【実施例】
【0084】
これより本実施形態に係る各実施例について、図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表3を示すが、これらは第1実施例〜第3実施例における各諸元の表である。
【0085】
第1実施例に係る
図1に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。ゆえに、他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の実施例とは必ずしも共通の構成ではない。
【0086】
各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長587.5620nm)、g線(波長435.8350nm)を選んでいる。
【0087】
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序、Rは各光学面の曲率半径、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数をそれぞれ示す。物面は物体面、(可変)は可変の面間隔、曲率半径の「∞」は平面又は開口、(絞りS)は開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ示す。空気の屈折率「1.000000」は省略する。光学面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
【0088】
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10
-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10
-5である。なお、2次の非球面係数A2は0であり、記載を省
略する。
【0089】
X(y)=(y
2/R)/{1+(1−κ×y
2/R
2)
1/2}+A4y
4+A6y
6+A8y
8+A10y
10+A12y
12 …(a)
【0090】
表中の[各種データ]において、無限遠物体合焦時における、fはレンズ全系の焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角(単位は「°」)、Yは像高、φは開口絞りSの絞り径、TLは光学全長(無限遠物体合焦時の第1面から像面Iまでの光軸上の距離)、BFはバックフォーカス(無限遠物体合焦時の最も像面側のレンズ面から像面Iまでの光軸上の距離)を示す。また、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態をそれぞれ示す。
【0091】
表中の[可変間隔データ]において、無限遠合焦時の広角端状態(W)、中間焦点距離状態(M)、望遠端状態(T)の各状態における可変間隔の値Diを示す。なお、Diは、第i面と第(i+1)面の可変間隔を示す。
【0092】
表中の[合焦時の合焦群移動量]において、無限遠合焦状態から近距離合焦状態(物像間距離1.00m)への、合焦レンズ群(第3レンズ群G3)の移動量を示す。ここで、合焦
レンズ群の移動方向は、像側への移動を正とする。また、撮影距離は、物体から像面Iまでの距離を示す。
【0093】
表中の[レンズ群データ]において、各レンズ群の始面と焦点距離を示す。
【0094】
表中の[条件式対応値]には、上記の条件式(1)〜(7)に対応する値を示す。
【0095】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
【0096】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0097】
(第1実施例)
第1実施例について、
図1〜
図4及び表1を用いて説明する。第1実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1)は、
図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とからなる。第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第4レンズ群G4を構成する。第5レンズ群G5は、最も像側のレンズ群である。
【0098】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。
【0099】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23とからなる。なお、負メニスカスレンズL21は、物体側のレンズ面を非球面形状とした、樹脂とガラスの複合型非球面レンズである。
【0100】
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。なお、正レンズL31は、物体側及び像側のレンズ面を非球面形状とした、ガラスモールド非球面レンズである。
【0101】
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸形状の正レンズL42との接合レンズから構成される第4Aサブレンズ群G4Aと、両凸形状の正レンズL43と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL44との接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL45とから構成される第4Bサブレンズ群G4Bとからなる。なお、負メニスカスレンズL44は、像側のレンズ面を非球面形状とした、ガラスモールド非球面レンズである。
【0102】
第5レンズ群G5は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51からなる。
【0103】
本実施例に係る変倍光学系ZL1では、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔がそれぞれ変化するように、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4が光軸に沿って移動する。第5レンズ群G5は、像面Iに対して固定されている。
【0104】
詳細には、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4は、物体側へ移動する。開口絞りSは、第4レンズ群G4と一体的に物体側へ移動する。
【0105】
これにより、変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増加し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増加し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増加する。また、開口絞りSと第3レンズ群G3との空気間隔は増加する。
【0106】
合焦は、第3レンズ群G3を光軸に沿って移動させることで行う。詳細には、無限遠物体から近距離物体への合焦時に、第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることで行う。
【0107】
像ブレ発生時には、防振レンズ群として、第4Aサブレンズ群G4Aを、光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。
【0108】
下記の表1に、第1実施例における各諸元の値を示す。表1における面番号1〜25が、
図1に示すm1〜m25の各光学面に対応している。
【0109】
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 132.7211 1.6000 1.846660 23.80
2 54.2419 4.5271 1.589130 61.22
3 -1401.4921 0.1000
4 36.9475 4.0173 1.696800 55.52
5 200.3945 D5(可変)
*6 510.0000 0.0800 1.560930 36.64
7 288.8364 1.0000 1.816000 46.59
8 8.8676 4.8531
9 -23.6529 0.9000 1.696800 55.52
10 37.1909 0.7644
11 21.6553 2.6218 1.808090 22.74
12 -149.6082 D12(可変)
*13 31.4469 1.4931 1.589130 61.15
*14 -454.8143 D14(可変)
15 ∞ 1.7118 (絞り)
16 17.8093 0.9000 1.834000 37.18
17 10.8731 2.4554 1.497820 82.57
18 -36.9740 1.5005
19 14.0517 2.3992 1.518230 58.82
20 -15.0205 1.0034 1.851350 40.13
*21 -25.0875 0.2985
22 23.6629 2.4328 1.902650 35.73
23 8.6520 D23(可変)
24 -29.8985 2.0872 1.617720 49.81
25 -17.6129 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第6面
κ = 1.00000
A4 = 1.30134E-05
A6 = 5.20059E-08
A8 = -1.38176E-09
A10= 6.06866E-12
A12= 0.00000E+00
第13面
κ = 0.3322
A4 = 5.55970E-05
A6 = 3.96498E-07
A8 = 3.97804E-09
A10 = 0.00000E+00
A12 = 0.00000E+00
第14面
κ = 4.0000
A4 = 9.44678E-05
A6 = 5.47705E-07
A8 = 1.37698E-23
A10 = 0.00000E+00
A12 = 0.00000E+00
第21面
κ = -1.0412
A4 = 8.07840E-06
A6 = -1.60525E-07
A8 = -3.84486E-09
A10 = 0.00000E+00
A12 = 0.00000E+00
[各種データ]
変倍比 4.71
W M T
f 10.29845 32.00216 48.49978
FNO 3.60 5.06 5.79
ω 39.76047 13.63173 9.16599
Y 8.00 8.00 8.00
φ 7.80 8.30 8.30
TL 79.34243 95.80944 105.57918
BF 13.25602 13.25602 13.25602
[可変間隔データ]
W M T
f 10.29845 32.00216 48.49978
D5 1.80000 16.93666 22.35926
D12 18.49692 5.54052 1.80069
D14 3.61695 3.90524 5.82908
D23 5.42688 19.42534 25.58847
[合焦時の合焦群移動量]
W M T
物像間距離 1.00m 1.00m 1.00m
移動量 0.2652 0.7481 1.2334
[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 57.25524
G2 6 -11.09964
G3 13 49.98341
G4 15 28.96589
G5 24 65.16201
[条件式対応値]
条件式(1)f3/ft = 1.031
条件式(2)(d3t−d3w)/fw = 0.215
条件式(3)fR/fw = 6.326
条件式(4)(−f2)/fw = 1.078
条件式(5)f4/ft = 0.597
条件式(6)(d1t−d1w)/ft = 0.424
条件式(7)(d2w−d2t)/ft = 0.344
【0110】
表1から、本実施例に係る変倍光学系ZL1は、条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0111】
図2は、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
図3は、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の近距離物体合焦時(物像間距離1.00m)における諸収差図
(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
図4は、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時(防振レンズ群のシフト量=0.1mm)のメリディオナル横収差図であり、(a)は広角端状態
、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。本実施例では、防振時の光学性能を、
図4(a)〜(c)に示すように、画面中心および像高±5.6mmに対応
したメリディオナル横収差図で示す。
【0112】
各収差図において、FNOはFナンバー、NAは最も像側のレンズから射出する光線の開口数、Aは光線入射角すなわち半画角(単位は「°」)、H0は物体高(単位は「mm」)、Yは像高を示す。dはd線、gはg線における収差を示す。また、d、gの記載のないものは、d線における収差を示す。球面収差図において、実線は球面収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図において、実線はメリディオナル方向のコマ収差を示す。なお、後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0113】
図2〜
図4に示す各収差図から明らかなように、第1実施例に係る変倍光学系ZL1は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、高い光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0114】
(第2実施例)
第2実施例について、
図5〜
図8及び表2を用いて説明する。第2実施例に係る変倍光
学系ZL(ZL2)は、
図5に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とからなる。第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第4レンズ群G4を構成する。第5レンズ群G5は、最も像側のレンズ群である。
【0115】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。
【0116】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と、両凸形状の正レンズL23とからなる。なお、負メニスカスレンズL21は、物体側のレンズ面を非球面形状とした、樹脂とガラスの複合型非球面レンズである。
【0117】
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31からなる。なお、正メニスカスレンズL31は、物体側のレンズ面を非球面形状とした、ガラスモールド非球面レンズである。
【0118】
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸形状の正レンズL42との接合レンズから構成される第4Aサブレンズ群G4Aと、両凸形状の正レンズL43と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL44との接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL45と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL46との接合レンズとから構成される第4Bサブレンズ群G4Bとからなる。なお、負メニスカスレンズL44は、像側のレンズ面を非球面形状とした、ガラスモールド非球面レンズである。
【0119】
第5レンズ群G5は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51からなる。
【0120】
本実施例に係る変倍光学系ZL2では、変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔がそれぞれ変化するように、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4が光軸に沿って移動する。第5レンズ群G5は、像面Iに対して固定されている。
【0121】
詳細には、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4は、物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、広角端状態から中間焦点距離状態までは像側へ移動し、中間焦点距離状態から望遠端状態までは物体側へ移動する。開口絞りSは、第4レンズ群G4と一体的に物体側へ移動する。
【0122】
これにより、変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増加し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は広角端状態から中間焦点距離状態まで減少し、中間焦点距離状態から望遠端状態まで増加し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増加する。また、開口絞りSと第3レンズ群G3との空気間隔は、広角端状態から中間焦点距離状態まで減少し、中間焦点距離状態から望遠端状態まで増加する。
【0123】
合焦は、第3レンズ群G3を光軸に沿って移動させることで行う。詳細には、無限遠物体から近距離物体への合焦時に、第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させること
で行う。
【0124】
像ブレ発生時には、防振レンズ群として、第4Aサブレンズ群G4Aを、光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。
【0125】
下記の表2に、第2実施例における各諸元の値を示す。表2における面番号1〜26が、
図5に示すm1〜m26の各光学面に対応している。
【0126】
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 144.9435 1.6000 1.846660 23.80
2 57.9139 4.6578 1.696800 55.52
3 -430.8049 0.1000
4 49.1887 3.5211 1.696800 55.52
5 158.0589 D5(可変)
*6 504.4641 0.0800 1.560930 36.64
7 234.1101 1.0000 1.834810 42.73
8 9.4881 5.5305
9 -17.0787 0.9276 1.741000 52.76
10 -1027.3916 1.0145
11 34.5727 2.6835 1.808090 22.74
12 -53.1261 D12(可変)
*13 24.3966 1.6530 1.588870 61.13
14 296.0192 D14(可変)
15 ∞ 1.5000 (絞り)
16 17.3960 0.9000 1.883000 40.66
17 11.0000 2.8505 1.497820 82.57
18 -48.0307 1.5000
19 12.4669 2.8380 1.487490 70.32
20 -14.1721 0.9000 1.851080 40.12
*21 -35.5823 0.1000
22 19.0885 0.9000 1.883000 40.66
23 7.1245 1.8774 1.620040 36.40
24 8.9496 D24(可変)
25 -30.0000 3.6500 1.696800 55.52
26 -19.7882 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第6面
κ = -1.9998
A4 = 2.80199E-05
A6 = -2.77907E-07
A8 = 2.24720E-09
A10 = -8.56636E-12
A12 = 0.00000E+00
第13面
κ = 1.7623
A4 = -2.39838E-05
A6 = -7.89804E-08
A8 = 2.79454E-09
A10 = 0.00000E+00
A12 = 0.00000E+00
第21面
κ = -0.1893
A4 = -9.56775E-06
A6 = -6.24519E-07
A8 = 1.01416E-08
A10 = 0.00000E+00
A12 = 0.00000E+00
[各種データ]
変倍比 6.59
W M T
f 10.29976 39.99987 67.89953
FNO 3.64 5.06 5.81
ω 39.73502 10.92213 6.56887
Y 8.00 8.00 8.00
φ 8.60 9.90 9.90
TL 89.92002 109.96784 121.58326
BF 13.25085 13.25085 13.25085
[可変間隔データ]
W M T
f 10.29976 39.99987 67.89953
D5 1.80000 24.18110 32.41506
D12 25.02141 7.23672 2.58202
D14 4.80996 3.66893 5.14775
D24 5.25391 21.84636 28.40370
[合焦時の合焦群移動量]
W M T
物像間距離 1.00m 1.00m 1.00m
移動量 0.3072 0.9550 1.8445
[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 68.26199
G2 6 -12.46728
G3 13 45.04911
G4 15 40.55521
G5 25 72.75019
[条件式対応値]
条件式(1)f3/ft = 0.663
条件式(2)(d3t−d3w)/fw = 0.033
条件式(3)fR/fw = 7.063
条件式(4)(−f2)/fw = 1.210
条件式(5)f4/ft = 0.597
条件式(6)(d1t−d1w)/ft = 0.451
条件式(7)(d2w−d2t)/ft = 0.330
【0127】
表2から、本実施例に係る変倍光学系ZL2は、条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0128】
図6は、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
図7は、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の近距離物体合焦時(物像間距離1.00m)における諸収差図
(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
図8は、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時(防振レンズ群のシフト量=0.1mm)のメリディオナル横収差図であり、(a)は広角端状態
、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。本実施例では、防振時の光学性能を、
図8(a)〜(c)に示すように、画面中心および像高±5.6mmに対応
したメリディオナル横収差図で示す。
【0129】
図6〜
図8に示す各収差図から明らかなように、第2実施例に係る変倍光学系ZL2は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、高い光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0130】
(第3実施例)
第3実施例について、
図9〜
図12及び表3を用いて説明する。第3実施例に係る変倍光学系ZL(ZL3)は、
図9に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とからなる。第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第4レンズ群G4を構成する。第6レンズ群G6は、最も像側のレンズ群である。
【0131】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。
【0132】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23とからなる。なお、負レンズL22は、物体側のレンズ面を非球面形状とした、ガラスモールド非球面レンズである。
【0133】
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。なお、正レンズL31は、物体側のレンズ面を非球面形状とした、ガラスモールド非球面レンズである。
【0134】
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸形状の正レンズL42との接合レンズから構成される第4Aサブレンズ群G4Aと、両凸形状の正レンズL43と物体側に凹面を向けた負メニスカス
レンズL44との接合レンズとから構成される第4Bサブレンズ群G4Bとからなる。なお、負メニスカスレンズL44は、像側のレンズ面を非球面形状とした、ガラスモールド非球面レンズである。
【0135】
第5レンズ群G5は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL51からなる。
【0136】
第6レンズ群G6は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL61からなる。
【0137】
本実施例に係る変倍光学系ZL3では、変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔がそれぞれ変化するように、第1レンズ群G1〜第5レンズ群G5が光軸に沿って移動する。第6レンズ群G6は、像面Iに対して固定されている。
【0138】
詳細には、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、及び第5レンズ群G5は、物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、広角端状態から中間焦点距離状態までは像側へ移動し、中間焦点距離状態から望遠端状態までは物体側へ移動する。開口絞りSは、第4レンズ群G4と一体的に物体側へ移動する。
【0139】
これにより、変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増加し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は広角端状態から中間焦点距離状態まで減少し、中間焦点距離状態から望遠端状態まで増加し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増加し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔が増加する。また、開口絞りSと第3レンズ群G3との空気間隔は、広角端状態から中間焦点距離状態まで減少し、中間焦点距離状態から望遠端状態まで増加する。
【0140】
合焦は、第3レンズ群G3を光軸に沿って移動させることで行う。詳細には、無限遠物体から近距離物体への合焦時に、第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることで行う。
【0141】
像ブレ発生時には、防振レンズ群として、第4Aサブレンズ群G4Aを、光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。
【0142】
下記の表3に、第3実施例における各諸元の値を示す。表3における面番号1〜24が、
図9に示すm1〜m24の各光学面に対応している。
【0143】
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 270.7698 1.6000 1.84666 23.80
2 63.2289 4.7857 1.58913 61.22
3 -180.7756 0.1000
4 38.2772 3.3872 1.69680 55.52
5 162.5542 D5(可変)
6 222.4687 0.9000 1.72916 54.61
7 8.6817 5.3065
*8 -19.5238 0.9000 1.69680 55.52
9 33.5766 0.1038
10 19.7682 2.5354 1.84666 23.80
11 434.3570 D11(可変)
*12 26.1871 1.7281 1.58887 61.13
13 -76.6701 D13(可変)
14 ∞ 1.7051 (絞り)
15 16.6153 0.9002 1.83400 37.18
16 9.9827 2.6157 1.49782 82.57
17 -36.7432 1.5000
18 16.2913 2.2592 1.51823 58.82
19 -17.2434 0.9000 1.85108 40.12
*20 -31.3248 D20(可変)
21 28.0868 0.9000 1.90265 35.72
22 9.2493 D22(可変)
23 -37.3758 2.2000 1.61772 49.81
24 -18.1325 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第8面
κ = 1.0000
A4 = 2.09316E-05
A6 = -8.10797E-07
A8 = 2.75349E-08
A10 = -4.70299E-10
A12 = 2.62880E-12
第12面
κ = 1.0000
A4 = -4.37334E-05
A6 = 3.04727E-07
A8 = -6.38106E-09
A10 = 0.00000E+00
A12 = 0.00000E+00
第20面
κ = 1.0000
A4 = 2.28740E-05
A6 = -3.19205E-07
A8 = -1.46715E-10
A10 = 0.00000E+00
A12 = 0.00000E+00
[各種データ]
変倍比 4.71
W M T
f 10.30000 32.00000 48.51858
FNO 3.53 5.00 5.72
ω 39.75617 13.57625 9.11928
Y 8.00 8.00 8.00
φ 8.20 8.80 8.80
TL 80.36557 92.30690 103.19342
BF 13.30097 13.30097 13.30097
[可変間隔データ]
W M T
f 10.30000 32.00000 48.51858
D5 1.80638 15.63570 22.37678
D11 18.74841 4.51318 2.11693
D13 5.83635 4.73970 5.51292
D20 1.50000 3.72584 3.97118
D22 4.84649 16.06454 21.58766
[合焦時の合焦群移動量]
W M T
物像間距離 1.00m 1.00m 1.00m
移動量 0.1896 0.4064 0.6618
[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 60.91787
G2 6 -9.90833
G3 12 33.35587
G4 14 15.48045
G5 21 -15.63253
G6 23 54.62879
[条件式対応値]
条件式(1)f3/ft = 0.687
条件式(2)(d3t−d3w)/fw = -0.031
条件式(3)fR/fw = 5.304
条件式(4)(−f2)/fw = 0.962
条件式(6)(d1t−d1w)/ft = 0.424
条件式(7)(d2w−d2t)/ft = 0.343
【0144】
表3から、本実施例に係る変倍光学系ZL3は、条件式(1)〜(4)、(6)、(7)を満たすことが分かる。
【0145】
図10は、第3実施例に係る変倍光学系ZL3の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
図11は、第3実施例に係る変倍光学系ZL3の近距離物体合焦時(物像間距離1.00m)における諸収
差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
図12は、第3実施例に係る変倍光学系ZL3の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時(防振レンズ群のシフト量=0.1mm)のメリディオナル横収差図であり、(a)は広角
端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。本実施例では、防振時の光学性能を、
図12(a)〜(c)に示すように、画面中心および像高±5.6mmに対応したメリディオナル横収差図で示す。
【0146】
図10〜
図12に示す各収差図から明らかなように、第3実施例に係る変倍光学系ZL3は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、高い光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0147】
以上の各実施例によれば、ズーム全域に亘って高い光学性能を有する変倍光学系を実現することができる。
【0148】
ここまで本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。以下の内容は、本願の変倍光学系の光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
【0149】
本実施形態に係る変倍光学系ZLの数値実施例として、5群、6群構成のものを示したが、これに限定されず、他の群構成(例えば、7群等)にも適用可能である。具体的には、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。なお、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0150】
本実施形態に係る変倍光学系ZLにおいて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行うために、レンズ群の一部、1つのレンズ群全体、或いは複数のレンズ群を合焦レンズ群として、光軸方向へ移動させる構成としてもよい。本実施の形態において、第3レンズ群G3を合焦レンズ群とした例を挙げたが、第2レンズ群G2の少なくとも一部、第3レンズ群G3の少なくとも一部、第4レンズ群G4の少なくとも一部、第5レンズ群G5の少なくとも一部のいずれかを合焦レンズ群とすることもできる。また、斯かる合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ(例えば、超音波モータ等)による駆動にも適している。
【0151】
本実施形態に係る変倍光学系ZLにおいて、いずれかのレンズ群全体または部分レンズ群を防振レンズ群として、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させるか、或いは光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレ等によって生じる像ブレを補正する構成の例として、第4Aサブレンズ群G4Aを挙げたが、これに限られず、例えば、第3レンズ群G3の少なくとも一部、第4レンズ群G4の少なくとも一部、第5レンズ群G5の少なくとも一部を防振レンズ群とすることもできる。
【0152】
本実施形態に係る変倍光学系ZLにおいて、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしてもよい。
【0153】
本実施形態に係る変倍光学系ZLにおいて、開口絞りSは、第4レンズ群G4内、又はその近傍に配置されるのが好ましい。なお、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。
【0154】
本実施形態に係る変倍光学系ZLにおいて、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反
射防止膜を施してもよい。