(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-166422(P2018-166422A)
(43)【公開日】2018年11月1日
(54)【発明の名称】調理済み食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 5/10 20160101AFI20181005BHJP
A23B 7/14 20060101ALI20181005BHJP
A23L 3/36 20060101ALI20181005BHJP
A23L 19/10 20160101ALI20181005BHJP
A23L 3/3562 20060101ALI20181005BHJP
【FI】
A23L5/10 Z
A23B7/14
A23L3/36 A
A23L19/10
A23L3/3562
A23L5/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-65269(P2017-65269)
(22)【出願日】2017年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000226998
【氏名又は名称】株式会社日清製粉グループ本社
(71)【出願人】
【識別番号】505197919
【氏名又は名称】イニシオフーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野中 純子
(72)【発明者】
【氏名】上野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】入江 謙太朗
(72)【発明者】
【氏名】西田 定重
【テーマコード(参考)】
4B016
4B021
4B022
4B035
4B169
【Fターム(参考)】
4B016LG05
4B016LG06
4B016LK08
4B016LK09
4B016LP05
4B016LP11
4B021LW02
4B021MC10
4B021MK28
4B021MP10
4B022LA01
4B022LB01
4B022LF08
4B022LJ01
4B035LC16
4B035LG19
4B035LG21
4B035LG32
4B035LK01
4B035LP01
4B035LP43
4B035LP55
4B169AA01
4B169CA04
4B169HA01
4B169HA03
4B169KA10
4B169KC39
(57)【要約】
【課題】保存性に優れ、冷凍保存期間が長期にわたる場合であっても品質低下が少ない調理済み食品の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の調理済み食品の製造方法は、芋類、カボチャ類などの澱粉質食品に対して、糖類を25質量%以上含む調味液にて加熱調理する工程を含む。前記加熱調理は、前記澱粉質食品の品温105℃以上の状態を2分以上維持する工程を含むことが好ましい。前記加熱調理は、該加熱調理時に発生する蒸気により前記澱粉質食品を加圧しつつ行われることが好ましい。前記糖類は、トレハロース及びデキストリンからなる群から選択される1種以上を50質量%以上含むことが好ましい。前記澱粉質食品を加熱調理後に冷凍してもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉質食品に対して、糖類を25質量%以上含む調味液にて加熱調理する工程を含む、調理済み食品の製造方法。
【請求項2】
前記加熱調理が、前記澱粉質食品の品温105℃以上の状態を2分以上維持する工程を含む請求項1に記載の調理済み食品の製造方法。
【請求項3】
前記加熱調理が、該加熱調理時に発生する蒸気により前記澱粉質食品を加圧しつつ行われる請求項1又は2に記載の調理済み食品の製造方法。
【請求項4】
前記糖類が、トレハロース及びデキストリンからなる群から選択される1種以上を50質量%以上含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の調理済み食品の製造方法。
【請求項5】
前記澱粉質食品が、芋類及びカボチャ類からなる群から選択される1種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の調理済み食品の製造方法。
【請求項6】
前記澱粉質食品が里芋である請求項1〜5のいずれか1項に記載の調理済み食品の製造方法。
【請求項7】
前記澱粉質食品を加熱調理後に冷凍する請求項1〜6のいずれか1項に記載の調理済み食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芋類などの澱粉質食品を加熱調理して得られる調理済み食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍食品は、保存料を使用せずとも保存中に品質低下が少なく、長期保存が可能な食品であり、その利便性の良さが多くの消費者に支持されている。冷凍食品には、単に未調理の食品素材を凍結したものも存在するが、近年は核家族化、個食化の進展などを背景に、自然解凍あるいは電子レンジなどの加熱調理器を用いて加熱調理するだけで簡単に喫食状態にすることが可能な、いわゆるレディトゥイートな調理済み冷凍食品の需要が急伸している。
【0003】
このような調理済み冷凍食品の中でも、特に澱粉質食品、とりわけ澱粉を比較的多く含む芋類を食材とする調理済み冷凍食品は、その冷凍保存中や解凍時に食品内部の水分が過剰に失われるため、食感が著しく低下するという問題がある。例えば、芋類の一種である里芋を砂糖入りの調味液で加熱調理し、その調理済み里芋を冷凍して得られる冷凍調理済み里芋は、これを自然解凍した場合に、里芋内部の水分が著しく失われるため、解凍後の里芋は内部がスポンジ化した状態になり、食感が里芋本来のものに比べて著しく劣化したものとなる。
【0004】
特許文献1には、前記問題の解決を図った冷凍里芋の製造方法として、里芋の冷凍前に、デキストリンなどの特定の糖類を含有する溶液に里芋を浸漬する方法が記載されており、また、斯かる溶液浸漬方法の具体例として、里芋と特定の糖類が配合された調味液とを混合し、その混合物を加熱する方法が記載されている。特許文献1記載の冷凍里芋の製造方法によれば、冷凍里芋の凍結・解凍に伴う細胞破壊と澱粉の老化が抑制され、解凍後の里芋のスポンジ化を防止できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−133687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、芋類を食材として用いた調理済み冷凍食品は、冷凍保存期間に比例して内部のスポンジ化が進行するため、冷凍保存期間が長期にわたると、解凍後の品質低下が著しいものとなる。冷凍保存期間が長期にわたる場合であっても、芋類の如き澱粉質食品の品質低下が少なく、解凍後に澱粉質食品本来の食感を維持し得る技術は未だ提供されていない。
【0007】
本発明の課題は、保存性に優れ、冷凍保存期間が長期にわたる場合であっても品質低下が少ない調理済み食品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、澱粉質食品に対して、糖類を25質量%以上含む調味液にて加熱調理する工程を含む、調理済み食品の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法によれば、保存性に優れ、冷凍保存期間が長期にわたる場合であっても品質低下が少なく、自然解凍などにより解凍して喫食した際に食感に優れる調理済み食品が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いる澱粉質食品は、加熱調理によってα化する澱粉を含む食品であり、該澱粉を含む食材(例えば未調理の芋類)、該食材を加工してなる加工食品が含まれる。ここでいう「食材の加工」には、食材に通常施される種々の加工が包含され、例えば食材が未調理の芋類又はカボチャ類の場合には、芋類又はカボチャ類の皮剥き、裁断、下味付けなどの下処理;冷蔵又は冷凍処理;が包含される。また、澱粉質食品に含まれる澱粉の種類は特に制限されず、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉;前記各種澱粉にα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理、酸化処理等の処理を施した加工澱粉が挙げられ、澱粉質食品にはこれらの1種又は2種以上が含まれていてよい。
【0011】
本発明で用いる澱粉質食品は、典型的には芋類又はカボチャ類であり、芋類及びカボチャ類からなる群から選択される1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。芋類としては例えば、里芋、ジャガイモが挙げられる。カボチャ類としては、ウリ科カボチャ属に属する果菜を特に制限なく用いることができる。芋類及びカボチャ類以外の澱粉質食品としては、例えば、米飯、麺類、団子類が挙げられ、いずれの本発明に適用可能である。
【0012】
本発明は、特に芋類の一種である里芋(学名Colocasia esculenta Schotto)に対して有効である。里芋はサトイモ科の多年草であり、品種としては例えば、セレベス、赤芽芋、海老芋、土垂、石川早生、豊後、鳥播、八つ頭、旬芋、唐芋が挙げられる。
【0013】
本発明の調理済み食品の製造方法は、澱粉質食品を加熱調理する工程(加熱調理工程)を含む。また、本発明の調理済み食品の製造方法には、加熱調理工程に加えてさらに、該加熱調理工程によって得られた調理済み食品を冷凍する工程(冷凍工程)を含む態様が包含される。尚、前記加熱調理工程に先立ち、必要に応じ、澱粉質食品の下処理、例えば、皮剥き、裁断、下味付けなどを行ってもよい。
【0014】
本発明の調理済み食品の製造方法は、前記加熱調理工程において、澱粉質食品に対して、糖類を25質量%以上含む調味液にて加熱調理する点で特徴付けられる。このように、糖類の含有量が25質量%以上という、比較的高濃度の糖類含有調味液を用いて澱粉質食品を加熱調理することで、その加熱調理済み食品の冷凍物の保存性が飛躍的に向上し、冷凍保存期間が例えば1ヶ月を超えるような長期にわたる場合であっても、品質特に食感の低下が少ない調理済み食品が得られる。調味液における糖類の含有量が25質量%未満では、長期冷凍保存に耐えうる調理済み食品は得られない。この点は、後述する実施例と比較例との対比から明らかである。調味液における糖類の含有量は、調理済み食品の保存性の向上と食味とのバランスの観点から、好ましくは25〜40質量%、さらに好ましくは30〜35質量%である。調味液における糖類の含有量が多すぎると、得られる調理済み食品の甘味が過剰となり、また、調理済み食品が焦げつくおそれがある。
【0015】
本発明に係る調味液に用いる糖類としては、食品分野において通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、砂糖、グラニュー糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、果糖、ブドウ糖、異性化糖、トレハロース、オリゴ糖、デキストリン等の単糖、二糖又は多糖類;ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール;ハチミツ、水あめ、メープルシロップ等の液糖;その他甘味料が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
前記の糖類の中でも特に、トレハロース及び/又はデキストリンが好ましく、とりわけトレハロースが好ましい。調味液に用いる糖類の50質量%以上、特に70質量%以上、とりわけ90質量%以上が、トレハロース及び/又はデキストリン、より好ましくはトレハロースのみであると、調理済み食品の保存性の向上に特に効果的である。
【0017】
本発明に係る調味液は通常、少なくとも糖類及び水を含んで構成される。本発明に係る調味液には、本発明の所定の効果が損なわれない範囲で、他の成分を含有させることができる。この他の成分としては、例えば、醤油、塩、味噌、粉末だし、みりん、酒等の調味料が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
調味液を用いた澱粉質食品の加熱調理法は、水分存在下で加熱調理する方法であればよく特に限定されないが、例えば、茹で調理、炒め調理が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。調味液を用いた澱粉質食品の典型的な加熱調理法は茹で調理である。茹で調理は、調味液中に食材たる澱粉質食品の全体あるいは略全体が浸漬した状態でこれを加熱する調理法である。また、炒め調理は、茹で料理よりも少量の調味液を用いて食材を焼く調理法である。
【0019】
澱粉質食品の加熱調理で使用する調味液の量は、加熱調理に供する澱粉質食品の全質量に対して、好ましくは50〜500質量%、さらに好ましくは100〜300質量%である。斯かる調味液の量が少なすぎると、本発明の所定の効果が得られにくい。一方、調味液の量が多すぎる分には官能に影響はなく、本発明の所定の効果は基本的には得られるが、調味液の無駄を減らして澱粉質食品の加熱調理を効率よく行う観点から、調味液の量の上限は前記とするのが好ましい。
【0020】
澱粉質食品を加熱調理する際の加熱条件は、澱粉質食品の種類などによって異なるが、澱粉質食品の加熱調理の好ましい一実施態様として、澱粉質食品の品温(加熱温度)105℃以上の状態を2分以上維持する工程を含むものが挙げられる。斯かる工程を含む加熱調理は、特に澱粉質食品が芋類の場合に有効である。斯かる工程において、澱粉質食品の品温(加熱温度)は、好ましくは105〜120℃であり、その品温を維持する時間(加熱時間)は、好ましくは2〜10分である。
【0021】
澱粉質食品の加熱調理は、その加熱調理時に発生する蒸気により澱粉質食品を加圧しつつ行われることが好ましい。この蒸気は通常、澱粉質食品と共に加熱される調味液の水分に由来するものである。このように澱粉質食品を加圧加熱調理することにより、加圧を行わずに加熱調理するだけの場合に比して、得られる調理済み食品の保存性がより一層向上し得る。澱粉質食品の加圧加熱調理は、密閉可能な容器に澱粉質食品及び調味液を入れて加熱することで行うことができ、該容器として、例えば市販の圧力鍋を用いることができる。
【0022】
前述したように、本発明の調理済み食品の製造方法には、前記加熱調理工程とその後の前記冷凍工程とを含む態様が包含される。斯かる態様における製造目的物は、調理済み食品の冷凍固化物たる冷凍食品である。斯かる態様の製造方法において、前記加熱調理工程によって得られた調理済み食品は、そのまま速やかに次工程の前記冷凍工程に供してもよいが、一定時間静置した後に次工程の前記冷凍工程に供することが好ましい。そうすることで調味液が澱粉質食品の内部に一層浸透し、本発明の所定の効果が一層安定的に奏され得る。この場合、調理済み食品の静置時間は、澱粉質食品の種類などにもよるが、例えば澱粉質食品が芋類の場合は、好ましくは1時間以上、さらに好ましくは3〜24時間である。
【0023】
前記の冷凍工程前の調理済み食品の静置工程は、加熱調理直後の高温状態の調理済み食品を室温(25℃程度)の環境下で放置することによって実施してもよく、あるいは高温状態の調理済み食品を冷蔵庫、流水などの冷却手段で冷却する工程を含んでいてもよい。また、斯かる静置工程は、加熱調理直後の調理済み食品を、該加熱調理に供した調味液ごと密封可能な容器に入れ、該容器を密封して放置することによって実施してもよい。
【0024】
前記冷凍工程において、調理済み食品の冷凍方法は特に限定されず、公知の冷凍手段を用いて行うことができ、例えば、短時間で凍結させる急速冷凍でもよく、比較的ゆっくり凍結させる緩慢冷凍でもよい。冷凍食品の品質面の観点からは、急速冷凍が望ましい。
【0025】
本発明の製造方法によって製造された冷凍食品(調理済み食品の冷凍固化物)は、解凍することによって喫食可能となる。解凍方法は特に限定されず、冷凍食品を加熱せずに室温以下の温度下で放置する自然解凍でもよく、あるいは電子レンジや湯煎、蒸し等の加熱処理を利用した強制解凍でもよい。特に、澱粉質食品が芋類の場合に、その冷凍物たる冷凍食品を自然解凍すると、解凍後の食品の品質低下が顕著となる傾向があるが、本発明によれば、自然解凍をした場合でも、解凍後の食品の品質低下が効果的に抑制され得る。
【実施例】
【0026】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
〔実施例1〜10及び比較例1〜5〕
澱粉質食品として里芋を用い、これを所定の調味液にて加熱調理し、得られた調理済み里芋を冷凍して、冷凍食品たる冷凍里芋を製造した。
具体的には、鍋に調味液材料として、濃口醤油60g、粉末だし6g、水500g及び所定量の糖類を投入・混合して調味液を調製した。糖類として、上白糖(三井製糖株式会社製)、デキストリン(松谷化学工業株式会社製)、トレハロース(株式会社林原製)を用いた。この調味液中に、適当な大きさに予め乱切された市販の冷凍里芋(澱粉質食品)500gを投入し、所定の加熱温度(澱粉質食品の品温)で所定時間加熱調理(茹で調理)した(加熱調理工程)。使用した調味液の量は、冷凍里芋の全質量の130質量%であった。ここでいう「加熱温度(澱粉質食品の品温)」は、加熱調理中の澱粉質食品の中心部の品温であり、データトレース(Micropack III)にて測定した温度である。冷凍里芋の加熱調理法としては、前記鍋として市販の圧力鍋を用いて常法に従って行う「加圧加熱調理」と、圧力鍋を用いずに通常の鍋を用いて加圧せずに加熱だけを行う「単純加熱調理」との2種類を適宜使い分けた。後者の単純加熱調理は、調味液が沸騰してから20分間加熱を行った。加熱調理直後、密封可能なパウチ袋に調理済み里芋を煮汁(調味液)ごと入れて密封し、調理済み里芋の入ったパウチ袋を流水中に投入して粗熱をとった後、そのままの状態で3時間静置した(静置工程)。静置後、パウチ袋を開封して内容物のうちの煮汁を捨て、里芋のみを取り出して、室温−35℃、風速8m/sの環境下で30分以上静置し凍結させた(冷凍工程)。こうして製造された冷凍里芋をパウチ袋に入れ、封をし、庫内温度−20℃の冷凍庫内にてパウチ袋ごと冷凍保存した。
【0028】
〔試験例〕
各実施例及び比較例の冷凍食品(冷凍里芋)を庫内温度−20℃の冷凍庫内にて所定日数(30日、60日又は90日)保存した後、該冷凍庫から取り出して庫内温度5℃の冷蔵庫内に移し、該冷蔵庫内にて6時間以上静置することで、該冷凍食品を自然解凍(非加熱解凍)した。解凍後の食品(里芋)を10名のパネラーに食してもらい、その際の食感を下記評価基準で評価してもらった。その結果を10名のパネラーの評価点(5点満点)の平均点として下記表1に示す。斯かる解凍後の食感の評価が高いほど、当該冷凍食品は保存性に優れると判断できる。
【0029】
(食感の評価基準)
5点:ボソボソ感を感じず、極めて良好な食感。
4点:わずかにボソボソ感を感じるが、おいしく食べることができ、良好な食感。
3点:ボソボソ感を感じるが、商品として問題の無い食感。
2点:ボソボソ感がかなりあり、商品としては支障のある食感。
1点:ボソボソ感しか感じられず、食べることに抵抗のある食感。
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示す通り、各実施例は、調味液における糖類の含有量が25質量%以上であることに起因して、該含有量が25質量%に満たない各比較例に比して、冷凍保存期間が90日にわたるような長期間であっても冷凍食品たる冷凍里芋の解凍後の食感に優れていた。
また、実施例1〜4どうしの対比から、調味液に含有される糖類については、実施例1のように、トレハロースの単独使用が特に好ましいことがわかる。
また、実施例1、5、6どうしの対比から、加熱調理における加熱時間は2〜5分程度が特に好ましいことがわかる。
また、実施例8と実施例9との対比から、実施例8のように、加熱調理は加熱温度(澱粉質食品の品温)を105℃以上とし且つ加圧を伴うことが好ましいことがわかる。