【解決手段】高分子主鎖にアミド結合を有するアミド構造単位および前記高分子主鎖にイミド結合を有するイミド構造単位を含み、前記イミド構造単位の少なくとも一部は、隣接した高分子主鎖間がアミド結合で架橋された部分を含む、ポリ(アミド−イミド)共重合体およびその製造方法、ならびにポリ(アミド−イミド)共重合体を含むポリ(アミド−イミド)共重合体フィルム、表示装置用ウィンドウおよび表示装置に関するものである。
前記イミド構造単位は、隣接した高分子主鎖間がアミド結合で架橋された部分を含む第1イミド構造単位、および隣接した高分子主鎖間が架橋された部分を含まない第2イミド構造単位を含む、請求項1に記載のポリ(アミド−イミド)共重合体。
前記ポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムは、光透過率が80%以上であり黄色度(YI)が4.5以下である、請求項14に記載のポリ(アミド−イミド)共重合体フィルム。
高分子主鎖にアミド構造単位およびアミック酸構造単位を含むポリ(アミド−アミック酸)共重合体、ならびにジイソシアネート化合物を含む、ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光学的特性および機械的特性が改善されたポリ(アミド−イミド)共重合体を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、ポリ(アミド−イミド)共重合体の製造方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、光学的特性および機械的特性を改善できるポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、ポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを含む表示装置用ウィンドウを提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、表示装置用ウィンドウを含む表示装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、前記ポリ(アミド−イミド)共重合体を形成するためのポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、高分子主鎖にアミド結合を有するアミド構造単位および前記高分子主鎖にイミド結合を有するイミド構造単位を含み、前記イミド構造単位の少なくとも一部は隣接した高分子主鎖間がアミド結合で架橋された部分を含むポリ(アミド−イミド)共重合体を提供する。
【0012】
前記イミド構造単位は、隣接した高分子主鎖間がアミド結合で架橋された部分を含む第1イミド構造単位、および隣接した高分子主鎖間が架橋された部分を含まない第2イミド構造単位を含むことができる。
【0013】
前記第1イミド構造単位は、下記化学式(1)で表される構造単位および下記化学式(2)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことができる。
【0014】
【化1】
【0015】
前記化学式(1)および(2)中、
Xは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環脂環式基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、ここで置換または非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基および置換または非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基は、それぞれ単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結されており、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
Yは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環もしくは脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0016】
前記化学式(1)で表される構造単位は、下記化学式(1a)で表される構造単位を含むことができる。
【0017】
【化2】
【0018】
前記化学式(1a)において、
R
10は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、またはフルオレニレン基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、もしくは(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基であり、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
Yは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環もしくは脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
12およびR
13は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のヘテロ環基、置換もしくは非置換のシリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、またはこれらの組み合わせであり、
n7およびn8は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0019】
前記化学式(1a)で表される構造単位は、下記化学式(1aa)で表される構造単位および下記化学式(1ab)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
前記化学式(2)で表される構造単位は、下記化学式(2a)で表される構造単位を含むことが好ましい。
【0023】
【化5】
【0024】
前記化学式(2a)中、
R
10は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、またはフルオレニレン基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、もしくは(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基であり、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
Yは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環または脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
12およびR
13は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のヘテロ環基、置換もしくは非置換のシリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、またはこれらの組み合わせであり、
n7およびn8は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0025】
前記化学式(2a)で表される構造単位は、下記化学式(2aa)で表される構造単位および下記化学式(2ab)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
前記第2イミド構造単位は、下記化学式(3)で表される構造単位を含むことができる。
【0029】
【化8】
【0030】
前記化学式(3)中、
Xは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環脂環式基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式脂環式基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、ここで置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基および置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素は、それぞれ単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結されており、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環もしくは脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0031】
前記第2イミド構造単位は、下記化学式(3a)で表される構造単位を含むことが好ましい。
【0032】
【化9】
【0033】
前記化学式(3a)中、
R
10は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、またはフルオレニレン基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、もしくは(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基であり、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環もしくは脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1から30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
12およびR
13は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のヘテロ環基、置換もしくは非置換のシリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、またはこれらの組み合わせであり、
n7およびn8は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0034】
前記第2イミド構造単位は、下記化学式(3aa)で表される構造単位および下記化学式(3ab)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことができる。
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
前記化学式(3aa)および化学式(3ab)中、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0038】
前記アミド構造単位は、下記化学式(4)で表される構造単位を含むことが好ましい。
【0039】
【化12】
【0040】
前記化学式(4)中、
Lは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、−CONH−、−Ph−CONH−Ph−、または−NHCO−Ph−CONH−であり、ここでPhは置換または非置換のフェニレン基であり、
R
2は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環または脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
k(OH)、SiR
lR
m、または(CR
nR
o)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
k〜R
oは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
6〜R
9は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のヘテロ環基、置換もしくは非置換のシリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、またはこれらの組み合わせであり、
n
3およびn
4は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
n
5およびn
6は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
n
3+n
5は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
n
4+n
6は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0041】
前記アミド構造単位は、下記化学式(4a)で表される構造単位および下記化学式(4b)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことができる。
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
前記化学式(4a)および化学式(4b)中、*は、高分子主鎖の連結部である。
【0045】
本発明の他の実施形態によれば、前記ポリ(アミド−イミド)共重合体を含むポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを提供する。
【0046】
前記ポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムは、引張強度が5.8GPa以上でありうる。
【0047】
前記ポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムは、光透過率が80%以上であり黄色度(YI)が4.5以下でありうる。
【0048】
また、本発明の他の実施形態によれば、前記ポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを含む表示装置用ウィンドウを提供する。
【0049】
また、本発明の他の実施形態によれば、前記表示装置用ウィンドウを含む表示装置を提供する。
【0050】
また、本発明の他の実施形態によれば、前記ポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを含む表示装置を提供する。
【0051】
また、本発明の他の実施形態によれば、高分子主鎖にアミド構造単位およびアミック酸構造単位を含むポリ(アミド−アミック酸)共重合体、ならびにジイソシアネート化合物を含むポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体組成物を提供する。
【0052】
前記アミック酸構造単位は、下記化学式(5)で表される構造単位を含んでもよく、前記ジイソシアネート化合物は下記化学式(6)で表される化合物が好ましい。
【0053】
【化15】
【0054】
前記化学式(5)中、
Xは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環脂環式基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基であり、ここで置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基および置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基は、それぞれ単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結されており、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環もしくは脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
*は、高分子主鎖の連結部であり、
【0055】
【化16】
【0056】
前記化学式(6)中、
Yは、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせである。
【0057】
前記アミド構造単位は、前記化学式(4)で表される構造単位を含むことができる。
【0058】
また、本発明の他の実施形態によれば、高分子主鎖にアミド構造単位およびアミック酸構造単位を含むポリ(アミド−アミック酸)共重合体を準備する段階、前記ポリ(アミド−アミック酸)共重合体とジイソシアネート化合物とを反応させて隣接した高分子主鎖間がアミド結合で架橋された部分を含むポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体を準備する段階、および前記ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体をイミド化してポリ(アミド−イミド)共重合体を得る段階を含むポリ(アミド−イミド)共重合体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、光学的特性および機械的特性が改善されたポリ(アミド−イミド)共重合体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明の実施形態について当該技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、実際に適用される構造は様々な相異なる形態に具現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0062】
本明細書で別途の定義がない限り、‘置換’とは、化合物中の水素原子がハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバミル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基もしくはその塩、スルホン酸基もしくはその塩、燐酸基もしくはその塩、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜20のヘテロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数3〜15のシクロアルケニル基、炭素数6〜15のシクロアルキニル基、炭素数3〜30のヘテロシクロアルキル基、およびこれらの組み合わせから選択される置換基で置換されたことを意味する。
【0063】
また、本明細書で別途の定義がない限り、‘ヘテロ’とは、N、O、S、SiおよびPからなる群より選択されるヘテロ原子を1〜4個含むことを意味する。
【0064】
また、‘組み合わせ’とは、二つ以上の混合および二つ以上の積層構造を含む。
【0065】
また、‘イミド’は、イミド単独だけでなく、イミドとイミドの前駆体であるアミック酸とを共に含む場合も含む。
【0066】
以下、本発明の一実施形態によるポリ(アミド−イミド)共重合体を説明する。
【0067】
本発明の一実施形態によるポリ(アミド−イミド)共重合体は、高分子主鎖(polymer main chain)に少なくとも1つのイミド構造単位(imide structural unit)および少なくとも1つのアミド構造単位(amide structural unit)を含む共重合体でありうる。少なくとも1つのイミド構造単位は、互いに同一であっても異なっていてもよく、各イミド構造単位は、高分子主鎖に位置するイミド結合を有することができる。少なくとも1つのアミド構造単位は、互いに同一であっても異なっていてもよく、各アミド構造単位は高分子主鎖に位置するアミド結合を有することができる。
【0068】
ポリ(アミド−イミド)共重合体の隣接した高分子主鎖は架橋されていてもよく、例えば、アミド結合で架橋されていてもよい。
【0069】
一例として、ポリ(アミド−イミド)共重合体のイミド構造単位の少なくとも一部は、隣接した高分子主鎖間がアミド結合で架橋された部分を含むことができる。
【0070】
一例として、ポリ(アミド−イミド)共重合体のイミド構造単位は、隣接した高分子主鎖間がアミド結合で架橋された部分を含む第1イミド構造単位と、隣接した高分子主鎖間が架橋された部分を含まない第2イミド構造単位とを含むことができる。
【0071】
第1イミド構造単位は、例えば、下記化学式(1)で表される構造単位および下記化学式(2)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことができる。
【0073】
前記化学式(1)および化学式(2)中、
Xは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環の脂環式基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基であり、ここで置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基および置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基は、それぞれ単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結されており、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
Yは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環または脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0074】
一例として、前記化学式(1)および/または化学式(2)中、Xは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のベンゼン環、置換もしくは非置換のナフタレン環、置換もしくは非置換のアントラセン環、置換もしくは非置換のフェナントレン環、置換もしくは非置換のピレン環、置換もしくは非置換のベンゾピレン環、置換もしくは非置換のペリレン環、置換もしくは非置換のビフェニレン環、置換もしくは非置換の架橋ビフェニレン環、置換もしくは非置換の5員もしくは6員ヘテロ環、置換もしくは非置換のシクロアルカン、置換もしくは非置換の架橋ビシクロアルカン、これらの縮合環、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。ここで、架橋ビフェニレン環および架橋ビシクロアルカンは、例えばフルオレニレン基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(ここで、R
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、1≦p≦10である)を含む連結基によって連結されていてもよいが、これに限定されるものではない。
【0075】
一例として、前記化学式(1)および化学式(2)中、Xは、下記群1−1および群1−2に挙げられる基から選択される基が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0078】
一例として、前記化学式(1)および化学式(2)中、Yは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフチレン基、置換もしくは非置換のビフェニレン基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0079】
一例として、前記化学式(1)および化学式(2)中、R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、下記群(2−1)および群(2−2)に挙げられる基から選択される基が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0082】
一例として、上記化学式(1)で表される第1イミド構造単位は、例えば下記化学式(1a)で表される構造単位を含むことができる。
【0084】
前記化学式(1a)中、
R
10は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、またはフルオレニレン基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基であり、ここで、R
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
Yは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、または置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロアリーレン基であり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環もしくは脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
12およびR
13は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のヘテロ環基、置換もしくは非置換のシリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、またはこれらの組み合わせであり、
n7およびn8は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0085】
一例として、上記化学式(1a)で表される第1イミド構造単位は、例えば、下記化学式(1aa)で表される構造単位および下記化学式(1ab)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
一例として、上記化学式(2)で表される第1イミド構造単位は、例えば、下記化学式(2a)で表される構造単位を含むことができる。
【0090】
前記化学式(2a)中、
R
10は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、またはフルオレニレン基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、もしくは(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基であり、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
Yは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、または置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロアリーレン基であり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環または脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
12およびR
13は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のヘテロ環基、置換もしくは非置換のシリル基、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、またはこれらの組み合わせであり、
n7およびn8は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0091】
一例として、上記化学式(2a)で表される第1イミド構造単位は、例えば、下記化学式(2aa)で表される構造単位および下記化学式(2ab)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0094】
第2イミド構造単位は、例えば、下記化学式(3)で表される構造単位を含むことができる。
【0096】
前記化学式(3)中、
Xは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環脂環式基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基であり、ここで、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基および置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基は、それぞれ単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結されており、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環または脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
*は高分子主鎖の連結部である。
【0097】
一例として、上記化学式(3)において、Xは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のベンゼン環、置換もしくは非置換のナフタレン環、置換もしくは非置換のアントラセン環、置換もしくは非置換のフェナントレン環、置換もしくは非置換のピレン環、置換もしくは非置換のベンゾピレン環、置換もしくは非置換のペリレン環、置換もしくは非置換のビフェニレン環、置換もしくは非置換の架橋ビフェニレン環、置換もしくは非置換の5員もしくは6員ヘテロ環、置換もしくは非置換のシクロアルカン、置換もしくは非置換の架橋ビシクロアルカン、これらの縮合環、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。ここで、架橋ビフェニレン環および架橋ビシクロアルカンは、例えば、フルオレニレン基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(ここで、R
a〜R
eはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、1≦p≦10である)を含む連結基によって連結されるが、これらに限定されるものではない。
【0098】
一例として、上記化学式(3)で表される第2イミド構造単位は、下記化学式(3a)で表される構造単位を含むことが好ましい。
【0100】
前記化学式(3a)中、
R
10は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、またはフルオレニレン基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、もしくは(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基であり、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環または脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
12およびR
13は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のヘテロ環基、置換もしくは非置換のシリル基、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、またはニトロ基であり、
n7およびn8は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0101】
一例として、上記化学式(3a)で表される第2イミド構造単位は、例えば、下記化学式(3aa)で表される構造単位および下記化学式(3ab)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
前記化学式(3aa)および化学式(3ab)において、*は、高分子主鎖の連結部である。
【0105】
第1イミド構造単位と第2イミド構造単位とは、1:99〜99:1のモル比で含まれることが好ましい。第1イミド構造単位と第2イミド構造単位とは、5:95〜95:5のモル比で含まれることがより好ましく、10:90〜90:10のモル比で含まれることがさらに好ましい。
【0106】
ポリ(アミド−イミド)共重合体のアミド構造単位は、例えば、下記化学式(4)で表される構造単位を含むことが好ましい。
【0108】
前記化学式(4)中、
Lは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、−CONH−、−Ph−CONH−Ph−、または−NHCO−Ph−CONH−であり、ここで、Phは置換または非置換のフェニレン基であり、
R
2は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環または脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
k(OH)、SiR
lR
m、または(CR
nR
o)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
k〜R
oは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
6〜R
9は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3〜30のヘテロ環基、置換もしくは非置換のシリル基、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、またはニトロ基であり、
n
3およびn
4は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
n
5およびn
6は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
n
3+n
5は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
n
4+n
6は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0109】
一例として、上記化学式(4)で表されるアミド構造単位は、例えば、下記化学式(4a)で表される構造単位および化学式(4b)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0112】
前記化学式(4a)および化学式(4b)中、*は、高分子主鎖の連結部である。
【0113】
一実施形態によるポリ(アミド−イミド)共重合体において、イミド構造単位とアミド構造単位とは、例えば10:90〜90:10のモル比で含まれることが好ましい。イミド構造単位とアミド構造単位とは、10:90〜70:30のモル比で含まれることがより好ましく、10:90〜50:50のモル比で含まれることがさらに好ましい。
【0114】
本発明の一実施形態によるポリ(アミド−イミド)共重合体は、ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体から得られる。
【0115】
本発明の一実施形態によるポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体組成物は、ポリ(アミド−アミック酸)共重合体、およびジイソシアネート化合物を含む。
【0116】
上記のポリ(アミド−アミック酸)共重合体は、高分子主鎖にアミド構造単位およびアミック酸構造単位を含むことができる。
【0117】
アミド構造単位は、前述のとおりであり、例えば、上記化学式(4)で表される構造単位を含むことができる。
【0118】
アミック酸構造単位は、例えば、下記化学式(5)で表される構造単位を含むことができる。
【0120】
前記化学式(5)中、
Xは、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数4〜20の単環脂環式基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の縮合多環式の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、ここで、置換または非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式芳香族基および置換または非置換の炭素数6〜20の非縮合多環式の脂環式炭化水素基は、それぞれ単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
a(OH)、SiR
bR
c、または(CR
dR
e)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結されており、ここでR
a〜R
eは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
R
11は、各構造単位において同一または異なり、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数6〜30の芳香族環または脂環式環を含む2価の有機基であり、前記芳香族環または脂環式環は単独で存在するか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が互いに縮合された縮合多環式基であるか;2つ以上の芳香族環または脂環式環が単結合、置換もしくは非置換のフルオレニル基、O、S、C(=O)、OC(=O)、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)NH、CR
f(OH)、SiR
gR
h、または(CR
iR
j)
p(1≦p≦10)を含む連結基によって連結された非縮合多環式基であり、ここでR
f〜R
jは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ハロゲン原子、またはヒドロキシ基であり、
*は、高分子主鎖の連結部である。
【0121】
ジイソシアネート化合物は、例えば、下記化学式(6)で表される。
【0123】
前記化学式(6)中、
Yは、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせである。
【0124】
一例として、ジイソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートのようなアルキレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0125】
ジイソシアネート化合物の含有量は、ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体の製造時に使用された酸無水物の総量に対して200モル%以下が好ましい。前記の範囲で含まれることによって、ポリ(アミド−イミド)共重合体の光学的特性および機械的特性をより向上させることができる。ジイソシアネート化合物の含有量は、酸無水物の総量に対して0.1〜150モル%がより好ましく、1〜100モル%がさらに好ましく、1〜50モル%がさらにより好ましく、1〜10モル%が特に好ましいが、これに限定されるものではない。
【0126】
本発明に係るポリ(アミド−イミド)共重合体は、例えば、ポリ(アミド−アミック酸)共重合体を準備する段階、ポリ(アミド−アミック酸)共重合体とジイソシアネート化合物とを反応させて隣接した高分子主鎖間がアミド結合で架橋された部分を含むポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体を準備する段階、およびポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体をイミド化してポリ(アミド−イミド)共重合体を得る段階を含む製造方法により得ることができる。
【0127】
上記ポリ(アミド−アミック酸)共重合体は、酸無水物、ジアミン化合物、およびジカルボン酸誘導体を反応させて得ることができる。
【0128】
一例として、ポリ(アミド−アミック酸)共重合体は、ジカルボン酸誘導体とジアミン化合物とを先に反応させてアミド構造単位を形成し、ここに酸無水物を添加して反応させてアミド構造単位とアミック酸構造単位とを結合させることによって得ることができる。
【0129】
一例として、ポリ(アミド−アミック酸)共重合体は、ジカルボン酸誘導体とジアミン化合物とを先に反応させてアミド基を含み両末端がアミノ基で終わるオリゴマー(以下、‘アミドオリゴマー’という)を得た後、アミドオリゴマーをジアミン化合物および酸無水物と反応させてポリ(アミド−アミック酸)共重合体を得ることができる。
【0130】
一例として、ポリ(アミド−アミック酸)共重合体は、酸無水物、ジアミン化合物、およびジカルボン酸誘導体を反応させて得ることができる。
【0131】
酸無水物は、例えば、テトラカルボン酸二無水物であることが好ましく、下記化学式(7)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることがより好ましいが、これに限定されるものではない。
【0133】
前記化学式(7)中、R
10、R
12、R
13、n
7およびn
8は、前述のとおりである。
【0134】
酸無水物の例としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0135】
ジアミン化合物は、例えば、下記化学式(8)で表されるが、これに限定されるものではない。
【0137】
前記化学式(8)中、L、R
6〜R
9および、n
3〜n
6は前述のとおりである。
【0138】
ジアミン化合物の例としては、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(2,2’−bis(trifluoromethyl)benzidine、TFDB)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0139】
ジカルボン酸誘導体の例としては、例えば、下記化学式9で表される化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0141】
前記化学式(9)中、
R
2は、前述のとおりであり、X
1およびX
2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。
【0142】
ジカルボン酸誘導体の例としては、例えば、4,4’−ビフェニルジカルボニルクロリド(4,4’−biphenyl dicarbonyl chloride、BPCL)、テレフタロイルクロリド(terephthaloyl chloride、TPCL)またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0143】
ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体は、ポリ(アミド−アミック酸)共重合体とジイソシアネート化合物とを混合して反応させることにより得ることができる。ジイソシアネート化合物の使用量は、ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体の製造時に使用した酸無水物の総量に対して200モル%以下であることが好ましく、0.1〜200モル%であることがより好ましく、0.1〜150モル%であることがさらに好ましく、1〜100モル%であることがよりさらに好ましく、1〜50モル%であることが特に好ましく、前記範囲内において1〜10モル%であることがより特に好ましいが、これに限定されるものではない。このような範囲であれば、ポリ(アミド−イミド)共重合体の光学的特性および機械的特性を効果的に向上させることができる。
【0144】
ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体は、反応触媒をさらに含んでもよい。反応触媒は特に限定されず、例えば3級アミン化合物であってもよく、例えば、トリエチルアミンであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0145】
ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体をイミド化する段階は、好ましくは200℃〜500℃で、より好ましくは250℃〜400℃で、数秒〜数分間熱処理することによって行われるが、これに限定されるものではない。
【0146】
ポリ(アミド−イミド共重合体)は、フィルム形態に準備してもよい。
【0147】
ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムは、例えば、20μm〜200μmの厚さを有することが好ましい。厚さは、30μm〜150μmがより好ましく、30μm〜100μmがさらに好ましい。
【0148】
ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムは、例えば透明フィルムであってもよい。
【0149】
ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムは、例えば、380nm〜780nmの可視光線領域で80%以上の光透過度を有することが好ましく、85%以上の光透過度を有することがより好ましい。
【0150】
ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムは、例えば、4.5以下(絶対値)の黄色度(yellow index、YI)を有することが好ましく、4.0以下(絶対値)の黄色度を有することがより好ましく、3.5以下(絶対値)の黄色度を有することがさらに好ましい。ここで、黄色度は、ASTM D1925規格に準じて測定されたものである。
【0151】
ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムは、例えば1.0%以下のヘイズを有することが好ましく、0.8%以下のヘイズを有することがより好ましい。
【0152】
ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムは、5.8GPa以上の引張強度を有することが好ましく、6.0GPa以上の引張強度を有することがより好ましく、5.8GPa〜10GPaの引張強度を有することがさらに好ましく、6.0GPa〜10GPaの引張強度を有することが特に好ましい。ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムが、このような範囲の引張強度を有することによって、フィルムの機械的特性を改善することができる。
【0153】
ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムは、例えば2H以上の鉛筆硬度を有することができる。ここで、鉛筆硬度は、ASTM D3363に準じて測定されたものである。
【0154】
ポリ(アミド−イミド共重合体)フィルムは、透明性が要求されるいかなる用途にも使用することができ、例えば透明基板、透明保護膜、透明絶縁膜または表示装置用ウィンドウに効果的に使用することができる。
【0155】
以下、ポリ(アミド−イミド)フィルムが、表示装置用ウィンドウに使用される例について説明する。
【0156】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。
【0157】
図1を参考にすれば、本発明の一実施形態による表示装置100は、表示パネル50とウィンドウ30とを含む。
【0158】
表示パネル50は、例えば有機発光表示パネルまたは液晶表示パネルであってもよく、例えばベンダブル表示パネル、フォルダブル表示パネル、またはローラブル表示パネルであってもよい。
【0159】
ウィンドウ30は、上述したポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムであってもよく、観察者側に配置されてもよい。表示パネル50とウィンドウ30との間に、さらに他の層が介在してもよく、例えば単層または複数層の高分子層(図示せず)および/または透明接着層(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0160】
図2は、本発明の他の実施形態による表示装置の断面図である。
【0161】
図2を参考にすれば、本実施形態による表示装置100は、表示パネル50、ウィンドウ30、およびタッチスクリーンパネル70を含む。
【0162】
表示パネル50は、例えば有機発光表示パネルまたは液晶表示パネルであってもよく、例えばベンダブル表示パネル、フォルダブル表示パネル、またはローラブル表示パネルであってもよい。
【0163】
ウィンドウ30は、上述したポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムであってもよく、観察者側に配置されてもよい。
【0164】
タッチスクリーンパネル70は、ウィンドウ30および表示パネル50にそれぞれ隣接するように配置されて、ウィンドウ30を通じて人の手または物体がタッチされると、タッチ位置および位置変化を認識してタッチ信号を出力することができる。駆動モジュール(図示せず)は、出力されたタッチ信号からタッチ地点の位置を確認し、確認されたタッチ地点の位置に表示されたアイコンを確認して、確認されたアイコンに対応する機能を遂行するように制御することができ、機能遂行の結果は表示パネル50に表示される。
【0165】
タッチスクリーンパネル70とウィンドウ30との間に、他の層が介在してもよく、例えば単層または複数層の高分子層(図示せず)および/または透明接着層(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0166】
表示パネル50とウィンドウ30との間に、さらに他の層が介在してもよく、例えば単層または複数層の高分子層(図示せず)および/または透明接着層(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0167】
表示装置は多様な電子機器に適用され、例えばスマートフォン、タブレットPC、カメラ、タッチスクリーン機器などに適用されるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0168】
以下、実施例を通して上述した実施形態をより詳細に説明する。ただし、以下の実施例は単に説明の目的のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0169】
[合成例:ポリ(アミド−イミド)共重合体の合成]
(合成例1)
段階1:
丸底フラスコに、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド(N,N−dimethylacetamide)700gを入れ、ここに2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(2,2’−bis(trifluoromethyl)benzidine、TFDB)1モル当量(0.127モル、40.80g)とピリジン2.4モル当量(0.306モル、21.49g)とを溶かした後、50mlのN,N−ジメチルアセトアミドを追加で添加して、残っているTFDBを完全に溶かした。次いで、得られた25℃の溶液に、テレフタロイルジクロリド(terephthaloic dichloride、TPCl)0.6モル当量(0.076モル、15.52g)を4回に分けて添加し混合した後、15分間激しく攪拌した。
【0170】
得られた溶液を窒素雰囲気下で2時間攪拌した後、350gのNaClを含む7LのNaCl溶液に入れて10分間さらに攪拌した。固形物をろ過し、5Lの脱イオン水に2回にわたって再懸濁および再ろ過を行った。濾過器上の最終ろ過物を適切に加圧して残存する水を最大限除去し、90℃、真空雰囲気下で48時間乾燥して下記化学式(A)で表されるアミドオリゴマーを得た。得られたアミドオリゴマーの数平均分子量は、997であった。
【0171】
【化40】
【0172】
段階2:
30℃で予備加熱された機械的攪拌機および窒素流入口を備えた250mlの4つ口二重壁反応器に、上記で得られたアミドオリゴマー20g(0.02モル)を入れ、ここに143mlのジメチルアセトアミド(DMAc)を添加した。次いで、前記アミドオリゴマーが完全に溶けるまで、溶液を30℃、窒素雰囲気下で攪拌した後、ここに2,2−ビス−(3、4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(2,2−bis−(3、4−dicarboxyphenyl)hexafluoropropane dianhydride、6FDA)4.46g(0.1モル)、および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(3,3’,4,4’−biphenyltetra carboxylic dianhydride、BPDA)2.95g(0.1モル)をゆっくり添加した。次に、ここに10mlのジメチルアセトアミド(DMAc)をさらに添加して残ったBPDAを洗浄した後、得られた溶液を48時間攪拌して、固形分濃度が16%であるポリ(アミド−アミック酸)共重合体を得た。
【0173】
段階3:
機械的攪拌機および窒素流入口を備えた250mlの4つ口二重壁反応器に、上記で得られたポリ(アミド−アミック酸)共重合体100gを入れ、ここにヘキサメチレンジイソシアネート36.29mg(酸無水物の総量に対して2.5モル%)を添加した後、24時間窒素雰囲気下で攪拌して架橋構造が導入されたポリ(アミド−アミック酸)共重合体(ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体)を得た。次いで、前記架橋構造が導入されたポリ(アミド−アミック酸)共重合体に、無水酢酸1.76gを投入して30分間攪拌した後、ここにピリジン1.365gを投入して24時間さらに攪拌して、架橋構造が導入されたポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0174】
(合成例2)
合成例1の段階3で、ヘキサメチレンジイソシアネート5.0モル%を添加したことを除いては、合成例1と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0175】
(合成例3)
合成例1の段階3で、ヘキサメチレンジイソシアネート7.5モル%を添加したことを除いては、合成例1と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0176】
(合成例4)
合成例1の段階3で、ヘキサメチレンジイソシアネート10.0モル%を添加したことを除いては、合成例1と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0177】
(合成例5)
合成例1の段階3で、ヘキサメチレンジイソシアネートの代わりに、トルエンジイソシアネートを10モル%添加したことを除いては、合成例1と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0178】
(合成例6)
合成例1の段階3を、下記のように変更したことを除いては、合成例1と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0179】
段階3:
機械的攪拌機および窒素流入口を備えた250mlの4つ口二重壁反応器に、合成例1の段階2で得られたポリ(アミド−アミック酸)共重合体100gを入れ、ここにジメチルアセトアミドを添加して希釈した。次いで、ここにトリエチルアミン1.2ml(0.009モル)(酸無水物の総量に対して100モル%)とトルエンジイソシアネート1.29ml(0.009モル)(酸無水物の総量に対して100モル%)とを添加した後、24時間窒素雰囲気下で攪拌して、架橋構造が導入されたポリ(アミド−アミック酸)共重合体(ポリ(アミド−イミド)共重合体前駆体)を得た。
【0180】
(合成例7)
合成例6の段階3で、トルエンジイソシアネートの代わりに、イソホロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate、IPDI)を25モル%添加したことを除いては、合成例6と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0181】
(合成例8)
合成例6の段階3で、トルエンジイソシアネートの代わりに、イソホロンジイソシアネートを50モル%添加したことを除いては、合成例6と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0182】
(合成例9)
合成例6の段階3で、トルエンジイソシアネートの代わりに、イソホロンジイソシアネートを100モル%添加したことを除いては、合成例6と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0183】
(合成例10)
合成例6の段階3で、トルエンジイソシアネートの代わりに、イソホロンジイソシアネートを110モル%添加したことを除いては、合成例6と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0184】
(比較合成例1)
合成例1の段階3を下記のように変更したことを除いては、合成例1と同様の方法でポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0185】
段階3:
機械的攪拌機および窒素流入口を備えた250mlの4つ口二重壁反応器に、合成例1の段階2で得られたポリ(アミド−アミック酸)共重合体100gを入れ、ここに無水酢酸1.76gを投入して30分間攪拌した。得られた混合物に、ピリジン1.365gを投入して24時間さらに攪拌して、ポリ(アミド−イミド)共重合体を得た。
【0186】
(実施例1)
ガラス板の上に合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を塗布し、80℃ホットプレートの上で1時間乾燥した後、ポリ(アミド−イミド)共重合体が塗布されたガラス板をオーブンに入れて3℃/minで昇温し250℃まで熱処理した後、徐々に冷却した。次いで、ガラス板を除去して、49μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0187】
(実施例2)
合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体の代わりに、合成例2で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で製造して、48μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0188】
(実施例3)
合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体の代わりに、合成例3で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で製造して、50μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0189】
(実施例4)
合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体の代わりに、合成例4で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で製造して、52μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0190】
(実施例5)
合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体の代わりに、合成例5で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で製造して、52μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0191】
(実施例6)
合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体の代わりに、合成例7で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で製造して、44μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0192】
(実施例7)
合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体の代わりに、合成例8で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で製造して、47μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0193】
(実施例8)
合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体の代わりに、合成例9で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で製造して、52μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0194】
(比較例1)
合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体の代わりに、比較合成例1で得られたポリ(アミド−イミド)共重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で製造して、51μm厚さのポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムを得た。
【0195】
[評価]
実施例1〜8および比較例1によるポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムの光学的特性および機械的特性を評価した。
【0196】
フィルム厚さは、Micrometer(Mitutoyo社製)を用いて測定した。
【0197】
光透過度は、UV分光計(Spectrophotometer、コニカミノルタ社製、CM−3600d)を用いて、380nm〜780nm領域のY(D65)で測定した。
【0198】
黄色度(YI)は、UV分光計(Spectrophotometer、コニカミノルタ社製、CM−3600d)を用いて、ASTM D1925規格に準じて測定した。
【0199】
ヘイズは、UV分光計(Spectrophotometer、CM−3600d、コニカミノルタ社製)を用いて、ASTM D1003規格に準じて測定した。
【0200】
引張強度は、Instron3365(Instron社製)を用いて、常温(25℃)で、幅10mm、長さ50mmのフィルム試験片を5mm/minの速度で引張り、サンプル当たり5回、ASTM D882規格に準じて測定後、平均値を算出した。
【0201】
粘度は、Rheometer(RA550、TA社製)を用いて、25℃で測定した。
【0202】
結果を下記表1に示す。
【0203】
【表1】
【0204】
表1を参照すれば、実施例1〜8のポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムは、比較例1のポリ(アミド−イミド)共重合体フィルムと比較して同等もしくは改善された光学的特性を有し、かつ改善された機械的物性を有することを確認できた。このことから、実施例1〜8のポリ(アミド−イミド)共重合体は、架橋構造が導入されることによって機械的物性が改善されたことが確認できた。
【0205】
以上、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。