特開2018-128633(P2018-128633A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-128633FPC付き光変調器及びそれを用いた光送信装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-128633(P2018-128633A)
(43)【公開日】2018年8月16日
(54)【発明の名称】FPC付き光変調器及びそれを用いた光送信装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/03 20060101AFI20180720BHJP
   G02F 1/035 20060101ALI20180720BHJP
   G02F 1/01 20060101ALI20180720BHJP
【FI】
   G02F1/03 505
   G02F1/035
   G02F1/01 F
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2017-23080(P2017-23080)
(22)【出願日】2017年2月10日
(11)【特許番号】特許第6332490号(P6332490)
(45)【特許公報発行日】2018年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅又 徹
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 徳一
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA22
2K102BA03
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD01
2K102CA04
2K102DA04
2K102DB05
2K102DC08
2K102DD05
2K102EA03
2K102EA08
2K102EA09
2K102EB11
2K102EB30
(57)【要約】
【課題】
高周波信号入力用のリードピンと光変調素子の電極との間を中継する中継基板を備える光変調器において、当該中継基板上に形成された複数の導体パターン間の、共振に起因する干渉の影響を低減し、高周波特性の悪化を防止する。
【解決手段】
信号電極112a等を備える光変調素子102と、リードピン116a等と、リードピンと信号電極とを電気的に接続する導体パターン202a等が形成された中継基板118と、を備える光変調器100であって、前記導体パターンと前記信号電極との接続部分における高周波の放射量が当該接続部分以外の部分に比べて高くなるように構成されている。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の信号電極を備える光変調素子と、
高周波信号を入力するための複数のリードピンと、
前記リードピンと前記信号電極とを電気的に接続する導体パターンが形成された中継基板と、
を備える光変調器であって、
前記導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における高周波の放射量が当該接続部分以外の部分に比べて高くなるように構成されている、
光変調器。
【請求項2】
少なくとも一つの前記導体パターンにつき、当該導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における高周波の放射量が当該接続部分以外の部分に比べて高まるように、前記中継基板のオモテ面に設けるグランドパターンの前記接続部分の構成が他の部分の構成と異なっている、
請求項1に記載の光変調器。
【請求項3】
前記中継基板の前記導体パターンは当該中継基板に設けられたグランドパターン及び前記中継基板のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物と共にコプレーナ線路を構成しており、
少なくとも一つの前記導体パターンにつき、当該導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における高周波の放射量が当該接続部分以外の部分に比べて高まるように、前記中継基板のウラ面における前記構造物との電気的接触の態様が、前記接続部分に対応する当該ウラ面の部分において当該部分以外の部分と異なっている、
請求項1に記載の光変調器。
【請求項4】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、複数のビアホールを介して前記中継基板のウラ面に設けられたグランドパターンに接続されており、
前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内に設けられた前記ビアホールの直径は、当該所定の距離範囲外に設けられたビアホールの直径よりも小さい、
請求項2に記載の光変調器。
【請求項5】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、複数のビアホールを介して前記中継基板のウラ面に設けられたグランドパターンに接続されており、
前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内には前記ビアホールが設けられていない、
請求項2に記載の光変調器。
【請求項6】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内において、当該グランドパターンに隣接する前記導体パターンの長さ方向に沿って所定の幅で延在するよう構成されている、
請求項1に記載の光変調器。
【請求項7】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内には延在しない、
請求項2又は4ないし6のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項8】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンと、前記光変調素子に設けられたグランド電極と、を接続するワイヤのうち、隣接する前記導体パターンに最も近い位置のワイヤは、当該グランドパターンのエッジのうち当該隣接する導体パターン側のエッジから所定距離離れた位置において当該グランドパターンに接続されており、
前記所定距離は、前記隣接する導体パターン側のエッジと、当該隣接する導体パターンのエッジとの距離以上である、
請求項7に記載の光変調器。
【請求項9】
前記中継基板のウラ面は、前記接続部分に最も近いエッジから所定の距離の範囲以外の部分が前記構造物に対し導電性材料を介して電気的に接続され、前記所定の距離の範囲内の部分は前記構造物に対し導電性材料を介しては接続されていない、
請求項2に記載の光変調器。
【請求項10】
前記中継基板は、前記所定の距離の範囲内の部分の厚さが当該所定の距離の範囲以外の部分の厚さより薄く構成されている、
請求項9に記載の光変調器。
【請求項11】
前記中継基板のウラ面には、前記所定の距離の範囲以外の部分に金属膜が設けられており、当該所定の距離の範囲内の部分には前記金属膜が設けられていない、
請求項9に記載の光変調器。
【請求項12】
前記中継基板は、前記所定の距離の範囲内の部分が、前記構造物のエッジから突き出るように当該構造物に取り付けられている、
請求項9ないし11のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項13】
複数の信号電極を備える光変調素子と、
高周波信号を入力するための複数のリードピンと、
前記リードピンと前記信号電極とを電気的に接続する導体パターンがそのオモテ面に形成された中継基板と、
を備える光変調器であって、
前記中継基板のオモテ面と、前記光変調素子の前記信号電極が形成された面と、が前記導体パターンと前記信号電極とを接続する部分において段差を形成している、
光変調器。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれか一項に記載の光変調器と、
当該光変調器に変調動作を行わせるための電気信号を出力する電子回路と、
を備える、
光送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調器に関し、特に、筺体に設けられた複数の高周波信号入力用の導体(例えばリードピン)と光変調素子の電極との間を中継する中継基板を備える光変調器及び当該光変調器を用いた光伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速/大容量光ファイバ通信システムにおいては、導波路型の光変調素子を組み込んだ光変調器が多く用いられている。中でも、電気光学効果を有するLiNbO(以下、LNともいう)を基板に用いた光変調素子は、光の損失が少なく且つ広帯域な光変調特性を実現し得ることから、高速/大容量光ファイバ通信システムに広く用いられている。
【0003】
このLN基板を用いた光変調素子では、マッハツェンダ型光導波路と、当該光導波路に変調信号である高周波信号を印加するためのRF電極と、当該導波路における変調特性を良好に保つため種々の調整を行うためのバイアス電極と、が設けられている。そして、光変調素子に設けられたこれらの電極は、当該光変調素子を収容する光変調器の筺体に設けられたリードピンやコネクタを介して、光変調器に変調動作を行わせるための電子回路が搭載された回路基板に接続される。
【0004】
光ファイバ通信システムにおける変調方式は、近年の伝送容量の増大化の流れを受け、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)やDP−QPSK(Dual Polarization - Quadrature Phase Shift Keying)等、多値変調や、多値変調に偏波多重を取り入れた伝送フォーマットが主流となっており、基幹光伝送ネットワークにおいて用いられているが、メトロネットワークにも導入されつつある。
【0005】
QPSK変調を行う光変調器(QPSK光変調器)やDP−QPSK変調を行う光変調器(DP−QPSK光変調器)は、所謂ネスト型と呼ばれる入れ子構造になった複数のマハツェンダ型光導波路を備えるとともに、複数の高周波信号電極及び複数のバイアス電極を備えることから(例えば、特許文献1参照)、光変調器の筺体のサイズが大型化する傾向がある。しかし昨今では、これとは逆に当該変調器に対する小型化の要求が高まっている。
【0006】
この小型化の要求に対応する一つの策として、従来、RF電極のインタフェースとして光変調器の筺体に設けられていたプッシュオン型の同軸コネクタを、バイアス電極用のインタフェースと同様のリードピン、及びこれらのリードピンと電気的に接続されるFPC(フレキシブル配線板(FPC:Flexible Printed Circuits)に置き換えることで外部の回路基板との電気的接続を可能とした光変調器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
例えば、DP−QPSK光変調器では、それぞれにRF電極を有する4つのマッハツェンダ型光導波路で構成される光変調素子が用いられる。この場合、光変調器の筺体に4つのプッシュオン型同軸コネクタを設けたのでは筺体の大型化は避けられないが、同軸コネクタに代えてリードピンとFPCとを用いれば、小型化が可能となる。
【0008】
また、光変調器の筺体のリードピンと、当該光変調器に変調動作を行わせるための電子回路(駆動回路)が搭載された回路基板と、の間が、上記FPCを介して接続されるので、従来用いていた同軸ケーブルの余長処理を行う必要が無くなり、光送信装置内における光変調器の実装スペースを縮小することができる。
【0009】
このような、筺体に高周波電気信号入力用のリードピンを備える光変調器では、一般に、当該リードピンと筺体内に収容された光変調素子の電極との間が、当該筺体内に配された中継基板を介して接続される(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
図13A、13B、13Cは、そのような従来の光変調器の構成の一例を示す図である。ここで、図13Aは、回路基板1330上に搭載された従来の光変調器1300の構成を示す平面図、図13Bは当該従来の光変調器1300の側面図、図13Cは当該従来の光変調器1300の底面図である。本光変調器1300は、光変調素子1302と、光変調素子1302を収容する筺体1304と、フレキシブル配線板(FPC)1306と、光変調素子1302に光を入射するための光ファイバ1308と、光変調素子1302から出力される光を筺体1304の外部へ導く光ファイバ1310と、を備える。
【0011】
光変調素子1302は、例えばLN基板上に設けられた4つのマッハツェンダ型光導波路と、当該マッハツェンダ型光導波路上にそれぞれ設けられて光導波路内を伝搬する光波を変調する4つの高周波電極(RF電極)1312a、1312b、1312c、1312dと、を備えたDP―QPSK光変調器である。
【0012】
筺体1304は、光変調素子1302が固定されるケース1314aとカバー1314bとで構成されている。なお、筺体1304内部における構成の理解を容易するため、図13Aにおいては、カバー1314bの一部のみを図示左方に示している。
【0013】
ケース1304aには、4つのリードピン1316a、1316b、1316c、1316dが設けられている。これらのリードピン1316a、1316b、1316c、1316dは、ガラス封止部1400a、1400b、1400c、1400d(後述)で封止されており、筺体1304の底面(図13Cに示す面)から外部に延在し、FPC1306上に形成されたスルーホールとハンダ等により接続されている。
【0014】
リードピン1316a、1316b、1316c、1316dは、中継基板1318を介して、光変調素子1302のRF電極1312a、1312b、1312c、1312dの一端のそれぞれと、電気的に接続されている。
【0015】
RF電極1312a,1312b、1312c、1312dの他端のそれぞれは、終端器1320により電気的に終端されている。
【0016】
図14Aは、図13Aに示す光変調器1300のF部の部分詳細図、図14Bは、図13Aに示す光変調器1300のGG断面矢視図である。リードピン1316a、1316b、1316c、1316dは、ケース1314aに設けられたガラス封止部1400a、1400b、1400c、1400dを介して、それぞれ筺体1304内部から筺体1304外部へ延在し、当該筺体1304の下面(図13Cに示す面)から突出してFPC1306のスルーホールにハンダ固定されている。
【0017】
リードピン1316a、1316b、1316c、1316dは、図14Aにおける中継基板1318の図示下側(図14Bにおける中継基板1318の図示左側)の辺(リードピン側エッジ1410)の近傍に配されており、当該中継基板1318上に設けられた導体パターン1402a、1402b、1402c、1402dに対し、それぞれハンダ1408a、1408b、1408c、1408dにより電気的に接続されている。
【0018】
また、導体パターン1402a、1402b、1402c、1402dは、図14Aにおける中継基板1318の図示上側(図14Bにおける中継基板1318の図示右側)の辺(変調器側エッジ1412)の近傍に配された、光変調素子1302の図示下端部(図14Bにおける光変調素子1302の図示左端)のRF電極1312a、1312b、1312c、1312dに対し、それぞれ例えば金ワイヤ1406a、1406b、1406c、1406dにより電気的に接続されている。
【0019】
導体パターン1402a、1402b、1402c、1402dは、通常、各リードピン1316a、1316b、1316c、1316dから当該各リードピン1316a、1316b、1316c、1316dに対応する各RF電極1312a、1312b、1312c、1312dまでの高周波信号の伝搬距離を最短にして、信号伝搬損失とスキュー(伝搬遅延時間差)とを最小にすべく、互いに平行な直線パターンとして構成されている。したがって、光変調器1300は、各リードピン1316a、1316b、1316c、1316d間の間隔と各RF電極1312a、1312b、1312c、1312d間の間隔とが同じとなるように構成されている。
【0020】
また、導体パターン1402a、1402b、1402c、1402dは、例えばグランデッド・コプレーナ線路であり、中継基板1318のオモテ面(図14Aに示す導体パターン1402a等が設けられた面)において導体パターン1402a、1402b、1402c、1402dのそれぞれを挟むように、グランドパターン1420a、1420b、1420c、1420d、1420eが設けられている。また、グランドパターン1420a、1420b、1420c、1420d、1420eは、それぞれ、複数のビアホール1420を介して中継基板1318のウラ面に設けられたグランドパターン(不図示)と電気的に接続されている。なお、図14Aにおいては、見易さのため一つのグランドパターン1420aに設けられたビアホールにのみ符号を付して示しているが、他のグランドパターン1420b、1420c、1420d、1420eの領域内に示した図示円形部分は、すべて同様のビアホールである。
【0021】
これらのグランドパターン1420a、1420b、1420c、1420d、1420eは、それぞれ、金ワイヤ1412a、1412b、1412c、1412d、1412eにより、光変調素子1302上のグランド電極(不図示)に電気的に接続されている。
【0022】
ここで、一般に、上記ガラス封止部1400a等により封止されたリードピン1316a等から入力される電気信号は数十GHzの高周波信号(マイクロ波信号)である。このためリードピン1316a等の設計インピーダンス(特性インピーダンスの設計値)と、中継基板1318上に形成される導体パターン1402a等の設計インピーダンスと、光変調素子1302のRF電極1312a等の設計インピーダンスと、は例えば互いに同じ値(例えば50Ω)にすることによりインピーダンス整合が図られる。これによりリードピン1316a等から中継基板1318上の導体パターン1402a等を通って光変調素子1302のRF電極1312a等に至るまでの高周波伝送路における高周波信号の反射や放射が抑制される。
【0023】
上記構成により、光変調器1300では、回路基板1330上に形成された導体パターン1332a、1332b、1332c、1332d(図1A)からFPC1306を介してリードピン1316a、1316b、1316c、1316dに入力された高周波電気信号が、中継基板1318を介して光変調素子1302のRF電極1312a、1312b、1312c、1312dへ入力される。
【0024】
しかしながら、上記のようにインピーダンス整合を図った光変調器1300においても、光変調素子1302の各RF電極1312a等にノイズ信号成分が重畳され、光変調器1300のアイパターン消光比やジッター等の高周波特性が劣化し、光送信装置の伝送特性が劣化するなどの問題が発生する場合がある。
【0025】
本発明の発明者は、この問題について鋭意検討した結果、この問題の一因が、一の導体パターン(1402a等)を伝搬した高周波が中継基板の両端部において反射を繰り返して共振し、当該共振した高周波が他の導体パターン(1402b等)と共鳴することにより、当該高周波のパワーの一部が当該他の導体パターンへ遷移する現象(以降、共鳴遷移と言う)であるとの知見を得た。
【0026】
即ち、中継基板1318の一方の端部におけるリードピン1316a等との接続部は、当該リードピン1316a等を伝搬した高周波の伝搬方向が、中継基板1318上の導体パターン1402a等に向かって90度屈曲する部分であり(図14B)、リードピン1316a等と導体パターン1402a等との間で設計インピーダンスを合わせても、上記一方の端部での高周波の反射を十分に抑圧できないこととなり得る。
【0027】
また、中継基板1318の他方の端部における光変調素子1302のRF電極1312a等との接続部においても、中継基板1318(例えばセラミック)と光変調素子1302の基板(例えばニオブ酸リチウム)という相異なる誘電率を持つ2つの基板上にそれぞれ形成されたパターン(導体パターン1402a等とRF電極1312a等)が空間を挟んで例えばワイヤを介して接続される。このため、これらパターンの設計インピーダンスを同じにしても、上記他方の端部での高周波の反射を完全に抑圧することは困難である。
【0028】
その結果、中継基板1318の両端部で発生する高周波の反射により、導体パターン1402a等を伝搬する高周波は、分布定数線路である当該導体パターン1402a等の電気長で定まる固有の共振周波数において極大パワーを持つこととなる。そして、当該極大パワーを持つ共振周波数成分は、反射波として電気信号源側に戻って外部回路(例えば、各RF電極1312a等のための高周波電気信号を出力するドライブ回路)の動作を不安定にさせたり、進行波(又は透過波)としてRF電極1312a等に到達してノイズとなる。
【0029】
特に、従来の光変調器1300の中継基板1318では、上述したように、信号伝搬損失とスキューとを最小とすべく導体パターン1402a、1402b、1402c、1402dが互いに平行な直線パターンとして構成されているので、これら導体パターンのそれぞれにおける共振周波数は略同一となる。その結果、一の導体パターンに共振が発生すれば、極大パワーを持つこととなった当該共振周波数の高周波成分は、略同一の共振周波数を持つ他の導体パターンに遷移して上記共鳴遷移が発生することとなる。
【0030】
そして、このような共鳴遷移が発生する場合、一の導体パターンで発生した高パワーの共振周波数成分は、対応する一のRF電極の動作に影響を与えるだけでなく、上記共鳴遷移を介して他のRF電極の動作にも影響を与える。このため、特にDP−QPSK変調器のように4つのRF電極が協働して光変調動作を行うデバイスの場合には、上記一の導体パターンで発生した高パワーの共振周波数成分は、4つのRF電極のそれぞれに発生した4つのノイズの相乗効果となって現れ、変調光のアイパターン消光比やジッター等の高周波特性を悪化させることとなる。
【0031】
また、このような共鳴遷移は、複数の高周波信号が狭い領域内において並行に伝搬される際に発生しやすく、且つ入力される高周波信号のパワー(例えば高周波信号の振幅)が大きいほど発生しやすい。例えば、4つの高周波信号入力を持つDP−QPSK変調器では、それぞれの電極に半波長電圧の2倍もの振幅を持つ高周波信号が入力されることから、上述のようにFPCを用いてリードピン間隔を狭めた構成においては、高パワーの高周波信号入力が狭い領域に集中することとなり、共鳴遷移がより発生しやすい環境となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開2016-109941号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
上記背景より、高周波信号入力用のリードピンと光変調素子の電極との間を中継する中継基板を備える光変調器において、当該中継基板上に形成された複数の導体パターン間における上記共鳴遷移の影響を低減し、光変調特性(例えば、アイパターン消光比や、ジッター等の高周波特性)の悪化を防止することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明の一の態様は、複数の信号電極を備える光変調素子と、高周波信号を入力するための複数のリードピンと、前記リードピンと前記信号電極とを電気的に接続する導体パターンが形成された中継基板と、を備える光変調器であって、前記導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における高周波の放射量が当該接続部分以外の部分に比べて高くなるように構成されている。
本発明の他の態様によると、少なくとも一つの前記導体パターンにつき、当該導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における高周波の放射量が当該接続部分以外の部分に比べて高まるように、前記中継基板のオモテ面に設けるグランドパターンの前記接続部分の構成が他の部分の構成と異なっている。
本発明の他の態様によると、前記中継基板の前記導体パターンは当該中継基板に設けられたグランドパターン及び前記中継基板のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物と共にコプレーナ線路を構成しており、少なくとも一つの前記導体パターンにつき、当該導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における高周波の放射量が当該接続部分以外の部分に比べて高まるように、前記中継基板のウラ面における前記構造物との電気的接触の態様が、前記接続部分に対応する当該ウラ面の部分において当該部分以外の部分と異なっている。
本発明の他の態様によると、前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、複数のビアホールを介して前記中継基板のウラ面に設けられたグランドパターンに接続されており、前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内に設けられた前記ビアホールの直径は、当該所定の距離範囲外に設けられたビアホールの直径よりも小さい。
本発明の他の態様によると、前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、複数のビアホールを介して前記中継基板のウラ面に設けられたグランドパターンに接続されており、前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内には前記ビアホールが設けられていない。
本発明の他の態様によると、前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内において、当該グランドパターンに隣接する前記導体パターンの長さ方向に沿って所定の幅で延在するよう構成されている。
本発明の他の態様によると、前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内には延在しない。
本発明の他の態様によると、前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンと、前記光変調素子に設けられたグランド電極と、を接続するワイヤのうち、隣接する前記導体パターンに最も近い位置のワイヤは、当該グランドパターンのエッジのうち当該隣接する導体パターン側のエッジから所定距離離れた位置において当該グランドパターンに接続されており、前記所定距離は、前記隣接する導体パターン側のエッジと、当該隣接する導体パターンのエッジとの距離以上である。
本発明の他の態様によると、前記中継基板のウラ面は、前記接続部分に最も近いエッジから所定の距離の範囲以外の部分が前記構造物に対し導電性材料を介して電気的に接続され、前記所定の距離の範囲内の部分は前記構造物に対し導電性材料を介しては接続されていない。
本発明の他の態様によると、前記中継基板は、前記所定の距離の範囲内の部分の厚さが当該所定の距離の範囲以外の部分の厚さより薄く構成されている。
本発明の他の態様によると、前記中継基板のウラ面には、前記所定の距離の範囲以外の部分に金属膜が設けられており、当該所定の距離の範囲内の部分には前記金属膜が設けられていない。
本発明の他の態様によると、前記中継基板は、前記所定の距離の範囲内の部分が、前記構造物のエッジから突き出るように当該構造物に取り付けられている。
本発明の他の態様は、複数の信号電極を備える光変調素子と、高周波信号を入力するための複数のリードピンと、前記リードピンと前記信号電極とを電気的に接続する導体パターンがそのオモテ面に形成された中継基板と、を備える光変調器であって、前記中継基板のオモテ面と、前記光変調素子の前記信号電極が形成された面と、が前記導体パターンと前記信号電極とを接続する部分において段差を形成している。
本発明の更に他の態様は、上述したいずれかの光変調器と、当該光変調器に変調動作を行わせるための電気信号を出力する電子回路と、を備える光送信装置である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】本発明の第1の実施形態に係る光変調器の構成を示す、当該光変調器の平面図である。
図1B】本発明の第1の実施形態に係る光変調器の側面図である。
図1C】本発明の第1の実施形態に係る光変調器の底面図である。
図2A図1Aに示す光変調器の、A部の部分詳細図である。
図2B図1Aに示す光変調器の、BB断面矢視図である。
図3】第1の実施形態に係る光変調器についての第1の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図4】第1の実施形態に係る光変調器についての第2の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図5】第1の実施形態に係る光変調器についての第3の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図6】第1の実施形態に係る光変調器についての第4の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図7A】第1の実施形態に係る光変調器についての第5の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図7B】第1の実施形態に係る光変調器についての第5の変形例に係る中継基板周辺の断面の構成を示す、図2Bに相当する部分詳細図である。
図8A】第1の実施形態に係る光変調器についての第6の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図8B】第1の実施形態に係る光変調器についての第6の変形例に係る中継基板周辺の断面の構成を示す、図2Bに相当する部分詳細図である。
図9A】第1の実施形態に係る光変調器についての第7の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図9B】第1の実施形態に係る光変調器についての第7の変形例に係る中継基板周辺の断面の構成を示す、図2Bに相当する部分詳細図である。
図10A】第1の実施形態に係る光変調器についての第8の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図10B】第1の実施形態に係る光変調器についての第8の変形例に係る中継基板周辺の断面の構成を示す、図2Bに相当する部分詳細図である。
図11A】第1の実施形態に係る光変調器についての第9の変形例に係る中継基板周辺の構成を示す、図2Aに相当する部分詳細図である。
図11B】第1の実施形態に係る光変調器についての第9の変形例に係る中継基板周辺の断面の構成を示す、図2Bに相当する部分詳細図である。
図12】本発明の第2の実施形態に係る光送信装置の構成を示す図である。
図13A】従来の光変調器の構成を示す、当該光変調器の平面図である。
図13B】従来の光変調器の側面図である。
図13C】従来の光変調器の底面図である。
図14A図13Aに示す光変調器の、F部の部分詳細図である。
図14B図13Aに示す光変調器の、GG断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1A、1B、1Cは、本発明の第1の実施形態に係る光変調器の構成を示す図である。ここで、図1A、1B、1Cは、それぞれ本光変調器100の平面図、側面図、底面図である。
【0037】
本光変調器100は、光変調素子102と、光変調素子102を収容する筺体104と、フレキシブル配線板(FPC)106と、光変調素子102に光を入射するための光ファイバ108と、光変調素子102から出力される光を筺体104の外部へ導く光ファイバ110と、を備える。
【0038】
光変調素子102は、例えばLN基板上に設けられた4つのマッハツェンダ型光導波路と、当該マッハツェンダ型光導波路上にそれぞれ設けられて光導波路内を伝搬する光波を変調する4つの高周波電極(RF電極)112a、112b、112c、112dと、を備えたDP―QPSK光変調器である。光変調素子102から出力される2つの光は、例えばレンズ光学系(不図示)により偏波合成され、光ファイバ110を介して筺体104の外部へ導かれる。
【0039】
筺体104は、光変調素子102が固定されるケース114aとカバー114bとで構成されている。なお、筺体104内部における構成の理解を容易するため、図1Aにおいては、カバー114bの一部のみを図示左方に示しているが、実際には、カバー114bは、箱状のケース114aの全体を覆うように配されて筺体104の内部を気密封止する。
【0040】
ケース114aには、高周波信号入力用の導体である4つのリードピン116a、116b、116c、116dが設けられている。これらのリードピン116a、116b、116c、116dは、筺体104の底面(図1Cに示す面)から外部に延在し、FPC106上に形成されたスルーホールとハンダ等により接続されている。また、ケース114aは、導電性素材(例えばステンレス等の金属や、金等の金属薄膜がコートされた素材)で構成されており、FPC106を介して、又は伝送装置等に光変調器100を実装する際にケース104aと外部構造物とが接触することにより、グランドラインに接続される。
【0041】
リードピン116a、116b、116c、116dは、中継基板118を介して光変調素子102のRF電極112a、112b、112c、112dの一端と、それぞれ電気的に接続されている。なお、中継基板118の構成については後述する。
【0042】
RF電極112a,112b、112c、112dは、それぞれ、動作周波数範囲において特性インピーダンスが所定の値(例えば、本実施形態では50Ω)となるように設計されており、RF電極112a,112b、112c、112dの他端は、それぞれ、上記所定の値のインピーダンス(例えば、50Ω)を持つ終端器120により終端されている。なお、以下において「特性インピーダンス」とは、特に断りのない限り、光変調素子102の動作周波数範囲における特性インピーダンスを言うものとする。
【0043】
図2Aは、図1Aに示す光変調器100のA部の部分詳細図、図2Bは、図1Aに示す光変調器100のBB断面矢視図である。中継基板118上には、4つの導体パターン202a、202b、202c、202dが設けられている。当該導体パターン202a、202b、202c、202dは、例えば直線状パターンであり、図2Aにおける中継基板118の図示上側(図2Bにおける中継基板118の図示右側)の辺(変調器側エッジ212)の近傍に配された、光変調素子102の図示下端部(図2Bにおける光変調素子102の図示左端)部のRF電極112a、112b、112c、112dに対し、それぞれ例えば導体ワイヤ(例えば金ワイヤ)206a、206b、206c、206dにより電気的に接続されている。
【0044】
中継基板118上に設けられる導体パターン202a、202b、202c、202dは、例えばグランデッド・コプレーナ線路であり、光変調素子102のRF電極112a,112b、112c、112dと同じ特性インピーダンス(例えば、50Ω)を持つように設計されている。すなわち、中継基板118のオモテ面(図2Aに示す導体パターン202a等が設けられた面)に、導体パターン202a、202b、202c、202dのそれぞれを挟むようにグランドパターン218a、218b、218c、218d、218eが設けられており、これらのグランドパターン218a、218b、218c、218d、218eは、それぞれ、各グランドパターンに設けられたビアホール220a及び220bを介して中継基板118のウラ面に設けられたグランドパターン(不図示)と電気的に接続されている。なお、図2Aにおいては、見易さのため一つのグランドパターン218aについてのみビアホールに符号を付したが、他のグランドパターン218b、218c、218d、218eにおけるビアホール(各グランドパターンの領域内に示された図示円形部分)の配置及び構成は、グランドパターン218aにおけるビアホールの配置及び構成と同様である。
【0045】
また、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eは、それぞれ、導体ワイヤ(例えば金ワイヤ)222a、222b、222c、222d、222eにより、光変調素子102上のグランド電極(不図示)に電気的に接続されている。
以下、「ビアホール」というときは、特に断りのない限り、中継基板のウラ面に設けられたグランドパターンと、当該中継基板のオモテ面に設けられたグランドパターンとを電気的に接続するためのビアホールを言うものとする。
【0046】
リードピン116a、116b、116c、116dは、光変調素子102のRF電極112a,112b、112c、112dと同じ特性インピーダンス(例えば、50Ω)を持つように設計されており、ケース114aに設けられたガラス封止部200a、200b、200c、200dを介して、それぞれ筺体104内部から筺体104外部へ延在し、当該筺体104の下面(図1Cに示す面)から突出してFPC106のスルーホールにハンダ固定されている。
【0047】
また、リードピン116a、116b、116c、116dは、図2Aにおける中継基板118の図示下側(図2Bにおける中継基板118の図示左側)の辺(リードピン側エッジ210)の近傍に配されており、当該中継基板118上に設けられた導体パターン202a、202b、202c、202dに対し、それぞれハンダ208a、208b、208c、208dにより電気的に接続されている。
【0048】
上記構成により、例えば筺体104外部に設けられた駆動装置(例えば駆動回路が構成されたプリント配線板(PWB))から、FPC106を介してリードピン116a、116b、116c、116dに入力された高周波信号は、中継基板118上の導体パターン202a、202b、202c、202dを介して、それぞれ光変調素子102のRF電極112a、112b、112c、112dに入力され、光変調素子102において光変調動作が行われる。
【0049】
特に、本実施形態では、変調器側エッジ212側から所定の距離範囲(例えば、100μmから2mm程度の距離範囲)に設けられるビアホール220bの直径が、当該距離範囲外に設けられたビアホール220aの直径よりも小さくなっている。なお、上述したように、グランドパターン218b、218c、218d、218eにおけるビアホールの配置及び構成は、グランドパターン218aにおけるビアホール220a、220bの配置及び構成と同様である。
【0050】
これにより、本実施形態の光変調器100では、変調器側エッジ212近傍部分において、中継基板118のオモテ面のグランドパターン218a等とウラ面のグランドパターン(不図示)とを接続するビアホール220bの断面積が、当該近傍部分以外の部分に設けられたビアホール220aの断面積に比べて減少する結果(すなわち、変調器側エッジ212近傍部分における、ウラ面のグランドパターンとオモテ面のグランドパターンを接続する導体の抵抗が増加し、両面のグランドパターンの電位を安定に保持する性能(接地性能)が低下する結果)、各グランドパターン210a、210b、210c、210d、210eに挟まれた導体パターン202a、202b、202c、202dにおける、変調器側エッジ212の近傍での高周波信号の閉じ込めの程度が、他の部分に比べて弱くなる。このため、導体パターン202a、202b、202c、202dをそれぞれ伝搬した高周波信号の一部が、当該変調器側エッジ212の近傍においてそれぞれ僅かに中継基板118の内部や光変調素子102の内部若しくは空中へ放射されることとなる。すなわち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる。
【0051】
そして、当該高周波信号の放射のため、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の量(すなわち、高周波の反射量)は、すべてのビアホール1420が同じ形状を持って中継基板1318のウラ面のグランドパターンに接続されている従来の構成に比べて少なくなる。
【0052】
その結果、導体パターン202a、202b、202c、202dのそれぞれにおける共振現象が低減され、これら導体パターン間における高周波パワーの共鳴遷移が抑制されるので、光変調器100の光変調特性が良好に保たれることとなる。
【0053】
なお、本実施形態では、変調器側エッジ212から所定の距離範囲内に3つの小径のビアホール220bを設け、すべてのビアホール220a及び220bの間の相互の距離がすべて同じであるものとしたが(図2A)、これに限らず、例えば、上記所定の距離範囲内に3つ以外(0を含まない)の数のビアホール220bを設けるものとしたり、ビアホール220a及び220bのそれぞれの間の距離が不規則に変化していてもよい。
【0054】
また、上記所定距離範囲内に設ける複数のビアホールのそれぞれの直径が、当該範囲外に設けられたビアホール220aの直径より小さく且つ、変調器側エッジ212に近いビアホールほど例えば多段階に又は連続的に小さくなるものとすることができる。これにより、導体パターン202a等における高周波信号の閉じ込め強度を、多段階に又は連続的に徐々に弱めることができるので、閉じ込め強度の急激な変化に伴う高周波信号の反射を抑制して、共鳴遷移をより効果的に抑制することができる。
【0055】
上記のような、導体パターン202a等における、変調器側エッジ212の近傍での高周波信号の閉じ込め強度の低減は、本実施形態のようにグランドパターン218a等に設けるビアホールの直径を変えて行う構成のほか、種々の構成を用いて実現することができる。
【0056】
次に、第1の実施形態に係る光変調器の変形例を、図4Aから図11Bを用いて説明する。
〔第1の変形例〕
まず、第1の実施形態に係る光変調器100についての第1の変形例について説明する。
図3は、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板300の構成を、図2Aに対応する部分詳細図により示した図である。図3において、図2Aに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2Aにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2Aについての説明を援用する。
【0057】
図3に示す中継基板300は、図2Aに示す中継基板118と同様の構成を有するが、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン318a、318b、318c、318d、318eを備える点が異なる。当該グランドパターン318a、318b、318c、318d、318eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、中継基板300ウラ面に設けられたグランドパターン(不図示)と電気的に接続するためのビアホールの配置が異なっている。
【0058】
以下、グランドパターン318aを例にとり、ビアホールの配置について説明する。他のグランドパターン318b、318c、318d、318eにおけるビアホールの配置及び構成は、以下に示すグランドパターン318aにおけるビアホールの配置及び構成と同様である。
【0059】
グランドパターン318aは、変調器側エッジ212から所定の距離d11の範囲内以外の領域に、例えば互いに一定の間隔をおいて複数のビアホール320が設けられている。これにより、変調器側エッジ212近傍部分においては、中継基板300のオモテ面のグランドパターン318a等とウラ面のグランドパターン(不図示)とが接続されないこととなる。このため、第1の実施形態と同様に、当該近傍部分において導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の閉じ込め効果が低くなり、導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の一部が変調器側エッジ212近傍で放射されることとなる(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる)。その結果、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量が低減され、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0060】
ここで、所定の距離d11は、変調器側エッジ212の近傍において、導体パターン202a等から放射される高周波パワーの比率(総パワーに対する放射パワーの比率)が所望の値となるように設定するものとすることができる。例えば、距離d11は、グランドパターンに隣接する導体パターンと当該グランドパターンとの間の距離d12(例えば、グランドパターン318aに隣接する導体パターン202aと、当該グランドパターン318aとの間の距離d12)に対し、
d11≧2×d12 (1)
とすることで、共鳴遷移を効果的に抑制することができる。
【0061】
なお、本変形例においてはビアホール320は互いの間隔が一定であるものとしたが、不定間隔であってもよい。
【0062】
〔第2の変形例〕
次に、第1の実施形態に係る光変調器100についての第2の変形例について説明する。
図4は、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板400の構成を、図2Aに対応する部分詳細図により示した図である。図4において、図2Aに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2Aにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2Aについての説明を援用する。
【0063】
図4に示す中継基板400は、図2Aに示す中継基板118と同様の構成を有するが、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン418a、418b、418c、418d、418eを備える点が異なる。当該グランドパターン418a、418b、418c、418d、418eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、変調器側エッジ212側の端部の形状、及びビアホールの配置が異なっている。
【0064】
以下、グランドパターン418a、418bを例にとり、その形状及びビアホールの配置について説明する。
グランドパターン418aは、変調器側エッジ212から所定の距離d21の範囲が、図示左側に隣接する導体パターン202aの辺に沿って変調器側エッジ212まで延在する所定の幅d22の部分422aを残して、導体部分の一部を切り欠いた形状となっている。また、変調器側エッジ212から所定の距離d21の範囲には、ビアホールが設けられておらず、当該範囲以外の領域において、例えば互いに一定の間隔をおいてビアホール420が設けられている。
【0065】
また、グランドパターン418bは、変調器側エッジ212から所定の距離d21の範囲が、隣接する2つの導体パターン202a及び202bのそれぞれの辺に沿って変調器側エッジ212まで延在する2つの所定の幅d22の部分422b、422cを残して、導体部分の一部を切り欠いた形状となっている。また、変調器側エッジ212から所定の距離d21の範囲には、ビアホールが設けられておらず、当該範囲以外の領域において、例えば互いに一定の間隔をおいてビアホール420が設けられている。
【0066】
他のグランドパターンのうち、グランドパターン418eは、図示右側に、隣接する導体パターン202dを有することから、グランドパターン418aを左右反転させた構成となっている。また、グランドパターン418c、418dは、グランドパターン418bと同様の構成を有している。
【0067】
上記の構成により、中継基板400では、変調器側エッジ212近傍部分(すなわち、所定距離d21の範囲)においては、中継基板400のオモテ面のグランドパターン418a等とウラ面のグランドパターン(不図示)とが接続されないこととなり、且つ、変調器側エッジ212近傍部分において導体パターン202a等を図示左右方向から挟むグランドパターンの面積が狭くなる。その結果、第1の実施形態と同様に、導体パターン202a等における変調器側エッジ212近傍での高周波信号の閉じ込め効果は弱くなり、導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の一部が変調器側エッジ212近傍で放射される(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる。)。これにより、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量は低減され、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0068】
ここで、所定の距離d21及び符号422a、422b、422cで示す部分の幅d22は、変調器側エッジ212の近傍において、導体パターン202a等から放射される高周波パワーの比率(総パワーに対する放射パワーの比率)が所望の値となるように設定するものとすることができる。例えば、距離d21及び幅d22は、グランドパターンに隣接する導体パターンと当該グランドパターンとの間の距離d23(例えば、グランドパターン418aに隣接する導体パターン202aと、当該グランドパターン418aとの間の距離d23)に対し、以下の式(2)および式(3)を満足する構成とすることで、共鳴遷移を効果的に抑制することができる。
d21≧2×d23 (2)
d22≦10×d23 (3)
【0069】
なお、本変形例においてビアホール420は互いの間隔が一定であるものとしたが、不定間隔であってもよい。また、隣接する導体パターンに沿って変調器側エッジ212まで延在する部分422a、422b、422cの幅は、本変形例では同じ幅であるものとしたが、これに限らず、例えば上述の式(2)、(3)を満たす範囲において、互いに異なる幅であることができる。例えば、符号422b、422cの部分の幅を同じとし、符号422aの部分の幅をこれより広くするものとすることができる。また延在する部分422a、422b、422cの幅を延在方向に沿ってテーパー状に変化させたり、段階的に変化させてもよい。
【0070】
また、本変形例では、変調器側エッジ212まで延在する部分422a、422b、422cの幅が全て同じ幅であるものとしたが、これに限らず、式(2)を満たす範囲において互いに異なる幅であるものとすることができる。
【0071】
また、本変形例では、導体パターン202a等が互いに同じ幅d23を持つものとしたが、これに限らず、互いに異なる幅をもつものとすることができる。この場合、グランドパターンの延在部分422b等の幅は、当該切欠き部分に隣接する導体パターンの幅に対して式(3)を満たすものとすればよい。例えば、導体パターン202bが幅d23´(≠d23)を持つ場合には、延在部分422cの幅は、d22ではなく、d22≦10×d23´を満たすd22´とすることができる。
【0072】
また、グランドパターンの切欠き部分の長さ(即ち、d21)は、隣接する導体パターンの幅(グランドパターン418bのように図示両側に2つの隣接する導体パターンを有する場合には、それらのうちより大きい幅を持つ導体パターンの幅)に対し、式(2)を満たす範囲とすることができる。例えば、導体パターン202bが幅d23´(>d23)である場合には、延在部分422bと422cとの間の切欠き部分(すなわち、延在部分422b、422cの図示縦方向の長さ)は、d21ではなく、d21´≧2×d23´を満たすd21´とすることができる。
【0073】
さらに、本変形例のグランドパターン418a等の形状は、中継基板のウラ面にグランドパターンを設けないコプレーナ線路(例えば、グランデッド・コプレーナ線路でないコプレーナ線路)として導体パターン202a等が設けられる場合にも用いることができる。すなわち、グランドパターン418a等にはビアホールを設けず、グランドパターン418a等の形状を単に図4に示すような形状とすることにより、変調器エッジ212近傍において導体パターン202a等を伝搬する高周波の一部を放射させて、共鳴遷移を抑制するものとすることができる。
【0074】
〔第3の変形例〕
次に、第1の実施形態に係る光変調器100についての第3の変形例について説明する。
図5は、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板500の構成を、図2Aに対応する部分詳細図により示した図である。図5において、図2Aに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2Aにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2Aについての説明を援用する。
【0075】
図5に示す中継基板500は、図2Aに示す中継基板118と同様の構成を有するが、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン518a、518b、518c、518d、518eを備える点が異なる。当該グランドパターン518a、518b、518c、518d、518eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、それらの形状及びビアホールの配置が異なっている。
【0076】
以下、グランドパターン518aを例にとり、その形状及びビアホールの配置について説明する。
図2Aに示す中継基板118においては、グランドパターン218a等が変調器側エッジ212まで延在しているのに対し、本変形例に係る中継基板500では、グランドパターン518aは、変調器側エッジ212まで延在せず、当該変調器側エッジ212から所定の距離d31の位置にまで延在する。また、グランドパターン518aに設けるビアホールは、必ずしもそれらの直径が異なっている必要はなく、本変形例においては、例えば同じ径をもって互いに同じ間隔で配されたビアホール520を有する。その他のグランドパターン518b、518c、518d、518eの構成は、上記のグランドパターン518aの構成と同様である
【0077】
上記の構成により、中継基板500では、導体パターン202a等は、変調器側エッジ212近傍部分(すなわち、所定距離d31の範囲)においてグランドパターン518a等により挟まれない部分が存在することとなる。その結果、第1の実施形態と同様に、導体パターン202a等における変調器側エッジ212近傍での高周波信号の閉じ込め効果は弱くなり、導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の一部が変調器側エッジ212近傍で放射される(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる)。これにより、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量は低減され、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0078】
ここで、所定の距離d31は、大きすぎると導体パターン202a等からの高周波の放射パワーの比率が大きくなりすぎて伝搬特性に影響を与えることから、好適には、動作周波数が10GHzを超える周波数範囲では、例えば、
d31≦100μm (3)
とすることが望ましい。
【0079】
なお、本変形例においてビアホール520は互いの間隔が一定であるものとしたが、不定間隔であってもよい。
【0080】
また、本変形例のグランドパターン518a等の形状は、中継基板のウラ面にグランドパターンを設けないコプレーナ線路(例えば、グランデッド・コプレーナ線路でないコプレーナ線路)として導体パターン202a等が設けられる場合にも用いることができる。すなわち、グランドパターン518a等にビアホールを設けず、グランドパターン518a等の形状を単に図5に示すような形状とすることにより、変調器エッジ212近傍において導体パターン202a等を伝搬する高周波の一部を放射させて、共鳴遷移を抑制するものとすることができる。
【0081】
〔第4の変形例〕
次に、第1の実施形態に係る光変調器100についての第4の変形例について説明する。
図6は、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板600の構成を、図2Aに対応する部分詳細図により示した図である。図6において、図2Aに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2Aにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2Aについての説明を援用する。
【0082】
図6に示す中継基板600は、図2Aに示す中継基板118と同様の構成を有するが、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン618a、618b、618c、618d、618eを備える点が異なる。当該グランドパターン618a、618b、618c、618d、618eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、それらの形状及びビアホールの配置が異なっている。また、グランドパターン618a、618b、618c、618d、618eと光変調素子102上のグランド電極(不図示)とを接続する導体ワイヤ222a、222b、222c、222d、222eの位置が、図2Aにおける中継基板118の場合と異なっている。
【0083】
以下、グランドパターン618bを例にとり、その形状、ビアホールの配置、及び導体ワイヤの配置について説明する。
図6に示す本変形例に係る中継基板600では、グランドパターン618bは、図5に示す中継基板500のグランドパターン518b等と同様に、変調器側エッジ212から所定距離d41離れた位置まで延在している。この所定距離d41は、例えば上述した第3の変形例におけるd31と同様に、d41≦100μmとすることが望ましい。
【0084】
さらに、本変形例では、グランドパターン618bと光変調素子102のグランド電極(不図示)とを接続する導体ワイヤ222bのうち隣接する導体パターン202aに最も近い導体ワイヤ222b−1の、グランドパターン618bとの接続位置が、当該グランドパターン618bの辺のうち隣接する導体パターン202aに対向する辺から、所定の距離d42だけ離れている。
【0085】
同様に、グランドパターン618bと光変調素子102のグランド電極(不図示)とを接続する導体ワイヤ222bのうち隣接する導体パターン202bに最も近い導体ワイヤ222b−2の、グランドパターン618bとの接続位置が、当該グランドパターン618bの辺のうち隣接する導体パターン202bに対向する辺から、所定の距離d43だけ離れている。
【0086】
一般に、高周波信号の伝搬経路である導体パターンを挟むグランドパターンと、光変調素子のグランド電極とを接続する導体ワイヤは、当該導体パターンにおける高周波信号の閉じ込め効果を高めるため、当該グランドパターンのうち当該隣接する導体パターンにできるだけ近い部分に固着して接続される。これに対し、本変形例では、上述のように、グランドパターン618bと光変調素子102のグランド電極(不図示)とを接続する導体ワイヤ222b−1、222b−2は、グランドパターン618bのうち隣接する導体パターン202a、202bの直近部分に接続されるのではなく、それぞれ、グランドパターン618bの辺のうち、隣接する導体パターン202a、202bに対向する辺から所定の距離d42、d43だけ離れた位置に接続される。
【0087】
このため、本変形例に係る中継基板600では、グランドパターン618bが変調器側エッジから所定距離d41だけ離れた位置まで延在することと相まって、導体パターン202a等における変調器側エッジ212近傍での高周波信号の閉じ込め効果が弱まり、導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の一部が変調器側エッジ212近傍で放射されることとなる(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる)。その結果、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量は低減され、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0088】
ここで、所定の距離d42、d43は、導体パターン202a等からの高周波の放射パワーの比率を有意なレベルとすべく、好適には、それぞれ、隣接する導体パターン202a、202bのエッジと、これらエッジに対向するグランドパターン618bの対応するエッジとの間の距離d44、d45以上であることが好ましい。すなわち、
d42≧d44 (4)
d43≧d45 (5)
とすることが望ましい。
【0089】
なお、本変形例では、グランドパターン618bに2本の導体ワイヤ202b−1、202b−2が接続される構成としたが、導体ワイヤの数は、これに限らず、任意の数とすることができる。すなわち、例えば4本の導体ワイヤをグランドパターン618bに接続した場合には、当該4本の導体ワイヤのうち、隣接する導体パターン202a、202bに最も近い導体ワイヤをそれぞれ導体ワイヤ202b−1、202b−2であるものとして、上記(4)式、(5)式が満たされるように配置すればよい。上記の(4)式、(5)式は両方満たす必要はなく一方の、どちらか一方の式を満たすことで一定の効果を得ることができる。これは他のグランドパターンについても同様である。
【0090】
他のグランドパターン618a、618c、618d、618eについての構成は、上述したグランドパターン618bについての構成と同様である。ここで、グランドパターン618a、618eは、それぞれ図示左右のいずれか一方にのみ隣接する導体パターン202a、202dを有するので、導体ワイヤ222a、222eの位置は、それぞれ隣接する導体パターン202a、202dまでの距離に対して上記式(3)又は(4)が満たされるようにすればよい。
【0091】
なお、本変形例のグランドパターン618a等の形状は、中継基板のウラ面にグランドパターンを設けないコプレーナ線路(例えば、グランデッド・コプレーナ線路でないコプレーナ線路)として導体パターン202a等が設けられる場合にも用いることができる。すなわち、グランドパターン618a等にビアホールを設けず、グランドパターン618a等の形状を単に図6に示すような形状とすることにより、変調器エッジ212近傍において導体パターン202a等を伝搬する高周波の一部を放射させて、共鳴遷移を抑制するものとすることができる。
【0092】
〔第5の変形例〕
次に、第1の実施形態に係る光変調器100についての第5の変形例について説明する。
図7A、7Bは、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板700の構成を、それぞれ図2A、2Bに対応する部分詳細図により示した図である。図7A、7Bにおいて、図2A、2Bに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2A、2Bにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2A、2Bについての説明を援用する。
【0093】
図7A、7Bに示す中継基板700は、中継基板118と同様に導体パターン202a、202b、202c、202dを有するが、これらの導体パターン202a等は、グランドに接続されたケース114aに中継基板700のウラ面が接触したときに、グランデッド・コプレーナ線路として機能するように構成されている点が異なる。これを実現するため、中継基板700は、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン718a、718b、718c、718d、718eを備えている。すなわち、導体パターン202a、202b、202c、202dは、グランドパターン718a、718b、718c、718d、718e、及び中継基板700のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物であるケース114aと共にグランデッド・コプレーナ線路を構成している。
【0094】
当該グランドパターン718a、718b、718c、718d、718eは、それぞれ、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、それぞれ導体パターン202a、202b、202c、202dとの間の距離が、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なった距離となっている。すなわち、グランドパターン718a、718b、718c、718d、718eは、中継基板700のウラ面がケース114aに当接したときに、又はケース114aと当接し且つ当該ケース114aとの間に例えば導電性接着剤等が塗布されて電気的に接続されたときに、導体パターン202a、202b、202c、202dがグランデッド・コプレーナ線路として機能するように設計されている。また、グランドパターン718a、718b、718c、718d、718eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なり、ビアホールを有さなくても良い。
【0095】
そして、特に、中継基板700は、図7Bに示すように、そのウラ面が変調器側エッジ212(図7Aに示す中継基板700の図示上方のエッジ。すなわち、図7Bにおける図示右側のエッジ)から所定の距離d51に亘って削り取られた形状をなし、変調器側エッジ212から距離d51の範囲における基板部分700aの厚さが、他の基板部分700bよりも薄くなっている。このため、中継基板700は、ケース114aへの実装時においては、そのウラ面は、変調器側エッジ212から所定距離d51の範囲にわたりケース114aと電気的に接続されないこととなる。
【0096】
このため、中継基板700では、導体パターン202a等は、変調器側エッジ212の近傍においてケース114aのグランド電位による高周波信号の閉じ込め効果が弱まることとなり、導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の一部が変調器側エッジ212近傍で放射される(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる)。その結果、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量は低減され、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0097】
なお、本変形例の中継基板700においては、導体パターン202a、202b、202c、202dは、中継基板700のウラ面がケース114aに電気的に接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されているものとしたが、これに限らず、通常の(グランデッド・コプレーナ線路でない)コプレーナ線路として構成してもよい。その場合でも、中継基板700においては変調器側エッジ212の近傍におけるグランド電位導体(すなわちケース114a)との電気的な位置関係(又は接続関係)が他の部分に比べて変化するので(すなわち、変調器側エッジ212から所定距離d51の範囲ではケース114aと電気的に接触しないので)、実質的に当該変調器側エッジ212の近傍において導体パターン202a等から高周波の放射を発生させて共鳴遷移を抑制することができる。
【0098】
〔第6の変形例〕
次に、第1の実施形態に係る光変調器100についての第6の変形例について説明する。
図8A、8Bは、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板800の構成を、それぞれ図2A、2Bに対応する部分詳細図により示した図である。図8A、8Bにおいて、図2A、2Bに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2A、2Bにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2A、2Bについての説明を援用する。
【0099】
図8A、8Bに示す中継基板800は、中継基板118と同様に導体パターン202a、202b、202c、202dを有するが、これらの導体パターン202a等は、グランドに接続されたケース114aに中継基板800のウラ面が接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されている。これを実現するため、中継基板800は、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン818a、818b、818c、818d、818eを備えている。すなわち、導体パターン202a、202b、202c、202dは、グランドパターン818a、818b、818c、818d、818e、及び中継基板800のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物であるケース114aと共にグランデッド・コプレーナ線路を構成している。
【0100】
当該グランドパターン818a、818b、818c、818d、818eは、それぞれ、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、それぞれ導体パターン202a、202b、202c、202dとの間の距離が、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なった距離となっている。すなわち、グランドパターン818a、818b、818c、818d、818eは、中継基板800のウラ面がケース114aに当接したときに、又はケース114aと当接し且つ当該ケース114aとの間に例えば導電性接着剤等の導電性素材が介在して電気的に接続されたときに、導体パターン202a、202b、202c、202dがグランデッド・コプレーナ線路として機能するように設計されている。また、グランドパターン818a、818b、818c、818d、818eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なり、ビアホールを有さなくても良い。
【0101】
そして、特に、中継基板800は、そのウラ面が導電性素材850(例えば、ロウ材、ハンダ、導電性接着剤など)によりケース114aに固定され且つ電気的に接続されるが、図8Bに示すように、当該ウラ面のうち変調器側エッジ212から所定の距離d61以内の範囲には導電性素材850が塗布されず、当該範囲とケース114aとの電気的接続が不完全な状態(例えば、導電性接着剤を介した接続に比べて、(表面凹凸の全面が接触しないという意味において)接触面積が小さいか、又は接触抵抗が大きい状態)となっている。
【0102】
このため、中継基板800では、導体パターン202a等は、変調器側エッジ212の近傍においてケース114aのグランド電位による高周波信号の閉じ込め効果が弱まることとなるので、導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の一部が変調器側エッジ212近傍で放射される(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる)。その結果、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量は低減され、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0103】
なお、本変形例の中継基板800においては、導体パターン202a、202b、202c、202dは、中継基板800のウラ面がケース114aに電気的に接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されているものとしたが、これに限らず、通常の(グランデッド・コプレーナ線路でない)コプレーナ線路として構成してもよい。その場合でも、中継基板800においては変調器側エッジ212の近傍におけるグランド電位導体(すなわちケース114a)との電気的な位置関係(又は接続関係)が他の部分に比べて変化するので(すなわち、変調器側エッジ212から所定距離d61の範囲ではケース114aと電気的接触が不完全であるので)、実質的に、当該変調器側エッジ212の近傍において導体パターン202a等から高周波の放射を発生させて共鳴遷移を抑制することができる。
【0104】
〔第7の変形例〕
次に、第1の実施形態に係る光変調器100についての第7の変形例について説明する。
図9A、9Bは、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板900の構成を、それぞれ図2A、2Bに対応する部分詳細図により示した図である。図9A、9Bにおいて、図2A、2Bに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2A、2Bにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2A、2Bについての説明を援用する。
【0105】
図9A、9Bに示す中継基板900は、中継基板118と同様に導体パターン202a、202b、202c、202dを有するが、これらの導体パターン202a等は、グランドに接続されたケース114aに中継基板900のウラ面が接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されている。これを実現するため、中継基板800は、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン918a、918b、918c、918d、918eを備えている。すなわち、導体パターン202a、202b、202c、202dは、グランドパターン918a、918b、918c、918d、918e、及び中継基板900のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物であるケース114aと共にグランデッド・コプレーナ線路を構成している。
【0106】
当該グランドパターン918a、918b、918c、918d、918eは、それぞれ、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、それぞれ導体パターン202a、202b、202c、202dとの間の距離が、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なった距離となっている。すなわち、グランドパターン918a、918b、918c、918d、918eは、中継基板900のウラ面がケース114aに当接したときに、導体パターン202a、202b、202c、202dがグランデッド・コプレーナ線路として機能するように設計されている。また、グランドパターン918a、918b、918c、918d、918eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なり、ビアホールを有さなくても良い。
【0107】
特に、中継基板900のウラ面には、図9Bに示すように、変調器側エッジ212から所定距離d71以内の範囲を除き、金属パターン900a(図示斜線部分)が設けられている。そして、中継基板900は、当該金属パターン900aが導電性素材950(例えば、ロウ材、ハンダ、導電性接着剤など)によりケース114aに固定され且つ電気的に接続される。すなわち、中継基板900のウラ面は、変調器側エッジ212から所定距離d71の範囲内では、ケース114aとの電気的接続が不完全な状態(すなわち、当該所定距離d71の範囲外におけるケース114aとの電気的接続に比べて、(表面凹凸の全面が接触しないという意味において)接触面積が小さいか、又は接触抵抗が大きい状態)となっている。
【0108】
このため、中継基板900では、導体パターン202a等は、変調器側エッジ212の近傍においてケース114aのグランド電位による高周波信号の閉じ込め効果が弱まることとなり、導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の一部が変調器側エッジ212近傍で放射される(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる)。その結果、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量は低減され、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0109】
なお、本変形例の中継基板900においては、導体パターン202a、202b、202c、202dは、中継基板900のウラ面がケース114aに電気的に接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されているものとしたが、これに限らず、通常の(グランデッド・コプレーナ線路でない)コプレーナ線路として構成してもよい。その場合でも、中継基板900においては変調器側エッジ212の近傍におけるグランド電位導体(すなわちケース114a)との電気的な位置関係(又は接続関係)が他の部分に比べて変化するので(すなわち、変調器側エッジ212から所定距離d71の範囲ではケース114aとの電気的接触が不完全であるので)、実質的に、当該変調器側エッジ212の近傍において導体パターン202a等から高周波の放射を発生させて共鳴遷移を抑制することができる。
【0110】
〔第8の変形例〕
次に、第1の実施形態に係る光変調器100についての第8の変形例について説明する。
図10A、10Bは、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板1000の構成を、それぞれ図2A、2Bに対応する部分詳細図により示した図である。図10A、10Bにおいて、図2A、2Bに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2A、2Bにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2A、2Bについての説明を援用する。
【0111】
図10A、10Bに示す中継基板1000は、中継基板118と同様に導体パターン202a、202b、202c、202dを有するが、これらの導体パターン202a等は、グランドに接続されたケース114aに中継基板1000のウラ面が接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されている。これを実現するため、中継基板800は、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018eを備えている。すなわち、導体パターン202a、202b、202c、202dは、グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018e、及び中継基板1000のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物であるケース114aと共にグランデッド・コプレーナ線路を構成している。
【0112】
当該グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018eは、それぞれ、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、それぞれ導体パターン202a、202b、202c、202dとの間の距離が、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なった距離となっている。すなわち、グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018eは、中継基板900のウラ面がケース114aに当接したときに、又はケース114aと当接し且つ当該ケース114aとの間に例えば導電性接着剤等が塗布されて電気的に接続されたときに、導体パターン202a、202b、202c、202dがグランデッド・コプレーナ線路として機能するように設計されている。また、グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なり、ビアホールを有さなくても良い。
【0113】
そして、特に、中継基板1000は、図10Bの左右方向に沿った長さが中継基板118より長く、ケース114aに固定されたときに、ケース114aの台座部114a−3から図示左右方向に所定距離d81にわたって突き出るように構成されている(すなわち、変調器側エッジ212から図示左右方向に所定距離d81の範囲の部分が台座部114a−3から出っ張るように構成されている)。
【0114】
このため、中継基板1000では、導体パターン202a等は、変調器側エッジ212の近傍においてケース114aのグランド電位による高周波信号の閉じ込め効果が弱まることとなり、導体パターン202a等を伝搬する高周波信号の一部が変調器側エッジ212近傍で放射される(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる)。その結果、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量は低減され、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0115】
なお、本実施形態では、図10Bの左右方向に沿った中継基板1000の長さが中継基板118より長くなるようにして、変調器側エッジ212から図示左右方向に沿って所定の距離d81の部分がケース114aの台座部114a−3から出っ張るように構成したが、これに限らず、図10Bの左右方向に沿った台座部114a−3の長さを中継基板1000の長さより短くして、変調器側エッジ212から図示左右方向に沿って所定の距離d81の部分がケース114aの台座部114a−3から出っ張るように構成してもよい。
【0116】
また、本変形例の中継基板1000においては、導体パターン202a、202b、202c、202dは、中継基板1000のウラ面がケース114aに電気的に接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されているものとしたが、これに限らず、通常の(グランデッド・コプレーナ線路でない)コプレーナ線路として構成してもよい。その場合でも、中継基板1000においては変調器側エッジ212の近傍におけるグランド電位導体(すなわちケース114a)との電気的な位置関係(又は接続関係)が他の部分に比べて変化するので(すなわち、変調器側エッジ212から所定距離d81の範囲ではケース114aと電気的に接触しないので)、実質的に、当該変調器側エッジ212の近傍において導体パターン202a等から高周波の放射を発生させて共鳴遷移を抑制することができる。
【0117】
〔第9の変形例〕
次に、第1の実施形態に係る光変調器100についての第9の変形例について説明する。
図11A、11Bは、中継基板118に代えて用いることのできる本変形例に係る中継基板1100の構成を、それぞれ図2A、2Bに対応する部分詳細図により示した図である。図11A、11Bにおいて、図2A、2Bに示す中継基板118と同じ構成要素については、図2A、2Bにおける符号と同じ符号を用いるものとし、上述した図2A、2Bについての説明を援用する。
【0118】
図11A、11Bに示す中継基板1100は、中継基板118と同様に、グランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成された導体パターン202a、202b、202c、202dを備えるが、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン1118a、1118b、1118c、1118d、1118eを有する点が異なる。当該グランドパターン1118a、1118b、1118c、1118d、1118eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、従来と同様に同一の径を持って変調器側エッジ212の近傍まで分布して配されたビアホール1120を備える点が異なる。
【0119】
そして、特に、中継基板1100は、図11Bにおける上下方向に沿った高さが中継基板118より厚く、当該中継基板1100のウラ面が導電性接着剤やロウ材等によりケース114aに固定され且つ電気的に接続されたたときに、図示上下方向に沿う中継基板1100のオモテ面の位置(即ち、高さ)が、図11Bに示すように、光変調素子102のオモテ面の高さよりも図示上下方向に所定の高さ距離d91だけ高くなるように構成されている。
【0120】
このため、中継基板1100では、中継基板1100のオモテ面と光変調素子102のオモテ面との間に所定の高さ距離d91の段差が存在することとなり、導体パターン202a等とRF電極112a等とをつなぐ導体ワイヤ206a等の長さが長くなると共に、導体パターン202a等から、対応するRF電極112a等に至るまでの物理的な連続性が乱される(例えば、導体パターン202aの端部直近に、対応するRF電極112aの端部が存在しない)。
【0121】
これにより、中継基板1100では、変調器側エッジ212の近傍において導体パターン202a等から高周波信号が放射され易くなるので、その分、導体パターン202a、202b、202c、202dを伝搬する高周波信号のうち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部において反射する高周波信号の反射量は低減され(すなわち、導体パターン202a等とRF電極112a等との接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなり)、導体パターン202a、202b、202c、202d間の共鳴遷移が抑制される。
【0122】
なお、本変形例では、中継基板1100の厚さが中継基板118より厚く構成されることにより、中継基板1100のオモテ面が光変調素子102のオモテ面よりも高くなるものとしたが、これに限らず、例えば中継基板1100の厚さを中継基板118の厚さと同じとし、ケース114aのうち中継基板1100が取り付けられる台座部114a−3の図示上下方向に沿った高さを高くすることにより、又は光変調素子102の厚さを薄くすることにより、中継基板1100のオモテ面が光変調素子102のオモテ面よりも高くなるよう構成されるものとしてもよい。
【0123】
また、本変形例では、中継基板1100のオモテ面が光変調素子102のオモテ面よりも高くなるよう構成されるものとしたが、これに限らず、中継基板1100のオモテ面が光変調素子102のオモテ面よりも低くなるよう構成して、導体パターン202a等からRF電極112a等に至るまでの物理的な連続性を乱すものとしてもよい。ただし、本変形例のように中継基板1100のオモテ面が光変調素子102のオモテ面よりも高くなるよう構成した方が、導体パターン202a等から放射されたのち光変調素子102に当たって反射する高周波の量が抑制されるので、より良好な共鳴遷移抑制効果を得ることができる。
【0124】
さらに、中継基板のオモテ面と光変調素子のオモテ面との高さを異なるものとして共鳴遷移を抑制する本変形例の構成は、導体パターンがグランデッド・コプレーナ線路として形成されていない中継基板(例えば、導体パターンが通常の(グランデッドでない)コプレーナ線路として形成されている中継基板)を用いた場合においても、共鳴遷移抑制効果を奏し得る。
【0125】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態及び上述した第1ないし第9の変形例のいずれかに係る光変調器を搭載した光送信装置である。
【0126】
図12は、本実施形態に係る光送信装置の構成を示す図である。本光送信装置1200は、光変調器1202と、光変調器1202に光を入射する光源1204と、変調信号生成部1206と、変調データ生成部1208と、を有する。
【0127】
光変調器1202は、上述した第1の実施形態及び上述した第1ないし第9の変形例のいずれかに係る光変調器であるものとすることができる。ただし、以下の説明においては、冗長な記載を避けて理解を容易にするため、光変調器1202として第1の実施形態に係る光変調器100が用いられているものとする。
【0128】
変調データ生成部1208は、外部から与えられる送信データを受信して、当該送信データを送信するための変調データ(例えば、送信データを所定のデータフォーマットに変換又は加工したデータ)を生成し、当該生成した変調データを変調信号生成部1206へ出力する。
【0129】
変調信号生成部1206は、光変調器1202に変調動作を行わせるための電気信号を出力する電子回路(ドライブ回路)であり、変調データ生成部1208が出力した変調データに基づき、光変調器1202に当該変調データに従った光変調動作を行わせるための高周波信号である変調信号を生成して、光変調器1202に入力する。当該変調信号は、光変調器1202である光変調器100が備える光変調素子102の4つのRF電極112a、112b、112c、112dに対応する4つのRF信号から成る。
【0130】
当該4つのRF信号は、光変調器1202である光変調器100のFPC106を介してリードピン116a、116b、116c、116dに入力され、中継基板118を介して上記RF電極112a、112b、112c、112dにそれぞれ印加される。
【0131】
これにより、光源1204から出力された光は、光変調器1202により変調され、変調光となって光送信装置1200から出力される。
【0132】
特に、本光送信装置1200では、光変調器1202として、第1の実施形態又は上述した第1ないし第9の変形例のいずれかに係る光変調器を用いるので、安定且つ良好な光変調特性を確保することができ、従って、安定且つ良好な伝送特性を実現することができる。
【0133】
なお、上述した各実施形態では、LNを基板として用いた4つのRF電極を有する光変調素子を備える光変調器を示したが、本発明は、これに限らず、4つ以外の数の複数のRF電極を持つ光変調器、及び又はLN以外の材料を基板として用いる光変調器にも、同様に適用することができる。
【0134】
以上、説明したように、上述した実施形態及びその変形例に係る光変調器では、変調器側エッジ212近傍部分における導体パターン202a等の高周波の閉じ込め効果を弱めること等により、当該部分において高周波信号が放射されるようにすることで、当該部分における高周波の反射量(従って反射率)を低減する。その結果、導体パターン間の共鳴遷移を抑制して、光変調素子における光変調特性の悪化を防止することができる。
【0135】
なお、上述した第1の実施形態及びその変形例の構成は、互いに排他的ではなく、一の中継基板において構造的に矛盾なく組み合わせることができる範囲において、互いに組み合わせて用いることができる。例えば、第1の実施形態における中継基板118のビアホールの構成と、厚さの異なる2つの部分を有する第5の変形例における中継基板700の構成とを組み合わせて、一の中継基板を構成するものとすることができる。
【符号の説明】
【0136】
100、1202、1300・・・光変調器、102、1302・・・光変調素子、104、1304・・・筺体、106、1306・・・FPC、108、110、1308、1310・・・光ファイバ、112a、112b、112c、112d、1312a、1312b、1312c、1312d・・・RF電極、114a、1314a・・・ケース、114b、1314b・・・カバー、114a−3・・・台座部、116a、116b、116c、116d、1316a、1316b、1316c、1316d・・・リードピン、118、300、400、500、600、700、800、900,1000、1100、1318・・・中継基板、120、1320・・・終端器、200a、200b、200c、200d、1400a、1400b、1400c、1400d・・・ガラス封止部、202a、202b、202c、202d、1332a、1332b、1332c、1332d、1402a、1402b、1402c、1402d・・・導体パターン、206a、206b、206c、206d、222a、222b、222c、222d、222e、1406a、1406b、1406c、1406d、1418a、1418b、1418c、1418d、1418e・・・ワイヤ、208a、208b、208c、208d、1408a、1408b、1408c、1408d・・・ハンダ、210、1410・・・リードピン側エッジ、212、1412・・・変調器側エッジ、218a、218b、218c、218d、218e、318a、318b、318c、318d、318e、418a、418b、418c、418d、418e、518a、518b、518c、518d、518e、618a、618b、618c、618d、618e、718a、718b、718c、718d、718e、818a、818b、818c、818d、818e、918a、918b、918c、918d、918e、1018a、1018b、1018c、1018d、1018e、1118a、1118b、1118c、1118d、1118e・・・グランドパターン、220a、220b、320、420、520、620、1120・・・ビアホール、850、950・・・導電性素材、900a・・・金属パターン、1200・・・光送信装置、1204・・・光源、1206・・・変調信号生成部、1208・・・変調データ生成部、1330・・・回路基板。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
【手続補正書】
【提出日】2018年3月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の信号電極を備える光変調素子と、
高周波信号を入力するための複数のリードピンと、
前記リードピンと前記信号電極とを電気的に接続する導体パターンが形成された中継基板と、
を備える光変調器であって、
当該リードピンと当該導体パターンとは屈曲して接続され、
少なくとも一つの前記導体パターンにつき、当該導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における前記導体パターンからの高周波の放射量が、前記導体パターンの他の部分からの放射量に比べて高くなるように、前記中継基板のオモテ面に設けるグランドパターンの前記接続部分の構成が他の部分の構成と異なっている、
光変調器。
【請求項2】
複数の信号電極を備える光変調素子と、
高周波信号を入力するための複数のリードピンと、
前記リードピンと前記信号電極とを電気的に接続する導体パターンが形成された中継基板と、
を備える光変調器であって、
前記中継基板の前記導体パターンは当該中継基板に設けられたグランドパターン及び前記中継基板のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物と共にコプレーナ線路を構成しており、
当該リードピンと当該導体パターンとは屈曲して接続され、
少なくとも一つの前記導体パターンにつき、当該導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における前記導体パターンからの高周波の放射量が、前記導体パターンの他の部分からの放射量に比べて高くなるように、前記中継基板のウラ面における前記構造物との電気的接触の態様が、前記接続部分に対応する当該ウラ面の部分において当該部分以外の部分と異なっている、
変調器。
【請求項3】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、複数のビアホールを介して前記中継基板のウラ面に設けられたグランドパターンに接続されており、
前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内に設けられた前記ビアホールの直径は、当該所定の距離範囲外に設けられたビアホールの直径よりも小さい、
請求項に記載の光変調器。
【請求項4】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、複数のビアホールを介して前記中継基板のウラ面に設けられたグランドパターンに接続されており、
前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内には前記ビアホールが設けられていない、
請求項に記載の光変調器。
【請求項5】
前記導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における前記導体パターンからの高周波の放射量が、前記導体パターンの他の部分からの放射量に比べて高くなるように、前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内において、当該グランドパターンに隣接する前記導体パターンの長さ方向に沿って前記グランドパターンの他の部分より狭い所定の幅で延在するよう構成されている、
請求項1に記載の光変調器。
【請求項6】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンは、前記接続部分に最も近い前記中継基板のエッジから所定の距離範囲内には延在しない、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項7】
前記中継基板のオモテ面に設けられた前記グランドパターンと、前記光変調素子に設けられたグランド電極と、を接続するワイヤのうち、隣接する前記導体パターンに最も近い位置のワイヤは、当該グランドパターンのエッジのうち当該隣接する導体パターン側のエッジから所定距離離れた位置において当該グランドパターンに接続されており、
前記所定距離は、前記隣接する導体パターン側のエッジと、当該隣接する導体パターンのエッジとの距離以上である、
請求項に記載の光変調器。
【請求項8】
前記中継基板のウラ面は、前記接続部分に最も近いエッジから所定の距離の範囲以外の部分が前記構造物に対し導電性材料を介して電気的に接続され、前記所定の距離の範囲内の部分は前記構造物に対し導電性材料を介しては接続されていない、
請求項2に記載の光変調器。
【請求項9】
前記中継基板は、前記所定の距離の範囲内の部分の厚さが当該所定の距離の範囲以外の部分の厚さより薄く構成されている、
請求項に記載の光変調器。
【請求項10】
前記中継基板のウラ面には、前記所定の距離の範囲以外の部分に金属膜が設けられており、当該所定の距離の範囲内の部分には前記金属膜が設けられていない、
請求項に記載の光変調器。
【請求項11】
前記中継基板は、前記所定の距離の範囲内の部分が、前記構造物のエッジから突き出るように当該構造物に取り付けられている、
請求項ないし10のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項12】
複数の信号電極を備える光変調素子と、
高周波信号を入力するための複数のリードピンと、
前記リードピンと前記信号電極とを電気的に接続する導体パターンがそのオモテ面に形成された中継基板と、
を備える光変調器であって、
当該リードピンと当該導体パターンとは屈曲して接続され、
前記導体パターンと前記信号電極との接続部分近傍における前記導体パターンからの高周波の放射量が、前記導体パターンの他の部分からの放射量に比べて高くなるように、前記中継基板のオモテ面と、前記光変調素子の前記信号電極が形成された面と、が前記導体パターンと前記信号電極とを接続する部分において段差を形成している、
光変調器。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の光変調器と、
当該光変調器に変調動作を行わせるための電気信号を出力する電子回路と、
を備える、
光送信装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
上記構成により、光変調器1300では、回路基板1330上に形成された導体パターン1332a、1332b、1332c、1332d(図1A)からFPC1306を介してリードピン1316a、1316b、1316c、1316dに入力された高周波電気信号が、中継基板1318を介して光変調素子1302のRF電極1312a、1312b、1312c、1312dへ入力される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
これにより、本実施形態の光変調器100では、変調器側エッジ212近傍部分において、中継基板118のオモテ面のグランドパターン218a等とウラ面のグランドパターン(不図示)とを接続するビアホール220bの断面積が、当該近傍部分以外の部分に設けられたビアホール220aの断面積に比べて減少する結果(すなわち、変調器側エッジ212近傍部分における、ウラ面のグランドパターンとオモテ面のグランドパターンを接続する導体の抵抗が増加し、両面のグランドパターンの電位を安定に保持する性能(接地性能)が低下する結果)、各グランドパターン218b、218c、218d、218eに挟まれた導体パターン202a、202b、202c、202dにおける、変調器側エッジ212の近傍での高周波信号の閉じ込めの程度が、他の部分に比べて弱くなる。このため、導体パターン202a、202b、202c、202dをそれぞれ伝搬した高周波信号の一部が、当該変調器側エッジ212の近傍においてそれぞれ僅かに中継基板118の内部や光変調素子102の内部若しくは空中へ放射されることとなる。すなわち、当該導体パターン202a、202b、202c、202dとRF電極112a、112b、112c、112dとの接続部またはその近傍部を含む変調器側エッジ212近傍部分(接続部分近傍)(例えば、当該接続部を含む所定の範囲内、又は当該接続部及び当該接続部から所定距離の範囲内)における、高周波の放射量が、他の部分に比べて高まることとなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
ここで、所定の距離d31は、大きすぎると導体パターン202a等からの高周波の放射パワーの比率が大きくなりすぎて伝搬特性に影響を与えることから、好適には、動作周波数が10GHzを超える周波数範囲では、例えば、
d31≦100μm (
とすることが望ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
ここで、所定の距離d42、d43は、導体パターン202a等からの高周波の放射パワーの比率を有意なレベルとすべく、好適には、それぞれ、隣接する導体パターン202a、202bのエッジと、これらエッジに対向するグランドパターン618bの対応するエッジとの間の距離d44、d45以上であることが好ましい。すなわち、
d42≧d44 (
d43≧d45 (
とすることが望ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
なお、本変形例では、グランドパターン618bに2本の導体ワイヤ202b−1、202b−2が接続される構成としたが、導体ワイヤの数は、これに限らず、任意の数とすることができる。すなわち、例えば4本の導体ワイヤをグランドパターン618bに接続した場合には、当該4本の導体ワイヤのうち、隣接する導体パターン202a、202bに最も近い導体ワイヤをそれぞれ導体ワイヤ202b−1、202b−2であるものとして、上記(4)式、(5)式が満たされるように配置すればよい。上記の()式、()式は両方満たす必要はなく一方の、どちらか一方の式を満たすことで一定の効果を得ることができる。これは他のグランドパターンについても同様である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
他のグランドパターン618a、618c、618d、618eについての構成は、上
述したグランドパターン618bについての構成と同様である。ここで、グランドパター
ン618a、618eは、それぞれ図示左右のいずれか一方にのみ隣接する導体パターン
202a、202dを有するので、導体ワイヤ222a、222eの位置は、それぞれ隣
接する導体パターン202a、202dまでの距離に対して上記式()又は()が満
たされるようにすればよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
図9A、9Bに示す中継基板900は、中継基板118と同様に導体パターン202a、202b、202c、202dを有するが、これらの導体パターン202a等は、グランドに接続されたケース114aに中継基板900のウラ面が接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されている。これを実現するため、中継基板00は、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン918a、918b、918c、918d、918eを備えている。すなわち、導体パターン202a、202b、202c、202dは、グランドパターン918a、918b、918c、918d、918e、及び中継基板900のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物であるケース114aと共にグランデッド・コプレーナ線路を構成している。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
図10A、10Bに示す中継基板1000は、中継基板118と同様に導体パターン202a、202b、202c、202dを有するが、これらの導体パターン202a等は、グランドに接続されたケース114aに中継基板1000のウラ面が接触したときにグランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成されている。これを実現するため、中継基板1000は、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018eを備えている。すなわち、導体パターン202a、202b、202c、202dは、グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018e、及び中継基板1000のウラ面に当接するグランド電位に接続された構造物であるケース114aと共にグランデッド・コプレーナ線路を構成している。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
当該グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018eは、それぞれ、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、それぞれ導体パターン202a、202b、202c、202dとの間の距離が、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なった距離となっている。すなわち、グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018eは、中継基板1000のウラ面がケース114aに当接したときに、又はケース114aと当接し且つ当該ケース114aとの間に例えば導電性接着剤等が塗布されて電気的に接続されたときに、導体パターン202a、202b、202c、202dがグランデッド・コプレーナ線路として機能するように設計されている。また、グランドパターン1018a、1018b、1018c、1018d、1018eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eとは異なり、ビアホールを有さなくても良い。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
図11A、11Bに示す中継基板1100は、中継基板118と同様に、グランデッド・コプレーナ線路として機能するよう構成された導体パターン202a、202b、202c、202dを備えるが、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eに代えて、グランドパターン1118a、1118b、1118c、1118d、1118eを有する点が異なる。当該グランドパターン1118a、1118b、1118c、1118d、1118eは、グランドパターン218a、218b、218c、218d、218eと同様の構成を有するが、従来と同様に同一の径を持って変調器側エッジ212の近傍まで分布して配されたビアホールを備え得る
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7B
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8B
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9B
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10B
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11B