特開2017-226540(P2017-226540A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2017226540-スクレーパコンベア 図000003
  • 特開2017226540-スクレーパコンベア 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226540(P2017-226540A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】スクレーパコンベア
(51)【国際特許分類】
   B65G 19/14 20060101AFI20171201BHJP
   B65G 19/18 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B65G19/14 A
   B65G19/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-126017(P2016-126017)
(22)【出願日】2016年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】武内 秀明
【テーマコード(参考)】
3F013
【Fターム(参考)】
3F013BA01
3F013BB05
3F013BB12
3F013BC03
3F013BD05
(57)【要約】
【課題】 特殊なチェーン構造を必要とせず、粉体を搬送する場合のケーシングとチェーンの隙間に固着した粉体との接触によるチェーンの摩耗を防止する摩耗抑制機能を有するコンベアを提供する。
【解決手段】 略箱型断面のケーシング内に設置され、両側からチェーンで把持されたスクレーパで、ケーシング底面又はその底面上方のケーシング内部に設けられたトラフ上にある搬送物を押して輸送するコンベアにおいて、ケーシングの側壁面への固着物がチェーンと擦れるのを妨げる機能及び固着物を側壁面から掻き取り、搬送物の輸送方向へ掻き取った固着物を押し出す機能を有するチェーン保護材を備え、そのチェーン保護材が、少なくとも2枚のリンクを貫いて、互いに固定されていると共に、固着物を側壁面から掻き取れるようにチェーンから飛び出した外突出部を備え、その外突出部の端部がスクレーパ横端部の外側になるように備えることを特徴とするスクレーパコンベア。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略箱型断面のケーシング内に設置され、両側から複数のリンクからなるチェーンで把持されたスクレーパで、前記ケーシング底面若しくは、前記底面上方、ケーシング内部に設けられたトラフ上にある搬送物を、押して輸送するスクレーパコンベアにおいて、
前記ケーシングの側壁面への固着物が前記チェーンと擦れるのを妨げる機能及び前記固着物を側壁面から掻き取り、前記搬送物の輸送の方向へ前記掻き取った固着物を押し出す機能を有するチェーン保護材を備え、
前記チェーン保護材が、少なくとも2枚のリンクを貫いて、互いに固定されていると共に、
前記固着物を側壁面から掻き取れるように前記チェーンから前記ケーシングの側壁面方向に向いて飛び出した外突出部を備え、
且つ前記外突出部の端部が前記スクレーパの横端部の外側になるように備えることを特徴とするスクレーパコンベア。
【請求項2】
前記外突出部における下端が、前記固着物を掻き取る際に前記チェーンの最外部よりも下にあることを特徴とする請求項1に記載のスクレーパコンベア。
【請求項3】
前記チェーン保護材が、前記チェーンから前記側壁面方向と逆方向に向いて飛び出した内突出部を備え、
前記内突出部に、前記内突出部を貫いて設置された固定具が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクレーパコンベア。
【請求項4】
前記固定具が、割ピンであることを特徴とする請求項3の記載のスクレーパコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンコンベア、特にフライトコンベア、スクレーパコンベアにおいて、ケーシングの側壁面に搬送物が付着した際に生じるチェーンの摩耗を防ぐ抑制部と、その抑制部を備えるスクレーパコンベア又はフライトチェーンコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
スクレーパコンベア又はフライトチェーンコンベアは、リンクの両端をピンで連結して複数個のリンクを繋ぎ合わせてリング状に形成したチェーンの対を並列に配置し、その並列に配されたチェーン間に搬送物を搬送(白抜き矢印が示す方向)するための複数のスクレーパ、フライト、或いはバケットなどを備えるものである。
このようなチェーンコンベアを粉体の搬送に用いた場合に、搬送物である粉体が飛散してコンベアを内部に収容するケーシングのケーシング内壁面に固着し、チェーンと接触すると、そのチェーンに摩耗が発生する。
【0003】
図2に従来のスクレーパコンベアの一例を示す。
このコンベア200は、複数のリンクがピン230により連結されて構成されたチェーン211の対が、並列にケーシング210内にあり、その並列した2本のチェーン211間に連結されたフライト212が、ケーシングの底面、若しくはケーシング内に設けられた搬送面上の搬送物100に接触し、押して搬送する構造となっている。
【0004】
しかしながら、図2に示すコンベア200では、粉体を搬送物とした場合、粉体が飛散してケーシング壁面とチェーンとの隙間Tに入り込み、壁面に固着物Aを形成してチェーンと接触する事によってチェーンに摩耗を発生させる。
この固着物Aはケーシング内部で発生するため、コンベアの稼働中の掃除は困難であり、停止させた場合でも、狭い隙間に存在するため固着物の除去は時間と労力が非常に掛かってしまう問題がある。
【0005】
このような問題に対して、例えば特許文献1には、耐摩耗性を有するチェーン用ピンが提案されているが、材質変更による耐摩耗性の向上であり、また、リンクプレートとピンとの摺動部の摩耗対策であり、搬送物の固着によるチェーンの摩耗防止には、その効果が限定的である。
【0006】
例えば特許文献2には、耐摩耗チェーンが開示されているが、リンクプレートとピンの潤滑による、リンクプレートとピンとの摺動部の摩耗の対策であり、搬送物の固着によるチェーンの摩耗防止には、その効果が限定的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−177667号公報
【特許文献2】特開2013−127300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、特殊なチェーン構造を必要とせず、粉体を搬送する場合のケーシングとチェーンの隙間に固着した粉体との接触によるチェーンの摩耗を防止する摩耗抑制機能を有するスクレーパ型又はフライト型のチェーンコンベアを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の発明は、略箱型断面のケーシング内に設置され、両側から複数のリンクからなるチェーンで把持されたスクレーパで、ケーシング底面若しくは、ケーシング底面上方、ケーシング内部に設けられたトラフ上にある搬送物を、押して輸送するスクレーパコンベアにおいて、ケーシングの側壁面への固着物がチェーンと擦れるのを妨げる機能及び固着物を側壁面から掻き取り、搬送物の輸送の方向へ掻き取った固着物を押し出す機能を有するチェーン保護材を備え、そのチェーン保護材が、少なくとも2枚のリンクを貫いて、互いに固定されていると共に、固着物を側壁面から掻き取れるようにチェーンからケーシングの側壁面方向に向いて飛び出した外突出部を備え、且つ外突出部の端部がスクレーパの横端部の外側になるように備えることを特徴とするスクレーパコンベアである。
【0010】
本発明の第2の発明は、第1の発明の外突出部における下端が、固着物を掻き取る際にチェーンの最外部よりも下にあることを特徴とするスクレーパコンベアである。
【0011】
本発明の第3の発明は、第1及び第2発明におけるチェーン保護材が、チェーンから側壁面方向と逆方向に向いて飛び出し内突出部を備え、その内突出部に内突出部を貫いて設置された固定具が取り付けられていることを特徴とするスクレーパコンベアである。
【0012】
本発明の第4の発明は、第3の発明における固定具が、割ピンであることを特徴とするスクレーパコンベアである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特殊な材質や製造方法、構造を必要とせず、搬送物の固着によるチェーンの摩耗を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る摩耗抑制機能を備えたコンベアの概略図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
図2】従来のコンベアの概略図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るスクレーパ型又はフライト型のコンベアを示す図1を参照して本発明を説明する。
本発明に係るコンベア1は、略箱型断面のケーシング10内に設置され、複数のリンク11aをピンで連結して構成されたチェーン11で両側を把持された搬送具12(スクレーパ又はフライトと称す)で、搬送物が輸送される面(以下、搬送面とも称す)を構成するケーシング底面10b、若しくは、その底面上方、ケーシング内部で、輸送方向(図1(c)における紙面裏から表への方向)に設けられたトラフ(図示せず)上にある搬送物を、押して輸送するコンベアである。
【0016】
さらに、ケーシング10の側壁面10wへの固着物A(態様は図2参照)が、チェーン11と擦れるのを妨げる機能及び固着物Aを側壁面10wから掻き取り、掻き取った固着物Aを搬送物100の輸送方向(白抜き矢印が示す方向)へ押し出す機能を有するチェーン保護材20が備えられている構造のコンベアである。Tはケーシング側壁面とチェーンとの隙間を表し、飛散した搬送物が固着する隙間で、Bはチェーン保護材によって除去された固着物である。
【0017】
この本発明の特徴を構成するチェーン保護材20は、リンクを連結するピンの役目も果たすもので、チェーン11を構成している少なくとも2枚のリンク11aを貫いて固定している。
また、固着物をケーシング側壁面から掻き取れるようにチェーン11からケーシングの側壁面方向に向いて飛び出した外突出部21を備え、
且つ外突出部21の端部21aが搬送具12(スクレーパ又はフライト)の横端部12wの外側になるような構成をしている。
【0018】
さらに外突出部21の下端21bは、固着物を掻き取る際にチェーンの最外部11bよりも下側に位置することで、搬送面に堆積した固着物をより多く除去することができ、一層の摩耗抑制機能が発揮可能となる。
【0019】
またチェーン保護材20は、チェーン11からケーシングの側壁面方向と逆方向に向いて飛び出た内突出部22を備え、その内突出部22には固定具23が取り付けられている。
その固定具23は、内突出部を貫いて設置することができ、具体的には内突出部22を貫いた先端部が2方向に曲げられて留め具となるような割ピンを用いる。
【実施例】
【0020】
以下実施例により本発明の効果を説明する。
本発明を採用していない従来のコンベアでは、搬送物が飛散して形成された固着物との接触による摩耗がチェーン側に起こり、その状態を放置したままで継続使用した結果、ピンが抜け落ちるトラブルが発生してコンベアの停止を招いていたが、本発明に係るコンベアでは、リンクプレート及びピンの摩耗が低減され、同じ使用時間において前述のトラブルは発生しなかった。
【符号の説明】
【0021】
1 本発明に係るコンベア
10、210 ケーシング
10b ケーシング底面
10w ケーシング側面
11、211 チェーン
11a リンク
11b チェーン最外部
12、212 搬送具
12w 搬送具横端部
20 チェーン保護材
21 外突出部
21a 外突出部の端部
21b 外突出部の下端
22 内突出部
23 固定具
100 搬送物
200 従来のコンベア
230 ピン
T ケーシング側壁面とチェーンとの隙間
A 飛散して隙間Tに固着した固着物
B チェーン保護材によって除去された固着物
図1
図2