を高めるが、下層の液透過通路となる部分が液で満たされ、その後の新たな排泄液に対して上層からの液透過性が徐々に低下するとして、液の取り込み性を持続させるために、パルプ繊維を用いた液保持部と、該液保持部より液保持力が弱くかつ親水性の液透過部とを有し、該液透過部を化学繊維から成る不織布などで構成した吸収コアが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2635599号公報(特開昭63−109859号公報)
【特許文献2】特開2006−014886号公報
【特許文献3】特開2014−113273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、特許文献1の吸収性物品では、獲得帯と貯蔵帯を含む吸収体の全ての領域がパルプ繊維から構成されているので、獲得帯における液透過性や獲得帯から貯蔵帯への液の移行が十分でないのみならず、体圧で獲得帯の空隙が潰れてしまい、吸収速度向上の効果が期待できない、また、圧縮性、変形性及び圧縮回復性、変形回復性が劣るので、装着時のフィット性が劣り、違和感があるとともに、液モレの原因にもなるという欠点がある。
【0008】
特許文献2及び特許文献3の吸収性物品では、トウからなる繊維集合体で構成されたトウ領域や、化学繊維からなり液保持力が弱くかつ親水性の液透過部において、液透過性に優れるが、トウ領域及び液透過部が吸収体の肌側表面に露出して配置されているため、表面シートから吸収体への液引き込みが弱く、表面シートに体液が残存してしまい、濡れた感じを与えてしまい装着感が低下するという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記の背景技術の課題を解決し、液透過性と液取り込み性の両方に優れるとともに、股間にフィットして装着感に優れ、液漏れ防止に優れる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、排泄口付近に保水性材料を含む低密度骨格層を配置し、その幅方向両側には通常の吸収コア層を配置するとともに、低密度骨格層のすぐ上に低密度骨格層よりも親水度の高い吸収性材料層を配置した吸収体とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
そして、本発明は、下記のような態様を含む。
(態様1)
肌当接面側に配された液透過性の表面シート、非肌当接面側に配された液不透過性の裏面シート、及び該表面シート及び該裏面シートの間に介在配置された液保持性の吸収体を備え、長手方向及び幅方向を有する吸収性物品であって、
前記吸収体は、前記幅方向において、中央に前記長手方向の全長に延在する幅方向中央部と、前記幅方向中央部の両側に前記長手方向の全長に延在する幅方向両側部とに区画され、また、前記吸収体は、前記長手方向において、全長の中間領域にあって前記幅方向の全幅に延在する長手方向中間部と、前記長手方向中間部の両側に前記幅方向の全幅に延在する長手方向両端部とに区画され、
前記吸収体は、1)前記幅方向中央部において前記長手方向中間部と前記長手方向両端部との前記表面シート側に中央部吸収コア上層を有し、2)前記幅方向両側部において前記長手方向中間部と前記長手方向両端部との前記表面シート側に前記中央部吸収コア上層に隣接する両側部吸収コア層を有し、3)前記長手方向中間部の前記幅方向中央部と前記長手方向両端部の少なくとも前記幅方向中央部とにおいて、捲縮を有する親水性繊維と吸水材とを含有する低密度骨格層を有し、前記低密度骨格層は、前記幅方向中央部の少なくとも前記長手方向中間部において前記中央部吸収コア上層と接して前記裏面シート側に存在し、
前記低密度骨格層は前記中央部吸収コア上層及び前記両側部吸収コア層のそれぞれの密度より小さい密度を有し、前記低密度骨格層は少なくとも前記長手方向中間部の厚みが前記両側部吸収コア層のそれぞれの厚みより大きい厚みを有し、前記中央部吸収コア上層は前記両側部吸収コア層の前記長手方向中間部における坪量より小さい坪量を有する、吸収性物品。
【0012】
(作用効果)排泄口位置である幅方向中央部にある低密度骨格層は、捲縮を有する親水性繊維を含むので、繊維間のネット状の嵩高な空隙ができ、嵩高、低密度であるため、液透過性に優れ、吸収速度を向上させる作用があり、また繊維は親水性であるから、液を一時貯蔵できる。少なくとも排泄口位置を含む長手方向中間部、さらに任意に長手方向中間部の両外側の長手方向両端部において、低密度骨格層上には中央部吸収コア上層(以下、単に吸収コア上層ともいう。)があり、表面シートから液を引き込むことができる。引き込まれた液は、吸収コア上層に吸収されるとともに、吸収されない液は透過して、吸収コア上層の下にある低密度骨格層に移動する。その後、低密度骨格層に一時貯蔵された液は、低密度骨格層の両側に配置された両側部吸収コア層によって引き込まれていき、両側部吸収コア層で徐々に液の保持が行われる。このとき、低密度骨格層内の液がなくなって空隙が再生するので、繰り返し吸収が可能である。低密度骨格層に残った微量の液は吸収材によって吸収されるので、リウェットが低減されるとともに、低密度骨格層に再び液が透過してきても、繊維間の空隙には液が残っていないので、繰り返して液の一時貯蔵ができる。また、低密度骨格層は、両側部吸収コア層より厚く形成されて吸収性物品が中高の構造でありかつクッション性がよいので、装着感に優れるのみならず、排泄部にフィットする為、間に隙間が出来ず、隙間を伝って液が漏れることを防止する。また、両側部吸収コア層は、低密度骨格層と比べて密度が大きいので、体圧下でも嵩を維持することが可能であり、両側部吸収コア層が支え(柱)となって、低密度骨格層が潰されにくく、低密度骨格層の繊維間の空隙が維持され、繰り返しでの吸収速度の維持が可能である。また、少なくとも排泄口位置を含む長手方向中間部、さらに任意に長手方向中間部の両外側の長手方向両端部において、低密度骨格層の上層には低密度骨格層と接して低密度骨格層と比べて密度が大きい吸収コア上層があるので、表面シートに残る液や表面シートを流れる液を引き込むことができ、表面シート上の残存水分や表面シートの表面を流れる液漏れを、特に吸収性物品の着用者が横向き状態になった場合にも、低減することが可能である。また、低密度骨格層から溢れる液によるリウェットも吸収コア上層があるので、低減される。吸収コア上層が両側部吸収コア層の坪量より小さい坪量を有するので、吸収コア上層において両側部吸収コア層より液が透過しやすく、吸収コア上層を介した低密度骨格層への液の透過性に優れることができる。
【0013】
また、捲縮を有する親水性繊維によって構成される低密度骨格層は、両側部吸収コア層より厚みが大きくて盛り上がるので排泄口付近に密着する上に、圧縮仕事量WC値が大きいので、圧縮しやすく変形されやすく、しかも、股間に装着した際に、幅方向両側部が押されることによって中央部分が変形し身体に馴染んでくるので、(一律ではなく)個々の装着者に応じてボディフィットした構造を形成できる。そのため、装着中に柔らかく違和感なく感じる上、フィットしているので、モレ防止にも有効である。さらに、低密度骨格層は、体液を吸収した後でも、骨格構造を維持できるので、圧縮回復性がよくヨレにくい。その為、股間幅が狭くなったままにならず吸収面積を維持できるので、モレ防止にも有効である。
【0014】
(態様2)
前記中央部吸収コア上層は前記両側部吸収コア層の密度より小さい密度を有し、前記中央部吸収コア上層は前記両側部吸収コア層の厚みより小さい厚みを有し、前記中央部吸収コア上層は前記低密度骨格層の少なくとも前記長手方向中間部における坪量より小さい坪量を有する、態様1に記載の吸収性物品。
(作用効果)吸収コア上層が両側部吸収コア層の密度より小さい密度と小さい厚みとを有するので、吸収コア上層において両側部吸収コア層より液が透過しやすく、吸収コア上層を介した低密度骨格層への液透過性に優れることができる。また、両側部吸収コア層は、吸収コア上層より大きい密度と大きい厚みを有するので、低密度骨格層から液を引き取る性能に優れるとともに、低密度骨格層を支える力が大きい。吸収コア上層は低密度骨格層の少なくとも長手方向中間部における坪量より小さい坪量を有するので、表面シートから引き込まれた液は、吸収コア上層で多く吸収されないで、透過して、吸収コア上層の下にある低密度骨格層に移動する。
【0015】
(態様3)
前記低密度骨格層は、前記長手方向中間部及び長手方向両端部の両方の前記の前記幅方向中央部において前記中央部吸収コア上層と接して前記裏面シート側に存在する、態様1又は2に記載の吸収性物品。
(作用効果)低密度骨格層が、長手方向中間部のみならず長手方向両端部においても幅方向中央部において中央部吸収コア上層と接して裏面シート側に存在するので、排泄口位置で低密度骨格層に引き込まれた液がより遠くの長手方向両端部にある両側部吸収コア層、さらには中央部吸収コア上層と協同して液の引き込みの作用をすることができる。
【0016】
(態様4)
前記長手方向両端部の少なくとも一方において、前記低密度骨格層が、前記幅方向中央部から連続して前記幅方向両側部にも延在し、前記低密度骨格層は前記幅方向両側部では前記両側部吸収コア層と接して前記裏面シート側に存在し、前記長手方向両端部の前記少なくとも一方における前記低密度骨格層の前記幅方向の最大寸法は前記長手方向中間部における前記低密度骨格層の前記幅方向の最大寸法より大きく、前記長手方向両端部の前記少なくとも一方における前記低密度骨格層の坪量は前記長手方向中間部における前記低密度骨格層の坪量より小さい、態様1〜3のいずれか1に記載の吸収性物品。
(作用効果)吸収性物品の長手方向の少なくとも一方の端部において、低密度骨格層が長手方向中間部と比べて拡幅されかつ坪量が減少しているので、嵩高な低密度骨格層の厚みを身体の腹側又は尻側において薄くでき、装着違和感が軽減する。低密度骨格層が幅方向両側部の両側部吸収コア層と重なるように延在していると、そこにおける両側部吸収コア層と低密度骨格層の材料が絡んで吸収体の型崩れが抑制され、また低密度骨格層が両側部吸収コア層と重なるように延在している分、吸収体面積がより有効に活用され、漏れ防止に有効である。
【0017】
(態様5)
前記低密度骨格層において、前記親水性繊維はお互いにネット状に絡まっており、前記ネット状に絡まった前記親水性繊維の間に前記吸水材が担持されている、態様1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)低密度骨格層において、親水性繊維同士がネット状に絡まっているので吸水材を保持でき、かつ親水性繊維同士は接合されていないので、親水性繊維が吸水材の膨潤を妨げることがなく、吸水材の吸水性がより発揮される。
【0018】
(態様6)
前記親水性繊維が開繊されたトウの連続フィラメントであり、前記開繊されたトウの連続フィラメントが前記長手方向に並んでいる、態様1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)低密度骨格層において、親水性繊維が開繊されたトウの連続フィラメントであり、開繊されたトウの連続フィラメントが長手方向に並んでいるので、低密度骨格層に吸収され連続フィラメント同士の間隙に一時保持された液が連続フィラメントに沿って長手方向に拡散されることが促進される。また、液の長手方向の拡散が促進される結果、液の低密度骨格層から両側部吸収コア層への移行が全体として加速されるので、吸収性物品の着用者が横向き状態になった場合の体液の漏れ防止、及びリウェット防止の効果が顕著になる。
【0019】
(態様7)
前記低密度骨格層が前記吸収体の前記長手方向の両端部まで延在し、前記開繊されたトウの連続フィラメントが前記吸収体の前記両端部まで存在する、態様6に記載の吸収性物品。
(作用効果)低密度骨格層が吸収体の長手方向の両端部まで延在し、開繊されたトウの連続フィラメントが吸収体の長手方向の両端部のそれぞれまで延在するので、低密度骨格層に吸収された液が開繊されたトウの連続フィラメントに沿って長手方向に拡散される作用が吸収体の長さの全長に亘って作用する。その結果、液の長手方向の拡散がより強く促進されて、態様4の液の低密度骨格層から両側部吸収コア層への移行がより顕著に加速される。
【0020】
(態様8)
前記低密度骨格層に含まれる前記吸水材は、接着剤で固定されてない、態様1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)吸水材が接着剤で固定されていないので、吸水材が接着剤で固定されている場合に生じる吸水材が液の流れや、液の吸収を阻害することがない。
【0021】
(態様9)
前記両側部吸収コア層及び前記中央部吸収コア上層のそれぞれが、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含み、前記低密度骨格層に含まれる前記親水性繊維の親水度が前記パルプ繊維の親水度より低い、態様1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)両側部吸収コア層及び吸収コア上層は、パルプ繊維及び吸水性ポリマーを含むことで、パルプ繊維は親水度(公定水分率)が高く、吸水性ポリマーは質量当たりの吸水量が大きく、ゲル強度も高いので、両側部吸収コア層及び吸収コア上層が表面シートから液を引き込む性能及び液を保持する性能に優れている。低密度骨格層に含まれる親水性繊維は、液との親和性はあるが、両側部吸収コア層及び吸収コア上層に含まれるパルプ繊維より親水度(公定水分率)が低いので、低密度骨格層中に取り込まれた液は両側部吸収体へ移行しやすく、低密度骨格層に液が残らないので、リウェットが低減できる。
【0022】
(態様10)
前記吸水材が高吸水性ポリマーである、態様1〜9のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)吸水材が高吸水性ポリマーであると、質量当たりの吸水量が大きく、ゲル強度も高いため、低密度骨格層の空隙を維持し、くり返しの吸収性維持が可能にされる。
【0023】
(態様11)
前記吸収性物品は前記表面シートから前記両側部吸収コア層に至る圧搾溝を有し、前記圧搾溝は前記幅方向両側部において前記長手方向に延在する、態様1〜10のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【0024】
(作用効果)表面シートから両側部吸収コア層に至る圧搾溝(ヒンジ)が、幅方向中央部の低密度骨格層ではなく、幅方向両側部の両側部吸収コア層において長手方向に延在することで、吸収体が低密度骨格層の形状を維持するので、吸収性物品が型崩れせず、性能を保持し、クッション性に富むことができる。
【0025】
(態様12)
前記中央部吸収コア上層の密度が前記表面シートの密度より大きく、前記低密度骨格層の密度が前記表面シートの密度より小さい、態様1〜11のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)吸収コア上層の密度が表面シートの密度より大きいので、表面シートから吸収コア上層への液の吸収性に優れることができる。低密度骨格層の密度は表面シートの密度より小さいので、幅方向中央部において吸収コア上層及び低密度骨格層全体として液透過性が付与される。
【0026】
(態様13)
前記表面シートと前記吸収体との間にクッション層を有し、前記表面シートと前記クッション層とを一体にして測定した密度より、前記低密度骨格層の密度が小さく、前記中央部吸収コア上層の密度が大きい、態様1〜12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)表面シートと吸収体との間にクッション層を有する場合、表面シートとクッション層とを一体にして測定した平均密度より、低密度骨格層の密度が小さく、吸収コア上層の密度が大きいので、表面シートの下にクッション層を有する場合にも、態様10に記載した低密度骨格層の液透過性、吸収コア上層の液の吸収性に優れることができる。
【0027】
(態様14)
失禁パッドまたは生理用ナプキンである、態様1〜13のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)失禁パッドまたは生理用ナプキンは、使い捨ておむつと比べて比較的に小さい寸法であり、また排泄口に密着して装着されるので、より速くかつより多くの排泄物を吸収できること、繰り返して使用できること、装着感に優れることが求められるが、本発明の吸収性物品は液吸収性、液漏れ防止性、装着感に優れており、この用途に適している。
【発明の効果】
【0028】
本願発明の吸収性物品は、液透過性と液取り込み性の両方に優れるとともに、股間にフィットして装着感に優れ、液漏れ防止に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、第1の実施態様の失禁パッド1の一部破断した斜視図である。
図2図2は、図1に示す失禁パッド1の吸収体4の模式平面図である。
図3図3は、図2の吸収体4のIII−III端面における模式端面図である。
図4図4は、開繊したトウの連続フィラメント内にSAPが分散保持されている状態を示す電子顕微鏡写真である。
図5図5は、第1の実施態様の失禁パッド1の模式平面図である。
図6図6は、図5の失禁パッド1の、VI−VI端面における模式端面図である。
図7図7は、第2の実施態様の失禁パッド1の吸収体4の模式平面図である。
図8図8(a)(b)は、図7の吸収体4の端部における吸収コア41の模式端面図である。
図9図9は、第2の実施態様の失禁パッド1の模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(吸収性物品の実施態様)
本発明の吸収性物品の第1の実施態様を、図面(図1図6)を参照して説明する。図1は本発明の吸収性物品の第1の実施態様である失禁パッド1を示す斜視図であるが、一部破断されている。図1を参照すると、失禁パッド1の肌当接面側が見えており、肌当接面側の表面に液透過性の表面シート2、肌当接面側の表面と反対側の非肌当接面側の表面に液不透過性の裏面シート3を有し、表面シート2と裏面シート3の間に吸収体4が配置されて構成されている。
【0031】
図2は、図1の失禁パッド1の吸収体4の平面図を示す。吸収体4は、長手方向Lと、長手方向に垂直な幅方向Wを有し、長手方向L及び幅方向Wで形成される平面に対して垂直な厚み方向を有する。図2を参照すると、吸収体4は長手方向Lの中央付近において幅が縮小した砂時計型の形状をしている。吸収体4の外縁は吸収コアを覆うコアラップ42の接合領域であり、その外縁を除いた内部に、吸収コア41が存在する。吸収コア41は、幅方向Wの中央に、長手方向に延在する幅方向中央部4Cと、幅方向中央部4Cの両側に長手方向に延在する幅方向両側部4Sとに区画される。
【0032】
なお、本発明の吸収物品の吸収体において幅方向中央部4Cと幅方向両側部4Sは、吸収体を区分する領域として定義される。吸収体において幅方向中央部4Cと幅方向両側部4Sは、幅方向中心線Lcを中心として約20mm〜70mm、好ましくは40〜50mmの幅の領域を幅方向中央部4Cとし、その両外側を幅方向両側部4Sとしている。幅方向両側部4Sのそれぞれの幅は10mm以上あればよい。幅方向両側部4Sのそれぞれの幅の上限は、吸収体の全幅から幅方向中央部4Cを適宜形成した残りの寸法でよい。吸収体の幅方向の寸法は、股間に当たる長さ方向の中心付近で50〜120mm程度であり、対象者の股間幅に応じて中央部4Cの幅を規定し、それよりも外側を両側部とする。
【0033】
以下の第1の実施態様の説明及び図面では、便宜上、幅方向中央部4Cと幅方向両側部4Sを、吸収コア41における低密度骨格層及び中央部吸収コア上層と両側部吸収コア層とを区分する領域として表記する。
【0034】
また、吸収性物品の吸収体4は、図2において、長手方向Lにおいて、全長の中間領域を含み全幅方向に延在する長手方向中間部4Mと、長手方向中間部4Mの外側の両端部の長手方向両端部4Eとに区画される。長手方向中間部4Mは、長手方向において、排泄口位置に相当する部分を含み、50mm〜200mm程度、好ましくは80〜180mm程度の寸法の領域である。長手方向中間部4Mの長手方向の寸法が50mm未満ではフィット性が低下する。なお、排泄口位置の中心は吸収体の長手方向の中心(中央)とは限らないので、長手方向中間部4Mは吸収体の前後どちらかの側に偏在していてもよい。また、長手方向両端部4Eのそれぞれの長手方向の寸法が同じである必要もない。長手方向両端部4Eのそれぞれの長手方向の寸法は10mm以上であればよく、吸収体の全長から長手方向中間部4Mの位置及び寸法を適宜画定した残りの寸法でよい。また、吸収体の長さ方向の全長は、失禁パッドや生理用ナプキン、そのサイズなどの吸収性物品の種類によって決められ、一般的に150〜400mm程度である。
【0035】
ただし、第1の実施態様では、低密度骨格層、中央部吸収コア上層及び両側部吸収コア層のいずれの層も、幅方向中央部4Cと幅方向両側部4Sのそれぞれの全長に亘って幅方向中央部または幅方向両側部に延在するだけであり、特に低密度骨格層も全長に亘って幅方向中央部に延在するだけで幅方向両側部に延在していないので、長手方向中間部4Mと長手方向両端部4Eとは格別に区別する意味がなく、以下の第1の実施態様の説明及び図面では、単に低密度骨格層、中央部吸収コア上層及び両側部吸収コア層として表記する。
【0036】
なお、長手方向両端部4Eは、第2の実施態様において、低密度骨格層の幅が長手方向中間部4Mにおける幅よりも長手方向両端部4Eにおいて拡幅する領域を規定することに意義があるが、低密度骨格層の幅が長手方向中間部4Mにおける幅よりも拡幅する領域は、長手方向両端部4Eのどちらか一方の端部であることができ、さらに第1の実施態様では長手方向両端部4Eのどちらも拡幅していない。
【0037】
図3は、図2における吸収体4のIII−III端面における端面図である。吸収体4は、吸収性、保水性を有する吸収コア41と、吸収コア41を覆うコアラップ42を含む。図3の端面において、図の上側が表面シート2のある肌接触面側、下側が裏面シート3のある非肌接触面側であり、図の左右の横方向の中央に幅方向中央部4C、幅方向中央部4Cの左右両側に幅方向両側部4Sを有する。なお、図3において圧搾溝は省略されている。コアラップ42で覆われた吸収コア41は、幅方向中央部4Cの非肌面側に低密度骨格層411と、幅方向中央部4Cの低密度骨格層411の上、すなわち肌面側に吸収コア上層412と、幅方向両側部4Sのそれぞれの側部に両側部吸収コア層413とを有する。本実施態様において、低密度骨格層411と、吸収コア上層412とは、図2に示す幅方向中央部4Cにおいて長手方向Lに吸収コア41の全長に亘って延在し、両側部吸収コア層413は、図2に示す幅方向両側部4Sにおいて長手方向Lに吸収コア41の全長に亘って延在している。なお、以下では、簡便のために、「中央部吸収コア上層」を「吸収コア上層」と略記する。
【0038】
本実施態様の失禁パッドにおいて、図1図3に示した吸収体4は、幅方向中央部4Cの表面シート2側に吸収コア上層412を有し、幅方向中央部4Cに吸収コア上層412と接して裏面シート3側に低密度骨格層411を有し、幅方向両側部4Sに、低密度骨格層411及び吸収コア上層412のそれぞれの幅方向の両側に隣接する両側部吸収コア層413を有し、低密度骨格層411は捲縮を有する親水性繊維と吸水材とを含有し、低密度骨格層411は吸収コア上層412及び両側部吸収コア層413の密度より小さい密度を有し、低密度骨格層411は両側部吸収コア層413の厚みより大きい厚みを有し、吸収コア上層412は両側部吸収コア層413の坪量より小さい坪量を有することを特徴とする。
【0039】
本実施態様の失禁パッドにおいて、幅方向中央部4Cと幅方向両側部4Sの各々との幅の比は、20〜60:40〜20であることが好ましい。幅方向中央部4Cの幅が小さすぎると、排泄された液を透過する能力が不足して、表面シート2上に液が残り、違和感を生じたり、表面シート2から液が漏れるなどの恐れがあり、本発明の効果が低減し、好ましくない。幅方向中央部4Cの幅が大きすぎると、両側部吸収コア層413の吸収コアの量が低減するので、吸収体全体としての吸収性能が低下し、また低密度骨格層411が潰れやすいので、本発明の効果が低減し、好ましくない。
【0040】
本実施態様では、幅方向中央部の低密度骨格層411及び吸収コア上層412は、コアラップを除く吸収体4の全長及び吸収コア41の全長に延在しており、この構成は低密度骨格層411を構成する捲縮を有する親水性繊維として長繊維(繊維長70mm以上)、特に開繊されたトウの連続フィラメントを用いる場合に好ましい。しかしながら、低密度骨格層411及び吸収コア上層412は、吸収体4及び吸収コア41の全長に延在するのではなく、幅方向中央部4Cの長さ方向の中心部分だけに存在し、幅方向中央部4Cの長さ方向の両端部は両側部吸収コア層413と同じまたは同様の吸収コア層を設けて、低密度骨格層411及び吸収コア上層412の周囲四方向を吸収コア層で囲む構成であってもよい。また、本実施態様では、吸収体4は失禁パッドのほぼ全長にわたって延在しているが、特に使い捨ておむつなどの場合、吸収体の全長の一部、特に長さ方向の中心部分のみに存在してもよい。
【0041】
また、吸収体4の形状も、砂時計型あるいはひょうたん型のほか、長方形、楕円形などでもよい。
【0042】
(低密度骨格層)
本実施態様の失禁パッドにおいて、低密度骨格層411は、吸収体4の幅方向中央部4Cに吸収コア上層と接して裏面シート3側にあり、長手方向Lに延在している。
(捲縮を有する親水性繊維)
低密度骨格層411に用いる捲縮を有する親水性繊維は、失禁パッドを含む吸収性物品の吸収体に用いられる公知の親水性繊維から選択して使用できる。ここで親水性繊維は、繊維の素材それ自体が親水性を有するもののほか、繊維素材それ自体は親水性を有していないが、親水性処理によって親水性が付与されたものでもよい。繊維が親水性であることによって、液を引き込み、また一次的に保持することが可能にされる。
【0043】
親水性繊維としては、天然繊維、合成繊維、半合成繊維、再生繊維のいずれでもよいが、天然繊維としてはパルプなど、合成繊維としてはポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維など、半合成繊維としてはレーヨンやキュポラなど、再生繊維としてアセテートなどを挙げることができる。
【0044】
本実施態様の失禁パッドにおいて、低密度骨格層の親水性繊維は捲縮を有する親水性繊維であれば、低密度骨格層を構成することができるが、両側部吸収コア層を構成する素材、代表的にパルプ繊維の液保持力より液保持力が低い繊維が好適である。したがって、低密度骨格層の親水性繊維は、パルプ繊維以外の親水性繊維であることが好ましい。両側部吸収コア層と低密度骨格層の親水性繊維の液保持力に差があることで、低密度骨格層における液透過性が向上するのみならず、低密度骨格層に一次的に保持された液を両側部吸収コア層へ移行させる速度も向上することができるからである。繊維の液保持力の強弱は、繊維の公定水分率によって評価することができる。繊維の公定水分率の測定方法は、日本工業規格JIS L0105:2006(繊維製品の物理試験方法通則)(対応ISO 139:2005)に規定されており、各種の繊維の公定水分率は公表されている。
【0045】
本発明において、繊維が捲縮を有するとは、繊維が縮んで巻いている状態のほか、繊維同士が絡まっている状態など、繊維が単に堆積している状態と比べて繊維間により大きい空隙が形成されている状態(構造)をいう。捲縮を有する繊維同士が融着あるいは接着剤などで結合されていることは必要でないが、結合されていてもよい。繊維が捲縮していると、繊維間に間隙ができるので、嵩高で軽量(低密度)になり、液透過性が向上する。また伸縮性や弾力性も向上するので、失禁パッドのフィット性が向上して、装着感が向上するのみならず、液漏れも防止される。捲縮の有無は、繊維を電子顕微鏡観察することにより判別できる。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1本の繊維の長さ1インチ(2.54cm)当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個とすることができる。なお、捲縮度についてはJIS L1015に規定がある。
【0046】
また、低密度骨格層の捲縮を有する親水性繊維は、吸収コアに用いられるパルプ繊維などと比べて、圧縮仕事量WC値が大きいので、圧縮しやすく変形されやすく、股間に装着した際に、幅方向両側部が押されることによって中央部分が変形し身体に馴染んでくるので、(一律ではなく)個々の装着者に応じてボディフィットした構造を形成できる。そのため、装着中に柔らかく違和感なく感じる上、フィットしているので、モレ防止にも有効である。さらに、低密度骨格層は、体液を吸収した後でも、骨格構造を維持できるので、圧縮回復性がよくヨレにくい。その為、股間幅が狭くなったままにならず吸収面積を維持できるので、モレ防止にも有効である。
【0047】
捲縮を有する繊維の構造物としては、開繊したトウの連続繊維(フィラメント)のほか、不織布、ウェブなどを好適に用いることができる。しかし、開繊したトウの連続フィラメントは、嵩高さ(間隙が多い、低密度)と、強度、圧縮性、伸縮性との両方に優れることが可能であり、低密度骨格層を構成する繊維として特に好適である。
【0048】
(開繊されたトウの連続フィラメント)
開繊されたトウの連続フィラメントとは、トウ(繊維束)を構成している連続フィラメントが開繊された状態をいう。開繊されたトウの連続フィラメントとしては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができるが、特に、セルロースエステル及びセルロースが好ましい。
【0049】
開繊されたトウの連続フィラメントの繊度は、例えば、1〜16デニール、好ましくは1〜10デニール、さらに好ましくは2〜8デニール程度とすることができる。トウの連続フィラメントの捲縮度は、例えば、1インチ(2.54cm)当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。トウ構成繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。トウの連続フィラメントは、例えば、3,000〜1,000,000本、好ましくは10,000〜100,000本程度の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用することができる。
【0050】
開繊されたトウの連続フィラメントは、トウを原材料として、公知の方法により開繊して得ることができ、その際、必要に応じて、所望のサイズ、嵩となるように帯状に開繊することができる。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅100〜2000mm、好ましくは150〜1500mm程度とすることができる。トウを開繊すると、吸収材(高吸収性ポリマー)の移動がより容易になるため好ましい。また、トウの開繊度合いを調整することにより、衝撃吸収材層の空隙率を調整することができる。
【0051】
開繊されたトウの連続フィラメントが低密度骨格層411の長手方向に並ぶように配置されていると、低密度骨格層411に透過した液がトウの連続フィラメントに沿って長手方向に移行することが促進され、低密度骨格層411のより広い領域から両側部吸収コア層413に液を引き取ることが可能にされることで、失禁パッドの長手方向の液はけが向上するので好ましい。
【0052】
(不織布及びウェブ)
低密度骨格層を構成する捲縮を有する親水性繊維として用いる不織布としては、例えば、サーマルボンド、エアースルー等の不織布が用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を例示できる。
【0053】
また、低密度骨格層を構成する捲縮を有する親水性繊維としてカードウェブを用いることもできる。
【0054】
(吸水材)
本実施態様において、低密度骨格層は、捲縮を有する親水性繊維のほかに、さらに吸水材を含有する。低密度骨格層を捲縮を有する親水性繊維で構成すると、繊維間の空隙が大きいので液透過性には優れるが、捲縮を有する親水性繊維だけでは液を保持する力が十分ではないので、さらに吸水材を含有することで、低密度骨格層の繊維間で液を受け止めつつ、流れを遅くしながら、吸収材で液を吸収することができる。
【0055】
吸水材としては、広く液を吸収、保持する能力がある公知の材料を用いることができるが、高吸収性ポリマー(super absorbent polymer:SAP)が好適である。高吸収性ポリマーとしては、従来用いられている各種のものを用いることができる。例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられる。これらの吸収性ポリマーの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0056】
低密度骨格層411において、吸水材は捲縮を有する親水性繊維に絡まれて担持され、接着剤で接合されることなく担持されていることが好ましい。吸水材に移動の自由度があれると、吸収材が吸水して膨張して液の流れを阻害することを減少させることができる。捲縮を有する親水性繊維に吸水材を絡まれせる方法は、公知である。たとえば、開繊したトウの連続フィラメントにはエアーで吸水材を取り込ませることができる。図4は、実施例で作製した低密度骨格層の電子顕微鏡写真であるが、開繊したトウの連続フィラメントの間に高吸収性ポリマー(SAP)が接着剤なしで担持されている様子が観察される。
【0057】
(低密度骨格層の密度)
本実施態様において、低密度骨格層の密度(平均値)は、両側部吸収コア層及び吸収コア上層の密度(平均値)より小さい。さらに、低密度骨格層の密度は、表面シートの密度(平均値)や、表面シートと吸収体の間に配置されることがあるクッション層の密度(平均値)より小さいことが好ましい。低密度骨格層の密度が表面シートやクッション層の密度より小さいことで、低密度骨格層の液透過性に優れることができる。
【0058】
本明細書において、吸収体を構成する部材(低密度骨格層、両側部吸収コア層及び吸収コア上層)等の密度(平均値)の測定は、それぞれの層の体積と質量を測定して求められるが、各層の密度が比較的に均一であれば、各層の一部を切り出して、その体積と質量を測定して求めてもよい。本明細書において、吸収体を構成する部材等の密度、厚み及び坪量は、特に断らない限り、また前後の文脈から平均値でないことが明らかな場合を除き、それぞれの平均値を指称するものとする。
【0059】
また、本明細書において、吸収体を構成する部材の密度(平均値)の算出方法は、以下の通りとする。対象部材について、下記厚みの測定方法に従って厚みを算出し、加圧した5つの異なる部位において、平面視にて20mm×20mm以上の大きさのサンプルを少なくとも5つ準備する。各部位について、それぞれ体積を算出する。続いて、各サンプルの質量を測定し、その体積で割り、少なくとも5つの算出値の平均値を該部材の密度(平均値)とする。
【0060】
なお、本発明において、吸収体を構成する部材等の密度及び厚みを比較する場合には、一義的には低圧力(49N/m2)での密度及び厚みの比較であるが、さらに高圧力(4900N/m2)での密度及び厚みの比較においても所定の関係が満たされることが好ましい。また、簡便には低圧力(49N/m2)での厚みに代えて、吸収体の断面を測定または観察して厚みの大小を判断することも可能である。
【0061】
低密度骨格層の密度は、測定圧49N/m2の低圧力において、好ましくは0.01〜0.125g/cm3、更に好ましくは0.015〜0.063g/cm3、更に好ましくは0.023〜0.050g/cm3である。また、測定圧4900N/m2の高圧力において、好ましくは0.020〜0.120g/cm3、更に好ましくは0.030〜0.100g/cm3、更に好ましくは0.040〜0.080g/cm3である。
【0062】
(低密度骨格層の厚み)
本実施態様において、低密度骨格層の厚み(平均値)は両側部吸収コア層の厚み(平均値)より大きい。低密度骨格層は両側部吸収コア層より厚く形成されているので、吸収性物品が中高の構造でありかつクッション性がよいので、装着感に優れるのみならず、排泄部にフィットする為、間に隙間が出来ず、隙間を伝って液が漏れることを防止することができる。また、低密度骨格層の厚みは吸収コア上層の厚みより大きいことが好ましい。吸収コア上層の厚みが低密度骨格層の厚みより大きいと、低密度骨格層の液透過性、一時貯蔵性が損なわれる恐れがある。ただし、低密度骨格層は、吸収体を幅方向に切断した横断面において低密度骨格層は幅方向の中央より端部付近において厚さが小さくなる形状になりやすい。このとき、低密度骨格層上の吸収コア上層は、低密度骨格層の幅方向中央の厚みより幅方向端部付近において厚みが大きくなり、吸収コア上層の頂面と両側部吸収コア層の頂面とが連続する形状になりやすい。したがって、吸収コア上層の厚み(平均値)は、低密度骨格層の厚み(平均値)と比べて小さいが、局所的には吸収コア上層の厚みが低密度骨格層の厚みより大きくなることは許容される。
【0063】
なお、本明細書において、吸収体を構成する部材等の厚みの測定方法は、以下の通りとする。サンプルは一定のサイズでの採取が困難であるので、圧搾溝(ヒンジ)の部分を含まない部分から複数個切り取るが、20mm×20mm以上の大きさであることが好ましい。
【0064】
KESハンディ圧縮試験機(カトーテック株式会社、KES−G5)を用い、標準状態(温度23±2℃、相対湿度50±5%)の下、測定面積2.0cm2、測定圧49N/m2(0.5gf/cm2)(低圧力)及び4900N/m2(50gf/cm2)(高圧力)の条件で、該部材の異なる5つ以上の部位を加圧し、各部位における厚みを測定し、低圧力及び高圧力のそれぞれにおける5つ以上の測定値の平均値を該部材の厚みとする。
【0065】
本実施態様の吸収体4において、低密度骨格層411の厚みは、低圧力49N/m2において、両側部吸収コア層413の厚みの120%以上であることが好ましく、140%以上、さらには160%以上であることができ、高圧力4900N/m2において、低密度骨格層411の厚みの110%以上であることが好ましく、115%以上、さらには120%以上であることができる。また、本実施態様の吸収体4において、低密度骨格層411の厚みは、限定されないが、低圧力49N/m2において、4.00〜18.00mmであることができ、10.00〜15.00mmであることが好ましい。また、高圧力4900N/m2において、3.80〜8.00mmであることができ、4.20〜6.50mmであることが好ましい。
【0066】
なお、低密度骨格層411の厚みは、上記した低圧力49N/m2及び高圧力4900N/m2での測定方法により測定されるが、各部位の相対的厚みを知る目的であれば、簡易には、吸収体を切断した横断面における層の厚みを物差しで計測して測定することができる。
【0067】
(低密度骨格層の坪量)
低密度骨格層の坪量(平均値)の範囲は、200〜500g/m2であることが好ましく、より好ましくは300〜450g/m2である。
低密度骨格層における捲縮を有する親水性繊維の坪量(平均値)の範囲は、90〜400g/m2であることが好ましく、より好ましくは150〜350g/m2である。低密度骨格層に空隙を形成し、液透過性とクッション性を付与するために、捲縮を有する親水性繊維の坪量は所定量より多いことが望ましく、またより多いことが好ましいが、多すぎると嵩高すぎてかえって装着性が悪くなる恐れがある。低密度骨格層における吸水材の坪量の測定は、低密度骨格層の寸法を測定してから、低密度骨格層から吸水材だけを注意深く取出し、親水性繊維の質量を測定することで、計算して求めることができる。
【0068】
低密度骨格層における吸水材の坪量(平均値)の範囲は、捲縮を有する親水性繊維と吸水材の合計の坪量に対して、20〜70%が好ましく、30〜60%がより好ましい。また、吸水材の坪量(平均値)の範囲は、50〜400g/m2であることが好ましく、より好ましくは、100〜300g/m2である。吸水材の坪量が少ないと吸水性が不足する恐れがある。捲縮を有する親水性繊維に対して吸水材の坪量があまり多くなると、低密度骨格層が多量の液を保持して、液透過性能が低下する恐れ、2回目の液吸収力が減少するおそれがある。低密度骨格層における吸水材の坪量の測定は、低密度骨格層の寸法を測定してから、低密度骨格層から吸水材だけを注意深く取出し、取り出した吸水材の質量を測定することで、計算して求めることができる。
【0069】
(中央部吸収コア上層)
本実施態様の吸収体4において、吸収コア上層412は、幅方向中央部4Cに長手方向に延在するとともに、低密度骨格層411の上側に低密度骨格層411と接して、表面シート2側に存在する。吸収コア上層412は、低密度骨格層411と積層されて低密度骨格層411を覆う部材であり、平面視(平面図)において、基本的に低密度骨格層411と同じ形状を有しているが、吸収コア上層412は低密度骨格層411を覆っていれば、低密度骨格層411の長手方向にさらに延長された形状であってもよい。また、吸収コア上層412は、低密度骨格層411が液透過層及び一時貯蔵層として機能できる領域を覆っていれば、低密度骨格層411より長さ方向に短くてもよい。吸収コア上層412及び低密度骨格層411の幅方向の両側には、吸収コア上層412及び低密度骨格層411の両方と接して両側に両側部吸収コア層413がそれぞれ存在する。吸収コア上層412は、幅方向において、両側部吸収コア層413と連続する吸収コア層を成していることが好ましい。吸収コア上層412は、両側部吸収コア層413と別々に形成してもよいし、吸収コア上層412は両側部吸収コア層413と同時に一体的に形成しても、いずれでもよい。
【0070】
本実施態様の吸収体4及び吸収コア41において、低密度骨格層411が吸収コア上層412の密度(平均値)より小さい密度(平均値)を有し、吸収コア上層412は両側部吸収コア層413の密度(平均値)より小さい密度(平均値)を有し、吸収コア上層412は両側部吸収コア層413の厚み(平均値)より小さい厚み(平均値)を有することを特徴とする。低密度骨格層411は、吸収体を幅方向に切断した横断面において低密度骨格層は幅方向の中央より端部付近において厚さが小さくなる形状になりやすい。このとき、低密度骨格層上に形成される吸収コア上層は、吸収コア上層の幅方向の中央付近の厚みより両端部付近において厚みが大きくなって、吸収コア上層の頂面と両側部吸収コア層の頂面とが連続する形状になりやすい(このような連続的な形状であることは好ましい)。したがって、吸収コア上層の厚み(平均値)は、低密度骨格層の厚み(平均値)と比べて小さいが、局所的には吸収コア上層の厚みが低密度骨格層の厚みより大きくなることは許容される。
【0071】
吸収コア上層412の構成要素としては、例えば、親水性繊維が挙げられ、更に具体的には、粉砕パルプ、コットン等のセルロース;レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース;アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース;繊維状ポリマー;熱可塑性疎水性化学繊維;親水化処理された熱可塑性疎水性化学繊維;及びこれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。また、吸収コア上層の構成要素として、例えば、アクリル酸ナトリウムコポリマー等の高吸収性ポリマーからなる粒状物を用いてもよい。しかし、吸収コア上層412は、吸収性能から粉砕パルプと高吸収性ポリマー(SAP)を含有するものが最も好ましい。
【0072】
本実施態様において吸収コア上層412の密度(平均値)は、低密度骨格層411の密度(平均値)より大きい。低密度骨格層411の密度より大きい密度を有して吸水性能が高い吸収コア上層412を、低密度骨格層411の表面シート2側に配置することで、リウェット及び液漏れを低減、防止するものである。
【0073】
吸収コア上層412の密度(平均値)は、測定圧49N/m2の低圧力において、好ましくは0.030〜0.120g/cm3、更に好ましくは0.040〜0.080g/cm3である。また、測定圧4900/m2の高圧力において、好ましくは0.016〜0.400g/cm3、更に好ましくは0.090〜0.150g/cm3、更に好ましくは0.100〜0.120g/cm3である。吸収コア上層の密度の測定方法は、低密度骨格層の密度の測定方法として記載した上記方法と同様である。
【0074】
本実施態様の吸収体4において、吸収コア上層412の厚み(平均値)は、低密度骨格層411の厚み(平均値)より小さいことが好ましい。吸収コア上層412の厚みが大きすぎると、低密度骨格層411の厚みが減少して、低密度骨格層411の繊維間の空間量が減少するので、液透過性、液一時貯蔵性能が低下する。吸収コア上層412の厚みは、低密度骨格層411の厚みの40%以下、さらには30%以下の厚みが好ましく、低密度骨格層411及び吸収コア上層412の構成(組成)にもよるが、25%以下や20%以下の厚みが好ましい場合もある。吸収コア上層412の厚みの下限値は、低密度骨格層411の厚みの5%以上、さらに10%以上であることが好ましい。さらには15%以上の厚みであることもできる。
【0075】
低密度骨格層411及び吸収コア上層412の厚みの測定は、上記した低圧力及び高圧力での測定方法により定義される。吸収コア上層の厚みは、吸収体から吸収コア上層を分離して測定するが、吸収体の低密度骨格層と吸収コア上層の合計厚みと、低密度骨格層の厚みとを求め、それらの厚みの差として求めてもよい。また、厚みの相対比較を目的とする目的では、簡易に、吸収体を切断した横断面における各層の相対厚みを目視で判断し、あるいは各層の厚みを物差しで計測して測定することができる。
【0076】
本実施態様の吸収体4において、吸収コア上層412の厚みは、限定されないが、低圧力49N/m2において、0.50〜5.00mmであることができ、1.00〜4.00mmであることが好ましい。また、高圧力4900N/m2において、0.50〜3.00mmであることができ、0.600〜2.00mmであることが好ましい。
【0077】
吸収コア上層412の坪量(平均値)は、低密度骨格層411の坪量(平均値)より少ないことが好ましい。吸収コア上層412の坪量が大きすぎると、低密度骨格層411の液透過性能及び一時貯蔵性能を損なうおそれがある。吸収コア上層412の坪量は、さらに両側部吸収コア層413の坪量より少ないことがより好ましい。吸収コア上層412の坪量が両側部吸収コア層413の坪量より少ないと、吸収コア上層412が液を低密度骨格層411に誘導する機能がより万全に機能するので好ましい。
【0078】
吸収コア上層412の坪量(平均値)は、50〜200g/m2、さらには80〜150g/m2であることが好ましい。パルプなどの吸収性繊維の坪量は、20〜150g/m2、さらには40〜100g/m2であることが好ましい。高吸収性ポリマー(SAP)などの吸収材の坪量は、吸収性繊維の坪量を100%として、30〜200%、さらには60〜150%が好ましい。また、高吸収性ポリマー(SAP)などの吸収材の坪量は、10〜150g/m2、さらには20〜100g/m2、30〜70g/m2であることが好ましい。
【0079】
(両側部吸収コア層)
本実施態様の吸収体4において、両側部吸収コア層413は、幅方向中央部4Cの両側に、低密度骨格層411及び吸収コア上層412の両方(の側面)と隣接して、長手方向に延在し、少なくとも低密度骨格層411の長さにおいて延在することが好ましい。両側部吸収コア層413は、低密度骨格層411に一時貯蔵された液を引き抜くために、低密度骨格層411の側壁と接して存在していなければならない。また、両側部吸収コア層413は、低密度骨格層411に一時貯蔵された液の表面シート2側への漏れを防止するために、吸収コア上層412の側壁と接して存在するか、吸収コア上層412と連続する層であることが好ましい。
【0080】
本実施態様の吸収体4及び吸収コア41において、両側部吸収コア層413は、低密度骨格層411の密度(平均値)より大きい密度(平均値)を有し、低密度骨格層411の厚み(平均値)より小さい厚み(平均値)を有し、好ましくはさらに吸収コア上層412の密度より大きい密度を有し、吸収コア上層412の厚みより大きい厚みを有することを特徴とする。
【0081】
本実施態様において両側部吸収コア層413の密度(平均値)は、低密度骨格層411の密度(平均値)より大きい。
【0082】
両側部吸収コア層の密度(平均値)は、測定圧49N/m2の低圧力において、好ましくは0.060〜0.110g/cm3、更に好ましくは0.065〜0.100g/cm3、更に好ましくは0.070〜0.090g/cm3である。また、測定圧4900N/m2の高圧力において、好ましくは0.120〜0.300g/cm3、更に好ましくは0.130〜0.250g/cm3、更に好ましくは0.140〜0.200g/cm3である。
【0083】
本実施態様の吸収体4において、両側部吸収コア層413の厚み(平均値)は、両側部吸収コア層413の構成(組成)にも依存し、限定されないが、低圧力49N/m2において、2.00〜10.00mmであることができ、4.50〜8.00mmであることが好ましい。また、高圧力4900N/m2において、1.00〜4.00mmであることができ、2.00〜3.50mmであることが好ましい。また、両側部吸収コア層413の厚み(平均値)は、上記した吸収コア上層の厚み(平均値)との相対的な厚みの関係を満たすことが好ましい。
【0084】
両側部吸収コア層413の坪量(平均値)は、200〜700g/m2、さらには250〜500g/m2であることが好ましい。パルプなどの吸収性繊維の坪量が10〜400g/m2、さらには200〜300g/m2であることが好ましい。高吸収性ポリマー(SAP)などの吸収材の坪量は、親水性繊維坪量を100%として、30〜200%、さらには60〜150%が好ましい。また、高吸収性ポリマー(SAP)などの吸収材の坪量は、50〜400g/m2、さらには150〜350g/m2、200〜300g/m2であることが好ましい。
【0085】
両側部吸収コア層の構成要素は、吸収コア上層の構成要素と同様であることができる。両側部吸収コア層は、吸収性能から粉砕パルプと高吸収性ポリマー(SAP)を含有するものが最も好ましい。
【0086】
両側部吸収コア層413の坪量(平均値)は、吸収コア上層412の坪量(平均値)より大きく、低密度骨格層411の坪量(平均値)より大きいことが好ましい。吸収コア上層412の坪量が大きすぎると、低密度骨格層411の液透過性能及び一時貯蔵性能を損なうおそれがある。両側部吸収コア層413は吸収体の吸収性、保液性を担う部分であり、その機能を全うするために、また、脆弱な低密度骨格層411を体圧に対して支える部材としての機能を発揮するために、両側部吸収コア層413の坪量は、吸収コア上層412、さらには低密度骨格層411の坪量より大きい坪量であることが望ましい。
【0087】
(コアラップ)
本実施態様の吸収体4のコアラップ42としては、人体から排出される体液等の液が透過できる程度の液透過性を有し、且つ内包する吸収コアの構成要素が透過しない程度のバリアー性を有するものであれば、特に制限されないが、例えば、織布、不織布、ティッシュなどのシート状の繊維構造体が挙げられる。構成する材料としては、天然繊維、化学繊維などが挙げられる。
【0088】
上記に記載した吸収コアの各層(低密度骨格層、吸収コア上層、両側部吸収コア層)やその構成成分の組成、密度、厚み、坪量等の好ましい範囲、相対量の関係は、すべての組み合わせることができ、それぞれ好ましい範囲であることがより好ましいことは明らかである。たとえば、低密度骨格層が低圧力49N/m2で0.023〜0.050g/cm3の密度、低圧力49N/m2で10.00〜15.00mmの厚み、300〜450g/m2の坪量であり、吸収コア上層が低圧力49N/m2で0.040〜0.080g/cm3の密度、低密度骨格層411の厚みの5〜30%の厚み、80〜150g/m2の坪量であり、両側部吸収コア層が低圧力49N/m2で0.070〜0.090g/cm3の密度、低圧力49N/m2で4.50〜8.00mmの厚み、250〜500g/m2の坪量であることは好ましい。
【0089】
(吸収体の製造方法)
本実施態様の吸収体の製造は、従来公知の吸収体の製造方法に従うことができる。特に、捲縮を有する親水性繊維の製造方法及び捲縮を有する親水性繊維に吸収材を担持させる方法、パルプ繊維に吸収材を分散させた積繊体からなる吸収コア層の製造方法は知られている。本実施態様の吸収体を製造するには、たとえば、ベルトコンベア上に、コアラップ下層を敷いた上で、捲縮を有する親水性繊維に吸収材を担持させた低密度骨格層の素材を幅方向中央部に供給して低密度骨格層を形成し、パルプ繊維に吸収材を分散させた積繊体を低密度骨格層の素材の幅方向両側部に供給して両側部吸収コア層を形成するとともに、ベルトコンベア上に形成される低密度骨格層上にパルプ繊維に吸収材を分散させた積繊体をさらに供給して吸収コア上層を形成する。形成された両側部吸収コア層及び吸収コア上層の上にさらにコアラップ上層を積層してから、コアラップ下層とコアラップ上層を接合し、個々の吸収体の形状に切断することで、吸収体を得ることができる。
【0090】
本発明の一実施形態においては、失禁パッド1が、液透過性の表面シート2と吸収体4との間に、クッション材8(図6参照)としてセカンドシートを含むことができる。セカンドシートとしては、液透過性の表面シートと同様のものを用いることができる。
【0091】
本発明の一実施形態においては、失禁パッド1が、液透過性の表面シート2のさらに肌接触面側に立体ギャザー7を形成するためのサイドシート5及び弾性体6を(図1、6参照)を含むことができる。このような立体ギャザー7を形成するためのサイドシート5及び弾性体6等の構成は公知である。
【0092】
(圧搾溝)
図5図1に概略を示した失禁パッドから立体ギャザー中の弾性体を除いて平面状にした失禁パッドを示す平面図である。本実施態様の失禁パッド1においては、吸収体4の幅方向両側部において、表面シート2から吸収体4の両側部吸収コア層に至る圧搾溝(ヒンジ)9を、長手方向に延在する形で、形成することができる。このような圧搾溝9はヒンジとも呼ばれ、吸収体4の幅方向中央部を盛り上げるとともに、失禁パッド1に股間において幅方向の体圧が加わったときにも、吸収体4の形状を保持するように作用する。圧搾溝(ヒンジ)9はたとえばエンボス加工で形成することができる。圧搾溝(ヒンジ)9は低密度骨格層を踏むと、水素結合しにくいので、ヒンジが外れやすく、また、クッション性を発現されるためにも、両側部吸収コア層だけに形成されることが好ましい。しかし、低密度骨格層の機能を保持するのであれば低密度骨格層を一部含んでもよい。
【0093】
図5に示した幅方向両側部に長手方向に延在する形の圧搾溝(ヒンジ)9に加えて、長手方向中間部の長手方向両端部側において幅方向に延在する筋状の圧搾溝(ヒンジ)を設けることができる(図示せず)。この圧搾溝(ヒンジ)は低密度骨格層を構成する親水性繊維、特にトウの移動を抑制し、ボディフィット構造を形成し易くする効果がある。また、トウの側部への液広がりが抑制されるので、液がトウに沿って流れやすくなる。
【0094】
(失禁パッドの製造方法)
本発明の実施形態で説明したように吸収体を製造した後は、公知の方法で失禁パッドを製造することができる。表面シート、裏面シート、クッション材、サイドシート(立体ギャザー)などを積層し、成形して、失禁パッドが製造される。
【0095】
図6に、本発明の実施形態の失禁パッド1の構成部材を、図5のVI−VI端面における模式端面図として示す。図6において、1は失禁パッド、2は表面シート、3は裏面シート、4は吸収体、41は吸収コア、42はコアラップ、5はサイドシート、6は弾性体、7は立体ギャザー、8はクッション材である。図6において圧搾溝は省略されている。
【0096】
(吸収性物品の他の実施態様)
本発明の第2の実施態様である失禁パッドを説明する。この失禁パッドは、低密度骨格層が長手方向両端部において長手方向中間部と比べて拡幅及び坪量減少している点で、図1〜6を参照して説明した第1の実施態様の失禁パッドと異なる。
【0097】
図7は第2の実施態様の失禁パッド1の吸収体4の模式平面図、図8はその吸収コア41の長手方向端部における模式端面図、図9は第2の実施態様の失禁パッド1の模式平面図である。この失禁パッド1は平面図において長手方向Lおよび長手方向に垂直な幅方向Wを有する。図8〜10においても、第1の実施態様の対応する部材は図1〜6と同じ参照数字を用いて示す。ただし、図7の吸収体4の模式平面図において、破線は低密度骨格層411の形状を示す。
【0098】
図7を参照すると、吸収体4は、長手方向の中央に中間部4Mとその長手方向中間部4Mの両側の長手方向両端部4Eとに区画される。長手方向中間部4Mは排泄口に対応する位置を含み、長手方向両端部4Eは身体の腹部および尻部に対応する。吸収コア41は、長手方向中間部4Mにおいては、第1の実施態様の失禁パッドと同じ構成を有している。すなわち、図3に示した低密度骨格層411、中央部吸収コア上層412、両側部吸収コア層413とからなる。
【0099】
第2の実施態様において、吸収体4における長手方向中間部4Mと長手方向両端部4Eとは、それぞれ、排泄口に対応する位置を含む部分と身体の腹部および尻部に対応する部分であり、第1の実施態様の説明の際に前記した位置及び寸法であることができる。すなわち、長手方向中間部4Mは、長手方向において、排泄口位置に相当する部分を含み、50mm〜200mm程度、好ましくは80〜180mm程度の寸法の領域である。長手方向中間部4Mは吸収体の前後どちらかの側に偏在していてもよい。また、長手方向両端部4Eのそれぞれの長手方向の寸法が同じである必要もない。長手方向両端部4Eのそれぞれの長手方向の寸法は10mm以上であればよく、吸収体の全長から長手方向中間部4Mの位置及び寸法を適宜画定した残りの寸法でよい。
【0100】
第2の実施態様では、図7の平面図に示すように、吸収コア41では、長手方向両端部4E(長手方向両端部4Eの一方だけでもよい)において、低密度骨格層411が幅方向中央部のみならず、幅方向両側部にも延在し、かつ、長手方向両端部4Eにおいて幅方向中央部と幅方向両側部とに延在する低密度骨格層411の全体の坪量又は厚みが、長手方向中間部4Mにおける低密度骨格層411の坪量又は厚みと比べて、小さくされている。図7を参照すると、低密度骨格層411の幅が、長手方向両端部4Eでは、長手方向中間部側から吸収コアの両端に向かって次第に拡幅している。
【0101】
ここで、両側部吸収コア層413は、長手方向両端部4Eにおいても、第1の実施形態の場合と同様に、長手方向中間部4Mにおける両側部吸収コア層413が長手方向両端部4Eにも延在する形態である(図2で符号4Sで示されている領域、ただし、図7では両側部吸収コア層413の形状は図示されていない)。そして、低密度骨格層411は、長手方向両端部4Eにおいて、幅方向中央部4Cから拡幅した部分が両側部吸収コア層413の非肌面側に両側部吸収コア層413と重なって存在する。
【0102】
図8(a)(b)は、吸収コア41の長手方向両端部4Eにおける模式端面図である。図8(a)を参照すると、図8(b)は吸収コア41の端部を示す端面図又は側面図であるが、低密度骨格層411が幅方向中央部4Cから拡幅して両側部吸収コア層413の非肌面側に、両側部吸収コア層413と接するように延在している。また、吸収コア上層412と両側部吸収コア層413は、低密度骨格層411の肌面側にあり、連続した吸収コア層を形成している。この長手方向両端部4Eにおける拡幅した低密度骨格層411は、その坪量又は厚みが、長手方向中間部4Mにおける坪量又は厚みより小さい。
【0103】
本発明の吸収性物品において低密度骨格層411は大きい厚みを有していて(嵩高である)ので、その嵩高のままで腹側および尻側まで延在すると、装着違和感を生じさせるが、上記のような第2の実施態様の吸収性物品によれば、低密度骨格層411が長手方向両端部において拡幅されて坪量が減少しあるいは厚みが減少するので、嵩高な低密度骨格層411による腹側および尻側における装着違和感が軽減される。また、後述するように、吸収体の長手方向両端部はエンボスなどにより厚みを減少されることができるが、低密度骨格層411は拡幅されて坪量が低減されているので、厚みを減少させるエンボス等の加工後の厚みの戻りが減少して、装着違和感がさらに軽減される。排泄口付近の長手方向中間部における大きい厚み(嵩高さ)と、腹及び尻側の長手方向両端部における低い坪量又は薄い厚みとを有する構造が提供されるので、吸収性物品が身体との間に隙間をつくらず、身体にフィットする。装着違和感が軽減されるとともに、表面の液漏れも抑制可能であり、液漏れを減少できる。
【0104】
また、低密度骨格層411が長手方向両端部において拡幅されて、低密度骨格層411の親水性繊維が両側部吸収コア層413のパルプ/SAPからなる吸収材と重なって存在し、吸収材と絡むので、両端部における吸収体の型崩れが抑制される。また、パルプ/SAPからなる両側部吸収コア層413は、エンボス(圧縮)されると硬くなるが、両側部吸収コア層413に低密度骨格層411の拡幅部分が重ねられると、両端部において両側部の硬さが柔らかくなる効果もある。さらに、低密度骨格層411を構成する親水性繊維が長手方向両端部で両側部吸収コア層413と重なるように延在するので、吸収体面積が有効活用され、漏れ防止に有効である。
【0105】
低密度骨格層411が開繊したトウの連続繊維から成ると、開繊したトウの連続繊維を長手方向両端部において拡幅するだけで、対応して、長手方向両端部における低密度骨格層411の幅が広がり、坪量が減少し、厚みも減少するので、第2の実施形態として所望の条件を簡単に実現することが可能であり、製造容易である利点がある。また、低密度骨格層411が開繊したトウの連続繊維から成る場合、長手方向両端部において拡幅されると、端部における連続繊維の坪量が減少するので、端部での切断が容易になり、連続生産が容易になる利点もある。
【0106】
第2の実施態様において、低密度骨格層411が長手方向両端部4Eにおいて拡幅して両側部吸収コア層413の非肌面側に重なって延在するとき、吸収コア上層412が長手方向中間部と同じ構造(形状及び配置)のままであると、製造時に低密度骨格層411が両側部吸収コア層413の非肌面側に重なる領域では吸収コア上層412から分離して、吸収コア上層412と低密度骨格層411との間に空間が形成される可能性がある。図8(b)は、低密度骨格層411が拡幅して両側部吸収コア層413の非肌面側に重なるときに、吸収コア上層412と低密度骨格層411との間に形成された空間4Vを、パルプ等の吸収材で充填しないで空間のままにした形態の断面を概念的に示す端面図である。図8(b)は、吸収コア41を長手方向端部の途中で断面としたときの端面を示しているので、低密度骨格層411の幅は拡幅の途中であり、吸収コア41の全福まで拡幅していない。このような空間4Vは、特に長手方向中間部から長手方向両端部への遷移領域において形成されやすい。
【0107】
一方、図8(a)は、低密度骨格層411が拡幅して両側部吸収コア層413の非肌面側に重なるときに、吸収コア上層412と低密度骨格層411との間に形成された空間4Vが、吸収コア上層412のパルプ等の吸収材が充填されて形成された形態を示す図である。第2の実施態様における吸収コアの製造では、長手方向両端部の幅が拡幅した低密度骨格層を形成してから、吸収コア上層及び両側部吸収コア層と積重ねられるが、その積重ねの際に自然と空間4Vが消滅してもよいし、空間4Vが形成されようとするときに意図的に吸収コア材料を空間4Vに充填して空間4Vを消滅させてもよい。第2の実施形態では、長手方向端部の全部及び一部が図8(a)および図8(b)のいずれの形態であってもよい。
【0108】
第2の実施態様において、低密度骨格層411は捲縮を有する親水性繊維と吸水材とを含有する低密度骨格層であればよいが、低密度骨格層411は開繊したトウの連続繊維からなることが好ましい。低密度骨格層411は開繊したトウの連続繊維からなる場合には、トウを拡幅すれば、結果として、坪量が減少し、厚みも小さくなる。すなわち、低密度骨格層411が長手方向両端部4Eでは拡幅され、幅方向Wの幅が拡大するとともに、長手方向Lおよび幅方向Wと垂直な方向の坪量が減少し、厚みも小さくなる。
【0109】
第2の実施態様において、低密度骨格層411を両端部4Eにおいて拡幅するとき、低密度骨格層411は拡幅されてから両端部4Eの先端において均一な厚みになるように、長手方向中間部4Mから長手方向両端部4Eの先端まで一様に漸進的に拡幅されることが好ましいが、拡幅の仕方は必ずしも一様でなくてもよい。
【0110】
たとえば、長手方向両端部の幅方向において、中心付近と外側とでどちらかの坪量が多いか少なくてもよく、極端な例では、低密度骨格層411を二股状に分割して拡幅し、幅方向の中心付近には低密度骨格層411が存在しない形態でもよい。また、長手方向両端部の幅方向において、低密度骨格層411の幅が長手方向中間部から先端に向かって一様に拡大するのではなく、長手方向中間部の終点付近で急激に拡幅してからその幅で先端に向かってもよいし、あるいはその後さらに拡幅してもよい。
【0111】
第2の実施態様における中央部吸収コア上層及び両側部吸収コア層の材料、組成、形状、寸法、密度、坪量その他の構成は、長手方向両端部において低密度骨格層が拡幅し、坪量又は厚さが減少することに伴って、中央部吸収コア上層及び両側部吸収コア層の構成を適宜変更してよいが、基本的に、第1の実施態様について記載した範囲内でよい。
【0112】
第2の実施態様における低密度骨格層は、長手方向両端部において、長手方向中間部と比べて拡幅されかつ坪量又は厚みが減少する。長手方向両端部における低密度骨格層の材料、組成、密度は長手方向中間部と長手方向両端部とについて前記したのと同様でよい。
【0113】
長手方向両端部における低密度骨格層の坪量(平均値)は、限定されないが、長手方向中間部と比べて減少するので、30〜400g/m2であることが好ましく、より好ましくは50〜350g/m2である。低密度骨格層の坪量(平均値)の測定方法は、第1の実施態様と同じでよい。
【0114】
長手方向両端部における低密度骨格層の厚み(平均値)は、限定されないが、低圧力49N/m2において、1.00〜18.00mmであることができ、1.50〜15.00mmであることが好ましい。また、高圧力4900N/m2において、0.70〜8.00mmであることができ、1.00〜6.50mmであることが好ましい。低密度骨格層の厚み(平均値)の測定方法は、第1の実施態様と同じでよい。
【0115】
なお、長手方向両端部における低密度骨格層の密度(平均値)は、第1の実施態様におけると同様でよいが、低密度骨格層を拡幅する際に密度が低下することがある。低密度骨格層の密度(平均値)の測定方法は、第1の実施態様と同じでよい。
【0116】
第2の実施態様における吸収体の製造は、低密度骨格層を長手方向両端部の少なくとも一方において拡幅及び坪量減少すること以外は、第1の実施態様と同じでよい。低密度骨格層の長手方向両端部を拡幅及び坪量減少する方法は、開繊されたトウの連続繊維の場合にはトウを拡幅すれば、結果として坪量減少する。したがって、たとえば、ベルトコンベア上に、コアラップ下層を敷いた上で、捲縮を有する親水性繊維を拡幅した部材に吸収材を担持させた低密度骨格層の素材を幅方向中央部に供給して低密度骨格層を形成し、パルプ繊維に吸収材を分散させた積繊体を低密度骨格層の素材の幅方向両側部に供給して両側部吸収コア層を形成するとともに、ベルトコンベア上に形成される低密度骨格層上にパルプ繊維に吸収材を分散させた積繊体をさらに供給して吸収コア上層を形成する。形成された両側部吸収コア層及び吸収コア上層の上にさらにコアラップ上層を積層してから、コアラップ下層とコアラップ上層を接合し、個々の吸収体の形状に切断することで、吸収体を得ることができる。
【0117】
図9は、第2の実施態様における吸収体の平面図である。図9において、吸収体の長手方向両端部の低密度骨格層を拡幅した、たとえば、網目で示した領域10は、たとえば、エンボスが施されて、厚みが小さくされている。このエンボスにより領域10の吸収体の厚みが小さくできるので、装着感が高まる。また、このエンボスの際、トウの坪量が多いと水素結合しにくいので、エンボスが有効に施されずに、トウ同士が外れやすいが、第2の実施態様ではトウの坪量が少ないので、エンボスがされやすく、吸収体の厚みもより小さくできる効果がある。このエンボス(圧搾)のパターンを細かくすることが好ましく、たとえば、角状、格子状、ドット状、筋状、破断状などのパターンを用いることができる。さらに、領域10の全面を平板でプレスしてもよい。
【0118】
なお、この吸収体の長手方向両端部あるいはその付近において厚みを小さくするエンボスやプレスは、第2の実施態様に限定されず、第1の実施態様でも好ましく採用できる。
【0119】
(他の用途)
本発明の吸収性物品における好ましい実施形態として失禁パッドを記載したが、本発明の吸収性物品はこれに限定されず、人体から排出される排泄物等を吸収するための物品であれば特に限定されないが、例えば、生理用ナプキン、使い捨ておむつなどにも適用可能である。
【実施例】
【0120】
本発明の吸収性物品を以下に示す実施例により説明するが、本発明の吸収性物品はこれらの実施例に限定されないことは明らかである。
【0121】
実施例として図1〜6を参照して説明した失禁パッドを製造したが、ただし砂時計型ではなく、長方形の吸収体を作製した。以下の実施例及び比較例において、図3の端面図における低密度骨格層に相当する位置に形成した層を「中央下層」、吸収コア上層に相当する位置に形成した層を「中央上層」、両側部吸収コア層に相当する位置に形成した層を「側部」とする。なお、gsmはg/mを表す。
【0122】
実施例及び比較例において下記の材料を用いた。
・パルプ繊維:SuperSoft(International Paper社)
・高吸収性ポリマー(SAP):SA60S(住友精化(株))
・トウ:アセテートトウ ((株)ダイセル)
・コアラップ:ティッシュ 14gsm
・表面シート:エアースルー不織布 22gsm
・セカンドシート:エアースルー不織布 25gsm
・裏面シート:フィルム
【0123】
上記において、パルプ繊維及びトウは高吸収性ポリマー(SAP)を混合したものを用いた。トウは、捲縮を有するトウを開繊してからエアーを吹き付けてSAPとトウを交絡させる処理をしたものを用いた。この処理後に得られた開繊したトウの連続フィラメント内にSAPが分散保持されている状態を、図4の電子顕微鏡写真に示す。図4の電子顕微鏡写真に、トウの連続フィラメントが絡まり、捲縮を有しており、その繊維の間にSAPの球状粒子が絡まって保持されていることが認められる。
【0124】
実施例において、失禁パッドは、吸収コアの寸法で257mm長×85mm幅とした。「中央下層」及び「中央上層」の幅はいずれも30mm、「側部」の幅は27.5mmとした。中央下層は開繊したトウ/SAP、中央上層はパルプ繊維/SAP、両側部はパルプ繊維/SAPにより形成した。各層の構成(組成)を表1及び表2に示す。上記の構成の吸収コアをコアラップで覆って吸収体を形成した。
なお、表1及び表2において、中央上層、中央下層及び側部の各層の組成は、「パルプ」(パルプ繊維)、「SAP」及び「トウ」の坪量がそれぞれ表に示される坪量とした。たとえば、実施例1では、中央上層はパルプ繊維を60g/m2の量とSAPを30g/m2の量で含むものであり、中央下層はSAPを114g/m2の量とトウを180g/m2の量で含むものであり、側部はパルプ繊維を208g/m2の量とSAPを253g/m2の量で含むものであった。
【0125】
得られた吸収体を、裏面シート、吸収体、クッション材、表面シート、立体ギャザーの順で積層し、所定の位置で接合した後、表面シートから吸収体に至る圧搾溝(ヒンジ)を図5に示す形状で、幅方向両側部に形成して、失禁パッドを作製した。
【0126】
(実施例1〜4)
上記のようにして、表1及び表2に示す各層の組成で、実施例1〜4の失禁パッドを作製した。ただし、実施例1〜3では圧搾溝を形成しなかったが、実施例4では圧搾溝を形成した。
【0127】
(比較例1)
実施例1と同様であるが、吸収コアにトウを用いないで、パルプ繊維とSAPのみを用い、実施例1と同様な量のSAPとそのSAP量に対応する量のパルプ繊維を含む従来の失禁パッドを用意した。
【0128】
(比較例2)
実施例と同様であるが、但し、中央下層の上に中央上層を形成することなく、中央下層のトウ/SAPの層と、両側部のパルプ/SAPの層とだけから構成された失禁パッドを作製した。各層の組成は表2に示すとおりとした。
【0129】
(比較例3)
実施例と同様であるが、トウ/SAPからなる中央下層(30mm幅)の上に、上層として幅85mmのパルプ/SAPからなる吸収コア層だけを積層した吸収コアを有する失禁パッドを作製した。この失禁パッドでは、中央下層(低密度骨格層)は、上方向は吸収コア上層と接しているが、幅方向には吸収コア層が存在していない。各層の組成は表2に示すとおりとした。
【0130】
(評価)
作製した実施例及び比較例の失禁パッドについて、先に定義した測定方法及び下記に記載する評価方法で、密度及び厚み、吸収性(吸収時間、リウェット、拡散長)を測定し、45°モレを試験した。
【0131】
(荷重下吸収性の測定方法)
失禁パッドに5400N/m2(55gf/cm2)の圧力をかけた状態で吸収性能を評価した。
i) 水平方向に広げた失禁パッドの上に円筒(内径30mmφ)付アクリル板を置き、アクリル板に重りを載せた。
ii) 失禁パッドの長さ方向及び幅方向の中央に位置する円筒内に4秒で人工尿40mlを滴下し、滴下開始から円筒内から液がなくなるまでの時間を測定(吸収時間)した。人工尿の組成(重量%)は、尿素2%、塩化ナトリウム0.9%、硫酸マグネシウム7水和物0.08%、塩化カルシウム2水和物0.03%、イオン交換水97.09%であった、
iii) 5分後、更に人工尿40mlを滴下し、1回目と同様に吸収時間、拡散長を測定した。
iv) 1回目の滴下から10分後、重りとアクリル板を外して、秤量した定性ろ紙(アドバンテック、No2、10cm角、50g程度)と3.5kg(10cm角)の重りを滴下位置に載せた。
v) 1回目の滴下から13分後、重りとろ紙を取り除き、ろ紙が吸収した液量から、リウェットの量を算出した。
【0132】
(45°モレ試験)
失禁パッド製品の立体ギャザーは取り除いて試験した。
i) 失禁パッドを載置する板を45°傾斜させ、失禁パッドの長手方向を板の傾斜方向から板の平面内でもさらに45°傾斜させて失禁パッドを固定した。
ii) 45°傾斜板の下の液が垂れる位置に秤量したろ紙を配置しておいた。
iii) 吸収体の中心位置に上方1cmの高さから、滴下ろうとで、吸収体に向かって人工尿40mlを4秒間で滴下させた。
iv) 失禁パッドに滴下され、失禁パッドを伝わって失禁パッドから流れ出た人工尿は、ろ紙で吸い取り、秤量して「モレ量」とした。
v) 初期滴下5分後、2回目の滴下を行い、同様に測定した。
【0133】
評価の結果を表1及び表2に示す。表1及び表2において、「吸収体の各層の組成(坪量)」の側部の値は左右両側部の坪量であり、「吸収体の厚み」は、中央(上下両層の合計)の厚みと側部の厚みである。
【0134】
【表1】
【0135】
【表2】
【0136】
表1によれば、実施例の失禁パッドでは、従来品の失禁パッドと比べて、吸収時間が短縮し、特に2回目の吸収時間が大幅に短縮していることが分かる。
表2によれば、実施例1の失禁パッドでは45°モレ試験でモレが見られなかった。これに対して、比較例2の中央上層のない失禁パッドは、実施例1と同様に吸収速度は優れているが、45°モレ試験でモレが生じた。
表2によれば、比較例3の中央下層(トウ/SAP層)の両側部に隣接する吸収コア層が存在しない失禁パッドは、2回目の吸収速度が遅く、比較例1の従来品と比べて改良の効果が小さいことが分かる。
【0137】
(失禁パッドの構成部材の厚み及び密度の測定)
実施例4の失禁パッドの各構成部材である表面シート、クッション材、吸収体(中央上層、側部、中央下層)について、所定の測定用サンプルを採取し、厚み及び密度を先に定義した測定方法で測定した。表面シートとクッション材は、エンボス加工で一体化されているため、それぞれを別に剥離して測定した厚みは高圧力時に大きめになるので、表面シートとクッション材を一体にして剥離したものについても厚みを測定した。吸収体は、中央上層(吸収コア上層)、側部(両側部吸収コア層)及び中央下層(低密度骨格層)のそれぞれの厚み及び密度を測定した。
その結果を表3に示す。
【0138】
【表3】
表3から、低圧力時及び高圧力時のいずれにおいても、以下の順序で密度が高いことが分かる。
側部(両側部吸収コア層)>中央上層(吸収コア上層)>(表面シート+クッション材)>中央下層(低密度骨格層)
【0139】
なお、全ての実施例において作製した失禁パッドを長手方向の中央付近で幅方向に切断して断面を観察したが、目視によっても、厚みの順序は、下記の順序であることが明らかであった。
中央下層(低密度骨格層)>側部(両側部吸収コア層)>中央上層(中央部吸収コア層)
【0140】
(実施例5)
実施例5では、実施例1に記載したと同様の吸収体を有する失禁パッドを作製した。ただし、設計値として、中央上層はパルプ繊維を60g/m2の量とSAPを49g/m2の量で含み、中央下層はSAPを114g/m2の量とトウを180g/m2の量で含み、側部はパルプ繊維を334g/m2の量とSAPを410g/m2の量で含むようにした。
【0141】
また、実施例5では、実施例1と違い、吸収体を作製するに当たり、図7〜9に示した吸収体のように、中央下層のトウ/SAPの幅を長手方向両端部において拡幅した。具体的には、吸収体の中央下層として開繊したトウの連続繊維を用い、長手方向中間部(長さ約150mm)では幅30mmであるが、長手方向両端部(長さ約50mm)では、長手方向中間部の幅30mmから両端に向かってトウを次第に拡幅して先端の幅を85mmとし、その拡幅したトウを側部の吸収コア層と重ねた。
【0142】
実施例5で作製した吸収体について、長手方向中間部(以下、中央部Cと表記する。)および長手方向両端部(それぞれ端部A,Bと表記する。)における、幅方向の幅方向中央部および幅方向両側部(それぞれを側部1および側部2と表記する。)の坪量お、厚み及び密度を測定した。
【0143】
坪量の測定は、20×10mmの抜型を用いて吸収コアを抜き取り、質量を測定し、坪量(平均値)を算出した。結果を表4に示す。端部A,B(長手方向の両端部)において、トウの坪量が、幅方向の中央部において側部1,2より僅かに大きいことが認められる。
【0144】
厚み測定は、ピーコックH型(10mmφ、株式会社尾崎製作所)にて実施した。厚み測定は、プレス直後と、2日後とに測定した。実施例5および実施例6のいずれの測定も、サンプル数2とした。吸収体の長手方向における両端部における厚みの測定結果を表5に示す。
また、密度を測定し、結果を表6に示す。(坪量、厚み及び密度は、各サンプルにつき、任意で最大10箇所を測定し、平均値を求めた。)
【表4】
【0145】
【表5】
【0146】
【表6】
【0147】
実施例5の失禁パッドについて、実施例1〜5と同様に吸収特性を評価したが、実施例1〜5と比べて吸収特性に実質的な差はないことが確認された。
【0148】
(実施例6及び7)
実施例1と同様の失禁パッドを2つ作製した。そのうち1つ(実施例7)は、実施例5と同様に、中央下層を長手方向両端部において拡幅した。
【0149】
実施例6及び7で作製した失禁パッドの吸収体の長手方向両端部のそれぞれ長さ50mmの領域(図9の領域10に対応)において、プレス機で平板を用いて10kg/cm2の圧力で5秒間押圧した。この吸収体について、長手方向両端部における、幅方向の幅方向中央部および幅方向両側部(それぞれを側部1および側部2と表記する。)の厚みを、プレス直後と、2日後とに測定した。サンプル数2とした。厚み測定は、ピーコックH型(10mmφ、株式会社尾崎製作所)にて実施した。吸収体の長手方向における両端部における厚みの測定結果を表7に示す。
【0150】
【表7】
【0151】
実施例6のトウ(中央下層)の幅が長手方向の全体でほぼ同じである吸収体では、経時後の長手方向端部における幅方向中央部の嵩(厚み)の変化が大きい。また、長手方向両端部の幅方向両側部(側部1,2)はトウが無くパルプ/SAPのみのため、厚みの維持性高いが固くなりやすいと考えられる。
【0152】
これに対して、実施例7のトウ(中央下層)の幅が長手方向両端部において拡幅された吸収体では、長手方向の両端部において、トウを拡幅したことで幅方向中央部の経時後の嵩(厚み)の変化が、実施例6と比べて抑制されている。また、実施例7の吸収体では、幅方向両側部(側部1,2)はやや経時後の嵩(厚み)の変化が大きいが、増加は僅かであり、潰れ過ぎを抑えて、端部固さの軽減効果があると考えられる。
【0153】
(符号の説明)
1:失禁パッド、2:表面シート、3:裏面シート、4:吸収体、4C:幅方向中央部、4S:幅方向両側部、4M:長手方向中間部、4E:長手方向両端部、41:吸収コア、42:コアラップ、411:低密度骨格層、412:中央部吸収コア上層、413:両側部吸収コア層、5:サイドシート、6:弾性体、7:立体ギャザー、8:クッション材、9:圧搾溝(ヒンジ)、10:領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9