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特開2017-228354マイクロ波供給装置、プラズマ処理装置、及び、プラズマ処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228354(P2017-228354A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】マイクロ波供給装置、プラズマ処理装置、及び、プラズマ処理方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20171201BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   H05H1/46 R
   H05H1/46 B
   H01L21/302 101D
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-121668(P2016-121668)
(22)【出願日】2016年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】堀 勝
(72)【発明者】
【氏名】豊田 浩孝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 陽香
(72)【発明者】
【氏名】関根 誠
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA07
2G084BB01
2G084BB21
2G084CC09
2G084CC14
2G084CC33
2G084CC34
2G084DD04
2G084DD20
2G084DD23
2G084DD41
2G084DD45
2G084DD51
2G084DD53
2G084DD56
2G084DD62
2G084DD66
2G084DD68
2G084FF11
2G084FF40
5F004AA01
5F004BA20
5F004BB14
5F004BB26
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA25
5F004DA26
(57)【要約】
【課題】スロット孔におけるマイクロ波のパワー密度を更に高める。
【解決手段】マイクロ波供給装置は、導波管、サーキュレータ、及び、整合器を備える。
サーキュレータの第1ポートは入力端からのマイクロ波を受ける。導波管の第1端と第2端は、サーキュレータの第2ポート及び第3ポートにそれぞれ結合されている。整合器は、入力端とサーキュレータの第1ポートとの間に設けられている。導波管は、互いに対面する第1の壁及び第2の壁、並びに、互いに対面する第3の壁及び第4の壁を有する矩形導波管を含む。第1の壁には、スロット孔が形成されており、スロット孔は、第3の壁の側に偏倚した領域に設けられている。導波管は、当該導波管内に設けられた第1のリッジ部を含む。第1のリッジ部は、スロット孔に対面し、第2の壁及び第3の壁に接し、第1の壁及び第4の壁から離間している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ生成用のマイクロ波を供給するマイクロ波供給装置であって、
第1端及び第2端を有し、該第1端と該第2端との間で延在する導波管と、
第1ポート、前記第1端に結合された第2ポート、及び、前記第2端に結合された第3ポートを有し、入力端からのマイクロ波を前記第1ポートから前記第2ポートに伝搬し、前記第3ポートに受けたマイクロ波を前記第1ポートから前記入力端の側に戻すサーキュレータと、
前記入力端と前記サーキュレータの前記第1ポートとの間に設けられており、前記第1ポートから前記入力端の側に戻されるマイクロ波の一部を前記サーキュレータの前記第1ポートに反射する整合器と、
を備え、
前記導波管は、互いに対面する第1の壁及び第2の壁、並びに、前記第1の壁及び前記第2の壁に交差し、且つ、互いに対面する第3の壁及び第4の壁を含む矩形導波管を含み、
前記第1の壁には、前記導波管内のマイクロ波の伝搬方向に沿って延びるスロット孔が形成されており、該スロット孔は、前記第3の壁の側に偏倚した領域に設けられており、
前記導波管は、該導波管内に設けられた第1のリッジ部を含み、
前記第1のリッジ部は、直方体形状を有し、前記第1の壁から離間し且つ前記スロット孔に対面し、前記第2の壁及び前記第3の壁に接し、前記第4の壁から離間している、
マイクロ波供給装置。
【請求項2】
前記第3の壁と前記第4の壁が対面する方向における前記第1のリッジ部の幅は、18mmより大きく、52mmより小さい、請求項1に記載のマイクロ波供給装置。
【請求項3】
前記第1の壁と前記第2の壁が対面する方向における前記第1のリッジ部の高さは、7.5mmより大きく、該方向における導波管の高さより小さい、請求項1又は2に記載のマイクロ波供給装置。
【請求項4】
前記伝搬方向における前記第1のリッジ部の両端に連続して設けられた第2のリッジ部を更に備え、
前記第2のリッジ部は、直方体形状を有し、前記第1の壁から離間し、前記第2の壁及び前記第3の壁に接し、前記第4の壁から離間しており、
前記第1の壁と前記第2のリッジ部との間の間隙の長さは、前記第1の壁と前記第1のリッジ部との間の間隙の長さよりも大きい、
請求項1〜3の何れか一項に記載のマイクロ波供給装置。
【請求項5】
前記第1の壁と前記第2の壁が対面する方向における前記第2のリッジ部の高さは、14mm以上18mm以下である、請求項4に記載のマイクロ波供給装置。
【請求項6】
プラズマ生成用の処理ガスを前記導波管内に導入するためのガス供給孔を更に備える、請求項1〜5の何れか一項に記載のマイクロ波供給装置。
【請求項7】
マイクロ波を発生し、該マイクロ波を前記入力端に供給するマイクロ波発生器を更に備える、請求項1〜6の何れか一項に記載のマイクロ波供給装置。
【請求項8】
請求項7に記載のマイクロ波供給装置と、
前記スロット孔に処理ガスを供給するガス供給部と、
前記処理ガスのプラズマにより被加工物を処理するためのチャンバを提供するチャンバ本体と、
を備えるプラズマ処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載のプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、
前記チャンバ内に被加工物を収容する工程と、
前記ガス供給部から供給される前記処理ガスのプラズマにより被加工物を処理する工程と、
を含むプラズマ処理方法。
【請求項10】
前記処理ガスは、分子性ガスを含み、該処理ガスの全流量に対する該分子性ガスの流量の比が0.2以上1以下である、請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項11】
前記分子性ガスは窒素ガスである、請求項10に記載のプラズマ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マイクロ波供給装置、プラズマ処理装置、及び、プラズマ処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被加工物の処理においては、マイクロ波によって処理ガスのプラズマを生成する装置が用いられている。このような装置の一例は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された装置は、導波管、サーキュレータ、及び、整合器を備えている。
【0003】
導波管は、第1端及び第2端を有している。サーキュレータは第1ポート、第2ポート、及び、第3ポートを有している。第2ポートは導波管の第1端に結合されており、第3ポートは導波管の第2端に接続されている。整合器は、マイクロ波の入力端とサーキュレータの第1ポートとの間に設けられている。また、導波管には、マイクロ波の伝搬方向に延びるスロット孔が形成されている。この装置では、入力端からのマイクロ波が、第1ポートから第2ポートに伝搬され、さらに、第2ポートに伝搬されたマイクロ波が導波管の第1端から第2端に伝搬される。導波管の第2端に伝搬されたマイクロ波は、サーキュレータの第3ポートから第1ポートを介して整合器に戻される。整合器に戻されたマイクロ波の一部は、当該整合器によって反射されて、サーキュレータの第1ポートに伝搬される。この装置では、導波管内において定在波の発生が抑制される。即ち、プラズマの生成のために、導波管内において進行波が生成される。また、入力端から供給されるマイクロ波と整合器から反射されたマイクロ波が導波管に供給されるので、スロット孔におけるマイクロ波のパワー密度が高くなる。この装置では、スロット孔に供給される処理ガスがマイクロ波によって励起されて、プラズマが生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−175051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された装置では、スロット孔においてより安定的にプラズマを生成するために、スロット孔におけるマイクロ波のパワー密度を更に高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様においては、プラズマ生成用のマイクロ波を伝搬するマイクロ波供給装置が提供される。このマイクロ波供給装置は、導波管、サーキュレータ、及び、整合器を備える。導波管は、第1端及び第2端を有し、第1端と第2端との間で延在している。サーキュレータは、第1ポート、第2ポート、及び、第3ポートを有する。第2ポートは導波管の第1端に結合されており、第3ポートは導波管の第2端に結合されている。サーキュレータは、入力端からのマイクロ波を第1ポートから第2ポートに伝搬し、第3ポートに受けたマイクロ波を第1ポートから入力端の側に戻すように構成されている。整合器は、入力端とサーキュレータの第1ポートとの間に設けられている。整合器は、第1ポートから入力端の側に戻されるマイクロ波の一部をサーキュレータの第1ポートに反射するよう構成されている。導波管は、互いに対面する第1の壁及び第2の壁、並びに、第1の壁及び第2の壁に交差し、且つ、互いに対面する第3の壁及び第4の壁を含む矩形導波管を含む。第1の壁には、導波管内のマイクロ波の伝搬方向に沿って延びるスロット孔が形成されている。このスロット孔は、第3の壁の側に偏倚した領域に設けられている。導波管は、当該導波管内に設けられた第1のリッジ部を含む。第1のリッジ部は、直方体形状を有する。第1のリッジ部は、第1の壁から離間し且つスロット孔に対面し、第2の壁及び第3の壁に接し、第4の壁から離間している。
【0007】
第1の壁における電流密度は、第1の壁の中央よりも第1の壁の縁部に近い位置において高い。一態様に係るマイクロ波供給装置では、第3の壁の側に偏倚した領域にスロット孔が形成されているので、スロット孔が形成されている領域における電流密度が高くなる。したがって、スロット孔におけるマイクロ波のパワー密度が高められる。また、かかるスロット孔に対面するように第1のリッジ部が設けられている。この第1のリッジ部は、第1の壁から離間し且つスロット孔に対面し、第2の壁及び第3の壁に接し、第4の壁から離間している。この第1のリッジ部によれば、第1の壁と第2の壁が対面する方向においてスロット孔に連続する空間の長さが短くなる。したがって、スロット孔におけるマイクロ波のパワー密度が更に高められる。
【0008】
一実施形態では、第3の壁と第4の壁が対面する方向における第1のリッジ部の幅は、18mmより大きく、52mmより小さい。一実施形態では、第1の壁と第2の壁が対面する方向における第1のリッジ部の高さは、7.5mmより大きく、当該方向における導波管の高さより小さい。
【0009】
一実施形態では、マイクロ波供給装置は、上記伝搬方向における第1のリッジ部の両端に連続して設けられた第2のリッジ部を更に備える。第2のリッジ部は、直方体形状を有する。第2のリッジ部は、第1の壁から離間し、第2の壁及び第3の壁に接し、第4の壁から離間している。第1の壁と第2のリッジ部との間の間隙の長さは、第1の壁と第1のリッジ部との間の間隙の長さよりも大きい。この第2のリッジ部によれば、第1のリッジ部の両端におけるマイクロ波の反射が抑制される。
【0010】
一実施形態では、第1の壁と第2の壁が対面する方向における第2のリッジ部の高さは、14mm以上18mm以下である。
【0011】
一実施形態では、マイクロ波供給装置は、プラズマ生成用の処理ガスを前記導波管内に導入するためのガス供給孔を更に備える。一実施形態では、マイクロ波供給装置は、マイクロ波を発生し、該マイクロ波を入力端に供給するマイクロ波発生器を更に備える。
【0012】
別の態様においては、プラズマ処理装置が提供される。このプラズマ処理装置は、上述のマイクロ波供給装置、スロット孔に処理ガスを供給するガス供給部、及び、処理ガスのプラズマにより被加工物を処理するためのチャンバを提供するチャンバ本体を備える。
【0013】
更に別の態様においては、上述のプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法が提供される。このプラズマ処理方法は、チャンバ内に被加工物を収容する工程と、ガス供給部から供給される処理ガスのプラズマにより被加工物を処理する工程と、を含む。一実施形態では、処理ガスは、分子性ガスを含み、処理ガスの全流量に対する分子性ガスの流量の比が0.2以上1以下である。一実施形態では、分子性ガスは窒素ガスである。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、導波管に形成されたスロット孔におけるマイクロ波のパワー密度が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係るマイクロ波供給装置を示す平面図である。
図2】スロット孔が形成されている部分における導波管の斜視図である。
図3】スロット孔が形成されている部分における導波管の平面図である。
図4】第1のリッジ部及び第2のリッジ部の斜視図である。
図5】一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図6】第1のシミュレーションの結果を示すグラフである。
図7】第2のシミュレーションの結果を示すグラフである。
図8】第3のシミュレーションの結果を示すグラフである。
図9図9の(a)は、マイクロ波のパワーを2.0kWに設定したときのプラズマの発光を示す画像であり、図9の(b)は、マイクロ波のパワーを2.5kWに設定したときのプラズマの発光を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0017】
まず、一実施形態に係るマイクロ波供給装置10について説明する。図1は、一実施形態に係るマイクロ波供給装置を概略的に示す平面図である。図1に示すマイクロ波供給装置10は、プラズマ生成用のマイクロ波供給装置であり、導波管12、整合器14、及び、サーキュレータ16を備えている。一実施形態においては、マイクロ波供給装置10は、複数の導波管181〜184、マイクロ波発生器20、アイソレータ22、方向性結合器24、及び、方向性結合器26を更に備え得る。
【0018】
複数の導波管181〜184は、中空構造を有する導波管であり、例えば、矩形導波管である。複数の導波管181〜184は、例えば銅、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属、又は、これらの合金から形成され得る。複数の導波管181〜184それぞれの内部の圧力は、大気圧に設定され得る。複数の導波管181〜184のうち導波管181の一端は、入力端181aである。
【0019】
マイクロ波発生器20は、導波管181の一端、即ち、入力端181aに結合されている。マイクロ波発生器20は、マイクロ波を発生し、当該マイクロ波を導波管181に供給する。このマイクロ波の周波数は、例えば約2.45GHzである。導波管181の入力端181aに供給されたマイクロ波は、当該導波管181の他端181bに向けて伝搬される。一実施形態では、マイクロ波発生器20は、連続波であるマイクロ波を発生し得る。また、マイクロ波発生器20は、パルス発振機能を備えており、パルス状のマイクロ波を発生してもよい。マイクロ波発生器20は、後述する制御部Contに接続され、制御部Contからの制御信号に応じて、マイクロ波のパワーを調整する。また、マイクロ波発生器20は、パルス状のマイクロ波を発生する場合には、制御部Contからの制御信号に応じて、パルスの周波数及びデューティー比を調整する。マイクロ波発生器20により発生されるパルス状のマイクロ波は、矩形波又は正弦波の何れであってもよい。
【0020】
アイソレータ22は、導波管181の他端181bと導波管182の一端182aとの間に設けられている。アイソレータ22は、第1ポート22a、第2ポート22b、及び、第3ポート22cを有している。第1ポート22aは、マイクロ波発生器20からのマイクロ波を導波管181を介して受けるポートである。アイソレータ22は、第1ポート22aに受けたマイクロ波を、第2ポート22bから出力する。また、アイソレータ22は、導波管182から第2ポート22bに受けたマイクロ波を第3ポート22cから出力する。第3ポート22cには、ダミー負荷28が接続されている。ダミー負荷28に供給されたマイクロ波は当該ダミー負荷において消費される。例えば、ダミー負荷28はマイクロ波を熱に変換する。かかるアイソレータ22は、マイクロ波発生器20に戻される反射波を抑制する。
【0021】
方向性結合器24は、導波管182の他端182bと導波管183の一端183aとの間に設けられている。方向性結合器24は、アイソレータ22の第2ポート22bから導波管182を介して伝搬するマイクロ波を通過させ、整合器14の側から導波管183を介して伝搬するマイクロ波を遮断する。この方向性結合器24によって、反射波が打ち消され、導波管181〜184内で定在波が発生することが抑制される。
【0022】
整合器14は、導波管183の他端183bと導波管184の一端184aとの間に設けられている。整合器14は、例えば、EHチューナであり得る。EHチューナは、Eチューナ部及びHチューナ部を有する。EHチューナは、導波管183と導波管184との間の導波路内でのEチューナ部及びHチューナ部それぞれのプランジャの突出量を調整する。これにより、EHチューナはインピーダンスを調整する。マイクロ波供給装置10の動作時には、EHチューナのプランジャの突出量が調整される。この整合器14は、導波管184の他端184bから戻されるマイクロ波の一部をサーキュレータ16に向けて反射する。なお、整合器14は、EHチューナの代わりに、4Eチューナ、スタブチューナといった別のチューナを有していてもよい。
【0023】
サーキュレータ16は、第1ポート16a、第2ポート16b、及び、第3ポート16cを有している。第1ポート16aは、導波管184の他端184bに結合されている。第2ポート16bは、導波管12の第1端12aに結合されている。サーキュレータ16の第3ポートは、導波管12の第2端12bに結合されている。サーキュレータ16は、入力端181aからのマイクロ波を第1ポート16aから第2ポート16bに伝搬する。また、サーキュレータ16は、第3ポート16cに受けたマイクロ波を第1ポート16aから入力端181aの側に戻すように構成されている。
【0024】
導波管12は、中空構造を有する導波管であり、例えば、矩形導波管である。導波管12の幅GW(Y方向に沿って対面する内面間の幅。図2参照)は、例えば、96mmである。導波管12の高さ(Z方向に沿って対面する内面間の幅。図2参照)は、例えば、27mmである。導波管12は、上述の第1端12a及び第2端12bを有している。導波管12は、例えば銅、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属、又は、これらの合金から形成され得る。この導波管12内の圧力は、大気圧に設定され得る。なお、導波管12、サーキュレータ16、及び、整合器14を含む導波構造は、ループ状の導波路を提供している。
【0025】
導波管12の途中には、方向性結合器26が設けられている。方向性結合器26は、第1端12aから第2端12bに向けて伝搬されるマイクロ波を通過させ、第2端12bから第1端12aに向けて伝搬されるマイクロ波を遮断する。
【0026】
一実施形態では、導波管12には、ガス供給孔12hが形成されている。ガス供給孔12hは、後述するガス供給部からの処理ガスを受けて、当該処理ガスを導波管12内に導入するための孔である。ガス供給孔12hに供給された処理ガスは、導波管12内を通って、スロット孔12sに供給される。一実施形態では、二つのガス供給孔12hが導波管12に形成されている。二つのガス供給孔12hとスロット孔12sとの距離は、互いに略等しくてもよい。この場合には、二つのガス供給孔12hからの処理ガスをスロット孔12sに均一に流すことができる。なお、ガス供給孔12hの個数は、1以上の任意の個数であり得る。
【0027】
導波管12は、一方向に延びる部分を含んでおり、当該部分には、スロット孔12sが形成されている。図2は、スロット孔12sが形成されている部分における導波管12の斜視図である。図3は、スロット孔12sが形成されている部分における導波管12の平面図である。図2に示すように、スロット孔12sが形成されている部分において、導波管12は、第1の壁121、第2の壁122、第3の壁123、及び、第4の壁124を含んでいる。第1の壁121及び第2の壁122は、互いに対面している。第3の壁123及び第4の壁124は、第1の壁121及び第2の壁122に交差又は略直交しており、互いに対面している。
【0028】
スロット孔12sは、第1の壁121に形成されており、当該第1の壁121を貫通している。スロット孔12sは、マイクロ波の伝搬方向(X方向)に沿って延びる長孔形状を有している。スロット孔12sのX方向における長さSLは、例えば、300mmである。また、スロット孔12sの幅(Y方向の幅)は、例えば、0.1mm〜0.5mmの幅である。
【0029】
スロット孔12sは、第3の壁123の側に偏倚した領域に形成されている。即ち、スロット孔12sは、第1の壁121の中心に対して第3の壁123の側に偏倚した位置に形成されている。第3の壁123の内面とスロット孔12sの中心線CLとの間の距離SPは、例えば8mmである。
【0030】
マイクロ波が導波管12内を伝搬するときの第1の壁121における電流密度は、当該第1の壁121の中央よりも第1の壁121の縁部に近い位置において高い。スロット孔12sは、第3の壁123の側に偏倚した領域に形成されているので、スロット孔12sが形成されている領域における電流密度が高くなる。したがって、スロット孔12sにおけるマイクロ波のパワー密度は高くなる。
【0031】
スロット孔12sが形成されている部分における導波管12の内部には、第1のリッジ部40が設けられている。一実施形態では、導波管12の内部には、二つの第2のリッジ部42が更に設けられている。第1のリッジ部40は、導波管12を構成する金属材料と同様の金属材料から形成されている。例えば、第1のリッジ部40は、アルミニウムから形成される。第1のリッジ部40は、銅、鉄、ステンレス等の金属、又は、これらの合金から形成されていてもよい。第2のリッジ部42も、金属材料から形成されている。第2のリッジ部42は、望ましくは、第1のリッジ部40を構成する金属材料と同様の金属材料から形成される。
【0032】
図4は、第1のリッジ部及び第2のリッジ部の斜視図である。以下、図2と共に図4を参照する。第1のリッジ部40は、X方向において長尺の直方体形状を有している。第1のリッジ部40のX方向における長さRALは、例えば、400mmである。第1のリッジ部40は、第1の壁121の内面から離間しており、スロット孔12sに面している。第1のリッジ部40は、第2の壁122及び第3の壁123に接している。また、第1のリッジ部40は、第4の壁124の内面から離間している。即ち、第1のリッジ部40は、第2の壁122と第3の壁123とが交差する隅部に沿って設けられている。
【0033】
第1のリッジ部40によれば、第1の壁121と第2の壁122が対面する方向(Z方向)においてスロット孔12sに連続する導波管12内の空間の長さが短くなる。したがって、スロット孔12sにおけるマイクロ波のパワー密度が更に高められる。
【0034】
一実施形態において、第3の壁123と前記第4の壁124が対面する方向(Y方向)における第1のリッジ部40の幅RAWは、18mmより大きく、52mmよりも小さい。かかる幅RAWを有する第1のリッジ部40によれば、幅RAWが導波管12の幅GWと同一の場合のスロット孔12sにおけるマイクロ波のパワー密度よりも高いパワー密度が得られる。
【0035】
一実施形態において、第1の壁121と前記第2の壁122が対面する方向(Z方向)における第1のリッジ部40の高さRAHは、7.5mmよりも大きく、導波管12の高さGHよりも小さい。例えば、第1のリッジ部40の高さRAHは、27mmより小さい。かかる高さRAHを有する第1のリッジ部40によれば、スロット孔12sにおいてマイクロ波のパワー密度が更に高められる。
【0036】
二つの第2のリッジ部42の各々は直方体形状を有している。二つの第2のリッジ部42はそれぞれ、第1のリッジ部40のX方向における両端に連続して設けられている。二つの第2のリッジ部42の幅は、第1のリッジ部40の幅RAWと略同一である。二つの第2のリッジ部42の各々と第1の壁121との間の間隙の長さは、第1のリッジ部40と第1の壁121との間の間隙の長さよりも大きい。これら第2のリッジ部42のZ方向における高さは、例えば14mm以上18mm以下の範囲から選択される。これら第2のリッジ部42によれば、第1のリッジ部40の両端におけるマイクロ波の反射が抑制される。
【0037】
再び図1を参照する。一実施形態では、マイクロ波供給装置10は、導波管12内に隔壁PWを備え得る。隔壁PWは、石英、セラミック、ポリテトラフルオロエチレン等の誘電体から形成される。隔壁PWは、導波管12内に供給された処理ガスがマイクロ波発生器20に進入することを防止する。一方、隔壁PWは、マイクロ波発生器20からのマイクロ波の通過を許容する。図1に示す例では、隔壁PWの個数は二つである。一方の隔壁PWはスロット孔12sに対して一方側に設けられており、他方の隔壁PWはスロット孔12sに対して他方側に設けられている。また、上述の二つのガス供給孔12hのうち一方は、スロット孔12sと一方の隔壁PWとの間に設けられており、二つのガス供給孔12hのうち他方は、スロット孔12sと他方の隔壁PWとの間に設けられている。
【0038】
マイクロ波供給装置10では、マイクロ波発生器20によって発生されたマイクロ波が、複数の導波管181〜184を介してサーキュレータ16の第1ポート22aに入力される。第1ポート22aに入力されたマイクロ波は、サーキュレータ16の第2ポート22bに結合された導波管12の第1端12aに入力される。第1端12aに入力されたマイクロ波は、導波管12内において第1端12aから第2端12bに向けて伝搬する。第2端12bに至ったマイクロ波は、第2端12bに結合されたサーキュレータ16の第3ポート16c及び第1ポート16aを介して整合器14に戻される。整合器14は、戻されたマイクロ波の一部を反射し、当該マイクロ波の一部をサーキュレータ16の第1ポート16aに戻す。このマイクロ波供給装置10では、導波管12内での反射波の発生が抑制されており、進行波が導波管12内において伝搬する。この進行波がスロット孔12sにおいて処理ガスを励起させる。これにより、スロット孔12s内においてプラズマが生成される。上述したように、マイクロ波供給装置10では、スロット孔12s内において高いマイクロ波のパワー密度が得られるので、スロット孔12s内にわたって、安定的にプラズマを生成することが可能である。例えば、分子性ガスといった安定したガスを高い濃度で含む処理ガスを用いても、スロット孔12s内にわたって安定的にプラズマを生成することが可能である。
【0039】
以下、一実施形態に係るプラズマ処理装置について説明する。図5は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図5においては、プラズマ処理装置の一部が破断して示されている。図5に示すプラズマ処理装置100は、上述したマイクロ波供給装置10を備えている。このプラズマ処理装置100は、大気圧環境下において、被加工物Wにプラズマ処理を適用することができる。また、プラズマ処理装置100は、減圧環境下において、被加工物Wにプラズマ処理を適用することもできる。
【0040】
プラズマ処理装置100は、ガス供給部110及びチャンバ本体120を更に備えている。ガス供給部110は、一以上のガス源、一以上のバルブ、及び、一以上の流量制御器を有し得る。ガス供給部110は、一以上のガス源からの処理ガスをフロースプリッタFS及びガス供給孔12hを介して導波管12内に供給する。フロースプリッタFSは、ガス供給部110から供給される処理ガスを、後述する制御部Cont等により設定された分配比で、二つのガス供給孔12hに分配する。
【0041】
チャンバ本体120は、その内部空間をチャンバ120cとして提供している。チャンバ本体120は、側壁120a及び底壁120bを含み得る。側壁120aは、略円筒形状を有しており、鉛直方向に延在している。底壁120bは、側壁120aの下端側に設けられている。底壁120bには、排気孔136aを有する排気管136が取り付けられている。排気管136は、排気装置138に接続されている。排気装置138は、後述する制御部Contにより制御され、チャンバ120cから排気される気体の流量を調整して、チャンバ120cの圧力を調整する。排気装置138は、ドライポンプといった真空ポンプを有している。この排気装置138により、チャンバ120cの圧力が所望の圧力、例えば、常圧又は減圧状態になるように調整される。なお、排気装置138が、排気管及び弁を介して導波管12と接続され、導波管12内の圧力が調整されてもよい。
【0042】
チャンバ120c内にはステージ132が設けられている。ステージ132上には、被加工物Wが載置される。一実施形態では、ステージ132の内部に、加熱素子であるヒータ134が設けられてもよい。ヒータ134は、ヒータ電源135に接続されており、ヒータ電源135から供給される電力により熱を発生して、ステージ132を加熱し得る。ヒータ電源135は、後述する制御部Contにより制御され、ヒータ134に供給する電力を調整し、ヒータ134の発熱量を調整する。
【0043】
チャンバ本体120の上端は開口している。チャンバ本体120の上端には、被加工物Wにスロット孔12sが対面するように、導波管12が配置されている。
【0044】
一実施形態において、プラズマ処理装置100は、当該プラズマ処理装置100の各部の制御を実行する制御部Contを備え得る。制御部Contは、マイクロ波発生器20によるマイクロ波の供給及び供給の停止、並びに、マイクロ波パワー、パルスの周波数、デューティー比等の制御、処理ガスの流量の制御、フロースプリッタFSによる分配比の制御、排気装置138の制御、ヒータ電源135の制御等を実行する。この制御部Contは、例えば、プログラム可能なコンピュータ装置であり得る。
【0045】
次に、上述のプラズマ処理装置100を用いたプラズマ処理方法について説明する。このプラズマ処理方法では、第1の工程において、チャンバ120c内に被加工物Wが収容される。被加工物Wは、ステージ132上に載置される。
【0046】
続く第2の工程において、ガス供給部110から供給される処理ガスのプラズマがマイクロ波供給装置10によって生成される。そして、このプラズマからのイオン及び/又はラジカルによって、被加工物Wが処理される。
【0047】
一実施形態では、処理ガスは、分子性ガスを含み得る。処理ガスの全流量に対する分子性ガスの流量の比は0.2以上1以下であり得る。分子性ガスは、窒素ガス又は酸素ガスであり得る。しかしながら、他の分子性ガスが用いられてもよい。処理ガスは、分子性ガスの他に、アルゴンガス、ヘリウムガスといった希ガスを更に含んでいてもよい。
【0048】
上述したようにマイクロ波供給装置10によれば、スロット孔12sにおけるマイクロ波のパワー密度が向上される。したがって、分子性ガスを含む処理ガスを用いても、スロット孔12s内において安定的にプラズマを生成することが可能である。このプラズマ処理方法によれば、例えば窒素ガスを分子性ガスとして用いる場合に、被加工物Wの窒化処理を行うことができる。
【0049】
以下、マイクロ波供給装置10の評価のために行った電磁界シミュレーションについて説明する。
【0050】
第1のシミュレーションでは、第1のリッジ部40の幅RAWをパラメータとして種々に変更しつつ、スロット孔12s内の磁場強度を求めた。第1のシミュレーションにおける条件を以下に示す。
<第1のシミュレーションの条件>
導波管12の幅GW:96mm
導波管12の高さGH:27mm
第1のリッジ部40の高さRAH:13.5mm
第1のリッジ部40の長さRAL:400mm
スロット孔12sの形成位置(距離SP):8mm
スロット孔12sの長さSL:300mm
スロット孔12sの幅SW:0.1mm
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波のパワー:2.5kW
マイクロ波のモード:連続波
【0051】
図6は、第1のシミュレーションの結果を示すグラフである。図6において横軸は、第1のリッジ部40の幅RAWを示しており、縦軸は、スロット孔12sにおける磁場強度の平均値を示している。また、図6に示す一点鎖線は、第1のリッジ部40及び第2のリッジ部42が設けられていない場合のスロット孔12sにおける磁場強度の平均値を示している。また、図6に示す点線は、幅RAWが導波管12の幅GWと同一である場合のスロット孔12sにおける磁場強度の平均値を示している。
【0052】
図6に示すように、第1のリッジ部40の幅RAWが18mmより大きく、52mmより小さい場合には、スロット孔12sにおける磁場強度が、幅RAWが導波管12の幅GWと同一である場合のスロット孔12sにおける磁場強度よりも大きくなることが確認された。即ち、第1のリッジ部40の幅RAWが18mmより大きく、52mmより小さい場合には、スロット孔12sにおけるマイクロ波のパワー密度がより高くなることが確認された。
【0053】
次に、第2のシミュレーションについて説明する。第2のシミュレーションでは、第1のリッジ部40の高さRAHをパラメータとして種々に変更しつつ、スロット孔12s内の磁場強度を求めた。第2のシミュレーションにおける条件を以下に示す。
<第2のシミュレーションの条件>
導波管12の幅GW:96mm
導波管12の高さGH:27mm
第1のリッジ部40の幅RAW:32mm
第1のリッジ部40の長さRAL:400mm
スロット孔12sの形成位置(距離SP):8mm
スロット孔12sの長さSL:300mm
スロット孔12sの幅SW:0.1mm
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波のパワー:2.5kW
マイクロ波のモード:連続波
【0054】
図7は、第2のシミュレーションの結果を示すグラフである。図7において横軸は、第1のリッジ部40の高さRAHを示しており、縦軸は、スロット孔12sにおける磁場強度の平均値を示している。また、図7に示す一点鎖線は、第1のリッジ部40及び第2のリッジ部42が設けられていない場合のスロット孔12sにおける磁場強度の平均値を示している。また、図7に示す点線は、幅RAWが導波管12の幅GWと同一であり、且つ、高さRAHが13.5mmの場合のスロット孔12sにおける磁場強度の平均値を示している。
【0055】
図7に示すように、第1のリッジ部40の高さRAHが7.5mmより大きい場合には、幅RAWが導波管12の幅GWと同一であり、且つ、高さRAHが13.5mmの場合のスロット孔12sにおける磁場強度よりも高い磁場強度が得られることが確認された。即ち、第1のリッジ部40の高さRAHが7.5mmよりも大きい場合には、スロット孔12sにおけるマイクロ波のパワー密度がより高くなることが確認された。
【0056】
次に、第3のシミュレーションについて説明する。第3のシミュレーションでは、第2のリッジ部42の高さRBHをパラメータとして種々に変更しつつ、S11パラメータを求めた。第3のシミュレーションにおける条件を以下に示す。
<第3のシミュレーションの条件>
導波管12の幅GW:96mm
導波管12の高さGH:27mm
第1のリッジ部40の幅RAW:32mm
第1のリッジ部40の高さRAH:13.5mm
第1のリッジ部40の長さRAL:400mm
スロット孔12sの形成位置(距離SP):8mm
スロット孔12sの長さSL:300mm
スロット孔12sの幅SW:0.1mm
第2のリッジ部の長さRBL:39.5mm
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波のパワー:2.5kW
マイクロ波のモード:連続波
【0057】
図8は、第3のシミュレーションの結果を示すグラフである。図8において横軸は、第2のリッジ部42の高さRBHを示しており、縦軸は、S11パラメータを示している。
図8に示すように、第2のリッジ部42の高さRBHが14mm以上18mm以下である場合には、S11パラメータが0.1以下となった。即ち、第2のリッジ部42の高さRBHが14mm以上18mm以下である場合には、第1のリッジ部40の両端におけるマイクロ波の反射が大きく抑制されることが確認された。
【0058】
以下、マイクロ波供給装置10の評価のために行った実験について説明する。この実験では、マイクロ波供給装置10の導波管12内に2slmの窒素ガスを供給し、スロット孔12sにおけるプラズマの発光を撮影した。なお、プラズマの発光の撮影においては、露光時間を20msに設定した。実験における条件は以下の通りである。
<実験の条件>
導波管12の幅GW:96mm
導波管12の高さGH:27mm
第1のリッジ部40の幅RAW:32mm
第1のリッジ部40の高さRAH:13.5mm
第1のリッジ部40の長さRAL:400mm
スロット孔12sの形成位置(距離SP):8mm
スロット孔12sの長さSL:300mm
スロット孔12sの幅SW:0.1mm
第2のリッジ部の長さRBL:40mm
第2のリッジ部の高さRBH:22mm
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波のパワー:2.0kW及び2.5kW
マイクロ波のモード:連続波
【0059】
図9の(a)に、マイクロ波のパワーを2.0kWに設定したときのプラズマの発光を示す画像を示し、図9の(b)に、マイクロ波のパワーを2.5kWに設定したときのプラズマの発光を示す画像を示す。図9の(a)及び図9の(b)に示すように、マイクロ波供給装置10によれば、分子性ガスである窒素ガスを用いても、マイクロ波のパワーに依存せずに、スロット孔12sにわたって安定的にプラズマを発生させることが可能であることが確認された。
【0060】
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、導波管12内には誘電体が設けられていてもよい。この誘電体は、導波管12の第1のリッジ部40と第4の壁124との間、且つ、第1の壁121と第2の壁122との間で延在する。かかる誘電体により、スロット孔12sにおけるマイクロ波の密度を更に高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0061】
10…マイクロ波供給装置、12…導波管、12a…第1端、12b…第2端、12s…スロット孔、12h…ガス供給孔、121…第1の壁、122…第2の壁、123…第3の壁、124…第4の壁、12s…スロット孔、14…整合器、16…サーキュレータ、16a…第1ポート、16b…第2ポート、16c…第3ポート、181a…入力端、20…マイクロ波発生器、40…第1のリッジ部、42…第2のリッジ部、100…プラズマ処理装置、110…ガス供給部、120…チャンバ本体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9