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特開2018-113854電磁アクチュエータ用電機子コイル、電磁アクチュエータ、露光装置、及びデバイス製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-113854(P2018-113854A)
(43)【公開日】2018年7月19日
(54)【発明の名称】電磁アクチュエータ用電機子コイル、電磁アクチュエータ、露光装置、及びデバイス製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20180622BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20180622BHJP
   H02K 3/34 20060101ALI20180622BHJP
   H01F 7/20 20060101ALI20180622BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20180622BHJP
   H02K 33/00 20060101ALI20180622BHJP
【FI】
   H02K3/04 D
   H02K41/03 A
   H02K3/34 Z
   H01F7/20 E
   G03F7/20 521
   H02K33/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-19734(P2018-19734)
(22)【出願日】2018年2月7日
(62)【分割の表示】特願2015-535515(P2015-535515)の分割
【原出願日】2014年9月4日
(31)【優先権主張番号】特願2013-182925(P2013-182925)
(32)【優先日】2013年9月4日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100102901
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 篤司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 雅之
(72)【発明者】
【氏名】森本 樹
(72)【発明者】
【氏名】吉元 宏充
(72)【発明者】
【氏名】田中 幸次
【テーマコード(参考)】
2H197
5H603
5H604
5H633
5H641
【Fターム(参考)】
2H197AA06
2H197AA09
2H197CA06
2H197CA08
2H197CD12
2H197CD15
2H197CD41
2H197CD48
2H197FB02
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA10
5H603BB01
5H603BB09
5H603BB15
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB01
5H603CB22
5H603CC14
5H603CD02
5H603CD05
5H603CD21
5H603CE05
5H603CE13
5H603FA05
5H603FA25
5H603FA27
5H604AA03
5H604BB01
5H604BB10
5H604BB11
5H604CC01
5H604CC04
5H604DA17
5H604DA21
5H604PB04
5H633BB02
5H633BB03
5H633BB17
5H633GG02
5H633GG03
5H633GG08
5H633GG16
5H633HH02
5H633HH03
5H641BB06
5H641GG02
5H641GG03
5H641GG05
5H641GG07
5H641HH02
5H641HH03
5H641JA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型化が可能な電磁アクチュエータ用電機子コイルを提供する。
【解決手段】X軸リニアモータの固定子を構成し、通電により磁場を生成する電機子コイル60は、銅により形成され、所定の巻線軸周りに巻かれた帯状の導電層62aと、導電層62aの対向する面部間に設けられ、対向する導電層62a相互間を電気的に絶縁する帯状の絶縁層62bと、導電層62aの対向面同士を絶縁層62bを介して接着する接着層62cとを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の巻線が所定の巻線軸周りに複数回巻かれて形成される電磁アクチュエータ用電機子コイルであって、
前記巻線は、
帯状の導電体と、
前記導電体の一面側に設けられた帯状の絶縁体と、を備える電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項2】
前記導電体と前記絶縁体とは、一体に形成される請求項1に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項3】
前記絶縁体は、前記巻線が前記巻線軸周りに巻かれた状態で前記導電体の内周面側に設けられる請求項1又は2に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項4】
前記導電体と前記絶縁体とは、ほぼ同じ幅で形成される請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項5】
前記巻線は、前記絶縁体を介して互いに重なり合う前記導電体を接着する接着層を更に有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項6】
前記絶縁体と前記接着層とは、一体に形成される請求項5に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項7】
前記巻線の幅方向一側の端部により形成される第1面、及び前記巻線の幅方向他側の端部により形成される第2面の少なくとも一方を被覆するコーティング膜を更に有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項8】
前記コーティング膜は、電気的な絶縁体により形成される請求項7に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項9】
前記コーティング膜は、金属酸化物系のセラミックスの溶射により形成される請求項8に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項10】
前記第1面及び前記第2面が平行である請求項7〜9のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項11】
前記絶縁体は、前記導電体よりも薄い請求項1〜10のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイル。
【請求項12】
可動子及び固定子の一方に設けられた請求項1〜11のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ用電機子コイルと、
前記可動子及び固定子の他方に設けられた磁性体と、を含み、
前記電磁アクチュエータ用電機子コイルと前記磁性体との電磁的相互作用により、前記電磁アクチュエータ用電機子コイルと前記磁性体との間に推力を発生する電磁アクチュエータ。
【請求項13】
所定の物体を保持し、請求項12に記載の電磁アクチュエータが発生する前記推力により移動する移動体と、
前記移動体に保持された前記物体にエネルギビームを用いて所定のパターンを形成するパターン形成装置と、を備える露光装置。
【請求項14】
請求項13に記載の露光装置を用いて前記物体を露光することと、
露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁アクチュエータ用電機子コイル、電磁アクチュエータ、露光装置、及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、リニアモータなどの電磁アクチュエータに用いられる電機子コイル、該電機子コイルを用いた電磁アクチュエータ、該電磁アクチュエータを用いた露光装置、及び該露光装置を用いたデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程で用いられる、例えばステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)において、露光対象物であるウエハ又はガラスプレート(以下、ウエハと総称する)の位置制御には、例えばリニアモータなどの電磁アクチュエータが用いられている。
【0003】
ここで、露光装置で用いられる電磁アクチュエータが備える電機子コイルとしては、巻線(導線線)に細長い帯状電線(いわゆる、ストリップ)が用いられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、電磁アクチュエータ用電機子コイルとしては、巻き線数を確保しつつ、より小型化されたものが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,891,600号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、帯状の巻線が所定の巻線軸周りに複数回巻かれて形成される電磁アクチュエータ用電機子コイルであって、前記巻線は、帯状の導電体と、前記導電体の一面側に設けられた帯状の絶縁体と、を備える電磁アクチュエータ用電機子コイルである。
【0007】
これによれば、巻線軸周りに巻かれた状態で対向する(重なり合う)導電体間の導通が絶縁体によって阻害(電気的な短絡が防止)される。絶縁体は、帯状に形成されているので、仮に導電体の全面を絶縁物で被覆する場合に比べ、コイルの径方向の寸法を小さくできる。
【0008】
本発明は、第2の観点からすると、可動子及び固定子の一方に設けられた本発明の電磁アクチュエータ用電機子コイルと、前記可動子及び固定子の他方に設けられた磁性体と、を含み、前記電磁アクチュエータ用電機子コイルと前記磁性体との電磁的相互作用により、前記電磁アクチュエータ用電機コイルと前記磁性体との間に推力を発生する電磁アクチュエータである。
【0009】
本発明は、第3の観点からすると、所定の物体を保持し、本発明の電磁アクチュエータが発生する前記推力により移動する移動体と、前記移動体に保持された前記物体にエネルギビームを用いて所定のパターンを形成するパターン形成装置と、を備える露光装置である。
【0010】
本発明は、第4の観点からすると、本発明の露光装置を用いて前記物体を露光することと、露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態の露光装置の構成を概略的に示す図である。
図2図1の露光装置が有するステージ装置を示す斜視図である。
図3図3(A)は、図2のステージ装置が有するX軸用の固定子を示す斜視図、図3(B)は、図3(A)の固定子が有するコイルユニットの斜視図である。
図4図4(A)は、図3(B)のコイルユニットが有するコイルの斜視図、図4(B)は、図4(A)のB−B線断面図である。
図5】露光装置の制御系を中心的に構成する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態について、図1図5を用いて説明する。
【0013】
図1には、一実施形態に係る露光装置10の構成が概略的に示されている。露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では、投影光学系16bが設けられており、以下においては、投影光学系16bの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内でレチクルRとウエハWとが相対走査される方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0014】
露光装置10は、照明系12、レチクルステージ14、投影ユニット16、ウエハステージ30を含むステージ装置20、及びこれらの制御系等を備えている。ウエハステージ30上には、表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハWが載置されている。
【0015】
照明系12は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する照明光学系と、を含む。照明系12は、レチクルブラインド(マスキングシステムとも呼ばれる)で設定(制限)されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明光ILとしては、例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。
【0016】
レチクルステージ14は、パターン面(図1における−Z側の面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRを、例えば真空吸着により保持している。レチクルステージ14は、例えばXY2自由度リニアモータ(不図示)を含むレチクル駆動系72(図1では不図示。図5参照)によって、走査方向(Y軸方向)に所定のストロークで駆動可能、且つX軸、及びθz方向に微小駆動可能となっている。レチクルステージ14のXY平面内の位置情報(θz方向の回転量情報を含む)は、例えばレーザ干渉計システム(あるいはエンコーダシステム)を含むレチクル位置計測系74を用いて、主制御装置70(図1では不図示。図5参照)によって求められる。主制御装置70は、上記レチクル位置計測系74の出力に基づいて、レチクル駆動系72が有するXY2自由度リニアモータを制御することによって、レチクルステージ14のXY平面内の位置(θz方向の回転量を含む)を制御する。
【0017】
投影ユニット16は、レチクルステージ14の下方(−Z側)に配置されている。投影ユニット16は、鏡筒16aと、鏡筒16a内に保持された投影光学系16bと、を含む。投影光学系16bとしては、例えば光軸AXに沿って配列された複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられる。投影光学系16bは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。
【0018】
このため、照明系12からの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系16bの第1面(物体面)とパターン面とがほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系16bを介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、投影光学系16bの第2面(像面)側に配置されるウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージ14とウエハステージ30との同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRが走査方向に相対移動するとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWが走査方向に相対移動することで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では、照明系12、及び投影光学系16bによってウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
【0019】
ステージ装置20は、クリーンルームの床100上に設置されたフレームキャスタ22、該フレームキャスタ22上に載置されたベース盤24、該ベース盤24の上方に配置されたウエハステージ30、ウエハステージ30を駆動するウエハ駆動系76(図1では不図示。図5参照)、及びウエハステージ30の位置情報を求めるためのウエハ位置計測系78などを備えている。
【0020】
フレームキャスタ22は、図2に示されるように、そのX側方向一側と他側の端部近傍にY軸方向を長手方向とし且つ上方に突出した凸部26a、26bが一体的に形成された概略平板状の部材から成る。フレームキャスタ22の凸部26aの上方には、Y軸方向に延びるY軸用の固定子42aが載置されている。同様に、フレームキャスタ22の凸部26bの上方には、Y軸方向に延びるY軸用の固定子42bが載置されている。Y軸用の固定子42a、42bは、本実施形態では、Y軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の永久磁石を有する磁石ユニットによって構成されている。
【0021】
ベース盤24は、定盤とも呼ばれる板状部材から成り、フレームキャスタ22の前記凸部26a、26bに挟まれた領域上に配置されている。ベース盤24の上面は平坦度が非常に高く仕上げられ、ウエハステージ30の移動の際のガイド面とされている。
【0022】
ウエハステージ30は、ベース盤24の上方に配置されたウエハステージ本体32と、該ウエハステージ本体32上に不図示のZ・チルト駆動機構を介して搭載されたウエハテーブル34とを備えている。Z・チルト駆動機構は、ウエハステージ本体32上でウエハテーブル34を3点で支持する、例えば3つのアクチュエータ(例えば、ボイスコイルモータ)等を含み、ウエハテーブル34をZ軸方向、θx方向、θy方向の3自由度方向に微小駆動する。
【0023】
ウエハステージ本体32は、X軸方向に貫通する貫通孔が形成された箱形の部材から成る。ウエハステージ本体32の下面には、不図示のエアベアリングが複数取り付けられている。ウエハステージ30は、該複数のエアベアリングを介して前述のガイド面の上方に数μm程度のクリアランスを介して非接触で支持されている。ウエハテーブル34は、平面視で(+Z方向から見て)ほぼ正方形の板状部材から成り、その上面には、ウエハWを保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。
【0024】
ウエハステージ本体32の内部には、X軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の永久磁石を有するYZ断面U字状の磁石ユニットから成る可動子44が配置されている。
【0025】
可動子44の一対の対向面間には、X軸方向に延びるX軸用の固定子46が挿入されている。X軸用の固定子46は、X軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイル60(以下、単にコイル60と呼ぶ)を内蔵する電機子ユニットによって構成されている。磁石ユニットから成る可動子44と電機子ユニットから成るX軸用の固定子46とによって、ウエハステージ30をX軸方向に駆動するムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下においては、適宜、上記X軸リニアモータを、その固定子(X軸用の固定子)46と同一の符号を用いて、X軸リニアモータ46と呼ぶものとする。なお、X軸リニアモータとしては、ムービングコイル型のリニアモータを用いても良い。
【0026】
X軸用の固定子46の長手方向の一側と他側の端部には、例えばY軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイル(不図示)を内蔵する電機子ユニットから成る可動子48a、48bが、それぞれ固定されている。可動子48a、48bのそれぞれは、前述したY軸用の固定子42a、42bの一対の対向面間に挿入されている。すなわち、本実施形態では、電機子ユニットから成る可動子48a、48bと磁石ユニットから成るY軸用の固定子42a、42bとによって、ムービングコイル型の2つのY軸リニアモータが構成されている。以下においては、上記2つのY軸リニアモータのそれぞれを、それぞれの固定子(Y軸用の固定子)42a、42bと同一の符号を用いて、適宜、Y軸リニアモータ42a、42bとも呼ぶものとする。なお、Y軸リニアモータとしては、ムービングマグネット型のリニアモータを用いても良い。
【0027】
主制御装置70(図5参照)は、X軸リニアモータ46によってウエハステージ30をX軸方向に駆動するとともに、Y軸リニアモータ42a、42bによってウエハステージ30をX軸リニアモータ46と一体でY軸方向に駆動する。また、主制御装置70は、Y軸リニアモータ42a、42bが発生するY軸方向の駆動力を僅かに異ならせることにより、ウエハステージ30をθz方向にも回転駆動する。本実施形態では、Y軸リニアモータ42a、42b、及びX軸リニアモータ46、ウエハテーブル34を駆動する不図示のZ・チルト駆動機構により、図5に示されるウエハ駆動系76が構成され、該ウエハ駆動系76を構成する各要素が、主制御装置70によって制御される。
【0028】
上述のようにして構成されたウエハステージ30(ウエハテーブル34)の6自由度方向(X、Y、Z、θx、θy、及びθz方向)の位置情報は、例えば米国特許第8,059,260号明細書に開示されるような干渉計システムを含むウエハ位置計測系78(図5参照)によって求められる。なお、ウエハステージ30の6自由度方向の位置情報を求めるための計測系としては、干渉計システムに代えて、例えば米国特許出願公開第2008/0094592号明細書に開示されるようなエンコーダシステム(あるいは干渉計システムとエンコーダシステムとを組み合わせた計測系)を用いても良い。
【0029】
次に、X軸用の固定子46の構成、及び該固定子46が有するコイル60の構成について説明する。
【0030】
固定子46は、図3(A)に示されるように、複数のコイルユニット50を有している。複数のコイルユニット50は、X軸方向に互いに隣接した状態で配列されている。図3(B)には、複数のコイルユニット50のうちのひとつが代表的に示されている。コイルユニット50は、回路基板52、ベースプレート54、冷却プレート56、複数のコイル60などを有している。
【0031】
回路基板52は、平面視ほぼ正方形の板状部材から成り、スイッチング素子(不図示)などが実装されている。ベースプレート54は、平面視ほぼ正方形の板状部材から成る。上記回路基板52は、ベースプレート54の下面(−Z側面)に所定の隙間(クリアランス、ギャップ)を介してネジ53により固定されている。冷却プレート56は、平面視ほぼ正方形の板状部材から成り、ベースプレート54の上面側に所定の隙間を介して配置されている。冷却プレート56の内部には、コイル60を冷却するための冷媒を通過させるための流路(いわゆるマイクロチャンネル)が形成されている。
【0032】
本実施形態のコイルユニット50は、例えば6つのコイル60を有している。例えば、6つのコイル60のうちの3つは、ベースプレート54と冷却プレート56との間(冷却プレート56の下面側)にX軸方向に所定間隔で配置され、残りの3つは、冷却プレート56の上面側にX軸方向に所定間隔で配置されている。なお、冷却プレート56の上面側に配置されたコイル60、及び冷却プレート56の下面側に配置されたコイル60の構成は、実質的に同じである。
【0033】
上述したベースプレート54の上面には、+Z方向に突き出して形成された一対の突起58が、X軸方向に所定間隔で、例えば3組形成されている。合計で、例えば6つの突起58を含み、ベースプレート54は、電気的な絶縁材料(例えばアルミナを原料とするセラミックスなど)により形成されている。一対の突起58は、コイル60の空芯部内に挿通されている。突起58の外周面とコイル60の空芯部を形成する壁面とは、実質的に隙間のない状態で接触(密着)している。これにより、X軸リニアモータ46によってウエハステージ30(それぞれ図2参照)をX軸方向に駆動する際にコイル60に作用する駆動反力が突起58(すなわちベースプレート54)に支持される。また、上記冷却プレート56にも、突起58に対応した不図示の貫通孔が形成されている。
【0034】
図4(A)には、コイルユニット50が有する複数のコイル60のうちのひとつが代表的に示されている。本実施形態のコイル60は、平面視で長円状の、いわゆる平面コイル(扁平コイル)であり、上面、及び下面それぞれがXY平面に平行に形成されている。図3(B)に示されるように、冷却プレート56の下面側に配置された、例えば3つのコイル60の上面は、冷却プレート56の下面に、冷却プレート56の上面側に配置された、例えば3つのコイル60の下面は、冷却プレート56の上面にそれぞれ接触している。コイルユニット50は、コイル60の近傍の温度を計測するためのコイル温度センサ群66(図3(B)では不図示。図5参照)を有している。主制御装置70(図5参照)は、該コイル温度センサ群66の出力に基づいて、通電に伴い発熱するコイル60の温度が所望の範囲内となるように、不図示の冷媒供給装置から冷却プレート56に供給される冷媒の流量を制御する。なお、冷却プレート56の下面側に配置された、例えば3つのコイル60のさらに下面側、及び/又は冷却プレート56の上面側に配置された、例えば3つのコイル60のさらに上面側に追加的な冷却プレートを配置しても良い。
【0035】
図4(A)に戻り、コイル60は、長尺帯状の巻線62(ストリップなどとも称される)がZ軸に平行な巻線軸(不図示)周りに複数回(例えば500回程度)巻かれることにより形成される。巻線62は、図4(B)に示されるように、導電層62a、絶縁層62b、及び接着層62cを有している。導電層62aは、いわゆる銅箔(厚さの薄い帯状に形成された銅)により形成されている。導電層62a(銅箔)の厚さは、特に限定されないが、本実施形態では、例えば35μm程度に設定されている。なお、導電層62aを構成する導電性の金属材料は、銅に限られず、例えばアルミニウムなどの他の導電性材料を用いても良い。
【0036】
絶縁層62bは、上記導電層62aを構成する銅箔の一面(本実施形態では、巻線62がコイル状に巻かれた状態での内側面)に合成樹脂材が塗布(あるいは、非導電性のフィルムが貼付)されることにより導電層62aと一体的に形成されている。絶縁層62bを形成する非導電性材料(電気的な絶縁物)としては、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタラートなどの合成樹脂材料を用いることができる。絶縁層62bの厚さは、特に限定されないが、本実施形態では、導電層62aよりも薄く、例えば3μm程度に設定されている。接着層62cは、上記絶縁層62bの一面(絶縁層62bの導電層62aに対する接合面とは反対の面)に接着剤(あるいは粘着剤)が塗布されることにより絶縁層62bと一体的に形成されている。接着層62cを構成する接着剤の種類は、特に限定されないが、電気絶縁性、及び耐熱性を有していることが好ましい。接着層62cの厚さは、特に限定されないが、本実施形態では、絶縁層62bよりも薄く、例えば2μm程度に設定されている。
【0037】
巻線62は、上記導電層62a、絶縁層62b、及び接着層62cが予め一体化されており、コイル60を製造する過程で巻線62が巻線軸周りに巻かれる際に、接着層62cが内周側の導電層62aに接着される。これにより、重なり合う導電層62a相互間の導通が阻害され、短絡が防止される。
【0038】
また、コイル60の上面、及び下面には、例えばアルミナなどの金属酸化物を原料とするセラミックスの溶射により形成されたコーティング膜64が形成されている。これによりコイル60の上面、及び下面が平坦になっており、コイル60と冷却プレート56(図4(B)では不図示。図3(B)参照)との間に隙間が形成される(空気が介在する)ことが抑制され、コイル60と冷却プレート56との間の熱交換効率が向上する。なお、不図示であるが、コイル60の最外周面を構成する巻線62の外周面は、例えば合成樹脂材料により被覆されており、導電層62aの外部への露出が防止されている。
【0039】
図5には、露光装置10の制御系の主要な構成が示されている。制御系は、装置全体を統括的に制御するマイクロコンピュータ(又はワークステーション)から成る主制御装置70を中心として構成されている。
【0040】
上記のように構成された露光装置10(図1参照)では、まず、レチクルR及びウエハWが、それぞれレチクルステージ14及びウエハステージ30上にロードされ、レチクルアライメント及びベースライン計測、並びにウエハアライメント(例えばEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等)などの所定の準備作業が行われる。その後、主制御装置70の管理の下、ウエハWの第1番目のショット領域に対する露光のための加速開始位置にウエハステージ30が駆動されるとともに、レチクルRの位置が加速開始位置となるように、レチクルステージ14が駆動される。そして、レチクルステージ14と、ウエハステージ30とがY軸方向に沿って同期駆動されることで、ウエハW上の第1番目のショット領域に対する露光が行われる。以後、レチクル上のすべてのショット領域に対する露光が行われることで、ウエハWの露光が完了する。
【0041】
上記アライメント動作、露光動作中を含み、露光装置10では、ウエハステージ30(ウエハW)がX軸リニアモータ46、Y軸リニアモータ42a、42b、及びZ・チルト駆動機構(不図示)を含むウエハ駆動系76(図5参照)によりベース盤24上で6自由度方向に適宜駆動される。
【0042】
以上説明した本実施形態によると、X軸リニアモータ46(X軸用の固定子46)が有する複数のコイル60それぞれの巻線62は、導電層62a間の短絡を防止するための絶縁層62bが、該導電層62aを構成する銅箔の一面側(本実施形態では内側面)にのみ設けられているので、仮に導線層を構成する銅箔の外周全面が絶縁被覆された巻線で同じ巻線数のコイルを作製する場合に比べ、コイル60の径方向寸法を小さくすることができる。これにより、コイル60の小型化、軽量化が可能となる。また、重なり合う導電層62a同士が接着剤により形成された接着層62cにより接着されるので、コイル60の剛性が向上する。
【0043】
また、コイル60は、熱伝導性に優れたアルミナにより形成されたコーティング膜64を冷却プレート56との接触面に有しているので、通電に伴って発熱したコイル60を効率良く冷却することができる。これにより、露光装置10内の温度分布(あるいは温度勾配)の発生を抑制でき、高精度の露光動作が可能となる。また、コーティング膜64の作用により、コイル60の剛性(例えばXY平面に交差する方向の捻れ剛性)が向上するので、コイル60の取り扱いが容易になる。また、本実施形態のコイル60は、導電層62aの幅方向両端部(図4(B)では+Z及び−Z側の端部)が絶縁被覆されていないが、電気的絶縁性に優れるアルミナセラミックスのコーティング膜64が上下面に形成されているので、導電層62aの外部への露出が防止される。
【0044】
なお、上記実施形態の露光装置10の構成は、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態は、コイル60を有する電磁アクチュエータが1自由度モータ(X軸リニアモータ46)である場合を説明したが、電磁アクチュエータとしては、例えば米国特許出願公開第2013/0164687号明細書に開示されるような、6自由度平面モータであっても良く、該6自由度平面モータの固定子(あるいは可動子)に用いられるコイルの巻線構造に、上記実施形態のコイル60と同様の構成を適用しても良い。
【0045】
また、電磁アクチュエータとしては、リニアモータに限られず、回転モータであっても良く、該回転モータの可動子(あるいは固定子)に用いられるコイルの巻線構造に、上記実施形態のコイル60と同様の構成を適用しても良い。さらに、電磁アクチュエータがリニアモータである場合、2自由度(直交2軸方向)リニアモータ、3自由度(直交2軸方向、及び該直交2軸を含む平面回り方向)平面モータなどであっても良く、該リニアモータの可動子(あるいは固定子)に用いられるコイルの巻線構造に、上記実施形態のコイル60と同様の構成を適用しても良い。また、コイルは、平面視でほぼ正方形、ほぼ三角形、あるいはほぼ台形などの他の形状であっても良い。
【0046】
また、上記実施形態において、コイル60は、絶縁層62bの一面側に導電層62aが設けられるとともに、絶縁層62bの他面側に接着層62cが設けられる3層構造(表面が導電層62aで裏面が接着層62c)の巻線62により形成されたが、巻線62の構成は、これに限られず、例えば導電層62aの一面側に絶縁層62bが設けられるとともに、導電層62aの他面側に接着層62cが設けられる3層構造(表面が絶縁層62bで裏面が接着層62c)であっても良い。また、上記実施形態とは逆に、表面が接着層62cで裏面が導電層62aであっても良い。
【0047】
また、上記実施形態では、コイル60の上面、及び下面それぞれを保護するコーティング膜64がセラミックスにより形成されたが、これに限られず、例えば合成樹脂材料により形成されても良い。また、コーティング膜64は、コイル60の上面、及び下面の一方にのみ設けられていても良いし、必ずしも設けられていなくても良い。また、上記実施形態のコイル60は、重なり合う導電層62aが絶縁層62bを介して接着層62cにより接着されたが、コーティング膜64により剛性が確保できれば、接着層62cはなくても良い。また、上記実施形態では、導電層62aと絶縁層62bとが一体とされたが、これらは別体でも良く、例えば帯状の導電体と、帯状の絶縁体とを用意し、重なり合う導電体の間に絶縁体が介在するように導電体及び絶縁体を一体に巻くことによってコイルを形成しても良い。
【0048】
また、ウエハステージ装置としては、例えば米国特許第8,059,260号明細書に開示されるような、ウエハWを保持するウエハステージの他に、露光に関する各種計測を行うための計測器類を備えた計測ステージを有していても良く、該計測ステージを駆動するためのリニアモータの固定子(あるいは可動子)に用いられるコイルの巻線構造に、上記実施形態のコイル60と同様の構成を適用しても良い。また、例えば米国特許出願公開第2010/0066992号明細書に開示される露光装置のようにウエハステージを2つ備えていても良い。また、レチクルステージ14を駆動するリニアモータの固定子(あるいは可動子)に用いられるコイルの巻線構造に、上記実施形態のコイル60と同様の構成を適用しても良い。
【0049】
また、上記実施形態の電磁アクチュエータは、露光装置における処理対象物体(いわゆる、ワーク)の位置制御に用いられたが、これに限られず、例えばワーク搬送装置(いわゆる、ローディング装置)が有するモータなどに用いられても良く、該モータの可動子(あるいは固定子)に用いられるコイルの巻線構造に、上記実施形態のコイル60と同様の構成を適用しても良い。
【0050】
また、電磁アクチュエータは、露光装置以外の装置に用いられても良く、例えばカメラ、携帯電話などの可搬性機器、自動車のような自走機器に用いられても良い。
【0051】
また、電磁アクチュエータとしては、リニアモータ、回転モータに限られず、電磁石なども含む。
【0052】
また、露光装置において、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、照明光ILの波長は、100nm以上の光に限られず、波長100nm未満の光を用いても良く、例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いるEUV露光装置にも上記実施形態を適用することができる。その他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、上記実施形態は適用できる。
【0053】
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系16bは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、この投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
【0054】
また、上記実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。
【0055】
また、例えば米国特許第8,004,650号明細書に開示されるような、投影光学系と露光対象物体(例えばウエハ)との間に液体(例えば純水)を満たした状態で露光動作を行う、いわゆる液浸露光装置にも上記実施形態は適用することができる。
【0056】
また、例えば国際公開第2001/035168号に開示されているように、干渉縞をウエハW上に形成することによって、ウエハW上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも上記実施形態を適用することができる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも上記実施形態は適用することができる。
【0057】
また、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
【0058】
また、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
【0059】
また、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記実施形態を適用できる。
【0060】
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態に係る露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上説明したように、本発明の電磁アクチュエータ用電機子コイルは、電磁アクチュエータに用いるのに適している。また、本発明の電磁アクチュエータは、所定の推力を発生するのに適している。また、本発明の露光装置は、物体に所定のパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
【符号の説明】
【0062】
10…露光装置、20…ステージ装置、30…ウエハステージ、46…X軸リニアモータ(X軸用の固定子)、50…コイルユニット、60…コイル、62…巻線、62a…導電層、62b…絶縁層、62c…接着層、64…コーティング膜、70…主制御装置、W…ウエハ。
図1
図2
図3
図4
図5