特開2018-151588(P2018-151588A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-151588(P2018-151588A)
(43)【公開日】2018年9月27日
(54)【発明の名称】視野内表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 25/00 20060101AFI20180831BHJP
   G03B 17/20 20060101ALI20180831BHJP
   G03B 19/12 20060101ALI20180831BHJP
   G03B 13/06 20060101ALI20180831BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20180831BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20180831BHJP
【FI】
   G02B25/00 A
   G03B17/20
   G03B19/12
   G03B13/06
   G02B13/18
   G02B5/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-49367(P2017-49367)
(22)【出願日】2017年3月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(72)【発明者】
【氏名】金井 守康
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
【テーマコード(参考)】
2H018
2H042
2H054
2H087
2H102
【Fターム(参考)】
2H018AA26
2H018BE02
2H042CA03
2H042CA18
2H054CD03
2H087KA14
2H087LA12
2H087PA03
2H087PA04
2H087PA17
2H087PB03
2H087PB04
2H087QA01
2H087QA06
2H087QA13
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA32
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA33
2H087RA41
2H087RA42
2H087RA45
2H102BB08
2H102CA15
(57)【要約】
【課題】見やすい視野内表示装置(ファインダ内表示装置)を得る。
【解決手段】焦点板に結像された被写体像を拡大して観察するためのルーペ光学系と、前記被写体像に重ねて又は代えて表示させるため、所定の情報を前記ルーペ光学系の視野内に入射させる情報入射装置と、を有する視野内表示装置であって、前記情報入射装置は、前記情報を表示する情報表示部から前記視野内に入射させる所定の入射点までの間の少なくとも一部の光軸と、前記ルーペ光学系を構成するレンズの光軸とが、ねじれの位置の関係を取るように、前記情報表示部から前記所定の入射点までの間に配置された光学素子を有する、ことを特徴とする視野内表示装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焦点板に結像された被写体像を拡大して観察するためのルーペ光学系と、
前記被写体像に重ねて又は代えて表示させるため、所定の情報を前記ルーペ光学系の視野内に入射させる情報入射装置と、
を有する視野内表示装置であって、
前記情報入射装置は、
前記情報を表示する情報表示部から前記視野内に入射させる所定の入射点までの間の少なくとも一部の光軸と、前記ルーペ光学系を構成するレンズの光軸とが、ねじれの位置の関係を取るように、前記情報表示部から前記所定の入射点までの間に配置された光学素子を有する、
ことを特徴とする視野内表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の視野内表示装置において、
前記光学素子は、前記情報表示部が表示した情報を拡大して所定の結像面に結像するリレー光学系を有し、
前記リレー光学系の前記情報表示部から前記所定の結像面までの光軸の少なくとも一部は、前記ルーペ光学系を構成するレンズの光軸に対してねじれの位置の関係を取る視野内表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の視野内表示装置において、
前記焦点板に結像された被写体像を正立化する正立化部材をさらに有し、
前記光学素子は、前記情報表示部が表示した情報を拡大して所定の結像面に結像するリレー光学系を有し、
前記ルーペ光学系を構成する光学素子と前記リレー光学系を構成する光学素子は前記正立化部材を挟むように配置されている視野内表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の視野内表示装置において、
前記光学素子は、前記情報表示部が表示した情報を拡大して所定の結像面に結像するリレー光学系を有し、
前記情報入射装置は、前記リレー光学系による前記所定の結像面と前記正立化部材との間に配置されたコンデンサーレンズ系をさらに有する視野内表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の視野内表示装置において、
次の条件式(1)を満足する視野内表示装置。
(1)2.0<fe/fc<2.8
但し、
fe:前記ルーペ光学系の焦点距離、
fc:前記コンデンサーレンズ系の焦点距離。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の視野内表示装置において、
次の条件式(2)を満足する視野内表示装置。
(2)1.2<d/fc<1.6
但し、
d:前記コンデンサーレンズ系の後側主点から前記リレー光学系の前側主点までの間隔、
fc:前記コンデンサーレンズ系の焦点距離。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の視野内表示装置において、
前記焦点板に結像された被写体像を正立化する正立化部材をさらに有し、
前記正立化部材は、前記被写体像が入射する入射面と、前記入射面に入射した前記被写体像を反射する一対のダハ面と、前記一対のダハ面が反射した前記被写体像を反射する第3反射面と、前記第3反射面が反射した前記被写体像を前記ルーペ光学系に向けて出射する出射面と、を有するペンタゴナルダハプリズムからなり、
前記ペンタゴナルダハプリズムの前記第3反射面は、前記情報入射装置からの前記所定の情報が入射する前記所定の入射点を含む半透過面からなる視野内表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野内表示装置(ファインダ内表示装置)、例えば一眼レフカメラの光学ファインダに搭載される視野内表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフカメラの光学ファインダは、撮影レンズによる被写体像をクイックリターンミラーによって光路を偏向して焦点板上に形成し、焦点板上に形成した被写体像をペンタプリズム等の像反転手段を介して正立像とした後、ルーペ光学系によって拡大表示して、観察者が観察するように構成されている(略してOVF)。
【0003】
一方で、このような一眼レフカメラでは、撮影レンズによる被写体像をクイックリターンミラーの収納時に撮像素子上に結像させ、撮像素子から出力される信号(画像信号)をカメラの背面液晶に表示することで被写体像を確認するライブビュー機能を有するものが一般的となっている。
【0004】
また、クイックリターンミラーや光学ファインダを持たないミラーレス一眼カメラでは、撮像素子上に結像させた被写体像を電子ビューファインダで観察するタイプのものがある(略してEVF)。
【0005】
カメラの背面液晶を用いる“いわゆるライブビュー”表示では、日中の野外のような明るい場所では液晶の輝度が十分ではないため電子ビューファインダで観察する方が良く、光学ファインダ内でも撮像素子上に結像させた電子像が観察可能なファインダ装置が望まれている。
【0006】
一方、光学ファインダの像にオートフォーカス時の測距点位置などの比較的粗い点像を重ねて表示するスーパーインポーズ(略してSI)機能については以前から知られている。ここで、クイックリターンミラーを収納し、撮像素子上に結像させた撮影レンズによる被写体像をスーパーインポーズ機能で表示させることができれば、光学ファインダを電子ビューファインダとして機能させることは可能である。
【0007】
特許文献1及び特許文献2には、光学ファインダの像にオートフォーカス時の測距点を重ねて表示するスーパーインポーズ機能に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−236860号公報
【特許文献2】特開2000−194052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の実施例1では小型の液晶表示素子上に表示された像をリレー系(再結像光学系)によってコンデンサーレンズ内に設けた半透過面で反射させ、光学ファインダの像に重ねて表示する例が示されている。この例では表示光源として比視感度の低い長波長域のみ使用しているため、コンデンサーレンズ内に設けた半透過面を透過する光はわずかであり、透過光が焦点板で反射散乱する光はさほど問題にはならない。しかし、電子ビューファインダとして可視光域全体を用いてフルカラー表示させる場合は、光学ファインダとしての機能を維持するため透過率を高めなくてはならず、よって表示光の透過光が迷光となる率が高くなり、像のコントラストを著しく低下させるという問題がある。
【0010】
特許文献1の実施例3及び特許文献2では、ペンタプリズムの第3反射面(前側反射面)を半透過面として設定し、液晶表示素子上に表示された像やLEDの輝点などを光学ファインダの像に重ねて表示する例が示されている。この例の場合、光路中に視度合わせレンズを配置し、ルーペ光学系に対する液晶表示素子等の位置を、ルーペ光学系に対するピント板の位置と光学的に等価にする必要があるが、ファインダのルーペ光学系と、視度合わせレンズとの合成系としてのルーペ倍率が低いため、光学ファインダ視野に対して十分に広い表示領域を確保するためには大きな液晶表示素子が必要となり、安価な小型の液晶表示素子を使うことができないという問題がある。
【0011】
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、見やすい視野内表示装置(ファインダ内表示装置)を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本実施形態の視野内表示装置は、焦点板に結像された被写体像を拡大して観察するためのルーペ光学系と、前記被写体像に重ねて又は代えて表示させるため、所定の情報を前記ルーペ光学系の視野内に入射させる情報入射装置と、を有する視野内表示装置であって、前記情報入射装置は、前記情報を表示する情報表示部から前記視野内に入射させる所定の入射点までの間の少なくとも一部の光軸と、前記ルーペ光学系を構成するレンズの光軸とが、ねじれの位置の関係を取るように、前記情報表示部から前記所定の入射点までの間に配置された光学素子を有する、ことを特徴としている。
【0013】
前記光学素子は、前記情報表示部が表示した情報を拡大して所定の結像面に結像するリレー光学系を有し、前記リレー光学系の前記情報表示部から前記所定の結像面までの光軸の少なくとも一部は、前記ルーペ光学系を構成するレンズの光軸に対してねじれの位置の関係を取ることができる。
【0014】
前記焦点板に結像された被写体像を正立化する正立化部材をさらに有し、前記光学素子は、前記情報表示部が表示した情報を拡大して所定の結像面に結像するリレー光学系を有し、前記ルーペ光学系を構成する光学素子と前記リレー光学系を構成する光学素子は前記正立化部材を挟むように配置されていることができる。
【0015】
前記光学素子は、前記情報表示部が表示した情報を拡大して所定の結像面に結像するリレー光学系を有し、前記情報入射装置は、前記リレー光学系による前記所定の結像面と前記正立化部材との間に配置されたコンデンサーレンズ系をさらに有することができる。
【0016】
本実施形態の視野内表示装置は、次の条件式(1)を満足することが好ましい。
(1)2.0<fe/fc<2.8
但し、
fe:前記ルーペ光学系の焦点距離、
fc:前記コンデンサーレンズ系の焦点距離、
である。
【0017】
本実施形態の視野内表示装置は、次の条件式(2)を満足することが好ましい。
(2)1.2<d/fc<1.6
但し、
d:前記コンデンサーレンズ系の後側主点から前記リレー光学系の前側主点までの間隔、
fc:前記コンデンサーレンズ系の焦点距離、
である。
【0018】
前記焦点板に結像された被写体像を正立化する正立化部材をさらに有し、前記正立化部材は、前記被写体像が入射する入射面と、前記入射面に入射した前記被写体像を反射する一対のダハ面と、前記一対のダハ面が反射した前記被写体像を反射する第3反射面と、前記第3反射面が反射した前記被写体像を前記ルーペ光学系に向けて出射する出射面と、を有するペンタゴナルダハプリズムからなり、前記ペンタゴナルダハプリズムの前記第3反射面は、前記情報入射装置からの前記所定の情報が入射する前記所定の入射点を含む半透過面からなることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、見やすい視野内表示装置(ファインダ内表示装置)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態によるファインダ内表示装置を示す図であり、図1Aは平面図、図1Bは右側面図、図1Cは正面図をそれぞれ示している。
図2】第2実施形態によるファインダ内表示装置を示す図であり、図2Aは平面図、図2Bは右側面図、図2Cは正面図をそれぞれ示している。
図3】第3実施形態によるファインダ内表示装置を示す図であり、図3Aは平面図、図3Bは右側面図、図3Cは正面図をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
≪第1実施形態≫
図1A図1Cを参照して、第1実施形態によるファインダ内表示装置(視野内表示装置)について説明する。第1実施形態によるファインダ内表示装置では、光路が複雑に折れ曲がるため、当該光路を理解し易いように、図1Aの平面図、図1Bの右側面図、図1Cの正面図を使用して説明する。図1A図1Cでは、紙面直交方向の光路を省略して、プリズムやミラーを一部省略して描いている。図1A図1Cを組み合わせる(合成する)ことで、光路の折れ曲がりとこれを実現するための各光学要素の配置等の全体像を把握できるようになっている。以下では、説明の便宜上の理由により、x方向を前後方向(図1A図1Bにおける左が前方で右が後方)、y方向を上下方向(図1B図1Cにおける上が上方で下が下方)、z方向を左右方向(図1Aにおける上と図1Cにおける左が左方で図1Aにおける下と図1Cにおける右が右方)と呼ぶことがある。
【0022】
ファインダ内表示装置は、図示を省略した一眼レフカメラの光学ファインダに搭載される。図示を省略しているが、一眼レフカメラは、被写体光を取り込む撮影レンズと、該撮影レンズが取り込んだ被写体光を上方に反射するミラーダウン位置と該撮影レンズが取り込んだ被写体光を後方に通過させるミラーアップ位置との間で回動するクイックリターンミラーとを有している。クイックリターンミラーがミラーアップ位置にあるとき、撮影レンズが取り込んでクイックリターンミラーを通過した被写体光は、図示を省略した撮像素子の受光面に被写体像として結像する。
【0023】
ファインダ内表示装置は、クイックリターンミラーがミラーダウン位置にあるとき、撮影レンズが取り込んでクイックリターンミラーが上方に反射した被写体光が被写体像として結像する焦点板10を有している。焦点板10は、上述した撮像素子と光学的に等価な位置にある。
【0024】
ファインダ内表示装置は、焦点板に結像された被写体像を正立化する正立化部材としてのペンタゴナルダハプリズム(以下ではペンタプリズムと呼ぶ)20を有している。ペンタプリズム20は、被写体像が入射する入射面21と、この入射面21に入射した被写体像を反射する一対のダハ面22と、この一対のダハ面22が反射した被写体像を反射する第3反射面23と、この第3反射面23が反射した被写体像をルーペ光学系40に向けて出射する出射面24とを有している。第3反射面23は、半透過面から構成されており、後述する電子像入射装置(情報入射装置)60からの電子像が入射可能(光学像と電子像が結合可能)になっている。すなわち、第3反射面(半透過面)23は、後述する電子像入射装置(情報入射装置)60からの所定の情報が入射する所定の入射点を含んでいる。
【0025】
第3反射面(半透過面)23の外側には、補助プリズム(三角プリズム)30が接着されている。この補助プリズム30は、後述する電子像入射装置60からの電子像を反射して第3反射面(半透過面)23に導く反射面31を有している。
【0026】
ファインダ内表示装置は、ペンタプリズム20が正立化した被写体像(及び/又は後述する電子像入射装置60から入射した電子像(所定の情報))を拡大してファインダ内に表示させて観察するためのルーペ光学系40を有している。ルーペ光学系40は、両凹負レンズからなる第1負レンズ41と、両凸正レンズからなる第2正レンズ42と、物体側に凸のメニスカスレンズからなる第3レンズ43とを有している。第1負レンズ41は両面に非球面を有しており、第2正レンズ42は眼側の面に非球面を有しており、第3レンズ43は物体側の面に非球面を有している。
【0027】
ルーペ光学系40と図示を省略したアイポイントの間には、カバーガラス50が配置されている。
【0028】
表1は、焦点板10からカバーガラス50までの被写体像の光路の折れ曲がりとこれを実現するための各光学要素の配置を把握するためのレンズデータ(アイポイント側からの、実際に光線が通過する方向とは逆向きで表現したレンズデータ)である。表2はルーペ光学系40に設けられた非球面データである。表1と図1A図1Cは、共通の符号を付すことにより、両者の対応関係を明確にしている。表1中において、Rは曲率半径、Dはレンズ厚又はレンズ間隔、Ndはd線に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数である。長さの単位は[mm]である。
回転対称非球面は次式で定義される(以下同様である)。
t=ch2/[1+[1-(1+K)c2h2]1/2] +A4h4+A6h6+A8h8 +A10h10+A12h12・・・
(但し、cは曲率(1/R)、hは光軸からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数、tはサグ量)
なお、表1、3、5、7において、反射面前後の屈折率Nd及び間隔Dは符号を変えて表記するのが通例であるが、光路が複雑に折れ曲がるため、当該光路を理解し易いようにNd及びDは符号を変えずに記載し、反射面であることを示す記載と反射面角度を記してある。
[表1]
レンズデータ
面番号 R D Nd νd 反射面角度 構成要素
1 ∞ 1.00 1.51633 64.1
2 ∞ 3.45 1
3(A) -16.45 9.00 1.52538 56.3
4* -18.69 1.60 1
5* 30.13 7.10 1.52538 56.3
6 -50.00 4.25 1
7* -35.66 2.95 1.62133 24.8
8(B)* 149.90 2.23 1
9(C) ∞ 32.72 1.51633 64.1
10(D) ∞ 27.72 1.51633 64.1 α=25° 反射面(プリズム内)
11(E) ∞ 33.33 1.51633 64.1 β=20° 反射面(プリズム内)
12(F) ∞ 3.92 1
13(G) ∞
*は回転対称非球面である。
[表2]
非球面データ
面番号 K ASP4 ASP6 ASP8
4 0 -7.2450E-06 3.7420E-08 0.0000E+00
5 0 -6.7320E-06 1.0000E-09 0.0000E+00
7 0 1.6860E-05 0.0000E+00 0.0000E+00
8 0 2.3390E-05 -4.2700E-08 1.0370E-10
【0029】
ファインダ内表示装置は、ファインダ内で光学像に重ねて又は代えて表示させる電子像をペンタプリズム20(補助プリズム30)からルーペ光学系40に入射させる電子像入射装置(情報入射装置)60を有している。すなわち、電子像入射装置(情報入射装置)60は、被写体像に重ねて又は代えて表示させるため、所定の情報をルーペ光学系40の視野内に入射させる。
【0030】
電子像入射装置60は、上方に向けて電子像(情報)を表示する液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)61を有している。液晶表示面61が表示する電子像は、例えば、撮影情報等のスーパーインポーズ情報(ファインダ内で光学像に重ねて表示させる電子像)、クイックリターンミラーがミラーアップ位置にあるときに撮像素子に結像した被写体像(ファインダ内で光学像に代えて表示させる電子像)とすることができる。液晶表示面61は、ペンタプリズム20の第3反射面23の上方かつ第3反射面23の左右方向の中央部より右側に位置している。
【0031】
電子像入射装置60は、液晶表示面61の上方に位置する偏光ビームスプリッタ62を有している。偏光ビームスプリッタ62は、液晶表示面61が表示する電子像の一部分(一偏光成分)を右方に反射する。
【0032】
電子像入射装置60は、偏光ビームスプリッタ62の右方に位置する裏面反射凹面鏡63を有している。裏面反射凹面鏡63の直前には1/4λ板64が配置されている。偏光ビームスプリッタ62が反射した電子像は、1/4λ板64を通って裏面反射凹面鏡63で反射され、再び1/4λ板64を通って偏光ビームスプリッタ62に戻される。偏光ビームスプリッタ62は、裏面反射凹面鏡63と1/4λ板64から戻された電子像の一部分(一偏光成分)を左方に透過する。
【0033】
電子像入射装置60は、偏光ビームスプリッタ62の左方に位置する透過型非球面補正板65を有している。透過型非球面補正板65は、偏光ビームスプリッタ62を透過した電子像の収差を補正する機能を持つ。
【0034】
電子像入射装置60は、透過型非球面補正板65を通過した電子像を前方に反射する平面ミラー66を有している。
【0035】
電子像入射装置60は、平面ミラー66の前方(平面ミラー66と補助プリズム30の間)に位置するコンデンサーレンズ一体型プリズム67を有している。平面ミラー66で反射された電子像は、コンデンサーレンズ一体型プリズム67内の拡大結像面gで結像(一次結像)される。すなわち、偏光ビームスプリッタ62、裏面反射凹面鏡63、1/4λ板64、透過型非球面補正板65、平面ミラー66及びコンデンサーレンズ一体型プリズム67の入射面は、液晶表示面61が表示した電子像(情報)を拡大して所定の結像面に結像させる「リレー光学系(再結像光学系)」及び「リレー光学系を構成する光学要素」として機能する。以下、拡大結像面gで結像(一次結像)された電子像を「拡大電子像」と呼ぶ。
【0036】
コンデンサーレンズ一体型プリズム67は、拡大電子像を下斜め後方に反射する反射面68と、反射面68で反射された拡大電子像を補助プリズム30の反射面31に導くコンデンサーレンズ系として機能するコンデンサーレンズ面(射出面)69を有している。コンデンサーレンズ面69は、非球面を有している。コンデンサーレンズ面69は、リレー光学系(62〜67)による電子像の拡大結像面gとペンタプリズム20の間に配置されて、リレー光学系(62〜67)とルーペ光学系40を接続する機能を持つ。
【0037】
表3は、電子像入射装置60の液晶表示面61からカバーガラス50までの被写体像の光路の折れ曲がりとこれを実現するための各光学要素の配置を把握するためのレンズデータ(アイポイント側からの、実際に光線が通過する方向とは逆向きで表現したレンズデータ)である。表4はルーペ光学系40と透過型非球面補正板65とコンデンサーレンズ面69に設けられた非球面データである。表3と図1A図1Cは、共通の符号を付すことにより、両者の対応関係を明確にしている。
[表3]
レンズデータ
面番号 R D Nd νd 反射面角度 構成要素
1 ∞ 1.00 1.51633 64.1 カバーガラス
2 ∞ 3.45 1
3(A) -16.45 9.00 1.52538 56.3 ルーペ光学系
4* -18.69 1.60 1
5* 30.13 7.10 1.52538 56.3
6 -50.00 4.25 1
7* -35.66 2.95 1.62133 24.8
8(B)* 149.90 2.23 1
9(C) ∞ 32.72 1.51633 64.1 ペンタプリズム
10(D) ∞ 10.50 1.51633 64.1 α=25° 半透過面(透過光路)
11(e) ∞ 14.00 1.51633 64.1 ε=57.5° 反射面(プリズム内)
12 ∞ 0.15 1
13* 15.00 16.01 1.52538 56.3 コンデンサーレンズ面
14(f) ∞ 11.50 1.52538 56.3 φ=32.5° 反射面(プリズム内)
15 ∞ 6.70 1
16(h) ∞ 9.17 1 η=45.0° 反射面(平面ミラー)
17(i)* ∞ 1.50 1.52538 56.3 非球面補正板
18 ∞ 5.00 1.52538 64.1
19(j) ∞ 5.00 1.52538 64.1 偏光ビームスプリッタ(透過)
20(k) ∞ 0.20 1.49176 57.5 1/4λ板
21 ∞ 2.00 1.52538 64.1
22(m) -22.50 2.00 1.51633 64.1 裏面反射凹面鏡
23(k) ∞ 0.20 1.49176 57.5 1/4λ板
24 ∞ 5.00 1.51633 64.1
25(j) ∞ 5.00 1.51633 64.1 ψ=45.0° 偏光ビームスプリッタ(反射)
26(n) ∞ 1.94 1
27(p) ∞ 液晶表示面
*は回転対称非球面である。
[表4]
非球面データ
面番号 K ASP4 ASP6 ASP8
4 0 -7.2450E-06 3.7420E-08 0.0000E+00
5 0 -6.7320E-06 1.0000E-09 0.0000E+00
7 0 1.6860E-05 0.0000E+00 0.0000E+00
8 0 2.3390E-05 -4.2700E-08 1.0370E-10
13 -0.45 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
17 0 -2.0000E-04 -3.0000E-06 0.0000E+00
【0038】
プリズム等の正立化部材の反射面で分岐させる従来型のスーパーインポーズ光学系は、撮影レンズの実像に対して縮小レンズにより0.5〜0.7倍程度縮小(アイポイント側から逆通しの配置で見た場合に縮小となる)した表示サイズで使われる。一般的な一眼レフカメラの光学ファインダのルーペ倍率は3〜4倍程度であるから、スーパーインポーズ光学系として5〜8倍程のルーペ倍率しか達成できなかった。しかしながら、安価で小型の液晶表示系を用いて比較的広い範囲(実施例ではOVF領域の70%)にスーパーインポーズ及びEVF表示を行うためには、従来型の縮小レンズだけでは高いルーペ倍率(実施例では19.1倍)は達成できない。
【0039】
そこで本実施形態では、従来は縮小レンズの前方に配置した表示系の位置にリレー光学系(再結像光学系)を用いて小型液晶表示の像を再結像させて投影する方式とした。すなわち本実施形態は、小型の液晶表示部上の表示を再結像光学系で拡大して一次像を形成させ、コンデンサーレンズ系(コンデンサーレンズ面)を介してルーペ光学系に繋ぐ方式である。
【0040】
リレー光学系は、一般に複数枚のレンズのみで構成すると光軸方向に長くなるという問題がある。第1実施形態では、リレー光学系を偏光ビームスプリッタ62と裏面反射凹面鏡63を組み合わせた反射光学系で構成している(後述する第2実施形態も同様である)。偏光ビームスプリッタ62を使用した理由としては、まずもともと液晶表示系は直線偏光が掛かっているので、1/4λ板64を使って裏面反射凹面鏡63で反射後に90°偏光方向を回せば、反射透過時の光量ロスを少なくできるという利点を利用したことにある。また、主光線が集まる位置に透過型非球面補正板65を配置して、裏面反射凹面鏡63と透過型非球面補正板65を適切に配置することで球面収差、コマ収差、非点隔差を同時に補正する構成としている。また、ディストーションはコンデンサーレンズ系69の非球面量を調整することで補正している。コンデンサーレンズ系69で発生する倍率色収差が大きく残存する場合には、例えば液晶表示画像の大きさを色ごとに調整するソフトウェアによる補正で対応することが可能である。また、上記倍率色収差はコンデンサーレンズ系69を色消し接合レンズとすれば補正できるが、この場合は、光学系の大型化が問題となるおそれがあるのでソフトウェア補正の方が好ましい。
【0041】
本実施形態では、電子像入射装置(情報入射装置)60が、情報を表示する液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)61からファインダ視野内に入射させる所定の入射点までの間の少なくとも一部の光軸と、ルーペ光学系40を構成するレンズの光軸とが、ねじれの位置の関係を取るように、液晶表示面61から所定の入射点までの間に配置された光学素子を有している。また、リレー光学系の液晶表示面61から所定の結像面までの光軸の少なくとも一部が、ルーペ光学系40を構成するレンズの光軸に対してねじれの位置の関係を取っている。より具体的に、リレー光学系の光軸のうち、液晶表示面61から偏光ビームスプリッタ62までの光軸、偏光ビームスプリッタ62と裏面反射凹面鏡63(1/4λ板64)の間で往復する光軸、偏光ビームスプリッタ62から透過型非球面補正板65を通って平面ミラー66に至るまでの光軸が、上記ねじれの位置の関係に該当する。この構成により、小型の液晶表示素子で広い表示領域を確保するとともに、小型化を図ることができる。
【0042】
≪第2実施形態≫
図2A図2Cを参照して、第2実施形態によるファインダ内表示装置について説明する。第1実施形態によるファインダ内表示装置と重複する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。特に、焦点板10からカバーガラス50までの被写体像の光路の折れ曲がりとこれを実現するための各光学要素の配置は、第1実施形態のそれと全く同じであるため、表1と表2を流用することにする。
【0043】
第1実施形態のリレー光学系は、偏光ビームスプリッタ62で反射と透過が各1回となる一往復タイプであった。そのため、リレー光学系がやや長くなり、偏光ビームスプリッタ62がペンタプリズム20に対して横に(z方向に)張り出す構成となっていた。
【0044】
これに対し、第2実施形態のリレー光学系は、反射型の非球面補正板を配置することにより偏光ビームスプリッタで反射と透過が各2回となる二往復タイプを採用している。そのため、リレー光学系がよりコンパクトになり、偏光ビームスプリッタをペンタプリズムに対して左右方向(z方向)の中央となる位置に配置することが可能となっている。
【0045】
第2実施形態のファインダ内表示装置は、第1実施形態の電子像入射装置60に代えて、電子像入射装置(情報入射装置)70を有している。
【0046】
電子像入射装置70は、前方に向けて電子像を表示する液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)71を有している。液晶表示面71は、ペンタプリズム20の第3反射面23の上方かつ第3反射面23の左右方向の中央部に位置している。
【0047】
電子像入射装置70は、液晶表示面71の前方に位置する偏光ビームスプリッタ72を有している。偏光ビームスプリッタ72は、液晶表示面71が表示する電子像の一部分(一偏光成分)を右方に反射する。
【0048】
電子像入射装置70は、偏光ビームスプリッタ72の右方に位置する裏面反射凹面鏡73を有している。裏面反射凹面鏡73の直前には1/4λ板74が配置されている。偏光ビームスプリッタ72が反射した電子像は、1/4λ板74を通って裏面反射凹面鏡73で反射され、再び1/4λ板74を通って偏光ビームスプリッタ72に戻される。偏光ビームスプリッタ72は、裏面反射凹面鏡73と1/4λ板74から戻された電子像の一部分(一偏光成分)を左方に透過する。
【0049】
電子像入射装置70は、偏光ビームスプリッタ72の左方に位置する反射型非球面補正板75を有している。反射型非球面補正板75は、偏光ビームスプリッタ72を透過した電子像の収差を補正するとともに、収差補正後の電子像を偏光ビームスプリッタ72に反射して戻す機能を持つ。反射型非球面補正板75の直前には1/4λ板76が配置されている。裏面反射凹面鏡73と1/4λ板74から戻されて偏光ビームスプリッタ72を透過した電子像は、1/4λ板76を通って反射型非球面補正板75で反射され、再び1/4λ板76を通って偏光ビームスプリッタ72に戻される。偏光ビームスプリッタ72は、反射型非球面補正板75と1/4λ板76から戻された電子像の一部分(一偏光成分)を前方に反射する。
【0050】
電子像入射装置70は、偏光ビームスプリッタ72の前方に位置する迷光防止用偏光板77を有している。組み立て上の誤差などにより、液晶表示面71を最初に出た直接光と偏光ビームスプリッタ72内で反射と透過を繰り返して射出された正規光の光路が重複することで迷光が発生するおそれがあるが、偏光ビームスプリッタ72の最後の射出面に迷光防止用偏光板77を配置することで、上記迷光の発生を防止することが可能になる。
【0051】
電子像入射装置70は、迷光防止用偏光板77を通過した電子像を下斜め後方に反射する反射ミラー78を有している。迷光防止用偏光板77を通過した電子像は、反射ミラー78の反射面の近傍にある拡大結像面fで結像(一次結像)される(結像面の一部は反射ミラー78の反射面上に位置することになるが問題はない)。すなわち、偏光ビームスプリッタ72、裏面反射凹面鏡73、1/4λ板74、反射型非球面補正板75、1/4λ板76、迷光防止用偏光板77及び反射ミラー78は、液晶表示面71が表示した電子像を拡大して結像させる「リレー光学系(再結像光学系)」及び「リレー光学系を構成する光学要素」として機能する。以下、拡大結像面fで結像(一次結像)された電子像を「拡大電子像」と呼ぶ。
【0052】
電子像入射装置70は、反射ミラー78による拡大電子像を補助プリズム30の反射面31に導くコンデンサーレンズ系79を有している。コンデンサーレンズ系79は、非球面を有している。コンデンサーレンズ系79は、リレー光学系(72〜78)による電子像の拡大結像面fとペンタプリズム20の間に配置されて、リレー光学系(72〜78)とルーペ光学系40を接続する機能を持つ。
【0053】
表5は、電子像入射装置70の液晶表示面71からカバーガラス50までの被写体像の光路の折れ曲がりとこれを実現するための各光学要素の配置を把握するためのレンズデータ(アイポイント側からの、実際に光線が通過する方向とは逆向きで表現したレンズデータ)である。表6はルーペ光学系40と反射型非球面補正板75とコンデンサーレンズ系79に設けられた非球面データである。表5と図2A図2Cは、共通の符号を付すことにより、両者の対応関係を明確にしている。
【0054】
[表5]
レンズデータ
面番号 R D Nd νd 反射面角度 構成要素
1 ∞ 1.00 1.51633 64.1 カバーガラス
2 ∞ 3.45 1
3(A) -16.45 9.00 1.52538 56.3 ルーペ光学系
4* -18.69 1.60 1
5* 30.13 7.10 1.52538 56.3
6 -50.00 4.25 1
7* -35.66 2.95 1.62133 24.8
8(B)* 149.90 2.23 1
9(C) ∞ 32.72 1.51633 64.1 ペンタプリズム
10(D) ∞ 10.50 1.51633 64.1 α=25° 半透過面(透過光路)
11(e) ∞ 14.00 1.51633 64.1 ε=57.5° 反射面(プリズム内)
12 ∞ 0.15 1
13* 15.00 11.00 1.52538 56.3 コンデンサーレンズ系
14 ∞ 7.89 1
15(g) ∞ 10.79 1 φ=32.5° 反射面(平面ミラー)
16(h) ∞ 0.20 1.49176 57.5 迷光防止用偏光板
17 ∞ 5.00 1.51633 64.1
18(i) ∞ 5.00 1.51633 64.1 η=45.0° 偏光ビームスプリッタ(反射)
19(j) ∞ 0.20 1.49176 57.5 1/4λ板
20 ∞ 1.00 1
21*(k) ∞ 1.00 1 反射型非球面補正板(反射)
22(j) ∞ 0.20 1.49176 57.5 1/4λ板
23 ∞ 5.00 1.51633 64.1
24(i) ∞ 5.00 1.51633 64.1 η=45.0° 偏光ビームスプリッタ(透過)
25(m) ∞ 0.20 1.49176 57.5 1/4λ板
26 ∞ 2.00 1.51633 64.1
27(n) -22.50 2.00 1.51633 64.1 裏面反射凹面鏡
28(m) ∞ 0.20 1.49176 57.5 1/4λ板
29(i) ∞ 5.00 1.51633 64.1 η=45.0° 偏光ビームスプリッタ(反射)
30 ∞ 5.00 1.51633 64.1
31 ∞ 1.94 1
32(p) ∞ 液晶表示面
*は回転対称非球面である。
[表6]
非球面データ
面番号 K ASP4 ASP6 ASP8
4 0 -7.2450E-06 3.7420E-08 0.0000E+00
5 0 -6.7320E-06 1.0000E-09 0.0000E+00
7 0 1.6860E-05 0.0000E+00 0.0000E+00
8 0 2.3390E-05 -4.2700E-08 1.0370E-10
13 -0.45 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
21 0 6.0000E-05 6.0000E-07 0.0000E+00
【0055】
本実施形態では、電子像入射装置(情報入射装置)70が、情報を表示する液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)71からファインダ視野内に入射させる所定の入射点までの間の少なくとも一部の光軸と、ルーペ光学系40を構成するレンズの光軸とが、ねじれの位置の関係を取るように、液晶表示面71から所定の入射点までの間に配置された光学素子を有している。また、リレー光学系の液晶表示面71から所定の結像面までの光軸の少なくとも一部が、ルーペ光学系40を構成するレンズの光軸に対してねじれの位置の関係を取っている。より具体的に、リレー光学系の光軸のうち、偏光ビームスプリッタ72と裏面反射凹面鏡73(1/4λ板74)の間で往復する光軸、偏光ビームスプリッタ72と反射型非球面補正板75(1/4λ板76)の間で往復する光軸が、上記ねじれの位置の関係に該当する。この構成により、小型の液晶表示素子で広い表示領域を確保するとともに、小型化を図ることができる。
【0056】
≪第3実施形態≫
図3A図3Cを参照して、第3実施形態によるファインダ内表示装置について説明する。第1、第2実施形態によるファインダ内表示装置と重複する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。特に、焦点板10からカバーガラス50までの被写体像の光路の折れ曲がりとこれを実現するための各光学要素の配置は、第1、第2実施形態のそれと全く同じであるため、表1と表2を流用することにする。
【0057】
第3実施形態のファインダ内表示装置は、第1実施形態の電子像入射装置60に代えて、電子像入射装置(情報入射装置)80を有している。
【0058】
電子像入射装置80は、上方に向けて電子像を表示する液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)81を有している。液晶表示面81は、ペンタプリズム20の第3反射面23の上方かつ第3反射面23の左右方向の中央部より左側に位置している。
【0059】
電子像入射装置80は、液晶表示面81の上方に位置する平面ミラー82を有している。平面ミラー82は、液晶表示面81が表示する電子像を右方に反射する。
【0060】
電子像入射装置80は、平面ミラー82の右方に位置する拡大光学系83を有している。拡大光学系83は、平凸正レンズ84と両凹負レンズ85を有している。両凹負レンズ85の入射側の面には、色収差補正の為の回折面が形成されている。また射出面側は非球面補正板として機能する面となっている。拡大光学系83は、平面ミラー82から反射された電子像を拡大する機能を持つ。
【0061】
電子像入射装置80は、拡大光学系83が拡大した電子像を上方に反射する平面ミラー86を有している。また電子像入射装置80は、平面ミラー86が上方に反射した電子像を前方に反射する平面ミラー87を有している。
【0062】
電子像入射装置80は、平面ミラー87で反射された電子像を下斜め後方に反射する反射ミラー88を有している。平面ミラー87で反射された電子像は、反射ミラー88の反射面の近傍にある拡大結像面gで結像(一次結像)される(結像面の一部は反射ミラー88の反射面上に位置することになるが問題はない)。すなわち、平面ミラー82、拡大光学系83(平凸正レンズ84と両凹負レンズ85)、平面ミラー86及び平面ミラー87は、液晶表示面81が表示した電子像を拡大して結像させる「リレー光学系(再結像光学系)」及び「リレー光学系を構成する光学要素」として機能する。以下、拡大結像面gで結像(一次結像)された電子像を「拡大電子像」と呼ぶ。
【0063】
電子像入射装置80は、反射ミラー88による拡大電子像を補助プリズム30の反射面31に導くコンデンサーレンズ系89を有している。コンデンサーレンズ系89は、非球面を有している。コンデンサーレンズ系89は、リレー光学系(82〜87)による電子像の拡大結像面gとペンタプリズム20の間に配置されて、リレー光学系(82〜87)とルーペ光学系40を接続する機能を持つ。
【0064】
表7は、電子像入射装置80の液晶表示面81からカバーガラス50までの被写体像の光路の折れ曲がりとこれを実現するための各光学要素の配置を把握するためのレンズデータ(アイポイント側からの、実際に光線が通過する方向とは逆向きで表現したレンズデータ)である。表8はルーペ光学系40とコンデンサーレンズ系89と拡大光学系83の両凹負レンズ85の射出側の面に設けられた非球面データ及び拡大光学系83の両凹負レンズ85の入射側の面に設けられた回折面データである。表7と図3A図3Cは、共通の符号を付すことにより、両者の対応関係を明確にしている。
【0065】
[表7]
レンズデータ
面番号 R D Nd νd 反射面角度 構成要素
1 ∞ 1.00 1.51633 64.1 カバーガラス
2 ∞ 3.45 1
3(A) -16.45 9.00 1.52538 56.3 ルーペ光学系
4* -18.69 1.60 1
5* 30.13 7.10 1.52538 56.3
6 -50.00 4.25 1
7* -35.66 2.95 1.62133 24.8
8(B)* 149.90 2.23 1
9(C) ∞ 32.72 1.51633 64.1 ペンタプリズム
10(D) ∞ 10.50 1.51633 64.1 α=25° 半透過面(透過光路)
11(e) ∞ 14.00 1.51633 64.1 ε=57.5° 反射面(プリズム内)
12 ∞ 0.15 1
13* -18.5 9.00 1.52538 56.3 コンデンサーレンズ系
14 ∞ 7.66 1
15(f) ∞ 16.34 1 φ=32.5° 反射面(平面ミラー)
16(h) ∞ 6.00 1 η=45.0° 反射面(平面ミラー)
17(i) ∞ 7.67 ζ=45.0° 反射面(平面ミラー)
18* -9.5 1.20 1.62133 24.8 拡大光学系
19** 91.881 0.10 1
20 ∞ 2.93 1.77250 49.6
21 -4.5 4.99 1
22(j) ∞ 5.95 1 ψ=45.0° 反射面(平面ミラー)
23(k) ∞ 液晶表示面
*は回転対称非球面である。
**は回折面である。
[表8]
非球面データ
面番号 K ASP4 ASP6 ASP8 ASP10 ASP12
4 0 -7.2450E-06 3.7420E-08 0.0000E+00 0.00E+00 0.00E+00
5 0 -6.7320E-06 1.0000E-09 0.0000E+00 0.00E+00 0.00E+00
7 0 1.6860E-05 0.0000E+00 0.0000E+00 0.00E+00 0.00E+00
8 0 2.3390E-05 -4.2700E-08 1.0370E-10 0.00E+00 0.00E+00
13 -0.4 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00 0.00E+00 0.00E+00
18 0 -5.7000E-03 -3.0000E-04 -5.0000E-05 0.00E+00 -1.70E-06
回折面データ
回折面 面番号 19
光路差関数係数 P2=-6.2508
設計波長λ=546nm
回折次数m=1
光路差関数(h)=(P2×h^2+P4×h^4+・・・・・)m
ただし、
P2、P4、・・・;光路差関数係数
h;光軸からの距離
【0066】
本実施形態では、電子像入射装置(情報入射装置)80が、情報を表示する液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)81からファインダ視野内に入射させる所定の入射点までの間の少なくとも一部の光軸と、ルーペ光学系40を構成するレンズの光軸とが、ねじれの位置の関係を取るように、液晶表示面81から所定の入射点までの間に配置された光学素子を有している。また、リレー光学系の液晶表示面81から所定の結像面までの光軸の少なくとも一部が、ルーペ光学系40を構成するレンズの光軸に対してねじれの位置の関係を取っている。より具体的に、リレー光学系の光軸のうち、液晶表示面81から平面ミラー82までの光軸、平面ミラー82から拡大光学系83(平凸正レンズ84と両凹負レンズ85)を通って平面ミラー86に至るまでの光軸、平面ミラー86から平面ミラー87までの光軸が、上記ねじれの位置の関係に該当する。この構成により、小型の液晶表示素子で広い表示領域を確保するとともに、小型化を図ることができる。
【0067】
本実施形態では、拡大光学系を2枚のレンズで構成している。第1、第2実施形態のように裏面反射凹面鏡を使わないので、縦の色収差が発生するが、これを回折面で補正することで、構成レンズの個々のパワーを大きくすることなく拡大光学系を構成し、リレー光学系の小型化を図っている。また球面収差を効果的に補正するために、主光線が集まる位置に透過型非球面補正板として機能する両凹負レンズの入射面を配置し、その後に配置される平凸正レンズの強い凸球面である射出面と両凹負レンズの入射面を適切に配置させることで、コマ収差と非点隔差を良好に補正することができる。
【0068】
≪第1実施形態〜第3実施形態の光学諸元≫
第1実施形態〜第3実施形態の光学諸元は、以下の通りである。
(1)視野率
光学ファインダ(OVF)表示範囲を24×36mm(フルフォーマットサイズ)としたときのスーパーインポーズ(SI)領域、又は電子ビューファインダ(EVF)領域の見かけの表示範囲は16.8×25.2mm(OVFの70%)
(2)液晶表示部の表示領域
液晶有効画素領域2.97×4.46mm
(3)焦点距離・ルーペ倍率(視度0 Dptr)
ファインダールーペ部とSI光学系の合成焦点距離はf=13.1mm
ルーペ倍率(=250/f)は19.1倍
(4)アイレリーフ・瞳径
アイレリーフ 最終面から16mm(第1、第2実施形態)、25mm(第3実施形態)
瞳径 φ10(第1、第2実施形態)、φ5(第3実施形態)
(5)光学ファインダ(OVF)のみの諸元
ペンタプリズムの光軸に沿った入射面〜射出面間距離は93.8mm
光学ファインダ単独の焦点距離はf=74.76mm(視度0 Dptr)
ルーペ倍率(=250/f)は3.3倍
【0069】
≪条件式の説明≫
条件式(1)は、ルーペ光学系の焦点距離と、コンデンサーレンズ系の焦点距離との比を規定している。なお、コンデンサーレンズ系は、複数枚のレンズから構成されていてもよい。条件式(1)を満足することで、コンデンサーレンズ系の機能を良好に発揮して像面湾曲やディストーションを良好に補正するとともに、光学系の全体を小型化することができる。
条件式(1)の上限を超えると、コンデンサーレンズ系のパワーが強くなりすぎて、像面湾曲やディストーションが増大してしまう。
条件式(1)の下限を超えると、コンデンサーレンズ系のパワーが弱くなりすぎて、コンデンサーレンズ系の機能が不十分になるとともに、コンデンサーレンズ系からリレー光学系までの距離が大きくなるため、光学系の全体が大型化してしまう。
【0070】
条件式(2)は、ルーペ光学系からコンデンサーレンズ系、リレー光学系、液晶表示面の順(表3、表5、表7の各表に示す順)に、コンデンサーレンズ系の後側主点からリレー光学系の前側主点までの間隔と、コンデンサーレンズ系の焦点距離との比を規定している。コンデンサーレンズ系によりルーペ光学系から逆トレースされた光束は、一次結像面を超えた先で、その有効範囲が最も小さくなる位置が存在する。その有効範囲が最も小さくなる位置またはその近傍にリレー光学系を配置することで、つまり条件式(2)を満足することで、リレー光学系全体を(特に径方向に)小型化することができる。
条件式(2)の上限を超えても下限を超えても、コンデンサーレンズ系の後側主点からリレー光学系の前射出側主点までの主点間隔が不適切となり、リレー光学系全体が大型化してしまう。
【0071】
第1実施形態〜第3実施形態の条件式(1)、(2)の対応数値を表9に示す。
[表9]
第1実施形態 第2実施形態 第3実施形態
条件式(1) 2.6 2.6 2.1
(fe/fc) (74.8/28.6) (74.8/28.6) (74.8/35.2)
条件式(2) 1.50 1.50 1.33
(d/fc) (42.9/28.6) (42.9/28.6) (46.7/35.2)
【0072】
表9に明らかなように、第1実施形態〜第3実施形態は、条件式(1)、(2)を満足しており、上述した条件式(1)、(2)を満足することによる作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0073】
10 焦点板
20 ペンタゴナルダハプリズム(正立化部材)
21 入射面
22 ダハ面
23 第3反射面(半透過面)
24 出射面
30 補助プリズム(三角プリズム)
31 反射面(プリズム内)
40 ルーペ光学系
41 第1負レンズ
42 第2正レンズ
43 第3レンズ
50 カバーガラス
60 電子像入射装置(情報入射装置)
61 液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)
62 偏光ビームスプリッタ(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
63 裏面反射凹面鏡(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
64 1/4λ板(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
65 透過型非球面補正板(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
66 平面ミラー(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
67 コンデンサーレンズ一体型プリズム(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
68 反射面(プリズム内)
69 コンデンサーレンズ面(コンデンサーレンズ系、射出面)
70 電子像入射装置(情報入射装置)
71 液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)
72 偏光ビームスプリッタ(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
73 裏面反射凹面鏡(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
74 1/4λ板(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
75 反射型非球面補正板(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
76 1/4λ板(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
77 迷光防止用偏光板(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
78 反射ミラー(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
79 コンデンサーレンズ系
80 電子像入射装置(情報入射装置)
81 液晶表示面(電子像表示部、情報表示部)
82 平面ミラー(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
83 拡大光学系(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
84 平凸正レンズ(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
85 両凹負レンズ(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
86 平面ミラー(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
87 平面ミラー(リレー光学系、再結像光学系、光学素子)
88 反射ミラー
89 コンデンサーレンズ系
図1
図2
図3