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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-225741(P2017-225741A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】使い捨て着用物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/496 20060101AFI20171201BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   A61F13/496
   A61F13/511 110
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-125729(P2016-125729)
(22)【出願日】2016年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066267
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100186990
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】辻 航平
(72)【発明者】
【氏名】栗田 典之
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA12
3B200BA13
3B200BB03
3B200CA06
3B200DC01
3B200DC02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】内部の通気性が低下することのない使い捨て着用物品を提供する。
【解決手段】吸収シャーシは、肌対向面側に位置する透液性の身体側ライナ44と、身体側ライナ44の非肌対向面側に位置する吸液性コア43と、吸液性コア43の両端縁43aから縦方向Yの外側へ延びるエンドフラップ53とを有し、身体側ライナ44の肌対向面には、縦方向Yへそれぞれ延びて横方向Xに交互に並ぶ畝部と溝部とから形成された凹凸部が位置し、前後ウエスト域は、エンドフラップ53の両端縁53aを覆うカバーシート70を有し、カバーシート70と吸液性コア43とは、平面視において重ならない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向と縦方向と厚さ方向と、肌対向面と非肌対向面とを有し、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域と、少なくとも前記クロッチ域に配置された吸液構造体とを含み、前記前後ウエスト域の両側縁が互いに固定されて画成されたウエスト開口を有する使い捨て着用物品において、
前記吸液構造体は、前記肌対向面側に位置する透液性の身体側ライナと、前記身体側ライナの前記非肌対向面側に位置する吸液性コアと、前記吸液性コアの両端縁から前記縦方向の外側へ延びるエンドフラップとを有し、
前記身体側ライナの前記肌対向面には、前記縦方向へそれぞれ延びて前記横方向に交互に並ぶ畝部と溝部とから形成された凹凸部が位置し、
前記前後ウエスト域は、前記エンドフラップの両端縁を覆うカバーシートを有し、
前記カバーシートと前記吸液性コアとは、平面視において重ならないことを特徴とする着用物品。
【請求項2】
前記身体側ライナは、熱可塑性の合成繊維を含んだ繊維不織布から形成され、
前記溝部では、前記合成繊維が溶着された状態であり、
前記畝部では、前記溝部に比して前記合成繊維が互いに分散された状態である請求項1に記載の着用物品。
【請求項3】
前記身体側ライナは、前記横方向に対する剛性よりも前記縦方向に対する剛性が大きい請求項1または2に記載の着用物品。
【請求項4】
前記身体側ライナは、前記クロッチ域における前記畝部と前記溝部との前記厚さ方向の寸法よりも、前記前後ウエスト域における前記畝部と前記溝部との前記厚さ方向の寸法が大きい請求項1〜3のいずれかに記載の着用物品。
【請求項5】
前記前後ウエスト域は、前記肌対向面側に位置する内面シートと、前記非肌対向面側に位置する外面シートと、前記内面シートと前記外面シートとの間に位置する弾性部材とを有し、
前記弾性部材が前記横方向へ収縮することによって、前記身体側ライナは、前記クロッチ域における前記畝部と前記溝部との前記厚さ方向の寸法よりも、前記前後ウエスト域における前記畝部と前記溝部との前記厚さ方向の寸法が大きくなる請求項4に記載の着用物品。
【請求項6】
前記カバーシートの前記縦方向における中央部が前記エンドフラップに固定される一方、前記縦方向における内外端部のうち少なくとも内端部が前記エンドフラップに固定されていない請求項5に記載の着用物品。
【請求項7】
前記前後ウエスト域は、前記非肌対向面に位置する主体部と、前記主体部から延出して前記肌対向面の一部を画成する延出部と、前記主体部と前記延出部との間に位置する折曲部とを有するウエストシートを備え、
前記ウエスト開口は、前記ウエストシートのみによって画成してある請求項1〜6のいずれかに記載の着用物品。
【請求項8】
前記前後ウエスト域は、前記非肌対向面に位置する主体部と、前記主体部から延出して前記肌対向面の一部を画成する延出部と、前記主体部と前記延出部との間に位置する折曲部とを有するウエストシートを備え、
前記後ウエスト域において、前記肌対向面における前記ウエストシートの前記延出部の端部と、前記カバーシートの端部とが前記縦方向において離れている請求項1〜6のいずれかに記載の着用物品。
【請求項9】
前記前後ウエスト域は、前記非肌対向面に位置する主体部と、前記主体部から延出して前記肌対向面の一部を画成する延出部と、前記主体部と前記延出部との間に位置する折曲部とを有するウエストシートを備え、
前記前ウエスト域において、前記肌対向面における前記ウエストシートの前記延出部の端部と、前記カバーシートの端部とが重なっている請求項1〜6のいずれかに記載の着用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て着用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、肌対向面に凹部と凸部とを有する表面シートを備えた使い捨ておむつ(使い捨て着用物品)は公知である。例えば、特許文献1には、上述した表面シート(身体側ライナ)を吸収体が備えたおむつが開示されている。
【0003】
このおむつでは、吸収体は、表面シートの非肌対向面側に尿等の排泄物を吸収する吸液性コアと、吸液性コアの両端縁から外方へ延びるエンドフラップとを有している。
【0004】
また、このおむつは、吸収体のエンドフラップの両端縁を覆うカバーシートを修している、このおむつによれば、カバーシートによって、吸収体のエンドフラップの両端縁が着用者の肌に当たることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−34341号公報(JP2016−34341A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された発明に係る使い捨ておむつでは、平面視においてカバーシートと吸液性コアとが重なるため、吸液性コアの両端縁がカバーシートで覆われる。これによって、表面シートの凹部によって形成される空気の流路が、カバーシートによって遮られるため、おむつの内部の通気性が低下するおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、従来のおむつの改良であって、おむつの内部の通気性が低下することのない使い捨て着用物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、横方向と縦方向と厚さ方向と、肌対向面と非肌対向面とを有し、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前記前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域と、少なくとも前記クロッチ域に配置された吸液構造体とを含み、前記前後ウエスト域の両側縁が互いに固定されて画成されたウエスト開口を有する使い捨て着用物品に関する。
【0009】
本発明に係る使い捨て着用物品は、前記吸液構造体は、前記肌対向面側に位置する透液性の身体側ライナと、前記身体側ライナの前記非肌対向面側に位置する吸液性コアと、前記吸液性コアの両端縁から前記縦方向の外側へ延びるエンドフラップとを有し、前記身体側ライナの前記肌対向面には、前記縦方向へそれぞれ延びて前記横方向に交互に並ぶ畝部と溝部とから形成された凹凸部が位置し、前記前後ウエスト域は、前記エンドフラップの両端縁を覆うカバーシートを有し、前記カバーシートと前記吸液性コアとは、平面視において重ならないことを特徴とする。
【0010】
前記身体側ライナは、熱可塑性の合成繊維を含んだ繊維不織布から形成され、前記溝部では、前記合成繊維が溶着された状態であり、前記畝部では、前記畝部に比して前記合成繊維が互いに分散された状態である。溝部では合成繊維が溶着された状態であるため、畝部の剛性よりも溝部の剛性が大きく、横方向において、身体側ライナに圧縮する力が加えられても、溝部の横方向の寸法が小さくなることを抑えることができる。このため、着用物品の肌対向面側の通気性を確保することができる。
【0011】
前記身体側ライナは、前記横方向に対する剛性よりも前記縦方向に対する剛性が大きい。このため、身体側ライナが横方向へ沿った折曲ラインに沿って折れ曲がるのを防止することができる。
【0012】
前記身体側ライナは、前記クロッチ域における前記畝部と前記溝部との前記厚さ方向の寸法よりも、前記前後ウエスト域における前記畝部と前記溝部との前記厚さ方向の寸法が大きい。このため、前後ウエスト域における通気性を維持することができる。
【0013】
前記前後ウエスト域は、前記肌対向面側に位置する内面シートと、前記非肌対向面側に位置する外面シートと、前記内面シートと前記外面シートとの間に位置する弾性部材とを有し、前記弾性部材が前記横方向へ収縮することによって、前記身体側ライナは、前記クロッチ域における前記畝部と前記溝部との前記厚さ方向の寸法よりも、前記前後ウエスト域における前記畝部と前記溝部との前記厚さ方向の寸法が大きくなる。このため、前後ウエスト域の弾性部材を利用することによって、着用者の腹および背と対向する部分における通気性を維持することができる。
【0014】
前記カバーシートの前記縦方向における中央部が前記エンドフラップに固定される一方、前記縦方向における内外端部のうち少なくとも内端部が前記エンドフラップに固定されていない。このため、カバーシートが固定されている部分を少なくすることによって、カバーシートが、弾性部材の横方向への収縮の妨げとなるのを抑えることができる。
【0015】
前記前後ウエスト域は、前記非肌対向面に位置する主体部と、前記主体部から延出して前記肌対向面の一部を画成する延出部と、前記主体部と前記延出部との間に位置する折曲部とを有するウエストシートを備え、前記ウエスト開口は、前記ウエストシートのみによって画成してある。このため、ウエスト開口を柔軟にすることができる。
【0016】
前記前後ウエスト域は、前記非肌対向面に位置する主体部と、前記主体部から延出して前記肌対向面の一部を画成する延出部と、前記主体部と前記延出部との間に位置する折曲部とを有するウエストシートを備え、前記後ウエスト域において、前記肌対向面における前記ウエストシートの前記延出部の端部と、前記カバーシートの端部とが前記縦方向において離れている。このため、ウエストシートの延出部の端部と、カバーシートの端部とが離れている部分は剛性が小さいから、着用中、後ウエスト域の外端部が下方へずれるのを抑えることができる。
【0017】
前記前後ウエスト域は、前記非肌対向面に位置する主体部と、前記主体部から延出して前記肌対向面の一部を画成する延出部と、前記主体部と前記延出部との間に位置する折曲部とを有するウエストシートを備え、前記前ウエスト域において、前記肌対向面における前記ウエストシートの前記延出部の端部と、前記カバーシートの端部とが重なっている。このため、ウエストシートの延出部の端部と、カバーシートの端部とが重なっている部分は剛性が大きいため、着用物品に外部から力が加えられても、この剛性が大きい部分が突っ張り、前ウエスト域の外端部が下方へずれるのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の1つ以上の実施形態に係る使い捨て着用物品によれば、エンドフラップの両端縁がカバーシートで覆われているため、着用者の違和感を低減することができる。加えて、カバーシートおよび吸液性コアは、平面視において重ならないため、吸液性コアの両端縁に位置する身体側ライナがカバーシートで覆われていない。これによって、身体側ライナの溝部によって形成される空気の流路が吸液性コアの外端部まで連続するため、着用物品の肌対向面側の通気性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明に係る使い捨て着用物品(おむつ)の斜視図。
図2】各弾性体をおむつの縦方向及び横方向に伸長させた状態における、おむつの一部破断展開図。
図3】前ウエスト域の部分拡大図。
図4図3に示すIV−IV線に沿う断面図。
図5】後ウエスト域の部分拡大図。
図6図5に示すVI−VI線に沿う断面図。
図7】身体側ライナの斜視図。
図8】溶着装置の側面図。
図9】溶着装置の断面図。
図10】身体側ライナの拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
下記の実施の形態は、図1図10に示す使い捨て着用物品に関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。
【0021】
図1〜6を参照すると、本発明における使い捨て着用物品の一例である使い捨ておむつ10は、縦方向Y及びそれに直交する横方向Xを有し、肌対向面及びそれに対向する非肌対向面と、ウエスト回り方向へ延びる環状の弾性ウエストパネル11と、弾性ウエストパネル11の肌対向面側に取り付けられた吸収シャーシ(吸液構造体)12と、前ウエスト域13と、後ウエスト域14と、前後ウエスト域13,14間に位置するクロッチ域15とを含む。
【0022】
弾性ウエストパネル11は、ウエスト回り方向へ伸縮する弾性ベルト機能を有し、前ウエスト域13を形成する前ウエストパネル16と、後ウエスト域14を形成する後ウエストパネル17とを含む。
【0023】
前ウエストパネル16は、内端縁16aと、外端縁16bと、内端縁16aから外端縁16bへ延びる両側縁16c,16dとによって画定された略長方形状を有する。後ウエストパネル17は、内端縁17aと、外端縁17bと、外端縁17bから縦方向Yの内方へ延びる第1両側縁(後ウエスト域の両側縁)17c,17dと、第1両側縁17c,17dから縦方向Yの内方へ斜めに延びる第2両側縁17e,17fとによって画定された略台形状を有する。
【0024】
互いに対向する前ウエストパネル16の両側縁16c,16dと後ウエストパネル17の第1両側縁17c,17dとは、互いに重ね合わされ、縦方向Yへ断続的に並ぶサイドシーム18によって連結(例えば、熱エンボス加工、ソニック等による各種の熱溶着手段によって連結)され、ウエスト開口19と一対のレッグ開口20とが画定される。
【0025】
前後ウエストパネル16,17は、それぞれ、肌対向面側に位置する内層シート(内面シート)21,22と、非肌対向面側に位置する外層シート(外面シート)23,24とを含む。内外層シート21〜24は、質量10〜30g/mのSMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)繊維不織布、スパンボンド繊維不織布若しくはエアスルー繊維不織布、または、プラスチックシート、開孔プラスチックシート及びそれらのラミネートシートなどを用いることができる。
【0026】
外層シート23,24は、非肌対向面に位置する主体部23a,24aと、主体部23a,24aから縦方向Yの外側へ延出して肌対向面の一部を画成する延出部23b,24bと、主体部23a,24aと延出部23b,24bとの間に位置する折曲部23c,24cとを有している。ウエスト開口19は、外層シート23,24のみによって画成してあるため、シートの枚数を可及的に少なくし、ウエスト開口19を柔軟にすることができる。ウエスト開口19が柔軟になるため、幼児のお腹の動き等で前後ウエスト域13,14が下方へずり下がろうとする力を緩衝することができ、身体側ライナ44の縦方向Yへ連続する溝部62によって形成される空間を維持することができる。これによって、おむつ10の内部の空気を溝部62に沿って流れやすくすることができる。
【0027】
前ウエスト域13における延出部23bは、内層シート21に延出部23bの全域を固定する接合域80を有している(図4参照)。一方、後ウエスト域14における延出部24bは、内層シート22に固定する接合域81を縦方向Yの外側に有する一方、内層シート22に固定しない非接合域82aを縦方向Yの内側に有し(図6参照)、外層シート24の主体部24aと延出部24bとを固定しない非接続域82bを縦方向Yの外側に有している(図6参照)。
【0028】
前後ウエストパネル16,17の内層シート21,22と外層シート23,24との間には、ストリング状又はストランド状の複数条の前後ウエスト弾性体(弾性部材)27,28が横方向Xへ伸縮可能にそれぞれ配設されており、前後ウエストパネル16,17は少なくとも横方向Xへ弾性化されている。前ウエスト弾性体27は、ウエスト開口19に沿って横方向Xへ延びる前上方ウエスト弾性体27Aと、前上方ウエスト弾性体27Aと内端縁16aとの間において横方向Xへ延びる前下方ウエスト弾性体27Bとを有する。後ウエスト弾性体28は、ウエスト開口19に沿って横方向Xへ延びる後上方ウエスト弾性体28Aと、後上方ウエスト弾性体28Aと内端縁17aとの間において横方向Xへ延びる後下方ウエスト弾性体28Bとを有する。
【0029】
前後下方ウエスト弾性体27B,28Bは、それぞれ、前後ウエスト域13,14の中央部においてその一部が切断又は除去されており、前後非伸縮域36,37が画定される。このように、前後非伸縮域36,37が前後ウエスト域13,14の中央部に位置することから、前後ウエストパネル16,17の内面に位置する吸収シャーシ12の中央部(吸液性コアの中央部)に前後下方ウエスト弾性体27B,28Bの収縮力が直接作用されてギャザー等が形成されないので、その収縮力が作用することによる吸収性能の低下を抑制することができる。
【0030】
前後ウエスト弾性体27,28としては、例えば、繊度が470〜1240dtexであって,1.5〜3.5倍に伸長された状態で配設されたストリング状又はストランド状の弾性材料を用いることができる。前後ウエスト弾性体27,28の繊度、伸長倍率、各弾性体間の離間寸法(ピッチ)等の条件は適宜変更することが可能であるが、着用者の身体に安定的に着用されるために、前後上方ウエスト弾性体27A,28Aによる伸縮域の伸長力が、前後下方ウエスト弾性体27B,28Bによる伸縮域のそれよりも大きくなるように各弾性体の条件を設定することが好ましい。
【0031】
前ウエスト域13の内外層シート21,23と後ウエスト域14の内外層シート22,24とは、それらの内面にホットメルト接着剤は塗布されておらず、サイドシーム18による接合部分を除き、それぞれ、前後ウエスト弾性体27,28に塗布されたホットメルト接着剤を介してのみ互いに接合される。ホットメルト接着剤は、前後ウエスト弾性体27,28の全周において、内外層シート21〜24と対向する部分に塗布されていればよい。
【0032】
図2及び3を参照すると、吸収シャーシ12は、前後ウエストパネル16,17の肌対向面に取り付けられた前後端部12A,12Bと、少なくともクロッチ域15において縦方向Yへ延びる吸液性コア43と、吸液性コア43の肌対向面側に位置する親水性の繊維不織布から形成された透液性の身体側ライナ(トップシート)44と、吸液性コア43の非肌対向面側に位置する疎水性又は難透液性の繊維不織布から形成されたバックシート45と、吸液性コア43とバックシート45との間に配置された、少なくとも吸液性コア43のバックシート45と対向する面全体を被覆する大きさを有する不透液性の防漏シート46とを含む。身体側ライナ44とバックシート45には、SMS繊維不織布やスパンボンド不織布等の各種公知の繊維不織布を用いることができる。
【0033】
吸液性コア43は、所要量の超吸収性ポリマー粒子とフラッフパルプとを混合したものであって、おむつ10を構成する内外層シート21〜24等のシート部材に比して剛性の高い半剛性を有する。また、吸液性コア43は、縦方向Yにおける中央部が幅狭状を有するパネル形態をなすものであって、その全体がティッシュ等の液拡散性シートで被包されている。
【0034】
身体側ライナ44とバックシート45は、吸液性コア43の縦方向Yの両端部から外側へ延出し、その延出した部分どうしが互いに重ね合わされてホットメルト接着剤(図示せず)を介して接合されることによって、吸液性コア43の両端部から縦方向Yの外側へ延出する一対のエンドフラップ53,54が形成される。
【0035】
バックシート45は、防漏シート46の両側縁から横方向Xの外側に位置する両側部47を有する。両側部47は、防漏シート46の両側縁に位置して縦方向Yへ延びる折曲ラインにそって肌対向面側へ折曲され、身体側ライナ44に固定されて縦方向へ互いに離隔する両端固定部48と、身体側ライナ44の両側縁部および防漏シート46の両側縁部に固定される近位縁部49と、両端固定部の間において縦方向へ延び、かつ近位縁部と並行して縦方向へ延びる遠位縁部50(自由縁部)とを有する。
【0036】
遠位縁部50は、バックシート45の外側縁部を折り曲げて固定することによって形成されたスリーブ状をなし、縦方向へ延びる複数条のストリング状またはストランド状のカフ弾性体51が伸長状態で収縮可能な態様でバックシート45に固定してある。カフ弾性体51が収縮することによって、遠位縁部50が身体側ライナ44から着用者の身体側へ離れて防漏カフを形成し、着用者の大腿部にフィットして排泄物の漏れを防止する。バックシート45の両側部47であって、防漏カフの横方向Xの外側には、縦方向Yへ延びる複数条のストリング状またはストランド状のレッグ弾性体52が伸長状態で収縮可能な態様でバックシート45に固定してある。
【0037】
身体側ライナ44の肌対向面および非肌対向面には、図3図5,および図7に示すように、畝部61と溝部62とによって形成された凹凸部63が位置している。畝部61および溝部62は、縦方向Yへそれぞれ延び、横方向Xにおいて交互に配置してある。横方向Xにおいて、互いに隣接する畝部61の間隔は、0.5〜10.0mmであり、互いに隣接する溝部62の間隔は、0.5〜10.0mmである。畝部61および溝部62の間隔が0.5mmより小さいと、おむつ10の内部の通気性が得られない一方、10.0mmより大きいと、溝部62が着用者の肌に接触し、肌触りが悪くなるおそれがある。畝部61および溝部62の間隔が0.5〜10.0mmであれば、おむつ10の内部の通気性を確保することができるとともに、肌触りを良好にすることができる。
【0038】
身体側ライナ44は、例えば、以下の方法によって製造することができる。例えば、身体側ライナ44として、熱可塑性の合成繊維65を含んだ繊維不織布のウェブを用い、以下のような溶着装置60によってウェブから身体側ライナ44を製造する。
【0039】
溶着装置60は、図8および図9に示すように、第1ローラ66と第2ローラ67とを有している。第1ローラ66および第2ローラ67は、第1ローラ66および第2ローラ67の周面から径外方向へ突出する凸部66a,67aと、凸部66a,67aの間に位置する凹部66b,67bとを有している。凸部66a,67aおよび凹部66b,67bは、第1ローラ66および第2ローラ67の周面に沿って延び、第1ローラ66および第2ローラ67を連続する態様で一周している。第1ローラ66および第2ローラ67は、互いの凸部66a,67aと凸部66a,67aとが対向し、かつ互いの凹部66b,67bと凹部66b,67bとが対向するように配置してある。第1ローラ66および第2ローラ67において、凸部66a,67aの径方向内側には、不図示のヒータを内蔵しており、ヒータによって凸部66a,67aの周面を、ウェブ64の合成繊維65を溶着することができる所定の温度に加熱することができる。これら第1ローラ66と第2ローラ67とによって構成される一対のローラ66,67の間に、ウェブ64を通過させ、凸部66a,67aと凸部66a,67aとの間に位置する合成繊維65を溶着して溝部62を形成する一方、凹部66b,67bと凹部66b,67bとの間に位置する合成繊維65を溶着せずに畝部61を形成する。
【0040】
溝部62では、熱可塑性の合成繊維65が溶着された状態であり、畝部61では、熱可塑性の合成繊維65が溶着されていないため、溝部62に比して合成繊維65が互いに分散された状態である。このため、図10に示すように、溝部62の厚さ方向Zの寸法t1は、畝部61の厚さ方向Zの寸法t2よりも小さい。溝部62では、合成繊維65が溶着された状態であるため、溝部62の剛性が、畝部61の剛性よりも大きい。このため、ウエスト弾性体27,28の収縮等によって、横方向Xにおいて、身体側ライナ44に圧縮する力が加えられても、溝部62の寸法が小さくなることを抑えることができる。このため、おむつ10の肌対向面の通気性を確保することができる。
【0041】
また、身体側ライナ44は、畝部61および溝部62はそれぞれ縦方向Yへ連続するように伸びるとともに、畝部61の剛性よりも溝部62の剛性が大きいため、横方向Xへ圧縮する力に対する剛性よりも、縦方向Yへ圧縮する力に対する剛性が大きい。このため、身体側ライナ44が縦方向Yへずれるのを防止することができる。
【0042】
前後下方ウエスト弾性体27B,28Bが位置するため、着用状態では、前後下方ウエスト弾性体27B,28Bが横方向Xへ収縮し、前後ウエスト域13,14に位置する身体側ライナ44は横方向Xへ収縮する一方、クロッチ域15においては、横方向Xへ収縮する弾性体が存在しないため、クロッチ域15に位置する身体側ライナ44は、横方向Xへほとんど収縮しない。このため、身体側ライナ44は、クロッチ域15における畝部61と溝部62との厚さ方向Zの寸法よりも、前後ウエスト域13,14における畝部61と溝部62との厚さ方向Zの寸法が大きくなる。前後ウエスト域13,14の前後下方ウエスト弾性体27B,28Bを利用することによって、着用者の腹および背に対向する部分における通気性を維持することができる。
【0043】
このおむつ10の前後ウエスト域13,14は、肌対向面側に、エンドフラップ53,54の両端縁53a,54aを覆う一方、平面視において、吸液性コア43とは重ならないカバーシート70,71を有している。カバーシート70,71には、例えば、質量10〜30g/mのSMS繊維不織布、スパンボンド繊維不織布等を用いることができる。カバーシート70,71の質量が10g/mより小さいと、必要な耐久性が得られずに破れるおそれがある一方、30g/mより大きいと剛性が大きすぎて肌触りが悪くなるおそれがある。カバーシート70,71の質量が10〜30g/mであれば、破ぶれるおそれを小さくすることができるとともに、肌触りを良好にすることができる。また、本明細書において、平面視において、吸液性コア43とカバーシート70,71とが重ならないとは、前後ウエストパネル16,17の両側縁16c,16dにおけるサイドシーム18の連結を解き、前後ウエスト域13,14およびクロッチ域15を弾性体の収縮によるギャザーがなくなるまで伸長した状態において、吸液性コア43とカバーシート70,71とが重ならないことをいう。
【0044】
前ウエスト域13に位置するカバーシート70は、図3および図4に示すように、縦方向Yの中央部72において、肌対向面に位置する外層シート23の延出部23bと、エンドフラップ53の肌対向面に位置する身体側ライナ44とにホットメルト接着剤等の接合域73を介在させて固定してある一方、縦方向Yの両端部72a,72bにおいて、肌対向面に位置する外層シート23の延出部23b、およびエンドフラップ53の肌対向面に位置する身体側ライナ44に対して非接合域73a,73bを介在させて固定していない。このため、ホットメルト接着剤の量を減らしてカバーシート70の肌触りが低下することを抑えることができる。しかも、縦方向Yの内側に位置するカバーシート70の一方の端部72b(両端部72a,72bのうち縦方向Yの内側に位置する内端部)は、吸液性コア43の端縁43aに隣接するように配置してあるため、着用中、吸液性コア43の端縁43aに当たることによりカバーシート70の一方の端部72bが肌対向面の側へ折り返される。このようにカバーシート70の一方の端部72bが肌対向面の側へ折り返されると、身体側ライナ44の溝部62によって形成される空気の流通路が、カバーシート70によって妨げられることがないため、ホットメルト接着剤の量を減らしてカバーシート70の肌触りが低下することを抑えながら、おむつ10の内部の通気性が低下するのを抑えることができる。
【0045】
後ウエスト域14に位置するカバーシート71は、図5および図6に示すように、縦方向Yの中央部74において、肌対向面に位置する内層シート22と、エンドフラップ54の肌対向面に位置する身体側ライナ44とにホットメルト接着剤等の接合域75を介して固定してある一方、縦方向Yの両端部74a,74bにおいて、肌対向面に位置する内層シート22、およびエンドフラップ54の肌対向面に位置する身体側ライナ44に対して非接合域75a,75bを介在させて固定していない。このため、ホットメルト接着剤の量を減らしてカバーシート71の肌触りが低下することを抑えることができる。しかも、縦方向Yの内側に位置するカバーシート71の一方の端部(内端縁)74aは、吸液性コア43の端縁43bに隣接するように配置してあるため、着用中、吸液性コア43の端縁43bに当たることによりカバーシート71の一方の端部74aが肌対向面の側へ折り返される。このようにカバーシート71の一方の端部74aが肌対向面の側へ折り返されると、身体側ライナ44の溝部62によって形成される空気の流通路が、カバーシート71によって妨げられることがないため、ホットメルト接着剤の量を減らしてカバーシート71の肌触りが低下することを抑えながら、おむつ10の内部の通気性が低下するのを抑えることができる。本明細書において、カバーシート70,71の内端部とは、縦方向Yの内側に位置する一方の端部72b,74aをいい、カバーシート70,71の外端部とは、縦方向Yの外側に位置する他方の端部72a,74bをいう。
【0046】
また、エンドフラップ53,54の両端縁53a,54aがカバーシート70,71で覆われているため、エンドフラップ53,54の両端縁53a,54aが着用者の肌に当たることをカバーシート70,71で防止でき、着用者の違和感を低減することができる。加えて、カバーシート70,71および吸液性コア43は、平面視において重ならないため、吸液性コア43の両端縁43a,43bに重なる(位置する)身体側ライナ44は、カバーシート70,71で覆われていない。これによって、身体側ライナ44の溝部62によって形成される空気の流通路が吸液性コア43の両端縁43a,43bまで連続するため、おむつ10の肌対向面側の通気性を向上することができる。
【0047】
後ウエスト域14において、図5および図6に示すように、肌対向面における外層シート24の延出部24bの端部24dと、カバーシート71の端部74bとが縦方向Yにおいて離れているため、延出部24bの端部24dと、カバーシート71の端部74bとの間には、内層シート22および外層シート24の主体部24aのみが位置している。この内層シート22および主体部24aのみが位置している部分は、シートの積層枚数が少ないために剛性が小さく、着用中、大便等の排泄物がおむつ10に排出されても、内層シート22および主体部24aのみが位置している部分が緩衝域となり、後ウエスト域14の外端縁17bが下方へずれるのを防止することができる。
【0048】
後ウエスト域14において、外層シート24の延出部24bは、縦方向Yの内側に位置する端部(内端部)24dと、縦方向の外側に位置する端部(外端部)24eと、両端部24d,24eとの間に位置する中央部24fとを有しており、中央部24fはホットメルト接着剤等の接合域81を介して内層シート22に固定される一方、両端部24d,24eには、ホットメルト接着剤等が塗布されておらず内層シート22に固定されない非接合域82a,82bを配置してある。このため、ホットメルト接着剤の量を減らして外層シート24の延出部24bの肌触りが低下することを抑えることができる。しかも、外層シート24の延出部24bは、内層シート22に固定しない非接合域82aを縦方向Yの一方の端部(内端部)24dに有しているため、着用中、おむつ10に尿等の排泄物が排出され、重力によっておむつ10の後ウエスト域14が下方へずれると、延出部24bの縦方向Yの一方の端部(内端部)24dには非接合域81aが位置するため、延出部24bにおける一方の端部(内端部)24dは、着用者の肌に接触して肌対向面の側へ折り返される。このように延出部24bの一方の端部(内端部)24dが肌対向面の側へ折り返されると、身体側ライナ44の溝部62によって形成される空気の流通路が、延出部24bによって妨げられることがないため、ホットメルト接着剤の量を減らして延出部24bの肌触りが低下することを抑えながら、おむつ10の内部の通気性が低下することを抑えることができる。
【0049】
前ウエスト域において、図3および図4に示すように、肌対向面における外層シート23の延出部23bの端部23dと、カバーシート70の端部70aとが重なっているため、これら外層シート23の延出部23bの端部23dとカバーシート70の端部70aとが重なっている部分は剛性が大きい。このため、着用中、外部からおむつ10に力が加えられても、おむつ10がずれるのを抑えることができる。
【0050】
なお、上述した実施の形態には、カバーシート70,71の縦方向Yにおける中央部72,74がエンドフラップ53,54および外層シート23,24の延出部23b,24bまたは内層シート21,22に接合域73,75を介して固定される一方、縦方向Yの両端部72a,72b,74a,74bが非接合域73a,73b,75a,75bによってエンドフラップ53,54および外層シート23,24の延出部23b,24bまたは内層シート21,22に固定されていないものを説明した。しかし、この発明はそれに限られず、カバーシート70,71の両端部72a,72b,74a,74bのうち、縦方向Yの内側に位置する一方の端部(内端部)72b,74aがエンドフラップ53,54に固定されていればよい。
【0051】
また、上述した実施の形態には、身体側ライナ44が、肌対向面および非肌対向面のいずれにも畝部61と溝部62とから形成された凹凸部63が位置するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、身体側ライナは、肌対向面にのみ、畝部61と溝部62とから形成された凹凸部63が位置してもよい。
【0052】
おむつ10を構成する部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書において使用されている「第1」および「第2」等の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いてある。
【符号の説明】
【0053】
10 使い捨ておむつ(使い捨て着用物品)
12 吸液構造体
13 前ウエスト域
14 後ウエスト域
15 クロッチ域
16c 前ウエスト域の両側縁
16d 後ウエスト域の両側縁
19 ウエスト開口
23 外層シート(ウエストシート)
23a 主体部
23b 延出部
23c 折曲部
23d 端部
24 外層シート(ウエストシート)
24a 主体部
24b 延出部
24c 折曲部
24d 端部
43 吸液性コア
43a 端縁
43b 端縁
44 身体側ライナ
53 エンドフラップ
53a 端縁
54 エンドフラップ
54a 端縁
61 畝部
62 溝部
65 合成繊維
70 前ウエスト域に位置するカバーシート
71 後ウエスト域に位置するカバーシート
72 中央部
72b 前ウエスト域において縦方向の内側に位置するカバーシートの一方の端部(内端部)
74 中央部
74a 後ウエスト域において縦方向の内側に位置するカバーシートの一方の端部(内端部)
X 横方向
Y 縦方向
Z 厚さ方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10