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特開2018-120799半導体装置、リレーシステム、テストシステム及びリレーの駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-120799(P2018-120799A)
(43)【公開日】2018年8月2日
(54)【発明の名称】半導体装置、リレーシステム、テストシステム及びリレーの駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 47/32 20060101AFI20180706BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20180706BHJP
   H01H 47/00 20060101ALI20180706BHJP
   H01H 9/54 20060101ALI20180706BHJP
【FI】
   H01H47/32 Z
   G01R31/28 K
   H01H47/00 A
   H01H9/54 B
   H01H9/54 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-12452(P2017-12452)
(22)【出願日】2017年1月26日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】伴 将史
【テーマコード(参考)】
2G132
5G034
5G057
【Fターム(参考)】
2G132AE11
2G132AF10
2G132AJ03
5G034AB01
5G034AB14
5G034AE03
5G057AA02
5G057BB07
5G057BC03
5G057KK01
5G057RR06
5G057RS07
(57)【要約】
【目的】装置規模の増大を招くこと無く複数のリレーを駆動することが可能な半導体装置、テストシステム及びリレーの駆動方法を提供することを目的とする。
【構成】リレー制御信号を受ける制御端子と、リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第n(nは2以上の整数)の電圧を第1〜第nのノードに印加する電圧印加部と、第1〜第nのノードのうちで、電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を所定電圧値に維持する電圧制限部と、第1〜第nのノードの電圧を第1〜第nの駆動信号として出力する第1〜第nの駆動端子と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1〜第n(nは2以上の整数)の駆動信号を生成する半導体装置であって、
リレー制御信号を受ける制御端子と、
前記リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第n(nは2以上の整数)の電圧を第1〜第nのノードに印加する電圧印加部と、
前記第1〜第nのノードのうちで、前記電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を前記所定電圧値に維持する電圧制限部と、
前記第1〜第nのノードの電圧を第1〜第nの駆動信号として出力する第1〜第nの駆動端子と、を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記電圧印加部は、前記制御端子と前記第1〜第nのノード各々との間に設けられている第1〜第nの電流路を含み、前記電流路の各々には、前記電流路毎に異なる個数にて直列に接続されているツェナーダイオードが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電圧印加部は、前記リレー制御信号に応じて所定の一定電流を前記第1〜第nのノードに送出する第1〜第nの定電流ダイオードを含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記電圧制限部は、前記第1〜第nのノードに夫々のアノードが接続されており、夫々のカソードに接地電位が印加されている第1〜第nのツェナーダイオードを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の半導体装置。
【請求項5】
第1〜第n(nは2以上の整数)のリレーと、前記第1〜第nのリレーのスイッチ状態を切り替える第1〜第nの駆動信号を生成する駆動回路と、を含むリレーシステムであって、
前記駆動回路は、
リレー制御信号を受ける制御端子と、
前記リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第nの電圧を第1〜第nのノードに印加する電圧印加部と、
前記第1〜第nのノードのうちで、前記電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を前記所定電圧値に維持する電圧制限部と、
前記第1〜第nのノードの電圧を前記第1〜第nの駆動信号として出力する第1〜〜第nの駆動端子と、を含むことを特徴とするリレーシステム。
【請求項6】
電子機器をテストするテスト装置を含むテストシステムであって、
リレー制御信号を受ける制御端子と、前記リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第n(nは2以上の整数)の電圧を第1〜第nのノードに印加する電圧印加部と、前記第1〜第nのノードのうちで、前記電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を前記所定電圧値に維持する電圧制限部と、前記第1〜第nのノードの電圧を第1〜第nの駆動信号として出力する第1〜第nの駆動端子と、を含む駆動回路と、
夫々がスイッチと前記スイッチの状態を切り替えるコイルを含み、前記第1〜第nの駆動端子に夫々の前記コイルが接続されている第1〜第nのリレーと、
前記電子機器及び前記テスト装置間を前記第1〜第nのリレーの前記スイッチを夫々介して接続する配線と、
テスト項目毎に、そのテスト項目に対応した電圧値及び電流値を有する前記リレー制御信号を生成するリレー制御信号生成部と、を含むことを特徴とするテストシステム。
【請求項7】
第1〜第n(nは2以上の整数)のリレーのスイッチの状態を切り替える駆動信号を生成するリレーの駆動方法であって、
リレー制御信号を受け、前記リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ低下させた第1〜第nの電圧を第1〜第nのノードに印加しつつ、前記第1〜第nのノードのうちで前記電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を前記所定電圧値に維持し、
前記第1〜第nのノードの電圧を第1〜第nの駆動信号として前記第1〜第nのリレーに供給することを特徴とするリレーの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の駆動信号を生成する半導体装置、リレーシステム、テストシステム及びリレーの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器の高機能化、多機能化が実現しており、それに伴い、電子機器の制御を担う半導体装置(以降、LSIと称する)の評価テストにも、高機能化、多機能化に適応したテストの実施が望まれている。
【0003】
そこで、テスト対象となるLSIの外部端子と、LSIテスタのテストピンとを任意に接続又は遮断できるようにしたテスト用治具を設けてLSIの評価テストを行う場合がある。テスト対象となるLSIの各外部端子と、LSIテスタの各テストピンとの間を接続又は遮断するスイッチとしては、例えばオフ状態時のリーク電流が少ないリレーが用いられる。
【0004】
また、このようなLSIの評価テストで用いるリレーとして、一対の接点片を有するリードスイッチと、駆動信号に応じてリードスイッチのオン・オフ状態を制御する駆動回路と、を有するリードリレーが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−362992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、テスト用治具として上記したようなリレーを含むものを採用すると、そのリレーの数の分だけ、各リレーを個別にオン・オフ制御する駆動信号用の配線が必要となる。よって、多数のリレーを個別にオン・オフ制御する為には、駆動信号用の配線がリレーの個数分だけ必要となり、テスト用治具の装置規模が大きくなるという問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、装置規模の増大を招くこと無く複数のリレーを駆動することが可能な半導体装置、リレーシステム、テストシステム及びリレーの駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る半導体装置は、第1〜第n(nは2以上の整数)の駆動信号を生成する半導体装置であって、リレー制御信号を受ける制御端子と、前記リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第n(nは2以上の整数)の電圧を第1〜第nのノードに印加する電圧印加部と、前記第1〜第nのノードのうちで、前記電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を前記所定電圧値に維持する電圧制限部と、前記第1〜第nのノードの電圧を第1〜第nの駆動信号として出力する第1〜第nの駆動端子と、を含む。
【0009】
本発明に係るリレーシステムは、第1〜第n(nは2以上の整数)のリレーと、前記第1〜第nのリレーのスイッチ状態を切り替える第1〜第nの駆動信号を生成する駆動回路と、を含むリレーシステムであって、前記駆動回路は、リレー制御信号を受ける制御端子と、前記リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第nの電圧を第1〜第nのノードに印加する電圧印加部と、前記第1〜第nのノードのうちで、前記電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を前記所定電圧値に維持する電圧制限部と、前記第1〜第nのノードの電圧を前記第1〜第nの駆動信号として出力する第1〜〜第nの駆動端子と、を含む。
【0010】
本発明に係るテストシステムは、電子機器をテストするテスト装置を含むテストシステムであって、リレー制御信号を受ける制御端子と、前記リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第n(nは2以上の整数)の電圧を第1〜第nのノードに印加する電圧印加部と、前記第1〜第nのノードのうちで、前記電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を前記所定電圧値に維持する電圧制限部と、前記第1〜第nのノードの電圧を第1〜第nの駆動信号として出力する第1〜第nの駆動端子と、を含む駆動回路と、夫々がスイッチと前記スイッチの状態を切り替えるコイルを含み、前記第1〜第nの駆動端子に夫々の前記コイルが接続されている第1〜第nのリレーと、前記電子機器及び前記テスト装置間を前記第1〜第nのリレーの前記スイッチを夫々介して接続する配線と、テスト項目毎に、そのテスト項目に対応した電圧値を有する前記リレー制御信号を生成するリレー制御信号生成部と、を含む。
【0011】
本発明に係るリレーの駆動方法は、第1〜第n(nは2以上の整数)のリレーのスイッチの状態を切り替える駆動信号を生成するリレーの駆動方法であって、リレー制御信号を受け、前記リレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ低下させた第1〜第nの電圧を第1〜第nのノードに印加しつつ、前記ノードに印加された電圧が所定電圧値以上となった場合には前記ノードの電圧を前記所定電圧値に維持し、前記第1〜第nのノードの電圧を第1〜第nの駆動信号として前記第1〜第nのリレーに供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、制御端子で受けたリレー制御信号によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第nの電圧を第1〜第nのノードに印加しつつ、これら第1〜第nのノードのうちで上記のように印加された電圧が所定電圧値以上となるノードの電圧を所定電圧値に維持する。そして、第1〜第nのノードの電圧を、第1〜第nのリレー各々のスイッチ状態を切り替える第1〜第nの駆動信号として出力する。
【0013】
これにより、リレー制御信号の電圧値を(n+1)段階で変更して得られた第1〜第nの駆動信号により、駆動対象となる例えばn個のリレーによるスイッチパターンを(n+1)通りに設定することが可能となる。よって、リレー制御信号を供給する制御用配線を1系統分だけ用意すれば良いので、n個のリレーに夫々独立した制御用配線が必要となる従来装置に比べて、装置全体の規模を縮小化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る半導体装置としての駆動回路100を含むリレーシステム200の構成を示す図である。
図2A】リレー制御信号VLと、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWの状態との対応関係の一例を示す図である。
図2B図2Aに示すリレー制御信号VLと、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWの状態との対応関係において、リレー制御信号VLの具体的な数値例(電圧値及び電流値)を示す図である。
図3】スイッチパターン2における駆動回路100内の電流経路を表す図である。
図4】スイッチパターン3における駆動回路100内の電流経路を表す図である。
図5】スイッチパターン4における駆動回路100内の電流経路を表す図である。
図6】LSIテストを行う際のテストシステムの構成を表す図である。
図7】各テスト項目と、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWの状態との対応関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る半導体装置としての駆動回路100と、リレーRL1〜RL3とを含むリレーシステム200の構成を示す回路図である。駆動回路100は、制御端子T0、駆動端子T1〜T3、定電流ダイオードD1〜D3、ツェナーダイオードZD1〜ZD6を含む。
【0017】
制御端子T0には、リレー制御信号供給ラインCLを介して定電流ダイオードD1〜D3各々のアノードが接続されている。尚、制御端子T0は、外部供給されたリレー制御信号VLを受け、当該リレー制御信号VLをリレー制御信号供給ラインCLを介して定電流ダイオードD1〜D3各々のアノードに供給する。
【0018】
定電流ダイオードD1のカソードには、ノードn1を介してツェナーダイオードZD1のカソード及び駆動端子T1が接続されている。ツェナーダイオードZD1のアノードには接地電位GNDが印加されている。尚、これら定電流ダイオードD1、ツェナーダイオードZD1及び駆動端子T1を含む電流路を第1の電流路と称する。
【0019】
定電流ダイオードD2のカソードには、ツェナーダイオードZD2のカソードが接続されている。ツェナーダイオードZD2のアノードにはノードn2を介してツェナーダイオードZD3のカソード及び駆動端子T2が接続されている。ツェナーダイオードZD3のアノードには接地電位GNDが印加されている。尚、これら定電流ダイオードD2、ツェナーダイオードZD2、ZD3及び駆動端子T2を含む電流路を第2の電流路と称する。
【0020】
定電流ダイオードD3のカソードには、ツェナーダイオードZD4のカソードが接続されている。ツェナーダイオードZD4のアノードにはツェナーダイオードZD5のカソードが接続されている。ツェナーダイオードZD5のアノードにはノードn3を介してツェナーダイオードZD6のカソード及び駆動端子T3が接続されている。ツェナーダイオードZD6のアノードには接地電位GNDが印加されている。尚、これら定電流ダイオードD3、ツェナーダイオードZD4〜ZD6及び駆動端子T3を含む電流路を第3の電流路と称する。
【0021】
以下に、図1に示す駆動回路100の内部動作について説明する。尚、上記したツェナーダイオードZD1〜ZD6の各々は、例えば4ボルト以上且つ5ボルト以下に設定されているツェナー電圧以上の電圧が逆方向に印加された場合にブレークダウンするものとする。ツェナーダイオードZD1〜ZD6の各々は、このブレークダウンが生じた場合にカソードからアノードに向けてツェナー電流が流れる。また、ツェナーダイオードZD1〜ZD6の各々は、例えばツェナー電流が10ミリアンペア以上となる場合に、自身のカソード及びアノード間の電圧が5ボルト一定となる特性を有するものとする。また、上記した定電流ダイオードD1〜D3の各々はリレー制御信号供給ラインCLに印加されたリレー制御信号VLに応じて、例えば20ミリアンペア一定の電流を送出するものとする。
【0022】
図1において、定電流ダイオードD1は、リレー制御信号供給ラインCLに印加されたリレー制御信号VLに応じて、例えば20ミリアンペア一定の電流をノードn1に送出する。この際、定電流ダイオードD1は、リレー制御信号VLを自身の順方向電圧分だけ降下させた電圧をノードn1に印加する。
【0023】
定電流ダイオードD2は、リレー制御信号供給ラインCLに印加されたリレー制御信号VLに応じて、例えば20ミリアンペア一定の電流をツェナーダイオードZD2を介してノードn2に送出する。この際、定電流ダイオードD2及びツェナーダイオードZD2は、リレー制御信号VLがツェナーダイオードZD2のツェナー電圧以上となった場合に、このリレー制御信号VLをツェナー電圧(例えば5ボルト)の分だけ降下させた電圧をノードn2に印加する。
【0024】
定電流ダイオードD3は、リレー制御信号供給ラインCLに印加されたリレー制御信号VLに応じて、20ミリアンペア一定の電流をツェナーダイオードZD4及びZD5を介してノードn3に送出する。この際、定電流ダイオードD3、ツェナーダイオードZD4及びZD5は、リレー制御信号VLがツェナーダイオードZD4及びZD5各々によるツェナー電圧の合計電圧値(例えば10ボルト)以上となった場合に、このリレー制御信号VLを当該合計電圧値の分だけ降下させた電圧をノードn3に印加する。
【0025】
ツェナーダイオードZD1は、ノードn1に印加された電圧がツェナー電圧(例えば5ボルト)以上となった場合に、当該ノードn1の電圧値をツェナー電圧に維持する。ツェナーダイオードZD3は、ノードn2に印加された電圧がツェナー電圧以上となった場合に、当該ノードn2の電圧値をツェナー電圧に維持する。また、ツェナーダイオードZD6は、ノードn3に印加された電圧がツェナー電圧以上となった場合に、当該ノードn3の電圧値をツェナー電圧に維持する。
【0026】
駆動端子T1は、上記したノードn1の電圧を駆動信号V1として外部出力する。駆動端子T2は、ノードn2の電圧を駆動信号V2として外部出力する。駆動端子T3は、ノードn3の電圧を駆動信号V3として外部出力する。
【0027】
駆動回路100の駆動端子T1にはリレーRL1が接続され、駆動端子T2にはリレーRL2が接続され、駆動端子T3にはリレーRL3が接続されている。
【0028】
リレーRL1〜RL3は同一の内部構成を有し、夫々がスイッチSW及びこのスイッチSWのオン・オフ状態の切り替えを行うコイルLを有する。尚、リレーRL1〜RL3各々のコイルLは、例えば5ボルトの駆動信号が印加され且つ10ミリアンペア以上の電流が流れた場合に、スイッチSWをオフ状態からオン状態に切り替える。尚、スイッチSWは接続点a〜cを有し、オフ状態時には接続点aを接続点bに接続し、オン状態時には接続点aを接続点cに接続するものとする。
【0029】
リレーRL1のコイルLの一端には駆動回路100の駆動端子T1が接続されており、当該コイルLの他端には接地電位GNDが印加されている。リレーRL2のコイルLの一端には駆動回路100の駆動端子T2が接続されており、当該コイルLの他端には接地電位GNDが印加されている。リレーRL3のコイルLの一端には駆動回路100の駆動端子T3が接続されており、当該コイルLの他端には接地電位GNDが印加されている。
【0030】
以下に、図1に示すリレーシステム200の動作について、図2A及び図2Bを参照しつつ説明する。尚、図2Aは、リレー制御信号VLと、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWの状態との対応関係の一例を示す図である。また、図2Bは、図2Aに示すリレー制御信号VLと、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWの状態との対応関係において、リレー制御信号VLの具体的な数値例(電圧値及び電流値)を示す図である。
【0031】
リレーシステム200では、制御端子T0に供給するリレー制御信号VLの電圧値及び電流値を4段階に変更することにより、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWのオン・オフ状態を、図2Aに示すような4通りのパターンで切り替えることができる。
【0032】
すなわち、リレーRL1〜RL3のスイッチSWを全てオフ状態(スイッチパターン1)に設定するには、電圧値Y1及び電流値X1を有するリレー制御信号VLを駆動回路100の制御端子T0に供給する。また、リレーRL1〜RL3のうちのRL1のスイッチSWのみをオン状態(スイッチパターン2)に設定するには、図2Aに示すように、電圧値Y2及び電流値X2を有するリレー制御信号VLを駆動回路100の制御端子T0に供給する。また、リレーRL1〜RL3のうちのRL1及びRL2のスイッチSWみをオン状態(スイッチパターン3)に設定するには、図2Aに示すように、電圧値Y3及び電流値X3を有するリレー制御信号VLを駆動回路100の制御端子T0に供給する。また、リレーRL1〜RL3のスイッチSWを全てオン状態(スイッチパターン4)に設定するには、電圧値Y4及び電流値X4を有するリレー制御信号VLを駆動回路100の制御端子T0に供給する。
【0033】
ここで、電圧値Y1〜Y4各々の具体的な数値の一例は、図2Bに示すように、Y1=0ボルト、Y2=5ボルト、Y3=10ボルト、Y4=15ボルトである。また、電流値X1〜X4各々の具体的な数値の一例は、図2Bに示すように、X1=0mA、X2=20mA、X3=40mA、X4=60mAである。
【0034】
そこで、以下に、電圧値Y1〜Y4、電流値X1〜X4として、図2Bに示す具体的な数値を用いて、リレーシステム200の内部の詳細な動作を説明する。
【0035】
例えば、図2Bに示すように、リレーRL1〜RL3のスイッチSWを全てオフ状態(スイッチパターン1)に設定するには、0ボルト及び0ミリアンペアを有するリレー制御信号VLを駆動回路100の制御端子T0に供給する。この際、第1の電流路(D1、ZD1、T1)、第2の電流路(D2、ZD2、ZD3、T2)、及び第3の電流路(D3、ZD4〜ZD6、T3)のいずれにも電流は流れないので、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWは全てオフ状態、つまり接続点aが接続点bに接続された状態に設定される。
【0036】
また、図2Bに示すように、リレーRL1〜RL3のうちのRL1のスイッチSWのみをオン状態(スイッチパターン2)に設定するには、5ボルト及び20ミリアンペアを有するリレー制御信号VLを駆動回路100の制御端子T0に供給する。
【0037】
これにより、定電流ダイオードD1の順方向電圧分だけ電圧値が降下したリレー制御信号VLがノードn1に印加される。この際、リレー制御信号VLの電圧値が5ボルトであると、第2の電流路に含まれるツェナーダイオードZD2及びZD3、並びに第3の電流路に含まれるZD4〜ZD6はブレークダウンしない。よって、ノードn2及びn3には電圧印加が為されず、それ故、第1〜第3の電流路のうちで、第1の電流路(D1、ZD1、T1)のみに電流が流れる。つまり、図3の矢印に示すように、第1の電流路では、定電流ダイオードD1が例えば20ミリアンペアの電流I1を送出し、そのうちの例えば10ミリアンペア分の電流I2がツェナーダイオードZD1に流れ、残りの10ミリアンペア分の電流I3が駆動端子T1を介してリレーRL1のコイルLに送出される。この際、ツェナーダイオードZD1のブレークダウンにより、例えば5ボルト一定の駆動信号V1がリレーRL1のコイルLに印加され、当該リレーRL1のスイッチSWがオン状態、つまりリレーRL1のスイッチSWの接続点aが接続点cに接続された状態となる。
【0038】
また、図2Bに示すように、リレーRL1〜RL3のうちのRL1及びRL2のスイッチSWをオン状態に設定(スイッチパターン3)するには、10ボルト及び40ミリアンペアを有するリレー制御信号VLを駆動回路100の制御端子T0に供給する。
【0039】
これにより、定電流ダイオードD1の順方向電圧分だけ電圧値が降下したリレー制御信号VLがノードn1に印加される。また、リレー制御信号VLの電圧値が10ボルトであるので第2の電流路に含まれるツェナーダイオードZD2及びZD3がブレークダウンし、リレー制御信号VLをツェナーダイオードZD2のツェナー電圧分だけ降下させた電圧、つまり5ボルトの電圧がノードn2に印加される。尚、リレー制御信号VLの電圧値が10ボルトであるので、第3の電流路に含まれるツェナーダイオードZD4〜ZD6はブレークダウンせず、ノードn3には電圧印加が為されない。
【0040】
よって、第1〜第3の電流路のうちの第1の電流路(D1、ZD1、T1)及び第2の電流路(D2、ZD2、ZD3、T2)に夫々電流が流れる。つまり、図4の矢印に示すように、第1の電流路では、定電流ダイオードD1が例えば20ミリアンペアの電流I1を送出し、そのうちの例えば10ミリアンペア分の電流I2がツェナーダイオードZD1に流れ、残りの10ミリアンペア分の電流I3が駆動端子T1を介してリレーRL1のコイルLに送出される。この際、ノードn1には例えば10ボルトの電圧が印加されるものの、ツェナーダイオードZD1のブレークダウンにより、5ボルト一定の駆動信号V1がリレーRL1のコイルLに印加され、当該リレーRL1のスイッチSWがオン状態となる。第2の電流路では、図4の矢印に示すように、定電流ダイオードD2が例えば20ミリアンペアの電流I4をツェナーダイオードZD2を介して送出し、そのうちの例えば10ミリアンペア分の電流I5がツェナーダイオードZD3に流れ、残りの10ミリアンペア分の電流I6が駆動端子T2を介してリレーRL2のコイルLに送出される。この際、ノードn2に印加された5ボルトの電圧を有する駆動信号V2がリレーRL2のコイルLに印加され、当該リレーRL2のスイッチSWがオン状態、つまりリレーRL2のスイッチSWの接続点aが接続点cに接続された状態となる。
【0041】
また、図2Bに示すように、リレーRL1〜RL3のスイッチSWを全てオン状態に設定(スイッチパターン4)するには、15ボルト及び60ミリアンペアを有するリレー制御信号VLを駆動回路100の制御端子T0に供給する。
【0042】
これにより、定電流ダイオードD1の順方向電圧分だけ電圧値が降下したリレー制御信号VLがノードn1に印加される。また、リレー制御信号VLの電圧値が15ボルトであるので第2の電流路に含まれるツェナーダイオードZD2及びZD3がブレークダウンし、リレー制御信号VLをツェナーダイオードZD2のツェナー電圧分だけ降下させた例えば10ボルトの電圧がノードn2に印加される。更に、リレー制御信号VLの電圧値が15ボルトであることから、第3の電流路に含まれるツェナーダイオードZD4〜ZD6もブレークダウンし、リレー制御信号VLをツェナーダイオードZD4及びZD5各々によるツェナー電圧の合計電圧値(例えば10ボルト)分だけ降下させた電圧、つまり5ボルトの電圧がノードn3に印加される。
【0043】
よって、第1の電流路(D1、ZD1、T1)、第2の電流路(D2、ZD2、ZD3、T2)及び第3の電流路(D3、ZD4〜ZD6、T3)に夫々電流が流れる。
【0044】
つまり、図5の矢印に示すように、第1の電流路では、定電流ダイオードD1が例えば20ミリアンペアの電流I1を送出し、そのうちの例えば10ミリアンペア分の電流I2がツェナーダイオードZD1に流れ、残りの10ミリアンペア分の電流I3が駆動端子T1を介してリレーRL1のコイルLに送出される。この際、ノードn1には15ボルトの電圧が印加されているものの、ツェナーダイオードZD1のブレークダウンにより、5ボルト一定の駆動信号V1がリレーRL1のコイルLに印加され、当該リレーRL1のスイッチSWがオン状態となる。
【0045】
また、第2の電流路では、図5の矢印に示すように、定電流ダイオードD2が例えば20ミリアンペアの電流I4をツェナーダイオードZD2を介して送出し、そのうちの例えば10ミリアンペア分の電流I5がツェナーダイオードZD3に流れ、残りの10ミリアンペア分の電流I6が駆動端子T2を介してリレーRL2のコイルLに送出される。この際、ノードn2には10ボルトの電圧が印加されるものの、ツェナーダイオードZD3のブレークダウンにより、5ボルト一定の駆動信号V2がリレーRL2のコイルLに印加され、当該リレーRL2のスイッチSWがオン状態となる。
【0046】
第3の電流路では、図5の矢印に示すように、定電流ダイオードD3が例えば20ミリアンペアの電流I7をツェナーダイオードZD4及びZD5を介して送出し、そのうちの例えば10ミリアンペア分の電流I8がツェナーダイオードZD6に流れ、残りの10ミリアンペア分の電流I9が駆動端子T3を介してリレーRL3のコイルLに送出される。この際、ノードn3に印加された5ボルトの電圧を有する駆動信号V3がリレーRL3のコイルLに印加され、当該リレーRL3のスイッチSWがオン状態、つまりリレーRL3のスイッチSWの接続点aが接続点cに接続された状態となる。
【0047】
以上のように、図1に示すリレーシステム200では、単一の制御端子T0に供給するリレー制御信号VLの電圧値を4段階(例えば0、5、10、15ボルト)で変更することにより、3つのリレーRL1〜RL3によるスイッチパターン(オン・オフ状態)を、図2A又は図2Bに示すような4通りに設定することが可能となる。
【0048】
よって、リレー制御信号VLを制御端子T0に供給する為の制御用配線を1系統分だけ用意すれば、3個のリレーを4通りのスイッチパターンに設定することができるので、3個のリレーに対して独立した3系統分の制御用配線が必要となる従来装置に比して、装置全体の規模を縮小化することが可能となる。
【0049】
尚、図1に示す駆動回路100では、定電流ダイオードD1〜D3、ツェナーダイオードZD2、ZD4及びZD5により、リレー制御信号VLを夫々異なる電圧値(0ボルト、5ボルト、10ボルト)の分だけ降下させた第1〜第3の電圧をノードn1〜n3に印加している。しかしながら、上記のように電圧降下を生じさせる素子としては、ツェナーダイオードに限定されず、例えば抵抗素子、或いは当該ツェナーダイオードと同等な動作を為す回路を採用しても良い。
【0050】
また、図1に示す駆動回路100では、5ボルトの駆動信号によってスイッチの切替が為されるリレーを駆動しているが、5ボルト以外の所定電圧値を有する駆動信号でスイッチ切替が為されるリレーを駆動するようにしても良い。また、駆動回路100では、リレーのスイッチ切換が為される所定電圧値(5ボルト)を超えた電圧がノードn1〜n3に印加された場合に、ノードn1〜n3の電圧値を所定電圧値(5ボルト)に維持させる素子として、ツェナーダイオード(ZD1、ZD3及びZD6)を採用している。しかしながら、所定電圧値を超えた電圧がノードn1〜n3に印加された場合に、ノードn1〜n3の電圧値を所定電圧値に維持させることができる素子或いは回路を、ツェナーダイオードZD1、ZD3及びZD6に代えて採用しても良い。
【0051】
また、図1に示す駆動回路100では、リレー制御信号VLに応じて3つのリレーRL1〜RL3を個別に駆動する3つの駆動信号V1〜V3を生成しているが、生成する駆動信号の数は3つに限定されず、また、駆動対象となる機器もリレーに限定されない。
【0052】
要するに、駆動回路100は、リレー制御信号(VL)に応じて第1〜第n(nは2以上の整数)の駆動信号を生成するものであり、以下の制御端子、電圧印加部、電圧制限部及び駆動端子を含むものであれば良いのである。つまり、電圧印加部(D1〜D3、ZD2、ZD4、ZD5)は、制御端子(T0)で受けたリレー制御信号(VL)によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第nの電圧を第1〜第nのノード(n1〜n3)に印加する。電圧制限部(ZD1〜ZD3)は、第1〜第nのノードのうちで、上記した電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値(例えば5ボルト)以上となるノードの電圧を所定電圧値に維持する。第1〜第nの駆動端子(T1〜T3)は、第1〜第nのノードの電圧を第1〜第nの駆動信号(V1〜V3)として出力する。
【0053】
かかる構成によれば、リレー制御信号の電圧値を(n+1)段階で変更することにより、駆動対象となる例えばn個のリレーによるスイッチのパターンを(n+1)通りに設定することが可能となる。よって、リレー制御信号を供給する為の制御用配線を1系統分だけ用意すれば良いので、n個のリレーに夫々独立した制御用配線が必要となる従来装置に比べて、装置全体の規模を縮小化することが可能となる。
【0054】
次に、図1に示すリレーシステム200を、製品出荷前のLSIのテストに用いるテスト用治具として採用した場合におけるテスト方法について説明する。
【0055】
図6は、製品出荷前のLSI300をテストするテストシステムの構成を示す図である。当該テストシステムは、テスト対象となるLSI300及び当該LSI300のテストを行うLSIテスタ500と共に、テスト用治具としてのリレーシステム200及びリレー制御信号生成部400を含む。尚、LSI300には、自身に形成されている内部回路に電源電圧の供給を行うレギュレータ(図示せず)が設けられているものとする。更に、LSI300には、当該レギュレータで生成された電源電圧を出力電圧REGとして外部出力すると共に、出力電圧REGの電圧変動を抑えてその電圧値を一定化する為のキャパシタを接続する為の外部端子TBが設けられている。また、図6に示すテストシステムでは、LSI300の複数の外部端子のうちで、出力電圧REGを出力する外部端子TBを除く各外部端子が直接、テストピンを介してLSIテスタ500に接続されているものとする。
【0056】
図6において、テスト対象となるLSI300の外部端子TBは、出力ラインOLを介してリレーRL2のスイッチSWの接続点a及びリレーRL3のスイッチSWの接続点aに接続されている。リレーRL2のスイッチSWの接続点bには、キャパシタCPの一端が接続されている。尚、キャパシタCPは、出力電圧REGの電圧変動を抑えてその電圧値を一定化する為に外部端子TBに接続することが推奨されているキャパシタと等しい静電容量及び耐圧を有する。このキャパシタCPの他端には接地電位GNDが印加されている。
【0057】
リレーRL3のスイッチSWの接続点bはリレーRL1のスイッチSWの接続点aに接続されており、当該リレーRL1のスイッチSWの接続点cにLSIテスタ500のテストピンTPが接続されている。
【0058】
LSIテスタ500は、図2Bに示すスイッチパターン1〜4のうちから1つのスイッチパターンを指定するリレー制御データLCをリレー制御信号生成部400に供給する。
【0059】
リレー制御信号生成部400は、リレー制御データLCによって指定されたスイッチパターンに対応した電圧値を有するリレー制御信号VLを生成し、これを単一の制御用配線L1を介して駆動回路100の制御端子T0に供給する。尚、リレー制御信号生成部400としては、図5に示すように、リレーRL1〜RL3の全てのスイッチSWをオン状態に設定する際に必要となる、少なくとも60ミリアンペアの電流供給能力を有するものを採用することが好ましい。
【0060】
駆動回路100は、図1に示す内部構成を有し、前述したように、リレー制御信号VLに応じて駆動信号V1〜V3を生成し、駆動信号V1をリレーRL1のコイルLの一端に供給し、駆動信号V2をリレーRL2のコイルLの一端に供給し、駆動信号V3をリレーRL3のコイルLの一端に供給する。リレーRL1乃至RL3各々のコイルLの他端には接地電位GNDが印加されている。
【0061】
ここで、LSIテスタ500は、LSI300に対する製品出荷前のテストとして、以下の各テスト項目にて示されるテスト、つまり内部回路テスト、レギュレータ電圧テスト、導通テスト、及び発振電圧動作テストを行う。
【0062】
[内部回路テスト]
内部回路テストを実施する場合、LSIテスタ500は、図2Bに示すスイッチパターン1を指定するリレー制御データLCをリレー制御信号生成部400に供給する。リレー制御信号生成部400は、かかるリレー制御データLCに応じて、図2Bに示すように0ボルト及び0ミリアンペアを有するリレー制御信号VLを駆動回路100に供給する。これにより、図7(a)に示すように、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWが全てオフ状態(接続点aが接続点bに接続された状態)となる。その結果、出力電圧REGを出力する外部端子TB及びLSIテスタ500間の電気的接続が遮断され、当該外部端子TBにキャパシタCPが電気的に接続された状態となる。従って、LSI300のレギュレータで生成された出力電圧REGがキャパシタCPによって定電圧の状態となり、当該出力電圧REGに対応した電源電圧で内部回路が動作することになる。ここで、LSIテスタ500は、LSI300に形成されている内部回路が正常に動作するか否かのテストを行う。
【0063】
[レギュレータ電圧テスト]
レギュレータ電圧テストを実施する場合、LSIテスタ500は、図2Bに示すスイッチパターン2を指定するリレー制御データLCをリレー制御信号生成部400に供給する。リレー制御信号生成部400は、かかるリレー制御データLCに応じて、図2Bに示すように5ボルト及び20ミリアンペアを有するリレー制御信号VLを駆動回路100に供給する。これにより、図7(b)に示すように、リレーRL1のスイッチSWがオン状態(接続点aが接続点cに接続された状態)、RL2及びRL3が共にオフ状態(接続点aが接続点bに接続された状態)となる。その結果、出力電圧REGを出力する外部端子TBに、LSIテスタ500及びキャパシタCPが電気的に接続された状態となる。そこで、LSIテスタ500は、出力電圧REGを取り込み、その電圧値が正常であるか否かのテストを行う。
【0064】
[導通テスト]
導通テストを実施する場合、LSIテスタ500は、図2Bに示すスイッチパターン3を指定するリレー制御データLCをリレー制御信号生成部400に供給する。リレー制御信号生成部400は、かかるリレー制御データLCに応じて、図2Bに示すように10ボルト及び40ミリアンペアを有するリレー制御信号VLを駆動回路100に供給する。これにより、図7(c)に示すように、リレーRL1及びRL2各々のスイッチSWがオン状態(接続点aが接続点cに接続された状態)、リレーRL3のスイッチSWがオフ状態(接続点aが接続点bに接続された状態)となる。その結果、出力電圧REGを出力する外部端子TB及びLSIテスタ500間が電気的に接続されるものの、当該外部端子TB及びキャパシタCP間の電気的接続は遮断される。この状態でLSIテスタ500は、導通テスト用の電流を外部端子TBに供給し、この際得られた電圧に基づき外部端子TBに対する導通が正しく為されたか否かをテストする。尚、LSIテスタ500は、図7(c)の状態を維持したまま、且つLSI300に形成されているレギュレータの動作を停止した状態で、仕様で保証されている最大電圧を外部端子TBに印加することによりレギュレータに対する耐圧テストを実行するようにしても良い。
【0065】
[発振電圧動作テスト]
発振電圧動作テストを実施する場合、LSIテスタ500は、図2Bに示すスイッチパターン4を指定するリレー制御データLCをリレー制御信号生成部400に供給する。リレー制御信号生成部400は、かかるリレー制御データLCに応じて、図2Bに示すように15ボルト及び60ミリアンペアを有するリレー制御信号VLを駆動回路100に供給する。これにより、図7(d)に示すように、リレーRL1〜RL3各々のスイッチSWが全てオン状態(接続点aが接続点cに接続された状態)となる。よって、出力電圧REGを出力する外部端子TB及びLSIテスタ500間の電気的接続が遮断されると共に、当該外部端子TB及びキャパシタCP間の電気的接続も遮断される。このように、キャパシタCPが外部端子TBに接続されていないと、出力電圧REGは発振状態となり、この発振状態の電源電圧が内部回路に供給されることになる。そこで、LSIテスタ500は、発振状態にある電源電圧が内部回路に供給されている場合の内部回路の動作をテストする。
【0066】
尚、図6に示すテストシステムでは、テスト対象となるLSI300の外部端子TB、つまり出力端子にリレーシステム200のリレー(RL2、RL3)を接続しているが、LSI300の入力端子にリレーシステム200のリレー(RL1〜RL3)を接続するようにしても良い。すなわち、LSI300に接続されることが想定される例えば2種類の機器から夫々出力される信号を、リレーシステム200のリレー(RL1〜RL3)に接続する。これにより、2種類の機器から夫々出力される信号のうちの任意の方をLSI300の入力端子に供給することが可能となる。
【0067】
要するに、LSI300のような電子機器(LSI300)をテストするテスト装置(LSIテスタ500)を含むテストシステムとしては、以下の駆動回路、第1〜第nのリレー、及びリレー制御信号生成部を含むものであれば良いのである。つまり、駆動回路(100)は、以下の制御端子、電圧印加部、電圧制限部及び駆動端子を含む。つまり、電圧印加部(D1〜D3、ZD2、ZD4、ZD5)は、制御端子(T0)で受けたリレー制御信号(VL)によって表される電圧値を夫々異なる電圧値の分だけ降下させた第1〜第n(nは2以上の整数)の電圧を第1〜第nのノード(n1〜n3)に印加する。電圧制限部(ZD1〜ZD3)は、第1〜第nのノードのうちで、上記した電圧印加部で印加された電圧が所定電圧値(例えば5ボルト)以上となるノードの電圧を所定電圧値に維持する。第1〜第nのリレー(RL1〜RL3)は、夫々がスイッチ(SW)とこのスイッチの状態を切り替えるコイル(L)を含む。この際、駆動回路の第1〜第nの駆動端子には、第1〜第nのリレー夫々のコイルが接続されており、第1〜第nのリレーのスイッチを夫々介して電子機器及びテスト装置間が接続されている。リレー制御信号生成部(400)は、テスト項目毎に、そのテスト項目に対応した電圧値及び電流値を有するリレー制御信号を生成する。
【0068】
かかるテストシステムによれば、リレー制御信号を制御端子に供給する制御用配線を1系統分だけ用意すればn個のリレーを(n+1)通りのスイッチパターンに設定することが可能になる。よって、n個のリレーに対して独立したn系統分の制御用配線が必要となる従来のテスト用治具装置に比して、その装置規模を縮小化することが可能となる。
【符号の説明】
【0069】
100 駆動回路
200 リレーシステム
D1〜D3 定電流ダイオード
RL1〜RL3 リレー
ZD1〜ZD6 ツェナーダイオード
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7