【解決手段】薬剤Cが収容された二次包装体1であって、上方に開放された受容空間Sを有する容器10と、容器10に接続された蓋体20とを備えており、蓋体20は、薬剤Cが収容された収容部が膨出しているPTP包装体30を保持している蓋板21を備え、蓋板21は、ヒンジ構造25によって回動することにより、受容空間Sの上方を開放する開状態と、受容空間Sの上方を覆う閉状態とを取り得るものであり、蓋板21が閉状態のとき、PTP包装体30の収容部が上方に膨出している状態で受容空間Sの上方に位置し、収容部を上から押圧することにより、薬剤CをPTP包装体30の収容部から容器10の受容空間S内に押し出すことができる二次包装体1。
前記蓋板が開状態で、かつ、前記蓋板に保持された前記PTP包装体の前記収容部が下方に膨出している状態で、前記二次包装体が筒状の包装体収容ケース内に収容されている、請求項6に記載の二次包装体。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。ただし、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に限定されない。
【0019】
本実施形態の二次包装体1は、
図1〜3に示すように、薬剤Cが収容された二次包装体1であって、上方に開放された受容空間Sを有する容器10と、容器10に接続された蓋体20とを備えており、蓋体20は、薬剤Cが収容された収容部31が膨出しているPTP包装体30を保持している蓋板21を備え、蓋板21は、ヒンジ構造25によって回動することにより、受容空間Sの上方を開放する開状態と、受容空間Sの上方を覆う閉状態とを取り得るものであり、蓋板21が閉状態のとき、PTP包装体30の収容部31が上方に膨出している状態で受容空間Sの上方に位置し、収容部31を上から押圧することにより、薬剤CをPTP包装体30の収容部31から容器10の受容空間S内に押し出すことができる二次包装体1である。
以下、本明細書では、別段の指定のない限りにおいて、容器10の受容空間Sが開放されている方向を上方向として説明を行う。
【0020】
二次包装体1には、薬剤Cが収容されている。薬剤Cは、具体的には、後述するPTP包装体30の収容部31内に収容されている。薬剤Cは、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠を含む)、カプセル剤、トローチ剤等の固形製剤であり、好ましくは、錠剤またはカプセル剤であり、より好ましくは、カプセル剤である。
【0021】
二次包装体1は、容器10を備えている。容器10は、
図13Aに示す展開図に対応する平面形状を備えた厚紙を折り曲げて組み立てられるものであり、その具体的な組み立て方法については、後述する。
【0022】
図11及び12に示されるように、容器10は、平面矩形状の底面板11と、底面板11の四辺から立ち上がる4つの側壁12,13,14,15とにより構成されており、容器10内には、底面板11及び略同じ高さの側壁12,13,14,15とに囲まれ、上方が開放された受容空間Sが形成されている。
受容空間Sは、二次包装体1に収容された薬剤Cを容器10内に押し出す際に、押し出された薬剤Cが受容される空間である。受容空間Sは、その内部に押し出された薬剤Cを容易に指でつまんで取り出し得る程度の広さを有していることが好ましい。例えば、受容空間S上方の開口は、30mm四方以上、より好ましくは40mm四方以上の開口寸法を有していてもよく、100mm四方以下の開口寸法を有していてもよい。また、受容空間Sの下方への最大深さは、30mm以下であってもよい。
【0023】
側壁12,13,14,15は、具体的には、底面板11の前後方向に対向する一対の辺の全域から立ち上がる前壁及び後壁12,13と、前壁12と後壁13との間において、底面板11の左右方向に対向する一対の辺から立ち上がる右壁及び左壁14,15とからなる。
【0024】
側壁12,13,14,15は、2枚の厚紙からなる壁面より構成された二重壁としてそれぞれ形成されている。具体的には、側壁12,13,14,15は、底面板11の四辺に接続されて立ち上がる外側面板12a,13a,14a,15aと、底面板11の面上から立ち上がり、外側面板12a,13a,14a,15aと間隔を隔てて略平行に対向する内側面板12b,13b,14b,15bと、外側面板12a,13a,14a,15aの上辺と内側面板12b,13b,14b,15bの上辺とを接続する上面板12c,13c,14c,15cによりそれぞれ構成される。
側壁12,13,14,15の幅(すなわち、上面板12c,13c,14c,15cの幅)は、容器の寸法、使用する厚紙の種類、および坪量に応じて、適宜設定される。例えば、容器の寸法が100mm四方以下であり、厚紙がバージンパルプ100%であり、その坪量が310g/m
2である場合には、前記各側壁の幅は、通常5〜10mmの範囲に設定される。
本実施形態では、前壁12及び右壁及び左壁14,15の上面板12c,14c,15cは、容器10に取り付けられた蓋体20を閉じた時に、蓋体20の蓋板21が載置される面である。
【0025】
前壁12及び後壁13の内側面板12b,13bの左右方向側端部は、それらの右方向側端部が右壁14に形成された溝14d,14d及び溝14d,14dと接続して受容空間Sに面する切欠部14e,14e内に、それらの左方向側端部が左壁15に形成された溝15d,15d及び溝15d,15dと接続して受容空間Sに面する切欠部15e,15e内に差し込まれている。この差し込みにより、前壁12及び後壁13と、右壁14及び左壁15とが接続されている。
【0026】
切欠部14e,14e及び15e,15eは、その切欠かれた形状が、底面板11側を頂点とする略逆三角錐形状となっている。切欠部14e,14e及び15e,15eは、本実施形態の容器10を組み立てる際に有用な部分であり、その作用については後述する。
【0027】
なお、後壁13に隣接する溝14d,15d及び切欠部14e,15eは、後述する蓋体20の差し込み片28が差し込まれる部分でもある。
【0028】
容器10には、蓋体20が接続されている。本実施形態では、蓋体20は、容器10に着脱可能に接続されている。そのため、蓋体20は、患者が薬剤を服薬した後に取り外されて、後述する服薬管理に使用されることができる。
蓋体20は、
図10に示す展開図に対応する平面形状を備えた厚紙を折り曲げ、内部にPTP包装体30を挟み込んだ状態で組み立てられるものである。以下、蓋体20について詳述する前に、
図7〜9を参照して、蓋体20に保持されるPTP包装体30について説明する。
【0029】
PTP包装体30は、膨出した略半球形状の表面を有する収容部31と、収容部31の周縁から外方に延びるように延設されたシート状のフランジ部32とを有する。収容部31内部の収容空間には薬剤Cが収容されており、該収容空間は、封止材35により封止されている。
収容部31及びフランジ部32を形成している基材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等の樹脂材料や、これら樹脂材料にアルミニウムを貼り合わせた材料などにより形成することができる。
封止材35は、薬剤Cを押圧されることによって突き破られ得る程度の強度を有する材質からなり、例えば、アルミニウム箔、グラシン紙、合成樹脂フィルム、またはこれらの積層体などにより形成することができる。
【0030】
蓋体20に戻り説明すると、
図7〜10に示すように、蓋体20は、PTP包装体30を挟み込んで保持している矩形状の蓋板21を備えている。具体的には、蓋板21は、表面板21aと裏面板21bとからなり、表面板21a及び裏面板21bは、窓穴22a及び22bが略中央にそれぞれ形成された略同一形状の矩形状である。本実施形態では、表面板21a及び裏面板21bは、互いの一辺が折り線21cを介して連接されており、折り線21cにおいて約180°折り曲げられることにより、表面板21aと裏面板21bとが(PTP包装体30を介して)重ね合わせられる。
蓋板21は、PTP包装体30の収容部31を、窓穴22aを通して外部に膨出させた状態で、PTP包装体30のフランジ部32を表面板21aと裏面板21bとの間に挟み込んで保持している。このとき、窓穴22bからは、封止材35が露出している。
蓋板21の大きさは、容器10上に載置された際に容器10の受容空間Sの上方を覆い得るような大きさである。具体的には、蓋板21の前後方向の幅は、容器10の前壁12の内側面板12bと後壁13の内側面板13bとの間の長さよりも大きいことが好ましく、蓋板21の左右方向の幅は、容器10の右壁14の内側面板14bと左壁15の内側面板15bとの間の長さよりも大きいことが好ましい。
【0031】
蓋板21には、差し込み片28が接続されている。具体的には、蓋板21と差し込み片28とは、互いの一辺が折り目線25(ヒンジ構造25)を介して連接されている。
【0032】
蓋板21の一辺には、折り目線25を介して差し込み片28が連接されている。すなわち、蓋体20は、蓋板21と差し込み片28とが、折り目線25を介して連接されたものであり、折り目線25に沿って折れ曲がることができる。詳細には、蓋体20は、蓋板21と差し込み片28との間の角度が±90°程度となり得るように、折り目線25に沿って折れ曲がることができる。
差し込み片28は、蓋体20を容器10に接続させる際に、容器10の溝14d,15d内に差し込まれる部分である。そのため、差し込み片28の幅(折り目線25の延びる方向の長さ)は、後壁13の(左右方向の)長さと略同じであるか、溝14d,15d内に差し込まれ得る程度に若干短い。
【0033】
差し込み片28の略中央部には、綴じ穴29が形成されている。綴じ穴29は、蓋体20を服薬管理台帳等に綴じる際に用いられるものであり、その具体的な使用方法については、後述する。
【0034】
差し込み片28には、さらに折り返し片28aが折り目を介して連接されている。折り返し片28aは、該折り目に沿って、蓋板21の折れ曲がる方向と同じ方向(例えば、蓋板21が山折りされている場合には、山折り方向)に約180°折り曲げられている。また、折り返し片28aには、上記のように折り曲げられた際に差し込み片28の綴じ穴29と重なる位置に、綴じ穴29が形成されている。
【0035】
本実施形態の二次包装体1では、蓋体20は、
図6に示すように、蓋体20の差し込み片28が容器10の後壁13に隣接する溝14d,15d内に差し込まれることによって、容器10に接続されている。
このようにして蓋体20が容器10に接続されることにより、蓋体20の差し込み片28は、容器10の後壁13に隣接する溝14d,15d内にて後壁13と右壁及び左壁14,15とに挟み込まれることによって、後壁13の内側面板13bに実質的に面した状態で保持される。
【0036】
このとき、溝14d,15d内に差し込まれた差し込み片28に約180°折り曲げられた折り目を介して連接している折り返し片28aは、後壁13の内側面板13b側に折り返された状態となっており、内側面板13bと当接している。ここで、該折り目は、折り曲げに対する反発力として、差し込み片28と折り返し片28aとの間をV字状に広げるような力を、差し込み片28と折り返し片28aとに作用させている。これにより、差し込み片28及び折り返し片28aは、溝14d,15d及び内側面13bをそれぞれ押さえつけたような状態となるため、溝14d,15d内からさらに抜けにくくなる。
【0037】
また、蓋体20の折り目線25は、後壁13と右壁及び左壁14,15とに挟み込まれないよう、側壁13,14,15の上辺(すなわち、内側面板13b,14b,15bの上辺)と略同じ高さ又はそれらより若干上方の位置となるように調節される。これにより、容器10に取り付けられた蓋体20の蓋板21は、折り目線25を中心に、差し込み片28を固定している容器10に対してヒンジ式に回動可能となる。そして、蓋板21が、差し込み片28に対して、すなわち差し込み片28に実質的に面している後壁13の内側面板13bに対して、前壁12方向に傾くように略90°回動することにより、蓋板21が前壁12及び右壁及び左壁14,15の上面板12c,14c,15c上に実質的に載置され、容器10の側壁12,13,14,15に囲まれた受容空間Sの上方を覆う閉状態となることができる。
【0038】
またこのとき、蓋体20は、折り目線25が折れ曲がっていない場合において、蓋体20の蓋板21の表面板21aが後側、裏面板21bが前側を向くような向きで、容器10に接続される。このように接続されることにより、蓋体20の蓋板21を閉状態とした際に、蓋板21内に保持されたPTP包装体30の収容部31が、上方に膨出している状態で受容空間Sの上方に位置することとなり、その裏側では、収容部31を覆う封止材35が、受容空間Sに面して露出することとなる。
【0039】
このようにして蓋板21を閉状態とした際に、収容部31を上から押圧すると、押圧された収容部31が陥没するように変形し、収容部31内に収容されている薬剤Cが変形した収容部31を介して押圧される。押圧された薬剤Cは、収容部31を封止している封止材35を突き破り、容器10の受容空間S内へと落下する。したがって、上述のように蓋体20が容器10に接続された本実施形態の二次包装体1では、蓋体20に保持されたPTP包装体30に収容された薬剤Cを、容器10の受容空間内へと容易かつ確実に押し出すことができる。
【0040】
次に、本実施形態の二次包装体1の製造方法の一例について説明する。
【0041】
まず、容器10及び蓋体20をそれぞれ用意する。このように、本実施形態の二次包装体1では、容器10と蓋体20とが別々の部材により構成されているため、各部品の構造が比較的簡易となると同時にこれらを別々に製造することができるようになる。そのため、二次包装体1の製造時におけるコスト、時間および手間を軽減することができ、二次包装体1の生産性を向上させることができる。
以下の説明においては、容器10の作製方法を説明した後に蓋体20の作製方法を説明するが、このような説明の順番は、容器10及び蓋体20の作製順序を限定するものではない。
【0042】
容器10を作製するにあたり、まず、
図13Aに示す展開図に対応する平面形状を備えた厚紙10を用意する。なお、容器10の展開図を示す図面はいずれも、容器10を組み立てた際に受容空間Sが開放される方向(上方向)から見た図であって、これらの図中では、輪郭線及び切込線を実線で表し、谷折り線を破線、山折り線を一点鎖線で示す。また、以下の説明において、特に付記しない限り、各面は略矩形状である。
【0043】
図13Aに示したように、上記厚紙10は、底面板11と、底面板11の四辺から延びている4つの延出片12,13,14,15を備えている。底面板11と、これら4つの延出片12,13,14,15とは、それぞれ谷折り線を介して連接されている。なお、これら4つの延出片12,13,14,15は、厚紙10が組み立てられた際に、側壁12,13,14,15となる部分である。
以下、これら4つの延出片のそれぞれに関して、該面の延びる方向を前方、該方向と直交する外向きの方向を側方と称して説明する。
【0044】
前壁及び後壁12,13となる延出片12,13は、それぞれ、矩形状の底面板11の対向する一対の辺から延びており、外側面板12a,13aと、上面板12c,13cと、内側面板12b,13bとを、前方に向かってこの順番で備えている。これらの面はそれぞれ、谷折り線を介して連接されている。
【0045】
上面板12c,13cの側方両端には、前方に向かって僅かに突出した突出部12c1,12c1及び13c1,13c1が形成されており、内側面板12b,13bの側方両端は、上面板12c,13cの突出部12c1,12c1及び13c1,13c1を受けるように凹入した形状の陥没部12b1,12b1及び13b1,13b1が形成している。ここで、突出部12c1,12c1及び13c1,13c1と、陥没部12b1,12b1及び13b1,13b1との境界は切り込まれて、切り込み12d,13dとなっている。そして、上面板12c,13cと内側面板12b,13bとを連接する谷折り線は、突出部12c1と12c1との、及び、13c1と13c1との根元同士を接続するように、それぞれ直線状に延びている。
【0046】
また、内側面板12b,13bは、その前方の辺が短くなっている略台形形状となっており、一対の側方の辺が、外方に膨らむように丸みを帯びている。
【0047】
右壁及び左壁14,15となる延出片14,15は、それぞれ、矩形状の底面板11の別の対向する一対の辺から延びており、外側面板14a,15aと、上面板14c,15cと、内側面板14b,15bとを、前方に向かってこの順番で備えている。これらの面はそれぞれ、谷折り線を介して連接されている。
【0048】
外側面板14a,15aの側方の両辺からは、フラップ14f,14f及び15f,15fが延びている。外側面板14a,15aとフラップ14f,14f及び15f,15fとは、それぞれ谷折り線を介して連接されている。
【0049】
右壁及び左壁14,15となる延出片14,15の側方両辺付近には、その上面板14c,15c上において、外側面板14a,15aと上面板14c,15cとを連接する谷折り線(上面板14c,15cの後方の辺)から垂直に、所定の長さの溝14d,14d及び15d,15dが延びている。そして、溝14d,14d及び15d,15dの該谷折り線と接続している端とは反対側の端が、略三角形状の切欠部14e,14e及び15e,15eの頂点付近に接続している。切欠部14e,15eは、上面板14c,15c及び内側面板14b,15bを跨いで形成されている。
【0050】
図13Bを参照して、切欠部14e,15eについて具体的に説明する。切欠部14e,15eは、溝14d,14d及び15d,15dの端から、上面板14c,15cと内側面板14b,15bとを連接する谷折り線(上面板14c,15cの前方の辺かつ内側面板14b,15bの後方の辺)と交わるまで、上面板14c,15c上において中央方向に向かって傾斜して延びている導入辺14e1,15e1と、該谷折り線との交点側の導入辺14e1,15e1の端から、内側面板14b,15bの前方の辺と交わるまで、内側面板14b,15b上において外方に向かって傾斜して延びている案内辺14e2,15e2と、該前方の辺との交点側の該案内辺14e2,15e2の端から、溝14d,14d及び15d,15dと導入辺14e1,15e1との交点に到るまで、上面板14c,15c上において略垂直に延びている配置辺14e3,15e3とに囲まれた、略三角形状の空間である。なお、本実施形態では、配置辺14e3,15e3は、溝14d,14d及び15d,15dよりも僅かに外方に位置しており、溝14d,14d及び15d,15dと交わる付近において、溝14d,14d及び15d,15dと交わるよう内向きに曲がっている。また、案内辺14e2,15e2と配置辺14e3,15e3とが交わる頂点は、丸められた形状となっている。
【0051】
また、右壁及び左壁14,15となる延出片14,15の前方の辺、すなわち、内側面板14b,15bの前方の辺からは、底面接着面14g,15gが延びている。内側面板14b,15bと底面接着面14g,15gとは、それぞれ山折り線を介して連接されている。
【0052】
次に、以下のようにして、容器10を組み立てる。まず、
図14に示すように、厚紙10の右壁及び左壁14,15となる延出片14,15を、外側面板14a,15aと上面板14c,15cとを連接する谷折り線に沿って折り曲げて、底面板11と底面接着面14g,15gとを重ね合わせ、底面板11と底面接着面14g,15gとを接着する。
続いて、延出片14,15のそれぞれの折り線を折り曲げて、延出片14,15がそれぞれの折り線に沿って略90°ずつ折れ曲がった状態とし、それにより右壁及び左壁14,15を構築する。これにより、溝14d,14d及び15d,15dと、底面板11側を頂点とする逆三角錐形状の断面を有する切欠部14e,14e及び15e,15eとが形成された右壁及び左壁14,15が構築される。
【0053】
次に、厚紙10の前壁及び後壁12,13となる延出片12,13を折り曲げると共に、前壁及び後壁12,13の内側面板12b,13bの側方両端を、右壁及び左壁14,15に形成された切欠部14e,14e及び15e,15e内へと差し込む。これにより、前壁及び後壁12,13を構築すると共に、右壁及び左壁14,15を固定して、容器10を完成させる。
【0054】
内側面板12b,13bを切欠部14e,14e及び15e,15e内へと差し込むメカニズムについて、挿入片としての内側面板13b及び切欠部15eに注目し、
図15〜18を用いて具体的に説明する。
図15及び16は、内側面板13bの側方端部(以下、単に内側面板13bと称する)を、切欠部15e内に差し込み始めたときの状態を示す。まず、内側面板13bの前方を、導入辺15e1に沿って切欠部15e内へと入り込ませる。内側面板13bは、その前方の幅が右壁及び左壁14,15の内側面板14b,15bの間の距離よりも長く、かつ溝14d,15dの内方(受容空間S側)の端部間の距離よりも短くなっているため、切欠部15e内へと容易に入り込むことができる。
【0055】
内側面板13bを導入辺15e1に沿って切欠部15e内に入り込ませると、内側面板13bの側方の丸みを帯びた辺が、導入辺15e1に当接する。この状態から内側面板13bを押し込むと、内側面板13bの側方の該辺と導入辺15e1との当接する部分が切欠部15eの外方(左壁15の端側)へと移動してゆき、やがて内側面板13bの側方の該辺が導入辺15e1の端部と接続している溝15dへと案内される。これにより、内側面板13bの側方の端が、溝15dに挟み込まれる。
【0056】
上記状態から内側面板13bを押し込み続けると、次に、
図16に示すように、内側面板13bの前方の辺が、溝15dと切欠部15eとの接続部分よりも後壁13から遠い位置において、案内辺15e2に当接する。この状態から内側面板13bを押し込むと、内側面板13bが案内辺15e2と当接しつつ、外方(左壁15の端側)に向かって傾く案内辺15e2に沿って斜め下方へと移動してゆき、やがて案内辺15e2の下方の端部まで案内される。これにより、内側面板13bの前方の辺は、切欠部15eでの移動を阻害されることなく、切欠部15eの最深部(すなわち、底面板11の高さ)まで案内されて、切欠部15e内にほぼ完全に差し込まれる。
【0057】
内側面板13bの前方の辺が切欠部15e内にほぼ完全に差し込まれると、
図17に示すように、溝15d及び切欠部15eを介して左壁15に接続された後壁13が構築される。このとき、内側面板13bは、切欠部15eの略垂直な配置辺15e3にほぼ面して配置され、底面板11より略垂直に立ち上がる後壁13の内側面を形成する。
【0058】
このように、本実施形態における容器10の作製では、内側面板13bを切欠部15e内に挿入する際に、内側面板13bは溝15dと切欠部15eとの接続部分より第1の側壁から離れた位置において切欠部15eの案内辺15e2に当接するので、内側面板13bを第2の側壁に形成された溝15d及び切欠部15e内に容易に挿入できる。したがって、後壁13を比較的容易に組み立てることができる。
さらに、切欠部15e内に挿入された内側面板13bが、切欠部15eの案内辺15e2に案内されて後壁13側に戻されるため、切欠部15e内に挿入された内側面板13bの角度が比較的立った状態となり、かつ溝15dと内側面板13bとが係合する。したがって、後壁13の上からの力に対する強度、及び後壁13から離れる方向の力に対する強度が向上し得る。
【0059】
さらに、本実施形態では、配置辺15e3は、溝15dよりも僅かに外方(左壁15の端側)に配されるように形成されているため、内側面板13bは、溝15dより僅かに外方(後壁13側)に配置されることができる。このとき、内側面板13bの陥没部13b1の側方長さが溝15dの長さよりも長いと、
図18に示すように、溝15dより差し込まれた内側面板13bの陥没部13b1が、上面板15cの下方(裏側)に入り込むことができる。これにより、内側面板13bがほぼ完全に差し込まれた状態から内側面板13bに対して上方向に力が加わったとしても、上面板15cの下方に入り込んだ陥没部13b1がすぐ上に位置する上面板15cに引っ掛かるため、内側面板13bが切欠部15eから不意に抜けることが防止される。
なお、このとき、上面板13cの突出部13c1は、その先端(切り込み13d)が溝15dと重なるように配置される。
【0060】
なお、前壁及び後壁12,13の内側面板12b,13bを切欠部14e,14e及び15e,15e内へと差し込む際に、右壁及び左壁14,15のフラップ14f,14f及び15f,15fが、前壁及び後壁12,13の外側面板12a,12bの内面に面するようにして、前壁及び後壁12,13内に配される。これらのフラップ14f,14f及び15f,15fは、前壁及び後壁12,13の内側面板12b,13bが差し込まれた状態で右壁及び左壁14,15に上方からの圧力が加えられた際において、容器10の立体形状を保持するのに役立つ。
【0061】
蓋体20は、
図10に示す展開図に対応する平面形状を備えた厚紙20を折り曲げ、内部にPTP包装体30を挟み込んだ状態で組み立てられることにより作製される。蓋体20となる厚紙20は、蓋板21の裏面板21bと、蓋板21の表面板21aと、差し込み片28と、折り返し片28aとを備えており、これらはこの順番で、それぞれ山折り線を介して一列に連接されている。なお、蓋板21の裏面板21bと差し込み片28との間の折り目線25は、山折り及び谷折りの両方が可能なヒンジ構造となる部分である。
【0062】
蓋体20を作製するには、まず、PTP包装体30を、収容部31が表面板21aに形成された窓穴22aを通して外部に膨出するように蓋板21の表面板21a上に載置した後、蓋体20の山折り線をそれぞれ折り曲げる。このとき、蓋板21の山折り線を約180°折り曲げることにより、表面板21aと裏面板21bとの間にPTP包装体30を挟み込む。このとき、表面板21aに形成された窓穴22aから収容部31が外部に膨出し、裏面板21bに形成された窓穴22bから収容部31の収容空間を封止した封止材35が露出した状態で、PTP包装体30が蓋体20に保持される。
【0063】
このようにして蓋体20を折り曲げた後、蓋板21の表面板21aと裏面板21bとの外周部を互いに接着して、表面板21aと裏面板21bとの間にPTP包装体30に固定する。
【0064】
このようにして容器10及び蓋体20を作成した後、蓋体20の差し込み片28を容器10の後壁13に隣接する溝14d,15d内に差し込むことにより、蓋体20を容器10に接続する。
このとき、蓋体20の差し込み片28の前方の幅は、右壁及び左壁14,15の内側面板14b,15bの間の距離よりも長く、かつ溝14d,15dの両頂点間距離よりも短くなっているため、差し込み片28は、上述の容器10の組み立ての説明において切欠部15eの導入辺15e1が内側面板12bを溝15dへと案内されるのと同様にして、溝14d,15dへと案内される。
【0065】
このようにして蓋体20を容器10に接続することにより、蓋体20の差し込み片28は、容器10の後壁13に隣接する溝14d,15d内にて後壁13と右壁及び左壁14,15とに挟み込むことによって、後壁13の内側面板13bに実質的に面した状態で保持され、前後方向に関して固定することができる。
【0066】
次に、本実施形態の二次包装体1を用いて、二次包装体1に収容された薬剤Cを取り出す方法を、
図2〜5を参照しつつ説明する。
【0067】
薬剤Cを取り出す際には、まず、蓋体20を折り目線25に沿って略90°折れ曲がるまで折り曲げることにより、蓋体20の蓋板21を、折り目線25を中心にヒンジ式に回動させて、蓋板21を前壁12及び右壁及び左壁14,15の上面板12c,14c,15c上に載置する(
図3)。これにより、受容空間Sの上方が蓋板21により覆われて、受容空間Sの上方が蓋板21により閉じられた状態(閉状態)となる。
【0068】
次に、上記閉状態において、収容部31を上から押圧して収容部31が陥没するように変形させ、収容部31内の薬剤Cを変形した収容部31越しに下方に押圧する。押圧された薬剤Cは、収容部31を封止している封止材35を突き破り、容器10の受容空間S内へと落下する(
図4)。このようにして、薬剤Cは、受容空間Sが確実に閉じられた状態にて、容器10の受容空間S内へと押し出される。
【0069】
その後、受容空間Sの上方を閉じている蓋板21を、折り目線25を中心に回動させることにより、受容空間Sの上方を再び開いた状態(開状態)とする(
図5)。この開状態において、上から薬剤Cを手の指でつまむ、容器10を傾けて薬剤Cを手の平に落とす等の任意の方法により、容器10の受容空間S内に押し出された薬剤Cを開かれた受容空間Sの上から取り出すことができる。
【0070】
このようにして、本実施形態の二次包装体1では、二次包装体1の蓋体20内に収容された薬剤Cを、容器10の受容空間S内へと容易かつ確実に取り出すことができる。加えて、蓋板21を再び開くことによって、容器10の受容空間S内に押し出された薬剤Cを受容空間Sの上から任意の方法で取り出すことができる。
【0071】
本実施形態の二次包装体1では、容器10の前壁12及び右壁及び左壁14,15が二重壁構造となっており、その上面板に幅広の上面板12c,14c,15cが形成されている。そのため、受容空間Sの上方を閉じる際に、蓋板21を上面板12c,14c,15cに安定して設置することができる。
また、蓋板21を容器10の前壁12及び右壁及び左壁14,15上に設置した状態においてPTP包装体30の収容部31を上から押圧すると、容器10が設置された前壁12及び右壁及び左壁14,15にも上からの圧力がかかるが、この圧力が、設置面である幅広の上面板12c,14c,15cの面にかけて分散される。そのため、前壁12及び右壁及び左壁14,15は、上からの圧力により潰れ難くなるという利点を有する。
【0072】
次に、本実施形態の二次包装体1の蓋体20を用いた、服薬管理方法について説明する。本実施形態の二次包装体1は、薬剤Cを取り出した後の蓋体20を利用して、薬剤Cを服薬している患者の服薬管理を行うことができる。
【0073】
上述のように、本実施形態の二次包装体1では、蓋体20は、蓋体20の差し込み片28が容器10の後壁13に隣接する溝14d,15d内に差し込まれることによって、容器10に接続されている。すなわち、蓋体20は、このような構成によって、容器10に着脱可能に接続されている。そのため、医療従事者は、二次包装体1の蓋体20内に収容された薬剤Cを患者が服薬した後に蓋体20を取り外して、薬剤Cが取り出された後の蓋体20を収集することにより、患者が所定の日時において薬剤Cを服薬したことの記録を残すことができる。
【0074】
ここで、蓋体20の差し込み片28及び折り返し片28aには、
図7に示すように、綴じ穴29が形成されている。そのため、医療従事者は、蓋体20に設けられた綴じ穴29に、紐やリング等の綴じ部材を通すことによって、二次包装体1から取り外した蓋体20を加工する必要なく、該綴じ部材を備えたリングファイル等の服薬管理台帳に直接綴じることが可能になる。そのため、患者の服薬管理が容易になる。
なお、本実施形態の綴じ穴29は、差し込み片28と折り返し片28aとの両方に形成されており、折り返し片28aが差し込み片28と重ね合わされるように折り返されることにより、これらの綴じ穴29も重ね合わされる。これにより、綴じ穴29周辺の構造が補強されている。
【0075】
また、蓋体20は、薬剤Cに関する情報を患者又は医療従事者に提供するため、例えば蓋板21上において、薬剤Cの服薬方法や服薬指定日時等の情報が予め表示されていてもよい。
さらに、蓋体20の表面又は裏面が厚紙等の筆記容易な材料で構成されている場合には、服薬管理において、患者又は医療従事者が、実際の服薬日時や服薬時の患者の状態、服薬日(曜日)、服用量、調剤者の氏名、患者の食事内容や生活習慣等のメモ等を蓋体20上に記入することもできる。
【0076】
次に、本実施形態の二次包装体1のパッケージングについて説明する。
【0077】
本実施形態の二次包装体1がパッケージングされる際には、蓋体20が容器10の受容空間を閉じている状態ではなく、
図19及び20に示すように、蓋体20が容器10の受容空間を開放している状態であって、かつ、蓋板21の裏面板21bが容器10の受容空間Sが開放されている方向と同じ方向を向いた状態でパッケージングされることが好ましい。
図19及び20に示すように、二次包装体1は、容器10の受容空間Sが開放されている方向が下向きとなる状態でパッケージングされることが好ましい。以下、
図19及び20に関する説明に限り、これらの図に示されるように、容器10の受容空間Sが開放されている方向を下方向として説明を行う。
【0078】
図19では、蓋体20が容器10の受容空間を閉じる方向とは逆方向に、折り目線25に沿って略90°折れ曲がった状態の二次包装体1が、収容方向断面が四角形状である筒状の包装体収容ケース40内に収容されている。このとき、蓋板21は、容器10の底面板11と略平行となるまで開かれている。ここで、包装体収容ケース40の内部の高さ(上下幅)は、容器10の高さ(上下幅)と蓋板21の高さ(厚み)とを合わせた高さと略同じである。
【0079】
上記のような状態で包装体収容ケース40内に収容された二次包装体1では、蓋板21の表面板21aが、裏面板21bとは逆に上方を向いているため、蓋体20に保持されたPTP包装体30の収容部31は、上方に向かって膨出している。ここで、本実施形態の二次包装体1では、収容部31の膨出方向の高さが容器10の上下方向の高さ(すなわち、包装体収容ケース40の内部の高さ)よりも小さいため、PTP包装体30の収容部31と包装体収容ケース40の内部上面との間には、収容部31の膨出方向の高さと包装体収容ケース40の内部の高さとの差分の高さの空間が設けられている。
このような構成により、上記のような状態で包装体収容ケース40内に収容された二次包装体1は、PTP包装体30の収容部31が、包装体収容ケース40の壁面から隔離された状態で収容されている。そのため、包装体収容ケース40の外壁に衝撃が加えられた場合であっても収容部31に衝撃が伝わり難い。そのため、不意の衝撃により収容部31が押圧されて収容部31の封止が破られることを抑制することができる。
【0080】
また、
図20に示されるように、本実施形態の二次包装体1は、包装体収容ケース40内に収容された後、さらなる外箱50に収容されることができる。その場合には、PTP包装体30の収容部31を含む二次包装体1を、衝撃からより確実に保護することができる。
このとき、医療従事者は、外箱50から包装体収容ケース40を取り出した後に、二次包装体1を包装体収容ケース40内に収容された状態で患者に手渡すことができる。この場合には、包装体収容ケース40の外壁には患者が必要とする情報のみを記載し、患者にとって不要な流通情報等(例えば、法律によりパッケージに記載することが求められた事項等)については外箱50の外壁に記載しておけばよい。このように、包装体収容ケース40を外箱50に収容した本実施形態は、収容ケース40及び外箱50に記載する情報を分けることができるという利点も有する。
【0081】
また、二次包装体1を包装体収容ケース40と外箱50との両方を用いて収容する場合には、包装体収容ケース40には二次包装体1のみを収容し、外箱50には包装体収容ケース40に収容された二次包装体1に加えて、取扱説明書、添付文書、指導箋、服薬管理用のラベル、包装変更時のお知らせ、遮光袋等の付属品を共に収容していてもよく、好ましくは、取扱説明書及び添付文書を共に収容する。このように、付属品を包装体収容ケース40内から分離して外箱50に収容することにより、医療現場で、付属品を取り除いた後、二次包装体1が収容された包装体収容ケース40を患者に手渡すことができる。
【0082】
なお、本発明に係る二次包装体は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係る二次包装体の作用効果は、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係る二次包装体は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0083】
例えば、上述の実施形態における二次包装体1では、蓋体20の差し込み片28が容器10の溝14d,15d内に差し込まれることによって、蓋体20が容器10に着脱可能に接続されているが、容器10と蓋体20との接続は、このような形態に限られない。例えば、容器10には、蓋体20を取り付けるための別の取付機構が設けられていてもよい。
また、蓋体20は、容器10に対して着脱可能である必要は必ずしもない。例えば、蓋体20は容器10に接着等により固定されていてもよく、容器10と蓋体20とは一体に形成されていてもよい。なお、その場合であっても、蓋体20がミシン目を介して容器10に接続されている等によって、蓋体20が容器10に対して離脱可能に接続されてさえいれば、薬剤Cを取り出した後の蓋体20を容器10から離脱させる(例えば、切り離す)ことによって、薬剤Cを服薬している患者の服薬管理を行うことができる。
【0084】
さらに、上述の実施形態における二次包装体1では、ヒンジ構造である折り目線25が蓋体20上に設けられていたが、蓋体20をヒンジ状に回動可能なヒンジ構造は、二次包装体1の別の部分に設けられていてもよい。例えば、二次包装体では、ヒンジ構造を有する蓋体取付部が容器10に設けられており、該蓋体取付部に蓋体が取り付けられていてもよい。また、容器10と蓋体20とが、ヒンジ部材を介して接続されていてもよい。
【0085】
また、二次包装体1では、容器10は厚紙製であったが、容器10の材料は紙に限られない。例えば、容器10は、
図13Aに示す展開図に対応する平面形状を備えた、異なる材料からなるシート状の基材を折り曲げて組み立てられるものであってもよく、例えば、樹脂製のシート等より作製されていてもよい。
同様に、蓋体20もまた紙製に限定されず、例えば、樹脂製のシート等により作製されていてもよい。
【0086】
さらに、上述の実施形態における二次包装体1では、蓋体20では、蓋板21が表面板21aと裏面板21bとの間にPTP包装体30のフランジ部32を挟み込んで保持していたが、蓋板21は、上記以外の方法によりPTP包装体30を保持していてもよい。例えば、蓋板21は、PTP包装体30のフランジ部32の外周を囲み、該フランジ部32の外縁部を固定して保持する枠体であってもよい。
【0087】
また、上述の実施形態における二次包装体1では、蓋体20に保持されているPTP包装体30は、1つの薬剤Cを保持する1つの収容部31のみを備えているが、収容部31及びこれに保持される薬剤Cは、複数であってもよい。例えば、二次包装体1’は、
図21及び22に示されるように、複数の収容部31’内に複数の薬剤C’を収容したPTP包装体30’を蓋板21’の間に挟み込んで保持している蓋体20’を備えていてもよい。
なお、
図21及び22に示される蓋体20’には、複数(
図21及び22では、2つ)の収容部31に対応する窓穴22’が形成されているが、窓穴22’は、各収容部31にそれぞれ1対1で対応して形成されていてもよい。
【0088】
さらに、容器10において、右壁14及び左壁15に形成される切欠部14e,15eの形状は、必ずしも上述の形状に限られない。具体的には、切欠部14e,15eは、下方に向かうにつれ隣接する前壁12又は後壁13に向かって傾斜している案内辺であって、内側面板12b,13bが切欠部14e,15eに挿入される際、内側面板12b,13bの先端と当接しつつ該先端を下方に向かって切欠部14e,15e内の所定の位置に案内可能な案内辺14e2,15e2を備えていると共に、該先端が案内されている間に、内側面板12b,13bの切欠部14e,15e内における移動を阻害しない広さを有する空間を有していればよい。なお、切欠部14e,15eが、内側面板12b,13bの先端が案内されている間に内側面板12b,13bの切欠部14e,15e内における移動を阻害しない広さを有する空間とは、切欠部14e,15eにおいて、案内辺14e2,15e2に対向する辺(上述の実施形態では、配置辺14e3,15e3)と該切欠部に近接する前壁及び後壁12,13と間の距離が、溝14d,15dと切欠部14e,15eとの接続位置と近接する該前壁及び後壁12,13側と間の距離に比べて近い、又はそれらの距離が同距離である(又は、該対向辺が存在しない)場合において、切欠部14e,15e内に形成される空間をいう。
例えば、右壁14及び左壁15に形成される切欠部は、
図23及び24に示されるように、内方に膨らむ曲線状の案内辺14e2’,15e2’を備えた切欠部14e’,15e’であってもよい。また、右壁14及び左壁15に形成される切欠部は、
図25に示されるように、溝14d,15dより外方に偏移しておらず、溝14d,15dと一直線状となった配置辺14e3’’,15e3’’を備えた切欠部14e’’,15e’’であってもよい。
【0089】
なお、容器10は、上方に開放された受容空間Sを備えた容器であれば特に限定されず、上述の実施形態において示される平面四角形状の容器でなくてもよい。例えば、容器10は、3つの側壁に囲まれた平面三角形状の容器であってもよい。
さらに、容器10は、シート状の基材から組み立てられるものである必要は必ずしもない。例えば、容器10は、その一部又は全部が射出成形等により成形された樹脂製の容器であってもよく、金属製の容器であってもよい。
同様に、蓋体20もまた、PTP包装体30を保持しており、容器10内の受容空間Sを閉塞することができるものであれば、上述の形態に特に限定されない。