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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-130104(P2018-130104A)
(43)【公開日】2018年8月23日
(54)【発明の名称】草刈作業機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/86 20060101AFI20180727BHJP
   A01D 34/67 20060101ALI20180727BHJP
【FI】
   A01D34/86
   A01D34/67 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-28483(P2017-28483)
(22)【出願日】2017年2月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100102015
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志
(72)【発明者】
【氏名】戸田 勉
(72)【発明者】
【氏名】甲地 重春
(72)【発明者】
【氏名】横浜 雅透
(72)【発明者】
【氏名】梅田 洵平
(72)【発明者】
【氏名】栗原 英治
(72)【発明者】
【氏名】西川 純
(72)【発明者】
【氏名】山下 晃平
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA03
2B083BA15
2B083CA17
2B083CA28
2B083CB14
2B083DA03
2B083HA31
2B083HA32
2B083HA34
2B083HA59
2B083HA60
(57)【要約】
【課題】
自動的に畦に沿って走行して草刈作業が可能な、草刈作業機あるいは畦草刈機を提供するため、作業者の負担が軽減される。
【解決手段】
本体部21と、本体部21に設けた走行部31と、本体部21前方部に設けた畦の草刈作業を行なう草刈作業部41と、本体部21の側方の畦Aの法面A1に当接して前記走行部31の走行方向を畦Aに沿わせて誘導する誘導手段51が設けられる草刈作業機11を提供する。
前記誘導手段51は、畦Aに当接して前後進方向に回転自在であり前後に一対離間して設けられた誘導輪52を備え、草刈作業を行なう法面A1の一側方に当接可能に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
本体部に設けた走行部と、
本体部前方部に設けた畦の草刈作業を行なう草刈作業部と、
本体部の側方の畦の法面に当接して前記走行部の走行方向を畦に沿わせて誘導する誘導手段とが設けられ、
前記誘導手段は、畦に当接して前後進方向に移動自在であり、前後に一対離間して設けられた接地部材又は前後方向に一定の長さの接地部を備え、
草刈作業を行なう法面の一側方に当接可能に設けられている草刈作業機。
【請求項2】
前記走行部は、本体部の左右に一対設けた走行用クローラベルトが駆動されて走行する走行部であり、
前記誘導手段の接地部材は、畦に当接して前後進方向に回転自在であり前後に一対離間して設けられた誘導輪であり、
前記誘導手段の誘導輪の前後方向の離間距離は、走行用クローラベルトを駆動する駆動輪と従動輪の前後方向の中心距離より長い請求項1 に記載の草刈作業機。
【請求項3】
前記誘導手段の誘導輪は、左右側方の法面の何れかの位置を選択して当接可能に設けられている請求項 1 又は2記載の草刈作業機。
【請求項4】
前記誘導手段を法面に当接させた作業において、誘導手段を当接させた法面側に位置するクローラベルトの回転速度を他方のクローラベルトの回転速度より速く回転するように制御する制御部を備え、
前記誘導手段の誘導輪が左右それぞれの位置に変更されると、位置変更させた側のクローラベルトの回転速度が他方のクローラベルトの回転速度より自動的に速く回転するように制御されている請求項1 乃至3の何れかに記載の草刈作業機。
【請求項5】
前記誘導手段の誘導輪は、左右いずれの法面にも当接しないで草刈作業機の上方部に位置する非作用状態に保持可能で、非作用状態に位置させると自動的に、左右のクローラベルトの回転速度を制御して直進状態にする請求項1 乃至4の何れかに記載の草刈作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈作業機に係る。詳細には、自動的に畦に沿って走行して草刈作業が可能な、草刈作業機あるいは畦草刈機に係る。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載の「草刈機」は、「一方の回転刃を下方に傾斜させて使用する場合の説明図」である図5の図示がある。また、「1. 図5に示すように法面G2が上面G1に対して下り傾斜面である場合、まず草刈機C1を上面G1に乗せ、ガイド車輪21、31の高さを固定具314等により調整する。これにより、回転刃4の刈高が設定される。
次に、角度調整装置を調整して可動カッター基台3の角度を調整し、回転刃4aの回転刃43aの刃面が法面G2とほぼ平行になるように固定する。これにより、草刈機C1はふらつかず、安定した走行ができる。なおこのとき、伝動軸5の伸縮軸53は伸びた状態である。そして回転刃4、4aを駆動し、草刈機C1を走行させれば、上面G1と片側の法面G2の草を同時に刈り取ることができる。」旨の記載がある([0033])。また、図1の図示がある。
【0003】
特許文献2記載の「草刈機」には、「 刈取部2の上部位置には草刈ガイドカバー4を取り付け取り外しが容易に装着している。カバー形状は刈取部2の上部を覆う部分は平らに、前方先端に向かって上向きに傾斜を付けている。また下部には、前方先端の左右(LR)の両端から刈取部中央に向かって草を導き入れ収集するガイド壁である集草ガイド411を設けている。」からなる([0009])。また、その旨の図示が図4にある。
【0004】
特許文献3「畦際草刈り機」には、「水平刈刃14及び傾斜刈刃16を同時に駆動せしめて、前述のように畦9の三面9a,9b,9cを同時に草刈り作業するが、上記構造により左右の傾斜刈刃16は同方向に回転して作業を行う。」([0020])、及び、「該水平刈刃14の左右両側方に畦側面9b,9cに沿って傾斜させられて設けられた傾斜刈刃16とを互いに前後方向に変位させた位置に設けた。」との記載がある([要約]、[課題])。また、その旨の図1図2の記載がある。
【0005】
特許文献4記載の「畦の雑草刈機」は、「傾斜回転刃板4で畦1両面側面1bの雑草を刈り取りする。」([作用])、「傾斜回転刃4で両側面1bの雑草を刈り取りするものであるから同時に畦1の三面の雑草の刈取りが出来る」([考案の効果])、に係る。また、第2図の図示がある。
【0006】
特許文献5記載の「草刈機」は、「走行路面とこれの横一側に連なる斜面との二面を・・・同時に草刈りできる草刈機」に係る([要約]「目的」)。
そして、「左右一対の走行車輪6a,6bを備えた車体1の前方に、走行路面S1 に作用する第1刈取装置2と、走行路面S1 の一側端に連なる斜面S2 に作用する第2刈取装置3とを配設し、第2刈取装置3と走行車輪6a,6bの間の箇所に前記斜面S2 に接するガイド輪14を設けると共に、左右走行車輪6a,6bに速度差をつけて第2刈取装置3とガイド輪14が斜面S2 に押しつけられるように車体1を斜行前進させる走行調整手段を設ける。」([要約]「構成」)。
【0007】
「草刈機において、前記走行装置と第2刈取装置との間において前記斜面に接するガイド部材を配設すると共に、左右走行装置に速度差をつけて車体を斜面の存在側と反対側に斜行前進させる走行調整手段を備えた」([0004])、「前進して走行路面及び斜面の草刈りを行う」([0006])、「第2パイプフレーム11の遊端側にはステー13を介してガイド部材の一例であるガイド輪14が遊転自在に配設されている。」([0007])、「左右走行車輪6a,6bに代えてクローラ走行装置を用いるもよく、更に、左右走行装置6a,6bを夫々独立に変速駆動できるようにして左右に速度差を与え、車体1を斜行前進させることも可能である。又、車体姿勢を規制するガイド部材としてのガイド輪14に代えて橇状のものを用いてもよい。」とする([0008])。
更に、これら記載に係る図1図2の図示がある。
【0008】
特許文献6記載の「草刈機」には、「機体1には上面刈取装置15と法面刈取装置16が設けられている。」旨の記載がある(明細書6頁15乃至16行)。
「ケース28には前後に支持輪36,37を設けている。」(明細書8頁18乃至19行)、「ケース28を蝶番27を中心に回動し、ケース28を法面の傾斜角度に合わせて傾斜させる。」旨の記載がある(明細書11頁18乃至19行)。
更に、図2図4には、支持輪36、支持輪37の図示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−25800号公報
【特許文献2】特開2016−2032号公報
【特許文献3】特開平11−9053号公報
【特許文献4】実開平1−168127号公報
【特許文献5】実開平5−20531号公報
【特許文献6】実開平4−48937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1乃至4および特許文献6には、自動的に畦に沿って走行して草刈作業が可能な、草刈作業機あるいは畦草刈機についての開示はない。
特許文献5には、本体部の側方の畦の法面に当接して前記走行部の走行方向を畦に沿わせて誘導する誘導手段が設けられているが、該誘導手段は、畦に当接して前後進方向に回転自在であり前後に一対離間して設けられた誘導輪を備えるものではなく、安定した走行を確実に行うには改良の余地がある。
【0011】
本発明の目的は、自動的に畦に沿って安定走行して草刈作業が可能な、草刈作業機あるいは畦草刈機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の草刈作業機は、
本体部と、
本体部に設けた走行部と、
本体部前方部に設けた畦の草刈作業を行なう草刈作業部と、
本体部の側方の畦の法面に当接して前記走行部の走行方向を畦に沿わせて誘導する誘導手段とが設けられ、
前記誘導手段は、畦に当接して前後進方向に移動自在であり、前後に一対離間して設けられた接地部材又は前後方向に一定の長さの接地部を備え、
草刈作業を行なう法面の一側方に当接可能に設けられている。
【0013】
更に加えて、本発明の草刈作業機は、
前記走行部は、本体部の左右に一対設けた走行用クローラベルトが駆動されて走行する走行部であり、
前記誘導手段の接地部材は、畦に当接して前後進方向に回転自在であり前後に一対離間して設けられた誘導輪であり、
前記誘導手段の誘導輪の前後方向の離間距離は、走行用クローラベルトを駆動する駆動輪と従動輪の前後方向の中心距離より長い。
【0014】
更に加えて、本発明の草刈作業機は、
前記誘導手段の誘導輪は、
左右側方の法面の何れかの位置を選択して当接可能に設けられている。
【0015】
更に加えて、本発明の草刈作業機は、
前記誘導手段を法面に当接させた作業において、誘導手段を当接させた法面側に位置するクローラベルトの回転速度を他方のクローラベルトの回転速度より速く回転するように制御する制御部を備え、
前記誘導手段の誘導輪が左右それぞれの位置に変更されると、位置変更させた側のクローラベルトの回転速度が他方のクローラベルトの回転速度より自動的に速く回転するように制御されている。
【0016】
更に加えて、本発明の草刈作業機は、
前記誘導手段の誘導輪は、左右いずれの法面にも当接しないで草刈作業機の上方部に位置する非作用状態に保持可能で、非作用状態に位置させると自動的に、左右のクローラベルトの回転速度を制御して直進状態にする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、自動的に畦に沿って安定走行して草刈作業が可能な、草刈作業機あるいは畦草刈機を提供するため、作業者の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付け畦法面に設置した状態の斜視図である。
図2】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付け畦法面に設置した状態の平面図である。
図3】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付けた状態の左側面図である。
図4】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向右側に取り付けかつ、誘導装置を上方に跳ね上げた搬送状態の平面図である。
図5】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向右側に取り付けかつ、誘導装置を上方に跳ね上げた左側面図である。
図6】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付け畦法面に設置した状態の正面一部断面図である。
図7】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向右側に取り付け畦法面に設置した状態の正面一部断面図である。
図8】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付け畦法面に設置し、かつ、草刈作業部の進行方向左側で畦法面を草刈状態の平面図である。
図9】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付け畦法面に設置し、かつ、草刈作業部の進行方向左側で畦法面を草刈状態の正面図である。
図10】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付け畦法面に設置し、かつ、草刈作業部の進行方向左右両側で畦法面を草刈状態とした平面図である。
図11】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付け畦法面に設置し、かつ、草刈作業部の進行方向左右両側で畦法面を草刈状態とした正面図である。
図12】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付けた状態の一部拡大正面断面図である。
図13】この発明の実施の形態に係る草刈作業機において誘導手段を進行方向左側に取り付けた状態の一部拡大正面断面図である。
図14】この発明の実施の形態に係る草刈作業機の草刈作業部の断面した正面図である。
図15】この発明の実施の形態に係る草刈作業機の草刈作業部の回動ロックピン部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施の一形態に係る実施例を、図1乃至図14に図示する図面に基づいて説明する。
11は、本発明の草刈作業機である。草刈作業機11は、畦Aの草刈作業を行なう。
21は、草刈作業機11の本体部である。本体部21には、走行部31、草刈作業部41、誘導手段51を設ける。誘導手段51は倣い走行手段である。
22は、バッテリーである。バッテリー22は、本体部21の後部に設置され、走行部31、草刈作業部41にそれぞれ設置されるモータに電力を供給し駆動させる。
23は、操作ハンドルである。操作ハンドル23は、本体部21の後部に立ち上げ状に設置する。
24は、刈刃部昇降回転軸である。刈刃部昇降回転軸24は、草刈作業部41を上下動させるときの回動支点である。
【0020】
41は、草刈作業部である。草刈作業部41は、本体部21前方部にそれぞれ2個設ける。
43は、刈刃部昇降アームである。刈刃部昇降アーム43は、ほぼコ字状から成る前方部アームと、コ字状左右部からそれぞれ相互に平行に後方に向かって延設された直線状の後方部アームからなり、本体部21に一端を保持された刈刃部昇降用電動シリンダ431でコ字状中央部の下方部を回動自在に連結保持し、後方部アームの後端部を前記刈刃部昇降回動軸24に上下回動自在に連結されて草刈作業部41を支持する。刈刃部昇降アーム43は、刈刃部昇降用電動シリンダ431の伸縮によって刈刃部昇降回動軸24を中心に上下に回動して草刈作業部41を昇降させる。
刈刃部昇降用電動シリンダ431の作動により、刈刃部昇降アーム43は上下動され、刈刃部昇降アーム43が上に行くと、草刈作業機11の搬送時用、刈刃部昇降アーム43を下にすると、草刈作業機11の草刈時用である。
422は、草刈作業部41の水平回動軸である水平方向回転支点である。425は、水平プレートである。
刈刃部昇降アーム43の両端には、それぞれ水平方向回転支点422、水平プレート425が取り付けられる。水平プレート425は、図1図8に図示されるように、水平方向回転支点422を回動中心として回動可能に水平方向回転支点422に取り付けられる。
【0021】
26は、刈刃部水平回動操作ハンドルである。刈刃部水平回動操作ハンドル26は、操作ハンドル23の外側に取り付けられる。
261は、刈刃部水平回動用ロックピン解除レバーである。426は、刈刃部水平回動用ロックピンである。刈刃部水平回動用ロックピン解除レバー261は、刈刃部水平回動用ロックピン426を外すレバーである。刈刃部水平回動用ロックピン426は、刈刃部昇降アーム43側に取り付けられ、刈刃部水平回動用ロックピン解除レバー261と刈刃部水平回動用ロックピン426は、コントロールケーブルで連結されていて、握ることによって水平回動のロックを解除する。
263は、ロッドである。ロッド263は、刈刃部水平回動操作ハンドル26下端と草刈作業部41に設けられた水平プレート425とを連結し、前後に刈刃部水平回動操作ハンドル26を操作すると、一方の草刈作業部41が水平回動する。
27は、操作スイッチである。本実施例の草刈作業機11は、作業者が操作ハンドル23を操作して作業が可能であるとともに、無線通信によって遠隔操作可能であり、操作スイッチ27部で各操作の設定や操作が行える。
【0022】
25は、刈刃部上下回動操作ハンドルである。この実施例では、草刈作業部41は左右2個からなるため、刈刃部上下回動操作ハンドル25は、2個それぞれ操作ハンドル23の内側に基部を取り付けて設けられる。
251は、刈刃部上下回動用ロックピン解除レバーである。刈刃部上下回動用ロックピン解除レバー251は、刈刃部上下回動操作ハンドル25に取り付ける。刈刃部上下回動用ロックピン解除レバー251は、上下回動する草刈作業部41の回動を固定するための刈刃部上下回動用ロックピン427を外すレバーである。
すなわち、刈刃部上下回動用ロックピン427は、図15に示すように水平方向回転支点422と同軸上に上下摺動自在に設けられ、刈刃部上下回動用ロックピン解除レバー251とコントロールケーブルで連結されていて、刈刃部上下回動用ロックピン解除レバー251を握ることによって下方に位置する刈刃部アーム42との係合が外れ、上下回動のロックを解除する。
253は、ワイヤーである。ワイヤー253は、刈刃部上下回動操作ハンドル25に一端を、草刈作業部41側に設けられた刈刃部アーム42に他端が固定される。
刈刃部上下回動用ロックピン解除レバー251の操作により、ロックを解除して刈刃部上下回動操作ハンドル25を前方に倒し、ワイヤー253を緩めると刈刃作業部41が畦法面A1際に落ちる。
【0023】
31は、本体部21に設けた走行部である。32は走行部31における駆動輪である。
駆動輪32は、本体部の左右に一対設けた右側走行用クローラベルト321、左側走行用クローラベルト322を駆動する。図3図5に図示されるように、32はクローラベルトの駆動輪で前方に位置し、324はクローラベルトの従動輪で後方に位置する。
33は、駆動輪駆動用モータである。駆動輪駆動用モータ33は、バッテリー22で駆動される。
駆動輪駆動用モータ33は、この実施例では、右側走行用クローラベルト321、左側走行用クローラベルト322を駆動する駆動輪32の回転軸と同軸上に設けることができるインホイールモータを使用している。
右側走行用クローラベルト321、左側走行用クローラベルト322が、それぞれに設置された駆動輪駆動用モータ33により駆動されて、草刈作業機11は走行する。そのため、左右輪の速度変更がし易い。
【0024】
426は、刈刃部水平回動用ロックピンである。刈刃部水平回動用ロックピン426は、刈刃部昇降アーム43側に取り付けられる。刈刃部水平回動用ロックピン426は、水平プレート425に設けられた嵌合孔と嵌合して水平プレート425の回動をロックする。
水平プレート425には、刈刃部水平回動操作ハンドル26下端に一端が取り付けられたロッド263の他端が取り付けられ、刈刃部水平回動操作ハンドル26を前後に傾倒させると、草刈作業部41が水平回動する。
421は、刈刃部上下回動軸である。刈刃部上下回動軸421は、草刈作業部41を下に降ろし畦法面A1に当接させるときの支点であり、水平プレート425の下方に固着されたブラケットに設けられ、刈刃部アーム42を回動自在に保持する。刈刃部アーム42の回動は、前記水平回動軸422と同軸に設けられる刈刃部上下回動用ロックピン427により行う。軸方向に摺動する、刈刃部上下回動用ロックピン427を、刈刃部アーム42側に突没させてロック及びロック解除が行われる。
【0025】
42は、刈刃部アームである。刈刃部アーム42は、アーム状からなり一端は水平プレート425を介して刈刃部昇降アーム43に取り付けられる。
423は、カバーである。カバー423は、草刈作業部41上部全体を覆う。カバー423上部に、刈刃部アーム42の他端は、取り付けられる。
424は、ファンである。ファン424は、刈刃部アーム42の草刈作業部41への取付け部端に設けられ、草刈作業部41内の刈刃駆動用電動モータ413の冷却に用いる。
【0026】
411は刈刃ディスクである。刈刃ディスク411、あるいは草刈作業部41は、この実施例では2個からなるが3個でもよい。その場合、中央の刈刃ディスク411の1個は畦上面A2を草刈させ、両側の刈刃ディスク411は畦法面A1も刈取り可能とする。
412は、刈刃である。この実施例では、刈刃412は、各刈刃ディスク411の外周に等間隔に4個づつ取り付けられる。
刈刃412は、図1図5図9図11図14に図示されるように、隣接する刈刃ディスク411のうち一方の刈刃ディスク411に取り付けられる刈刃412は、開口してV字をなす。隣接する刈刃ディスク411のうち他方の刈刃ディスク411に取り付けられる刈刃412は、直刃状になっていて、V字を成す他方の刈刃412のV字間を通過する。このため、隣接する刈刃ディスク411に取り付けられる刈刃412相互は平面視ではラップした状態となっている。そのため、刈り残しを、刈刃相互の真ん中に生じさせない。
413は、刈刃駆動用電動モータである。刈刃駆動用電動モータ413は、刈刃ディスク411を駆動する。
【0027】
刈刃部水平回動用ロックピン解除レバー261を握り、刈刃部水平回動操作ハンドル26を引くと、水平プレート425に設けられた嵌合孔と嵌合して止められていた刈刃部水平回動用ロックピン426が抜けて水平回動ロックが解除され、水平方向回転支点422を回動中心として、草刈作業部41は水平方向に回動可能となり、刈刃部41が外側に回動する。
ロックピン解除レバー261を放すと回動がロックされる。
次に、刈刃部上下回動操作ハンドル25のロックピン解除レバー251を握り、刈刃部上下回動操作ハンドル25を前方に倒すと、刈刃部41が下方に回動してロックピン解除レバー251を放すと回動がロックされる。
戻すときは、逆に操作を行う。操作を選択することで、刈刃部41により、畦Aの畦法面A1と畦上面A2の刈取りの選択をする。
【0028】
51は、誘導手段あるいは倣い走行手段である。52は、接地部材である、誘導輪である。誘導手段51の接地部材は誘導輪52でなく橇状のものでもよい。
53は、誘導手段アームである。誘導手段アーム53は、水平部531と垂直部532とのT字型からなり、水平部531の本体部前後方向両端に誘導輪52を取り付ける。533は、水平部固定部である。水平部固定部533は、水平部531の垂直部532に対する水平部531軸まわり方向の角度を調整し、誘導輪52の法面に対しての傾斜を調整する。
54は、誘導手段アームである。誘導手段アーム54は、誘導手段第1アーム541と、誘導手段第2アーム542とからなる。誘導手段第1アーム541と誘導手段第2アーム542とは、スライド自在に接続して構成される。誘導手段アーム54は、先端に誘導手段アーム53の上端を取り付ける。誘導手段第1アーム541と誘導手段第2アーム542のスライド部には、図12図13に示すように、互いに貫通孔が複数スライド方向に設けられていて、任意の孔を選択してロックピンを抜き差しすることによって長さを調整することができる。長さを調整することによって、本体部21に対する誘導輪52の側方方向の位置を調整できる。
誘導手段51の誘導輪52は、草刈作業機11の走行部31側方の畦Aの法面A1に当接して草刈作業機11あるいは走行部31の走行方向を畦Aに沿わせて誘導する。草刈作業機11に、畦Aに沿って真っ直ぐならい走行させる。
【0029】
551は、誘導手段第1回動軸である。誘導手段第1回動軸551は、本体部21中央に設けられ、誘導手段第2アーム542の、草刈作業機11本体部21側を左右回動自在に取り付ける。
552は、第1固定ピンである。第1固定ピン552は、本体部21側に設けた断面コ字状のブラケットの凹部内に位置する誘導手段第2アーム542とブラケットを貫通する固定孔に差し込まれ、誘導手段第2アーム542の回動は固定される。固定孔は、誘導手段第1回動軸551の左右方向の対称位置に設けられていて、誘導手段第2アーム542が左右に位置変更されても固定が行える。
553は、誘導手段第2回動軸である。誘導手段第2回動軸553により、誘導手段第1アーム541と、誘導手段51とを回動自在に取り付ける。
誘導手段第2回動軸553は、垂直部532の上方部がコ字状のブラケットに固着されていて、この凹部に誘導手段第1アーム541が位置し、ブラケットに設けられた前後に貫通する孔と誘導手段第1アーム541に設けた貫通孔に差し込まれている。また、ブラケットには、誘導手段第2回動軸553の左右対称位置に、前後方向に貫通する固定用の孔が設けられ、誘導手段51が下方の位置又は上方の位置のときに第2固定ピン554を差し込んで固定する。
【0030】
誘導手段51は、誘導手段第1回動軸551を回転軸として誘導手段51を上方に回転させることが可能である。更に、回転させて、誘導手段51を、草刈作業機11の進行方向右側と、左側とに変更して取り付けることが可能である。
図1図2図3図6図8乃至図13に図示される草刈作業機11においては、誘導手段51は、進行方向左側に取り付けられ、畦法面A1に設置する。図1図2図3に図示される状態では更に、草刈作業部41は、畦上面A2を草刈する。
図8図9に図示される状態では、更に、草刈作業部41は、進行方向左側で畦法面A1を草刈する。
図10図11に図示される状態では、更に、草刈作業部41は、進行方向左右両側で畦法面A1を草刈する。
【0031】
図7に図示される草刈作業機11では、誘導手段51は、進行方向右側に取り付け畦法面A1に設置する。
誘導手段51は更に、誘導手段第2回動軸553を回動中心として、誘導輪52を上方に跳ね上げることも可能である。図4図5に図示される草刈作業機11では、誘導手段51を進行方向右側に取り付けかつ、誘導装置51は、誘導手段第2回動軸553を回転軸として、上方に跳ね上げられ、移動走行や、誘導手段51を使用しない作業の状態時を示す。
【0032】
図6図7図12図13に図示される、561は、第1スイッチであり、562は、第2スイッチである。
第1スイッチ561、第2スイッチ562は、接触スイッチである。第1スイッチ561は、図示されるように、誘導手段第1回動軸551より進行方向左側の外側に設置される。第2スイッチ562は、T字型からなる誘導手段アーム53の垂直部532上から外して設置される。
図6に図示されるように、誘導手段51を進行方向左側に設置するときは、第2スイッチ562は、T字型からなる誘導手段アーム53の垂直部532より外側に来るように設置される。その為、草刈作業機11の本体部21に取り付けられた誘導手段アーム54は、第1スイッチ561には接触して押圧するが、第2スイッチ562には接触し押圧することはない。
図7に図示されるように、誘導手段51を進行方向右側に設置するときは、第2スイッチ562は、T字型からなる誘導手段アーム53の垂直部分より内側に来るように設置される。その為、草刈作業機11の本体部21に取り付けられた誘導手段アーム54は、第2スイッチ562には接触して押圧するが、第1スイッチ561には接触し押圧することはない。
【0033】
図1乃至図3図6図8乃至図13に図示される、誘導手段51を進行方向左側に設置する状態では、誘導手段51側のクローラベルトである進行方向左側のクローラベルト322が高速となり、誘導手段51が設けられていない側のクローラベルトである進行方向右側のクローラベルト321が低速となるように制御する。
図7図14に図示される誘導手段51を進行方向右側に設置する状態では、誘導手段51側のクローラベルトである進行方向右側側のクローラベルト321が高速となり、誘導手段51が設けられていない側のクローラベルトである進行方向左側のクローラベルト322が低速となる。
【0034】
第1スイッチ561と第2スイッチ562の押された状態と押されていない状態の組合せを制御部は判断して誘導手段51が位置している状態を判断し、左右のクローラベルト321,322の回転速度を制御する。誘導手段51が上方に持ち上げられた状態は、誘導手段第1アーム541の左右位置によって、第1スイッチ561および第2スイッチ562が押された状態は異なる。
誘導手段第1アーム541が進行方向左位置にあって、誘導手段51が上方に持ち上げられた状態では、第1スイッチ561が押された状態となる。第2スイッチ562は、誘導手段51が誘導手段第2回動軸553を回動中心として、誘導手段アーム54の上側に来るため、誘導手段アーム54の誘導手段第1アーム541の上側に押された状態となる。
誘導手段第1アーム541が進行方向右位置にあるときは、第1スイッチ561も第2スイッチも押されない状態となる。
第1スイッチ561も第2スイッチ562ともに押されている場合も、第1スイッチ561も第2スイッチ562ともに押されていない場合も、制御部はこの状態のいずれも誘導手段51が上方に持ち上げられた状態と判断して左右のクローラベルト321,322の回転速度を同一となるように制御する。
【0035】
そのため、誘導手段を法面A1に当接させた作業において、誘導手段51を当接させた法面A側に位置するクローラベルトの回転速度を他方のクローラベルトの回転速度より速く回転するように制御される。また、誘導手段51を、上方に位置させた移動時や、畦以外の平坦部の草刈作業時には、左右のクローラベルトの回転速度を同一となるように制御する。
誘導手段51の誘導輪が左右それぞれの位置に変更されると、位置変更させた側のクローラベルトの回転速度が他方のクローラベルトの回転速度より自動的に速く回転するように制御される。
左右の回転速度を変更させることで、誘導輪を法面に確実に当接させて誘導が可能であり、左右の速度変更の切換が自動的に行われるため、取扱性がよい。
すなわち、誘導手段51が的確に畦法面A1に接触することができる。
【0036】
該誘導手段51は、畦法面A1に当接して前後進方向に回転自在であり、前後に一対離間して設けられた誘導輪52を備え、草刈作業を行なう法面A1の一側方に当接可能に設けられている。
誘導手段51の誘導輪52の前後方向の中心軸間距離は、図3図5に図示されるように走行用クローラベルトを駆動するクローラベルトの駆動輪32、クローラベルトの従動輪324の前後方向の中心軸間距離より長い。橇状の接地部材の場合は、前後方向の接地最前後端位置をクローラベルトの駆動輪32、クローラベルトの従動輪324の前後方向の中心軸間距離より長く設定すると良い。
誘導輪52は、草刈作業機11が法面より内側に移動しようとすると、前方部の誘導輪52が法面に押し付けられ内側への移動を阻止し、法面側に移動しようとすると、後方側の誘導輪52が法面に押し付けられ法面側への移動を阻止する。草刈作業機11の側方に位置する誘導輪52の前後方向の距離が長いことによって、クローラベルト321,322の旋回中心から離れた位置に前後の誘導輪52を位置させることができるため、有効に安定して旋回方向を誘導できる。
誘導手段51の誘導輪52は、左右側方の法面A1の何れかの位置を選択して当接可能に設けられている。
そのため、左右に位置変更可能であり、多様な作業が可能となる。
【符号の説明】
【0037】
11 草刈作業機
21 本体部
31 走行部
41 草刈作業部
51 誘導手段
A 畦
A1 畦法面
図1
図2
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