PLL回路は、低速クロック信号を逓倍して内部高速クロック信号を生成する。アナログデジタル変換器は、入力されたアナログ情報データをデジタル情報データに変換する。テスト回路は、テストモード設定信号に基づいて内部高速クロック信号と半導体装置の外部から供給された外部高速クロック信号とのいずれか一方を選択する第1の選択回路と、テストモード設定信号に基づいてデジタル情報データとデジタルテストデータとのいずれか一方を選択する第2の選択回路と、を有する。ロジック回路は、内部高速クロック信号又は外部高速クロック信号に基づいて、デジタル情報データ又はデジタルテストデータの復調処理を行う。
前記テスト回路は、前記テストモード設定信号がイネーブルを示す場合に前記アナログデジタル変換器の電源をオンにする電源制御回路を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
前記テストモード設定信号は前記半導体装置の外部から供給され、前記デジタルテストデータは、前記半導体装置の外部から供給されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の半導体装置。
前記テスト回路は、前記内部高速クロック信号又は前記外部高速クロック信号のうち前記第1の選択回路が選択した信号に同期して前記デジタルテストデータを生成するデジタルデータ生成回路を更に含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。半導体装置10は、PLL(Phase Locked Loop)回路11、ADC(Analog Digital Converter)12、テスト回路13及びロジック回路18を含む。半導体装置10は、RF(Radio Frequency)受信回路(図示せず)から、低速クロック信号LCK及びアナログ情報データADの供給を受ける。
【0012】
PLL回路11は、RF受信回路から供給された低速クロック信号LCKを逓倍し、内部高速クロック信号HCKを生成する。
【0013】
ADC12は、RF受信回路から入力されたアナログ情報データADをアナログデジタル変換し、デジタル情報データDDを得る。尚、ADC12は、後述する第3選択回路16から供給された選択制御信号SCSにより、電源がオンに制御される。また、ADC12は、第1選択回路14から供給された選択クロック信号SCKに同期して、上記アナログデジタル変換処理を行う。
【0014】
テスト回路13は、ADC12及びロジック回路18の動作時に流れる電流を測定して測定結果を期待値と比較するためのテスト(以下、動作時電流テストと称する)を行うために半導体装置10に設けられた回路である。テスト回路13は、第1選択回路14、第2選択回路15及び第3選択回路16から構成される。
【0015】
第1選択回路14、第2選択回路15及び第3選択回路16には、半導体装置10の外部からテストイネーブル信号TEが供給される。
【0016】
テストイネーブル信号TEは、動作時電流テストを行うモード(以下、テストモードと称する)にテスト回路13を設定するためのテストモード設定信号であり、例えば信号値“0”又は“1”を有する2値信号からなる。テストモードにおいて、テスト回路13には「オン」(例えば、信号値“1”)のテストイネーブル信号TEが供給される。一方、テストモードではない通常の動作モードでは、テスト回路13には「オフ」(例えば、信号値“0”)のテストイネーブル信号TEが供給される。すなわち、テストモードにおいて、テストモード設定信号はイネーブルを示し、テストモードではない通常の動作モードにおいて、テストモード設定信号はディセーブルを示すものとなる。
【0017】
第1選択回路14には、半導体装置10の外部から外部高速クロック信号ECKが供給される。外部高速クロック信号ECKは、動作時電流テストに対応するクロック信号である。
【0018】
第2選択回路15には、半導体装置10の外部から外部デジタルデータEDが供給される。外部デジタルデータEDは、動作時電流テストに用いるためのデジタルテストデータである。
【0019】
第1選択回路14は、テストイネーブル信号TEに従って、PLL回路11から供給された内部高速クロック信号HCK及び外部から供給された外部高速クロック信号ECKのうちいずれか一方を選択し、選択クロック信号SCKとしてロジック回路18及びADC12に供給する。具体的には、テストイネーブル信号TEがオンである場合、第1選択回路14は、外部高速クロック信号ECKを選択クロック信号SCKとして選択し、ロジック回路18及びADC12に供給する。一方、テストイネーブル信号TEがオフである場合、第1選択回路14は、内部高速クロック信号HCKを選択クロック信号SCKとして選択し、ロジック回路18及びADC12に供給する。
【0020】
第2選択回路15は、テストイネーブル信号TEに従って、ADC12から供給されたデジタル情報データDD及び外部から供給された外部デジタルデータEDのうちいずれか一方を選択し、選択データSDとしてロジック回路18に供給する。具体的には、テストイネーブル信号TEがオンである場合、第2選択回路15は、外部デジタルデータEDを選択データSDとして選択し、ロジック回路18に供給する。テストイネーブル信号TEがオフである場合、第2選択回路15は、デジタル情報データDDを選択データSDとして選択し、ロジック回路18に供給する。
【0021】
第3選択回路16は、記憶部17を有する。記憶部17には、ADC12をオンに制御するための制御信号の信号値である固定値FVが格納されている。第3選択回路16は、テストイネーブル信号TEに従って、ロジック回路18から供給された内部制御信号CS及び固定値FVを有する固定信号のうちいずれか一方を選択し、選択制御信号SCSとしてADC12に供給する。具体的には、テストイネーブル信号TEがオンである場合、第3選択回路16は、固定値FV有する固定信号を選択制御信号SCSの信号値として選択し、ADC12に供給する。テストイネーブル信号TEがオフである場合、第3選択回路16は、内部制御信号CSを選択制御信号SCSとして選択し、ADC12に供給する。
【0022】
内部制御信号CS、固定値FVを有する固定信号は、いずれもADC12の電源をオンに制御するための制御信号である。すなわち、第3選択回路16は、ADC12の電源制御回路である。
【0023】
ロジック回路18は、第1選択回路14からの選択クロック信号SCKの供給に応じて、内部制御信号CSを第3選択回路16に供給する。また、ロジック回路18は、選択クロック信号SCKに同期して、第2選択回路15から供給された選択データSDに対し復調処理、復号処理等を行い、ロジック回路出力LOを得る。
【0024】
上記の通り、第1選択回路14、第2選択回路15及び第3選択回路16には、テストモードにおいて、オン(信号値“1”)のテストイネーブル信号TEが供給される。従って、テストモードにおいて、第1選択回路14は、外部高速クロック信号ECKを選択してロジック回路18に供給する。第2選択回路15は、外部デジタルデータEDを選択してロジック回路18に供給する。ロジック回路18は、外部高速クロック信号ECKに同期して、外部デジタルデータEDに対して復調処理及び復号処理を行う。
【0025】
このように、本実施例の半導体装置10は、テストモードにおいて外部高速クロック信号ECKをロジック回路18に供給する第1選択回路14を有する。従って、ロジック回路18は、PLL回路11の動作の安定化を待たずに、外部からのクロック信号(外部高速クロック信号ECK)に同期して復調処理、復号処理等の動作を行うことができる。
【0026】
また、本実施例の半導体装置10は、テストモードにおいて外部デジタルデータEDをロジック回路18に供給する第2選択回路15を有する。従って、ロジック回路18は、ADC12の動作の安定化を待たずに、外部からのデジタルデータ(外部デジタルデータED)に対して復調処理、復号処理等の動作を行うことができる。
【0027】
よって、テストモードにおいて、PLL回路11及びADC12の状態に拘わらず任意のタイミングでロジック回路18を動作させることができるため、短時間でロジック回路18の動作時電流テストを行うことが可能となる。
【0028】
また、本実施例の半導体装置10は、テストモードにおいて固定値FVの信号値を有する信号を選択してADC12に供給する第1選択回路14を有する。従って、テストモードにおいて、任意のタイミングでADC12の電源をオンにすることができる。これにより、短時間でADC12の動作時電流テストを行うことが可能となる。
【0029】
また、ロジック回路18は、ADC12によるアナログデジタル変換を経ない外部デジタルデータEDに同期して、復調処理及び復号処理の動作を行う。このため、例えばADC12に不具合が生じているような場合や、ADC12の出力が半導体装置10の電源、グランド等の影響により変動するような場合であっても、これに影響を受けることなく復調処理及び復号処理を行うことができる。従って、ロジック回路18の動作時電流テストを精度よく行うことができる。また、ADC12の動作時電流テストとロジック回路18の動作時電流テストとを別個に行うことができる。
【0030】
また、ロジック回路18は、PLL回路11によるクロック信号の逓倍処理を経ない外部高速クロック信号ECKに同期して、復調処理及び復号処理の動作を行う。このため、PLL回路11の状態に拘わらず、復調処理及び復号処理を行うことができる。従って、ロジック回路18の動作時電流テストを精度よく行うことができる。
【実施例2】
【0031】
図2は、実施例2における半導体装置20の構成を示すブロック図である。以下、実施例1の半導体装置10と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0032】
半導体装置20は、例えば地上デジタル放送の受信機に設けられ、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調波に対して復調処理及び復号処理を行う装置である。半導体装置20は、PLL回路11、ADC12、テスト回路13及びロジック回路21を含む。
【0033】
図3は、ロジック回路21の構成を示すブロック図である。ロジック回路21には、テストイネーブル信号TE、第2選択回路15からの選択データSD、及び装置外部からの外部タイミング信号ESが供給される。ロジック回路21は、復調部22、復号部23及びTS(Transport Stream)変換部27を含む。復号部23は、同期検出ブロック24、第4選択回路25及び復号及び誤り訂正ブロック26を含む。
【0034】
復調部22は、第2選択回路15から供給された選択データSDに復調処理を施し復調データFDを得る。復調部22は、復調データFDを復号部23の同期検出ブロック24と復号及び誤り訂正ブロック26とに供給する。
【0035】
同期検出ブロック24は、復調データFDに含まれる同期パターンを検出することにより同期検出を行い、内部タイミング信号ISを生成する。例えば、同期検出ブロック24は、復調データFDにおいてパケットの先頭部分に含まれるユニークワードを検出する(以下、ユニークワード検出と称する)ことによって、同期検出を行う。また、同期検出ブロック24は、復調データFDに含まれる伝送多重制御信号(TMCC: Transmission and Multiplexing Configuration and Control)を復号する(以下、TMCC復号検出と称する)ことにより、同期検出を行う。
【0036】
第4選択回路25には、半導体装置20の外部から外部タイミング信号ESが供給される。第4選択回路25は、外部タイミング信号ES及び同期検出ブロック24から供給された内部タイミング信号ISのうち、いずれか一方を選択し、選択タイミング信号SSとして復号及び誤り訂正ブロック26に供給する。具体的には、テストイネーブル信号TEがオンである場合、第4選択回路25は、外部タイミング信号ESを選択タイミング信号SSとして選択し、復号及び誤り訂正ブロック26に供給する。一方、テストイネーブル信号TEがオフである場合、第4選択回路25は、内部タイミング信号ISを選択タイミング信号SSとして選択し、復号及び誤り訂正ブロック26に供給する。
【0037】
復号及び誤り訂正ブロック26は、第4選択回路25から供給された選択タイミング信号SSに同期して、復調データFDに対し復号処理を行う。また、復号及び誤り訂正ブロック26は、パリティビットやCRC(Cyclic Redundancy Code)等を用いて、誤り検出及び誤り訂正処理を行う。復号及び誤り訂正ブロック26は、復号処理及び誤り訂正処理を経たデータを復号データGDとしてTS変換部27に供給する。
【0038】
TS変換部27は、復号データGDをTS(Transport Stream)方式に変換し、ロジック回路出力LOを得る。
【0039】
上記構成の半導体装置20では、テストモードにおいて、オン(信号値“1”)のテストイネーブル信号TEが第4選択回路25に供給される。従って、第4選択回路25は、外部タイミング信号ESを選択して復号及び誤り訂正ブロック26に供給する。復号及び誤り訂正ブロック26は、外部タイミング信号ESに同期して、復調データFDに対して復号処理及び誤り訂正処理を行う。従って、復号及び誤り訂正ブロック26は、同期検出ブロック24における同期検出のタイミングにかかわらず、任意のタイミングで復号処理及び誤り訂正処理を行うことができる。
【0040】
すなわち、ユニークワード検出による同期検出では、例えば復調データFDがユニークワードの末尾から同期検出ブロック24に入力された場合、次にユニークワードの先頭が入力されるまでの間、同期検出を行うことができない。また、TMCC復号判定では1OFDMフレーム分の復調データFDが必要となるため、同期検出ブロック24に1OFDMフレーム分の復調データFDが供給されるまでの間、同期検出を行うことができない。従って、同期検出ブロック24における同期検出には最短でも1OFDMフレーム分の時間がかかるため、内部タイミング信号ISに同期して復号処理及び誤り訂正処理を行う場合、復号及び誤り訂正ブロック26は、直ちに処理を行うことができない。しかしながら、本実施例のロジック回路21によれば、テストモードにおいて、復号及び誤り訂正ブロック26は外部タイミング信号ESに同期して処理を行うため、同期検出ブロック24における同期検出にかかる待ち時間を要することなく、復号処理及び誤り訂正処理を行うことができるのである。
【0041】
従って、本実施例の半導体装置20によれば、テストモードにおいて任意のタイミングで復号部23を動作させることができるため、短時間でロジック回路21の動作時電流テストを行うことが可能となる。
【実施例3】
【0042】
図4は、実施例3における半導体装置30の構成を示すブロック図である。本実施例の半導体装置30は、装置外部から外部デジタルデータEDの供給を受けず、装置内部でデジタルテストデータを生成する点において実施例1と異なる。以下、実施例1の半導体装置10と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0043】
半導体装置30は、PLL回路11、ADC12、テスト回路31及びロジック回路18を含む。
【0044】
テスト回路31は、第1選択回路32、デジタルデータ生成回路33、第2選択回路34及び第3選択回路35を含む。
【0045】
第1選択回路32は、テストイネーブル信号TEに従って、PLL回路11から供給された内部高速クロック信号HCK及び外部から供給された外部高速クロック信号ECKのうちいずれか一方を選択し、選択クロック信号SCKとしてロジック回路18、ADC12及びデジタルデータ生成回路33に供給する。第1選択回路32は、実施例1の第1選択回路14と同様、テストイネーブル信号TEがオンである場合には外部高速クロック信号ECK、テストイネーブル信号TEがオフである場合には内部高速クロック信号HCKを、選択クロック信号SCKとして夫々選択する。
【0046】
デジタルデータ生成回路33は、第1選択回路21からの選択クロック信号SCKの供給を受け、選択クロック信号SCKのクロックパターンに対応するデジタルテストデータを生成し、テストデータTDとして第2選択回路34に供給する。
【0047】
第2選択回路34は、テストイネーブル信号TEに従って、ADC12から供給されたデジタル情報データDD及びデジタルデータ生成回路33から供給されたテストデータTDのうちいずれか一方を選択し、選択データSDとしてロジック回路18に供給する。具体的には、テストイネーブル信号TEがオンである場合、第2選択回路34は、テストデータTDを選択データSDとして選択し、ロジック回路18に供給する。テストイネーブル信号TEがオフである場合、第2選択回路34は、デジタル情報データDDを選択データSDとして選択し、ロジック回路18に供給する。
【0048】
第3選択回路35は、第1実施例の第3選択回路16と同様、固定値FVを格納する記憶部36を有する。第3選択回路35は、テストイネーブル信号TEに従って、ロジック回路18から供給された内部制御信号CS及び記憶部36に格納されている固定値FVのうちいずれか一方を選択し、選択制御信号SCSとしてADC12に供給する。第3選択回路35は、テストイネーブル信号TEがオンである場合には固定値FV、テストイネーブル信号TEがオフである場合には内部制御信号CSを、選択制御信号SCSとして夫々選択してADC12に供給する。
【0049】
このように、本実施例の半導体装置30のテスト回路31は、テストイネーブル信号TE及び外部高速クロック信号ECKに同期してテストデータTDを生成するデジタルデータ生成回路33を有する。従って、第1実施例のように外部デジタルデータEDの供給を受けることなく、装置内部でデジタルテストデータを生成することができる。よって、外部からの信号入力を受けるための端子数を削減することができる。
【0050】
また、本実施例の半導体装置30のテスト回路31によれば、動作時電流テストの際に使用するメモリ容量を低減することができる。すなわち、テスト回路31を有しない従来の無線通信機の半導体装置では、動作時電流テストの際、半導体装置全体を動作させるべく複雑なパターンのアナログ情報データをテストパターンとして入力するため、多くのメモリ容量が必要となる。これに対し、本実施例の半導体装置30では、信号値“1”のテストイネーブル信号TEと、信号値“0”“1”の繰り返しからなる外部高速クロック信号ESとを用いてデジタルテストデータを生成して動作時電流テストを行うため、使用するメモリ容量を抑えつつ動作時電流テストを行うことができるのである。
【実施例4】
【0051】
図5は、実施例4における半導体装置40の構成を示すブロック図である。本実施例の半導体装置40は、装置外部からテストイネーブル信号TEの供給を受けず、装置内部でテストイネーブル信号TEを生成する点において実施例1と異なる。以下、実施例1の半導体装置10と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0052】
半導体装置40は、PLL回路11、ADC12、テスト回路41及びロジック回路18を含む。
【0053】
テスト回路41は、第1選択回路14、第2選択回路15、第3選択回路16及びデジタルデータデコード回路42を含む。
【0054】
本実施例において、半導体装置40の外部から供給される外部デジタルデータEDには、符号化されたテストイネーブル信号TE(すなわち、符号化されたテストモード設定信号)が含まれている。外部デジタルデータEDは、第2選択回路15及びデジタルデータデコード回路42に供給される。
【0055】
デジタルデータデコード回路42は、外部高速クロック信号ECKに同期して、外部デジタルデータEDに含まれる符号化されたテストイネーブル信号TEを復号し、テストイネーブル信号TEを得る。すなわち、デジタルデータデコード回路42は、デジタルテストデータを復号してテストモード設定信号を得るテストモード設定信号復号回路である。デジタルデータデコード回路42は、生成したテストイネーブル信号TEを第1選択回路14、第2選択回路15及び第3選択回路16に供給する。
【0056】
このように、本実施例の半導体装置40のテスト回路41は、外部デジタルデータEDに含まれる符号化されたテストイネーブル信号TEを復号してテストイネーブル信号TEを得る、デジタルデータデコード回路42を有する。これにより、外部デジタルデータEDとは別にテストイネーブル信号TEを装置外部から供給する必要がないため、装置外部からの信号入力を受けるための端子数を削減することができる。
【0057】
以上説明したように、本発明の半導体装置はテスト回路を含み、テストモードにおいて、PLL回路11の動作に依存しないクロック信号(ECK)とADC12に動作に依存しないデジタルデータ(ED,TD)とを、ロジック回路に供給する。従って、PLL回路11及びADC12の動作の安定化を待たずに動作時電流テストを開始することができ、短時間にテストを行うことができる。
【0058】
また、ADC12によるアナログデジタル変換を経ないデジタルデータをロジック回路に供給してロジック回路を動作させるため、ADC12の状態(ADC12の出力に対する電源やグランド等からの影響、ADC12の不具合等)に影響されることなく、精度の高い動作時電流テストを行うことができる。また、ADC12の動作時電流テストとロジック回路の動作時電流テストとを別個に行うことができる。
【0059】
なお、上記した実施例1〜4は適宜組み合わせて適用することが可能である。
【0060】
また、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例1〜3では半導体装置の外部からテストイネーブル信号TEを供給する構成を例として説明した。しかし、これに限られず、例えば非同期のインターフェースを用いてI2C(Inter-Integrated Circuit)通信やSPI(Serial Peripheral Interface)通信により半導体装置内部のレジスタ設定を行い、テスト回路をテストモードに制御する構成であってもよい。
【0061】
また、実施例2では、本発明の半導体装置が地上デジタル放送の受信機に設けられる例について説明したが、これに限られず、同期検出を行うその他の受信方式に広く用いることが可能である。また実施例2に限らず、実施例1、3及び4の半導体装置を、地上デジタル放送やその他の受信機に用いてもよい。
【0062】
また、上記実施例1〜4において、半導体装置内部にタイマーを設け、動作時電流テストを開始してから所定時間経過時にテストイネーブル信号TEをオンからオフに切り替える構成を有していてもよい。例えば、PLL回路11及びADC12の動作が安定するまでの時間をタイマーの所定時間として設定することにより、ロジック回路18は、所定時間経過後は、PLL回路11により逓倍された内部高速クロック信号HCKとADC12によりアナログデジタル変換されたデジタル情報データDDとを用いて復調処理、復号処理を行うことができる。また、例えば、実施例2において、タイマーの所定時間を1OFDMフレームに対応する時間(例えば、204msec)に設定することにより、復号及び誤り訂正ブロック26は、同期検出ブロック24における同期検出後は、同期検出ブロック24が生成した内部タイミング信号ISに同期して復号処理及び誤り訂正処理を行うことができる。
【0063】
要するに、本発明に係る半導体装置(10)は、低速クロック信号を逓倍して内部高速クロック信号を生成するPLL回路(11)と、入力されたアナログ情報データをデジタル情報データに変換するアナログデジタル変換器(12)と、テストモード設定信号に基づいて内部高速クロック信号と外部から供給された外部高速クロック信号とのいずれか一方を選択する第1の選択回路(14)と、テストモード設定信号に基づいてデジタル情報データとデジタルテストデータとのいずれか一方を選択する第2の選択回路(15)と、を有するテスト回路(13)と、内部高速クロック信号又は外部高速クロック信号に基づいて、デジタル情報データ又はデジタルテストデータの復調処理を行うロジック回路(18)と、を含むことを特徴とするものである。