基部と基部の第1面側に凸部を備える透光性部材を準備し、主発光面と主発光面と反対側の電極形成面を有する発光素子を準備し、透光性部材の凸部の上に、発光素子の主発光面と透光性部材の凸部の上面が向かい合うように発光素子を搭載し、発光素子の側面と透光性部材の凸部の側面とを被覆する光反射性部材を形成する、発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。各図面が示す部材の大きさやアスペクト比や位置関係等は、説明を明確または容易にするため、誇張または省略していることがある。
【0010】
本明細書において、薄型化とは、発光装置の発光を取り出す側の面が長手方向と短手方向を有する発光装置において、短手方向の長さを短くすることを指し、薄型の発光装置とは、この短手方向の長さが短い発光装置を指す。
本明細書において、光取り出し側の面とは、各部材において、発光装置とされた際に発光を行う面側に配置される面を指す。
【0011】
本発明の一実施形態は、基部と前記基部の第1面側に凸部を備える透光性部材を準備し、主発光面と主発光面と反対側の電極形成面を有する発光素子を準備し、透光性部材の凸部の上に、発光素子の主発光面と透光性部材の凸部の上面が向かい合うように発光素子を搭載し、発光素子の側面と透光性部材の凸部の側面とを被覆する光反射性部材を形成する、発光装置の製造方法である。
【0012】
このように、基部と凸部を備える透光性部材の凸部上に発光素子を搭載することで、発光面の位置や形状の精度を高めることができる。また、透光性部材の凸部の上に発光素子を搭載することにより、のちに発光面となる透光性部材の幅を小さくしても、発光素子との位置合わせを高精度に行うことができる。また、凸部の側面を被覆するように光反射性部材を形成することで、発光装置の発光面及び発光面を取り囲む光反射性部材の位置や形状の精度を高めることができる。これにより、小型、薄型の発光装置を製造することができる。
【0013】
また、本発明の別の一実施形態は、透光性部材を準備し、主発光面と主発光面と反対側の電極形成面を有する発光素子を準備し、発光素子の主発光面と透光性部材の第1面が向かい合うように発光素子を搭載し、透光性部材に凹部を形成することで、透光性部材に基部と基部の上の発光素子が搭載された領域である凸部とを形成し、発光素子の側面と透光性部材の凸部の側面とを被覆する光反射性部材を形成する、発光装置の製造方法である。
【0014】
このように、透光性部材の上面に搭載された発光素子の周囲に凹部を形成することで凸部を形成し、凸部の側面を被覆するように光反射性部材を形成することで、発光装置の発光面及び発光面を取り囲む光反射性部材の位置や形状の精度を高めることができる。また、透光性部材に発光素子を搭載した後に光反射性部材の位置を確定する凹部を形成することで、発光面となる透光性部材の幅を小さくしながら、発光素子と光反射性部材との位置合わせを高精度に行うことができる。これにより、小型、薄型の発光装置を製造することができる。
【0015】
第1実施形態
図10Aから
図10Bに、第1実施形態の製造方法で製造される発光装置100を示す。平面視において長手方向と短手方向を有する発光素子2と、平面視において長手方向と短手方向を有する透光性封止部材1と、発光素子2と透光性封止部材1とを接着する透光性接着剤3と、発光素子2の側面と透光性接着剤3と透光性封止部材1の側面とを被覆する光反射性部材4を備え、発光素子2の長手方向と透光性封止部材1の長手方向が一致するよう配置されている。
【0016】
このような発光装置は、例えば、下記のような工程を備える製造方法で得ることができる。
【0017】
以下に本実施形態の発光装置100の製造方法を詳述する。
【0018】
1.透光性部材の準備
まず、
図2A、
図2B及び
図2Cに示すように、基部13と基部13の第1面側に凸部12を備える透光性部材10を準備する。尚、
図2Cは、基部13と凸部12とをわかり易く示すために、
図2Bの一部を拡大して示す断面図である。
本実施形態では、最終的に光反射性部材から露出される透光性部材の凸部12の表面を発光装置100の発光面として用いる。したがって、透光性部材の凸部12を平面視したときの長手方向と短手方向の長さはそれぞれ発光装置100の発光面の長手方向と短手方向の長さと同等である。本明細書において、長さが同等であるとは、長さの差が、プラスマイナス10%程度以内であることを指す。すなわち、本実施形態では、透光性部材の凸部12を平面視したときに、凸部12の上面の長手方向の長さ及び凸部12の底面の長手方向の長さがいずれも発光装置100の発光面の長手方向の長さとプラスマイナス10%程度以内であり、凸部12の上面の短手方向の長さ及び凸部12の底面の短手方向の長さがいずれも発光装置100の発光面の長手方向と短手方向の長さとプラスマイナス10%程度以内である。尚、本実施形態では、例えば、発光装置100の発光面側が大きく、又は発光面側が小さくなるように、凸部12の側面が傾斜していてもよく、その場合には、透光性部材の凸部12を平面視したときの長手方向と短手方向の長さはそれぞれ発光装置100の発光面の長手方向と短手方向の長さと同等であってもよいし、同等でなくてもよい。本実施形態において、より好ましくは支持体50と面している光取り出し面側の面(凸部12の底面)の短手方向の長さが発光装置100の発光面の短手方向の長さと略同一となるように形成する。また、本実施形態では、凸部12の側面は凹凸を有していても良く、発光装置100の発光面、凸部12の上面及び底面の長手または短手方向の長さは、基準を統一すれば、最小の長さ、最長の長さ、平均の長さのいずれについて比較してもよい。
【0019】
本実施形態においては、以下に述べるように、平面視において長手方向と短手方向を有し、基部と凸部を有する透光性部材の準備は、シート状の透光性部材の基材11を、支持体50に搭載し、基材の一部を基材の厚みの途中まで除去し、複数の凸部12を形成することにより行う。
以下、透光性部材の準備工程について詳細に説明する。
【0020】
1−1.透光性部材の基材の成形
まず、シート状の透光性部材の基材11を形成する。以下の図では、透光性部材の基材11として、蛍光体を含有する蛍光体含有層である第1層11aと蛍光体を含有しない蛍光体非含有層11bである第2層を有する場合の構成を例示している。シート状の透光性部材の基材11の形成は、例えば、液状の樹脂と必要に応じて蛍光体を混合した材料を、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、スプレー、印刷、ポッティング、電気泳動堆積等で略均一な厚みに形成した蛍光体に樹脂を含浸することにより行うことができる。
【0021】
1−2.透光性部材の基材の支持体への搭載
次に、
図1A、
図1Bに示すように、シート状に形成された透光性部材の基材11を支持体50へ搭載する。本実施形態においては、透光性部材の基材11の光取り出し側の面を、上面に粘着層50aを備える支持体に貼りつける。支持体50としては樹脂フィルム、金属板、樹脂板、セラミック板等の単体もしくは複合体を用いる事ができる。いずれの材料を支持体として使用する場合でも、支持体50の一面には粘着層50aを有することが好ましく、さらには紫外線(UV)で硬化する粘着層を有することがより好ましい。このような粘着層50aを用いることにより、透光性部材の基材11を安定して支持体50に保持することができる。さらには、以降の工程において樹脂の硬化等の熱履歴を経るため、耐熱性を有することがより好ましい。なお、透光性部材の基材11の支持体50への搭載は、支持体50上に透光性部材の基材11を形成することで行うようにしてもよい。
【0022】
1−3.透光性部材の凸部の形成
次に、
図2A及び
図2Bに示すように、透光性部材の基材11を支持体50に搭載した状態で基材11の厚みの一部を溝状に除去することで、平面視において長手方向と短手方向を有する凸部12を複数成形する。本実施形態においては、4列×5行のマトリックス状に複数の凸部12を成形している。それらの周囲には透光性部材の基材11を切断した際の端材11cが配置されている。複数の凸部12と端材11cは、基部13で連結されている。
【0023】
透光性部材の基材11の凸部12の形成、すなわち、溝14の形成には、例えば、ダイシング、トムソン加工、超音波加工、レーザ加工等の方法が使用できる。特に、後述する隣接する透光性部材の凸部12を離間させて形成するために、直進性に優れるダイシングにより溝14を形成することが好ましい。特に、透光性部材に水分に弱い蛍光体(例えばKSF蛍光体)が含有されている場合には、水を利用しない工法を利用することが好ましい。これにより、透光性部材の劣化を低減することができる。
【0024】
この凸部の形成は、発光装置100の発光面の形状、特に平面視において長手方向の辺の形状を実質的に画定することになるため、切断は直進性に優れる方法で行われることが好ましい。この凸部を形成する際の切断の直進性は、短手方向の辺の形状の画定に対しても重要である。このような直進性が確保できない場合は、発光装置100の発光面の形状が所望のものとならないおそれがある。また、後述する光反射性部材4によって透光性封止部材1の側面を被覆するため、このような透光性部材の凸部12の形状のばらつきによって、光反射性部材4の厚みの制御が困難になり、光反射性部材4によって発光方向を十分に制御することができず、輝度や導光板への入光効率などの発光装置100の特性が低下するおそれがある。この切断における直進性は、後述する変形例1に示すように、1つの凸部12の上に複数の発光素子2を実装するような場合には、凸部の長手方向の長さにより画定される発光面の長手方向の辺(
図13CにおけるL4にあたる辺)が長くなるために、特に重要になる。
【0025】
透光性部材の凸部12の長手方向の辺の直線性の度合いは、透光性封止部材1の側面を覆う光反射性部材4の厚みによって要求される程度が異なる。特に、出力が高く、薄型の発光装置100を得るには、発光面と発光面を取り囲む光反射性部材4の表面からなる発光面側の面において、発光面となる透光性封止部材1の短手方向の長さ(
図13CにおけるL5の辺)の比率を大きく、且つ光反射性部材4の厚みを必要な厚さを確保しつつその比率を小さくする必要があるため、発光装置100の長さ全体において高い直線性を維持した状態で切断して透光性部材の凸部12を形成する必要がある。具体的には、発光装置100の側面の全体において光反射性部材4が10μm〜100μm程度、好ましくは20〜50μm程度設けられることが可能な程度の直線性を有することが好ましい。
なお、本明細書において、ある部材の直線性が高いとは、ある部材の所定の一辺において、部材の最も内周にある部分を通り、所定の一辺と平行な仮想線と、部材の最も外周にある部分との距離が小さいことを言う。
本明細書において、切断の直進性が高いとは、直線性が高い状態で切断することができることを言う。
凸部は、平面視において、長方形、正方形、六角形、八角形、円形、楕円、またはこれに近似する形状に設けることができる。
【0026】
以上の説明では、溝14を格子状に形成することにより凸部12を形成する場合を例示して説明した。しかしながら、本実施形態では、溝14を一方向のみに形成することにより凸部12を形成するようにしてもよい。言い換えれば、透光性封止部材1となる部分の対向する2つの側面のみが溝を形成することにより形成されたものでもよい。例えば、複数の分離した帯状に設けられた透光性部材の基材11に複数の溝14を例えば互いに平行に形成することにより、凸部12を形成するようにしてもよい。
【0027】
このように、基部13でつながった複数の凸部12を形成することで、凸部12が変形するおそれを低減することができる。これにより、製造過程における透光性部材10の取り扱い性を向上させることができ、発光装置の量産性を向上させることができる。
【0028】
このように、透光性部材の基材11の一部を除去することにより溝14を形成して透光性部材の凸部12を形成することによって、透光性封止部材1の側面に光反射性部材4を形成するための空間を設けることができる。透光性部材の凸部12を形成する際に、溝の底面に基部13を残すことなく溝を形成して、隣接する凸部12を離間させた状態で形成する場合も光反射性部材4を形成するための空間を設けることができる。以上のように、溝を形成することによって凸部12を形成することによって、後述するように透光性部材の移載やシートのエキスパンド等を行わなくとも、光反射性部材4が形成されるための空間を設けることができる。これは、ダイシング等の切りしろが発生する切断方法で容易に実現することができる。この離間の幅は、設けられる光反射性部材4の厚みや光反射性部材4の切断方法等に適切な程度であればよく、例えば30〜300μm程度が好ましく、30〜200μm程度がより好ましい。これにより、光反射性部材4の厚みを確保しつつ、発光装置100を薄型にすることができる。
【0029】
なお、透光性部材の凸部12の形成方法は上述の切断を含むものに限られず、圧縮成形、トランスファーモールド、射出成形、スクリーン印刷、スプレー等によって、基部13と凸部12を有する形状に形成されてもよい。
【0030】
なお、透光性部材の凸部12は、発光素子2が搭載される第1面と、その反対側の面、つまり発光装置の発光面となる第2面の形状が異なっていてもよい。例えば、発光素子2が搭載される第1面が発光面となる第2面よりも小さくてもよく、大きくてもよい。そのような形状を有する透光性部材は、例えば、本実施形態において透光性部材の基材11を切断する刃の形状をV字型や逆V字型とすることにより、形成することができる。
【0031】
2.発光素子の透光性部材の凸部上への搭載
次に、透光性部材の凸部12上に、透光性接着剤3を介して、発光素子2を、発光素子2の主発光面と凸部12の上面が向かい合うように透光性部材の凸部12に搭載する。
【0032】
本明細書においては、透光性部材の凸部12の発光素子2が搭載される面を上面と呼ぶことがある。
【0033】
本実施形態においては、支持体50上で成形されて準備された透光性部材10を支持体50上に保持したままの状態で、言い換えると透光性部材10を支持体50から転写や移載等を行わずにそれぞれの透光性部材10の凸部12の上に発光素子2を搭載することが好ましい。樹脂、特にシリコーン樹脂を母材として有する透光性部材10は柔らかい上に、薄型の発光装置100を実現するために発光面となる透光性部材の凸部12は細く長い形状に形成される。このような部材の転写や移載は一般的に困難である。特に、柔らかく細長い透光性部材の凸部12は転写や移載を行う際にねじれや曲がりが発生するおそれがある。このような場合、前述の透光性部材の凸部12の直線性を維持することが非常に困難となる。そのため、透光性部材10を支持体50上で成形し、支持体50上から移載または転写等をする事無く、同一の支持体50上に保持したままで、透光性部材の凸部12上に発光素子2を搭載することが好ましい。
しかし、本実施形態においては、透光性部材の凸部12は基部13と連結されているため、形状の安定性が比較的高い。そのため、凸部12の形成後であって発光素子2の搭載を行う前に支持体50から異なる支持体への移載を行ってもよい。
以下、発光素子を凸部上に搭載する工程について詳細に説明する。
【0034】
2−1.液状樹脂材料の塗布
本実施形態の発光素子2の透光性部材の凸部12上への搭載工程では、まず、
図3に示すように、透光性部材の凸部12の上面に硬化後に透光性接着剤3となる液状樹脂材料31を塗布する。
塗布にはピン転写、ディスペンス、印刷等の方法を用いることができる。塗布される液状樹脂材料31は、1つの透光性部材の凸部12上に複数に分離した島状、一連の線状等に設けてもよい。
【0035】
塗布量としては発光素子2と透光性封止部材1を接着するのに十分な塗布量があれば良く、透光性封止部材1や発光素子2の大きさ、数及び求められる接着強度に合わせて適宜調整できる。なお、発光素子2の光取り出し側の面と透光性封止部材1の間以外にも、発光素子2の側面に接するように透光性接着剤3が配置されていることが好ましい。これにより、発光素子2の側面から光を取り出し、発光装置100の光取り出し効率を向上させることができる。
【0036】
2−2.発光素子の配置
次に、
図4に示すように、液状樹脂材料31の上に主発光面と前記主発光面と反対側の電極形成面を有する発光素子2をそれぞれその主発光面が透光性部材側に向くように配置する。この時、発光素子の長手方向(
図16AのL7の辺)が透光性部材の凸部12の長手方向と一致するように並べることが好ましい。
【0037】
発光素子2を配置する際には、透光性部材の凸部12の平面視における端部において、透光性接着剤3となる液状樹脂材料31と発光素子2の位置決めが行われることが好ましい。例えば、透光性部材の凸部12の長手方向の辺の端部と透光性接着剤3の端部を一致させることが好ましい。このように、凸部12の長手方向の辺において発光素子2をセルフアライメントさせることで、発光素子2を幅の狭い凸部12の上に容易に精度よく列状に搭載することができる。
凸部12の短手方向の長さ(
図2AのL5)は、発光素子2の短手方向(
図16AのL8)の長さの1〜2倍程度とすることが好ましく、1.2〜1.5倍程度とすることが好ましい。これにより、セルフアライメント効果を得ながら薄型の発光装置100とすることができる。
【0038】
2−3.液状樹脂材料の硬化
次に、液状樹脂材料31を熱や紫外線等により硬化させ、透光性部材の凸部12と複数の発光素子2とを接着する。この時、透光性接着剤3は、発光素子2の透光性部材の凸部12と面している光取り出し側の面の反対側の面である下面側から光取り出し面側に広がる形状に形成されることが好ましい。これにより、光取り出し効率の高い発光装置100とすることができる。
【0039】
3.光反射性部材の形成
次に、
図5及び
図6に示すように、複数の発光素子2の側面と透光性接着剤3と、透光性部材の凸部12の側面を被覆する光反射性部材4を形成する。光反射性部材4の形成は、上述の通り発光素子2の搭載に使用した支持体50と同一の支持体50上で実施されることが好ましい。これにより透光性部材10の変形を抑制し、短手方向の幅が狭い線状の発光装置100においても良好な精度で光反射性部材4を形成できる。本実施形態においては、支持体50上に接着された複数の透光性部材の基部13の第1面と、複数の凸部12の側面と、それぞれの凸部に搭載された発光素子2と透光性接着剤3とを一括して一つの光反射性部材の基材41で被覆している。
【0040】
光反射性部材4の形成は圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の金型成形、印刷、ポッティング等の方法が使用できる。特に、光反射性部材4の樹脂中に含有するフィラーの濃度が高くなると、流動性が悪化することから、圧縮成形、トランスファー成形が最も適する。
【0041】
光反射性部材4は一つの透光性部材の凸部12の側面と、該凸部12に搭載された発光素子2の側面と透光性接着剤3を被覆するよう設けられていてもよい。
【0042】
光反射性部材4は複数回に分けて形成されてもよい。例えば、発光素子2を搭載する前に透光性部材の凸部12の側面を覆う光反射性部材の基材41をあらかじめ形成しておき、発光素子を搭載した後に複数の発光素子の側面と透光性接着剤とを被覆する光反射性部材を形成するようにしてもよい。
【0043】
光反射性部材4は、複数の発光素子2の下面を被覆してもよい。また、複数の発光素子2の一対の電極2a、2bを露出する形状に成形されてもよく、
図5に示すように電極2a、2b電極を被覆するように成形された後、
図6に示すように研削等を行って露出する形状に成形されてもよい。
【0044】
本実施形態では、次に、
図7に示すように、支持体15を除去する。
【0045】
5.透光性部材の基部の除去
本実施形態では、次に、
図8A及び
図8Bに示すように、透光性部材の基部13を除去し、複数の透光性部材の凸部12を露出させる。この除去は、研磨、研削、切削、トムソン加工、超音波加工、レーザ加工等の方法が使用できるが、比較的広い面を一括して除去可能で、除去する厚みを高精度に管理可能な研磨または研削で行うことが好ましい。
【0046】
なお、透光性部材の凸部12は光反射性部材の基材41によって固定されているため、前述の透光性部材10の変形による直線性の低下は問題になりにくい。そのためこの除去の際には、転写や移載を行ってもよい。例えば、異なる支持体へ、透光性部材10の発光面側を露出させるよう転写を行った後、基部13の除去を行うことができる。これにより、発光装置100を安定して製造することができる。
なお、透光性部材10の基部13の除去の際、透光性部材の凸部12の一部および光反射性部材の基材41の一部も除去してもよい。これにより、発光装置の厚みのばらつきを低減することができ、発光装置100を安定して製造することができる。
【0047】
6.発光装置の個片化
本実施形態では、次に、
図9に示すように、光反射性部材を複数の凸部の間で切断、分離し、個片化された複数の発光装置100を得る。具体的には複数の透光性部材の凸部12とそれぞれに搭載された発光素子2と透光性接着剤3とを一括して被覆している光反射性部材の基材41を切断する。この切断にはダイシング、トムソン加工、超音波加工、レーザ加工等の方法が使用できる。
【0048】
なお、個片化工程において、透光性部材の凸部12をその短手方向に沿った方向に(つまり長手方向と交わる方向で)で切断してもよい。これにより、種々の長さの発光装置100を製造することができる。
【0049】
このようにして、本実施形態に関わる発光装置100を得ることができる。
【0050】
第1実施形態の変形例(以下、変形例1という。)
第1実施形態の発光装置100では、1つの凸部12の上に1つの発光素子2を搭載するようにしたが、変形例1の発光装置100aは、1つの凸部12の上に複数の発光素子2を搭載するようにしている。
以下、第1実施形態の変形例の発光装置100aについて説明する。
以下の説明では、主として、1つの凸部12の上に2つの発光素子2を搭載する場合の製造方法を、
図17A〜
図17Fを参照しながら説明し、適宜、2より多い発光素子2を1つの凸部12の上に搭載する場合についても
図13A〜
図13Eを参照して説明する。
【0051】
まず、変形例1の製造方法では、第1実施形態と同様にして、
図1A、
図1Bに示すように、シート状に形成された透光性部材の基材11を支持体50へ搭載する。
次に、
図17A及び
図17Bに示すように、第1実施形態と同様にして、基材11に溝14を形成することにより、複数の凸部12を形成する。ここで、変形例1では、例えば、
図17Aに示すように、凸部12を、第1実施形態の凸部12の長手方向の長さのほぼ倍の長さに形成する。また、変形例1では、
図17Aに示すように、2列×5行のマトリックス状に複数の凸部12を形成している。複数の凸部12が2列×5行のマトリックス状に形成された領域の周りには、第1実施形態と同様、端材11cが配置されている。また、隣接する凸部12間および凸部12と端材11cの間は、基部13で連結されている。
この変形例1では、凸部12の長手方向の長さが、第1実施形態の凸部12の長手方向の長さより長いので、凸部12を形成する際の溝14は、直進性に優れているダイシングにより形成することが好ましい。
図13A〜
図13E等に示すように、1つの凸部上に2より多い数の発光素子を搭載するような場合には、取りわけ直進性に優れていることが求められる。直進性に優れた溝を形成することにより、
図13A〜
図13E等に示す発光面のように長手方向の長さが長い(
図13CにおけるL4)発光面を有する発光装置の薄型化が可能になる。
【0052】
図13A〜
図13E等に示すような発光装置の発光面の長手方向の長さが、発光素子の発光面の数倍(2より大きい整数の倍数)の発光装置においても、薄型化のためには、必要最小限の厚さを確保した状態で光反射性部材4の厚みを可能な限り薄くすることが好ましい。具体的には、好ましくは、発光装置100の側面の全体において、10μm〜100μm程度の厚さに光反射性部材4を形成し、より好ましくは20〜50μm程度の厚さに光反射性部材4を形成する。
また、
図13A〜
図13Eに示すような発光面の長手方向の長さが長い発光装置を製造する場合には、この凸部12を形成する溝14を一方向のみに形成するようにして、一方向に長い複数の分離した帯状の溝14を形成するようにしてもよい。
【0053】
次に、発光素子2を所定の位置に固定するための液状樹脂材料を塗布する。
変形例1においては、液状樹脂材料31を、例えば、
図17Cに示すように、1つの凸部12の上面に長手方向に分離された状態で2箇所に塗布する。
【0054】
変形例1の発光装置100aでは、
図13Eに示すように、隣接する複数の発光素子2の間に透光性接着剤3が連続するように存在していることが好ましい。このように発光素子を搭載した後、隣接する発光素子2の側面の間が透光性接着剤3によって繋がっている状態に形成するために、液状樹脂材料31を長手方向に分離された状態で複数箇所に塗布する場合には、発光素子2をそれぞれ載置して押圧することにより隣接する発光素子2の側面の間にはみ出す透光性接着剤3が繋がるように適宜塗布量を調整する。また、1つの凸部12の上面に複数箇所に分離して液状樹脂材料31を形成するのではなく、長手方向に連続した状態で液状樹脂材料31を形成して、連続した液状樹脂材料31の上に複数の発光素子を所定の間隔で載置するようにしてもよい。このように、隣接する発光素子2の側面の間が透光性接着剤3によって繋がっている状態に形成すると、複数の発光素子2から発せられる光を透光性接着剤3の内部において、均一化させることができる。よって、発光装置100から出射される光のムラを低減することができる。
【0055】
次に、
図17Dに示すように、液状樹脂材料31の上にそれぞれ発光素子2を載置する。発光素子2は、その主発光面が透光性部材に対向するように載置する。この時、例えば、発光素子の長手方向の中心線が透光性部材の凸部12の長手方向の中心線と一致するように配置する。
複数の発光素子2を用いる場合、発光素子同士の間隔は10μm〜1000μm程度とすることができ、例えば、200μm〜800μmとすることが好ましく、500μm程度とすることがより好ましい。また、
図16Aに示す発光素子2の長手方向の長さL7の0.5〜1倍程度の距離とすることが好ましい。このように発光素子同士の間隔S1を発光素子の長手方向の長さL7の0.5倍〜1倍程度とすることで、一つの発光装置に搭載する発光素子2の数を減らすことができる。これにより、
図13等に示すような長尺の発光装置を容易に製造できるとともに、材料コストを低減することができる。
【0056】
次に、液状樹脂材料を硬化させた後、光反射性部材を形成する。
この変形例1では、
図17Eに示すように、溝14内と1つの凸部12上に設けられた隣接する発光素子2の間に光反射性部材の基材41を形成する。光反射性部材の基材41は、1つの凸部12上に設けられた隣接する発光素子2の間において凸部12上で発光素子2の側面と透光性接着剤3とを被覆するように、溝14内において発光素子2の側面と透光性接着剤3とに加えさらに凸部12の側面を被覆するように形成する。
【0057】
光反射性部材の基材41は、
図17Eに示すように、複数の発光素子2の一対の電極2a、2bを露出するように形成されるが、第1実施形態と同様にして電極2a、2bを被覆するように成形された後、研削等を行って電極2a、2bを露出させるようにしてもよい。
【0058】
そして、第1実施形態と同様にして、支持体15を除去した後さらに透光性部材の基部の除去し、個々の発光装置に個片化する。個片化は、
図17Fに示すように、溝14内の光反射性部材4を溝の中心線に沿って切断することにより行う。尚、以上の説明において、光反射性部材は、個片化前については光反射性部材の基材41として示し、個片化後については、4の符号を付して示している。
【0059】
このようにして、1つの凸部12の上に複数の発光素子2を備えた変形例1の発光装置100aが作製される。
【0060】
第2実施形態
本実施形態においては、
図11A、
図11B、
図11Cに示すように、透光性部材の基材211に発光素子202を搭載した後、
図11Dに示すように、発光素子2の周囲が凹部214となるよう透光性部材の基材211の一部を除去することで凸部212を形成する。このように形成された透光性部材210を用いても、
図12A及び
図12Bに示すような薄型の発光装置200を製造することができる。その他の工程は第1実施形態と同様に行うことができる。
凹部214の形成は、実施形態1の凸部12の形成の際と同様の方法で行うことができる。凹部214を形成する際には、発光素子202と透光性部材の基材211を接着する透光性接着剤213の端部の一部を除去してもよい。これにより、小型、薄型の発光装置200とすることができる。
【0061】
第2実施形態の変形例(以下、変形例2という。)
第2実施形態の発光装置200では、1つの凸部212の上に1つの発光素子202を搭載するようにしたが、変形例2の発光装置200aでは、1つの凸部212の上に複数の発光素子202を搭載するようにしている。
具体的には、変形例2の発光装置200aでは、
図18に示すように、1つの凸部212の上に発光素子202を複数(
図18では2つ)含むように凹部214を形成する。凹部214の形成位置以外は、第2実施形態と同様にして変形例2の発光装置200aを形成する。
【0062】
以下に、実施の形態の発光装置100,200の各構成部材に適した材料等について説明する。
【0063】
透光性部材10、210
透光性部材10、210の母材としては、透光性樹脂、ガラス等が使用できる。
図13に示すような非常に細く且つ長尺となる発光装置300は、発光装置の製造工程内および発光装置を用いた照明装置(例えば、
図14に示すようなバックライト装置390)の組み立て工程内において曲げ応力に対する強度が非常に弱くなる場合がある。その為、ガラス等の無機物からなり割れやすい透光性部材を用いた場合、発光装置300の製造工程中に透光性部材10にかかる力で容易に破損してしまうおそれがある。この問題を防ぐために、有機物、特にある程度の柔軟性、または可撓性を有する樹脂を母材とする事が好ましい。
【0064】
このような樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、シリコーン変成樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。なかでもシリコーン樹脂又はエポキシ樹脂が好ましく、特に耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂がより好ましい。
【0065】
透光性部材としてガラスや蛍光体の焼結体を用いる場合には、透光性部材の劣化を低減できるため、信頼性の高い発光装置とすることができる。このような発光装置は例えば車のヘッドライト用光源等に好ましく用いることができる。
【0066】
透光性部材には、蛍光体が含まれていることが好ましい。これにより、発光素子からの光の波長を変換し、様々な色調特に白色の発光をする発光装置を得ることができる。蛍光体は、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)系蛍光体、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn)、量子ドット蛍光体等と呼ばれる半導体の微粒子などが挙げられる。これにより、可視波長の一次光及び二次光の混色光(例えば白色系)を出射する発光装置、紫外光の一次光に励起されて可視波長の二次光を出射する発光装置とすることができる。発光装置が液晶ディスプレイのバックライト等に用いられる場合、発光素子から発せられた青色光によって励起され、赤色発光する蛍光体(例えばKSF系蛍光体)と、緑色発光する蛍光体(例えばβサイアロン蛍光体)とを用いることが好ましい。これにより、発光装置100を用いたディスプレイの色再現範囲を広げることができる。透光性部材に水分や外部環境に弱い蛍光体が含有される場合、水分や外部環境に弱い蛍光体が含有される部分よりも発光面に近い位置に蛍光体を含有しない層を設けることで、水分等に弱い蛍光体を保護することができる。水分や外部環境に弱い蛍光体としては、例えば、KSF蛍光体が挙げられる。
【0067】
なお、蛍光体は、透光性部材10、210中に含有されることに限られず、発光装置の種々の位置及び部材中に設けることができる。例えば、透光性部材10、210の蛍光体を含有しない蛍光体非含有層の上に塗布、接着等で積層された蛍光体層として設けられてもよい。また、透光性接着剤3の中に設けられてもよい、
【0068】
透光性部材10,210は、さらに、充填材(例えば、拡散剤、着色剤等)を含んでいてもよい。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン、ガラス、カーボンブラック、蛍光体の結晶又は焼結体、蛍光体と無機物の結合材との焼結体等が挙げられる。任意に、充填材の屈折率を調整してもよい。例えば、1.8以上が挙げられ、光を効率的に散乱し高い光取り出し効率を得るために、2以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましい。なかでも、酸化チタンは、水分などに対して比較的安定で且つ高屈折率であり、また熱伝導性にも優れるため、好ましい。
充填材の粒子の形状は、破砕状、球状、中空及び多孔質等のいずれでもよい。粒子の平均粒径(メジアン径)は、高い効率で光散乱効果を得られる、0.08〜10μm程度が好ましい。充填材は、例えば、透光性部材10の重量に対して10〜60重量%程度が好ましい。
【0069】
透光性部材10、210は、透光性部材の基部13,213と、透光性部材の凸部12,212を含む。
【0070】
透光性部材の基材11の大きさは、透光性部材の凸部12、212の大きさや製造装置等によって適宜決定することができる。
【0071】
透光性部材の凸部212の大きさは、発光装置100,200の大きさによって適宜決定することができる。
例えば、
図13Cに示す長手方向の長さL4が短手方向の長さL5の、1〜1000倍、50〜500倍、100〜450倍程度とすることができる。本実施形態の発光装置の製造方法によれば、このような長手方向の長さが短手方向の長さに対して非常に長い透光性部材を用いる場合であっても、容易に製造することができる。また、このような細長い発光面を有する発光装置を用いることで、複数の発光装置を多数個実装する場合と比べて、容易に照明装置(バックライト装置)を製造することができる。
図13Cに示す長手方向の長さL4は、具体的には2.5cm〜13.6cm、4cm〜10cm程度とすることができる。これにより、1つのバックライト装置に1つの発光装置を実装するだけでよいため、発光装置の実装及びバックライト装置の製造を容易に行うことができる。
図13Cに示す短手方向の長さL5は、具体的には200〜400μm、より好ましくは200〜300μmとすることができる。これにより、薄型の発光装置100、200とすることができる。
透光性部材10,210の厚みは、発光装置の高さ(
図13AのL3)に影響する一方、薄くなると破損のおそれが高まる。また、含有可能な蛍光体の量が制限されるため、適宜選択される。なお、好ましくは10〜300μm程度、より好ましくは30〜200μm程度があげられる。
【0072】
透光性封止部材1、201または透光性部材の基材11、211は、単層としても良く、
図2B等に示すように、必要に応じて複数の層の積層構造とする事もできる。例えば、蛍光体を含有する蛍光体含有層である第1層11a、211aの上に蛍光体を含有しない蛍光体非含有層11b、211bである第2層を有してもよい。また、異なる種類の蛍光体を含有する複数の層が積層されて形成されてもよい。例えば、緑色に発光する第1の蛍光体を含有した第1層と赤色に発光する第2の蛍光体を含有した第2層を別々に形成した後、貼り合せる事で2層構造の透光性部材の基材11を得る事ができる。また、第1層を形成した後、その上にスプレー法等で第2層を形成する事で2層構造の透光性部材の基材11を得る事もできる。また、
図1Bに示すように、蛍光体を含有する蛍光体含有部と蛍光体を実質的に含有しない蛍光体非含有部が積層されていてもよい。このような透光性部材は、例えば、それぞれ別に形成された複数のシートを張り合わせて形成することができる。また、それぞれ異なる蛍光体を含有する蛍光体層が2層と蛍光体非含有部である蛍光体を含まない層を貼り合わせて3層構造の透光性部材としてもよい。
【0073】
発光装置に使用する蛍光体が水分等の環境影響による劣化が起こりやすい材料である場合、透光性封止部材1の蛍光体含有部の光取り出し側の面側に蛍光体を実質的含有しない蛍光体非含有部を設けることが好ましい。これにより、外気と蛍光体の接触を抑制できるため、蛍光体の劣化を抑制することができる。また、透光性封止部材の光取り出し面側に設けられる部分に、充填材(例えば、拡散剤、着色剤等)を含む層を設けてもよい。このような充填材を含む層を設けることでしたり、色ムラの均一性の改善や発光装置のタック性の低減が期待できる。また、母材よりも熱伝導率の高い充填材を用いることで、熱伝導性を改善することで発光装置の信頼性を改善できる。
【0074】
充填材としては例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン、ガラス、カーボンブラック、蛍光体の結晶又は焼結体、蛍光体と無機物の結合材との焼結体等が挙げられる。充填材の材料は、高い屈折率を有するものを選択することが好ましい。例えば、1.8以上が挙げられ、光を効率的に散乱し高い光取り出し効率を得るために、2以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましい。なかでも、酸化チタンは、水分などに対して比較的安定で且つ高屈折率であり、また熱伝導性にも優れるため、好ましい。充填材の粒子の形状は、破砕状、球状、中空及び多孔質等のいずれでもよい。粒子の平均粒径(メジアン径)は、高い効率で光散乱効果を得られる、0.08〜10μm程度が好ましい。充填材は、例えば、透光性部材の重量に対して10〜60重量%程度が好ましい。
【0075】
透光性部材10,210がはじめに液状の樹脂と粒子状の蛍光体とを含有した液状材料から製造される場合、透光性部材10,210にアエロジル等の微粒子のフィラーを混合することが好ましい。これにより、透光性部材10,210の材料にチクソ性を付与して蛍光体の沈降を低減し、蛍光体が均一に分散した透光性部材の基材11を形成することができる。
【0076】
発光素子2,202
発光素子2、202は、透光性部材の凸部1上に搭載される。
発光素子2,202は、主発光面と、主発光面と反対側の電極形成面とを有する。
発光素子2、202の大きさ、形状、発光波長は適宜選択することができる。複数の発光素子2が一つの発光装置100,200に搭載される場合、その配置は不規則でもよく、行列など規則的に配置されてもよい。発光強度のムラや色ムラを低減するため、
図13Eに示すように、規則的に配置され、複数の発光素子の間隔が略均等となるよう設けられることが好ましい。
【0077】
複数の発光素子302が一つの発光装置300に設けられる場合、直列、並列、直並列又は並直列のいずれの接続形態でもよい。
図13Bに示すように、複数の発光素子2がそれぞれ電気的に分離された状態で製造され、発光装置300が実装される実装基板60を介して電気的に接続されてもよい。また、異なる発光素子302の正負の電極302a、302b間を接続する導電性の金属膜を光反射性部材の表面に設けることで、複数の発光素子302を直列に接続することができる。
【0078】
図16Aに示す発光素子の長手方向の長さL7は、例えば、200μm〜1500μm程度とすることができる。500μm〜1200μm程度とすることが好ましく、700μm〜1100μm程度がより好ましい。
図16Aに示す発光素子2の短手方向の長さL8は、例えば、50μm〜400μm程度とすることができる。100μm〜300μm程度とすることが好ましい。これにより、薄型の発光装置100に搭載することができる。
【0079】
長手方向の長さL7が短手方向の長さL8の3倍、好ましくは5倍以上程度である発光素子2を用いることにより、長手方向の長さL1の長い発光装置100を製造する場合であっても、発光素子2の個数の増加をおさえ、容易に製造を行うことができる。また、長手方向の長さL7が短手方向の長さL8の3〜6倍程度の発光素子2を用いることにより、製造の際に発光素子2が破損するおそれが低減されるため、発光装置100の製造を容易に行うことができる。
図16Cに示す発光素子2の厚みL9は、例えば、80μm〜200μm程度とすることが好ましい。これにより、例えば、発光装置100がバックライト装置に組み込まれる際、導光板の入光端面と発光面が平行になるよう発光装置100が実装される場合に、バックライト装置の枠部の幅を狭くすることができる。
【0080】
図16Cに示すように、発光装置100に用いられる発光素子2は半導体積層体2cとして、第1半導体層(例えば、n型半導体層)、発光層、第2半導体層(例えば、p型半導体層)がこの順に積層され、下面である同一面側(例えば、第2半導体層側の面)に、第1半導体層に電気的に接続される第1電極2aと、第2半導体層に電気的に接続される第2電極2bとの双方を有する。半導体積層体2cは、通常、素子基板2d上に積層されるが、発光素子2としては、素子基板2dを伴っていてもよいし、素子基板2dを有しないものでもよい。
【0081】
第1半導体層、発光層及び第2半導体層の種類、材料は特に限定されるものではなく、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体が挙げられる。具体的には、In
XAl
YGa
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系の半導体材料が挙げられ、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等を用いることができる。各層の膜厚及び層構造は、当該分野で公知のものを利用することができる。
【0082】
素子基板2dとしては、半導体層をエピタキシャル成長させることができる成長用の基板が挙げられる。このような素子基板2dの材料としては、サファイア(Al
2O
3)、スピネル(MgA1
2O
4)のような絶縁性基板、上述した窒化物系の半導体基板等が挙げられる。半導体層の成長用の基板として、サファイア基板のような透光性を有する素子基板2dを用いることにより、半導体積層体から除去せず発光装置に用いることができる。
【0083】
素子基板2dは、表面に複数の凸部又は凹凸を有するものであってもよい。また、C面、A面等の所定の結晶面に対して0〜10°程度のオフ角を有するものであってもよい。
素子基板2dは、第1半導体層との間に、中間層、バッファ層、下地層等の半導体層又は絶縁層等を有していてもよい。
半導体積層体2cは、平面視における形状は特に限定されるものではなく、四角形又はこれに近似する形状が好ましい。半導体積層体2cの平面視における大きさは、発光素子2の平面視における大きさによって適宜調整することができる。
【0084】
第1電極2a、202a及び第2電極2b、202b
第1電極2a及び第2電極2bは、発光素子2の下面2y側に設けられている。半導体積層体2cの同一面側(素子基板2dが存在する場合にはその反対側の面)に形成されていることが好ましい。これにより、実装基板60の正負の接続端子と発光素子2の第1電極2aと第2電極2bを対向させて接合するフリップチップ実装を行うことができる。
【0085】
第1電極2a及び第2電極2bは、例えば、Au、Pt、Pd、Rh、Ni、W、Mo、Cr、Ti等の金属又はこれらの合金の単層膜又は積層膜によって形成することができる。具体的には、半導体層側からTi/Rh/Au、W/Pt/Au、Rh/Pt/Au、W/Pt/Au、Ni/Pt/Au、Ti/Rh等のように積層された積層膜が挙げられる。膜厚は、当該分野で用いられる膜の膜厚のいずれでもよい。
【0086】
また、第1電極2a及び第2電極2bは、それぞれ第1半導体層及び第2半導体層に近い側に、発光層から出射される光に対する反射率が電極のその他の材料より高い材料層が、これら電極の一部として配置されることが好ましい。
【0087】
反射率が高い材料としては、銀又は銀合金やアルミニウムを有する層が挙げられる。銀合金としては、当該分野で公知の材料のいずれを用いてもよい。この材料層の厚みは、特に限定されるものではなく、発光素子2から出射される光を効果的に反射することができる厚み、例えば、20nm〜1μm程度が挙げられる。この材料層の第1半導体層又は第2半導体層との接触面積は大きいほど好ましい。
【0088】
なお、銀又は銀合金を用いる場合には、銀のマイグレーションを防止するために、その表面(好ましくは、上面及び端面)を被覆する被覆層を形成することが好ましい。このような被覆層としては、通常、導電材料として用いられている金属及び合金によって形成されるものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属を含有する単層又は積層層が挙げられる。なかでも、AlCuを用いることが好ましい。被覆層の厚みは、効果的に銀のマイグレーションを防止するために、数百nm〜数μm程度が挙げられる。
【0089】
第1電極2a及び第2電極2bは、それぞれ第1半導体層及び第2半導体層に電気的に接続されている限り、電極の全面が半導体層に接触されていなくてもよいし、第1電極2aの一部が第1半導体層の上に及び/又は第2電極2bの一部が第2半導体層の上に位置していなくてもよい。つまり、例えば、絶縁膜等を介して、第1電極2aが第2半導体層上に配置されていてもよいし、第2電極2bが第1半導体層上に配置されていてもよい。これにより、第1電極2aまたは第2電極2bの形状を容易に変更することができるため、容易に発光装置100,200を実装することができる。
ここでの絶縁膜としては、特に限定されるものではなく、当該分野で使用されるものの単層膜及び積層膜のいずれでもよい。絶縁膜等を用いることにより、第1電極2a及び第2電極2bは、第1半導体層及び/又は第2半導体層の平面積にかかわらず、任意の大きさ及び位置に設定することができる。
【0090】
第1電極2a及び第2電極2bの形状は、この場合、少なくとも、実装基板60と接続される面において、第1電極2a及び第2電極2bの平面形状が略同じであることが好ましい。また、
図13Bに示すように、半導体積層体2cの中央部分を挟んで、第1電極2a及び第2電極2bがそれぞれ対向するように配置されていることが好ましい。
【0091】
第1電極2a及び第2電極bの第1主面(半導体層とは反対側の面)は、段差を有していてもよいが、略平坦であることが好ましい。ここでの平坦とは、半導体積層体2cの第2主面(第1主面と反対側の面)から第1電極2aの第1主面までの高さと、半導体積層体2cの第2主面から第2電極2bの第1主面までの高さとが略同じであることを意味する。ここでの略同じとは、半導体積層体2cの高さの±10%程度の変動は許容される。
【0092】
このように、第1電極2a及び第2電極2bの第1主面を略平坦、つまり、実質的に両者を同一面に配置することにより、
図14に示すように、発光装置を実装基板60等に接合することが容易となる。このような第1電極2a及び第2電極2bを形成するためには、例えば、電極上にメッキ等で金属膜を設け、その後、平坦となるよう研磨又は切削を行うことで実現することができる。
【0093】
第1電極2a及び第2電極2bと第1半導体層及び第2半導体層とのそれぞれの間に、両者の電気的な接続を阻害しない範囲で、DBR(分布ブラッグ反射器)層等を配置してもよい。DBRは、例えば、任意に酸化膜等からなる下地層の上に、低屈折率層と高屈折率層とを積層させた多層構造であり、所定の波長光を選択的に反射する。具体的には屈折率の異なる膜を波長の1/4の厚みで交互に積層することにより、所定の波長を高効率に反射させることができる。材料として、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物または窒化物を含んで形成することができる。
【0094】
透光性接着剤3,203
発光素子2の透光性部材10,210への搭載及び接着には、透光性接着剤3,203を使用することが好ましい。
透光性接着剤3,203には、透光性樹脂を用いることが好ましく、はじめに液状であって硬化することで接着が可能な材料であることが好ましい。このような透光性樹脂としては、特に、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を好ましく用いることができる。透光性接着剤3、203は透光性封止部材1や発光素子2の光取り出し側の面及び側面と接触して設けられるため、点灯時に発光素子2で発生する熱の影響を受けやすい。熱硬化性樹脂は、耐熱性に優れているので、透光性接着剤3に適している。なお、透光性接着剤3,203は、光の透過率が高いことが好ましい。
【0095】
透光性接着剤3,203には、光を散乱する添加物を添加してもよい。これにより、発光素子2間で出射された光を透光性接着剤3内において均一化することができる。透光性接着剤3の屈折率を調整するため、または硬化前の透光性部材(液状樹脂材料31、231)の粘度を調整するために、アエロジル等のフィラーを添加してもよい。これにより透光性接着剤3,203が必要以上に流れて広がってしまう事を抑制でき、安定して透光性部材の凸部12,212上に発光素子2,202を搭載することができる。
【0096】
発光装置100,200
発光装置100、200の大きさは、例えば、発光面においては上述の透光性封止部材1,201の平面形状と略同等で、透光性封止部材1,201の周囲に光反射性部材4,204が設けられている分大きい。
【0097】
発光装置100,200の高さ(
図13Aに示すL3)は、例えば300μm〜700μm程度とすることが好ましい。これにより、例えば、発光装置がバックライト装置に組み込まれる際に導光板の入光端面と発光面が平行になるよう発光装置が実装される場合に、バックライト装置の枠部の幅を狭くすることができる。同様の理由により、例えば
図13B等に示すように、発光装置300の実装用電極として、上記の発光素子の電極302a、302bが発光装置300の外面に露出している部分を用いることが好ましい。また、発光素子302の電極302a、302bの表面と光反射性部材304の表面にわたって設けられた薄い金属層を有することが好ましい。これにより、発光装置の小型化、薄型化を図ることができる。
【実施例】
【0098】
第1実施例
まず、シリコーン樹脂と、YAG:Ce蛍光体と、樹脂に対して2wt%程度のアエロジルを遠心撹拌脱泡装置で混合する。
【0099】
次に、得られた混合物をフッ素樹脂製のリリースフィルム上に塗布した後、ドクターブレードによって厚み150μmのシート状に成形する。得られたシートを150℃8時間で硬化する。このようにして、透光性部材の基材を形成する。
【0100】
次に、硬化が完了した透光性部材の基材を、両面に粘着層を有する耐熱UVシートと、UV光が透過可能な耐衝撃ガラスが接着されて構成された支持体の上面に貼りつける。
【0101】
次に、透光性部材の基材を発光装置の発光部の形状を備える凸部を形成するように、縦横にダイサーでダイシングし、複数の溝部を形成し、複数の凸部を形成する。
この際、ダイシングブレードの厚みを調整して、切断後の光反射性部材の厚みと最終の製品ダイシングの際のブレードの厚み分、例えば200μm程度として、得られる発光装置の光反射性部材の厚みを確保する。
【0102】
次に、アエロジルを2wt%含むシリコーン樹脂である液状樹脂材料をディスペンスにより複数の透光性部材の凸部の上面にそれぞれ複数の箇所に分離して塗布する。
【0103】
次に、透光性部材の凸部の上面に、光取り出し面を構成する透光性のサファイア基板と半導体層と電極とを備える、幅が約200μm、長さが約800μm、高さが約150μmの発光素子を、サファイア基板と透光性部材の上面が対向するよう搭載する。その後、液状樹脂材料を硬化して透光性接着剤により発光素子と透光性部材を接着する。この時、透光性接着剤は、隣接する複数の発光素子の側面の間に配置され、かつ透光性部材の短手側の端部において、発光素子の下面側から透光性部材側に広がる形状に形成される。
【0104】
次に、シリコーン樹脂に平均粒径14μmのシリカと、無機粒子として、平均粒径0.3μmの酸化チタンとを、それぞれ、シリコーン樹脂の重量に対して、2wt%及び60wt%で混合した光反射性部材材料を調合する。
【0105】
次に、支持体の上面と、複数の透光性部材の凸部と、透光性接着剤と、その上に搭載された複数の発光素子を一括して被覆する光反射性部材を、金型を用いた圧縮成形で成形して硬化する。
【0106】
次に、複数の透光性部材の基部及び凸部の一部と光反射性部材とを研削して、複数の透光性部材の凸部が光反射性部材から露出させる。
【0107】
次に、透光性部材が設けられた側と反対側の面から光反射性部材を研削して電極を露出させる。
【0108】
次に、露出された発光素子の電極の位置を基準として光反射性部材をダイシングで切断し、複数の発光装置を得る。
【0109】
最後に、支持体側からUV光を照射して、耐熱UVシートの粘着層の粘着力を下げる。その後、発光装置をUVシートから剥離する。
上記のような方法で、複数の発光装置を得ることができる。
【0110】
第2実施例
まず、第1実施例と同様に、蛍光体を含むシート状の蛍光体含有シート状成形物を得る。
次に、シリコーン樹脂にアエロジルを2wt%添加し、遠心撹拌脱泡装置で混合する。この得られた混合物をフッ素樹脂製のリリースフィルム上に塗布した後、ドクターブレードによって厚み150μmのシート状に成形し、透明なシート状の、透明シート状成形物を得る。
【0111】
次に、これらのシートをそれぞれ120℃1時間で仮硬化する。
次に、仮硬化後させた蛍光体含有シート状成形物と透明シート状成形物を80℃で0.5MPaの圧力で貼り合せる。
【0112】
次に、貼り合せたシートを150℃8時間で本硬化する。
このようにして、蛍光体含有シート状成形物からなる蛍光体含有層11aと透明シート状成形物からなる蛍光体非含有層11bを有する、厚みが270μmの透光性部材の基材11を得る。
【0113】
これを、第1実施例と同様に、透光性部材の基材11をUVシートである粘着層50aを有する支持体50に貼り付ける。この時、蛍光体非含有層11b側をUVシートに接着する。
【0114】
次に、透光性部材の基材11をダイシングして凸部12を成形する。また、ブレードの高さを調整して、蛍光体非含有層11bのうち50μmが切断されていない状態とする。言い換えると、透光性部材の基材11を、蛍光体非含有層11bの支持体50に接している側の一部が分離されずに連続した状態である、50μmの厚みで蛍光体非含有層11bからなる基部と、その基部の上方において分離された、基部13の上面からの高さが220μmである、蛍光体非含有層12bと蛍光体含有層12aとが積層された凸部12を複数有する形状に切断する。これにより、次の成形工程で、光反射性部材4を形成する際の圧力で透光性部材10が変形したり、支持体50と透光性部材10の間に光反射性部材4が入り込んだりすることを抑制できる。
【0115】
次に、第1実施形態と同様の方法で、発光素子2の搭載、光反射性部材4の形成、発光素子2の電極2a、2bの露出を行う。
【0116】
次に、支持体50側からUV光を照射して、粘着層50aの粘着力を弱め、透光性部材の基材11を支持体50から剥がし、別のUVシートを備える支持体に転写する。この時、支持体50と光反射性部材4の発光素子2の電極2a、2bが露出された面が接着するように転写する。
【0117】
次に、透光性部材の基材11を研削し、透光性部材の基部13、光反射性部材4の基材41の一部及び凸部12を構成する蛍光体非含有層12bの一部を除去する。
次に、露出した透光性封止部材1の位置を基準として、光反射性部材の基材41をダイシングで切断する。
次に、ガラス製の仮支持部材側からUV光を照射して粘着層を硬化させ、完成した発光装置100を支持体から剥離する。
上記のような方法で、透光性封止部材の発光面側に蛍光体非含有層11bを備える発光装置100を得ることができる。
【0118】
この方法によれば、透光性部材の基部13及び12の除去の際に蛍光体非含有部11b、12bを除去するため、除去による蛍光体含有部12aの厚みのばらつきが発生しない。これによって、製造される発光装置100の発光色のばらつきを低減することができる。また、蛍光体を含まない部分を除去することで、除去工程中に蛍光体含有層12aが露出することがないため、蛍光体含有層に含有されている蛍光体を保護することができる。また、蛍光体を含有する部材を除去する必要がないため、必要な蛍光体の量を削減し、材料費を低減することができる。また、発光装置100の表面側に蛍光体非含有部1bを備えることで、蛍光体含有層1aを保護することができる。
【0119】
第3実施例
本実施例においては、
図13A〜
図13Eの発光装置300を製造する。この発光装置300の製造に用いられる透光性部材の凸部の上面は、平面視における短手方向の長さL5が約300μmで長手方向の長さL4が約49500μmで、透光性部材の基部の上面からの高さが約120μm程度である。この透光性部材の凸部状に、幅200μm、長さ1000μm、高さ150μmの発光素子302を33個、500μmの間隔で搭載する。透光性接着剤303を複数の発光素子302の間に連続して設ける。それ以外は実施例2と略同様に発光装置を製造する。これにより、
図13A〜
図13Eに示すような、長手方向に長い線状の発光装置を容易に製造することができる。なお、
図13A〜13Eの発光装置300は、平面視において長手方向と短手方向を有する複数の発光素子302と、平面視において長手方向と短手方向を有する透光性封止部材301と、発光素子302と透光性封止部材301とを接着する透光性接着剤303と、発光素子302の側面と透光性接着剤303と、透光性封止部材301の側面とを被覆する光反射性部材304を備え、複数の発光素子302の長手方向と透光性封止部材301の長手方向が一致するよう並んで配置され、透光性接着剤303は、隣接する複数の発光素子302の側面の間に配置されている。
【0120】
このような発光装置300は、端面入光型のバックライト光源として好適に用いることができる。つまり、近年、発光装置がバックライト装置の光源として用いられるディスプレイを備える電子機器において、表示部を備える面の大きさに対する表示部の割合を大きくするために、ディスプレイパネルの狭額縁化(パネル内の画面有効エリアの拡大)の要求が高まっている。一方、バックライト装置の光源として使用される発光装置として発光装置内に発光素子を複数個並べたものを使用した場合、発光装置から出射される光は強度および色味の角度依存性を持っているため、発光装置近傍では明るさおよび色調のムラが大きく、表示部としては不適である。そのため、発光装置300から一定距離を表示部として使用できず、表示部を拡大しにくいという問題がある。
【0121】
しかし、本実施例で得られる発光装置300の構成によれば、複数の発光素子302から出射された光が、発光素子302の間に配置された透光性接着剤303内で均一化された上で、透光性封止部材301に入光され、透光性封止部材301の表面から略均一に出射される。これにより、発光装置300から出射される光の強度または色味の角度依存性を低減することができるため、このような発光装置300をバックライト装置の導光板近傍に配置することができる。これにより、バックライト装置の枠部を狭くし、バックライト装置の表示部を拡大することができる。そのため、
図14に示すような本実施例の発光装置300を備えるディスプレイ(照明装置)390は、拡大された表示部を有することができる。
【0122】
実施例4
本実施例において、透光性部材の凸部の上面は1100μm×1100μmの略正方形である。この凸部に1000μm×1000μmの略正方形の発光素子402を搭載する。それ以外は実施例2と略同様に発光装置を製造する。これにより、
図15A、
図15Bに示すような発光装置400を容易に製造することができる。このような発光装置400は、例えば、複数の発光装置をマトリックス状に並べて直下型バックライトまた、小型であるためスマートフォンのカメラ用のフラッシュ等に好適に用いられる。
【0123】
以上、本発明に係るいくつかの実施形態および実施例について例示したが、本発明は上述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
本明細書に開示される発光装置は、発光面が実装基板と反対側に向くように実装される上面発光型の発光装置として用いられてもよく、発光面が実装面と交わる方向、好ましくは実装面と略垂直になるよう実装される側面発光型の発光装置として用いられてもよい。