【解決手段】RFタグ10は、リーダーライター12から送信された電波を受信し、かつ水分を検出する際に使用される水分検出用アンテナ24と、リーダーライター12から送信された電波を受信し、かつリーダーライター12へ電波を送信する通信用アンテナ22と、水分検出用アンテナ24が受信した電波により生じた水分検出用アンテナ起電力と、通信用アンテナ22が受信した電波により生じた通信用アンテナ起電力との比較結果を、通信用アンテナ22を用いてリーダーライター12に送信させる制御を行う制御回路50と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照して各実施形態を詳細に説明する。なお、各実施形態では、水分検出用のシステムとして、RFIDシステムを用いており、水分を検出するための本開示の検出装置の一例として、RFタグを用いている。
【0012】
[第1実施形態]
まず、本実施形態における水分検出用のシステムであるRFIDシステムの構成について説明する。
図1には、本実施形態のRFIDシステム1の一例の概略を表す構成図を示す。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のRFIDシステム1は、RFタグ10及びリーダーライター12を備えている。本実施形態のリーダーライター12は、RFタグ10に水分を検出させる機能、RFタグ10に記憶されているデータ読み出す機能、及びRFタグ10にデータを記憶させる(書き込ませる)機能を有している。本実施形態のリーダーライター12が、本開示の外部装置の一例に対応している。
【0014】
一方、本実施形態のRFタグ10は、いわゆる電波方式のRFタグであり、水分を検出して検出結果をリーダーライター12に出力する機能、記憶されているデータを読み出してリーダーライター12に出力する機能、及びリーダーライター12から受信したデータを記憶する機能を有している。
【0015】
図2には、本実施形態のRFタグ10の一例の概略構成を表す平面図を示す。
図2に示すように、本実施形態のRFタグ10は、ICチップ20、通信用アンテナ22(22A、22B)、及び水分検出用アンテナ24(24A、24B)を備える。ICチップ20、通信用アンテナ22、及び水分検出用アンテナ24は、ベース部26の表面に配置されている。
【0016】
通信用アンテナ22は、リーダーライター12から送信された電波を受信する機能、及び読み出したデータや水分の検出結果を電波に乗せてリーダーライター12へ送信する機能を有する。
図2に示すように、本実施形態の通信用アンテナ22は、アンテナ素子22A及びアンテナ素子22Bを含んでおり、アンテナ素子22Aとアンテナ素子22Bとは、ICチップ20を挟んで対向するように配置されている。本実施形態のアンテナ素子22A及びアンテナ素子22Bが、本開示の第1検出用アンテナ及び第2検出用アンテナの一例である。なお、
図2では図示を省略しているが、アンテナ素子22AとICチップ20、及びアンテナ素子22BとICチップ20は、それぞれ電気的に接続されている(
図3及び
図4参照)。
【0017】
また、水分検出用アンテナ24は、リーダーライター12から送信された電波を受信する機能を有する。
図2に示すように、本実施形態の水分検出用アンテナ24は、アンテナ素子24A及びアンテナ素子24Bを含んでおり、アンテナ素子24Aとアンテナ素子24Bとは、ICチップ20を挟んで対向するように配置されている。本実施形態のアンテナ素子24A及びアンテナ素子24Bが、本開示の第1通信用アンテナ及び第2通信用アンテナの一例である。なお、
図2では図示を省略しているが、アンテナ素子24AとICチップ20、及びアンテナ素子24BとICチップ20は、それぞれ電気的に接続されている(
図3及び
図4参照)。
【0018】
なお、本実施形態では、通信用アンテナ22の配線が延びる方向を通信用アンテナ22の「配線方向」といい、具体的には、アンテナ素子22A、ICチップ20、及びアンテナ素子22Bが並んで配置される所定の方向を通信用アンテナ22の「配線方向」という。また、同様に、水分検出用アンテナ24の配線が延びる方向を水分検出用アンテナ24の「配線方向」といい、具体的には、アンテナ素子24A、ICチップ20、及びアンテナ素子42Bが並んで配置される所定の方向を水分検出用アンテナ24の「配線方向」という。
【0019】
図2に示すように、本実施形態のRFタグ10では、水分検出用アンテナ24の配線方向と通信用アンテナ22の配線方向とが交差するように配置されている。言い替えれば、通信用アンテナ22と水分検出用アンテナ24とがクロスした状態に配置されている。なお、具体的には、本実施形態のRFタグ10では、通信用アンテナ22の配線方向と水分検出用アンテナ24の配線方向とはICチップ20が設けられた位置において交差して配置されている。
【0020】
また、
図2に示すように本実施形態のRFタグ10では、アンテナ素子22A、アンテナ素子22B、アンテナ素子24A、及びアンテナ素子24Bが、同様の形状に配線されている。一例として、本実施形態のアンテナ素子22A、22B、24A、24Bは、
図2に示すように、配線が設けられた領域の配線方向の長さが短くなるように、配線方向に複数回折り畳んだ形状(複数の屈曲部を有する形状)を有している。
【0021】
このような通信用アンテナ22及び水分検出用アンテナ24の材質は特に限定されず、例えばUHFアンテナとして、一般的に用いられているものを適用することができる。
【0022】
一方、本実施形態のICチップ20は、
図3に示すように、RF制御回路30、センサー回路40、メモリ回路48、及び制御回路50を備える。
【0023】
制御回路50は、ICチップ20の全体の動作を制御する機能を有している。制御回路50としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を用いることができるが、特に限定されるものではない。本実施形態の制御回路50が、本開示の制御部の一例である。
【0024】
メモリ回路48は、不揮発性の記憶部であり、例えば、所定のID等や、リーダーライター12から書き込まれたデータ等を記憶する。
【0025】
図3に示すように本実施形態のRF制御回路30は、整流回路32、電源回路34、復調回路36、及び変調回路38を備える。一方、
図3に示すように、本実施形態のセンサー回路40は、整流回路42、電源回路44、及び電圧比較回路46を備える。
【0026】
このように本実施形態のセンサー回路40は、リーダーライター12とのデータ通信に要する構成である復調回路36及び変調回路38を備えておらず、電圧比較回路46を備えている点でRF制御回路30と異なっている。
【0027】
なお、本実施形態のRF制御回路30は、一般的なRFタグにおけるリーダーライターと通信を行うための構成を適用することができる。
【0028】
RF制御回路30の整流回路32は、通信用アンテナ22に接続されており、通信用アンテナ22がリーダーライター12から受信したUHF帯の電波を整流して電源回路34及び復調回路36に出力する。復調回路36は、整流回路32で整流された電波に含まれている通信信号をデコード(復調)して制御回路50に出力する。変調回路38は、制御回路50から入力された信号をエンコード(変調)して整流回路32に出力する。
【0029】
電源回路34は、整流回路32で整流された電波により発生された起電力を(DC(Direct Current)電圧)に変換して電圧比較回路46に出力する。本実施形態における通信用アンテナ22が受信した電波により発生された起電力が、本開示の第2起電力の一例である。また、本実施形態の電源回路34は、発生された起電力からICチップ20の各部を動作させるための電源電圧を当該起電力から生成して各部へ供給する。
【0030】
一方、センサー回路40の整流回路42は、水分検出用アンテナ24に接続されており、水分検出用アンテナ24がリーダーライター12から受信したUHF帯の電波を整流して電源回路44に出力する。電源回路44は、整流回路42で整流された電波により発生された起電力を電圧比較回路46に出力する。本実施形態における水分検出用アンテナ24が受信した電波により発生された起電力が、本開示の第1起電力の一例である。
【0031】
電圧比較回路46は、電源回路34から入力された起電力と電源回路44から入力された起電力とを比較した比較結果を表す情報をデジタルデータとして制御回路50に出力する。
【0032】
このような本実施形態のRFタグ10では、
図4に例示したように、インレイ21を第1層21_1及び第2層21_2が積層された構造としている。通信用アンテナ22のアンテナ素子22Aとアンテナ素子22Bとの間、また、水分検出用アンテナ24のアンテナ素子24Aとアンテナ素子24Bとの間の各々において、インダクタンス成分が存在する。そのため、インレイの構造を単相とした場合、通信用アンテナ22と水分検出用アンテナ24とがショートしてしまう。本実施形態では、
図4に示すように、インレイ21を、通信用アンテナ22が配線され、RF制御回路30に接続された第1層21_1と、水分検出用アンテナ24が配線され、センサー回路40と接続された第2層21_2との2層が積層された構造とすることにより、ショートしないように構成している。
【0033】
次に、本実施形態のRFタグ10の動作について説明する。本実施形態のRFタグ10では、リーダーライター12からUHF帯の電波を通信用アンテナ22が受信すると、受信した電波を、整流回路32を介して電源回路34により電源電圧に変換してICチップ20内の各部に供給する。電源電圧が供給されることにより、ICチップ20が動作状態になる。なお、リーダーライター12から送信された電波に含まれる通信信号には、メモリ回路48に記憶されているID等の読み出し(以下「ID読出」という)、メモリ回路48へのIDデータ等の書き込み(以下、「ID書込」という)、及び水分の検出のいずれを実行させるかを表す指示情報が信号化されたものが含まれている。
【0034】
動作状態になると、制御回路50は、
図5にフローチャートとして例示した一連の動作を実行する。
【0035】
ステップS100で制御回路50は、水分を検出する、より具体的には水分の有無を検出する指示信号か否かを判定する。上述したように、制御回路50には、復調回路36がデコードした通信信号が入力される。そこで、制御回路50は、通信信号に含まれている指示情報を読み取る。通信信号に含まれている指示情報が、ID読出またはID書込である場合、ステップS100の判定が否定判定となりステップS102へ移行する。
【0036】
ステップS102で制御回路50は、通信信号に含まれている指示情報が、ID読出であるか否かを判定する。通信信号に含まれている指示情報がID読出の場合、ステップS102の判定が肯定判定となり、ステップS104へ移行する。
【0037】
ステップS104で制御回路50は、ID読出動作を実行した後、
図4に示した一連の動作を終了する。本ステップにおけるID読出動作は、一般的なRFIDタグにおけるID読出を行うための動作と同様である。すなわち、制御回路50は、メモリ回路48に記憶されているIDを表すデータ(以下、「IDデータ」という)を読み出して変調回路38に出力する。読み出されたIDデータは、変調回路38で変調され、整流回路32を介して通信用アンテナ22からリーダーライター12へ送信される。リーダーライター12では、RFタグ10から送信されたIDデータを受信することにより、当該RFタグ10のIDを認識することができる。
【0038】
一方、通信信号に含まれている指示情報がID書込の場合、ステップS102の判定が否定判定となり、ステップS106へ移行する。ステップS106で制御回路50は、ID書込動作を実行した後、
図4に示した一連の動作を終了する。本ステップにおけるID書込動作は、一般的なRFIDタグにおけるID書込を行うための動作と同様である。すなわち、制御回路50は、復調回路36が復調した信号から、書き込むIDを識別し、メモリ回路48に、当該IDを書き込む。制御回路50は、書き込みが完了すると、書き込みが完了したことを表す書込完了信号を、変調回路38に出力する。書込完了信号は、変調回路38で変調され、整流回路32を介して通信用アンテナ22からリーダーライター12へ送信される。リーダーライター12では、RFタグ10から送信された書込完了信号を受信することにより、当該RFタグ10へIDの書込が行われたことを確認することができる。
【0039】
一方、通信信号に含まれている指示情報が水分の検出である場合は、ステップS100の判定が肯定判定となり、ステップS108へ移行する。ステップS108で制御回路50は、RF制御回路30内の電源回路34から入力される電圧値とセンサー回路40内のセンサー回路40から入力される電圧値とを電圧比較回路46で比較する。次のステップS110で制御回路50は、電圧比較回路46から入力された比較結果をリーダーライター12に送信させる処理を実行した後、
図4に示した一連の動作を終了する。
【0040】
リーダーライター12から送信された電波は、水分検出用アンテナ24でも受信される。受信された電波は、整流回路42を介して電源回路44に入力され、RF制御回路30の電源回路34と同様に、電源回路44によりDC電圧に変換されて電圧比較回路46に出力される。
【0041】
本実施形態のRFタグ10では、電圧比較回路46で、電源回路44から入力されたDC電圧と、電源回路34から入力されたDC電圧とを比較することにより、水分の検出を行う。本実施形態のRFタグ10における水分の検出方法について、
図6を参照してさらに詳しく説明する。
【0042】
図6に示した例では、容器100及び容器102各々の外側に、RFタグ10が貼り付けられている。容器100の内部に入っている液体110の水面は、RFタグ10から離れた位置にある。この場合、通信用アンテナ22が受信した電波により電源回路34で発生した起電力(以下、「通信用アンテナ起電力」という)と、水分検出用アンテナ24が受信した電波により電源回路44で発生した起電力(以下、「水分検出用アンテナ起電力」という)とは、等しくなる。例えば、通信用アンテナ22が受信した電波により電源回路34で発生した起電力が3Vの場合、
図6に示すように、水分検出用アンテナ24で発生した起電力も3Vになる。
【0043】
一方、容器102の内部に入っている液体110の水面は、RFタグが貼り付けられた位置にある。この場合、
図6に例示したように、アンテナ素子24Bが容器102を介して、液体110に間接的に接触している。以下では、説明の便宜上、RFタグ10が液体(水分)に接触している状態が間接的か直接的かにかかわらず、単に「接触」という。アンテナ素子24Bが液体110に接触しているため、アンテナ素子24Bには、液体110の影響を受けて減衰した電波が到達する。一般的に電波は、近くに液体が存在すると、その影響を受けて減衰する。そのため、水分検出用アンテナ24に到達する電波は、通信用アンテナ22に到達する電波に比べて、減衰している。従って、
図6に例示したように、水分検出用アンテナ起電力(例えば、2V)は、通信用アンテナ起電力(3V)に比べて少なくなる。また、液体110を透過することにより電波が減衰するため、液体110に接触している水分検出用アンテナ24の部分が大きくなるほど、水分検出用アンテナ起電力は通信用アンテナ起電力に比べて少なくなる。
【0044】
そこで、本実施形態のRFタグ10では、電圧比較回路46は通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とが、誤差を勘案して同等とみなせるか否かを表す情報を比較結果として制御回路50に出力する。制御回路50は、比較結果が、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とが同等とみなせることを表す情報である場合、水分が周辺に存在していないこと、すなわち水分が無いことを検出する。また、制御回路50は、比較結果が、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とが同等とみなせないことを表す情報である場合、水分が周辺に存在すること、すなわち水分が有ることを検出する。
【0045】
本実施形態の制御回路50は、ステップS108において、電圧比較回路46から入力された比較結果そのものをリーダーライター12に送信するのではなく、上述のように比較結果に基づいて検出した水分の有無を表す情報をリーダーライター12に送信している。なお、当該形態に限定されず、例えば、比較結果そのものをRFタグ10からリーダーライター12へ送信し、リーダーライター12側で、比較結果に基づいて水分の有無を判定してもよい。
【0046】
なお、本実施形態のRFタグ10では、通信信号に含まれている指示情報が水分の検出ではなく、ID読出やID書込等の場合でも、水分検出用アンテナ24は電波を受信する。その際、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とを比較した比較結果が電圧比較回路46から制御回路50に入力される。本実施形態では、水分の検出を行わない場合、制御回路50は、入力されるようにしてもよい。
【0047】
このように本実施形態のRFタグ10では、通信用アンテナ22と水分検出用アンテナ24と2種類のアンテナを備えている。これにより通信用アンテナ22に対する水分の影響を抑制することができるため、通信特性の劣化を抑制することができる。
【0048】
また、上記各実施形態のRFタグ10では、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とを比較した比較結果に基づいて、水分の有無を検出しているため、通信用アンテナ起電力のみを用いる場合に比べて、水分の検出精度を向上させることができる。
【0049】
[第2実施形態]
第1実施形態のRFタグ10では、電圧比較回路46が通信用アンテナ起電力そのものと水分検出用アンテナ起電力そのものとを比較していた。これに対して、本実施形態のRFタグ10では、通信用アンテナ起電力を数値化(デジタル化)した値と、水分検出用アンテナ起電力を数値化(デジタル化)した値とを比較する場合について説明する。
【0050】
本実施形態のRFIDシステム1の構成は、第1実施形態のRFIDシステム1(
図1参照)と同様である。また、本実施形態のRFタグ10の構成も、第1実施形態のRFタグ10(
図2参照)と同様である。一方、本実施形態のICチップ20の構成は、第1実施形態のICチップ20(
図3参照)と異なっている。
【0051】
図7には、本実施形態のICチップ20の一例の構成を表すブロック図を示す。
図7に示すように、本実施形態のICチップ20は、RF制御回路30がA/D(analog/digital)変換回路35をさらに備える点で、第1実施形態のICチップ20(
図3参照)と異なっている。また、本実施形態のICチップ20は、センサー回路40がA/D変換回路45及び比較回路47を備える点で第1実施形態のICチップ20(
図3参照)と異なっている。さらに、
図7に示すように、本実施形態のICチップ20は、メモリ回路48に、補正値データ48Aが格納されている点で、第1実施形態のICチップ20(
図3参照)と異なっている。
【0052】
A/D変換回路35は、電源回路34から出力されたDC電圧を、デジタル値に変換し、変換したデジタル値を比較回路47に出力する。また、A/D変換回路45は、電源回路44から出力されたDC電圧を、デジタル値に変換し、変換したデジタル値を比較回路47に出力する。
【0053】
比較回路47は、A/D変換回路35から入力されたデジタル値と、A/D変換回路45から入力されたデジタル値とを比較する。すなわち、本実施形態の比較回路47は、通信用アンテナ起電力及び水分検出用アンテナ起電力の各々を数値化した値を用いて比較する点で、第1実施形態の電圧比較回路46と異なっている。さらに、本実施形態の比較回路47は、メモリ回路48に格納されている補正値データ48Aにより補正を行ったうえで比較した比較結果を制御回路50に出力する。
【0054】
次に、本実施形態のICチップ20の動作について説明する。動作の全体的な流れは、第1実施形態のICチップ20の動作(
図5参照)と同様であるが、本実施形態では、水分の検出動作が異なるため、本実施形態のICチップ20における水分検出動作について説明する。
【0055】
第1実施形態では、周辺に水分が無い状態では、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とが等しいとみなしていた。しかしながら、ICチップ20、通信用アンテナ22、及び水分検出用アンテナ24の製造ばらつきや、RFタグ10の使用状況(周囲の環境や貼り付け状態等)に応じて、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とがばらつく場合がある。
【0056】
例えば、
図8に示すように、周辺に水分が無い状態での通信用アンテナ起電力が3Vであり、デジタル値(数値化した値)が「30」の場合に、水分検出用アンテナ起電力が2.1Vでデジタル値が「21」のように起電力がばらつく場合がある。以下では、この場合を具体例として、本実施形態のICチップ20による、水分検出の原理(動作)について説明する。
【0057】
図8に示したように、周辺に水分が無いにもかかわらず、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とが異なるため、このままでは、水分が有ると誤検出してしまう場合がある。そこで、本実施形態のICチップ20では、予め、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力との差分を補正値として取得し、取得した補正値の補正値データ48Aをメモリ回路48に記憶させておく。
【0058】
上記具体例の場合、
図9Aに示したように通信用アンテナ起電力「30」と水分検出用アンテナ起電力「21」の差分である「9」を、制御回路50が取得して、補正値データ48Aとしてメモリ回路48に記憶させておく。
【0059】
なお、この補正値をICチップ20の制御回路50が取得する方法等は特に限定されない。例えば、周辺に水分が無い状態においてリーダーライター12が補正値の取得を指示する指示信号を送信し、RFタグ10では、当該指示信号を受信したことをトリガとして、制御回路50が、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とから補正値を導出してもよい。
【0060】
この場合、リーダーライター12からRFタグ10へ送信される複数種類の指示信号として、第1実施形態の指示信号に比べて、補正値の導出及び補正値データ48Aのメモリ回路48への記憶を指示する指示信号(以下、「補正値導出信号」という)が追加される。ICチップ20の制御回路50は、
図5に例示した動作の流れにおいて、受信した指示信号が、補正値導出信号であるか否かを判定するステップと、補正値導出信号である(肯定判定である)場合、補正値の導出及び補正値データ48Aのメモリ回路48への記憶を実行するステップ(動作)と、を追加すればよい。なお、この場合、補正値導出信号(1つの指示信号)により、補正値の導出及び補正値データ48Aのメモリ回路48への書込の2つの動作を指示するようにしているが、これに限らず、補正値の導出を指示する指示信号と、補正値データ48Aのメモリ回路48への書込を指示する指示信号とを別の信号としてもよい。
【0061】
また例えば、リーダーライター12が送信した補正値データ48AをRFタグ10が送信し、制御回路50が受信した補正値データ48Aをメモリ回路48に記憶させてもよい。
【0062】
この場合、リーダーライター12からRFタグ10へ送信される複数種類の指示信号として、第1実施形態の指示信号に比べて、リーダーライター12が送信した補正値データ48Aを受信し、受信した補正値データ48Aをメモリ回路48へ記憶させる補正値書込信号が追加される。ICチップ20の制御回路50は、
図5に例示した動作の流れにおいて、受信した指示信号が、補正指示書込信号であるか否かを判定するステップと、補正値書込信号である(肯定判定である)場合、リーダーライター12から受信した補正値データ48Aのメモリ回路48への記憶を実行するステップ(動作)と、を追加すればよい。
【0063】
また、本実施形態のICチップ20では、水分検出用の閾値を予め定めておき、上記補正値により補正を行った状態で、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力との差分が閾値以上であるか否かを比較回路47が比較し、差分が閾値以上である場合に、水分が有ることを検出する。そのため、本実施形態のICチップ20では、制御回路50が、メモリ回路48から補正値データ48Aを読み出して、比較回路47に出力する。
【0064】
周辺に水分が無い状態では、例えば、
図9Aに示したように、比較回路47に、A/D変換回路35から通信用アンテナ起電力として「30」が、A/D変換回路45から水分検出用アンテナ起電力として「21」が入力される。比較回路47は、水分検出用アンテナ起電力と、制御回路50から入力された補正値である「9」を水分検出用アンテナ起電力に加算した値(21+9=30)との差分が閾値である「6」以上であるか否かを比較結果として、制御回路50に出力する。
【0065】
図9Aに示した状態では、比較回路47は、差分が閾値未満であることを表す情報を比較結果として制御回路50に出力する。この場合、制御回路50は、水分が無いことを検出し、比較結果としてリーダーライター12に送信させる(
図5、ステップS108参照)。
【0066】
一方、周辺に水分が有る状態では、例えば、
図9Bに示したように、比較回路47に、A/D変換回路35から通信用アンテナ起電力として「30」が、A/D変換回路45から水分検出用アンテナ起電力として「11」が入力される。比較回路47は、水分検出用アンテナ起電力と、制御回路50から入力された補正値である「9」を水分検出用アンテナ起電力に加算した値(11+9=20)との差分が閾値である「6」以上であるか否かを比較結果として、制御回路50に出力する。
【0067】
図9Bに示した状態では、差分が閾値以上であるため、比較回路47は、差分が閾値以上であることを表す情報を比較結果として制御回路50に出力する。この場合、制御回路50は、水分が有ることを検出し、比較結果としてリーダーライター12に送信させる(
図5、ステップS108参照)。なお、差分が閾値以上の場合、制御回路50は、比較回路47から差分(
図9Bに示した場合では、「10」)及び補正値により補正した水分検出用アンテナ起電力のデジタル値を取得の少なくとも一方を取得し、これに基づいて水分量を表す情報をリーダーライター12に出力してもよい。例えば、減少する起電力と水分量との対応関係が予め得られている場合は、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力との差分と、当該対応関係とに基づいて水分量を導出し、導出した水分量をリーダーライター12に出力してもよい。
【0068】
このように、本実施形態のRFタグ10では、通信用アンテナ起電力及び水分検出用アンテナ起電力を数値化して水分の検出に用いているため、閾値の設定は、補正値の付加等を容易に行うことができる。そのため、上述した製造ばらつき等の影響を抑制することができ、水分の検出精度を向上することができる。
【0069】
[第3実施形態]
一般的に、リーダーライターから受信した電波により、RFタグで発生する起電力は、RFタグとリーダーライターとの距離に応じて変化する。RFタグとリーダーライターとの距離が長くなるほど、電波が減衰し、強度が弱まるため、RFタグで発生する起電力が減少する。そこで、本実施形態のRFタグ10では、リーダーライター12とRFタグ10との距離(以下、「通信距離」という)を考慮して、水分の検出を行う場合について説明する。
【0070】
本実施形態のRFIDシステム1の構成は、第1実施形態のRFIDシステム1(
図1参照)と同様である。また、本実施形態のRFタグ10の構成も、第1実施形態のRFタグ10(
図2参照)と同様である。一方、本実施形態のICチップ20の構成は、第1実施形態のICチップ20(
図3参照)と異なっている。
【0071】
図10には、本実施形態のICチップ20の一例の構成を表すブロック図を示す。
図10に示すように、本実施形態のICチップ20は、第2実施形態のICチップ20(
図7参照)と同様に、RF制御回路30がA/D(analog/digital)変換回路35をさらに備え、センサー回路40がA/D変換回路45を備える点で第1実施形態のICチップ20(
図3参照)と異なっている。また、本実施形態のICチップ20は、センサー回路40が相対比較回路49を備える点で第1実施形態のICチップ20(
図3参照)と異なっている。さらに、
図10に示すように、本実施形態のICチップ20は、メモリ回路48に、補正値データ48A、参照値データ48B、及び閾値データ48Cが格納されている点で、第1実施形態のICチップ20(
図3参照)と異なっている。詳細は後述するが、補正値データ48Aは、第2実施形態のICチップ20における補正値データ48Aと同様である。また、参照値データ48Bは、補正値データ48Aを取得した際の通信用アンテナ起電力のデジタル値を表すデータである。また、閾値データ48Cは、第2実施形態のICチップ20における水分検出に用いた閾値と同様の閾値を表すデータである。
【0072】
相対比較回路49は、参照値を用いることにより、A/D変換回路35から入力されたデジタル値と、A/D変換回路45から入力されたデジタル値とを相対的に比較することにより、通信距離に応じた起電力の変化の補正を行う。
【0073】
次に、本実施形態のICチップ20の動作について説明する。動作の全体的な流れは、第1実施形態のICチップ20の動作(
図5参照)と同様であるが、本実施形態では、水分の検出動作が異なるため、本実施形態のICチップ20における水分検出動作について説明する。
【0074】
第2実施形態では、補正値により、水分検出用アンテナ起電力を補正していた。しかしながら、上述のように通信距離によりCチップ20、通信用アンテナ22、及び水分検出用アンテナ24の製造ばらつきや、RFタグ10の使用状況(周囲の環境や貼り付け状態等)に応じて、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とがばらつく場合がある。
【0075】
この場合、本実施形態のRFタグ10と異なり、例えば、第2実施形態のRFタグ10では、
図11Aに示すように、周辺に水分が無い状態で、かつ通信距離が遠い場合(
図8に示した場合よりも遠い場合)、通信用アンテナ起電力が2Vでデジタル値が「20」であり、水分検出用アンテナ起電力が1.4Vでデジタル値が「14」であったとする。ここで補正値が「9」であると、水分が無いにもかかわらず、通信用アンテナ起電力と補正後の水分検出用アンテナ起電力とが異なり、通信用アンテナ起電力に比べて、補正後の水分検出用アンテナ起電力の方が大きくなってしまう。そのため、
図11Aに示した場合では、水分の検出精度が低下してしまう。
【0076】
また例えば、第2実施形態のRFタグ10では、
図11Bに示すように、周辺に水分が無い状態で、かつ通信距離が近い場合(
図8に示した場合よりも近い場合)、通信用アンテナ起電力が4Vでデジタル値が「40」であり、水分検出用アンテナ起電力が2.8Vでデジタル値が「28」であったとする。ここで補正値が「9」であると、水分が無いにもかかわらず、通信用アンテナ起電力と補正後の水分検出用アンテナ起電力とが異なり、通信用アンテナ起電力に比べて、補正後の水分検出用アンテナ起電力の方が小さくなってしまう。そのため、
図11Bに示した場合では、水分の検出精度が低下してしまう。
【0077】
これに対して、本実施形態のICチップ20では、予め、第2実施形態のICチップ20と同様に、補正値を取得し、補正値の補正値データ48A、及び補正値を取得した際の通信用アンテナ起電力のデジタル値を参照値として取得し、参照値データ48Bをメモリ回路48に記憶させておく。なお、本実施形態のICチップ20では、上述のように、水分の検出に用いる閾値を表す閾値データ48Cを予めメモリ回路48に記憶させておく。
【0078】
例えば、ICチップ20の制御回路50が補正値を取得した際に、
図12Aに示したように通信用アンテナ起電力が「20」であり、水分検出用アンテナ起電力が「14」の場合、その差分である「9」を、制御回路50が取得して、補正値データ48Aとしてメモリ回路48に記憶させておくと共に、水分検出用アンテナ起電力の「20」を参照値データ48Bとしてメモリ回路48に記憶させておく。また、
図12Aに示した場合では、補正値である「4」を表す閾値データ48Cがメモリ回路48に予め記憶されている。
【0079】
本実施形態では、相対比較回路49が比較を行う際に、制御回路50が、メモリ回路48から補正値データ48A、参照値データ48B、及び閾値データ48Cを読み出して、相対比較回路49に出力する。
【0080】
この後、水分の検出を行う場合、例えば、
図12Bに示したように、通信距離が近くなると、通信用アンテナ起電力及び水分検出用アンテナ起電力の各々は大きくなる。なお、
図12Bは、周辺に水分が無い状態を表している。
【0081】
図12Bに示した場合では、通信用アンテナ起電力が「40」であり、参照値である「20」の2倍となっている。そのため、相対比較回路49は、補正値データ48Aの補正値「9」を2倍にした値である「18」を補正値として用いて、水分検出用アンテナ起電力を補正する。そのため、
図12Bに示した場合では、補正後の水分検出用アンテナ起電力は、「40」(28+18=40)となる。
【0082】
また、相対比較回路49は、閾値データ48Cの閾値「4」を2倍にした値である「8」を閾値として用いて、通信用アンテナ起電力と補正後の水分検出用アンテナ起電力との差分が閾値未満であるか否かを比較した比較結果を制御回路50に出力する。
【0083】
図12Bに示した場合では、通信用アンテナ起電力と補正後の水分検出用アンテナ起電力とが同じとみなせるため、差分が閾値未満となり、制御回路50は、水分が無いことを検出する。
【0084】
このように、本実施形態のRFタグ10では、通信距離に応じた起電力から、補正値と閾値とを相対的に変動させていため、水分の検出精度を向上することができる。
【0085】
以上説明したように、上記各実施形態のRFタグ10は、リーダーライター12から送信された電波を受信し、かつ水分を検出する際に使用される水分検出用アンテナ24と、リーダーライター12から送信された電波を受信し、かつリーダーライター12へ電波を送信する通信用アンテナ22と、水分検出用アンテナ24が受信した電波により生じた水分検出用アンテナ起電力と、通信用アンテナ22が受信した電波により生じた通信用アンテナ起電力との比較結果を、通信用アンテナ22を用いてリーダーライター12に送信させる制御を行う制御回路50と、を備える。
【0086】
このように、上記各実施形態のRFタグ10では、通信用アンテナ22と水分検出用アンテナ24と2種類のアンテナを備えている。これにより通信用アンテナ22に対する水分の影響を抑制することができるため、通信特性の劣化を抑制することができる。
【0087】
また、上記各実施形態のRFタグ10では、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とを比較した比較結果に基づいて、水分の有無を検出しているため、通信用アンテナ起電力のみを用いる場合に比べて、水分の検出精度を向上させることができる。
【0088】
また、上記各実施形態のRFタグ10では、リーダーライター12から受信した電波により発生された起電力からICチップ20の各部を動作させるための電源電圧を得ている。そのため、消費電力を抑制すると共に、バッテリー等の電源を搭載する必要がない。そのため、電源の搭載を要する他の検出装置に比べて、小型化及び低価格化することができる。
【0089】
また、上記各実施形態のRFタグ10では、検出対象の液体に直接接触することなく、間接的な接触でも水分の検出を行うことができる。そのため、RFタグ10が検出対象の水分により汚染されるのを抑制することができる。これにより、例えば、RFタグ10の管理や製造コストを抑制することができる。
【0090】
このような、上記各実施形態のRFタグ10の利用形態としては、特に限定されないが、例えば、
図14に示すように、紙おむつ150への排泄を検知するのに適用してもよい。この場合、
図14に示すように、紙おむつ150の給水ポリマ152の上部(足から離れた側)にRFタグ10を貼りつけておけばよい。この場合も、紙おむつ150の外側からRFタグ10を貼り付けることができるため、排泄によりRFタグ10が汚染されるのを抑制することができる。また、紙おむつ150を廃棄する際は、RFタグ10を剥がして紙おむつ150のみを廃棄すればよく、RFタグ10を再利用することが可能となる。
【0091】
また、上記
図6に示したように、容器100や容器102等にRFタグ10を貼り付けておくことにより、水分の有無の検出や、水分が所定量を超えたか否かの検出にRFタグ10を利用することができることはいうまでもない。
【0092】
なお、RFタグ10が水分に完全に接触した状態では、水分が周辺に無い状態と同様に、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とは同等とみなせることができる。そのため、RFタグ10が水分に完全に接触した状態を初期状態とし、通信用アンテナ起電力と水分検出用アンテナ起電力とが同等とみなせる状態から、水分検出用アンテナ起電力が変化した場合に、RFタグ10に水分が接触していないこと、もしくは接触する水分が減少したことを検出するようにしてもよい。
【0093】
なお、通信用アンテナ22及び水分検出用アンテナ24の形状は、上記各実施形態(
図2参照)に限定されない。例えば、
図13Aに示すように、水分検出用アンテナ24のアンテナ素子24Bを直線状に配線してもよい。この場合、アンテナ素子24Bの配線方向の長さが長くなるため、水分がRFタグ10に近付いたことを早期に検出することができる。例えば、
図6に示した場合では、容器100や容器102の外側に
図13に示したRFタグ10を貼り付けておくことにより、液体110の水面の接近を、上記各実施形態のRFタグ10よりも早期に検出することができる。また、
図13Aに示した場合では、通信用アンテナ22(アンテナ素子22A及びアンテナ素子22B)と、検出対象の水分との距離を十分に離すことができるため、水分が通信用アンテナ22に与える影響が抑制され、通信特性が安定する。これにより、例えば、通信距離が長距離化することができる。
【0094】
また例えば、
図13Bに示すように、水分検出用アンテナ24のアンテナ素子24Bが配線された領域の配線方向の長さL1を上記各実施形態や
図13AのRFタグ10におけるアンテナ素子24Bが配線された領域の配線方向の長さ(
図13、L1参照)よりも短くしてもよい。このように、長さL1を短くすることにより、RFタグ10を小型化することができる。なお、この場合、水分検出用アンテナ起電力への影響を考慮すると、水分検出用アンテナ24をプラス・マイナス一対のアンテナのうち、マイナスのアンテナとすることが好ましい。
【0095】
また、その他、通信用アンテナ22及び水分検出用アンテナ24の形状、配置、配線の仕方は、通信及び起電力に与える影響を考慮すれば、特に限定されるものではない。例えば、アンテナ素子22A、22B、アンテナ素子24A、24Bの折りたたみ方を、上記各実施形態と異ならせてもよい。また、アンテナ素子22A、22B、アンテナ素子24A、24Bを湾曲させた状態に、例えば円を描くように配線してもよい。
【0096】
なお、上記各実施形態や、
図13A及び
図13Bに示したように、通信用アンテナ22の配線方向と水分検出用アンテナ24の配線方向とが交差した形状、いわゆるクロス構造とすることにより、通信用アンテナ22と検出対象の水分との距離を確保することができるため、水分が通信に与える影響を抑制することができ、通信特性の劣化を抑制することができる。
【0097】
なお、上記第2実施形態及び第3実施形態では、RF制御回路30がA/D変換回路35を備え、センサー回路40がA/D変換回路45を備える形態について説明したが当該形態に限定されない。例えば、A/D変換回路35とA/D変換回路45とを共通化してもよい。この場合、通信用アンテナ起電力の変換と水分検出用アンテナ起電力の変換とがシリアルに行われるため処理時間を要するが、ICチップ20が小型化される。
【0098】
また、その他の上記各実施形態で説明したRFIDシステム1、RFタグ10、及びICチップ20等の構成及び動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。