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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-225398(P2017-225398A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】ペット用吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
   A01K23/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-123984(P2016-123984)
(22)【出願日】2016年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】小松原 大介
(57)【要約】
【課題】本発明は、ペットの胴体との密着性に優れ、尿などの液状排泄物を適切に吸収することができるペット用吸収性物品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のペット用吸収性物品は、互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、前記長手方向がペットの胴回りに沿うように装着されるペット用吸収性物品であって、平面視にて、前記長手方向に交差する方向に延在する変形誘導部を備えた吸収体(4)を含む、前記ペット用吸収性物品である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、前記長手方向がペットの胴回りに沿うように装着されるペット用吸収性物品であって、
平面視にて、前記長手方向に交差する方向に延在する変形誘導部を備えた吸収体を含む、
前記ペット用吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収体は、平面視にて、前記吸収体を前記長手方向に3等分する長手方向第1領域、長手方向中央領域及び長手方向第2領域をこの順で有し、前記変形誘導部が少なくとも前記長手方向中央領域に配置されている、請求項1に記載のペット用吸収性物品。
【請求項3】
前記ペット用吸収性物品は、前記長手方向における少なくとも一方の端部に係合部を備え、
前記吸収体は、平面視にて、前記吸収体を前記長手方向に3等分する長手方向第1領域、長手方向中央領域及び長手方向第2領域をこの順で有するとともに、前記変形誘導部が前記長手方向第1領域及び前記長手方向第2領域の少なくとも一方の領域に配置されている、請求項1又は2に記載のペット用吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体は、平面視にて、前記吸収体を前記幅方向に3等分する幅方向第1領域、幅方向中央領域及び幅方向第2領域をこの順で有するとともに、前記変形誘導部が前記幅方向第1領域及び前記幅方向第2領域の少なくとも一方の領域に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペット用吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収体は、平面視にて、前記吸収体を前記幅方向に3等分する幅方向第1領域、幅方向中央領域及び幅方向第2領域をこの順で有するとともに、前記変形誘導部が前記吸収体の前記幅方向中央領域に配置されている、請求項2又は3に記載のペット用吸収性物品。
【請求項6】
前記ペット用吸収性物品は、前記幅方向と交差する方向に延在し且つ前記吸収体と前記厚さ方向に重なる伸縮自在の中央部弾性部材を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペット用吸収性物品。
【請求項7】
前記ペット用吸収性物品は、前記厚さ方向において、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これらのシートの間に位置する前記吸収体と、を備え、
前記中央部弾性部材は、前記表面シートと前記吸収体との間に配置されている、請求項6に記載のペット用吸収性物品。
【請求項8】
前記ペット用吸収性物品は、前記厚さ方向において、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これらのシートの間に位置する前記吸収体と、を備え、
前記中央部弾性部材は、前記裏面シートと前記吸収体との間に配置されている、請求項6に記載のペット用吸収性物品。
【請求項9】
前記ペット用吸収性物品は、平面視にて前記幅方向の両端部のそれぞれに、前記長手方向に延在する伸縮自在の側部弾性部材を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載のペット用吸収性物品。
【請求項10】
前記ペット用吸収性物品は、ペットの胴体に装着したときに該ペットの胴体に対向する胴体対向面と、該胴体対向面とは反対側の胴体非対向面と、を有するとともに、
前記厚さ方向において、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これらのシートの間に位置する前記吸収体と、前記表面シートよりも胴体対向面側に位置し且つ前記長手方向に延在する伸縮自在の表面部弾性部材と、を備える、
請求項1〜9のいずれか一項に記載のペット用吸収性物品。
【請求項11】
前記吸収体は、平面視にて、前記変形誘導部に対して該変形誘導部が延在する方向の両側に隣接する2つの周辺領域のうちの少なくとも一方の周辺領域と、前記変形誘導部とが異なる剛性を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のペット用吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫などのペットに用いられる、使い捨ておむつ等のペット用吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
犬などのペットが排泄した排泄物を処理するためのペット用吸収性物品として、ペットの胴回りに巻きつけて装着される、吸収体を備えた帯状の使い捨ておむつが知られている。
【0003】
そのような帯状の使い捨ておむつとして、例えば、特許文献1には、雄犬等のペットの胴体に巻き付けて装着されるペット用おむつであって、通気性及び透液性を有する帯状の表面シートと、不透液性を有する帯状の裏面シートと、これらのシートの間に配設され、吸液性を有する吸収体と、を備えるとともに、前記表面シートの表面に、前記表面シートの長手方向に沿って設けられた起立片(立体ギャザー部)を備えたペット用おむつが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−187095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示されたペット用おむつは、当該ペット用おむつの厚みの大部分を占める吸収体が略均等な厚みを有しているため、ペット用おむつをペットの胴体に巻き付けて装着する際に、ペット用おむつが意図しない箇所で屈曲してしまい、ペットの胴体との間に隙間が形成されたり、おむつの位置が適正な位置からペットの胴回り方向や前後方向にズレたりし易かった。このようにして、おむつとペットの胴体との間に隙間が形成されたり、おむつが適正な位置からズレたりしてしまうと、上述の隙間が形成されることや吸収体がペットの排尿位置(すなわち、尿道口)に対応できなくなることによって、ペットから排泄された尿などの液状排泄物を吸収体で適切に吸収することができず、外部に漏出させてしまう虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、ペットの胴体との密着性に優れ、尿などの液状排泄物を適切に吸収することができるペット用吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様(態様1)は、互いに直交する長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、前記長手方向がペットの胴回りに沿うように装着されるペット用吸収性物品であって、平面視にて、前記長手方向に交差する方向に延在する変形誘導部を備えた吸収体を含む、前記ペット用吸収性物品である。
【0008】
本態様1のペット用吸収性物品は、平面視にて、吸収性物品の長手方向(すなわち、装着時におけるペットの胴回り方向)に交差する方向に延在する変形誘導部を備えた吸収体を含むものであるため、かかるペット用吸収性物品をペットの胴体に装着する際に、上述の変形誘導部によって吸収体がペットの胴体に沿って折れ曲がり易くなっている。これにより、本態様のペット用吸収性物品は、ペットの胴体との間に隙間が形成されたり、ペット用吸収性物品の装着位置が適正な位置からズレたりするようなことが生じ難くなる。
以上により、本態様1のペット用吸収性物品は、ペットの胴体との密着性に優れ、尿などの液状排泄物を適切に吸収することができる。
【0009】
また、本発明の別の態様(態様2)では、前記態様1のペット用吸収性物品において、前記吸収体は、平面視にて、前記吸収体を前記長手方向に3等分する長手方向第1領域、長手方向中央領域及び長手方向第2領域をこの順で有し、前記変形誘導部が少なくとも前記長手方向中央領域に配置されている。
【0010】
本態様2のペット用吸収性物品は、吸収体の変形誘導部が上述の長手方向中央領域に配置されているため、吸収体が雄のペットの排泄部(尿道口)に沿って該排泄部を覆うように折れ曲がり易く、ペット用吸収性物品をペットの胴体に装着したときに、吸収体とペットの排泄部との位置がペットの胴回り方向にズレ難くなる(すなわち、吸収体とペットの排泄部との位置が対応し易くなる)。これにより、本態様2のペット用吸収性物品は、ペットから排泄される尿などの液状排泄物をより的確に吸収することができる。
【0011】
更に本発明の別の態様(態様3)では、前記態様1又は2のペット用吸収性物品において、前記ペット用吸収性物品は、前記長手方向における少なくとも一方の端部に係合部を備え、前記吸収体は、平面視にて、前記吸収体を前記長手方向に3等分する長手方向第1領域、長手方向中央領域及び長手方向第2領域をこの順で有するとともに、前記変形誘導部が前記長手方向第1領域及び前記長手方向第2領域の少なくとも一方の領域に配置されている。
【0012】
本態様3のペット用吸収性物品は、吸収体の変形誘導部が上述の長手方向第1領域及び長手方向第2領域の少なくとも一方の領域に配置されているため、ペット用吸収性物品をペットの胴体に装着する際に、ペット用吸収性物品をペットの胴体に沿わせつつ、該ペット用吸収性物品の長手方向における少なくとも一方の端部を適正な位置で係合固定することができる。さらに、ペット用吸収性物品をペットの胴体に装着した後は、吸収体がペットの胴体に沿って折れ曲がった状態から、元の状態へ戻り難くなる(すなわち、吸収体がペットの胴体から離間する方向へ変形し難くなる)ため、上述の係合固定した状態を維持し易く、ペット用吸収性物品とペットの胴体との間に隙間が形成されたり、ペット用吸収性物品が適正な装着位置からズレたりするようなことが、より生じ難くなる。
【0013】
更に本発明の別の態様(態様4)では、前記態様1〜3のいずれかのペット用吸収性物品において、前記吸収体は、平面視にて、前記吸収体を前記幅方向に3等分する幅方向第1領域、幅方向中央領域及び幅方向第2領域をこの順で有するとともに、前記変形誘導部が前記幅方向第1領域及び前記幅方向第2領域の少なくとも一方の領域に配置されている。
【0014】
本態様4のペット用吸収性物品は、吸収体の変形誘導部が上述の幅方向第1領域及び幅方向第2領域の少なくとも一方の領域に配置されているため、ペットの体形やペットの呼吸等の動作に伴う胴回り寸法の変化などに合せて、ペット用吸収性物品を変形させることができる。すなわち、吸収体の変形誘導部が、ペット用吸収性物品をペットの胴体に装着したときにペットの後方側(すなわち、臀部側)となる上述の幅方向の領域(例えば、幅方向第2領域)に設けられていると、ペット用吸収性物品をペットの胴体に装着する際に、ペットの体形に起因するペットの前後方向(すなわち、ペット用吸収性物品における幅方向)における異なる胴回り寸法(ここで、ペット用吸収性物品が装着されるペットの胴体部分は、一般に、前方の胴回り寸法が大きく(胴体が太く)、後方の胴回り寸法が小さく(胴体が細く)なっている。)に対応して、ペット用吸収性物品をペットの胴体に沿わせながら的確に装着することができる。
また、吸収体の変形誘導部が、ペット用吸収性物品をペットの胴体に装着したときにペットの前方側(すなわち、頭部側)となる上述の幅方向の領域(例えば、幅方向第1領域)に設けられていると、ペット用吸収性物品をペットの胴体に装着したときに、ペットの呼吸等の動作に起因するペットの前後方向における胴回り寸法の変化に追従して吸収体、ひいてはペット用吸収性物品が変形して、ペット用吸収性物品がペットの胴体に密着した状態を良好に維持することができる。
以上の結果、本態様4のペット用吸収性物品は、ペットの胴体との密着性に優れる上、適正な装着位置から(特に、ペットの前後方向に)よりズレ難くなっている。特に、本態様のペット用吸収性物品が上述の態様2の特徴を含む場合は、吸収体の変形誘導部を雄のペットの排泄部の先端部分に対応するように配置することができるため、ペット用吸収性物品をペットの胴体に装着したときに、吸収体とペットの排泄部との位置がペットの胴回り方向に更にズレ難くなり、ペットから排泄される液状排泄物を更に的確に吸収することができる。
【0015】
更に本発明の別の態様(態様5)では、前記態様2又は3のいずれかのペット用吸収性物品において、前記吸収体は、平面視にて、前記吸収体を前記幅方向に3等分する幅方向第1領域、幅方向中央領域及び幅方向第2領域をこの順で有するとともに、前記変形誘導部が前記吸収体の前記幅方向中央領域に配置されている。
【0016】
本態様5のペット用吸収性物品は、吸収体の変形誘導部が上述の幅方向中央領域に配置されているため、当該幅方向中央領域において、ペット用吸収性物品が胴体非対向面側に向かって凸となるように折れ曲がり易く、ペット用吸収性物品とペットの胴体との間にペットから排泄される液状排泄物を収容し得る空間(排泄物収容空間)を局所的に(すなわち、上述の幅方向中央領域に)形成することができる。これにより、本態様5のペット用吸収性物品は、ペットが大量の液状排泄物を排泄したとしても、当該液状排泄物を上述の排泄物収容空間にて保持することができ、かかる液状排泄物の漏出をより確実に防ぐことができる。加えて、吸収体の変形誘導部がこのような幅方向中央領域に配置されていると、当該幅方向中央領域の変形誘導部が折れ曲がりの起点となって、ペット用吸収性物品が胴体非対向面側に向かって凸となるように幅方向に折れ曲がり易くなるため、上述の幅方向第1領域及び幅方向第2領域がペットの胴体に更に密着し易くなる。
以上の結果、本態様5のペット用吸収性物品は、ペットから排泄される液状排泄物の漏出をより確実に防ぐことができる上、適正な装着位置から更にズレ難くなっている。
【0017】
更に本発明の別の態様(態様6)では、前記態様1〜5のいずれかのペット用吸収性物品において、前記ペット用吸収性物品は、前記幅方向と交差する方向に延在し且つ前記吸収体と前記厚さ方向に重なる伸縮自在の中央部弾性部材を備える。
【0018】
本態様6のペット用吸収性物品は、幅方向と交差する方向に延在し且つ吸収体と厚さ方向に重なる伸縮自在の中央部弾性部材を備えているため、ペット用吸収性物品の長手方向における両端部が上述の中央部弾性部材の収縮力によって引き寄せられて、ペットの胴体に沿って密着し易くなっている。さらに、このような中央部弾性部材を備えていると、ペットの呼吸等の動作によって胴体寸法が変化するような場合でも、当該胴体寸法の変化に適応してペット用吸収性物品がペットの胴体に密着した状態を維持することができる。
したがって、本態様6のペット用吸収性物品は、ペットの胴体との間に隙間が形成されたり、ペット用吸収性物品が適正な装着位置からズレたりするようなことが、より一層生じ難くなっている。
【0019】
更に本発明の別の態様(態様7)では、前記態様6のペット用吸収性物品において、前記ペット用吸収性物品は、前記厚さ方向において、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これらのシートの間に位置する前記吸収体と、を備え、前記中央部弾性部材は、前記表面シートと前記吸収体との間に配置されている。
【0020】
本態様7のペット用吸収性物品は、上述の中央部弾性部材が表面シートと吸収体との間に配置されているため、かかる中央部弾性部材の収縮力によってペット用吸収性物品がペットの胴体に巻き付くように収縮し易く、装着時の密着性をより良好にすることができる。これにより、本態様7のペット用吸収性物品は、ペットの胴体との間に隙間が形成されたり、更にはペット用吸収性物品が適正な装着位置からズレたりするようなことが、より一層生じ難くなっている。
また、上述の中央部弾性部材が表面シートと吸収体との間に配置されていると、かかる中央部弾性部材が表面シートを通して視認され易くなるため、ペット用吸収性物品をペットに装着する際に、当該中央部弾性部材を目印として適正な位置に装着し易いという利点もある。
【0021】
更に本発明の別の態様(態様8)では、前記態様6のペット用吸収性物品において、前記ペット用吸収性物品は、前記厚さ方向において、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これらのシートの間に位置する前記吸収体と、を備え、前記中央部弾性部材は、前記裏面シートと前記吸収体との間に配置されている。
【0022】
本態様8のペット用吸収性物品は、上述の中央部弾性部材が裏面シートと吸収体との間に配置されているため、吸収体がペットから排泄された液状排泄物を吸収して膨潤したとしても、上述の中央部弾性部材が、膨潤した吸収体に対して外方側から(すなわち、裏面シート側から)覆うようにして収縮力を付与し、ペット用吸収性物品がペットの胴体に密着した状態をより確実に確保することができる。これにより、本態様8のペット用吸収性物品は、吸収体が一定量の液状排泄物を吸収した後においても、ペットの胴体に的確に密着させることができる上、適正な装着位置からズレ難くなっている。
また、上述の中央部弾性部材が裏面シートと吸収体との間に配置されていると、飼い主等がペット用吸収性物品をペットに装着する際に、ペット用吸収物品が表面シート側に(すなわち、胴体対向面側に向かって)凸となるように変形して、上述の変形誘導部が表面シートを通して視認され易くなるため、当該変形誘導部を目印として、飼い主等がペット用吸収性物品を適正な位置に装着し易いという利点もある。
【0023】
更に本発明の別の態様(態様9)では、前記態様1〜8のいずれかのペット用吸収性物品において、前記ペット用吸収性物品は、平面視にて前記幅方向の両端部のそれぞれに、前記長手方向に延在する伸縮自在の側部弾性部材を備える。
【0024】
本態様9のペット用吸収性物品は、平面視にて、幅方向の両端部のそれぞれに、長手方向に延在する伸縮自在の側部弾性部材を備えているため、当該側部弾性部材の収縮力によって上述の変形誘導部の変形を助長することができる上、ペット用吸収性物品の幅方向(すなわち、装着時におけるペットの前後方向)における両端部をペットの胴体に沿ってより的確に密着させることができる。これにより、本態様9のペット用吸収性物品は、ペットから排泄される液状排泄物の漏出を更に確実に防ぐことができる。
【0025】
更に本発明の別の態様(態様10)では、前記態様1〜9のいずれかのペット用吸収性物品において、前記ペット用吸収性物品は、ペットの胴体に装着したときに該ペットの胴体に対向する胴体対向面と、該胴体対向面とは反対側の胴体非対向面と、を有するとともに、前記厚さ方向において、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これらのシートの間に位置する前記吸収体と、前記表面シートよりも胴体対向面側に位置し且つ前記長手方向に延在する伸縮自在の表面部弾性部材と、を備える。
【0026】
本態様10のペット用吸収性物品は、吸収体よりも胴体対向面側に位置し且つ長手方向に延在する伸縮自在の表面部弾性部材を備えているため、当該表面部弾性部材の収縮力によって、上述の変形誘導部の変形を助長することができる上、表面シートとペットの胴体との間に、長手方向に延びる防漏壁を形成し易くなる。これにより、本態様10のペット用吸収性物品は、ペットから排泄された液状排泄物の漏出を更に確実に防ぐことができる。
【0027】
更に本発明の別の態様(態様11)では、前記態様1〜10のいずれかのペット用吸収性物品において、前記吸収体は、平面視にて、前記変形誘導部に対して該変形誘導部が延在する方向の両側に隣接する2つの周辺領域のうちの少なくとも一方の周辺領域と、前記変形誘導部とが異なる剛性を有する。
【0028】
本態様11のペット用吸収性物品は、吸収体において、上述の変形誘導部の周辺領域と、当該変形誘導部とが異なる剛性を有しており、剛性の異なる境界部分を折れ曲がり起点として吸収体が折れ曲がり易く構成されているため、上述の変形誘導部の機能を確保しつつ、一定の吸収性能をも確保することができる。これにより、本態様11のペット用吸収性物品は、ペットの胴体との間の優れた密着性を確保しつつ、尿などの液状排泄物をより的確に吸収することができる。
また、本態様11のペット用吸収性物品は、吸収体に剛性差を形成するだけで、上述の変形誘導部を構築することができるため、当該変形誘導部における変形のし易さや変形する方向、変形する形態等を制御し易く、ペットの体形等に応じたより的確な密着性を実現し易いという利点もある。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ペットの胴体との密着性に優れ、尿などの液状排泄物を適切に吸収することができるペット用吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係るペット用おむつ1の斜視図である。
図2図2は、ペット用おむつ1を展開した状態の平面図である。
図3図3は、ペット用おむつ1における図2のIII−III線に沿った幅方向断面の端面図である。
図4図4は、ペット用おむつ1における図2のIV−IV線に沿った長手方向断面の端面図である。
図5図5は、ペット用おむつ1が胴体対向面側に折れ曲がる様子を模式的に示す、長手方向断面の端面図である。
図6図6は、ペット用おむつ1を犬に装着した状態を示す模式図である。
図7図7は、本発明の第二実施形態に係るペット用おむつ10を展開した状態の平面図である。
図8図8は、本発明の第三実施形態に係るペット用おむつ11を展開した状態の平面図である。
図9図9は、本発明の第四実施形態に係るペット用おむつ12を展開した状態の平面図である。
図10図10は、本発明の第五実施形態に係るペット用おむつ13を展開した状態の平面図である。
図11図11は、本発明の第六実施形態に係るペット用おむつ14を展開した状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明のペット用吸収性物品の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「展開した状態で水平面上に置いた対象物(例えば、吸収性物品、吸収体等)を、垂直方向の上方側から対象物の厚さ方向に見ること」を「平面視」という。特に、対象物が吸収性物品の場合は、吸収性物品を展開した状態で表面シート側から厚さ方向に見ることを、単に「平面視」ということがある。
【0032】
本明細書において用いる各種方向等については、特に断りのない限り、以下のとおりである。
本明細書において、「長手方向」は「平面視における縦長の対象物の長さの長い方向」を指し、「幅方向」は「平面視における縦長の対象物の長さの短い方向(短手方向)」を指し、「厚さ方向」は「展開した状態で水平面上に置いた対象物に対して垂直方向」を指す。これらの長手方向、幅方向及び厚さ方向は、それぞれ互いに直交する関係にある。
さらに、本明細書では、「縦長の対象物(例えば、吸収性物品、吸収体等)の幅方向において、長手方向に延びる幅方向中央軸線に相対的に近位側」を「幅方向の内方側」といい、「縦長の対象物の幅方向において、長手方向に延びる幅方向中央軸線から相対的に遠位側」を「幅方向の外方側」という。
また、本明細書では、「吸収性物品が装着される対象のペットの胴体が延びる方向において、ペットの頭部に対して相対的に近位側となる一方側」を「ペットの前方側」といい、「吸収性物品が装着される対象のペットの胴体が延びる方向において、ペットの頭部に対して相対的に遠位側(すなわち、ペットの臀部に対して相対的に近位側)となる他方側」を「ペットの後方側」という。なお、本明細書においては、「ペットの前方側へ向かう方向」及び「ペットの後方側へ向かう方向」をそれぞれ「ペットの前方」及び「ペットの後方」ということがある。
さらに、本明細書では、特に断りのない限り、「吸収性物品の厚さ方向において、吸収性物品をペットの胴体に装着したときに、ペットの胴体に対して相対的に近位側となる一方側」を「胴体対向面側」といい、「吸収性物品の厚さ方向において、吸収性物品をペットの胴体に装着したときに、ペットの胴体に対して相対的に遠位側となる一方側」を「胴体非対向面側」という。なお、本明細書においては、吸収性物品を構成する各種部材(例えば、表面シート、吸収体、裏面シート、バックフィルム等)の「胴体対向面側の表面」及び「胴体非対向面側の表面」を、それぞれ単に「胴体対向面」及び「胴体非対向面」という。なお、「胴体対向面」と「胴体非対向面」は、互いに反対側の面である。
【0033】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係るペット用おむつ1の斜視図であり、図2は、ペット用おむつ1を展開した状態の平面図である。そして、図3は、ペット用おむつ1における図2のIII−III線に沿った幅方向断面の端面図であり、図4は、ペット用おむつ1における図2のIV−IV線に沿った長手方向断面の端面図である。
【0034】
本発明の第一実施形態に係るペット用おむつ1は、図1及び図2に示すように、平面視にて、長手方向L及び幅方向Wを有する縦長の外形形状(具体的には、矩形状の外形形状)を有しており、上述の長手方向Lがペットの背部及び腹部を含む胴回りの方向(胴回り方向)に対応するようにして、ペットの胴回りに沿って巻き付けられるように構成されている。
なお、本発明において、ペット用吸収性物品の外形形状及び外形寸法は、このような外形形状に限定されず、ペットの胴体回り長さよりも長い長手方向長さを有する長形状のものであれば、ペットの種類や体型、サイズ等に応じて任意の縦長の外形形状(例えば、長方形、楕円形、瓢箪形など)及び外形寸法を採用することができる。
【0035】
ペット用おむつ1は、図1図4に示すように、厚さ方向Tにおいて、胴体対向面側Daに位置する液透過性の表面シート2と、胴体非対向面側Dbに位置する液不透過性の裏面シート3と、これら各シートの間に位置し且つペット用おむつ1の長手方向L(装着時には、ペットの胴回り方向となる方向)に直交する幅方向W(装着時には、ペットの前後方向となる方向)に延在する2本のスリット40(変形誘導部)を備えた吸収体4と、を基本構成として備えており、ペットから排泄された尿などの液状排泄物を、厚さ方向Tに浸透させながら吸収体4にて吸収及び保持することができるように構成されている。
さらに、ペット用おむつ1は、吸収体4と裏面シート3との間に配置されたバックフィルム5と、表面シート2の胴体対向面側Daにおいてペット用おむつ1の長手方向Lに延びる幅方向中央軸線の両側に配置された一対のサイドシート6と、裏面シート3の胴体非対向面においてペット用おむつ1の長手方向Lにおける一方の端部に配置された係合部7と、を備えており、ペット用おむつ1をペットの胴体に着実に装着できるようにし、ペットから排泄された尿などの液状排泄物が外部に漏出し難いように構成されている。
なお、ペット用おむつ1を構成する上述の各種部材のうち、吸収体4は、平面視にて、ペット用おむつ1の長手方向Lに延びる幅方向中央軸線を含む中央領域において、ペット用おむつ1の長手方向Lの広範な範囲に亘って延在するように配置されており、表面シート2と裏面シート3は、かかる吸収体4を胴体対向面側及び胴体非対向面側の両側から覆うようにして、ペット用おむつ1の長手方向Lにおける一方側の端縁から他方側の端縁に亘って延在するように配置されている。
【0036】
また、本第一実施形態に係るペット用おむつ1は、図1図3に示すように、上述の裏面シート3と吸収体4との間において吸収体4の幅方向Wにおける両端部と厚さ方向Tに重なる位置にそれぞれ配置され、且つ、長手方向Lに延在する、長手方向Lに伸縮自在の一対の中央部弾性部材CGと、上述のサイドシート6と裏面シート3との間においてペット用おむつ1の幅方向Wにおける両端部の位置にそれぞれ配置され、且つ、長手方向Lに延在する、長手方向Lに伸縮自在の側部弾性部材SGと、上述の表面シート2の胴体対向面側Daに位置する一対のサイドシート6の前記幅方向Wの内方側の端部にそれぞれ配置され、且つ、長手方向Lに延在する、長手方向Lに伸縮自在の一対の表面部弾性部材TGと、を更に備えている。
これらの弾性部材の各々の機能については後述するが、ペット用おむつ1は、これらの弾性部材を備えることによって長手方向Lに伸縮性を有しているため、かかるペット用おむつ1をペットの胴体に装着する際に、ペット用おむつ1におけるペットの胴回り方向に沿う周長(すなわち、平面視における長手方向長さ)が縮小して、ペット用おむつ1がペットの体形に合わせて密着し易くなっている。また、ペットの胴体に装着されたペット用おむつ1は、ペットの呼吸等の動作に伴う胴回り寸法の変化などに合せて、ペットの胴回り方向(すなわち、平面視における長手方向L)に伸縮可能であるため、ペット用おむつ1がペットの胴体に密着した状態を長時間に亘って維持し易くなっている。
【0037】
なお、上述の係合部7は、裏面シート3の胴体非対向面に接合された帯状の基部と、該基部から胴体非対向面側Dbに突出する複数のフック部材とからなるメカニカルファスナーによって構成されており、ペット用おむつ1をペットの腹部側から胴回りに沿わせて装着するときに、ペットの背部側において、表面シート2の胴体対向面の任意の部分に上述のフック部材を係合させることができる。このような係合部7を備えることによって、ペット用おむつ1は、ペットの胴体の適切な位置において、ペットの胴回り寸法に合わせて的確に装着することができる。
【0038】
そして、本第一実施形態に係るペット用おむつ1においては、図1図2及び図4に示すように、吸収体4が、平面視にて、幅方向Wに延在する2本のスリット40からなる変形誘導部を備えている。この変形誘導部を構成するスリット40は、吸収体4を厚さ方向Tに貫通する切り目であり、該スリット40が延びる方向(すなわち、スリット40の長手方向)と、該方向と直交する方向(すなわち、スリット40の幅方向)と、を有している。なお、本第一実施形態において、スリットの長手方向は、ペット用おむつ1の幅方向Wに平行である。
また、本第一実施形態においては、変形誘導部を構成するスリット40が、図2に示すように、吸収体4の前記幅方向Wにおける一方の端縁から他方の端縁に亘って延在しているため、吸収体4は、かかる2本のスリット40によって長手方向Lに3つに分断された状態で、ペット用おむつ1の内部に配置されている。なお、かかるスリットの構造は、後述するように、本発明においては必須の構成要件ではなく、上述のスリットは、吸収体の前記幅方向における一方の端縁から他方の端縁にまで延在していなくてもよく(すなわち、吸収体の前記幅方向の一部分に延在していてもよく)、吸収体の厚さ方向に貫通していなくてもよい(すなわち、吸収体の厚さ方向に非貫通の凹部(より具体的には、胴体対向面側から窪む凹部及び/又は胴体非対向面側から窪む凹部)として形成されていてもよい)。
【0039】
ここで、図5は、ペット用おむつ1が胴体対向面側Daに折れ曲がる様子を模式的に示す、長手方向断面の端面図である。
本第一実施形態に係るペット用おむつ1は、平面視にて、幅方向W(本発明における「吸収性物品の長手方向に交差する方向」の一例である。)に延在する2本のスリット40からなる変形誘導部を備えた吸収体4を含むものであるため、ペット用おむつ1をペットの胴体に装着する際に、図5に示すように、上述の変形誘導部によって(より具体的には、上述の変形誘導部が折れ曲がり起点となって)吸収体4がペットの胴体に沿って折れ曲がり易くなっている。これにより、ペット用おむつ1は、ペットの胴体との間に隙間が形成されたり、ペット用吸収性物品の装着位置が適正な位置からズレたりするようなことが生じ難くなっている。
したがって、本第一実施形態に係るペット用おむつ1は、ペットの胴体との密着性に優れ、尿などの液状排泄物を適切に吸収することができる。
【0040】
本第一実施形態に係るペット用おむつ1は、次のようにしてペットの胴体に装着される。なお、図6は、ペット用おむつ1を犬(「ペット」の一例である。)に装着した状態を示す模式図である。
まず、ペット用おむつ1は、長手方向Lがペットの前後方向と交差し(すなわち、幅方向Wがペットの前後方向に対応し)且つ吸収体4がペットの排泄部(尿道口)に対向するようにして、ペットの腹部にあてがわれる。そして、ペットの腹部にあてがわれたペット用おむつ1は、かかる腹部からペットの胴回りに沿って胴体に巻き付けられる。このとき、ペットの背部において、ペット用おむつ1の長手方向Lにおける一方の端部が、他方の端部の上(胴体非対向面上)に重ねられ、かかる一方の端部において裏面シート3の胴体非対向面に配置された係合部7によって係合固定される。このようにして、ペット用おむつ1は、図6に示すように、ペットの胴体に装着される。
【0041】
ここで、本発明のペット用吸収性物品が適用される対象の「ペット」は、ペットとして飼育され得る動物であって、排泄部(尿道口)が下腹部に位置する雄犬などの「オス」の動物であれば特に限定されず、例示した犬(雄犬)のほか、例えば、猫や猿などの様々な種類の動物を対象とすることができる。
【0042】
また、本発明のペット用吸収性物品が吸収及び保持する対象の「液状排泄物」は、後述する吸収体に吸収及び保持され得るものであれば特に制限されず、例えば、尿や血液などの液状乃至低粘度の各種体液が挙げられる。
【0043】
以下、本発明のペット用吸収性物品を構成する各種部材について、第一実施形態に係るペット用おむつ1等を用いて更に詳細に説明する。
【0044】
[表面シート]
本発明の第一実施形態に係るペット用おむつ1において、表面シート2は、図2図4に示すように、平面視にて、ペット用おむつ1の長手方向L及び幅方向Wに延在する縦長の矩形状の外形形状を有し、ペット用おむつ1の厚さ方向Tの胴体対向面側Daに配置されて、装着対象のペットの身体に直に接触し得る液透過性シート部材によって構成されている。本発明において、かかる液透過性シート部材は、ペット用吸収性物品の表面シートとして用い得る諸特性(例えば、液透過性や柔軟性等)を有するものであれば特に制限されず、例えば、スパンレース不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS不織布等)などの任意の不織布を用いることができる。また、表面シートとして用い得る不織布の構造は、特に制限されず、平坦な無孔の不織布のほか、例えば、有孔の不織布、凹凸構造(断面形状が波形となる凹凸構造や畝溝構造等)を有する不織布なども好適に用いることができる。また、かかる不織布に用いられる繊維の種類も特に制限されず、例えば、セルロース系繊維;親水化処理を施したオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維などの親水性繊維が挙げられ、これらの繊維は単独で使用しても、二種類以上の繊維を併用してもよい。
【0045】
本発明において、表面シートの寸法形状は、吸収体の胴体対向面を被覆することができるものであれば特に制限されず、ペット用吸収性物品の装着対象動物の大きさや体型などに応じた任意の寸法形状を採用することができる。また、表面シートの坪量は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、5g/m2〜100g/m2の範囲内の坪量を採用することができるが、液透過性や柔軟性などの点から6g/m2〜50g/m2の範囲内の坪量が好ましい。なお、坪量は、JIS L 1906の5.2に従って測定することができる。
【0046】
さらに、表面シートの厚みについても、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.001mm〜5.0mmの範囲内の厚みを採用することができるが、液透過性や柔軟性などの点から0.01mm〜3.0mmの範囲内の厚みが好ましく、さらに、0.1mm〜1.0mmの範囲内の厚みがより好ましい。
【0047】
なお、表面シート等のシート部材の厚みは、以下の測定法により得ることができる。
<シート部材の厚み測定法>
(1)測定対象のシート部材から、所定サイズ(例えば、100mm×100mm)のサンプルシートを切り出す。
(2)切り出したサンプルシートを、カトーテック(株)の自動化圧縮試験機「KES FB−3A」にセットして、当該試験機の測定端子によるサンプルシートへの圧力が49Paのときの厚み(mm)を測定し、この厚み(mm)をサンプルシートの厚みとする。
【0048】
[裏面シート]
本発明の第一実施形態に係るペット用おむつ1において、裏面シート3は、図2図4に示すように、平面視にて、ペット用おむつ1の長手方向L及び幅方向Wに延在する縦長の矩形状の外形形状を有し、ペット用おむつ1の厚さ方向Tの胴体非対向面側Dbに配置されて、装着対象のペットから排泄された尿などの液状排泄物の漏出を防ぐ液不透過性シート部材によって構成されている。本発明において、かかる液不透過性シート部材は、ペット用吸収性物品の裏面シートとして用い得る諸特性(例えば、液不透過性や通気性、柔軟性等)を有するものであれば特に制限されず、例えば、疎水性を有する不織布、SMS積層不織布、液不透過性のプラスチック製フィルム、及びこれらのシートを任意に組み合わせた積層シートなどを用いることができる。
【0049】
本発明において、裏面シートの寸法形状は、吸収体の胴体非対向面を被覆することができ、且つ、装着対象のペットから排泄された液状排泄物の漏出を防止し得るものであれば特に制限されず、装着対象動物の大きさや体型などに応じた任意の寸法形状を採用することができる。また、裏面シートの厚みについても、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.001mm〜5.0mmの範囲内の厚みを採用することができるが、液不透過性や柔軟性、通気性などの点から0.003mm〜3.0mmの範囲内の厚みが好ましく、更には、0.01mm〜1.0mmの範囲内の厚みがより好ましい。
【0050】
[吸収体]
本発明の第一実施形態に係るペット用おむつ1において、吸収体4は、図2図4に示すように、平面視にて、ペット用おむつ1の長手方向L及び幅方向Wに延在する、全体として縦長の矩形状の外形形状を有し、ペット用おむつ1の厚さ方向Tにおいて表面シート2と裏面シート3との間に配置され、表面シート2を透過してきたペットの尿などの液状排泄物を吸収して保持する吸水性部材によって構成されている。かかる吸収体4は、図2に示すように、平面視にて、ペット用おむつ1の幅方向Wに延びる長手方向中央軸線(不図示)を長手方向Lに跨いで延在するとともに、長手方向Lに延びる幅方向中央軸線(不図示)を幅方向Wに跨いで延在するように配置されている。なお、本発明において、吸収体の平面視における全体の外形形状は、上述のような矩形状のものに限定されず、長手方向Lの長さが幅方向Wの長さよりも長い長形状のものであれば、対象動物の体型等に応じて任意の縦長の形状(例えば、砂時計形や楕円形など)を採用することができる。
【0051】
本発明において、吸収体を構成する吸水性部材は、ペットから排泄された尿などの液状排泄物を吸収して保持することのでき、且つ、スリット等の変形誘導部を備えたものであれば特に限定されず、当分野において公知の任意の吸水性部材を用いることができる。そのような吸水性部材の例としては、パルプ等の吸水性繊維及び/又は高吸収性ポリマーを含む吸収性材料からなる吸収コアを、少なくとも1枚の親水性を有するティッシュ等の液透過性被覆シートによって覆ったものなどが挙げられる。
【0052】
そして、ペット用おむつ1において、吸収体4は、図2及び図4に示すように、平面視にて、幅方向Wに延在する2本のスリット40からなる変形誘導部を備えている。この変形誘導部を構成する2本のスリット40は、吸収体4を厚さ方向Tに貫通し、吸収体4の前記幅方向Wにおける一方の端縁から他方の端縁に亘って延在している。このため、吸収体4は、かかる2本のスリット40によって長手方向Lに3つに分断された状態で、ペット用おむつ1の内部に配置されている。
【0053】
このように吸収体4が、平面視にて、ペット用おむつ1の長手方向L(すなわち、ペット用おむつ1の装着時に、ペットの胴回り方向に対応する方向)に直交する幅方向Wに延在する変形誘導部(すなわち、2本のスリット40)を備えていると、ペット用おむつ1をペットの胴体に装着する際に、上述の幅方向Wに延在する変形誘導部によって吸収体4がペットの胴体に沿って上述の長手方向Lに折れ曲がり易くなるため(図5を参照)、かかる吸収体4を含むペット用おむつ1は、ペットの胴体との間に隙間が形成されたり、ペット用おむつ1の装着位置が適正な位置からズレたりするようなことが生じ難い。これにより、ペット用おむつ1は、ペットの胴体との密着性に優れるとともに、尿などの液状排泄物を適切に吸収することができる。
【0054】
本発明において、変形誘導部の延在する方向は、平面視にて、ペット用吸収性物品の長手方向に交差する方向であれば、上述の第一実施形態の幅方向に限定されず、ペットの種類や体型等に応じた任意の方向を採用することができる。
なお、本明細書において、「所定の一方向(例えば、ペット用吸収性物品の長手方向又は幅方向等)に交差する方向」は、「かかる所定の一方向とのなす角度が45°以上、90°以下の範囲内となる方向(例えば、ペット用吸収性物品の幅方向又は長手方向等)」を意味する。したがって、上述の長手方向に交差する方向とは、当該長手方向とのなす角度が45°以上、90°以下となる方向を意味する。
【0055】
本発明のペット用吸収性物品において、変形誘導部の態様は、本発明の効果を阻害しないものであれば上述の第一実施形態のものに限定されず、ペットの種類や体型等に応じた任意の態様を採用することができる。
以下に、本発明のペット用吸収性物品に採用し得る変形誘導部の態様について、上述の第一実施形態とは異なる別の実施形態(すなわち、第二実施形態〜第五実施形態)を例示しつつ、更に詳細に説明する。なお、上述の第一実施形態と異なる部分以外の構成については、基本的に上述の第一実施形態と同様の構成を備えているため、説明を省略する。
【0056】
<第二実施形態>
図7は、本発明の第二実施形態に係るペット用おむつ10を展開した状態の平面図である。本第二実施形態に係るペット用おむつ10において、吸収体4は、図7に示すように、平面視にて、吸収体4を前記長手方向Lに3等分する長手方向第1領域L、長手方向中央領域L及び長手方向第2領域Lをこの順で有し、ペット用おむつ10の幅方向Wに延在する1本のスリット41からなる変形誘導部が上述の長手方向中央領域Lに配置されている。かかる変形誘導部を構成する1本のスリット41は、吸収体4を厚さ方向Tに貫通し、吸収体4の前記幅方向Wにおける一方の端縁から他方の端縁に亘って延在している。このため、吸収体4は、かかる1本のスリット41によって長手方向Lに2つに分断された状態で、ペット用おむつ10の内部に配置されている。
【0057】
なお、本第二実施形態においては、変形誘導部は、上述の長手方向中央領域Lのみに配置されているが、本発明においては、このような配置形態に限定されず、変形誘導部は、上述の長手方向中央領域L以外の長手方向の領域(すなわち、長手方向第1領域L及び長手方向第2領域Lの少なくとも一方の領域)にも同様に配置することができる。このように、吸収体4の変形誘導部が少なくとも長手方向中央領域Lに配置されていると、吸収体4が雄のペットの排泄部に沿って該排泄部を覆うように折れ曲がり易くなり、ペット用おむつ10をペットの胴体に装着したときに、吸収体4とペットの排泄部との位置がペットの胴回り方向にズレ難くなる。これにより、本第二実施形態に係るペット用おむつ10は、ペットから排泄される尿などの液状排泄物をより的確に吸収することができる。
【0058】
<第三実施形態>
また、図8は、本発明の第三実施形態に係るペット用おむつ11を展開した状態の平面図である。本第三実施形態に係るペット用おむつ11において、吸収体4は、図8に示すように、平面視にて、吸収体4を前記長手方向Lに3等分する長手方向第1領域L、長手方向中央領域L及び長手方向第2領域Lをこの順で有するとともに、ペット用おむつ11の幅方向Wに延在する1本のスリット42からなる変形誘導部が、上述の長手方向第1領域L及び長手方向第2領域Lの両方の領域にそれぞれ配置されている。かかる変形誘導部を構成するスリット42は、吸収体4を厚さ方向Tに貫通し、吸収体4の前記幅方向Wにおける一方の端縁から他方の端縁に亘って延在している。このため、吸収体4は、上述の長手方向第1領域L及び長手方向第2領域Lのそれぞれの領域に配置されたスリット42によって長手方向Lに3つに分断された状態で、ペット用おむつ11の内部に配置されている。
【0059】
なお、本第三実施形態においては、変形誘導部は、上述の長手方向第1領域L及び長手方向第2領域Lのそれぞれの領域に配置されているが、本発明においては、このような配置形態に限定されず、変形誘導部は、上述の長手方向第1領域L及び長手方向第2領域Lのいずれか一方の領域のみに配置されていてもよい。このように、吸収体4の変形誘導部が上述の長手方向第1領域L及び長手方向第2領域Lの少なくとも一方の領域に配置されていると、ペット用おむつ11をペットの胴体に装着する際に、ペット用おむつ11をペットの胴体に沿わせつつ、ペット用おむつ11の長手方向Lにおける一方の端部に配置された係合部7により、該一方の端部を適正な位置で係合固定することができる。さらに、ペット用おむつ11をペットの胴体に装着した後は、吸収体4がペットの胴体に沿って折れ曲がった状態から、元の状態へ戻り難くなる(すなわち、吸収体4がペットの胴体から離間する方向へ変形し難くなる)ため、上述の係合固定した状態を維持し易く、ペット用おむつ11とペットの胴体との間に隙間が形成されたり、ペット用おむつ11が適正な装着位置からズレたりするようなことが、より生じ難くなる。
【0060】
<第四実施形態>
また、図9は、本発明の第四実施形態に係るペット用おむつ12を展開した状態の平面図である。本第四実施形態に係るペット用おむつ12において、吸収体4は、図9に示すように、平面視にて、吸収体4を前記幅方向Wに3等分する幅方向第1領域W、幅方向中央領域W及び幅方向第2領域Wをこの順で有するとともに、ペット用おむつ12の幅方向Wに所定長さで延在する、1個のスリット43からなる変形誘導部が、上述の幅方向第2領域Wに配置されている。かかる変形誘導部を構成するスリット43は、吸収体4を厚さ方向Tに貫通し、吸収体4の前記幅方向第2領域Wにおいて前記幅方向Wの一方の端部から他方の端部に亘って延在している。このため、吸収体4は、図9に示すように、上述の幅方向第2領域Wに配置されたスリット43によって長手方向Lに延びる幅方向Wの端縁が一部切り欠かれた状態で、ペット用おむつ12の内部に配置されている。
【0061】
なお、本第四実施形態においては、変形誘導部は、上述の幅方向第2領域Wのみに配置されているが、本発明においては、このような配置形態に限定されず、変形誘導部は、上述の幅方向第1領域Wのみに配置されていても、幅方向第1領域Wと幅方向第2領域Wの両方の領域に配置されていてもよい。このように、吸収体4の変形誘導部が上述の幅方向第1領域W及び幅方向第2領域Wの少なくとも一方の領域に配置されていると、ペットの体形やペットの呼吸等の動作に伴う胴回り寸法の変化などに合せて、ペット用おむつ12を変形し易くすることができる。すなわち、吸収体4の変形誘導部が、ペット用おむつ12をペットの胴体に装着したときにペットの後方側(臀部側)となる上述の幅方向Wの領域(例えば、幅方向第2領域W)に設けられていると、ペット用おむつ12をペットの胴体に装着する際に、ペットの体形に起因するペットの前後方向(すなわち、ペット用おむつ12における幅方向W)における異なる胴回り寸法に対応して、ペット用おむつ12をペットの胴体に沿わせながら的確に装着し易くなる。一方、吸収体4の変形誘導部が、ペット用おむつ12をペットの胴体に装着したときにペットの前方側(頭部側)となる上述の幅方向Wの領域(例えば、幅方向第1領域W)に設けられていると、ペット用おむつ12をペットの胴体に装着したときに、ペットの呼吸等の動作に起因するペットの前後方向における胴回り寸法の変化に追従して吸収体4、ひいてはペット用おむつ12が変形して、ペット用おむつ12がペットの胴体に密着した状態を良好に維持することができる。
以上の結果、本第四実施形態に係るペット用おむつ12は、ペットの胴体との密着性に優れる上、適正な装着位置から(特に、ペットの前後方向に)よりズレ難くなっている。特に、上述の変形誘導部が少なくとも長手方向中央領域Lにも配置されている場合は、吸収体4の変形誘導部を雄のペットの排泄部の先端部分に対応するように配置することができるため、ペット用おむつ12をペットの胴体に装着したときに、吸収体4とペットの排泄部との位置がペットの胴回り方向に更にズレ難くなり、ペットから排泄される液状排泄物を更に的確に吸収することができる。
【0062】
なお、図9によれば、本第四実施形態における変形誘導部は、平面視にて、吸収体4の長手方向中央領域Lと、上述の幅方向第2領域Wとが重複する領域に配置されているが、本発明においては、吸収体の変形誘導部は、長手方向第1領域及び長手方向第2領域の少なくとも一方の領域と、上述の幅方向第1領域及び幅方向第2領域の少なくとも一方の領域とが重複する領域に配置されていてもよい。変形誘導部がこのような領域に配置されていると、変形誘導部が上述の各領域に配置されることによって奏されるそれぞれの効果を複合的に得ることができる。
【0063】
<第五実施形態>
さらに、図10は、本発明の第五実施形態に係るペット用おむつ13を展開した状態の平面図である。本第五実施形態に係るペット用おむつ13において、吸収体4は、図10に示すように、平面視にて、吸収体4を前記幅方向Wに3等分する幅方向第1領域W、幅方向中央領域W及び幅方向第2領域Wをこの順で有するとともに、ペット用おむつ13の幅方向Wに所定長さで延在する、1個のスリット44からなる変形誘導部が、上述の幅方向中央領域Wに配置されている。かかる変形誘導部を構成するスリット44は、吸収体4を厚さ方向Tに貫通し、吸収体4の幅方向中央領域Wにおいて前記幅方向Wの一方の端部から他方の端部に亘って延在している。このため、吸収体4は、図10に示すように、上述の幅方向中央領域Wに配置されたスリット43によって、長手方向Lに延びる幅方向中央領域Wが一部切り欠かれた状態で、ペット用おむつ13の内部に配置されている。
【0064】
吸収体4の変形誘導部が上述の幅方向中央領域Wに配置されていると、当該幅方向中央領域Wにおいて、ペット用おむつ13が胴体非対向面側Dbに向かって凸となるように折れ曲がり易く、ペット用おむつ13とペットの胴体との間に上述の排泄物収容空間を局所的に形成することができる。これにより、ペット用おむつ13は、ペットが大量の液状排泄物を排泄したとしても、当該液状排泄物を上述の排泄物収容空間にて保持することができ、かかる液状排泄物の漏出をより確実に防ぐことができる。加えて、吸収体4の変形誘導部がこのような幅方向中央領域Wに配置されていると、当該幅方向中央領域Wの変形誘導部が折れ曲がりの起点となって、ペット用おむつ13が胴体非対向面側Dbに向かって凸となるように幅方向Wに折れ曲がり易くなるため、上述の幅方向第1領域W及び幅方向第2領域Wがペットの胴体に更に密着し易くなる。
以上の結果、本第五実施形態に係るペット用おむつ13は、ペットから排泄される液状排泄物の漏出をより確実に防ぐことができる上、適正な装着位置から更にズレ難くなっている。
【0065】
なお、本第五実施形態においては、変形誘導部は、吸収体4の長手方向中央領域Lと上述の幅方向中央領域Wとが重複する領域に配置されているが、本発明においては、このような配置形態に限定されず、変形誘導部は、上述の幅方向中央領域と、長手方向第1領域、長手方向中央領域及び長手方向第2領域の少なくとも一つの領域とが重複する領域に配置されていてもよい。変形誘導部がこのように配置されていると、変形誘導部が上述の各領域に配置されることによって奏されるそれぞれの効果を複合的に得ることができる。
【0066】
次に、本発明のペット用吸収性物品において、吸収体が備える変形誘導部の構成乃至形成手段について説明する。
上述の各実施形態においては、変形誘導部は、吸収体4を厚さ方向Tに貫通し、且つ、吸収体4の前記幅方向Wの少なくとも一部分に延在するスリットによって構成されているが、本発明においては、このようなスリットに限定されず、吸収体の変形を誘導し得る任意の構成等を採用することができる。例えば、変形誘導部は、平面視にて、当該変形誘導部に対して、変形誘導部が延在する方向の両側に隣接する2つの周辺領域のうちの少なくとも一方の周辺領域が当該変形誘導部とは異なる剛性を有するように吸収体を形成することによって(すなわち、吸収体の所定部分(変形誘導部)とその周辺部分(周辺領域)における剛性差を利用することによって)、構成されていてもよい。
【0067】
なお、上述の変形誘導部と周辺領域とが異なる剛性を呈するような吸収体の構成としては、特に制限されないが、例えば、(1)変形誘導部における吸収体の坪量に対して、周辺領域における吸収体の坪量が高い或いは低い構成、(2)変形誘導部における吸収体の密度に対して、周辺領域における吸収体の密度が高い或いは低い構成、(3)変形誘導部における吸収体の厚みに対して、周辺領域における吸収体の厚みが大きい或いは小さい構成などが挙げられる。このような吸収体の構成は、例えば、エンボス加工や吸収体を構成する吸収性材料の配合調整、切欠き加工などの当分野において既知の任意の方法によって実現することができる。なお、上述の各実施形態における、スリットからなる変形誘導部を備えた吸収体は、上記(1)の吸収体の構成に含まれる。
【0068】
このように、吸収体が、ペット用吸収性物品の長手方向に交差する方向に延在する変形誘導部と、その変形誘導部が延在する方向の両側に隣接する2つの周辺領域のうちの少なくとも一方の周辺領域とが異なる剛性を有するように構成されていると、剛性の異なる境界部分を折れ曲がり起点として吸収体が前記長手方向L(すなわち、ペット用吸収性物品の装着時に、ペットの胴回り方向に対応する方向)に折れ曲がり易くなるため、かかる吸収体は、上述の変形誘導部の機能を確保しつつ、一定の吸収性能をも確保することができる。これにより、かかる吸収体を含むペット用吸収性物品は、ペットの胴体との間の優れた密着性を確保しつつ、尿などの液状排泄物をより的確に吸収することができる。
また、このような吸収体を含むペット用吸収性物品は、吸収体に剛性差を形成するだけで、上述の変形誘導部を構築することができるため、当該変形誘導部における変形のし易さや変形する方向、変形する形態等を制御し易く、ペットの体形等に応じたより的確な密着性を実現し易いという利点もある。
【0069】
[中央部弾性部材]
次に、本発明のペット用吸収性物品に採用し得る中央部弾性部材について、上述の第一実施形態に係るペット用おむつ1を用いて説明する。
第一実施形態に係るペット用おむつ1において、中央部弾性部材CGは、図2及び図3に示すように、前記長手方向Lに延在する伸縮自在の弾性糸によって構成され、上述の裏面シート3と吸収体4との間において、吸収体4の幅方向Wにおける両端部と厚さ方向Tに重なる位置にそれぞれ配置されて、ペット用おむつ1に長手方向Lの収縮力を付与する弾性部材である。
【0070】
このような中央部弾性部材CGが裏面シート3と吸収体4との間に配置されていると、ペット用おむつ1の装着時に、吸収体4が液状排泄物を吸収して膨潤したとしても、上述の中央部弾性部材CGが、膨潤した吸収体4に対して外方側から(すなわち、裏面シート3側から)覆うようにして収縮力を付与することができるため、ペット用おむつ1がペットの胴体に密着した状態をより確実に確保することができる。これにより、ペット用おむつ1は、吸収体4が一定量の液状排泄物を吸収した後においても、ペットの胴体に的確に密着させることができる上、適正な装着位置からズレ難くなる。
また、上述の中央部弾性部材CGが裏面シート3と吸収体4との間に配置されていると、飼い主等がペット用おむつ1をペットに装着する際に、かかるペット用おむつ1が表面シート2側に(すなわち、胴体対向面側Daに向かって)凸となるように変形して、上述の変形誘導部が表面シート2を通して視認され易くなるため、当該変形誘導部を目印として、飼い主等がペット用おむつ1を適正な位置に装着し易いという利点もある。
【0071】
なお、本発明のペット用吸収性物品において、上述の中央部弾性部材の配置形態は、ペット用吸収性物品の幅方向と交差する方向に延在し且つ吸収体と前記厚さ方向に重なる位置に配置される限り、上述の第一実施形態に限定されず、ペットの種類や体型等に応じた任意の位置に配置することができる。このような中央部弾性部材が、ペット用吸収性物品の幅方向と交差する方向に延在し且つ吸収体と前記厚さ方向に重なる位置に配置されていると、ペット用吸収性物品の長手方向における両端部が上述の中央部弾性部材の収縮力によって引き寄せられて、ペットの胴体に沿って密着し易くなる上、ペットの呼吸等の動作によって胴体寸法が変化するような場合でも、当該胴体寸法の変化に適応してペット用吸収性物品がペットの胴体に密着した状態を維持することができるため、ペット用吸収性物品とペットの胴体との間に隙間が形成されたり、ペット用吸収性物品が適正な装着位置からズレたりするようなことが、より一層生じ難くなる。
【0072】
また、本発明のペット用吸収性物品において、上述の中央部弾性部材は、表面シートと吸収体との間に配置されていてもよい。かかる中央部弾性部材の配置形態について、本発明の第六実施形態に係るペット用おむつ14を用いて説明する。
図11は、本発明の第六実施形態に係るペット用おむつ14を展開した状態の平面図である。この第六実施形態に係るペット用おむつ14は、長手方向Lに延びる一対の中央部弾性部材CG’が表面シート2と吸収体4との間に配置されていること以外は、上述の第一実施形態に係るペット用おむつ1と同様の構成を備えている。
【0073】
この第六実施形態に係るペット用おむつ14において、中央部弾性部材CG’は、図11に示すように、前記長手方向Lに延在する伸縮自在の弾性糸によって構成され、上述の表面シート2と吸収体4との間において、吸収体4の幅方向Wにおける両端部と厚さ方向Tに重なる位置にそれぞれ配置されて、ペット用おむつ14に長手方向Lの収縮力を付与する弾性部材である。
このように、上述の中央部弾性部材CG’が表面シート2と吸収体4との間に配置されていると、かかる中央部弾性部材CG’の収縮力によってペット用おむつ14がペットの胴体に巻き付くように収縮し易く、装着時の密着性をより良好にすることができるため、ペット用おむつ14とペットの胴体との間に隙間が形成されたり、ペット用おむつ14が適正な装着位置からズレたりするようなことが、より一層生じ難くなる。
また、上述の中央部弾性部材CG’が表面シート2と吸収体4との間に配置されていると、かかる中央部弾性部材CG’が表面シート2を通して視認され易くなるため、飼い主等がペット用おむつ14をペットに装着する際に、当該中央部弾性部材CG’を目印として適正な位置に装着し易いという利点もある。
【0074】
なお、本発明において、吸収体と厚さ方向に重なる位置に配置される中央部弾性部材の数は、本発明の効果を阻害しない限り上述の各実施形態に限定されず、中央部弾性部材は、ペットの種類や体型等に応じて、例えば、吸収体の前記幅方向における両端部のうちのいずれか一方の端部と厚さ方向に重なる位置のみに1本又は2本以上配置されていてもよいし、吸収体の前記幅方向における両端部と厚さ方向に重なるそれぞれの位置に、1本ずつ又は2本ずつ以上配置されていてもよい。
【0075】
また、本発明において、上述の中央部弾性部材は、展開した状態のペット用吸収性物品に長手方向の収縮力を付与し得る部材であれば特に限定されず、例えば、天然ゴムからなる糸ゴムや平ゴム;ウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性エラストマーを糸状又は帯状に成形した伸縮性成形体;伸縮性不織布等の伸縮性シート部材などの任意の弾性部材を用いることができる。
【0076】
[側部弾性部材]
次に、本発明のペット用吸収性物品に採用し得る側部弾性部材について、上述の第一実施形態に係るペット用おむつ1を用いて説明する。
第一実施形態に係るペット用おむつ1において、側部弾性部材SGは、図2及び図3に示すように、前記長手方向Lに延在する伸縮自在の2本1組の弾性糸(すなわち、ペット用おむつ1内において合計4本の弾性糸)によって構成され、サイドシート6と裏面シート3との間においてペット用おむつ1の幅方向Wにおける両端部(より具体的には、吸収体4の前記幅方向の外方側)の位置にそれぞれ配置されて、ペット用おむつ1に長手方向Lの収縮力を付与する弾性部材である。
【0077】
このような側部弾性部材SGがペット用おむつ1の幅方向Wにおける両端部のそれぞれに配置されていると、ペット用おむつ1の装着時に、かかる側部弾性部材SGの収縮力によって上述の変形誘導部の変形を助長することができる上、ペット用おむつ1の幅方向W(すなわち、装着時におけるペットの前後方向)における両端部をペットの胴体に沿ってより的確に密着させることができるため、ペットから排泄される液状排泄物の漏出を更に確実に防ぐことができる。
【0078】
なお、本発明において、ペット用吸収性物品の幅方向における両端部に配置される側部弾性部材の数は、本発明の効果を阻害しない限り上述の実施形態に限定されず、側部弾性部材は、ペットの種類や体型等に応じて、例えば、ペット用吸収性物品の前記幅方向における両端部のうちのいずれか一方の端部のみに1本又は2本以上配置されていてもよいし、ペット用吸収性物品の前記幅方向における両端部のそれぞれの位置に、1本ずつ又は3本ずつ以上配置されていてもよい。
【0079】
また、本発明において、上述の側部弾性部材は、展開した状態のペット用吸収性物品に長手方向の収縮力を付与し得る部材であれば特に限定されず、上述の中央部弾性部材と同様の任意の弾性部材を用いることができる。
【0080】
[表面部弾性部材]
次に、本発明のペット用吸収性物品に採用し得る表面部弾性部材について、上述の第一実施形態に係るペット用おむつ1を用いて説明する。
第一実施形態に係るペット用おむつ1において、表面部弾性部材TGは、図2及び図3に示すように、前記長手方向Lに延在する伸縮自在の一対の弾性糸によって構成され、上述の表面シート2の胴体対向面側Daに位置する一対のサイドシート6の幅方向Wの内方側の端部にそれぞれ配置されて、ペット用おむつ1に長手方向Lの収縮力を付与するとともに、表面シート2の胴体対向面側Daにおいて前記一対のサイドシート6の幅方向Wの内方側の端部(自由端)を起立させて、防漏壁としての立体ギャザーを形成する弾性部材である。
【0081】
なお、本第一実施形態においては、表面部弾性部材TGは、図3に示すように、糸状の弾性糸によって構成され、表面シート2の胴体対向面側Daにおいて上述の一対のサイドシート6の前記幅方向Wの内方側の端部を起立させて立体ギャザーを形成するように配置されているが、本発明においては、このような態様に限定されず、表面部弾性部材は、所定の幅方向長さを有する帯状の疎水性弾性部材によって構成され、表面シートの胴体対向面側において上述の帯状の疎水性弾性部材自体が起立して防漏壁を形成するように、裏面シート又は表面シートの胴体対向面に接合されていてもよい。
【0082】
このような表面部弾性部材TGが、上述の表面シート2よりも胴体対向面側Daに配置されていると、当該表面部弾性部材TGの収縮力によって、上述の変形誘導部の変形を助長することができる上、表面シート2とペットの胴体との間に、長手方向Lに延びる防漏壁を形成し易くなるため、ペットから排泄された液状排泄物の漏出を更に確実に防ぐことができる。
【0083】
なお、本発明において、表面シートの胴体対向面側に配置される表面部弾性部材の数は、本発明の効果を阻害しない限り上述の実施形態に限定されず、表面部弾性部材は、ペットの種類や体型等に応じて、例えば、ペット用吸収性物品の長手方向に延びる幅方向中央軸線の両側に、1本ずつ又は2本以上ずつ配置されていてもよいし、前記長手方向に延びる幅方向中央軸線のいずれか一方側のみに、1本又は2本以上配置されていてもよい。
【0084】
また、本発明において、上述の表面部弾性部材は、展開した状態のペット用吸収性物品に長手方向の収縮力を付与し且つ表面シートの胴体対向側に防漏壁を形成し得る部材であれば特に限定されず、上述の中央部弾性部材と同様の任意の弾性部材を用いることができる。
【0085】
[サイドシート]
次に、本発明のペット用吸収性物品に採用し得るサイドシートについて、上述の第一実施形態に係るペット用おむつ1を用いて説明する。
第一実施形態に係るペット用おむつ1おいて、一対のサイドシート6は、図1図3に示すように、平面視にて、それぞれ前記長手方向Lに長い帯状の疎水性シート部材によって構成され、上述の表面シート2の胴体対向面側Daにおいて、ペット用おむつ1の長手方向Lに延びる幅方向中央軸線(不図示)の両側に配置されている。この一対のサイドシート6の各々は、前記幅方向Wの外方側に位置する前記長手方向Lに延びる端部(以下、「前記幅方向Wの外方側の端部」という。)の胴体非対向面と、前記長手方向Lにおける両端部の胴体非対向面が、それぞれ裏面シート3の胴体対向面と接合されている一方、前記幅方向Wの内方側に位置する前記長手方向Lに延びる端部(以下、「前記幅方向Wの内方側の端部」という。)の胴体非対向面が、いずれのシート部材(例えば、表面シートや裏面シート等)とも接合されていない。したがって、かかる一対のサイドシート6は、図1及び図3に示すように、前記幅方向Wの外方側の端部が固定端となっている一方、前記幅方向Wの内方側の端部が自由端となっている。
【0086】
そして、上述の一対のサイドシート6は、図3に示すように、それぞれの前記幅方向Wの内方側の端部が表面シート2側に向かって折り畳まれていて、さらに、その折り畳まれた端部に挟まれるようにして、前記長手方向Lに延びる上述の表面部弾性部材TGが配置されている。この表面部弾性部材TGが収縮することによって、一対のサイドシート6は、前記幅方向Wの内方側の端部(自由端)が表面シート2側から起立し、図1及び図3に示すような立体ギャザーを形成することができる。本第一実施形態に係るペット用おむつ1は、このような立体ギャザーが防漏壁として機能するため、ペットから排泄された尿などの液状排泄物が更に漏出し難くなっている。
【0087】
本発明のペット用吸収性物品に採用し得るサイドシートは、立体ギャザーを形成するときに防漏壁として機能し得るものであれば、特に制限されず、例えば、撥水性や疎水性を有する任意の不織布(例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、メルトブローン不織布、エアスルー不織布等)などによって構成することができる。さらに、かかる不織布を構成する繊維も特に制限されず、例えば、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等の合成繊維のほか、レーヨンや綿等のセルロース系繊維などを用いることができる。
【0088】
[係合部]
次に、本発明のペット用吸収性物品に採用し得る係合部について、上述の第一実施形態に係るペット用おむつ1を用いて説明する。
第一実施形態に係るペット用おむつ1において、係合部7は、図1図2及び図4に示すように、裏面シート3の胴体非対向面においてペット用おむつ1の長手方向Lにおける一方の端部に配置されており、ペット用おむつ1の幅方向Wに延びる横長の略矩形状の外形形状を有している。かかる係合部7は、図4に示すように、裏面シート3の胴体非対向面に接合される帯状の基部と、該基部から胴体非対向面側Dbに突出する複数のフック部材とからなるメカニカルファスナーによって構成されており、このようなメカニカルファスナーは、上述の複数のフック部材が不織布等の任意の繊維構造体と係合可能であるため、ペット用おむつ1をペットの腹部側から胴回りに沿わせて装着するときに、ペットの背部側において、表面シート2の胴体対向面の任意の部分に上述のフック部材を係合させることができる。このような係合部7を備えることによって、ペット用おむつ1は、ペットの胴体の適切な位置において、ペットの胴回り寸法に合わせて的確に装着することができる。
【0089】
なお、本発明において、係合部の形態は、上記特定のメカニカルファスナーに限定されず、かかる係合部は、例えば、フック部材とループ部材とからなるメカニカルファスナー等の任意の面状ファスナーを採用することができる。
【0090】
また、本発明において、係合部が配置される位置も上述の実施形態の位置に限定されず、係合部は、例えば、表面シートの胴体対向面においてペット用吸収性物品の長手方向における一方の端部に配置されていてもよく、表面シートの胴体対向面における前記長手方向の一方の端部と裏面シートの胴体非対向面における前記長手方向の他方の端部とに配置されていてもよい。
【0091】
[バックフィルム]
次に、本発明のペット用吸収性物品に採用し得るバックフィルムについて、上述の第一実施形態に係るペット用おむつ1を用いて説明する。
第一実施形態に係るペット用おむつ1において、バックフィルム5は、図2図4に示すように、平面視にて、ペット用おむつ1の長手方向L及び幅方向Wに延在する縦長の矩形状の外形形状を有し、吸収体4と裏面シート3との間に配置されて、上述の表面シート2や吸収体4を透過してきた尿などの液状排泄物が漏出するのを裏面シートと共に防ぐ、液不透過性フィルムによって構成されている。このバックフィルム5は、上述の裏面シート3と同様の液不透過性シート部材によって構成することができ、例えば、疎水性の不織布、SMS積層不織布、液不透過性のプラスチック製フィルム、及びこれらのシートを任意に組み合わせた積層シートなどによって構成することができる。
【0092】
なお、上述の各種部材を用いて本発明のペット用吸収性物品を製造する方法は、特に制限されず、当分野において既知の任意の方法を採用することができる。例えば、本発明の第一実施形態に係るペット用おむつ1は、当該ペット用おむつ1を構成する各種部材、すなわち、幅方向Wの内方側の端部に表面部弾性部材TGを配設した一対のサイドシート6と、表面シート2と、変形誘導部としてスリット40が配設された吸収体4と、一対の中央部弾性部材CGと、バックフィルム5と、一対の、2本一組の側部弾性部材SGと、裏面シート3とを、図3及び図4に示すように重ねて任意の接合手段によって接合することにより、製造することができる。なお、上述の各種部材を接合する手段は、特に制限されず、例えば、ホットメルト型接着剤による接着法やヒートシール法、超音波接合法等の任意の接合手段を採用することができる。
【0093】
本発明は、上述した各実施形態のペット用おむつのほかに、例えば、ペット用(軽)失禁パッド等の様々なペット用吸収性物品に適用することができる。また、本発明のペット用吸収性物品は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや代替、変更等が可能である。なお、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数は、当該序数が付された事項を区別するためのものであり、各事項の順序や優先度、重要度等を意味するものではない。
【符号の説明】
【0094】
1 ペット用おむつ(ペット用吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 スリット(変形誘導部)
5 バックフィルム
6 サイドシート
7 係合部
CG 中央部弾性部材
TG 表面部弾性部材
SG 側部弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11