特開2017-46690IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

デンプン分解酵素または当該酵素を含む複合体を指標として、穀類の種子における未成熟なデンプン粒または分解もしくは損傷したデンプン粒の存在を評価する方法に関する。また、本発明は、デンプン分解酵素または当該酵素を含む複合体を指標として、穀類の種子における糠層の存在を評価する方法に関する。さらに、本発明は、当該方法に用いられる抗体および当該抗体を産生するハイブリドーマ

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】 穀類の種子における未成熟なデンプン粒または分解もしくは損傷したデンプン粒の存在、および糠層の存在を簡便かつ高精度で評価しうる方法を提供すること。
【解決手段】 数万個もの抗体の中から、糠層に含まれる未成熟なデンプン粒の判別に適した抗体の選抜を行った結果、α-グルコシダーゼ、β-アミラーゼ、およびプルラナーゼからなる群より選択されるデンプン分解酵素または当該デンプン分解酵素を含む複合体に結合する抗体が同定された。そして、当該デンプン分解酵素または複合体を指標として、穀類の種子における未成熟なデンプン粒または分解もしくは損傷したデンプン粒の存在、引いては糠層の存在を簡便かつ高精度で評価しうることを見出した。
【選択図】 なし

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、穀類の種子における未成熟なデンプン粒または分解もしくは損傷したデンプン粒の存在、引いては糠層の存在を簡便かつ高精度で評価しうる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者は、課題を解決すべく、デンプン分解酵素およびそれらを含む複合体に対する抗体(モノクローナルおよびポリクローナル抗体)を取得し、数万個もの抗体の中から、糠層に含まれる未成熟なデンプン粒の判別に適した抗体の選抜を行った。
【発明の効果】
本発明により、穀類の種子における未成熟なデンプン粒や分解もしくは損傷したデンプン粒の存在、引いては、糠層の存在を評価することが可能となった。本発明によれば、α-グルコシダーゼ、β-アミラーゼ、およびプルラナーゼからなる群より選択されるデンプン分解酵素または当該デンプン分解酵素を含む複合体を抗体で検出することにより、穀類の種子の一粒で、かつ、目視により、糠層の存在を評価することが可能である。また、塩類および糖質を含む溶液による穀類の種子からの抽出物を試料としたイムノブロット法などによる検出によっても、糠層の存在を評価することが可能である。このように本発明は簡便かつ高精度な手法であることから、精米や精麦の過程で利用すれば、大幅に時間、労力、およびコストを削減することが可能となる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】MonoSカラムで分画したα-グルコシダーゼ、Resource Qカラムで分画したプルラナーゼ、およびアフィニティ精製したβ-アミラーゼをSDS-PAGE後CBB染色を行った結果を示す写真である。Aはα-グルコシダーゼ分画の染色像、Bはプルラナーゼ分画の染色像、Cはβ-アミラーゼ分画の染色像を示す。

【図2】プルラナーゼを認識するモノクローナル抗体(2G11bC)および抗α-グルコシダーゼ-ポリクローナル抗体(52-2)で酒米2種(五百万石,山田錦)を免疫染色した結果を示す写真である。

【図3】3つのモノクローナル抗体(3D8cG,1D9eB,7L7dH)による免疫染色で五百万石の糠層を検出した結果を示す写真である。

【図4】60%搗精した酒米(糠臭米)を各モノクローナル抗体(2G11bC,3D8cG,1D9eB,7L7dH)でホールマウント免疫染色した結果を示す写真である。対照として、50%搗精した酒米(山田錦)を用いた。

【図5】搗精度の異なる二条大麦を各モノクローナル抗体(2G11bC,3D8cG,1D9eB,7L7dH)でホールマウント免疫染色した結果を示す写真である。

【図6】搗精した各酒米(五百万石、山田錦、アケボノ)に対する各モノクローナル抗体の反応性を示すグラフである。1:2G11bC, 2:7L7dH, 3:1D9eB, 4:3D8cG。

【図7】90%搗精した米(コシヒカリ)のデンプン粒に対して、各モノクローナル抗体(1L1bdG,1L12hbG,1L7hdA,1L9cbH)を用いた免疫電顕を行った結果を示す写真である。

【図8】90%搗精した米(コシヒカリ)のデンプン粒に対して、各モノクローナル抗体(1L1bdG,1L12hbG,1L7hdA,1L9cbH)で免疫沈降を行い、得られた免疫沈降物に対して、SDS-PAGE解析(A)および抗プルラナーゼ抗体を用いたイムノブロット解析(B)を行った結果を示す写真である。

【図9】乾式粉砕した二条大麦を、各糖質(グルコース、マルトース、ソルビトール)を含む緩衝液で処理し、得られた抽出物に対して、SDS-PAGE解析(A)および抗βアミラーゼ抗体を用いたイムノブロット解析(B)を行った結果を示す写真である。図中、「G」は0.5Mグルコースを、「M」は0.5Mマルトースを、「S」は0.5Mソルビトールを示す。

【図10】乾式粉砕した二条大麦(二品種)を、塩類(塩化ナトリウム)、糖質(グルコース)、および各濃度の還元剤(L-システイン)を含む緩衝液で処理し、得られた抽出物のβ-アミラーゼ活性を検出した結果を示すグラフである。

【図11】湿式粉砕した米粉パンに向く米品種を、各濃度の塩類(塩化ナトリウム)および各濃度の糖質(グルコース)を含む緩衝液で処理し、得られた抽出物に対して、各モノクローナル抗体(1D9eB,1L1bdG,1L7hdA,1L9cbH,1L12hbG)を用いたイムノブロット解析を行った結果を示す写真である。図中のサイズマーカー(単位は、kDa)は、上から順に、175、80、58、46、30、25、17である。また、電気泳動の各レーン(B〜I)の意味は、次の通りである。B;0.1M塩化ナトリウム, C;0.1M塩化ナトリウム+0.1Mグルコース, D;0.1M塩化ナトリウム+0.3Mグルコース, E;0.1M塩化ナトリウム+0.5Mグルコース, F;0.3M塩化ナトリウム+0.1Mグルコース, G;0.3M塩化ナトリウム+0.3Mグルコース, H;0.3M塩化ナトリウム+0.5Mグルコース, I;0.5M塩化ナトリウム+0.5Mグルコース。

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