【課題】本発明が解決しようとする課題は、非常に優れた断面遮光性と絶縁性とを両立した遮光性粘着テープを提供することである。本発明の粘着テープは、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れることから、例えば液晶表示装置等の製造場面において好適に使用することができる。
前記基材(a)を85℃の環境下に120時間放置した際の収縮率が、流れ方向に0.5%以下、及び、幅方向に0.5%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮光粘着テープ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の遮光粘着テープは、遮光性顔料を含有する樹脂基材(a)の少なくとも一方の面側に、10000cd/m
2の光を照射した時の光透過量が2000cd/m
2以下である粘着剤層(b)を有することを特徴とする。
【0013】
具体的には、本発明の遮光粘着テープとしては、前記基材(a)の片面または両面に、直接または他の層を介して、粘着剤層(b)が積層されたものを使用することができる。前記遮光粘着テープとしては、例えば前記液晶表示パネルと、バックライトを備えたきょう体との固定に使用する場合であれば、前記基材(a)の両面に直接または他の層を介して粘着剤層(b)を有する両面粘着テープを使用することが好ましい。
【0014】
前記遮光粘着テープとしては、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れ、かつ、液晶表示装置や携帯電子端末等の電子機器の薄型化及び小型化に貢献するうえで、厚さ100μm以下であることが好ましく、20μm〜100μmであることがより好ましく、30μm〜80μmであることがさらに好ましく、30μm〜60μmであることが特に好ましい。
【0015】
[基材(a)]
本発明の遮光粘着テープを構成する基材(a)としては、遮光性顔料を含有する樹脂基材を使用する。前記基材(a)としては、具体的には、樹脂基材中に遮光性顔料が分散した基材である。前記遮光性顔料は、前記樹脂基材中において過度に偏って分散(不均一に分散)していないことが好ましく、概ね均一に分散することが、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0016】
前記基材(a)としては、遮光性顔料と樹脂との混練物であることが、遮光性顔料と樹脂とが概ね均一に分散した基材を得ることができ、その結果、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得るうえで好ましい。
【0017】
前記基材(a)は、前記光吸収性樹脂を含有する樹脂層の単層または複層によって構成されることが好ましく、単層であることがより好ましい。
【0018】
前記基材(a)に、10000cd/m
2の光を照射したときの光透過量は、1cd/m
2以下であることが好ましく、0.5cd/m
2以下であることがより好ましく、0.1cd/m
2以下であることが、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得るうえでより好ましい。また、上記厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れた基材(a)を使用すれば、面方向(XY方向)から進入した光が面方向に透過することも困難となるため、面方向(XY方向)の遮光性にも優れた遮光粘着テープを得ることも可能となる。
【0019】
なお、上記光透過量は、10000cd/m
2の光を発することのできるライトボックスを備えたフラットイルミネーターHF−SL−A48LCG(電通産業(株)製)を用い、輝度計としてアイスケール3もしくはアイスケール4(株式会社アイ・システム製)またはBM−5A、BM−7もしくはBM−9(株式会社トプコンテクノハウス製)を用い、暗室にて測定した値を指す。
【0020】
また、前記基材(a)としては、表面抵抗率が10
13Ω/□以上のものを使用することが好ましく、10
14Ω/□以上のものを使用することが、例えば携帯電子端末や液晶ディスプレイ等の電子機器のショート等の発生をより一層効果的に防止可能なレベルの絶縁性を備えた遮光粘着テープを得るうえでより好ましい。なお、上記表面抵抗率は、JIS−K6911に準じて測定された値を指す。
【0021】
また、前記基材(a)としては、厚さ30μm以下のものを使用することが好ましく、10μm〜30μmのものを使用することがより好ましく、15μm〜30μmのものを使用することが、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得ることができ、かつ、携帯電子端末等の電子機器の薄型化及び小型化に貢献できるためより好ましい。
【0022】
前記基材(a)を構成する遮光性顔料としては、例えばカーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブテン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素等の黒色顔料を、単独または2種以上組合せ使用することができ、なかでも、安価で遮光性及び前記樹脂への分散性に優れるカーボンブラックを使用することが好ましい。
【0023】
前記カーボンブラック等の遮光性顔料は、後述するポリエステル樹脂等の樹脂(固形分)の全量に対して1質量%〜4質量%の範囲で使用することが好ましく、1.5質量%〜3.5質量%の範囲で使用することがより好ましく、2質量%〜3質量%の範囲で使用することが、基材(a)の製膜性を損なうことなく、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得ることができるため特に好ましい。
【0024】
前記カーボンブラックとしては、その平均一次粒子径が20nm〜200nmのものを使用することが好ましく、10nm〜40nmのものを使用することが、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光性粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0025】
また、前記樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を使用できるが、ポリエステル樹脂を使用することが、比較的安価で入手しやすく、カーボンブラック等の遮光性顔料の分散性に優れるため好ましい。
【0026】
前記ポリエステル樹脂としては、例えばポリオールとポリカルボン酸とを反応させて得られるものを使用することができる。
【0027】
前記ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシアルキレングリコール等のジオールを使用することができる。
【0028】
前記ポリカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸を使用することができる。
【0029】
前記ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート等を使用することが、比較的安価で入手しやすく、カーボンブラック等の遮光性顔料の分散性に優れるため好ましい。
【0030】
以上のとおり、前記基材(a)としては、カーボンブラックとポリエステル樹脂とを用いて得られたポリエステル基材を使用することが、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得ることができ、かつ、携帯電子端末等の物品の薄型化及び小型化に貢献できるため好ましい。
【0031】
また、前記基材(a)としては、上記遮光性顔料及び樹脂の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤等の添加剤を含有するものであってもよい。
【0032】
前記基材(a)は、例えば前記遮光性顔料と前記樹脂とを混練し、フィルムまたはシート状に成形することによって製造することができる。
【0033】
前記基材(a)のうち、前記ポリエステル基材としては、例えば乾燥または未乾燥の前記ポリエステル樹脂(例えばチップ状)と、前記カーボンブラック等の遮光性顔料とを、混練押し出し機等を用い、前記ポリエステル樹脂の融点以上の温度で加熱することでそれらを溶融混練する工程、前記溶融混練物を、例えば回転冷却ドラムの表面に押出し固化させることによって、実質的に非晶状態の未配向のポリエステル基材を得る工程等を経ることによって製造することができる。
【0034】
前記製造方法において、ポリエステル樹脂と遮光性顔料とを混練する際、前記遮光性顔料を高濃度に含むマスターバッチと、前記ポリエステル樹脂とを混練してもよい(マスターバッチ法)。前記マスターバッチ法によって得られたポリエステル基材は、ポリエステル樹脂中における遮光性顔料の分散性に優れるため、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得ることができる。
【0035】
また、前記ポリエステル樹脂と遮光性顔料とは、例えば前記ポリエステル樹脂の製造途中で前記遮光性顔料を供給することによって混合してもよい。
【0036】
また、前記混練押し出し機を用いる場合、前記押し出し機内にポリエステル樹脂が滞留する時間をできるだけ短くすることが、ポリエステル樹脂の加水分解を抑制するうえで好ましい。
【0037】
また、前記ポリエステル樹脂及び遮光性顔料は、それに含まれる水分量が50ppm以下となるよう乾燥させたものを使用することが好ましく、30ppm以下となるよう十分に乾燥させたものを使用することが、加水分解や発泡を抑制するうえでより好ましい。
【0038】
前記方法で得られたポリエステル基材等の基材(a)は、必要に応じて一軸または二軸方向に延伸されてもよい。
【0039】
前記基材(a)を延伸する方法としては、例えば前記基材(a)を、好ましくは長手方向に70℃〜145℃の環境下で好ましくは2倍〜6倍、より好ましくは3倍〜4倍に延伸した後、幅方向に90℃〜160℃の環境下で好ましくは2倍〜6倍、より好ましくは3倍〜4倍に延伸し、次いで加熱しその配向状態を固定する方法が挙げられる。
【0040】
前記方法等で延伸された基材(a)は、上記延伸後の加熱工程において、縦方向及び横方向にそれぞれ0.1%〜20%程度弛緩させたものであることが好ましい。前記弛緩工程は、上記延伸後の加熱工程のうち、およそ200℃〜250℃の範囲で加熱される工程または上記加熱後のクーリング工程において行われることが好ましい。また、前記基材(a)としては、上記弛緩工程後に、再度延伸されたものを使用することもできる。
また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
【0041】
本発明の遮光粘着テープで使用する基材(a)としては、前記方法によって二軸延伸されたものを使用することが、基材(a)及び遮光粘着テープの絶縁性及び強度をより一層高めるうえで好ましい。
【0042】
前記基材(a)としては、その引張強度が20.0N/10mm以上であるものを使用することが好ましく、30.0N/10mm以上であるものを使用することがより好ましく、35.0N/10mm以上のものを使用することが、遮光粘着テープの強度を高めるうえで好ましい。
【0043】
また、前記基材(a)としては、基材(a)を85℃の環境下に120時間放置した際の、前記放置前の基材(a)の寸法に対する収縮率が、流れ方向及び幅方向にそれぞれ0.5%以下であることが好ましく、0.4%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましく、0.0%であることが、遮光粘着テープの経時の寸法変化等を抑制するうえで特に好ましい。
【0044】
また、前記基材(a)としては、その片面または両面に、必要に応じてその他の層を有するものを使用することができる。
【0045】
[粘着剤層(b)]
本発明の遮光粘着テープを構成する粘着剤層(b)としては、10000cd/m
2の光を照射した時の光透過量が2000cd/m
2以下である粘着剤層を使用する。上記特定の粘着剤層(b)と前記特定の基材(a)とを組み合わせることによって、厚さ方向(Z軸方向)及び面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得ることができる。
【0046】
前記光透過量は、0.0〜1.0cd/m
2の範囲であることが好ましく、0.0〜0.3cd/m
2の範囲であることが、厚さ方向(Z軸方向)及び面方向(XY軸方向)の遮光性の点でより一層優れた遮光粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0047】
なお、粘着剤層の光透過量は、10000cd/m
2の光を発することのできるライトボックスを備えたフラットイルミネーターHF−SL−A48LCG(電通産業(株)製)を用い、輝度計としてアイスケール3もしくはアイスケール4(株式会社アイ・システム製)またはBM−5A、BM−7もしくはBM−9(株式会社トプコンテクノハウス製)を用い、暗室にて測定した値を指す。
【0048】
前記範囲の光透過量の粘着剤層(b)としては、例えば従来知られる粘着成分と、遮光性顔料との混合物からなるものを使用することができる。
【0049】
前記遮光性顔料としては、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、ミネラルブラック、アニリンブラック、シアニンブラック等を使用することができる。なかでも、前記遮光性顔料としては、それが比較的均一に分散した粘着剤層を形成するうえで、カーボンブラックを使用することが最も好ましい。
【0050】
前記カーボンブラック等の遮光性顔料の使用量は、粘着剤層(b)全体に対して15質量%以下であることが好ましく、2質量%〜12質量%であることがより好ましく、3質量%〜8質量%であることが、厚さ方向(Z軸方向)の遮光性に優れるとともに、面方向(XY軸方向)の遮光性に優れた遮光粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0051】
また、前記粘着剤層(b)を構成する粘着成分としては、前記基材(a)に対して良好な接着力を有するものを使用できる。
【0052】
前記粘着成分としては、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を使用することができ、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
【0053】
前記アクリル系粘着剤としては、例えばアクリル重合体と、必要に応じて架橋剤や粘着付与樹脂を含有するアクリル系粘着剤が挙げられる。
【0054】
前記アクリル重合体としては、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等に由来する構造単位を含むアクリル重合体を使用することができる。なかでも、前記アクリル重合体としては、炭素原子数2〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有するアクリル重合体を使用することが好ましく、n−ブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレートに由来する構造単位を含むアクリル重合体を使用することが、良好な接着力を備え、かつ、光や熱の影響により接着力の低下を引き起こしにくい粘着剤層を形成するうえで好ましい。
【0055】
また、前記アクリル重合体としては、前記した構造単位の他に、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基等の極性基を有する(メタ)アクリル単量体に由来する構造単位を有するものを使用することが、良好な接着力を備えた遮光粘着テープを得るうえで好ましい。
【0056】
前記アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
【0057】
前記アクリル重合体は、前記したような(メタ)アクリル単量体を含むビニル単量体を重合させることによって製造することができる。例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル単量体、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基を有する(メタ)アクリル単量体等を使用することができる。なかでも、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することが、より一層優れた接着力を備えた遮光粘着テープを得るうえより好ましい。
【0058】
前記アクリル重合体を製造する際に使用できる水酸基を有するビニル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリル、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
【0059】
また、前記アクリル重合体としては、脂肪族環式構造を有するものを使用することが好ましい。前記脂肪族環式構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、プロピルシクロヘキシル基、トリシクロ〔5,2,1,0,2,6〕デシル基、ビシクロ〔4,3,0〕−ノニル基、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデシル基、プロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデシル基、ノルボルネン基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基等が挙げられるが、なかでもシクロヘキシル基、ノルボルネン基、イソボルニル基、アダマンチル基であることが、より一層優れた接着力を備えた遮光粘着テープを得るうえで好ましい。
【0060】
前記アクリル重合体は、前記ビニル単量体の混合物を、例えば溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、紫外線照射法、電子線照射法によって重合させることによって製造することができる。
【0061】
前記方法で得られたアクリル重合体としては、重量平均分子量40万〜200万のものを使用することが好ましく、60万〜180万のものを使用することがより好ましい。
【0062】
前記粘着剤層(b)としては、優れた凝集力を付与でき、その結果、耐熱接着性等に優れた遮光性粘着テープを得るうえで、20質量%〜60質量%の範囲のゲル分率を有するものであることが好ましく、30質量%〜50質量%の範囲のゲル分率を有するものであることがより好ましく、35質量%〜48質量%の範囲のゲル分率を有するものであることが特に好ましい。なお、前記ゲル分率は、養生後の粘着剤層(b)をトルエンに浸漬したものを、23℃環境下に24時間放置した後、上記トルエン中に残存した不溶分の乾燥後の質量と、前記浸漬前の質量に基づき算出した値を指す。ゲル分率(質量%)=[上記不溶分(乾燥後)の質量/上記浸漬前の粘着剤層(b)の質量]×100
【0063】
前記粘着剤層(b)としては、その凝集力をより一層向上させることを目的として、前記アクリル重合体等とともに架橋剤を用いて得られる粘着剤層を使用することが好ましい。
【0064】
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤等を使用することができ、イソシアネート系架橋剤またはエポキシ系架橋剤を使用するのが好ましい。
【0065】
前記架橋剤の使用量は、粘着剤層(b)のゲル分率が上記範囲となるよう適宜調整することが好ましい。
【0066】
前記粘着剤層(b)としては、粘着剤層の粘着力をより一層向上させることを目的として、粘着付与樹脂を含有するものを使用することができる。
【0067】
前記粘着付与樹脂としては、ロジンやロジンのエステル化物等のロジン系樹脂;ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂;脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂;その他、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等を使用することができる。また、前記アクリル重合体以外のアクリル樹脂を粘着付与樹脂として使用しても良い。
【0068】
粘着付与樹脂の使用量は、上記粘着剤層(b)を構成する粘着剤としてアクリル重合体を含有するものを使用する場合には、上記アクリル重合体100質量部に対して10質量部〜60質量部であることが好ましく、20質量〜50質量部であることが、優れた粘着性を備えた遮光粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0069】
一方、上記粘着剤層(b)を構成する粘着剤としてゴム系重合体を含有するものを使用する場合、上記粘着付与樹脂の使用量は、上記ゴム系重合体100質量部に対して、80質量部〜150質量部の範囲であることが好ましい。
【0070】
また、前記粘着剤層(b)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等の添加剤を使用することができる。
【0071】
前記粘着剤層(b)としては、その表面抵抗率が10
12Ω/□以上のものを使用することが好ましく、10
14Ω/□以上のものを使用することが、より一層優れた絶縁性を備えた遮光粘着テープを得るうえでより好ましい。
【0072】
また、前記粘着剤層(b)としては、その厚さが5μm〜50μmの範囲であることが好ましく、10μm〜30μmの範囲であることが、優れた接着性と遮光粘着テープの薄型化とを両立でき、かつ、携帯電子端末等の物品の薄型化及び小型化に貢献できるため好ましい。
【0073】
本発明の遮光粘着テープは、例えば前記方法で製造した基材(a)の片面または両面に、前記粘着剤を塗布し乾燥等することによって粘着剤層(b)を形成する方法や、前記基材の(a)の片面または両面に、予め製造した粘着剤層(b)を転写することによって製造することができる。
【0074】
本発明の遮光粘着テープとしては、その70℃で500gの荷重をかけた24時間後の保持力が、0.0mm〜2.0mmであることが好ましく、0.2mm〜1.0mmであることがより好ましく、0.2mm〜0.5mmであることが特に好ましい。なお、前記保持力は、JIS−Z0237(2000)の保持力の試験方法に準じて下記の手順により求めた値である。具体的には20mm×50mmの遮光粘着テープの片面側の粘着剤層を、厚さ50μmのアルミニウム箔で裏打ちしたものを、ステンレス板(SUS板)に貼付し(貼付範囲 縦20mm×横20mm)、その上面を2kgのローラーで1往復させることでそれらを圧着した後、23℃で1時間放置したものを試験片とし、85℃の雰囲気下で500gの荷重をかけ、24時間放置後のズレ距離である。
【0075】
本発明の遮光粘着テープとしては、その接着力が、5N/20mm以上であることが好ましく、10N/20mm以上であることがより好ましく、13N/20mm以上であることが特に好ましい。なお、前記接着力はJIS−Z0237(2000)の接着力の試験方法に準じて下記の手順により求めた値である。
具体的には、温度23℃、湿度50%の条件下、幅20mm×流れ50mmの遮光粘着テープの片面側の粘着剤層を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちしたものを、ステンレス板(SUS板)に貼付し(貼付範囲 縦20mm×横20mm)、その上面を2kgのローラーで1往復させることでそれらを圧着させた後、23℃の環境下に1時間放置したものを試験片とし、テンシロン万能引張試験機を用い、上記温度湿度条件下で300mm/minの速度で180°方向に引き剥がすことによって測定された180度引き剥がし接着力S
20である。
【0076】
本発明の遮光粘着テープは、前記したとおり、液晶表示パネルと、バックライトを備えたきょう体との固定に好適に使用することができる。
【0077】
具体的には、本発明の遮光性粘着テープは、
図1で示される「粘着テープ1」の位置に貼付し使用することができる。
【0078】
前記遮光粘着テープとして両面粘着テープを使用する場合、前記遮光粘着テープは、液晶表示パネル(LCDパネル)6と、バックライトを備えたきょう体7とを接着する。また、
図1に示すように、プリズムシート2等の光学フィルムが使用される場合、前記遮光粘着テープは、前記プリズムシート2等の光学フィルムの一部に貼付されていてもよい。
【0079】
また、前記遮光粘着テープとして片面粘着テープを使用する場合、前記片面粘着テープは、液晶表示パネル6、または、バックライトを備えたきょう体7のいずれか一方に貼付される。その際、液晶表示パネル6と、バックライトを備えたきょう体7とは、他の部品(押さえ具)等によって接合または固定されることが好ましい。
【0080】
本発明の遮光粘着テープは、
図1における光源5から発せられた光の遮光性に優れるため、例えば集積回路(IC)等への光の侵入を防止することができる。近年、バックライトに用いられている発光ダイオード(LED)の性能が向上しており、テープ断面から光が侵入し、バックライト光が不必要な所から外部に漏れ、表示のコントラストが低下して見えにくくなるという問題があったが、本発明の遮光両面粘着テープは基材と粘着剤の両方が遮光性能を有するため、断面からの入射光をも遮光することができ、しかもピンホールが発生する確率が極めて低い。また、本発明の遮光粘着テープは、例えば前記光源5の端子等に接触した場合であってもショートを引き起こしにくい。
【実施例】
【0081】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0082】
作製例1
ポリチレンテレフタレート100質量部に対してカーボンブラックを2.5質量部含有する混合物を、180℃で4時間、真空乾燥した後、それを押し出し機に共有し、280℃で溶融混練した。
【0083】
次に、上記混練物を、20℃に調整された鏡面冷却ドラムの表面に塗工(キャスト)することによって、未延伸フィルムを作製した。
【0084】
次に、上記未延伸フィルムを、90℃に調整されたロールで予熱し、95℃で長手方向
に3.5倍延伸し、引き続き、そのシート端部をクリップで把持した状態で、105℃に予熱した後、110℃で幅方向に3.5倍延伸した。
【0085】
前記延伸した後、230℃で8秒間、熱処理することによって、厚さ16μmの黒色ポリエステル基材Aを得た。
【0086】
作製例2
上記作製例1と同様の方法で、厚さ25μmの黒色ポリエステル基材Bを作製した。
【0087】
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート75.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、シクロヘキシルアクリレート15質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシエチルアクリレート0.06質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル溶液4質量部(固形分2.5質量%)と、酢酸エチル98質量部とを供給し、反応容器内を窒素置換した後、65℃で10時間重合させることによって、重量平均分子量160万のアクリル重合体1を得た。
【0088】
容器に、前記アクリル重合体(A−1)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−125(荒川化学工業株式会社)5質量部と石油系粘着付与樹脂FTR6125(三井化学株式会社製)15質量部使用とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分33質量%の粘着剤溶液を得た。
【0089】
(実施例1)
前記粘着剤溶液100質量部に対し、カーボンブラックを4質量部添加し、次に架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%) 1.1質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後ものを離型処理された厚さ25μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが17μmとなるよう塗工し、85℃で2分間乾燥させることによって粘着剤層を作製した。
【0090】
次に、上記粘着剤層を、作製例1で得た黒色ポリエステル基材Aの両面に貼付し、60℃に調整した熱ロールを用い4kgf/cmの圧力でラミネートした後、40℃で2日間養生することによって、遮光性粘着テープを得た。
【0091】
(実施例2)
カーボンブラックの使用量を4質量部から6質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0092】
(実施例3)
カーボンブラックの使用量を4質量部から8質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0093】
(実施例4)
黒色ポリエステル基材Aの代わりに黒色ポリエステル基材Bを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0094】
(実施例5)
カーボンブラックの使用量を4質量部から6質量部に変更し、黒色ポリエステル基材Aの代わりに黒色ポリエステル基材Bを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0095】
(比較例1)
カーボンブラックの使用量を4質量部から0質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0096】
(比較例2)
カーボンブラックの使用量を4質量部から1質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0097】
(比較例3)
カーボンブラックの使用量を4質量部から0質量部に変更し、黒色ポリエステル基材Aの代わりに黒色ポリエステル基材Bを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0098】
(比較例4)
カーボンブラックの使用量を4質量部から1質量部に変更し、黒色ポリエステル基材Aの代わりに黒色ポリエステル基材Bを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0099】
(比較例5)
カーボンブラックの使用量を4質量部から0質量部に変更し、黒色ポリエステル基材(A)の代わりに、厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に厚さ3μmの黒色インキ層(遮光層)を有する総厚さ18μmの遮光基材を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0100】
(比較例6)
黒色ポリエステル基材(A)の代わりに、厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に厚さ3μmの黒色インキ層(遮光層)を有する総厚さ18μmの遮光基材を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で遮光性両面粘着テープを得た。
【0101】
(基材の光透過量の測定方法)
暗室で、電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」を用い、上記作製例で得た基材に、10000cd/m
2の光を照射した。その際、前記基材を透過した光を、(株)アイ・システム製輝度計「アイスケール3」を用いて測定した。
【0102】
(基材の表面抵抗率の測定方法)
基材の表面抵抗率は、アドバンテスト(株)製の抵抗率計TR−42とR8340Aを用い、JIS K6911に準じて、500Vの電圧での表面抵抗率を測定した。
【0103】
(粘着剤層の光透過率の測定)
前記粘着テープの製造でそれぞれ使用した粘着剤を、剥離処理したフィルムの表面に塗工し、40℃環境下に2日間養生することによって、厚さ16μmの粘着剤層を作製した。得られた粘着剤層を試験片として、光透過率を、分光光度計(日本分光工業社製、「V520−SR」)で測定し、粘着剤層の光透過率とした。
【0104】
(基材の収縮率の測定方法)
基材を約100mm×100mmの大きさにカットして得た試験片を、23℃の環境下に1時間放置した。前記試験片の流れ方向及び幅方向の長さを、ノギスを用い測定した(L
23)。
【0105】
次に、前記試験片を85℃の環境下に24時間放置した。前記放置後の試験片を23℃の環境下に1時間放置した後、その流れ方向(MD及び幅方向(TD)の長さを測定した(L
85)。
【0106】
前記測定結果及び下記式に基づき、基材の流れ方向及び幅方向の収縮率をそれぞれ算出した。
【0107】
基材の収縮率X=100×(L
23−L
85)/L
23
【0108】
(基材の引張強度の測定方法)
基材の引張強度は、JIS−Z0237(2000)の引張強さの試験方法に従い、基材の流れ方向(MD)及び幅方向(TD)の引張強度を下記の手順によりそれぞれ測定した。
【0109】
(1)基材の標線間隔を100mm、幅を25mmとし、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、環境温度23℃、湿度50%の条件下にて、引張速度300mm/minの速さで引っ張り、基材が切断するまでの最大荷重P(N)を測定した。
【0110】
(2)基材の引張強度Tを下記の式により求めた。なお、前記引張強度Tの単位は、JIS Z 8401にしたがいN/10mmとした。また、前記引張強度Tは小数点以下第2位を四捨五入した。
【0111】
T=(10×P)÷W=(10×P)÷25
T:引張強度(N/10mm)
P:切断するまでの最大荷重(N)
W:基材の幅(mm)
【0112】
(粘着剤層のゲル分率の測定方法)
前記粘着テープの製造に使用したアクリル系粘着剤組成物を、離形処理したフィルムの表面に塗工し、40℃環境下に2日間養生することによって、厚さ20μmの粘着剤層を作製した。
【0113】
次に、上記粘着剤層の質量を測定した。
【0114】
次に、上記粘着剤層を、23℃に調整したトルエンに浸漬した状態で、24時間放置した。
【0115】
24時間後、前記トルエン中の残存物を十分に乾燥し、その質量を測定した。
【0116】
上記質量と下記式に基づき、粘着剤層のゲル分率を測定した。
【0117】
ゲル分率(質量%)=[上記残存物(乾燥後)の質量/上記浸漬前の粘着剤層の質量]×100
【0118】
(粘着テープの厚さ)
粘着テープの厚さは、厚み計を用いて測定した。
【0119】
(粘着テープの絶縁性の評価方法)
実施例及び比較例で得た粘着テープを縦50mm及び横50mmの正方形に裁断し、それに、2mmの間隔をあけて2本の針を刺した。
【0120】
次に、前記針を絶縁抵抗計(日置電機(株)製3452−13)に固定し、1000Vの条件で、粘着テープの抵抗値を測定した。前記抵抗値が2000MΩ以上であった粘着テープは、絶縁性に優れるものと評価した。
【0121】
(粘着テープの厚さ方向(Z軸方向)の遮光性の評価方法)
暗室で、電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」を用い、実施例及び比較例で得た粘着テープに、10000cd/m
2の光を照射した。その際、前記粘着テープを透過した光の有無を、目視で確認し、下記評価基準で評価した。
○:光が粘着テープによって遮断されており、光漏れを確認できなかった。
△:ピンホールからの光漏れが確認された。
×:大部分の光が粘着テープを透過していた。
【0122】
(粘着テープの面方向(XY軸方向)の遮光性の評価方法)
外形14mm×14mmで遮光粘着テープ幅が2mmの額縁状の遮光粘着テープの一方の粘着剤層を、14mm×14mmの透過率0%の遮光基材と貼り合わせ、もう一方の粘着剤層を12mm×12mmの穴の開いた白練り込みPETに貼り合わせ、試験片とした。暗室で、電通産業(株)製ライトボックス「フラットイルミネーターHF−SL−A48LCG」を用い、試験片に10000cd/m
2の光を照射した。その際、前記粘着テープ断面から漏れた光の有無を、目視で確認し、下記評価基準で評価した。
○:光が遮断されており、光漏れを確認できなかった。
△:粘着テープの端面から光漏れが僅かに確認された。
×:粘着テープの端面から光漏れがはっきりと確認された。
【0123】
(粘着テープの接着力の評価方法)
粘着テープの接着力は、JIS−Z0237(2000)の180度引き剥がし接着力の試験方法に従って下記の手順により求めた。
【0124】
実施例及び比較例で得た粘着テープを、幅20mmの大きさに裁断した。
【0125】
次に、前記粘着テープの片面側の粘着剤層を、厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした。
【0126】
次に、環境温度23℃及び湿度50%の条件下、前記裏打ちされた粘着テープを、ステンレス板(SUS板)に貼付し、その上面を2kgのローラーで1往復しそれらを圧着させ、その後、上記温度下に1時間放置したものを試験片とした。
【0127】
前記試験片を、テンシロン万能引張試験機(オリエンテック製、RTA100)を用い、上記と同一の温度湿度条件下、で300mm/minの速度で引き剥がすことによって、180度引き剥がし接着力S
20を測定した。
【0128】
(粘着テープの保持力の評価方法)
粘着テープの保持力は、JIS−Z0237(2000)の保持力の試験方法に準じて下記の手順により求めた。
【0129】
実施例及び比較例で得た粘着テープを、20mm×50mmの大きさに裁断した。
【0130】
次に、前記粘着テープの片面側の粘着剤層を、厚さ50μmのアルミニウム箔で裏打ちした。
【0131】
次に、環境温度23℃及び湿度50%の条件下、前記裏打ちされた粘着テープを、ステンレス板(SUS板)に貼付し(貼付範囲20mm×20mm)、その上面を2kgのローラーで1往復しそれらを圧着させ、その後、上記温度下に1時間放置したものを試験片とした。
【0132】
上記試験片を構成する粘着テープの貼付方向(せん断方向)に500gの荷重をかけたものを、70℃の環境下に24時間放置し、前記試験片を構成するアルミニウム箔とステンレス板とのズレ(距離)を測定した。
【0133】
(粘着テープの縮みにくさの評価方法)
実施例及び比較例で得た粘着テープを、10mm×100mmの大きさに裁断した。
【0134】
温度23℃の環境下で、上記粘着テープをステンレス板(SUS板)に貼付したものを、上記と同一の温度及び湿度環境下に1時間放置したものを試験片とした。
【0135】
次に、上記放置後の試験片の長さを測定した。
【0136】
次に、上記試験片を、85℃の環境下に120時間放置した。
【0137】
前記放置後の試験片の長さ方向(MD方向)の寸法を測定した。
【0138】
前記測定値と下記式にもとづき、粘着テープの長さ方向(MD方向)の収縮率を算出した。
【0139】
収縮率=100×[(85℃環境下に放置する前の試験片の長さ方向の寸法)−(85℃環境下に放置した後の試験片の長さ方向の寸法)]/(85℃環境下に放置する前の試験片の長さ方向の寸法)
【0140】
【表1】
【0141】
【表2】