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特開2017-222609キサンテン誘導体、その製造方法および当該誘導体を用いた癌細胞の検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-222609(P2017-222609A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】キサンテン誘導体、その製造方法および当該誘導体を用いた癌細胞の検出方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 493/10 20060101AFI20171124BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20171124BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20171124BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   C07D493/10 CCSP
   G01N33/68
   G01N33/48 M
   C12Q1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】65
(21)【出願番号】特願2016-119704(P2016-119704)
(22)【出願日】2016年6月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(72)【発明者】
【氏名】井上 宗宣
(72)【発明者】
【氏名】荒木 宏史
(72)【発明者】
【氏名】三木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】二見 達
(72)【発明者】
【氏名】最上 聡文
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
4C071
【Fターム(参考)】
2G045AA26
2G045DA27
2G045DA36
2G045FB12
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ08
4B063QQ79
4B063QR55
4B063QX02
4C071AA04
4C071AA07
4C071BB01
4C071BB07
4C071CC12
4C071EE05
4C071FF17
4C071HH09
4C071HH18
4C071JJ01
4C071LL10
(57)【要約】
【課題】 正常細胞共存下、癌細胞を検出する蛍光プローブを提供すること。
【解決手段】 一般式(1)
【化1】

で表されるキサンテン誘導体により前記課題を解決する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基、トリオルガノシロキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基;炭素数2から4のアルケニル基;炭素数2から4のアルキニル基;ニトロ基、フェニル基、(炭素数1から4のアルキルオキシ)カルボニル基もしくは炭素数1から4のアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数1から4のアルキルオキシ基、トリオルガノシロキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数7もしくは8のアラルキル基;(チオフェン−2−イル)メチル基;(フラン−2−イル)メチル基;2−(フラン−2−イル)エチル基;(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基;または2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基を表す。Rは炭素数1から16のアルキルオキシ基;炭素数1から16のアルキルアミノ基;または一般式(6)
【化2】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す。Xは炭素数1から4のアルカンジイル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のXは同一または相異なっていてもよい。Yは酸素原子またはNH基を表す。)で表される基を表す。)で表されるキサンテン誘導体。
【請求項2】
が炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基;(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基;または2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基である請求項1に記載のキサンテン誘導体。
【請求項3】
が2−メトキシエチル基である請求項1に記載のキサンテン誘導体。
【請求項4】
がオクチルアミノ基または2−[[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミノ基である請求項1から3のいずれか一項に記載のキサンテン誘導体。
【請求項5】
一般式(2)
【化3】
(式中、Rは炭素数1から16のアルキルオキシ基;炭素数1から16のアルキルアミノ基;または一般式(6)
【化4】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す。Xは炭素数1から4のアルカンジイル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のXは同一または相異なっていてもよい。Yは酸素原子またはNH基を表す。)で表される基を表す。)で表されるローダミン誘導体を、塩基存在下ホスゲンまたはホスゲン等価体と反応させ、次いで、一般式(3)
【化5】
(式中、R1aは炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基もしくはトリオルガノシロキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基;炭素数2から4のアルケニル基;炭素数2から4のアルキニル基;ニトロ基、フェニル基、(炭素数1から4のアルキルオキシ)カルボニル基もしくは炭素数1から4のアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数1から4のアルキルオキシ基もしくはトリオルガノシロキシ基で置換されていてもよい炭素数7もしくは8のアラルキル基;(チオフェン−2−イル)メチル基;(フラン−2−イル)メチル基;2−(フラン−2−イル)エチル基;(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基;または2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基を表す。)で表されるアルコール誘導体と反応させることを特徴とする、一般式(1a)
【化6】
(式中、R1aおよびRは前記と同じ意味を表す。)で表されるキサンテン誘導体の製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載のキサンテン誘導体を用いたチオールの検出方法。
【請求項7】
チオールが生体チオールであることを特徴とする請求項6に記載のチオールの検出方法。
【請求項8】
生体チオールがグルタチオンであることを特徴とする請求項7に記載のチオールの検出方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載のキサンテン誘導体を用いたことを特徴とする癌細胞の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌細胞を検出する蛍光プローブとして有用なキサンテン誘導体、その製造方法および当該誘導体を用いた癌細胞の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
正常細胞または正常組織中に混在する癌細胞の検出は、癌の早期発見や治療において重要な技術である。これまでに様々な癌細胞の検出方法が開発されているが、特定の生体物質、細胞、または組織などに特異的に結合または分布し、蛍光を発する物質である蛍光プローブを用いた検出方法は、高感度な検出方法の一つである。
【0003】
正常細胞存在下選択的に癌細胞を検出するには、癌細胞で過剰発現するがんマーカーを検出する蛍光プローブを用いることが有効である。還元型グルタチオン(以下、GSHと称する。)は、癌細胞内では正常細胞内に比べてその濃度が高くなっていることが報告されている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。細胞内GSHを検出する蛍光プローブを用いて、正常細胞または正常組織中に混在する癌細胞を検出する方法が開示されている。特許文献1および非特許文献4で開示されている方法は、蛍光プローブにGSHが付加することで蛍光波長が変化し、その比率を測定することで癌細胞を検出する方法である。しかしながら、これらの方法では、細胞内で生成した蛍光プローブ−GSH付加体が、薬物排出ポンプによって細胞外へ排出されてしまう課題があった。非特許文献5で開示されている方法は、蛍光プローブとGSHが反応し、アリールスルホニル保護基が脱離することで蛍光色素が放出され、その蛍光強度を測定することで癌細胞を検出する方法である。しかしながら、選択性という点で課題があった。正常細胞存在下、癌細胞を選択的に検出する新規な蛍光プローブの開発が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/088512号
【特許文献2】国際公開第2009/107448号
【特許文献3】国際公開第2011/149032号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Cancer Research,46,2845−2848(1986)
【非特許文献2】Cancer,72,783−787(1993)
【非特許文献3】Critical Reviews in Clinical Laboratory Science,43,143−181(2006)
【非特許文献4】Biomaterials,35,4157−4167(2014)
【非特許文献5】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,24,4363−4366(2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、癌細胞を検出するための蛍光プローブを提供することにある。特に、正常細胞共存下、癌細胞を検出するための蛍光プローブを提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明のキサンテン誘導体が正常細胞共存下、癌細胞を蛍光検出する蛍光プローブとして有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0009】
【化1】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基、トリオルガノシロキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基;炭素数2から4のアルケニル基;炭素数2から4のアルキニル基;ニトロ基、フェニル基、(炭素数1から4のアルキルオキシ)カルボニル基もしくは炭素数1から4のアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数1から4のアルキルオキシ基、トリオルガノシロキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数7もしくは8のアラルキル基;(チオフェン−2−イル)メチル基;(フラン−2−イル)メチル基;2−(フラン−2−イル)エチル基;(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基;または2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基を表す。Rは炭素数1から16のアルキルオキシ基;炭素数1から16のアルキルアミノ基;または一般式(6)
【0010】
【化2】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す。Xは炭素数1から4のアルカンジイル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のXは同一または相異なっていてもよい。Yは酸素原子またはNH基を表す。)で表される基を表す。)で表されるキサンテン誘導体に関する。
【0011】
また本発明は、一般式(2)
【0012】
【化3】
(式中、Rは炭素数1から16のアルキルオキシ基;炭素数1から16のアルキルアミノ基;または一般式(6)
【0013】
【化4】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す。Xは炭素数1から4のアルカンジイル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のXは同一または相異なっていてもよい。Yは酸素原子またはNH基を表す。)で表される基を表す。)で表されるローダミン誘導体を、塩基存在下ホスゲンまたはホスゲン等価体と反応させ、次いで、一般式(3)
【0014】
【化5】
(式中、R1aは炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基もしくはトリオルガノシロキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基;炭素数2から4のアルケニル基;炭素数2から4のアルキニル基;ニトロ基、フェニル基、(炭素数1から4のアルキルオキシ)カルボニル基もしくは炭素数1から4のアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数1から4のアルキルオキシ基もしくはトリオルガノシロキシ基で置換されていてもよい炭素数7もしくは8のアラルキル基;(チオフェン−2−イル)メチル基;(フラン−2−イル)メチル基;2−(フラン−2−イル)エチル基;(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基;または2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基を表す。)で表されるアルコール誘導体と反応させることを特徴とする、一般式(1a)
【0015】
【化6】
(式中、R1aおよびRは前記と同じ意味を表す。)で表されるキサンテン誘導体の製造方法に関する。
【0016】
また本発明は、一般式(1)
【0017】
【化7】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基、トリオルガノシロキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基;炭素数2から4のアルケニル基;炭素数2から4のアルキニル基;ニトロ基、フェニル基、(炭素数1から4のアルキルオキシ)カルボニル基もしくは炭素数1から4のアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数1から4のアルキルオキシ基、トリオルガノシロキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数7もしくは8のアラルキル基;(チオフェン−2−イル)メチル基;(フラン−2−イル)メチル基;2−(フラン−2−イル)エチル基;(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基;または2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基を表す。Rは炭素数1から16のアルキルオキシ基;炭素数1から16のアルキルアミノ基;または一般式(6)
【0018】
【化8】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す。Xは炭素数1から4のアルカンジイル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のXは同一または相異なっていてもよい。Yは酸素原子またはNH基を表す。)で表される基を表す。)で表されるキサンテン誘導体を用いることを特徴とする、チオールの検出方法に関する。
【0019】
また本発明は、一般式(1)
【0020】
【化9】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基、トリオルガノシロキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基;炭素数2から4のアルケニル基;炭素数2から4のアルキニル基;ニトロ基、フェニル基、(炭素数1から4のアルキルオキシ)カルボニル基もしくは炭素数1から4のアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数1から4のアルキルオキシ基、トリオルガノシロキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数7もしくは8のアラルキル基;(チオフェン−2−イル)メチル基;(フラン−2−イル)メチル基;2−(フラン−2−イル)エチル基;(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基;または2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基を表す。Rは炭素数1から16のアルキルオキシ基;炭素数1から16のアルキルアミノ基;または一般式(6)
【0021】
【化10】
(式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す。Xは炭素数1から4のアルカンジイル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のXは同一または相異なっていてもよい)で表されるアミノ基を表す。Yは酸素原子またはNH基を表す。)で表されるキサンテン誘導体を用いることを特徴とする、癌細胞の検出方法に関するものである。
【0022】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0023】
本明細書におけるR、R1a、R、RおよびXの定義について説明する。
【0024】
で表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基を例示することができる。該アルキル基は、炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基、トリオルガノシロキシ基または水酸基で置換されていてもよく、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−エトキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−tert−ブトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル基、2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)エチル基、2−(トリイソプロピルシリルオキシ)エチル基、2−ヒドロキシエチル基を例示することができる。
【0025】
1aで表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基を例示することができる。該アルキル基は、炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基またはトリオルガノシロキシ基で置換されていてもよく、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−エトキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−tert−ブトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル基、2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)エチル基、2−(トリイソプロピルシリルオキシ)エチル基を例示することができる。
【0026】
およびR1aで表される炭素数2から4のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基を例示することができる。
【0027】
およびR1aで表される炭素数2から4のアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基を例示することができる。
【0028】
およびR1aで表される(ニトロ基、フェニル基、(炭素数1から4のアルキルオキシカルボニル基)または炭素数1から4のアルキルオキシ基)で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、3−ニトロフェニル基、ビフェニル−2−イル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−4−イル基、3−(メトキシカルボニル)フェニル基、3−メトキシフェニル基を例示することができる。
【0029】
で表される炭素数7もしくは8のアラルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基を例示することができる。該アラルキル基は、炭素数1から4のアルキルオキシ基、トリオルガノシロキシ基または水酸基で置換されていてもよく、(S)−2−メトキシ−1−フェニルエチル基、(R)−2−メトキシ−1−フェニルエチル基、(S)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル基、(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル基、(S)−2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−1−フェニルエチル基、(R)−2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−1−フェニルエチル基を例示することができる。
【0030】
1aで表される炭素数7もしくは8のアラルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基を例示することができる。該アラルキル基は、炭素数1から4のアルキルオキシ基またはトリオルガノシロキシ基で置換されていてもよく、(S)−2−メトキシ−1−フェニルエチル基、(R)−2−メトキシ−1−フェニルエチル基、(S)−2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−1−フェニルエチル基、(R)−2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−1−フェニルエチル基を例示することができる。
【0031】
1bで表されるトリオルガノシロキシ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基としては、2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル基、2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)エチル基、2−(トリイソプロピルシリルオキシ)エチル基を例示することができる。
【0032】
1bで表されるトリオルガノシロキシ基で置換されている炭素数7から8のアラルキル基としては、(S)−2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−1−フェニルエチル基、(R)−2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−1−フェニルエチル基を例示することができる。
【0033】
1cで表される水酸基で置換されている炭素数1から6のアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基を例示することができる。
【0034】
1cで表される水酸基で置換されている炭素数7から8のアラルキル基としては、(S)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル基、(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル基を例示することができる。
【0035】
で表される炭素数1から16のアルキルオキシ基としては、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デカニルオキシ基、ウンデカニルオキシ基、ドデカニルオキシ基、トリデカニルオキシ基、テトラデカニルオキシ基、ペンタデカニルオキシ基、ヘキサデカニルオキシ基を例示することができる。
【0036】
で表される炭素数1から16のアルキルアミノ基としては、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基または環状アルキルアミノ基のいずれであってもよく、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デカニルアミノ基、ウンデカニルアミノ基、ドデカニルアミノ基、トリデカニルアミノ基、テトラデカニルアミノ基、ペンタデカニルオキシ基、ヘキサデカニルオキシ基、ジメチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−エチル−N−プロピルアミノ基、N−エチル−N−イソプロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ヘキサメチレンイミノ基、ヘプタメチレンイミノ基を例示することができる。
【0037】
で表される炭素数1から4のアルキル基としては、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を例示することができる。
【0038】
Xで表される炭素数1から4のアルカンジイル基としては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基を例示することができる。
【0039】
としては、蛍光強度が強い点で、(炭素数1から4のアルキルオキシ基、フェノキシ基または水酸基)で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基、2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基が好ましく、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル基、2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基がさらに好ましく、2−メトキシエチル基がより好ましい。
【0040】
1aで表される炭素数7から8のアラルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基を例示することができる。該アラルキル基は、炭素数1から4のアルキルオキシ基またはトリオルガノシロキシ基で置換されていてもよく、(1S)−2−メトキシ−1−フェニルエチル基、(1R)−2−メトキシ−1−フェニルエチル基、(1S)−2−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)−1−フェニルエチル基、(1R)−2−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)−1−フェニルエチル基を例示することができる。
【0041】
としては、蛍光強度が強い点で、tert−ブチルオキシ基、オクチルオキシ基、オクチルアミノ基、[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミノ基が好ましく、オクチルアミノ基、[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル]アミノ基がさらに好ましい。
【0042】
更に、本発明のキサンテン誘導体(1)の好ましい例として、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−(フェニルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(3−ニトロフェニル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[(3−メトキシカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−[[2−[(ビフェニル−3−イル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(3−メトキシフェニル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[(フラン−2−イル)メチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−[[2−(ベンジルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[(チオフェン−2−イル)メチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[(2−テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−(フェネチルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[2−(フラン−2−イル)エチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(3−メトキシプロピル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−(ブチルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−フェノキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、(R)−3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、(S)−3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、6’−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3’−[2−(プロパルギルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−[2−(アリルアミノカルボニル)−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ−6’−tert−ブトキシカルボニルアミノスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、6’−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3’−[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−[2−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ−6’−(1−オクチルオキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−[2−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ−6’−(1−オクチルアミノカルボニル)アミノスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン、3’−[2−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ−6’−[2−[[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミノカルボニル]アミノスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オンを例示することができる。
【0043】
次に、本発明のキサンテン誘導体(1)の製造方法について詳細に説明する。本発明のキサンテン誘導体(1)は、工程−1から工程−5によって製造することができる。
【0044】
工程−1は、アクリルアミド誘導体(7)を第三級アミン存在下、パラホルムアルデヒドと反応させ、アルコール誘導体(3)を製造する工程である。
【0045】
【化11】
(式中、R1aは前記と同じ意味を表す。)
工程−1の原料として用いるアクリルアミド誘導体(7)は、一部は市販されているが、文献記載の方法(Organic Letters,17,458−460(2015)やJournal of Medicinal Chemistry,57,7590−7599(2014))等を参考に、容易に製造することができる。
工程−1の反応は、第三級アミンの存在下に行なうことが必須である。第三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジンを例示することができる。収率が良い点で、DABCOが第三級アミンとして好ましい。
【0046】
工程−1の反応は、反応を阻害しない溶媒であれば溶媒中で行なってもよい。本工程で用いることのできる溶媒として、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド等スルホン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水を例示することができ、これらの溶媒の中から2種類以上を混合して用いてもよい。収率が良い点で、tert−ブチルアルコール、水が好ましい。
【0047】
アクリルアミド誘導体(7)とパラホルムアルデヒドとのモル比に特に制限はないが、1:1から1:100の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:10がさらに好ましい。
【0048】
アクリルアミド誘導体(7)と第三級アミンとのモル比も特に制限はないが、1:1から1:10の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:3がさらに好ましい。
【0049】
工程−1の反応温度は、0℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行なうことができる。収率が良い点で室温から70℃の範囲が好ましい。
【0050】
工程−1の反応で得られるアルコール誘導体(3)は、必要に応じて反応終了後、反応溶液から精製することができる。精製する方法には特に限定は無いが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層分取クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
【0051】
工程−2は、ローダミン誘導体(2a)を、塩基存在下ホスゲンまたはホスゲン等価体と反応させ、次いで、求核剤(5)と反応させローダミン誘導体(4)を製造する工程である。
【0052】
【化12】
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
工程−2の原料として用いるローダミン誘導体(2a)は、文献記載の方法(ACS Chemical Biology,1,252−260(2006))を参考に調製することができる。
【0053】
工程−2の原料として用いる求核剤(5)は、市販されているものを利用することができる。求核剤(5)としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、へキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、(2−メトキシエトキシ)エタノール、(2−エトキシエトキシ)エタノール、(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エタノール、(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エタノール、(2−メトキシエチル)アミン、(2−エトキシエチル)アミン、((2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、((2−エトキシエトキシ)エチル)アミン、((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)アミン、((2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エチル)アミンを例示することができる。
【0054】
工程−2の反応は、ホスゲンまたはホスゲン等価体を用いることが必須である。ホスゲンまたはホスゲン等価体としては、ホスゲン、ホスゲンダイマー、トリホスゲンを例示することができる。収率が良い点で、トリホスゲンが好ましい。
【0055】
工程−2の反応は、塩基を用いることが必須である。塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン、ピリジン、2,6−ルチジン等の複素環芳香族塩基を例示することができる。収率が良い点で、2,6−ルチジンが塩基として好ましい。
【0056】
工程−2の反応は、反応を阻害しない溶媒であれば溶媒中で行なってもよい。本工程で用いることのできる溶媒として、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を例示することができ、これらの溶媒の中から2種類以上を混合して用いてもよい。収率が良い点で、ジクロロメタンが好ましい。
【0057】
ローダミン誘導体(2a)と求核剤(5)とのモル比に特に制限はないが、1:1から1:10の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:3がさらに好ましい。
【0058】
ローダミン誘導体(2a)と塩基とのモル比も特に制限はないが、1:1から1:10の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:5がさらに好ましい。
【0059】
ローダミン誘導体(2a)とホスゲンもしくはホスゲン等価体とのモル比も特に制限はないが、1:5の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:2がさらに好ましい。
【0060】
工程−2の反応温度は、0℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行なうことができる。収率が良い点で室温から50℃の範囲が好ましい。
【0061】
工程−2の反応で得られるローダミン誘導体(4)は、必要に応じて反応終了後、反応溶液から精製することができる。精製する方法には特に限定は無いが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層分取クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
【0062】
工程−3は、ローダミン誘導体(4)を酸処理することにより、ローダミン誘導体(2)を製造する工程である。
【0063】
【化13】
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
工程−3の反応で用いることのできる酸としては、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸等のブレンステッド酸を例示することができる。
【0064】
工程−3の反応は、反応を阻害しない溶媒であれば溶媒中で行なってもよい。本工程で用いることのできる溶媒として、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド等スルホン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水を例示することができ、これらの溶媒の中から2種類以上を混合して用いてもよい。収率が良い点で、ジクロロメタンが好ましい。
【0065】
ローダミン誘導体(4)と酸とのモル比は特に制限はないが、1:10から1:100の範囲が好ましく、収率が良い点で1:20から1:50がさらに好ましい。
【0066】
工程−3の反応温度は、0℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行なうことができる。収率が良い点で0℃から50℃の範囲が好ましい。
【0067】
工程−3の反応で得られるローダミン誘導体(2)は、必要に応じて反応終了後、反応溶液から精製することができる。精製する方法には特に限定は無いが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層分取クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
【0068】
工程−4は、ローダミン誘導体(2)を塩基存在下ホスゲンまたはホスゲン等価体と反応させ、次いで、アルコール誘導体(3)と反応させキサンテン誘導体(1a)を製造する工程である。
【0069】
【化14】
(式中、RおよびR1aは前記と同じ意味を表す。)
工程−4の反応は、ホスゲンまたはホスゲン等価体を用いることが必須である。ホスゲンまたはホスゲン等価体としては、ホスゲン、ホスゲンダイマー、トリホスゲンを例示することができる。収率が良い点で、トリホスゲンが好ましい。
【0070】
工程−4の反応は、塩基を用いることが必須である。塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン、ピリジン、2,6−ルチジン等の複素環芳香族塩基を例示することができる。収率が良い点で、2,6−ルチジンが塩基として好ましい。
【0071】
工程−4の反応は、反応を阻害しない溶媒であれば溶媒中で行なってもよい。本工程で用いることのできる溶媒として、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を例示することができ、これらの溶媒の中から2種類以上を混合して用いてもよい。収率が良い点で、ジクロロメタンが好ましい。
【0072】
ローダミン誘導体(2)とアルコール誘導体(3)とのモル比に特に制限はないが、1:1から1:10の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:3がさらに好ましい。
【0073】
ローダミン誘導体(2)と塩基とのモル比も特に制限はないが、1:1から1:10の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:5がさらに好ましい。
【0074】
ローダミン誘導体(2)とホスゲンまたはホスゲン等価体とのモル比も特に制限はないが、1:5の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:2がさらに好ましい。
【0075】
工程−4の反応温度は、0℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行なうことができる。収率が良い点で室温から50℃の範囲が好ましい。
【0076】
工程−4の反応で得られるキサンテン誘導体(1a)は、必要に応じて反応終了後、反応溶液から精製することができる。精製する方法には特に限定は無いが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層分取クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
【0077】
工程−5は、キサンテン誘導体(1b)に脱保護化剤を反応させ、トリオルガノシリル基を除去し、キサンテン誘導体(1c)を製造する工程である。
【0078】
【化15】
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。R1bは、トリオルガノシロキシ基で置換されている炭素数1から6のアルキル基またはトリオルガノシロキシ基で置換されている炭素数7から8のアラルキル基を表す。R1cは、水酸基で置換されている炭素数1から6のアルキル基または水酸基で置換されている炭素数7から8のアラルキル基を表す。)
工程−5の反応は、脱保護化剤を用いることが必須である。用いることのできる脱保護化剤としては、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等のフッ化アルカリ金属類、フッ化カルシウム等のフッ化アルカリ土類金属類、フッ化テトラブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩を例示することができる。収率が良い点で、フッ化テトラブチルアンモニウムが好ましい。
【0079】
工程−5の反応は、反応を阻害しない溶媒であれば溶媒中で行なってもよい。本工程で用いることのできる溶媒として、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド等スルホン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水を例示することができ、これらの溶媒の中から2種類以上を混合して用いてもよい。収率が良い点で、テトラヒドロフランが好ましい。
【0080】
キサンテン誘導体(1b)と脱保護化剤とのモル比も特に制限はないが、1:1から1:10の範囲が好ましく、収率が良い点で1:1から1:3がさらに好ましい。
【0081】
工程−5の反応温度は、0℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行なうことができる。収率が良い点で室温から50℃の範囲が好ましい。
【0082】
工程−5の反応で得られるキサンテン誘導体(1c)は、必要に応じて反応終了後、反応溶液から精製することができる。精製する方法には特に限定は無いが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層分取クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
【0083】
本発明のキサンテン誘導体(1)はチオールおよび癌細胞を検出する蛍光プローブとして有用である。蛍光プローブは、特定の生体物質、細胞、または組織などに特異的に結合または分布し、蛍光を発する物質であり、それにより特定の生体物質、細胞、または組織の観察を容易にする。通常、蛍光プローブといった場合は、その物質自体が蛍光を発する物質を指すが、本明細書中では、それ自体蛍光を発しないが、変換反応などにより蛍光を発するようになる前駆物質も蛍光プローブに含まれるものとする。
【0084】
本発明のキサンテン誘導体(1)は、それ自体では蛍光を発しないものの、チオールと特異的に反応して(2−カルバモイルアリル)オキシ基が脱離しローダミン誘導体(2)に変換される。ローダミン誘導体(2)は、開環型(2’)と平衡状態となり蛍光を発する。
【0085】
【化16】
(式中、RおよびRは、前記と同じ意味を表す。)
ローダミン誘導体の開環型(2’)は、所定の励起光、例えば400から500nm程度の励起光を照射した場合に、極めて強い蛍光(例えば520nmでの蛍光)を発する性質を有する一方で、本発明のキサンテン誘導体(1)は、同程度の励起光を照射した場合であっても、ほとんど蛍光を発しない。ローダミン誘導体の開環型(2’)に対する励起光の範囲の上限は、蛍光波長とのオーバーラップを避ける観点から、500nm以下が好ましく、495nm以下が特に好ましく、励起光の範囲の下限は、励起能力の観点から400nm以上が好ましい。蛍光観測の観点から、励起光は、所望される波長のみを透過する励起フィルターを通して得た単一波長の光であることが好ましいが、400から495nmにピークを有するスペクトルを有する光源を使用することもできる。
【0086】
本発明のキサンテン誘導体(1)は、それ自体蛍光を発しないが、チオールと反応して強い蛍光を発するローダミン誘導体の開環型(2’)に変換されるため、蛍光強度の変化を測定することでチオールを検出することができる。
【0087】
本発明のキサンテン誘導体(1)が検出できるチオールとしては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン等のアルキルチオール、システイン、ホモシステイン、グルタチオン(GSH)、N−アセチルシステイン、システイニルグリシン、γ−グルタミルシステイン、フィトケラチン、ジヒドロリポ酸等の生体チオールを例示することができ、生体チオールの検出に用いることが好ましい。
【0088】
次に、本発明のキサンテン誘導体(1)を用いたチオールの検出方法について説明する。本発明のキサンテン誘導体(1)を用いたチオール検出方法は、(a)キサンテン誘導体(1)をチオールと反応させる工程;および(b)発光強度を測定する工程を含む。
【0089】
本発明のキサンテン誘導体(1)をチオールと反応させる工程に用いる溶媒は、特に制限はないものの、緩衝液を用いることが好ましい。用いることのできる緩衝液としては、HEPES緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液を例示することができる。さらに、緩衝液に混和可能な有機溶媒を添加してもよい。該有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンを例示することができ、これらの有機溶媒のうち2種類以上を混合して用いてもよい。有機溶媒の割合は、反応効率が良い点で、0%から10%の範囲が好ましい。
【0090】
本発明のキサンテン誘導体(1)をチオールと反応させる工程の温度は、特に制限はないものの、反応効率が良い点で、5℃から40℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは20℃から37℃の範囲である。また、本発明のキサンテン誘導体(1)とチオールを加える順番は特に限定されるものではない。
【0091】
発光強度を測定する工程は、それぞれの測定方法に応じて、当業者であればその条件を適宜設定でき、特に制限はされず、蛍光の検出装置として従来公知のものを用いればよい。当該装置としては、例えばプレートリーダー、蛍光分光装置、蛍光顕微鏡等が好ましく挙げられる。
【0092】
次に、本発明のキサンテン誘導体(1)を用いた癌細胞の検出方法について説明する。
【0093】
本発明のキサンテン誘導体(1)は、癌細胞検出用のプローブであり、癌の検出、判定、または診断方法においても使用することができる。癌の検出、判定、または診断方法は体外で行われる方法であってもよいし、体内で行われる方法であってもよい。生体チオールの一つであるグルタチオン(GSH)は、抗酸化物質として細胞内に豊富に存在しているが、癌細胞内では正常細胞に比べてGSHの濃度が高くなっていることが知られている。したがって、本発明のキサンテン誘導体(1)を用いることで、正常細胞共存下、癌細胞を蛍光検出することができる。
【0094】
本発明のキサンテン誘導体(1)は、プレパラート、ガラスボトムディッシュやスライドガラス、マルチウェルプレートなど、生体イメージングの手法において一般的に用いられる観察容器に保持した生体試料に対して作用させることができるが、特許文献3に記載の、生体試料固定装置に保持した生体試料に対して作用させることもできる。
【0095】
前述のような生体試料固定装置として、例えば、図1および2に示すように上部電極基板と下部電極基板の間に、スペーサーを配置し、複数の微細孔をアレイ状に配置した平板状の絶縁体および絶縁体と下部電極基板の間に設置した遮光部材からなる保持部をスペーサーと下部電極基板とで挟んだ構造を有する、生体試料固定装置(以下、「細胞診断チップ」と記載することがある)を、生体試料を保持するための容器として用いることができる。図1および2の例では、保持部に生体試料懸濁液を導入するための導入口と、保持部から溶液を排出するための排出口とを、前記スペーサーに設け、保持部への生体試料懸濁液の供給と排出が迅速に実施可能となるようにしてある。また、前記遮光部材は、前記下部電極基板の、前記微細孔の底部以外の全面を覆うように配置され、微細孔周辺の光ノイズを低減することができる。これにより、微細孔内において生体試料から発する微弱な蛍光などの情報をより高感度に検出することが可能となる。本発明により提供されるキサンテン誘導体(1)を用いると、白血球細胞と、癌細胞とが混合された状態の細胞群の中から、癌細胞のみを、生きたまま蛍光標識し、生体イメージング手法により、癌細胞と白血球細胞とを精度よく識別することが可能になる。
【0096】
前述のような構成の細胞診断チップの保持部に細胞などの生体試料懸濁液を導入し、信号発生器と前記2つの電極を導線でそれぞれ接続し、2つの電極の間に所定の波形を有する交流電圧を前記信号発生器により印加することで、電気力線が微細孔へ集中し、懸濁液中の生体試料が、電気力線の集中する方向に力を受け、保持部分の微細孔内へ移動して容易に固定される。この時に発生する力を誘電泳動力という。
【0097】
観察容器に保持された生体試料に対し、本発明のキサンテン誘導体(1)またはその溶液を加えることにより接触させ、所定の時間インキュベートした後に、蛍光顕微鏡やマイクロプレートリーダーにより励起光を生体試料に照射し、生じた蛍光を検出することができる。その後、より蛍光を発する細胞を癌細胞と判定することができる。
【0098】
本発明では、例えば癌の転移を判定する観点から、生体試料は組織であっても血液であってもよく、さらに組織または血液から得られた細胞群であってもよい。例えば転移性の癌を患う患者から採取された血液の細胞群には、大量の血球細胞と少数の癌細胞が含まれているが、本発明のキサンテン誘導体(1)を用いることにより、大量の細胞のなかから、癌細胞を精度よく検出することが可能になる。被験者の血液細胞中に癌細胞が存在した場合、原発巣から癌細胞が血中に循環していることが想定されることから、被験者が転移性の癌を患っていると判定または診断することができる。
【0099】
また、インキュベート後に、フローサイトメトリーや蛍光顕微鏡による画像取得とそれに続くマイクロピペットによる細胞分取技法を用いて、癌細胞数の計測および癌細胞の取得を行なうこともできる。被験者の血液細胞中の癌細胞数を計測することにより、CTなどの画像検出では発見不可能な微小な固形癌の存在を検出することが可能となる。さらに、被験者の血液細胞中の癌細胞数を一定期間ごとに計測することにより、被験者に対する外科手術、放射線治療などによる局所治療、または化学療法などによる全身治療、または分子標的薬の投与などによる治療の効果を判定することが可能となる。また、被験者の血液細胞中の癌細胞を取得することにより、癌細胞に対して別途解析手法を適用することが可能となり、遺伝子解析、発現解析、局在解析などの性状解析が可能となる。
【0100】
本発明の別の態様では、本発明のキサンテン誘導体(1)を用いた癌細胞または癌組織の検出方法に関する。当該検出方法では、本発明のキサンテン誘導体(1)を、細胞または組織に適用し、適用後の細胞または組織に対し所定の励起光を照射することにより、細胞または組織における蛍光を検出することを含む。例えばかかる方法は、血液中における癌細胞を検出する方法であり、その場合、血液中の細胞は、プレパラートなどの観察容器に固定されていてもよいし、上で説明した生体試料固定装置により固定された診断チップであってもよい。一方で、係る検出方法を、生体の組織に適用して、手術時における癌組織の確定診断に用いることもできる。その場合の適用方法としては、細胞または組織に対する噴霧または塗布することにより適用してもよいし、注射や輸液により適用してもよい。
【0101】
本発明のさらに別の態様は、本発明の癌細胞または癌組織の検出方法を用いて、癌の切除領域を決定し、当該領域を切除する工程を含む、手術・治療方法に関してもよい。
【0102】
本発明の癌細胞の検出方法は、転移癌の判定に用いることができる。すなわち、本発明の癌細胞の検出方法により、指標となる蛍光よりも高い蛍光が検出された場合に、転移癌が存在すると判定することができる。ここで、判定方法とは、指標との比較をすることにより、医師をはじめとした医療従事者による判断を含まずに特定する方法をいう。例えば指標となる蛍光として、蛍光を有する細胞を選択することができ、この場合、蛍光を有する細胞が検出された場合に、対象が癌を有すると決定することができる。別の態様では、蛍光強度や蛍光を有する細胞の数を指標とすることにより、転移癌の重篤度を判定することもできる。
【0103】
具体的には、本発明のキサンテン誘導体(1)は、それ自体蛍光を発しないが、細胞内に含まれる生体チオールと反応する。更に具体的には、生体チオールはGSHのことを指す。
【0104】
その際に、蛍光強度の変化を測定することでチオールを検出し、正常細胞との蛍光強度を比較することで、癌細胞と正常細胞(白血球を含む)とを識別することができることがわかる。つまり、癌細胞には正常細胞と比較して細胞内にチオールが多く含まれており、本発明の化合物が細胞由来のチオールを検出することによって、癌細胞かどうかを判定することに用いることができる。応用例として、生体由来の組織や血液から得られたタンパク質抽出液に、本発明のキサンテン誘導体(1)を反応させることによって癌細胞と正常細胞(白血球を含む)とを識別することができる。
【0105】
本明細書において、「癌組織」の用語は癌細胞を含む任意の組織を意味している。「組織」の用語は、臓器の一部または全体を含めて最も広義に解釈することができ、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。本発明のキサンテン誘導体(1)は、癌組織において特異的に強発現しているGSTを検出する作用を有していることから、癌組織の中でも、GSTを高発現している組織が好ましく、このような癌組織は、例えばCancer Research,48,pp.527−537,1988に説明されている。癌の例として、頭頚部癌、咽頭癌、胃癌、肺癌、乳癌、大腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆嚢癌、膵臓癌、子宮体癌、卵巣癌、中皮腫、皮膚癌、メラノーマ、骨癌などの典型的な原発癌の他に、リンパ節などのリンパ組織や周囲組織への転移癌の組織も挙げられるが、これらの癌種に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0106】
本発明のキサンテン誘導体は、正常細胞共存下、癌細胞を蛍光染色し、癌細胞が強い発光を示すので、癌細胞を検出する蛍光プローブとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
図1】生体試料固定装置(細胞診断チップ)の模式鳥瞰図。
図2】生体試料固定装置(細胞診断チップ)の模式断面図。
図3】実施例26で測定した、本発明のキサンテン誘導体(化合物24)のGSH存在下の蛍光スペクトルを示した図。
図4】実施例27で測定した、本発明のキサンテン誘導体(化合物24)の生物学的チオール存在下での蛍光強度の経時変化を示した図。
図5】実施例28で測定した、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)の癌細胞内タンパク質抽出液存在下での蛍光強度の時間変化を示した図。
図6】実施例29で測定した、本発明のキサンテン誘導体(化合物24)の癌細胞内タンパク質抽出液存在下での発光強度の時間変化を示した図。
図7】実施例29および比較例1で測定した、化合物41の濃度と蛍光強度との相関を表す検量線を示す図。
図8】実施例30および比較例2で取得した、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)を癌細胞または白血球に接触させ撮影した蛍光顕微鏡像の、細胞の蛍光像の時間変化を示す図。
図9】実施例31で取得した、N−Ethylmaleimide(NEM)の存在下または非存在下で本発明のキサンテン誘導体(化合物23)を癌細胞に接触させ撮影した蛍光顕微鏡像の、癌細胞の蛍光像の時間変化を示す図。
図10】実施例32および比較例3で実施した、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)を癌細胞または白血球に接触させ、フローサイトメトリーにより得られたヒストグラムを示す図。
図11】実施例33で取得した、本発明のキサンテン誘導体(1)(化合物23)を癌細胞および白血球細胞の混合体に接触させ撮影した蛍光顕微鏡像を示す図。
図12】実施例34で取得した、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)を細胞診断チップ上に固定化した癌細胞および白血球細胞の混合体に接触させ撮影した蛍光顕微鏡像を示す図。
【実施例】
【0108】
次に本発明を実施例および参考例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら例に限定されるものではない。
【0109】
実施例1
【0110】
【化17】
3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解し、2,6−ルチジン(16μL,0.14mmol)を加えて0℃に冷却した。トリホスゲン(6.3mg,23.2μmol)を加えて、0℃で30分間、更に室温で1時間反応させた後、2−(ヒドロキシメチル)−N−フェニルアクリルアミド(16mg,93.0μmol)を加えて、そのまま20時間反応させた。反応液を酢酸エチル(30mL)で希釈した後、有機層を1M塩酸(15mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)、飽和食塩水(15mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム、次に2%メタノール/クロロホルム)で精製し、更に分取薄層クロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−(フェニルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(15mg,収率51%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.12(s,1H),10.06(s,1H),9.70(s,1H),8.01(d,J=7.6Hz,1H),7.79(t,J=7.6Hz,1H),7.72(t,J=7.6Hz,1H),7.69(d,J=7.5Hz,2H),7.54−7.58(m,2H),7.32(t,J=7.5Hz,2H),7.26(d,J=7.6Hz,1H),7.16(dd,J=2.3,8.6Hz,1H),7.14(dd,J=2.3,8.6Hz,1H),7.08(t,J=7.5Hz,1H),6.69(d,J=8.6Hz,1H),6.66(d,J=8.6Hz,1H),6.10(s,1H),5.87(s,1H),4.92(s,2H),1.48(s,9H).
実施例2
【0111】
【化18】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−ヒドロキシメチル−N−(3−ニトロフェニル)アクリルアミド(21mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(3−ニトロフェニル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(19mg,収率60%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.53(s,1H),10.13(s,1H),9.70(s,1H),8.71(t,J=2.2Hz,1H),8.11(ddd,J=0.9,2.2,8.2Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.95(ddd,J=0.9,2.2,8.2Hz,1H),7.78(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.64(t,J=8.2Hz,1H),7.54−7.59(m,2H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.2,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.2,8.7Hz,1H),6.69(d.J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),6.19(s,1H),5.96(s,1H),4.94(s,2H),1.48(s,9H).
実施例3
【0112】
【化19】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−[(3−メトキシカルボニル)フェニル]アクリルアミド(22mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[(3−メトキシカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(18mg,収率56%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.28(s,1H),10.13(s,1H),9.70(s,1H),8.37(t,J=1.8Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.98(ddd,J=1.1,1.8,7.9Hz,1H),7.78(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.66−7.70(m,1H),7.54−7.58(m,2H),7.48(t,J=7.9Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.2,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.2,8.7Hz,1H),6.69(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),6.16(s,1H),5.91(s,1H),4.93(s,2H),3.86(s,3H),1.48(s,9H).
実施例4
【0113】
【化20】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)とN−(ビフェニル−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(18mg,70.0μmol)とを反応させて、3’−[[2−[(ビフェニル−3−イル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(7.7mg,収率23%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.15(s,1H),10.14(s,1H),9.70(s,1H),7.99−8.03(m,2H),7.78(t,J=7.5Hz,1H),7.69−7.75(m,2H),7.60−7.75(m,2H),7.54−7.58(m,2H),7.45−7.51(m,2H),7.35−7.45(m,3H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.17(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.69(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),6.15(s,1H),5.90(s,1H),4.94(s,2H),1.48(s,9H).
実施例5
【0114】
【化21】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−ヒドロキシメチル−N−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド(19mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[2−[(3−メトキシフェニル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(15mg,収率49%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.13(s,1H),10.03(s,1H),9.70(s,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.54−7.58(m,2H),7.38(t,J=2.2Hz,1H),7.26−7.30(m,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.22(t,J=8.0Hz,1H),7.16(dd,J=2.1,8.8Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.8Hz,1H),6.69(d,J=8.8Hz,1H),6.66(d,J=8.8Hz,1H),6.64−6.68(m,1H),6.09(s,1H),5.87(s,1H),4.91(s,2H),3.73(s,3H),1.48(s,9H).
実施例6
【0115】
【化22】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(19mg,44.1μmol)とN−[(フラン−2−イル)メチル]−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(16mg,88.2μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[(フラン−2−イル)メチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(15mg,収率53%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.12(s,1H),9.70(s,1H),8.70(t,J=5.7Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.54−7.58(m,3H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),7.14(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),6.70(d,J=8.8Hz,1H),6.66(d,J=8.8Hz,1H),6.38(dd,J=1.9,3.1Hz,1H),6.24(dd,J=0.7,3.1Hz,1H),5.98(s,1H),5.72(s,1H),4.83(s,2H),4.34(d,J=5.7Hz,2H),1.48(s,9H).
実施例7
【0116】
【化23】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)とN−ベンジル−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(18mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−[[2−(ベンジルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(25mg,収率83%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.13(s,1H),9.70(s,1H),8.77(t,J=6.0Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.53−7.59(m,2H),7.19−7.34(m,6H),7.11−7.19(m,2H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),6.00(s,1H),5.72(s,1H),4.85(s,2H),4.36(d,J=6.0Hz,2H),1.48(s,9H).
実施例8
【0117】
【化24】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−[(チオフェン−2−イル)メチル]アクリルアミド(18mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[(チオフェン−2−イル)メチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(15mg,収率49%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.12(s,1H),9.70(s,1H),8.87(t,J=6.0Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.37(dd,J=1.2,5.0Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.98(dd,J=1.2,3.0Hz,1H),6.94(dd,J=3.0,5.0Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.97(s,1H),5.72(s,1H),4.84(s,2H),4.50(d,J=6.0Hz,2H),1.48(s,9H).
実施例9
【0118】
【化25】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]アクリルアミド(17mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[(2−テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(14mg,収率47%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.10(s,1H),9.70(s,1H),8.26(t,J=5.6Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.94(s,1H),5.68(s,1H),4.82(s,2H),3.84−3.93(m,1H),3.70−3.78(m,1H),3.56−3.64(m,1H),3.15−3.22(m,2H),1.72−1.92(m,3H),1.48−1.59(m,1H),1.48(s,9H).
実施例10
【0119】
【化26】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−フェニルエチル)アクリルアミド(19mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−(フェネチルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(18mg,収率59%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),9.70(s,1H),8.30(t,J=5.8Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.57(d,J=2.2Hz,1H),7.56(d,J=2.2Hz,1H),7.24−7.31(m,3H),7.12−7.23(m,5H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.88(s,1H),5.66(s,1H),4.81(s,2H),3.29−3.39(m,2H),2.74−2.80(m,2H),1.48(s,9H).
実施例11
【0120】
【化27】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(19mg,44.1μmol)とN−[2−(フラン−2−イル)エチル]−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(18mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[2−(フラン−2−イル)エチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(22mg,収率73%)を淡黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),9.70(s,1H),8.33(t,J=5.7Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.52(dd,J=0.8,1.8Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),6.34(dd,J=1.8,3.2Hz,1H),6.15(dd,J=0.8,3.2Hz,1H),5.90(s,1H),5.67(s,1H),4.81(s,2H),3.34−3.42(m,2H),2.80(t,J=7.2Hz,2H),1.48(s,9H).
実施例12
【0121】
【化28】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシエチル)アクリルアミド(15mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(14mg,収率49%)を淡黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),9.70(s,1H),8.25(t,J=5.6Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),7.55(d,J=2.0Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.94(s,1H),5.68(s,1H),4.81(s,2H),3.39(t,J=5.6Hz,2H),3.29(q,J=5.6Hz,2H),3.24(s,3H),1.48(s,9H).
実施例13
【0122】
【化29】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル]アクリルアミド(19mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル]アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,収率66%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.10(s,1H),9.70(s,1H),8.17(t,J=5.7Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hs,1H),7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.90(s,1H),5.66(s,1H),4.81(s,2H),3.68−3.78(m,2H),3.56(dt,J=6.4,7.8Hz,1H),3.09−3.28(m,2H),1.89−2.01(m,1H),1.71−1.83(m,2H),1.59−1.67(m,2H),1.48(s,9H),1.31−1.43(m,1H).
実施例14
【0123】
【化30】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド(16mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(3−メトキシプロピル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(25mg,収率85%)を淡黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),9.70(s,1H),8.18(t,J=5.6Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),7.55(d,J=2.0Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.91(s,1H),5.66(s,1H),4.81(s,2H),3.30−3.35(m,2H),3.21(s,3H),3.13−3.20(m,2H),1.63−1.73(m,2H),1.48(s,9H).
実施例15
【0124】
【化31】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(30mg,69.7μmol)とN−ブチル−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(22mg,0.14mmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−(ブチルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(12mg,収率28%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.10(s,1H),9.70(s,1H),8.15(t,J=5.7Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.90(s,1H),5.65(s,1H),4.81(s,2H),3.09−3.16(m,2H),1.48(s,9H),1.43(quint,J=7.3Hz,2H),1.28(sext,J=7.3Hz,2H),0.87(t,J=7.3Hz,3H).
実施例16
【0125】
【化32】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−フェノキシエチル)アクリルアミド(21mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−フェノキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(27mg,収率86%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),9.70(s,1H),8.43(t,J=5.6Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),7.55(d,J=2.0Hz,1H),7.23−7.29(m,3H),7.16(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),6.89−6.96(m,3H),6.69(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.97(s,1H),5.71(s,1H),4.83(s,2H),4.04(t,J=5.6Hz,2H),3.51(q,J=5.6Hz,2H),1.48(s,9H).
実施例17
【0126】
【化33】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(100mg,0.23mmol)と(R)−2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アクリルアミド(109mg,0.46mmol)とを反応させて、(R)−3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3’−[[2−[(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(129mg,収率80%)を淡黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.12(s,1H),9.70(s,1H),8.59(d,J=8.3Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),7.55(d,J=2.0Hz,1H),7.21−7.39(m,6H),7.16(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),6.06(s,1H),5.73(s,1H),5.12(dt,J=5.3,8.3Hz,1H),4.78−4.88(m,2H),3.62(dd,J=8.3,10.0Hz,1H),3.49(dd,J=5.3,10.0Hz,1H),3.26(s,3H),1.48(s,9H).
実施例18
【0127】
【化34】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(100mg,0.23mmol)と(S)−2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アクリルアミド(109mg,0.46mmol)とを反応させて、(S)−3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(132mg,収率82%)を淡黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.12(s,1H),9.70(s,1H),8.59(d,J=8.3Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),7.55(d,J=2.0Hz,1H),7.21−7.39(m,6H),7.16(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),6.06(s,1H),5.73(s,1H),5.12(dt,J=5.3,8.3Hz,1H),4.78−4.88(m,2H),3.62(dd,J=8.3,10.0Hz,1H),3.49(dd,J=5.3,10.0Hz,1H),3.26(s,3H),1.48(s,9H).
実施例19
【0128】
【化35】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)と2−(ヒドロキシメチル)−N−プロパルギルアクリルアミド(13mg,93.0μmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−(プロパルギルアミノカルボニル)−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(7.0mg,収率25%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.12(s,1H),9.70(s,1H),8.67(t,J=5.8Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.17(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.98(s,1H),5.74(s,1H),4.82(s,2H),3.94(dd,J=2.5,5.8Hz,2H),3.11(t,J=2.5Hz,1H),1.48(s,9H).
実施例20
【0129】
【化36】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(20mg,46.5μmol)とN−アリル−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(13mg,93.0μmol)とを反応させて、3’ −[[2−(アリルアミノカルボニル)−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(18mg,収率64%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.65(t,J=7.5Hz,1H),7.61(t,J=7.5Hz,1H),7.48−7.52(m,1H),7.42−7.47(m,1H),7.12(d,J=7.5Hz,1H),6.95(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6,89(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.85−6.91(m,1H),6.69(d,J=8.7Hz,1H),6.68(d,J=8.7Hz,1H),6.59(s,1H),6.22−6.31(m,1H),6.00(s,1H),5.86(ddt,J=10.1,17.1,5.7Hz,1H),5.70(s,1H),5.21(dd,J=1.3,17.1Hz,1H),5.15(dd,J=1.3,10.1Hz,1H),4.94(s,2H),3.97(t,J=5.7Hz,2H),1.52(s,9H).
実施例21
【0130】
【化37】
実施例1と同様に、3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(47mg,0・11mmol)とN−[2−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)エチル]−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(84mg,0.22mmol)とを反応させて、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[2−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)エチルアミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(82mg,収率90%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.10(s,1H),9.70(s,1H),8.27(t,J=5.8Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.76(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.59−7.60(m,4H),7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.39−7.49(m,6H),7.25(d,J=7.5Hz,1H),7.15(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.69(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.92(s,1H),5.78(s,1H),4.80(s,2H),3.69(t,J=6.5Hz,2H),3.33−3.38(m,2H),1.48(s,9H),0.98(s,9H).
実施例22
【0131】
【化38】
3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−tert−ブチルジフェニルシロキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(82mg,97.6μmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)に溶解し、0℃に冷却した後、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムの1Mテトラヒドロフラン溶液(0.12mL,0.12mmol)を加えて、そのまま30分間反応させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(5.0mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム、次いで3%メタノール/クロロホルム)で精製して、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−[[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(46mg,収率78%)を淡黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),9.70(s,1H),8.15(t,J=5.6Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.56(d,J=2.2Hz,1H),7.55(d,J=2.2Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.2,8.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.2,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.7Hz,1H),5.95(s,1H),5.67(s,1H),4.81(s,2H),4.68(t,J=5.6Hz,1H),3.44(q,J=5.6Hz,2H),3.20(q,J=5.6Hz,2H),1.48(s,9H).
参考例1
【0132】
【化39】
3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(50mg,0.12mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解し、2,6−ルチジン(41μL,0.35mmol)を加えて0℃に冷却した。トリホスゲン(16mg,58.0μmol)を加えて、0℃で30分間、更に室温で1時間反応させた後、1−オクタノール(37μL,0.46mmol)を加えて、そのまま14時間反応させた。反応液を酢酸エチル(30mL)希釈した後、有機層を1M塩酸(15mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)、飽和食塩水(15mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン、次に25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−(オクチルオキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(60mg,収率88%)を淡黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ8.02(d,J=7.5Hz,1H),7.65(t,J=7.5Hz,1H),7.60(t,J=7.5Hz,1H),7.49−7.54(m,1H),7.45−7.49(m,1H),7.12(d,J=7.5Hz,1H),6.94(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.88(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.71(d,J=8.7Hz,1H),6.69(d,J=8.7Hz,1H),6.67(s,1H),6.56(s,1H),4.17(t,J=6.8Hz,2H),1.68(quint,J=6.8Hz,2H), 1.53(s,9H),1.22−1.45(m,10H),0.88(t,J=6.8Hz,3H).
参考例2
【0133】
【化40】
3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−(オクチルオキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(70mg,0.19mmol)をジクロロメタン(1.2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を加えて室温で2時間反応させた。反応液を0℃に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、溶液のpHを約9とした。反応混合液を酢酸エチル(30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた固体を減圧下乾燥して、3’−アミノ−6’−(オクチルオキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(51mg,収率86%)を橙色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.90(s,1H),7.97(d,J=7.5Hz,1H),7.78(t,J=7.5Hz,1H),7.70(t,J=7.5Hz,1H),7.51(d,J=2.1Hz,1H),7.25(d,J=7.5Hz,1H),7.10(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.61(d,J=8.7Hz,1H),6.43(d,J=2.1Hz,1H),6.36(d,J=8.5Hz,1H),6.32(dd,J=2.1,8.5Hz,1H),5.66(s,2H),4.09(t,J=6.5Hz,2H),1.62(quint,J=6.5Hz,2H),1.20−1.42(m,10H),0.86(t,J=6.5Hz,3H).
実施例23
【0134】
【化41】
3’−アミノ−6’−(オクチルオキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(25mg,51.0μmol)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解し、2,6−ルチジン(18μL,0.15mmol)を加えて0℃に冷却した。トリホスゲン(6.9mg,26.7μmol)を加えて、0℃で30分間、更に室温で1時間反応させた後、2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシエチル)アクリルアミド(16mg,0.10mmol)を加えて、そのまま12時間反応させた。反応液を酢酸エチル(30mL)希釈した後、有機層を1M塩酸(15mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)、飽和食塩水(15mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム、次に25%酢酸エチル/クロロホルム)で精製して、3’−[[2−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]−6’−(オクチルオキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(12mg,収率35%)を淡桃色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),9.95(s,1H),8.25(t,J=5.6Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.54−7.59(m,2H),7.27(d,J=7.5Hz,1H),7.16(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),7.15(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.71(d,J=8.7Hz,1H),6.69(d,J=8.7Hz,1H),5.94(s,1H),5.68(s,1H),4.81(s,2H),4.09(t,J=6.6Hz,2H),3.39(t,J=5.6Hz,2H),3.29(q,J=5.6Hz,2H),3.24(s,3H),1.62(quint,J=6.6Hz,2H),1.20−1.42(m,10H),0.86(t,J=6.6Hz,3H).
参考例3
【0135】
【化42】
3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(50mg,0.12mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解し、2,6−ルチジン(41μL,0.35mmol)を加えて0℃に冷却した。トリホスゲン(16mg,58.0μmol)を加えて、0℃で30分間、更に室温で1時間反応させた後、オクチルアミン(77μL,0.46mmol)を加えて、そのまま1.5時間反応させた。反応液を酢酸エチル(30mL)希釈した後、有機層を1M塩酸(15mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)、飽和食塩水(15mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム、次に3%メタノール/クロロホルム)で精製して、3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6’−(オクチルアミノカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(65mg,収率96%)を黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.69(s,1H),8.78(s,1H),8.00(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.64(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.92(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.65(d,J=8.7Hz,1H),6.59(d,J=8.7Hz,1H),6.23(t,J=5.7Hz,1H),3.03−3.12(m,2H),1.48(s,9H),1.36−1.46(m,2H),1.18−1.33(m,10H),0.86(t,J=6.8Hz,3H).
参考例4
【0136】
【化43】
3’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3’−(オクチルアミノカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(72mg,0.12mmol)をジクロロメタン(1.2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を加えて室温で1.5時間反応させた。反応液を0℃に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、溶液のpHを約9とした。反応混合液を酢酸エチル(30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた固体を減圧下乾燥して、3’−アミノ−6’−(オクチルアミノカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(54mg,収率90%)を赤色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.71(s,1H),7.97(d,J=7.5Hz,1H),7.78(t,J=7.5Hz,1H),7.70(t,J=7.5Hz,1H),7.63(d,J=2.1Hz,1H),7.25(d,J=7.5Hz,1H),6.84(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.53(d,J=8.7Hz,1H),6.43(d,J=2.1Hz,1H),6.36(d,J=8.5Hz,1H),6.31(dd,J=2.1,8.5Hz,1H),6.20(t,J=5.6Hz,1H),5.65(s,2H),3.02−3.12(m,2H),1.35−1.49(m,2H),1.18−1.34(m,10H),0.86(t,J=6.8Hz,3H).
実施例24
【0137】
【化44】
3’−アミノ−6’−(オクチルアミノカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(25mg,51.5μmol)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解し、2,6−ルチジン(18μL,0.15mmol)を加えて0℃に冷却した。トリホスゲン(6.9mg,26.7μmol)を加えて、0℃で30分間、更に室温で1時間反応させた後、2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシエチル)アクリルアミド(16mg,0.10mmol)を加えて、そのまま13時間反応させた。反応液を酢酸エチル(30mL)希釈した後、有機層を1M塩酸(15mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)、飽和食塩水(15mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム、次に50%酢酸エチル/クロロホルム)で精製し、得られた化合物を更にシリカゲルクロマトグラフィー(4%メタノール/クロロホルム)で精製して、3’−[[2−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ)−6’−(オクチルアミノカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(5.3mg,収率15%)を淡桃色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),8.81(s,1H),8.25(t,J=5.7Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.66(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.27(d,J=7.5Hz,1H),7.15(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.92(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.69(d,J=8.7Hz,1H),6.60(d,J=8.7Hz,1H),6.27(s,1H),5.94(s,1H),5.68(s,1H),4.81(s,2H),3.39(t,J=5.7Hz,2H),3.29(q,J=5.7Hz,2H),3.24(s,3H),3.03−3.11(m,2H),1.34−1.51(m,2H),1.17−1.34(m,10H),0.86(t,J=6.7Hz,3H).
参考例5
【0138】
【化45】
3’−アミノ−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(100mg,0.23mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解し、2,6−ルチジン(0.11mL,0.93mmol)を加えて0℃に冷却した。トリホスゲン(31mg,0.12mmol)を加えて、0℃で30分間、更に室温で1時間反応させた後、[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミン(105mg,0.46mmol)を加えて、そのまま1時間反応させた。反応液を酢酸エチル(100mL)希釈した後、有機層を1M塩酸(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム、次に50%酢酸エチル/クロロホルム)で精製して、3’−[[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミノカルボニルアミノ]−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(130mg,収率90%)を黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.67(s,1H),8.92(s.1H),8.00(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.64(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=2.1Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.14(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.92(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.65(d,J=8.7Hz,1H),6.60(d,J=8.7Hz,1H),6.28(t,J=5.6Hz,1H),3.37−3.60(m,8H),3.46(t,J=5.6Hz,2H),3.26(q,J=5.6Hz,2H),3.23(s,3H),1.48(s,9H).
参考例6
【0139】
【化46】
3’−[[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミノカルボニルアミノ]−6’−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(149mg,0.24mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加えて室温で2時間反応させた。反応液を0℃に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、溶液のpHを約9とした。反応混合液を酢酸エチル(100mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた固体を減圧下乾燥して、3’−アミノ−6’−[[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミノカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(105mg,収率84%)を赤色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.82(s,1H),7.97(d,J=7.5Hz,1H),7.78(t,J=7.5Hz,1H),7.70(t,J=7.5Hz,1H),7.63(d,J=2.1Hz,1H),7.25(d,J=7.5Hz,1H),6.84(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.54(d,J=8.7Hz,1H),6.43(d,J=2.1Hz,1H),6.36(d,J=8.5Hz,1H),6.31(dd,J=2.1,8.5Hz,1H),6.27(t,J=5.6Hz,1H),5.65(s,2H),3.40−3.60(m,8H),3.46(t,J=5.6Hz,2H),3.25(q,J=5.6Hz,2H),3.23(s,3H).
実施例25
【0140】
【化47】
3’−アミノ−6’−[[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミノカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(35mg,57.7μmol)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解し、2,6−ルチジン(20μL,0.17mmol)を加えて0℃に冷却した。トリホスゲン(7.8mg,28.9μmol)を加えて、0℃で30分間、更に室温で1時間反応させた後、2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシエチル)アクリルアミド(18mg,0.12mmol)を加えて、そのまま12時間反応させた。反応液を酢酸エチル(30mL)希釈した後、有機層を1M塩酸(15mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)、飽和食塩水(15mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム、次に4%メタノール/クロロホルム)で精製し、得られた化合物を更にシリカゲルクロマトグラフィー(3%メタノール/酢酸エチル)で精製して3’−[[2−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]−2−プロペン−1−イル]オキシカルボニルアミノ]−6’−[[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]アミノカルボニルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン(11mg,収率27%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.11(s,1H),8.93(s,1H),8.25(t,J=5.7Hz,1H),8.01(d,J=7.5Hz,1H),7.79(t,J=7.5Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,1H),7.66(d,J=2.1Hz,1H),7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.27(d,J=7.5Hz,1H),7.15(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.92(dd,J=2.1,8.7Hz,1H),6.70(d,J=8.7Hz,1H),6.61(d,J=8.7Hz,1H),6.29(t,J=5.6Hz,1H),5.94(s,1H),5.68(s,1H),4.81(s,2H),3.36−3.55(m,12H),3.31−3.25(m,4H),3.24(s,3H),3.23(s,3H). 参考例7
【0141】
【化48】
N−フェニルアクリルアミド(1.2g,8.15mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(914mg,8.15mmol)、パラホルムアルデヒド(1.2g,40.8mmol)、フェノール(192mg,2.04mmol)を、tert−ブチルアルコール:水(体積比3:7)の混合溶媒(4.0mL)に懸濁させ、55℃で72時間反応させた。反応液に水(50mL)を加えた後、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、2−(ヒドロキシメチル)−N−フェニルアクリルアミド(146mg,収率10%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ8.52(s,1H),7.58(d,J=7.6Hz,2H),7.35(t,J=7.6Hz,2H),7.13(t,J=7.6Hz,1H),6.12(s,1H),5.65(s,1H),4.48(d,J=6.1Hz,2H),2.40(t,J=6.1Hz,1H).
参考例8
【0142】
【化49】
参考例7を参照し、N−(3−ニトロフェニル)アクリルアミド(1.35g,7.03mmol)から2−(ヒドロキシメチル)−N−(3−ニトロフェニル)アクリルアミド(61mg,収率4%)を黄色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ9.01(s,1H),8.45(t,J=2.1Hz,1H),8.00(ddd,J=0.9,2.1,8.1Hz,1H),7.99(ddd,J=0.9,2.1,8.1Hz,1H),7.51(t,J=8.1Hz,1H),6.27(s,1H),5.72(d,J=0.9Hz,1H),4.53(dd,J=0.9,6.0Hz,2H),2.22(t,J=6.0Hz,1H).
参考例9
【0143】
【化50】
参考例7を参照し、N−[(3−メトキシカルボニル)フェニル]アクリルアミド(1.29g,6.29mmol)から2−(ヒドロキシメチル)−N−[(3−メトキシカルボニル)フェニル]アクリルアミド(71mg,収率5%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ8.77(s,1H),7.09(t,J=2.0Hz,1H),7.97(ddd,J=1.0,2.0,8.1Hz,1H),7.80(ddd,J=1.0,2.0,8.1Hz,1H),7.43(t,J=8.1Hz,1H),6.18(s,1H),5.68(d,J=0.8Hz,1H),4.50(dd,J=0.8,6.1Hz,2H),3.92(s,3H),2.43(t,J=6.1Hz,1H).
参考例10
【0144】
【化51】
参考例7を参照し、N−(ビフェニル−3−イル)アクリルアミド(1.18g,5.29mmol)から、N−(ビフェニル−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(265mg,収率20%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ8.64,(s,1H),7.82(t,J=2.0Hz,1H),7.59−7.62(m,2H),7.57(ddd,J=1.7,2.0,7.8Hz,1H),7.32−7.47(m,5H),6.15(s,1H),5.66(d,J=0.9Hz,1H),4.49(dd,J=0.9,6.1Hz,2H),2.42(t,J=6.2Hz,1H).
参考例11
【0145】
【化52】
参考例7を参照し、N−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド(1.48g,8.35mmol)から、2−(ヒドロキシメチル)−N−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド(173mg,収率10%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ8.55,(s,1H),7.37(t,J=2.2Hz,1H),7.23(t,J=8.2Hz,1H),7.03(ddd,J=0.8,2.2,8.2Hz,1H),6.69(ddd,J=0.8,2.2,8.2Hz,1H),6.12(s,1H),5.65(d,J=0.9Hz,1H),4.47(dd,J=0.9,6.1Hz,2H),3.82(s,3H),2.41(t,J=6.1Hz,1H).
参考例12
【0146】
【化53】
参考例7を参照し、N−[(フラン−2−イル)メチル]アクリルアミド(1.92g,12.7mmol)から、N−[(フラン−2−イル)メチル]−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(700mg,収率30%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.36,(dd,J=0.8,1.8Hz,1H),6.84(s,1H),6.33(dd,J=1.8,3.2Hz,1H),6.25(dd,J=0.8,3.2Hz,1H),5,92(s,1H),5.56(d,J=0.8Hz,1H),4.51(d,J=5.5Hz,2H),4.36(dd,J=0.8,6.1Hz,2H),2.55(t,J=6.1Hz,1H).
参考例13
【0147】
【化54】
参考例7を参照し、N−ベンジルアクリルアミド(1.12g,6.95mmol)から、N−ベンジル−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(332mg,収率25%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.28−7.39(m,5H),6.28(s,1H),5.91(s,1H),5.56(s,1H),4.53(d,J=5.8Hz,2H),4.38(d,J=3.2Hz,2H),2.65−2.68(m,1H).
参考例14
【0148】
【化55】
参考例7を参照し、N−[(チオフェン−2−イル)メチル]アクリルアミド(1.16g,6.94mmol)から、2−ヒドロキシメチル−N−[(チオフェン−2−イル)メチル]アクリルアミド(640mg,収率47%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.24(dd,J=1.3,5.1Hz,1H),6.99−7.02(m,1H),6.96(dd,J=3.5,5.1Hz,1H),6.84(s,1H),5.93(s,1H),5.57(d,J=0.7Hz,1H),4.69(dd,J=0.7,5.7Hz,2H),4.38(dd,J=0.9,6.2Hz,2H),2.40(t,J=6.2Hz,1H).
参考例15
【0149】
【化56】
参考例7を参照し、N−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]アクリルアミド(1.41g,10.0mmol)から、2−(ヒドロキシメチル)−N−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メチル]アクリルアミド(530mg,収率29%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ6.74(s、1H),5.85(s、1H),5.55(s、1H),4.36(d、J=5.8Hz,2H),4.02(dq、J=3.4,7.3Hz,1H),3.87(dt,J=6.7,8.4Hz,1H),3.77(dt,J=6.7,8.4Hz,1H),3.64(ddd,J=3.4,6.5,13.7Hz,1H),3.24(ddd,J=5.1,7.3,13.7Hz,1H),2.62−2.73(m,1H),1.86−2.06(m,3H),1.50−1.62(m,1H).
参考例16
【0150】
【化57】
参考例7を参照し、N−フェネチルアクリルアミド(2.0g,11.4mmol)から、2−(ヒドロキシメチル)−N−フェネチルアクリルアミド(1.1g,収率46%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.29−7.30(m,2H),7.18−7.26(m,3H),6.46(s,1H),5.77(s,1H),5.49(d,J=0.7Hz,1H),4.31(d,J=5.9Hz,2H),3.59(q,J=7.0Hz,2H),2.87(t,J=7.0Hz,2H),2.43−2.55(m,1H).
参考例17
【0151】
【化58】
参考例7を参照し、N−[2−(フラン−2−イル)エチル]アクリルアミド(1.17g,7.08mmol)から、N−[2−(フラン−2−イル)エチル]−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(730mg,収率53%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.34(dd,J=0.8,1.9Hz,1H),6.61(s,1H),6.30(dd,J=1.9,3.2Hz,1H),6.08(dd,J=0.8,3.2Hz,1H),5.82(s,1H),5.52(s,1H),4.33(d,J=6.3Hz,2H),3.61(q,J=6.5Hz,2H),2.90(t,J=6.5Hz,2H),2.45−2.58(m,1H). 実施例18
【0152】
【化59】
参考例7を参照し、N−(2−メトキシエチル)アクリルアミド(1.05g,8.09mmol)から、2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシエチル)アクリルアミド(210mg,収率16%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ6.81(s,1H),5.86(s,1H),5.55(s,1H),4.35(d,J=4.1Hz,2H),3.47−3.58(m,4H),3.37(s,3H),2.89(s,1H).
実施例19
【0153】
【化60】
参考例7を参照し、N−[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル]アクリルアミド(617g,3.65mmol)から、2−(ヒドロキシメチル)−N−[2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル]アクリルアミド(236mg,収率32%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.17(s,1H),5.76(s,1H),5.52(s,1H),4.33(d,J=6.2Hz,2H),3.84−3.98(m,2H),3.71−3.79(m,1H),3.57−3.68(m,1H),3.26−3.36(m,1H),2.81−2.90(m,1H),1.98−2.09(m,1H),1.80−1.96(m,3H),1.62−1.72(m,1H),1.47−1.57(m,1H).
参考例20
【0154】
【化61】
参考例7を参照し、N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド(827mg,5.78mmol)から、2−(ヒドロキシメチル)−N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド(150mg,収率15%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ6.95(s,1H),5.77(s,1H),5.52(d,J=0.9Hz,1H),4.34(dd,J=0.9,6.3Hz,2H),3.52(t,J=6.0Hz,2H),3.45(q,J=6.0Hz,2H),3.36(s,3H),2.68(t,J=6.3Hz,1H),1.82(quint,J=6.0Hz,2H).
参考例21
【0155】
【化62】
参考例7を参照し、N−ブチルアクリルアミド(2.0g,15.7mmol)から、N−ブチル−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(208mg,収率8.4%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ6.46(s,1H),5.85(s,1H),5.52(d,J=0.9Hz,1H),4.35(dd,J=0.9,6.2Hz,2H),3.33(dt,J=5.6,7.1Hz,2H),2.61(t,J=6.2Hz,1H),1.54(quint,J=7.1Hz,2H),1.37(sext,J=7.1Hz,2H),0.94(t,J=7.1Hz,3H).
参考例22
【0156】
【化63】
参考例7を参照し、N−(2−フェノキシエチル)アクリルアミド(2.0g,15.7mmol)から、2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−フェノキシエチル)アクリルアミド(208mg,収率8.4%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.27−7.33(m、2H),6.95−7.00(m、1H),6.87−6.94(m、3H),5.89(s、1H),5.56(s、1H),4.36(d、J=5.7Hz,2H),4.10(t、J=5.1Hz,2H),3.75(q、J=5.1Hz,2H),2.36−2.50(m、1H).
参考例23
【0157】
【化64】
参考例7を参照し、(R)−N−(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アクリルアミド(1.13g,5.51mmol)から、(R)−2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アクリルアミド(793mg,収率61%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.25−7.37(m、5H),7.05−7.17(m,1H),5.91(s,1H),5.58(s,1H),5.21(td,J=5.0,7.6Hz,1H),4.37(d,J=6.2Hz,2H),3.69(d,J=5.0Hz,2H),3.37(s,3H),2.54(t,J=6.2Hz,1H).
参考例24
【0158】
【化65】
参考例7を参照し、(S)−N−(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アクリルアミド(910g,4.44mmol)から、(S)−2−(ヒドロキシメチル)−N−(2−メトキシ−1−フェニルエチル)アクリルアミド(804mg,収率77%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.25−7.37(m、5H),7.05−7.17(m,1H),5.91(s,1H),5.58(s,1H),5.21(td,J=5.0,7.6Hz,1H),4.37(d,J=6.2Hz,2H),3.69(d,J=5.0Hz,2H),3.37(s,3H),2.54(t,J=6.2Hz,1H).
参考例25
【0159】
【化66】
参考例7を参照し、N−プロパルギルアクリルアミド(1.16g,10.6mmol)から、2−(ヒドロキシメチル)−N−プロパルギルアクリルアミド(488mg,収率33%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ6.74(s,1H),5.97(s,1H),5.59(s,1H),4.38(d,J=6.1Hz,2H),4.13(dd,J=2.5,5.3Hz,2H),2.30−2.40(m,1H),2.25(t,J=2.5Hz,1H).
参考例26
【0160】
【化67】
参考例7を参照し、N−アリルアクリルアミド(1.22g,11.0mmol)から、N−アリル−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(666mg,収率47%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ6.57(s,1H),5.91(s,1H),5.88(ddt,J=10.2,17.1,5.6Hz,1H),5.55(s,1H),5.22(dq,J=17.1,1.6Hz,1H),5.17(dq,J=10.2,1.6Hz,1H),4.37(d,J=6.0Hz,2H),3.97(tt,J=1.6,5.6Hz,2H),2.47−2.57(m,1H).
参考例27
【0161】
【化68】
参考例7を参照し、N−[2−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)エチル]アクリルアミド(2.23g,6.62mmol)から、N−[2−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)エチル]−2−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(288mg,収率11%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.62−7.67(m,4H),7.36−7.47(m,6H),6.84(s,1H),5.80(s,1H),5.53(s,1H),4.34(d,J=6.2Hz,2H),3.79(t,J=5.2Hz,2H),
3.49(q,J=5.2Hz,2H),2.41(t,J=6.2Hz,1H),1.07(s,9H).
以上、実施例および参考例に例示した方法により製造することのできる本発明のキサンテン誘導体(1)を表1に例示した。ただし、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
【0162】
【表1】
実施例26
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物24)にGSHを添加して、発光強度を測定した。また同様に、GSHを添加しない場合の発光強度も測定し、その発光強度と比較することでGSHの検出を評価した。
【0163】
(a)方法
反応溶液:リン酸緩衝溶液(pH7.4)(137mM NaCl、2.68mM KCl、8.1mM NaHPO、1.47mM KHPO
化合物24の濃度:15μM(1%DMSO)
GSHの濃度:1.5mM
反応温度:37℃
GSHを添加しない場合は、GSH溶液の代わりに、同量のリン酸緩衝溶液を反応溶液に加えた。
【0164】
60分後に上記の反応溶液を抜き取り、リン酸緩衝溶液で10倍希釈した後、蛍光分光光度計で蛍光スペクトルを測定した。490nmの励起による蛍光を、500から700nmの範囲で測定した。
【0165】
(b)結果
化合物24のGSH存在下および非存在下での、反応開始60分後の蛍光スペクトルを図3に示す。なお、図3において、実線はGSH存在下での、破線はGSH非存在下での蛍光スペクトルを表している。GSH存在下では、520nm付近に強い蛍光を示したのに対して、GSH非存在下では、ほとんど蛍光は認められなかった。GSH存在下では、非存在下に対して最大蛍光波長522nmでの蛍光強度は約24倍に増加した。このことから、本発明のキサンテン誘導体(1)はチオールを検出できることがわかる。
【0166】
実施例27
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物24)にアミノ酸などの生物学的物質を添加して、発光強度を測定した。そして、発光強度を比較することでチオール選択性を評価した。
【0167】
(a)方法
反応溶液:リン酸緩衝溶液(pH7.4)(137mM NaCl、2.68mM KCl、8.1mM NaHPO、1.47mM KHPO
化合物24の濃度:15μM(1%DMSO)
生物学的物質:グルタチオン(GSH)、システイン(Cys)、リジン(Lys)、グルタミン酸(Glu)、メチオニン(Met)、過酸化水素(H2O2)、ウシ血清アルブミン(BSA)
生物学的物質の当量:化合物24に対して100当量
反応温度:37℃(過酸化水素を用いた場合は25℃)
生物学的物質を添加しない場合は、生物学的物質溶液の代わりに、同量のリン酸緩衝溶液を反応溶液に加えた。
【0168】
各時間に上記の反応溶液を抜き取り、リン酸緩衝溶液で10倍希釈した後、蛍光分光光度計で蛍光スペクトルを測定した。490nmの励起光による522nmの蛍光強度を比較した。
【0169】
(b)結果
化合物24の生物学的物質存在下および非存在下での蛍光強度の経時変化を図4に示す。生物学的チオールであるグルタチオンおよびシステイン存在下では、時間経過共に蛍光強度が増加した。一方で、その他の生物学的物質であるリジン、グルタミン酸、メチオニン、過酸化水素、ウシ血清アルブミン存在下では、ほとんど蛍光強度は増加しなかった。同様に、生物学的物質非存在下でも、ほとんど蛍光強度は増加しなかった。このことから、本発明のキサンテン誘導体(1)はチオールを選択的に検出できることがわかる。
【0170】
実施例28
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)に、癌細胞内タンパク質抽出液を添加して、発光強度を測定した。また、化合物23に、癌細胞内タンパク質抽出液および2,4−dinitrochlorobenzene(CDNB)(The Journal of Biological Chemistry,249,7130−7139(1974))を添加した場合の発光強度も測定し、それぞれの場合の発光強度を比較することで化合物23のチオール特異性を評価した。なおCDNBはGSTの基質であり、他のGSTの基質に対して競合阻害的に作用する。
【0171】
(a)方法
ヒト乳癌由来のSK−BR−3細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むMcCoy‘s 5a培地中で、5%CO雰囲気下、37℃にて、接着培養用シャーレ90φ(深型)(住友ベークライト社製)内で24時間以上培養した。細胞がサブコンフルエントに達した後にPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、トリプシン−EDTAを用いて個々の細胞がばらばらになるよう細胞を剥がした。剥がした細胞を遠心し(200×g、25℃、5分)、上澄みを捨てた後、PBSで洗浄した。洗浄した細胞を遠心し(200×g、25℃、5分)、上澄みを捨てた後、Mammalian Protein Extraction Buffer(GEヘルスケア社製)を用いて、細胞内タンパク質の抽出を行ない、SK−BR−3細胞の癌細胞内タンパク質抽出液を得た。得られた癌細胞内タンパク質抽出液は、使用するまでは超低温フリーザー(−80℃)内で凍結保存した。
【0172】
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)に癌細胞内タンパク質抽出液を添加して、蛍光強度を測定した。また同様に、癌細胞内タンパク質抽出液および2,4−dinitrochlorobenzene(CDNB)(The Journal of Biological Chemistry,249,7130−7139(1974))を添加した場合、並びに癌細胞内タンパク質抽出液を添加しない場合の蛍光強度も測定し、それらの蛍光強度と比較することで癌細胞内タンパク質抽出液に含まれるGSTの検出能を評価した。
【0173】
反応溶液
緩衝溶液:PBS(リン酸緩衝生理食塩水)
化合物23:15μM(1%DMSO)
GSHの濃度:1mM
癌細胞内タンパク質抽出液:反応溶液量の10分の1量
CDNBの濃度:4mM(4%エタノール)
反応温度:37℃
CDNBを添加しない場合は、CDNBエタノール溶液の代わりに、同量のエタノールを加えた。0分、30分、60分、および120分経過時に上記の反応溶液を抜き取り、測定まで超低温フリーザー(−80℃)内で凍結保持した。解凍した反応溶液を、牛血清アルブミン(200μg/mL)を含むPBSで10倍希釈した後、プレートリーダーで蛍光強度を測定した(励起光:485nm、検出光:535nm)。
【0174】
(b)結果
結果を図5に示す。CDNBを添加しなかった場合は、反応時間経過に伴い、化合物23を含む溶液の蛍光強度(図5、実線黒四角)が増大した。一方、CDNBを添加した場合(図5、点線黒丸)は、反応時間経過に伴い溶液の蛍光強度が変化しなった。なお、癌細胞内タンパク質抽出液を添加しなかった場合は、反応時間経過に伴い溶液の蛍光強度は変化しなかった(図5、破線黒ひし形)。
【0175】
実施例28の結果から、本発明の化合物23が細胞内タンパク質抽出液に含まれるGSTを検出できることが分かる。
【0176】
実施例29(癌細胞ライセート評価)
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物24)に癌細胞内タンパク質抽出液を添加して、発光強度を測定した。また、癌細胞内タンパク質抽出液を添加しない場合、および白血球細胞内タンパク抽出液を添加した場合(比較例1)の発光強度も測定し、それらの発光強度と比較することでGSTおよび癌細胞検出能を評価した。
【0177】
(a)方法
ヒト乳癌由来のSK−BR−3細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むMcCoy‘s 5a培地中で、またヒト乳腺癌由来のMDA−MB−231細胞を、10%FBSを含むLeibovit’z L−15培地中で、またヒト肺腺がん由来のPC−14細胞を、10%FBSを含むRPMI−1640培地中で、それぞれ5%CO雰囲気下、37℃にて、接着培養用シャーレ90φ(深型)(住友ベークライト社製)内で24時間以上培養した。細胞がサブコンフルエントに達した後にPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、トリプシン−EDTAを用いて個々の細胞がばらばらになるよう細胞を剥がした。剥がした細胞を遠心し(200×g、25℃、5分)、上澄みを捨てた後、PBSで洗浄した。洗浄した細胞を遠心し(200×g、25℃、5分)、上澄みを捨てた後、Mammalian Protein Extraction Buffer(GEヘルスケア社製)を用いて、細胞内タンパク質の抽出を行ない、SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞、PC−14細胞のそれぞれの癌細胞について、癌細胞内タンパク質抽出液を得た。得られた癌細胞内タンパク質抽出液の一部を、PIERCE BCA Protein Assay Reagent Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて着色し、プレートリーダーを用いて吸光度を測定することで、癌細胞内タンパク質抽出液の中のタンパク質濃度を決定した。得られた癌細胞内タンパク質抽出液は、使用するまでは超低温フリーザー(−80℃)内で凍結保存した。
【0178】
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物24)に癌細胞内タンパク質抽出液を添加して、蛍光強度を測定した。また同様に、癌細胞内タンパク質抽出液を添加しない場合の蛍光強度も測定し、その蛍光強度と比較することで癌細胞内タンパク質抽出液に含まれるGSTの検出を評価した。
【0179】
反応溶液組成
緩衝溶液:PBS(リン酸緩衝生理食塩水)
化合物24:15μM(1%DMSO)
GSHの濃度:1mM
癌細胞内タンパク質抽出液のタンパク質濃度:100μg/mL
反応温度:37℃
なお癌細胞内タンパク質抽出液を添加しない場合は、癌細胞内タンパク質抽出液の代わりに、同量のMammalian Protein Extraction Bufferを反応溶液に加えた。0分、30分、60分、および120分経過時に上記の反応溶液を抜き取り、測定まで超低温フリーザー(−80℃)内で凍結保持した。解凍した反応溶液を、牛血清アルブミン(200μg/mL)を含むPBSで10倍希釈した後、プレートリーダーで蛍光強度を測定した(励起光:485nm、検出光:535nm)。
【0180】
またGSTの活性による化合物24の分解産物と同等の化合物である化合物41を用いて、以下の条件で化合物41の濃度と蛍光強度との相関を表す検量線を作成した。
【0181】
反応溶液組成
緩衝溶液:PBS(リン酸緩衝生理食塩水)
化合物41:0μM、3.75μM、7.5μM、15μM
GSHの濃度:1mM
上記と同量のMammalian Protein Extraction Buffer
励起光:485nm、検出光:535nm
(b)結果
結果を図6および7に示す。癌細胞内タンパク質抽出液を添加した場合の蛍光強度から癌細胞内タンパク質抽出液を添加しない場合の蛍光強度を差し引いた値の時間変化を図6に示す。SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞、PC−14細胞のいずれについても、癌細胞内タンパク質抽出液を添加した場合は、反応時間経過に伴い、化合物24を含む溶液の蛍光強度が増大した。一方、化合物41の濃度と蛍光強度との相関を表す検量線を図7に示す。これらの結果から算出した、SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞、PC−14細胞それぞれ由来の癌細胞タンパク質抽出液に含まれるタンパク質濃度あたりの化合物24の分解速度を表2に示す。
【0182】
比較例1(白血球ライセートの比較例)
(a)方法
EDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に採血したヒト健常者血液3mLを等量の生理食塩水で希釈して計6mLの希釈血液とした。前記希釈血液6mLを2mLのFicoll−Paque PREMIUM(GEヘルスケアジャパン社製)に重層し、遠心(1100×g、10分、25℃)し、白血球細胞層を回収した。回収した白血球細胞を生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)し、上澄みを捨てた後、再度生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)して上澄みを捨てることで、血小板の除去と、白血球細胞の洗浄とを同時に行ない、白血球細胞を得た。
【0183】
白血球細胞を遠心し、上澄みを捨てた後、Mammalian Protein Extraction Buffer(GEヘルスケア社製)を用いて、細胞内タンパク質の抽出を行ない、白血球細胞内タンパク質抽出液を得た。得られた白血球細胞内タンパク質抽出液の一部を、PIERCE BCA Protein Assay Reagent Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて着色し、プレートリーダーを用いて吸光度を測定することで、白血球細胞内タンパク質抽出液の中のタンパク質濃度を決定した。得られた白血球細胞内タンパク質抽出液は、使用するまでは超低温フリーザー(−80℃)内で凍結保存した。
【0184】
実施例29と同様に以下の条件で、本発明の化合物24に白血球細胞内タンパク質抽出液を添加して、蛍光強度を測定した。また白血球細胞内タンパク質抽出液を添加しない場合の蛍光強度も、実施例29と同様に測定した。
【0185】
反応溶液組成
緩衝溶液:PBS(リン酸緩衝生理食塩水)
化合物24:15μM(1%DMSO)
GSHの濃度:1mM
癌細胞内タンパク質抽出液のタンパク質濃度:100μg/mL
反応温度:37℃
励起光:485nm、検出光:535nm
(b)結果
白血球細胞内タンパク質抽出液を添加した場合の蛍光強度から白血球細胞内タンパク質抽出液を添加しない場合の蛍光強度を差し引いた値の時間変化を図6に示す。白血球細胞内タンパク質抽出液を添加した場合は、癌細胞内タンパク質抽出液を添加した場合と比較して、反応時間経過に伴う蛍光強度の増大は小さかった。一方、化合物41の濃度と蛍光強度との相関を表す検量線を図7に示す。これらの結果から算出した、白血球細胞タンパク質抽出液に含まれるタンパク質濃度あたりの化合物24の分解速度(μmol/min/mg)を表2に示す。
【0186】
【表2】
実施例29、および比較例1の結果から、本発明の化合物24が細胞内タンパク質抽出液に含まれるチオールを検出し、蛍光強度を比較することで癌細胞と正常細胞である白血球とを識別することができることがわかる。
【0187】
実施例30(セルベース蛍光画像評価)
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物1から16、21から23、および25から30のいずれか)を癌細胞に接触させ、蛍光顕微鏡観察により癌細胞の蛍光染色能を評価した。また、同様に白血球細胞に接触させて、蛍光顕微鏡観察により白血球細胞の蛍光染色能を評価した(比較例2)。
【0188】
(a)方法
ヒト乳癌由来のSK−BR−3細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むMcCoy‘s 5a培地中で、またヒト乳腺癌由来のMDA−MB−231細胞を、10%FBSを含むLeibovit’z L−15培地中で、またヒト肺腺がん由来のPC−14細胞を、10%FBSを含むRPMI−1640培地中で、それぞれ5%CO雰囲気下、37℃にて、マルチウェルプレート12F(接着系細胞用、住友ベークライト社製)内で24時間以上培養した。
【0189】
SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞、およびPC−14細胞がいずれも底面の半分程度を覆うような細胞密度になってから、上澄みの培地を捨てた後、フェノールレッドを含まないDMEM/F−12培地で洗浄し、1.5μMの化合物1から16、21から23、および25から30のいずれかを含む前記フェノールレッドを含まないDMEM/F−12培地を400μL加えた。
【0190】
細胞の蛍光画像を、励起波長470から495nm、蛍光波長510から550nmの条件で、倒立型リサーチ顕微鏡(IX71、オリンパス社製)を通じてCCDカメラで10分、30分、および60分経過時に撮像した。
【0191】
(b)結果
化合物1から16、21から23、および25から30のいずれを用いた場合も、SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞、PC−14細胞のいずれも、細胞質が蛍光染色された。また、時間経過に伴い、細胞が発する蛍光強度が増大した。なお化合物23を用いた場合の結果を図8に示す。
【0192】
比較例2
(a)方法
EDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に採血したヒト健常者血液3mLを等量の生理食塩水で希釈して計6mLの希釈血液とした。前記希釈血液6mLを2mLのFicoll−Paque PREMIUM(GEヘルスケアジャパン社製)に重層し、遠心(1100×g、10分、25℃)し、白血球細胞層を回収した。回収した白血球細胞を生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)し、上澄みを捨てた後、再度生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)して上澄みを捨てることで、血小板の除去と、白血球細胞の洗浄とを同時に行ない、白血球細胞を得た。
【0193】
前記白血球細胞を、1.5μMの化合物1から16、21から23、および25から30のいずれかを含む前記フェノールレッドを含まないDMEM/F−12培地で懸濁し(細胞濃度2.0×10個/mL)、マルチウェルプレート12F(接着系細胞用、住友ベークライト社製)に400μL播種した。
【0194】
前記白血球細胞の蛍光画像を、励起波長470から495nm、蛍光波長510から550nmの条件で、倒立型リサーチ顕微鏡(IX71、オリンパス社製)を通じてEM−CCDカメラで10分、30分、および60分経過時に撮像した。
【0195】
(b)結果
化合物1から16、21から23、および25から30のいずれを用いた場合も、時間経過に伴う、白血球細胞の蛍光強度増大は僅かであった。なお化合物23を用いた場合の結果を図8に示す。
【0196】
実施例30、および比較例2の結果から、本発明のキサンテン誘導体(化合物1から16、21から23、および25から30)は、癌細胞を蛍光染色し、一方で正常細胞である白血球細胞はほとんど蛍光染色せず、従って蛍光強度を比較することで、癌細胞と正常細胞とを識別することができることがわかる。
【0197】
実施例31(セルベース阻害剤競合評価)
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)、およびN−Ethylmaleimide(NEM)を癌細胞に接触させ、蛍光顕微鏡観察により癌細胞の蛍光染色能を評価した。なお、NEMはチオールと反応するチオールスカベンジャーの一種であって、システイン残基を持つタンパク質等の不活性化に用いられ、GSHと結合する。
【0198】
(a)方法
ヒト乳癌由来のSK−BR−3細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むMcCoy‘s 5a培地中で、またヒト乳腺癌由来のMDA−MB−231細胞を、10%FBSを含むLeibovit’z L−15培地中で、それぞれ5%CO雰囲気下、37℃にて、マルチウェルプレート12F(接着系細胞用、住友ベークライト社製)内で24時間以上培養した。
【0199】
SK−BR−3細胞、およびMDA−MB−231細胞がどちらも底面の半分程度を覆うような細胞密度になってから、上澄みの培地を捨てた後、フェノールレッドを含まないDMEM/F−12培地で洗浄し、1.5μMの化合物23、0.2mMのNEMを含み前記フェノールレッドを含まないDMEM/F−12培地を400μL加えた。
【0200】
細胞の蛍光画像を、励起波長470から495nm、蛍光波長510から550nmの条件で、倒立型リサーチ顕微鏡(IX71、オリンパス社製)を通じてCCDカメラで10分、30分、および60分経過時に撮像した。
【0201】
(b)結果
結果を図9に示す。SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞のいずれも、NEM非存在下と比較して、0.2mMのNEM存在下では、細胞質が蛍光染色される程度が低く、特に60分経過時は蛍光強度の有意な差が見られた。以上の結果から、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)は、細胞内のチオールと反応していることが分かる。
【0202】
実施例32(フローサイトメトリー評価)
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)を癌細胞に接触させ、フローサイトメトリーにより癌細胞の蛍光染色能を評価した。また、同様に白血球細胞に接触させて、フローサイトメトリーにより白血球細胞の蛍光染色能を評価した(比較例3)。
【0203】
(a)方法
ヒト乳癌由来のSK−BR−3細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むMcCoy‘s 5a培地中で、またヒト乳腺癌由来のMDA−MB−231細胞を、10%FBSを含むLeibovit’z L−15培地中で、またヒト肺腺癌由来のPC−14細胞を、10%FBSを含むRPMI−1640培地中で、それぞれ5%CO雰囲気下、37℃で培養した。細胞がサブコンフルエントに達した後にPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、トリプシン−EDTAを用いて個々の細胞がばらばらになるよう細胞を剥がした。処理した細胞を各々遠心し(200×g、25℃、5分)、上澄みを捨てた後、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で懸濁し、癌細胞懸濁液をそれぞれの細胞株について得た。
【0204】
前記癌細胞懸濁液を細胞濃度5.0×10個/mLとなるよう希釈し、そこに化合物23の1.5mM DMSO溶液を終濃度1.5μMとなるよう添加し、37℃で30分間静置し反応させた後、それぞれ氷上に置くことで反応を停止した。
【0205】
前記の化合物23と反応させた癌細胞懸濁液を、フローサイトメトリー装置(guava easyCyteTMシングルシステム、メルクミリポア社)に供し、蛍光強度分布を測定した。また対照として、化合物23を添加していない癌細胞懸濁液についても同様にフローサイトメトリー装置を用いて蛍光強度分布を測定した。なお各癌細胞株の細胞懸濁液の蛍光強度分布測定時の蛍光に対する感度は同一に設定した。
【0206】
(b)結果
フローサイトメトリーの結果のヒストグラムを図10に示す。また各癌細胞の蛍光強度の平均値を表3に示す。SK−BR−3、MDA−MB−231、PC−14の各癌細胞は化合物23により蛍光標識され、化合物23を添加しない場合と比較して蛍光強度が増大した。
【0207】
比較例3 (白血球のフローサイトメトリーの比較例)
(a)方法
EDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に採血したヒト健常者血液3mLを等量の生理食塩水で希釈して計6mLの希釈血液とした。前記希釈血液6mLを2mLのFicoll−Paque PREMIUM(GEヘルスケアジャパン社製)に重層し、遠心(1100×g、10分、25℃)し、白血球細胞層を回収した。回収した白血球細胞を生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)し、上澄みを捨てた後、再度生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)して上澄みを捨てることで、血小板の除去と、白血球細胞の洗浄とを同時に行ない、白血球細胞を得た。得られた白血球細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で懸濁し、白血球細胞懸濁液を得た。
【0208】
前記白血球細胞懸濁液を細胞濃度5.0×10個/mLとなるよう希釈し、そこに化合物23の1.5mM DMSO溶液を終濃度1.5μMとなるよう添加し、37℃で30分間静置し反応させた後、氷上に置くことで反応を停止した。
【0209】
前記の化合物23と反応させた白血球細胞懸濁液を、フローサイトメトリー装置(Guava easyCyteTMシングルシステム、メルクミリポア社)に供し、蛍光強度分布を測定した。なお白血球懸濁液の蛍光強度分布測定時の蛍光に対する感度は実施例30の各癌細胞懸濁液と同一に設定した。また対照として、化合物23を添加していない白血球細胞懸濁液についても同様にフローサイトメトリー装置を用いて蛍光強度分布を測定した。
【0210】
(b)結果
フローサイトメトリーの結果のヒストグラムを図10に示す。また白血球細胞の蛍光強度の平均値を表3に示す。白血球細胞は化合物23により蛍光標識され、化合物23を添加しない場合と比較して蛍光強度が増大したものの、その平均輝度は各癌細胞株と比較して有意に低かった。
【0211】
【表3】
実施例32、および比較例3の結果から、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)は、癌細胞の蛍光染色能が高く、一方で正常細胞である白血球細胞の蛍光染色能は低く、従って蛍光強度を比較することで、癌細胞と正常細胞とを識別することができることがわかる。
【0212】
実施例33 (白血球と癌細胞混在下での検出評価)
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)を癌細胞および白血球細胞の混合体に接触させ、癌細胞の蛍光検出能を評価した。
【0213】
(a)方法
EDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に採血したヒト健常者血液3mLを等量の生理食塩水で希釈して計6mLの希釈血液とした。前記希釈血液6mLを2mLのFicoll−Paque PREMIUM(GEヘルスケアジャパン社製)に重層し、遠心(1100×g、10分、25℃)し、白血球細胞層を回収した。回収した白血球細胞を生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)し、上澄みを捨てた後、再度生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)して上澄みを捨てることで、血小板の除去と、白血球細胞の洗浄とを同時に行なった。次に、得られた白血球細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に懸濁し、10μg/mLのHoechst33342(同仁化学研究所社製)を加えて細胞核染色し、同時に抗CD−45抗体(APC標識)(ミルテニーバイオテク社製)を加えて細胞表面染色を行なった。次に遠心(300×g、5分、25℃)し上澄みを捨て、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で白血球細胞を洗浄して抗原に結合しなかった抗CD45抗体(APC標識)を除去した。次に遠心(300×g、5分、25℃)し上澄みを捨て、フェノールレッドを含まないDMEM/F−12培地で懸濁し、白血球細胞懸濁液を得た。
【0214】
ヒト乳癌由来のSK−BR−3細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むMcCoy‘s 5a培地中で、またヒト乳腺癌由来のMDA−MB−231細胞を、10%FBSを含むLeibovit’z L−15培地中で、またヒト肺腺癌由来のPC−14細胞を、10%FBSを含むRPMI−1640培地中で、それぞれ5%CO雰囲気下、37℃で培養した。細胞がサブコンフルエントに達した後にPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、トリプシン−EDTAを用いて個々の細胞がばらばらになるよう細胞を剥がした。処理した細胞を各々遠心し(200×g、25℃、5分)、上澄みを捨てた後、フェノールレッドを含まないDMEM/F−12培地で懸濁し、癌細胞懸濁液をそれぞれの細胞株について得た。次に、10μg/mLのHoechst33342(同仁化学研究所社製)を加えて各癌細胞の細胞核を染色した。
【0215】
続いて、癌細胞の細胞密度が1.0×10個/mL、白血球細胞の細胞密度が1.0×10個/mLにそれぞれなるよう、前記癌細胞懸濁液と前記白血球細胞懸濁液とを混合し、癌細胞および白血球細胞の混合体をそれぞれの細胞株について作製した。
【0216】
前記癌細胞および白血球細胞の混合体に、1.5μMの化合物23を加え、マルチウェルプレート24F(接着系細胞用、住友ベークライト社製)に400μL播種した。
【0217】
前記癌細胞および白血球細胞の混合体の蛍光画像を、倒立型リサーチ顕微鏡(IX71、オリンパス社製)を通じてCCDカメラで10分経過時に撮像した。なお、抗CD45抗体(APC標識)由来の蛍光像は励起波長600から650nm、蛍光波長670から720nmの条件で撮像し、またHoechst33342由来の蛍光像は励起波長360から370nm、蛍光波長420から460nmの条件で撮像し、また化合物23由来の蛍光像は励起波長470から495nm、蛍光波長510から550nmの条件で撮像した。
【0218】
(b)結果
以上の条件で撮像すると、全ての有核細胞はHoechst33342によりその細胞核が蛍光染色され、また白血球細胞は抗CD45(APC標識)により蛍光染色されることが分かる。従って、Hoechst33342により蛍光染色され、抗CD45抗体(APC標識)により蛍光染色される細胞が白血球細胞であり、またHoechst33342により蛍光染色され、かつ抗CD45抗体(APC標識)により蛍光染色されない細胞は癌細胞であることが分かる。撮像結果を図11に示す。その結果、各癌細胞が化合物23由来の蛍光を発した。一方、白血球細胞の中にも化合物23由来の蛍光を発するものがあったが、癌細胞と比較してその蛍光強度は小さかった。従って、癌細胞と白血球細胞との蛍光強度の違いから、白血球細胞の集団の中から癌細胞を検出することが可能であることが分かった。
【0219】
実施例34(細胞診断チップ評価)
以下の条件で、本発明のキサンテン誘導体(化合物23)を細胞診断チップ上に固定化した癌細胞および白血球細胞の混合体に接触させ、癌細胞の蛍光検出能を評価した。
【0220】
(a)方法
EDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に採血したヒト健常者血液3mLを等量の生理食塩水で希釈して計6mLの希釈血液とした。前記希釈血液6mLを2mLのFicoll−Paque PREMIUM(GEヘルスケアジャパン社製)に重層し、遠心(1100×g、10分、25℃)し、白血球細胞層を回収した。回収した白血球細胞を生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)し、上澄みを捨てた後、再度生理食塩水に懸濁して計30mLとし、遠心(300×g、5分、25℃)して上澄みを捨てることで、血小板の除去と、白血球細胞の洗浄とを同時に行なった。次に、得られた白血球細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に懸濁し、10μg/mLのHoechst33342(同仁化学研究所社製)を加えて細胞核染色し、同時に抗CD−45抗体(APC標識)(ミルテニーバイオテク社製)を加えて細胞表面染色を行なった。続いて、染色を行なった白血球細胞を0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む300mMのマンニトール水溶液に懸濁し白血球細胞懸濁液を得た。
【0221】
続いて、ヒト乳癌由来のSK−BR−3細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むMcCoy‘s 5a培地中で、またヒト乳腺癌由来のMDA−MB−231細胞を、10%FBSを含むLeibovit’z L−15培地中で、またヒト肺腺癌由来のPC−14細胞を、10%FBSを含むRPMI−1640培地中で、それぞれ5%CO雰囲気下、37℃で培養した。細胞がサブコンフルエントに達した後にPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、トリプシン−EDTAを用いて個々の細胞がばらばらになるよう細胞を剥がした。処理した細胞に10μg/mLのHoechst33342を加え、細胞核染色した。細胞核染色した細胞を遠心し(200×g、25℃、5分)、上澄みを捨てた後、1×10個/mLの細胞密度になるように0.1%BSAを含む300mMのマンニトール水溶液に懸濁し、SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞、PC−14細胞の各癌細胞懸濁液を調製した。
【0222】
続いて、癌細胞の細胞密度が2.4×10個/mL、白血球細胞の細胞密度が4.0×10個/mLにそれぞれなるよう、前記癌細胞懸濁液と前記白血球細胞懸濁液とを混合し、SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞、PC−14細胞の各癌細胞について、癌細胞および白血球細胞の混合体を作製した。
【0223】
続いて、前記癌細胞および白血球細胞の混合体に化合物23を終濃度1.5μMになるよう添加し、すぐさま細胞診断チップに導入し、交流電圧として電圧20Vpp、周波数3MHzの矩形波交流電圧を電極間に印加したところ、細胞に誘電泳動力が作用し、1分程度の時間でアレイ状に配置した複数の微細孔に白血球細胞、および癌細胞を固定することができた。なお、細胞診断チップに導入した白血球細胞と癌細胞のそれぞれの細胞密度の合計が、微細孔の密度(4.0×10個/mL)とほぼ等しいため、1個の微細孔に概ね1個の白血球細胞もしくは癌細胞が固定された。
【0224】
細胞が固定された細胞診断チップの蛍光画像を、倒立型リサーチ顕微鏡(IX71、オリンパス社製)を通じてEM−CCDカメラで30分、60分、180分経過時に撮像した(図12)。なお、抗CD45抗体(APC標識)由来の蛍光像は励起波長600から650nm、蛍光波長670から720nmの条件で撮像し、また化合物23由来の蛍光像は励起波長470から495nm、蛍光波長510から550nmの条件で撮像した。以上の条件で撮像すると、全ての有核細胞はHoechst33342によりその細胞核が蛍光染色され、また白血球細胞は抗CD45(APC標識)により蛍光染色されることが分かる。従って、抗CD45抗体(APC標識)により蛍光染色される細胞が白血球細胞であり、また抗CD45抗体(APC標識)により蛍光染色されない細胞は癌細胞であることが分かる。
【0225】
(b)結果
結果を図12に示す。時間経過に伴い、SK−BR−3細胞、MDA−MB−231細胞、PC−14細胞のいずれの癌細胞の場合も、癌細胞が発する化合物23由来の蛍光強度が増大した。一方、白血球細胞が発する化合物23由来の蛍光強度は僅かであり、癌細胞と白血球細胞との蛍光強度の違いから、細胞診断チップに固定した白血球細胞の集団の中から癌細胞を特異的に検出することが可能であることが分かった。
【符号の説明】
【0226】
1:下部電極基板
2:上部電極基板
3:微細孔
4:絶縁体
5:遮光部材
6:スペーサー
7:導入口
8:排出口
9:保持部
10:信号発生器
11:導線
12:生体試料固定装置(細胞診断チップ)
13:電気力線
14:誘電泳動力
15:生体試料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12