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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228696(P2017-228696A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】基板載置装置及び基板載置方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
   H01L21/68 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-124758(P2016-124758)
(22)【出願日】2016年6月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133776
【弁理士】
【氏名又は名称】三井田 友昭
(72)【発明者】
【氏名】森 泰夫
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA13
5F131BA60
5F131CA03
5F131CA07
5F131CA09
5F131CA53
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA04
5F131EA23
5F131EB01
5F131EB54
5F131EB55
5F131EB58
5F131EB72
5F131EB81
5F131HA28
5F131JA12
5F131JA34
5F131KA22
5F131KB32
5F131KB43
(57)【要約】
【課題】、加熱装置の載置台にウエハに載置するにあたって、基板の反りを矯正した状態で載置する技術を提供すること。
【解決手段】
載置台1にウエハWを載置して加熱する加熱装置において、載置台1の表面から突没する吸引用部材3を設け、昇降ピン15により基板搬送機構100から受け渡されたウエハWを載置台1に載置するときにウエハWの下面に吸引用部材3を吸着する。そして吸引用部材3と昇降ピンとを同期させて下降させて、ウエハWを載置台1に載置している。さらに圧力センサ33により吸引用部材3の吸引用圧力を監視し、吸引用部材3がウエハWに吸着しているかを判断し、吸引用部材3がウエハWに吸着した後は、吸引用部材3の吸引圧力を下げるようにしている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載置する載置台と、
前記載置台の上方にある基板の下面を吸引して基板の形状を矯正するための吸引用部材と、
前記吸引用部材を昇降させる昇降機構と、を備えることを特徴とする基板載置装置。
【請求項2】
前記吸引用部材は載置台内を貫通して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板載置装置。
【請求項3】
前記吸引用部材は、載置台の周方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の基板載置装置。
【請求項4】
複数の前記吸引用部材は、個別に昇降できることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板載置装置。
【請求項5】
複数の前記吸引用部材は、共通の昇降部に弾性体を介して設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板載置装置。
【請求項6】
外部の基板搬送機構と載置台との間で基板の受け渡しをするために載置台の載置面に対して突没自在な複数の保持ピンが設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の基板載置装置。
【請求項7】
前記載置台には温調機構が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の基板載置装置。
【請求項8】
前記温調機構は、基板を加熱処理するための加熱部であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の基板載置装置。
【請求項9】
前記保持ピンにより前記載置部の上方にて保持された基板の下面に吸引用部材を吸着させるステップと、前記吸引用部材を基板に吸着させた状態で前記保持ピン及び前記吸引用部材を同期させて下降させ基板を載置台に載置するステップと、前記吸引用部材により吸引した状態で前記吸引用部材を基板の下面から離れ、基板の形状が矯正される高さまで下降させるステップと、を実行する制御部と、を備えることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか一項に記載の基板載置装置。
【請求項10】
前記吸引用部材の吸引圧力を調整する吸引圧力調整部を備え、
基板の下面に吸引用部材を吸着させるステップは、第1の吸引圧力にて基板の下面に吸引用部材を吸着させ、
前記吸引用部材が基板の下面から離れ、基板の形状が矯正される高さまで下降させるステップにおける前記吸引用部材の吸引圧力は、第1の吸引圧力よりも小さい第2の吸引圧力であることを特徴とする請求項9に記載の基板載置装置。
【請求項11】
基板を載置する載置部と、前記載置部の上方にある基板の下面を吸引して基板の形状を矯正するための吸引用部材と、前記吸引用部材を昇降させる昇降機構と、外部の基板搬送機構と載置台との間で基板の受け渡しをするために載置台の載置面に対して突没自在な複数の保持ピンと、を備えた基板載置装置を用い、
前記保持ピンにより前記載置部の上方にて保持された基板の下面に吸引用部材を吸着させる工程と、
前記吸引用部材を基板に吸着させた状態で前記保持ピン及び前記吸引用部材を同期させて下降させ基板を載置台に載置する工程と、
前記吸引用部材により吸引した状態で前記吸引用部材を基板の下面から離れ、基板の形状が矯正される高さまで下降させる工程と、を含むことを特徴とする基板載置方法。
【請求項12】
前記吸引用部材の吸引圧力を調整する吸引圧力調整部を備え、
基板の下面に吸引用部材を吸着させる工程は、第1の吸引圧力にて基板の下面に吸引用部材を吸着させ、
前記吸引用部材を基板の下面から離れ、基板の形状が矯正される高さまで下降させる工程における前記吸引用部材の吸引圧力は、第1の吸引圧力よりも小さい第2の吸引圧力であることを特徴とする請求項11に記載の基板載置方法。
【請求項13】
複数の前記吸引用部材は個別に昇降し、
複数の前記吸引用部材を同じ高さ位置としながら、前記基板を下降させ、基板の下面に吸着した吸引用部材から順番に前記保持ピンと同期させて下降させることを特徴とする請求項11または12に記載の基板載置方法。
【請求項14】
複数の前記吸引用部材は、共通の昇降部に弾性体を介して設けられることを特徴とする請求項11または12に記載の基板載置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置台に基板を載置する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
基板である半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に対して有機膜やレジスト膜などの塗布膜を形成するプロセスにおいては、ウエハに対して加熱処理が行われる。この加熱処理は、例えば塗布膜中の揮発性物質を除去するために塗布膜形成後に、あるいはパターン露光を行った後に露光部位あるいは未露光部位を変質させるために行われる。加熱処理に使用される加熱装置としては、ヒータが設けられた載置台である熱板上にウエハを加熱する装置が用いられ、プロセスを行う前に載置台に平板状の検査用ウエハを載置して、検査用ウエハの温度が面内で均一になるように加熱部の出力を調整している。
【0003】
一方近年において、3次元構造のデバイスの開発が進んでおり、このため従来のデバイスの場合に比べて、製造過程でウエハの反りの程度が大きくなってしまう場合が起こってくる。このようなウエハを載置台に載置して加熱処理を行おうとすると、検査用ウエハとは条件が変わってしまうため、即ち載置台の表面とウエハWとの距離がウエハの部位によって異なり、加熱部とウエハとの間の熱伝導率が異なってしまうため、ウエハの温度について良好な面内均一性を確保することが困難になる。
【0004】
例えば特許文献1には、載置台に吸引孔を設け、吸引孔によりウエハを吸引することによりウエハの反りを矯正し、ウエハの加熱温度を均一にする技術が記載されている。
しかしながら反りが生じているウエハを載置台に載置したときに反りの量が大きい場合には、吸引孔とウエハの表面との距離が大きくなってしまい、ウエハを吸引することができずウエハの矯正ができないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−177303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、載置台に基板に載置するにあたって、基板の反りを矯正した状態で載置することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基板載置装置は、基板を載置する載置台と、
前記載置台の上方にある基板の下面を吸引して基板の形状を矯正するための吸引用部材と、
前記吸引用部材を昇降させる昇降機構と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の基板載置方法は、基板を載置する載置部と、前記載置部の上方にある基板の下面を吸引して基板の形状を矯正するための吸引用部材と、前記吸引用部材を昇降させる昇降機構と、外部の基板搬送機構と載置台との間で基板の受け渡しをするために載置台の載置面に対して突没自在な複数の保持ピンと、を備えた基板載置装置を用い、
前記保持ピンにより前記載置部の上方にて保持された基板の下面に吸引用部材を吸着させる工程と、
前記吸引用部材を基板に吸着させた状態で前記保持ピン及び前記吸引用部材を同期させて下降させ基板を載置台に載置する工程と、
前記吸引用部材により吸引した状態で前記吸引用部材を基板の下面から離れ、基板の形状が矯正される高さまで下降させる工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、基板を載置する載置台と、載置台の上方にある基板の下面を吸引するための昇降自在に構成された吸引用部材とを、設けている。そのため基板の下面に吸引用部材を吸着させた状態で吸引用部材を下降させて基板を矯正することができるため、基板の反りを矯正して載置台に載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る加熱装置の断面図である。
図2】前記加熱装置における載置台の平面図である。
図3】吸引用部材を示す断面図である。
図4】第1の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図5】第1の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図6】第1の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図7】第1の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図8】第1の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図9】第1の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図10】第1の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図11】第2の実施の形態に係る吸引用部材を示す断面図である。
図12】第2の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図13】第2の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図14】第2の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図15】第2の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図16】第2の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図17】第2の実施の形態に係る加熱装置の作用を示す説明図である。
図18】本発明の実施の形態の他の例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係る基板載置装置を加熱装置に適用した例について図1図2を参照して説明する。図1に示すように加熱装置は、ウエハWを載置する載置台1を備え、載置台1は図示しない筐体の底面部に相当する基台24の上に支持部材23を介して支持されている。載置台1の表面側の中心部には、ヒータ12が埋設されたウエハWを加熱するための扁平な円柱形の加熱板11が設けられている。加熱板11の表面には、図2に示すように加熱板11の中心部と、加熱板11の周縁部に周方向等間隔となる位置と、にギャップピン13が設けられ、ウエハWは、ギャップピン13上に水平に支持され、加熱板11から浮いた状態で加熱される。また図1図2に示すように載置台1には周方向等間隔に3か所の孔部21が設けられ(図2では、便宜上孔部21が設けられる位置を×で示している。)、各孔部21には、保持ピンである昇降ピン15が設けられている。昇降ピン15は、昇降機構16により昇降し、載置台1の表面から突没するように構成されている。
【0012】
図1に戻って載置台1の上方には、天板部19が設けられ、天板部19の下面中央部には、排気口20が開口し、排気口20は排気管25を介して工場排気に接続されている。また載置台1の周囲には環状のシャッタ17が設けられている。シャッタ17は昇降機構18に接続され、昇降自在に構成されており、シャッタ17が下降したときに載置台1の上方の領域の周囲が開放され、外部の基板搬送機構と、載置台1との間でウエハWの受け渡しが行われる。またシャッタ17が上昇したときに、シャッタ17の上端と、天板部19の周縁部との間にごく狭い隙間が形成され、シャッタ17を上昇させて、排気口20から排気をしたときにシャッタ17と天板部19との隙間から、載置台1の上方に加熱装置の周囲の雰囲気が流れ込み、排気口20から排気されるように構成されている。これにより載置台1に載置されたウエハWの上方の雰囲気が排気される。
【0013】
図1図2に示すように、例えば載置台1の中心部のギャップピン13の近傍に隣接した位置、載置台1の中心部を中心とする第1の円に沿った等間隔に4か所の位置、さらに第1の円と同心となり、第1の円の外側の第2の円に沿った等間隔に8か所の位置には、各々載置台1を厚さ方向に貫通する貫通孔22が形成されている。載置台1の中心部近傍に設けられた貫通孔22には吸引用部材3a、第1の円に沿って設けられた貫通孔22には、吸引用部材3b、第2の円に沿って設けられた貫通孔22には、吸引用部材3cが夫々設けられている。なお以下では、吸引用部材については個別的な説明をするときには「3a」「3b」または「3c」の符号を用い、総括的な説明をするときには「3」の符号を用いることとする。なお図1及び後述の作用説明図では、図の煩雑さを避けるため、第1の円に沿った吸引用部材3bは示していない。
吸引用部材3は、図3に示すように内部にガス吸引路30が形成された管状の部材であり、下方側の端部にフレキシブルな吸引管32の一端が接続されている。吸引管32は吸引用部材3側から吸着監視部である圧力センサ33、ダンパ34及び吸引用エアーの給断を行うためのバルブ32Aが介設され、他端側が吸引ポンプ35に接続されている。吸引圧力調整部であるダンパ34が設けられる。ダンパ34は、ダンパ34の開度により圧力損失を調整することにより吸引用部材3側の吸引圧力を、例えば2段階の大きさに調整するように構成されている。2段階の内の一方においては、吸引圧力をウエハWに吸着させる時の圧力である第1の吸引圧力となるように開度が設定され、他方においては、吸引圧力をウエハWの下面に吸着させた後、吸着を維持することができる圧力となるように開度が設定されている。また吸引用部材3は、昇降機構31に接続され、各吸引用部材3が個別に昇降するように構成されており、吸引用部材3は、上端がギャップピン13の先端よりも高い位置まで上昇するように構成されている。
【0014】
加熱装置は、図1図3に示すように制御部9を備えている。図3に示すように制御部9は、CPU91、プログラムを格納したプログラム格納部92及びメモリ93を備えている。なお図中90はバスである。制御部9は、昇降ピン15の昇降機構16、吸引用部材3の昇降機構31、バルブ32A、ダンパ34に接続され、さらに圧力センサ33で測定された圧力測定値が入力されるように構成されている。
【0015】
メモリ93には、吸引用部材3がウエハWに吸着したことを判断するための閾値が記憶される。例えば吸引用部材3により第1の吸引圧力で吸引しているときに吸引用部材3がウエハWの下面に吸着すると、吸引管32の圧力が上昇する。そのため閾値は、この時の上昇した圧力測定値が閾値を越える値となるように設定される。
プログラムは、ウエハWの受け渡しや昇降ピン15の昇降を行うと共に圧力測定値を監視し、圧力測定値と閾値とを比較して、吸引圧力の調整及び吸引用部材3の昇降を行うステップ(命令)群が組まれている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
【0016】
第1の実施の形態に係る加熱装置の作用について説明する。ウエハWの搬入前においては、吸引用部材3は、載置台1の内部に収容されており、加熱板11が設定温度に加熱されている。次いで加熱装置のシャッタ17が下降し、図4に示すように例えば外部の基板搬送機構100によりウエハWが載置台1の上方の受け渡し位置に搬送される。この例では、ウエハWは、ウエハWの周縁側が上方に反っているものとする
【0017】
次いで図5に示すように昇降ピン15上昇させて基板搬送機構100に保持されたウエハWを下方側から突き上げて受け取る。このとき各吸引用部材3を上昇させ、先端をギャップピン13の上端よりも高い位置に位置させる。またダンパ34は、第1の吸引圧力で吸引する開度となっている。この第1の吸引圧力は、反りが生じているウエハWの下面に吸引用部材3を吸着することができる圧力に設定される。さらに基板搬送機構100を退避させると共にシャッタ17を上昇させ、排気口20から排気を開始する。
【0018】
続いて昇降ピン15を徐々に下降させ、ウエハWを下降させる。ウエハWは、その中心部寄りの部位の高さ位置が低くなり、ウエハWの周縁部寄りの部位の高さ位置が高くなっているため、ウエハWを下降させていくと、図6に示すようにウエハWの中心部に近い位置にある吸引用部材3aがウエハWの周縁部寄りに配置された吸引用部材3b、3cに先行してウエハWの下面に接して吸着する。なお図4図10では、吸引用部材3がウエハWに吸着した状態を斜線で示している。
ウエハWが吸引用部材3aに吸着すると、吸引用部材3aの先端がウエハWの下面により塞がれるため当該吸引用部材3に接続された吸引管32に設けた圧力センサ33の圧力測定値が上昇し閾値を上回る。そして制御部9は、圧力センサ33圧力測定値が閾値を越えたことを感知すると、当該吸引用部材3の吸引圧力を第2の吸引圧力に下げるように開度を切り替える信号をダンパ34出力する。
【0019】
吸引用部材3をウエハWの下面に吸着させた後は、吸引用部材3の内部が陰圧になるため、第1の吸引圧力よりも低い圧力であっても吸引用部材3がウエハWの下面に吸着した状態を維持することができる。そのため第2の吸引圧力は、吸引用部材3をウエハWの下面に吸着させた後、吸着した状態を維持できる圧力であればよい。また制御部9は圧力測定値が閾値を上回ったことを感知すると、当該吸引用部材3aに接続された昇降機構31に昇降ピン15の下降する速度と同じ速度で、当該吸引用部材3aを下降させるように信号を出力する
【0020】
その後図7に示すようにさらに昇降ピン15を下降させると共に、ウエハWに吸着した吸引用部材3を下降させる。この時ウエハWの中心部に近い位置の吸引用部材3aから順番に、即ち吸引用部材3a、吸引用部材3b(吸引用部材3bは、作用図では示していない)、吸引用部材3cの順にウエハWに吸着する。ウエハWに吸着した吸引用部材3b、3cは、既述の吸引用部材3aと同様に吸引圧力が第1の吸引圧力よりも小さい第2の吸引圧力に切り替わると共に、昇降ピン15と同じ速度で下降する。そしてウエハWを下降させていくと、図8に示すようにウエハWは、最も中心寄りの位置のギャップピン13に接する。
【0021】
その後昇降ピン15をさらに下降させると共に、吸引用部材3を、吸引を行った状態でさらに下降させる。この時ウエハWの中心寄りの部位はすでにギャップピン13に接触しており、下降が規制されている。そのためウエハWの中心寄りの位置の吸引用部材3aは、ウエハWを吸着しようとする力が働いた状態で、ウエハWの下面から引き離される。一方ウエハWの周縁寄りの部位は反りが生じているためギャップピン13から浮いた状態になっている。このため周縁寄りの位置の吸引用部材3b、3cは、ウエハWの下面に吸着した状態で下降し、ウエハWの周縁寄りの部位に下方向きの力が加えられ、図9に示すようにウエハWの反りが矯正される。ウエハWの周縁部寄りの部位の反りが矯正されギャップピン13の高さまで下降されると、ウエハWの周縁部寄りの部位の吸引用部材3b、3cは、ウエハWを吸引する力を維持したまま、ウエハWの下面から引き離される。
【0022】
各吸引用部材3は、ウエハWの下面から引き離された後、さらに下降する。ウエハWの下面から離れるに従い、ウエハWを下方に引き寄せる力は弱くなるため、ウエハWを吸引し、反りの矯正を維持することができる高さ位置にて停止する。
そしてすべての吸引用部材3をウエハWの下面から引き離し、かつウエハWの下面を吸引し、ウエハWの反りを矯正した状態で加熱処理を行い、ウエハWの加熱処理が終了した後で、各吸引用部材3の吸引を停止する。これにより、図10に示すようにウエハWが反った状態に戻る。
その後シャッタ17が開放され、ウエハWは、外部の基板搬送機構100と昇降ピン15との協働作用により、基板搬送機構100に受け渡されて搬出される。
【0023】
上述の実施の形態によれば、載置台1にウエハWを載置して加熱する加熱装置において、載置台1の表面から突没する吸引用部材3を設けている。そして昇降ピン15により基板搬送機構100から受け渡されたウエハWを載置台1に載置するときにウエハWの下面に吸引用部材3を吸着させ、吸引用部材3と昇降ピンとを同期させて下降させて、ウエハWを載置台1に載置している。さらに吸引用部材3をウエハWの下面を吸引した状態で下降させてウエハWを矯正するため、ウエハWの反りを矯正して載置台1全面に渡って均一に載置すること、即ち平坦な状態で載置することができる。
【0024】
またウエハWの反りを矯正した後、吸引用部材3を下降させてウエハWの下面から引き離し、ウエハWの反りの矯正を維持できる高さにて停止するようにしている。吸引用部材3がウエハWに吸着していると、吸引用部材3を介してウエハWの熱が放熱してしまい、ウエハWの温度の面内均一性が悪くなる要因になる。そのため吸引用部材3を下降させて、ウエハWの下面から引き離すことでこのような不具合が回避できる。上述の実施の形態によれば、ウエハWの反りを矯正した後、吸引用部材3をウエハWから引き離し、ウエハWの反りを矯正できる距離を維持している。そのため吸引用部材3の吸着に起因するウエハの熱の放熱を抑制できるためウエハWの加熱温度の面内均一性を良好にすることができる。
さらに吸引用部材3の吸引圧力を監視し、吸引用部材3がウエハWに吸着しているかを判断し、吸引用部材3がウエハWに吸着した後に吸引圧力を下げるようにしている。そのため大きな吸引圧力を継続する必要がなく吸引ポンプ35の負荷を下げることができる。
【0025】
また吸引用部材3は、一か所であってもよい。例えば周縁部が中心部よりも下方側に反るウエハWを載置台1に載置するにあたっては、載置台1の中心部に1つの吸引用部材3aを設けてもよい。この場合には、ウエハWの中心部の下面側を吸引して下方に引き寄せることでウエハWの反りを矯正することができるため同様の効果を得ることができる。
【0026】
また吸引用部材3を上昇させて、外部の基板搬送機構100との間でウエハWの受け渡しを行うようにしてもよい。さらに本発明は、加熱装置に載置する場合に限らず、例えばウエハWを冷却して温調する冷却プレートであってもよい。
[第2の実施の形態]
【0027】
第2の実施の形態に係る加熱装置は、例えば図11に示すように各吸引用部材4が共通の昇降板44に接続され、一体となって昇降するように構成されている。吸引用部材4は、管状に形成され、例えば円筒形のケース体40の上面に形成された孔部41に挿入されている。吸引用部材4の上端部及び下端部にはフランジ42が形成され、下端側のフランジ42はケース体40の内面と吸引用部材4の昇降を妨げないごく狭い隙間が形成されるように設けられている。ケース体40内における吸引用部材4の下方の領域には、弾性体であるばね部材43が設けられ、吸引用部材4をケース体40に押し込むことにより、下端側のフランジ42がばね部材を下方に押すため、吸引用部材4を上方に押し返す上向きの付勢力が生じる。そして吸引用部材4を押し下げていないときには、図11に示すように吸引用部材4の下端側のフランジ42の上面がケース体40の天井面に着座している。この下端側のフランジ42と、ケース体40の天井面とにより、吸引用部材4のケース体40から突出が規制される。
【0028】
各吸引用部材4及びケース体40は、第1の実施の形態に示す吸引用部材3と同様に載置台1に形成された貫通孔22に各々設けられ、各吸引用部材4は、ケース体40の下面側が、共通の昇降板44に固定され、昇降板44は昇降機構45により昇降するように構成されている。なお図11は、は記載の煩雑化を避けるためケース体40の配置間隔は、正確ではない。各ケース体40の下面には、吸引管32が接続され、各吸引管32は、1本の共通吸引管36に合流し、吸引ポンプ35に接続されている。共通吸引管36には、ケース体40側から圧力センサ33及び吸引圧力調整部であるダンパ34及びバルブ36Aが介設されている。
【0029】
続いて第2の実施の形態に係る加熱装置の作用について説明する。外部の基板搬送機構100により搬送されたウエハWを図12に示すように昇降ピン15に受け渡した後、吸引用部材4を上昇させ、第1の吸引圧力で吸引を開始する。次いで昇降ピン15を下降させると、図13に示すようにウエハWの中心部寄りの位置の吸引用部材4がウエハWの下面に吸着する。その後昇降ピン15をさらに下降させると、図14に示すようにウエハWの下面に吸着している吸引用部材4がばね部材43の付勢力に抗して下降し、ウエハWも下降する。これによりウエハWの中心部寄りの吸引用部材4に続いて、周縁側の吸引用部材4がウエハWの下面に吸着する。
【0030】
このように昇降板44を下降させずに、各吸引用部材4が吸着する位置のウエハWの反りの大きさに対応してばね部材43を押し下げて高さ位置を調整することで各々ウエハWの下面に吸着する。この時ウエハWの中心寄りの部位よりも周縁部が高くなるように反っている場合には、ウエハWの中心寄りの部位に吸着する吸引用部材4は、ウエハWの反りの量に対応して、ケース体40に押し込まれた状態で吸着し、例えば最もウエハWの周縁側に位置する吸引用部材4においては、ケース体40に押し込まれずフランジ42が着座した状態で、ウエハWの下面に吸着している。そのためウエハWが反っている場合にも、共通の昇降板44に接続された複数の吸引用部材4を同時にウエハWに吸着させることができる。
【0031】
そして例えばすべての吸引用部材4がウエハWの下面に吸着すると、共通吸引管36の圧力が高まる。そのため第2の実施の形態においては、閾値は、すべての吸引用部材4がウエハWの下面に吸着したときの圧力測定値が閾値を越えるように設定すればよい。この結果、圧力センサ33の圧力測定値が上昇し、閾値を上回ると、制御部9からダンパ34に吸引圧力を第2の吸引圧力に変更する信号が出力されると共、昇降板44が昇降ピン15と同期して同じ速度で下降する。
【0032】
ウエハWは、さらに下降すると、図15に示すように例えばウエハWの中心部寄りの部分がギャップピン13の上端に接し、ウエハWの下降が規制される。その後さらに昇降ピン15を下降させると共に昇降板44を下降させる。この時ウエハWの周縁側の部位に位置する吸引用部材4は、下端側のフランジ42がケース体40の天板部に着座しているため(または昇降板44の下降後、速やかに着座するため)、それ以上ケース体40から突出することができない。そのため昇降板44が下降したときに周縁側の部位に位置する吸引用部材4も下降する。これによりウエハWの周縁側の反りの大きい部位が引き下げられ、ウエハWの反りが矯正される。またこの時ウエハWの中心寄りの部位に吸着している吸引用部材4は、ケース体40内に押し込まれているため、ばね部材43が復元する。従って昇降板44を下降させたときにウエハWの中心部には下向きの力がかからない。
【0033】
ウエハWの周縁部寄りの部位の反りが矯正されギャップピン13の高さまで下降されると、ウエハWの周縁部寄りの部位の下降がギャップピン13により規制される。そのためウエハWの周縁部寄りの部位の吸引用部材3は、ウエハWを吸引する力を維持したまま、ウエハWの下面から引き離される。この時ウエハWの中心寄りの部位に吸着している吸引用部材4も下端側のフランジ42がケース体40の天板部に着座するため、それ以上突出することができなくなり図16に示すようにウエハWを吸引する力を維持したまま、ウエハWの下面から引き離される。そして第1の実施の形態と同様に各吸引用部材4がウエハWを吸引し、反りの矯正を維持することができる高さ位置となる位置まで昇降板44が下降する。そしてウエハWは、反りが矯正された状態で加熱処理が行われる。その後図17に示すように吸引を停止することにより、ウエハWの反りが復元し、ウエハWは搬出される。
【0034】
第2の実施の形態に係る加熱装置においては、各吸引用部材4を共通の昇降板44にばね部材43を介して固定している。そのため吸引用部材4をウエハWの反りに対応して高さ位置を調整してウエハWの下面に吸着させることができ、ウエハを吸引して反りを矯正した状態で載置台1に載置することができる。従って上述実施の形態の加熱装置によりウエハWを加熱したときにウエハWの加熱温度の面内均一性が良好になる。
また各吸引用部材4を共通の昇降板44に固定しているため、簡易な構成としながら複数の吸引用部材4を反りの生じたウエハWに吸着させることができる。
【0035】
また第2の実施の形態に係る加熱装置においては、各吸引用部材4に個別に圧力センサ33及びダンパ34を設け、個々に圧力を調整できるように構成し、各吸引用部材4がウエハWに吸着し、圧力が上昇したときに、個別に吸引圧力の調整を行うようにしてもよい。
また共通の昇降板に固定した複数の吸引用部材4の群を複数設けて、各群を各々昇降させるようにしてもよく、例えば図2に示す最も載置台1の中心部に近い位置にある吸引用部材3aと、載置台1の中心部を中心する第1の円に沿って配置された4つ吸引用部材3bの群、さらに第1の円と同心となり、第1の円の外側の第2の円に沿って配置された8つの吸引用部材3cの群、の3つ吸引用部材3a〜3cの群が各々一体的に昇降するように構成してもよい。
また本発明は、加熱装置に適用した例に限らず、露光装置に適用してもよい。例えば露光装置は、図18に示すように表面に凹凸が形成された載置台101を備え、ウエハWは、中心寄りの部位が載置台101に支持され、周縁が載置台101の外にはみ出るように載置される。そして例えば載置台101の周囲に昇降自在に構成した吸引用部材3を配置し、吸引用部材3によりウエハWの周縁を吸引して引き下げる。このような構成の場合にもウエハWの反りを矯正した状態で載置することができる。
また吸引用部材3の吸引のオンオフは、吸引圧力調整部であるダンパ34により切り替えてもよい。例えばダンパ34を第1の吸引圧力及び第2の吸引圧力に加え、吸引オフの状態の3段階に切り替えるように構成すればよい。また吸引ポンプ35に代えて、工場排気に接続した構成であってもよい。さらに吸引圧力調整部は、例えばAPCバルブであってもよい。
また吸着監視部は、流量を監視する流量センサであってもよい。さらに吸引用部材3(4)は、例えば静電エネルギーを利用してウエハWを吸着するように構成してもよい。また静電チャックにより吸着する載置台と吸引による減圧により吸着する吸引用部材であってもよく、吸引による減圧によりウエハWを載置する載置台と静電引力によりウエハを吸引する吸引用部材であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 載置台
3、4 吸引用部材
9 制御部
11 加熱板
12 ヒータ
13 ギャップピン
15 昇降ピン
16 昇降機構
32 吸引管
33 圧力センサ
34 ダンパ
35 吸引ポンプ
W ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図16
図17
図18