【解決手段】自己診断用のシリアル信号を第1の変換部に供給し、パルス信号受信部によって受信されたパルス信号に代えて、第1の変換部から出力される自己診断用のシリアル信号に対応する自己診断用のパルス信号を第2の変換部に入力し、第2の変換部から出力される自己診断用のパルス信号に対応するシリアル信号を、シリアル信号送信部を介して外部に送信する。
前記信号出力部は、自己診断に用いる前記第1の信号形式の複数の信号を保持しており、前記命令に応じて、保持している前記複数の信号のうちのいずれかを前記第2の信号として出力する
請求項1に記載の通信回路。
前記第1の信号形式は、シリアル・ペリフェラル・インタフェースにおいて用いられるシリアル信号形式であり、前記第2の信号形式は、第1のパルス列及び第2のパルス列からなるパルス信号形式である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の通信回路。
外部から供給される第1の信号形式の第1の信号を受信する第1の受信部と、前記第1の信号を、前記第1の信号形式とは異なる第2の信号形式の信号に変換して第2の信号として出力する第1の変換部と、前記第2の信号を外部に送信する第1の送信部と、外部から供給される前記第2の信号形式の第3の信号を受信する第2の受信部と、前記第3の信号を、前記第1の信号形式の信号に変換して第4の信号として出力する第2の変換部と、前記第4の信号を外部に送信する第2の送信部と、を含む通信回路における自己診断方法であって、
前記第1の信号形式の自己診断用の信号を前記第1の変換部に供給し、
前記第3の信号に代えて、前記第1の変換部から出力される、前記第2の信号形式に変換された自己診断用の信号を、前記第2の変換部に入力し、
前記第2の変換部から出力される、前記第1の信号形式に更に変換された自己診断用の信号を、前記第2の送信部を介して外部に送信する
自己診断方法。
外部から供給される第1の信号形式の第1の信号を受信する第1の受信部と、前記第1の信号を、前記第1の信号形式とは異なる第2の信号形式の信号に変換して第2の信号として出力する第1の変換部と、前記第2の信号を外部に送信する第1の送信部と、外部から供給される前記第2の信号形式の第3の信号を受信する第2の受信部と、前記第3の信号を、前記第1の信号形式の信号に変換して第4の信号として出力する第2の変換部と、前記第4の信号を外部に送信する第2の送信部と、を含む通信回路における自己診断方法であって、
前記第3の信号に代えて前記第2の信号を前記第2の変換部に入力し、
前記第2の信号が入力された前記第2の変換部から出力される信号と、前記第1の信号とを比較する
自己診断方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。尚、各図面において、実質的に同一又は等価な構成要素又は部分には同一の参照符号を付している。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1の構成を示すブロック図である。通信システム1は、制御装置10、通信回路20、複数の処理装置30A、30B、・・・、30Z及び伝送路50を含んで構成されている。制御装置10、通信回路20、複数の処理装置30A、30B、・・・、30Zは、それぞれ、別々の半導体チップに形成されており、別々の半導体装置として構成されている。
【0018】
制御装置10は、シリアル通信方式の一種であるSPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)通信方式を用いて、処理装置30A〜30Zに対して各種の指令を与える。すなわち、制御装置10はSPI通信方式におけるマスタ装置として機能し、処理装置30A〜30ZはSPI通信方式におけるスレーブ装置として機能する。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータで構成されている。制御装置10は、シリアル信号であるクロック信号SCK、データ信号MOSI、チップセレクト信号CSを用いて処理装置30A〜30Zに対して各種の指令を与える。当該指令に基づいて処理装置30A〜30Zから送信されたデータ信号MISOは、制御装置10によって受信される。
【0019】
クロック信号SCKは、処理装置30A〜30Zの動作タイミングを制御する信号である。すなわち、処理装置30A〜30Zは、クロック信号SCKに同期して動作する。データ信号MOSIは、処理装置30A〜30Zに対する指令を含む。複数の処理装置30A〜30Zを備えたシステムにおいては、データ信号MOSIは、複数の処理装置30A〜30Zのうちのいずれかに対応するアドレスまたはID等の識別情報を含み得る。チップセレクト信号CSは、レベル遷移によって処理装置30A〜30Zをアクティブ状態または非アクティブ状態に移行させる信号である。本実施形態において、チップセレクト信号CSがローレベルに遷移することで処理装置30A〜30Zはアクティブ状態に移行し、チップセレクト信号CSがハイレベルに遷移することで処理装置30A〜30Zは非アクティブ状態に移行する。処理装置30A〜30Zは、チップセレクト信号CSがローレベルを呈する間、アクティブ状態を維持する。
【0020】
制御装置10から出力された、クロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSは、それぞれ、信号線L1、L2及びL3を介して通信回路20に供給される。データ信号MISOは、信号線L6を介して制御装置10に供給される。
【0021】
通信回路20は、変換部21、パルス信号送信部22及びパルス信号受信部23を含んで構成されている。変換部21は、信号線L1〜L3を介して入力されたクロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSに基づいて第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2からなるパルス信号に変換する。パルス信号送信部22は、第1のパルス列P1を信号線L4に送出するとともに、第2のパルス列P2を信号線L5に送出する。このように、制御装置10から出力されるクロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSは、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2からなるパルス信号に変換されて伝送路50を通過する。
【0022】
伝送路50は、通信回路20と初段の処理装置30Aとの間、通信回路20と最終段の処理装置30Zとの間、及び互いに隣接する処理装置間で通信を行うための線路である。伝送路50は、通信元と通信先とを絶縁するための結合素子51を備えており、伝送路50を通過する信号の直流成分が結合素子51によって除去される。結合素子51として、例えば、フォトカプラ、アイソレータ、トランスまたはキャパシタ等を用いることができる。信号線L4に送出された第1のパルス列P1及び信号線L5に送出された第2のパルス列P2は、それぞれ、結合素子51を介して信号線L7及び信号線L8に伝達され、初段の処理装置30Aに供給される。
【0023】
処理装置30A〜30Zは、それぞれ、受信部31、送信部32、変換部33及び処理部34を有する。受信部31は、信号線L7及びL8を介して入力される第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2を受信し、これを変換部33に供給する。
【0024】
変換部33は、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2を、元のクロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSに変換する。すなわち、変換部33は、通信回路20の変換部21において行われた変換処理とは逆の変換処理を行う。変換部33は、変換処理によって復元されたクロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSを処理部34に供給する。
【0025】
処理部34は、変換部33から供給されたクロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSに基づいて所定の処理を行う。すなわち、処理部34は、チップセレクト信号CSがローレベルに遷移することでアクティブ状態となり、クロック信号SCKに同期して、データ信号MOSIに含まれる指令に応じた処理を行う。
【0026】
複数の処理装置は、前段の処理装置の送信部32と、後段の処理装置の受信部31とが接続されている。すなわち、複数の処理装置は、縦列接続されており、処理装置30Aが初段とされ、処理装置30Zが最終段とされている。初段の処理装置30Aの受信部31及び最終段の処理装置30Zの送信部32は、伝送路50を介して通信回路20に接続されている。通信回路20から送信された信号は、伝送路50内の結合素子51を介して初段の処理装置30Aの受信部31によって受信され、最終段の処理装置30Zの送信部32から送信された信号は、伝送路50内の結合素子51を介して通信回路20のパルス信号受信部23によって受信される。初段の処理装置30A及び最終段の処理装置30Z以外の各処理装置は、伝送路50を介して隣接する処理装置に接続されている。例えば、処理装置30Aの送信部32から送信された信号は、伝送路50内の結合素子51を介して処理装置30Bの受信部31によって受信される。
【0027】
以下に、本実施形態に係る通信システム1の動作の一例にについて説明する。制御装置10は、複数の処理装置30A、30B、・・・、30Zのいずれか1つを指定してコマンドを発する。すなわち、制御装置10は、コマンド及び該コマンドを実行する対象を指定するアドレスまたはID等の識別情報をSPI信号のデータ信号MOSIに含め、クロック信号SCK及びチップセレクト信号CSとともに通信回路20に供給する。クロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSは、それぞれ、通信回路20に供給される。
【0028】
通信回路20の変換部21は、制御装置10から受信したクロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSを、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2からなるパルス信号に変換する。変換部21による信号変換の方式として公知の方式を用いることが可能である。例えば、第1のパルス列P1の信号レベルと第2のパルス列P2の信号レベルとの組み合わせによって、クロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSによって示されるデータ及びタイミングを表現する変換方式を用いてもよい。パルス信号送信部22は、変換部21における変換処理によって得られたパルス信号を、処理装置30A〜30Zに供給するべく、第1のパルス列P1を信号線L4に送出し、第2のパルス列P2を信号線L5に送出する。
【0029】
通信回路20から出力された第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2は、初段の処理装置30Aの受信部31によって受信される。初段の処理装置30Aの変換部33は、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2を、クロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSに変換し、変換処理によって得られた各信号を処理装置30Aの処理部34に供給する。処理装置30Aの処理部34は、データ信号MOSIに含まれるアドレスまたはID等の識別情報が自己に対応するものである場合、データ信号MOSIに含まれるコマンドに応じた処理を実行し、データ信号MOSIに含まれる識別情報が自己に対応するものではない場合、データ信号MOSIに含まれるコマンドに応じた処理を実行しない。また、初段の処理装置30Aの変換部33は、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2を変換することなくそのまま処理装置30Aの送信部32に供給する。処理装置30Aの送信部32は、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2を、隣接する後段の処理装置30Bに向けて送信する。
【0030】
初段の処理装置30Aの送信部32から送信された第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2は、後段の処理装置30Bの受信部31によって受信される。処理装置30Bの変換部33は、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2を、クロック信号SCK、データ信号MOSI及びチップセレクト信号CSに変換し、変換処理によって得られた各信号を処理装置30Bの処理部34に供給する。処理装置30Bの処理部34は、データ信号MOSIに含まれる識別情報が自己に対応するものである場合、データ信号MOSIに含まれるコマンドに応じた処理を実行し、データ信号MOSIに含まれる識別情報が自己に対応するものではない場合、データ信号MOSIに含まれるコマンドに応じた処理を実行しない。また、処理装置30Bの変換部33は、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2を変換することなくそのまま処理装置30Bの送信部32に供給する。処理装置30Bの送信部32は、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2を、隣接する後段の処理装置(図示せず)に向けて送信する。
【0031】
このように、制御装置10から発せられたコマンド及び該コマンドの実行対象を指定する識別情報を含む第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2は、初段の処理装置30Aから最終段の処理装置30Zまで順次伝達される。処理装置30A〜30Zの各々の変換部33は、第1のパルス列P1及び第2のパルス列P2からなるパルス信号を元のSPI信号に復元する。処理装置30A〜30Zの各々において、処理部34は、当該処理装置の変換部33によって変換されたデータ信号MOSIに含まれる識別情報が自己に対応するものである場合にのみコマンドを実行する。
【0032】
処理装置30A〜30Zのうち、コマンドの実行対象として指定された処理装置の処理部34は、制御装置10から発せられたコマンドが例えばデータの読み出しである場合、当該コマンドに従ってデータを読み出し、読み出したデータ(以下、読み出しデータという)を当該処理装置の送信部32に供給する。当該処理装置の送信部32は、読み出しデータを隣接する後段の処理装置に向けて送信する。読み出しデータは、複数の処理装置を経由して最終段の処理装置30Zにまで伝送される。
【0033】
最終段の処理装置30Zは、自己の処理部34によって読み出された読み出しデータまたは、前段の処理装置から送信された読み出しデータを自己の送信部32から送信する。最終段の処理装置30Zの送信部32から送信された読み出しデータは、第1のパルス列及び第2のパルスからなるパルス信号の形式で伝送路50に送出される。
【0034】
最終段の処理装置30Zの送信部32から送信された読み出しデータは、伝送路50を介して通信回路20のパルス信号受信部23によって受信される。通信回路20の変換部21は、受信した読み出しデータの形式を、パルス信号の形式からSPI信号の形式に変換する。通信回路20の変換部21は、変換処理によって生成された読み出しデータを含むMISO信号を制御装置10に供給する。
【0035】
図2は、通信回路20の詳細な構成を示すブロック図である。通信回路20は、上記のとおり、パルス信号送信部22、パルス信号受信部及び変換部21を含む。変換部21は、シリアル信号受信部201、第1の変換部202、命令判定部203、選択部204、第2の変換部205、シリアル信号送信部206を含んで構成されている。
【0036】
シリアル信号受信部201は、制御装置10(
図1参照)から出力される、シリアル信号であるSPI信号(クロック信号SCK、データ信号MOSI,チップセレクト信号CS)を受信して、受信したシリアル信号を、第1の変換部202及び命令判定部203に供給する。
【0037】
第1の変換部202は、シリアル信号受信部201から供給されるシリアル信号を、第1のパルス列及び第2のパルス列からなるパルス信号に変換して出力する。
【0038】
パルス信号送信部22は、第1の変換部202から出力されるパルス信号を、伝送路50を介して初段の処理装置30Aに向けて送信する。
【0039】
パルス信号受信部23は、最終段の処理装置30Zから出力され、伝送路50を介して到来する第1のパルス列及び第2のパルス信号列からなるパルス信号を受信する。
【0040】
第1の変換部202から出力されるパルス信号及びパルス信号受信部23から出力されるパルス信号は、選択部204に入力される。選択部204は、命令判定部203から供給される選択指令に基づいて、第1の変換部202から出力されるパルス信号及びパルス信号受信部から出力されるパルス信号のいずれか一方を選択し、選択したパルス信号を出力する。
【0041】
第2の変換部205は、選択部204から出力されるパルス信号をシリアル信号(MISO)に変換して出力する。
【0042】
シリアル信号送信部206は、第2の変換部205から出力されるシリアル信号を制御装置10(
図1参照)に向けて送信する。
【0043】
命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されるシリアル信号が、通信回路20の自己診断を実施すべき命令を含んでいるか否かを判定する。命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されるシリアル信号が、自己診断を実施すべき命令を含んでいると判定した場合、命令判定部203が備えるメモリ(図示せず)に保持している自己診断用のシリアル信号を出力し、これを第1の変換部202に供給する。なお、命令判定部203は、本発明における自己診断用シリアル信号出力部の一例である。
【0044】
第1の変換部202は、命令判定部203から出力された自己診断用のシリアル信号を受信すると、自己診断用のシリアル信号を、第1のパルス列及び第2のパルス列からなるパルス信号に変換して出力する。
【0045】
また、命令判定部203は、シリアル信号受信部201から出力されるシリアル信号が、自己診断を実施すべき命令を含んでいると判定した場合、第1の変換部202から出力されるパルス信号を選択すべき選択指令を選択部204に供給する。一方、命令判定部203は、シリアル信号受信部201から出力されるシリアル信号が、自己診断を実施すべき命令を含んでいないと判定した場合、パルス信号受信部23から出力されるパルス信号を選択すべき選択指令を選択部204に供給する。
【0046】
以下に、通信回路20の動作について説明する。通信回路20は、制御装置10から供給されるシリアル信号(SPI信号)に通信回路20の自己診断を実施すべき命令が含まれていない場合には、通常モードで動作し、制御装置10から供給されるシリアル信号に通信回路20の自己診断を実施すべき命令が含まれている場合には、自己診断モードで動作する。
【0047】
制御装置10は、通信回路20を通常モードで動作させる場合、コマンドの実行対象となる処理装置30A〜30Zのいずれかに対応するアドレスまたはID等の識別情報をシリアル信号(SPI信号)のデータ信号MOSIに含め、クロック信号SCK及びチップセレクト信号CSとともに通信回路20に供給する。一方、制御装置10は、通信回路20を自己診断モードで動作させる場合、処理装置30A〜30Zのいずれにも対応しないアドレスまたはID等の識別情報をシリアル信号(SPI信号)のデータ信号MOSIに含め、クロック信号SCK及びチップセレクト信号CSとともに通信回路20に供給する。
【0048】
制御装置10は、例えば、所定期間毎に通信回路20の動作モードを自己診断モードに移行させてもよい。また、制御装置10は、例えば、処理装置30A〜30Zと制御装置10との間で行われる通信に障害が発生したことを検出した場合に、通信回路20の動作モードを、自己診断モードに移行させてもよい。制御装置10は、例えば、処理装置30A〜30Zに向けて送信したリードコマンドに対する応答がない場合、及びリードコマンドに応じて処理装置30A〜30Zから送信されたデータが異常である場合に通信障害が発生したものと判定し、通信回路20の動作モードを自己診断モードに移行させてもよい。
【0049】
制御装置10から出力されるシリアル信号(SPI信号)は、通信回路20のシリアル信号受信部201によって受信される。ここでは、処理装置30A〜30Zのいずれかにおいて、データの読み出しを行わせるリードコマンドが制御装置10から出力されるシリアル信号に含まれているものとする。シリアル信号受信部201は、受信したシリアル信号を命令判定部203及び第1の変換部202に供給する。
【0050】
命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されたシリアル信号が、処理装置30A〜30Zのいずれにも対応しない識別情報を含むか否かを判定することによって、当該シリアル信号が、通信回路20の自己診断を実施すべき命令を含んでいるか否かを判定する。命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されたシリアル信号が、処理装置30A〜30Zのいずれかに対応する識別情報を含む場合、当該シリアル信号が、通信回路20の自己診断を実施すべき命令を含んでいないものと判定する。この場合、通信回路20の動作モードは、通常モードとなる。以下において、通常モード時の動作について説明する。
【0051】
通常モードにおいて、命令判定部203は、自己診断用のシリアル信号を出力しない。また、通常モードにおいて、命令判定部203は、パルス信号受信部23から出力されるパルス信号を選択すべき選択指令を選択部204に供給する。
【0052】
第1の変換部202は、シリアル信号受信部201によって受信されたシリアル信号を、第1のパルス列及び第2のパルス列からなるパルス信号に変換して出力する。パルス信号送信部22は、第1の変換部202から出力されたパルス信号を、伝送路50を介して初段の処理装置30Aに向けて送信する。
【0053】
通信回路20から送信されたリードコマンドに応じて最終段の処理装置30Zから出力される第1のパルス列及び第2のパルス列からなるパルス信号は、パルス信号受信部23によって受信される。パルス信号受信部23は、受信したパルス信号を選択部204に供給する。
【0054】
選択部204は、命令判定部203から供給される選択指令に基づいて、パルス信号受信部23から供給されるパルス信号、すなわち、最終段の処理装置30Zから出力されたパルス信号を選択し、選択したパルス信号を第2の変換部205に供給する。
【0055】
第2の変換部205は、選択部204から供給された、最終段の処理装置30Zからのパルス信号をシリアル信号(SPI信号)に変換して出力する。
【0056】
シリアル信号送信部206は、第2の変換部205から出力されたシリアル信号(SPI信号)を、制御装置10に向けて送信する。すなわち、制御装置10から発せられたリードコマンドに応じて処理装置から読み出されたデータが、制御装置10に供給される。
【0057】
一方、命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されたシリアル信号が、処理装置30A〜30Zのいずれにも対応しない識別情報を含む場合、当該シリアル信号が、通信回路20の自己診断を実施すべき命令を含んでいるものと判定する。この場合、通信回路20の動作モードは、自己診断モードとなる。以下において、自己診断モード時の動作について説明する。
【0058】
自己診断モードにおいて、命令判定部203は、自身が備えるメモリ(図示せず)に保持している自己診断用のシリアル信号を読み出して、これを第1の変換部202に供給する。また、自己診断モードにおいて、命令判定部203は、第1の変換部202から出力されるパルス信号を選択すべき選択指令を選択部204に供給する。
【0059】
第1の変換部202は、命令判定部203から供給された自己診断用のシリアル信号を、第1のパルス列及び第2のパルス列からなるパルス信号に変換して出力する。
【0060】
なお、第1の変換部202は、自己診断用のシリアル信号の受信前にシリアル信号受信部201から供給される、自己診断を実施すべき命令を含むシリアル信号についてもパルス信号への変換処理を実施してもよい。また、パルス信号送信部22は、第1の変換部202から出力される、自己診断用のシリアル信号に対応するパルス信号、及び自己診断を実施すべき命令を含むシリアル信号に対応するパルス信号の伝送路50への送出を行ってもよいし、停止してもよい。自己診断を実施すべき命令を含むシリアル信号は、処理装置30A〜30Zのいずれにも対応しない識別情報を含むので、当該シリアル信号に対応するパルス信号が処理装置30A〜30Zに受信されたとしても、当該パルス信号は、処理装置30A〜30Zによって無視される。一方、自己診断用のシリアル信号に対応するパルス信号を伝送路50に送出する場合には、自己診断用のシリアル信号は、当該信号によって処理装置30A〜30Zが、誤動作することがないように、処理装置30A〜30Zのいずれにも対応しないアドレスまたはID等の識別情報を含んでいることが好ましい。
【0061】
選択部204は、命令判定部203から供給される選択指令に基づいて、第1の変換部202から供給されるパルス信号、すなわち、自己診断用のシリアル信号に対応するパルス信号を選択し、選択したパルス信号を第2の変換部205に供給する
【0062】
第2の変換部205は、選択部204から供給された、自己診断用のシリアル信号に対応するパルス信号をシリアル信号に変換して出力する。すなわち、自己診断用のシリアル信号に対応するパルス信号が、第2の変換部205によって元のシリアル信号形式(SPI信号形式)に復元される。
【0063】
シリアル信号送信部206は、第2の変換部205によってシリアル信号形式(SPI信号形式)に復元された自己診断用のシリアル信号を、制御装置10に向けて送信する。
【0064】
このように、自己診断モードにおいて、命令判定部203から自己診断用のシリアル信号が出力され、自己診断用のシリアル信号が、第1の変換部202においてパルス信号の形式に一旦変換された後、第2の変換部205においてシリアル信号形式(SPI信号形式)に戻され、シリアル信号送信部206を経由して制御装置10に送られる。
【0065】
制御装置10は、自己診断用のシリアル信号の期待値を保持している。制御装置10は、シリアル信号送信部206から送信された自己診断用のシリアル信号と、自身が保持する期待値とが一致する場合には、通信回路20に故障がないものと判定する。一方、制御装置10は、シリアル信号送信部206から送信された自己診断用のシリアル信号と、自身が保持する期待値とが一致しない場合には、通信回路20に故障があるものと判定する。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る通信回路20によれば、通信回路20が自己診断モードで動作することにより、通信回路20の主要な機能を担う、シリアル信号受信部201、第1の変換部202、第2の変換部205、シリアル信号送信部206における故障の有無を判定することができる。従って、制御装置10と、処理装置30A〜30Zとの間で行われる通信に障害が発生した場合に、当該通信障害が、通信回路20の内部の故障に起因するものなのか、伝送路50または処理装置30A〜30Zの故障に起因するものなのかを、識別することができる。すなわち、通信システム1において通信障害が生じた場合に、通信障害の原因となった故障箇所の特定を容易とすることが可能となる。
【0067】
なお、命令判定部203は、互いに信号パターンが異なる複数の自己診断用のシリアル信号を保持していてもよい。この場合、制御装置10から出力されるシリアル信号に複数の自己診断用のシリアル信号のうちのいずれかを選択する指令を含ませてもよい。複数の処理装置30A〜30Zのうちのいずれにも対応しないアドレスまたはIDを複数設定できる場合には、これら複数のアドレスまたはIDを、複数の自己診断用のシリアル信号を選択するための指令として用いてもよい。また、互いに異なる複数の自己診断用のシリアル信号を用いて通信回路20の自己診断を複数回に亘って行うことで、通信回路20の故障検出の精度を高めることができる。
【0068】
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態に係る通信回路20Aの構成を示すブロック図である。通信回路20Aは、比較部207及び記憶部208を更に含む点において第1の実施形態に係る通信回路20と異なる。それ以外の構成は、第1の実施形態に係る通信回路20と同様である。通信回路20Aを用いて通信システムを構成する場合、
図1に示す通信システム1において、通信回路20を通信回路20Aに置き換える。
【0069】
比較部207には、シリアル信号受信部201から出力されるシリアル信号及び第2の変換部205から出力されるシリアル信号が入力される。比較部207は、シリアル信号受信部201から出力されるシリアル信号と、第2の変換部205から出力されるシリアル信号とを比較して、両者の信号パターンが一致するか否かを判定し、判定結果を記憶部208に格納する。
【0070】
通信回路20Aにおいて、命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されるシリアル信号が、通信回路20Aの自己診断を実施すべき命令を含んでいると判定した場合、第1の変換部202から出力されるパルス信号を選択すべき選択指令を選択部204に供給する。また、命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されるシリアル信号が、通信回路20Aの自己診断を実施すべき命令を含んでいると判定した場合、制御装置10へのシリアル信号の送信を禁止する制御信号を、シリアル信号送信部206に供給する。
【0071】
一方、命令判定部203は、シリアル信号受信部201から出力されるシリアル信号が、通信回路20Aの自己診断を実施すべき命令を含んでいないと判定した場合、パルス信号受信部23から出力されるパルス信号を選択すべき選択指令を選択部204に供給する。
【0072】
以下に、通信回路20Aの動作について説明する。制御装置10から出力されるシリアル信号(SPI信号)は、通信回路20Aのシリアル信号受信部201によって受信される。ここでは、処理装置30A〜30Zのいずれかを対象として、データの書き込みを行うライトコマンドがシリアル信号に含まれているものとする。
【0073】
シリアル信号受信部201は、受信したシリアル信号を、命令判定部203、第1の変換部202及び比較部207に供給する。
【0074】
命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されたシリアル信号が、処理装置30A〜30Zのいずれにも対応しない識別情報を含むか否かを判定することで、当該シリアル信号が、通信回路20の自己診断を実施すべき命令を含んでいるか否かを判定する。
【0075】
命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されたシリアル信号が、処理装置30A〜30Zのいずれかに対応する識別情報を含む場合、当該シリアル信号が、通信回路20Aの自己診断を実施すべき命令を含んでいないものと判定する。この場合、通信回路20Aの動作モードは、通常モードとなる。以下において、通常モード時の動作について説明する。
【0076】
通常モードにおいて、命令判定部203は、パルス信号受信部23から出力されるパルス信号を選択すべき選択指令を選択部204に供給する。
【0077】
第1の変換部202は、シリアル信号受信部201によって受信されたシリアル信号を、第1のパルス列及び第2のパルス列からなるパルス信号に変換して出力する。パルス信号送信部22は、第1の変換部202から出力されたパルス信号を、伝送路50を介して初段の処理装置30Aに向けて送信する。パルス信号送信部22から送信されたパルス信号に含まれるコマンドは、ライトコマンドであるので、当該ライトコマンドに応答して処理装置30A〜30Zからデータ送信がなされることはない。
【0078】
一方、命令判定部203は、シリアル信号受信部201から供給されたシリアル信号が、処理装置30A〜30Zのいずれにも対応しない識別情報を含む場合、当該シリアル信号が、通信回路20Aの自己診断を実施すべき命令を含んでいるものと判定する。この場合、通信回路20Aの動作モードは、自己診断モードとなる。以下において、自己診断モード時の動作について説明する。
【0079】
自己診断モードにおいて、命令判定部203は、第1の変換部202から出力されるパルス信号を選択すべき選択指令を選択部204に供給する。また、自己診断モードにおいて、命令判定部203は、制御装置10へのシリアル信号の送信を禁止する制御信号を、シリアル信号送信部206に供給する。
【0080】
第1の変換部202は、シリアル信号受信部201から供給されたシリアル信号を、第1のパルス列及び第2のパルス列からなるパルス信号に変換して出力する。
【0081】
選択部204は、命令判定部203から供給される選択指令に基づいて、第1の変換部202から供給されるパルス信号を選択し、選択したパルス信号を第2の変換部205に供給する。
【0082】
第2の変換部205は、選択部204から供給されたパルス信号をシリアル信号に変換して出力する。すなわち、シリアル信号受信部201によって受信されたシリアル信号に対応するパルス信号が、元のシリアル信号形式に復元される。第2の変換部205から出力されたシリアル信号は、比較部207及びシリアル信号送信部206に供給される。
【0083】
比較部207は、第2の変換部205から供給されたシリアル信号と、シリアル信号受信部201から供給されたシリアル信号とを比較して、両者の信号パターンが一致するか否かを判定し、判定結果を記憶部208に格納する。
【0084】
シリアル信号送信部206は、命令判定部203から供給された、制御装置10への信号送信を禁止する制御信号に基づいて、第2の変換部205から供給されるシリアル信号の制御装置10への送信を停止する。制御装置10から出力されるシリアル信号に含まれるコマンドが、ライトコマンドである場合、当該ライトコマンドに基づく制御装置10へのデータ送信は想定されていない。従って、通信回路20Aが自己診断モードで動作する場合、制御装置10への信号送信を禁止しておくことが望ましい。
【0085】
以上のように、自己診断モードにおいて、第2の変換部205から出力されたシリアル信号(すなわち、シリアル信号受信部201、第1の変換部202及び第2の変換部205を経由することによって生成されたシリアル信号)と、シリアル信号受信部201から出力されたシリアル信号(すなわち、第1の変換部202及び第2の変換部205を経由しないシリアル信号)とが、比較部207によって比較され、両者の信号パターンが一致するか否かが判定される。両信号は、制御装置10から供給された同一のシリアル信号に基づく信号であるので、両信号のパターンが一致する場合には、シリアル信号受信部201、第1の変換部202及び第2の変換部205に故障がないものと判定することができる。一方、両信号が一致しない場合には、シリアル信号受信部201、第1の変換部202及び第2の変換部205のいずれかに故障があるものと判定することができる。すなわち、通信回路20Aにおける故障の有無の判定結果が、比較部207から出力され、記憶部208に記憶される。
【0086】
制御装置10は、通信回路20Aにおいて自己診断が終了した後、記憶部208に記憶されたデータの読み出しを実施すべき命令を含むシリアル信号を出力する。命令判定部203は、シリアル信号受信部201によって受信されたシリアル信号に、記憶部208に記憶されたデータの読み出しを実施すべき命令が含まれているものと判定した場合には、記憶部208からデータを読み出すべき制御信号をシリアル信号送信部206に供給する。シリアル信号送信部206は、かかる制御信号を受信すると、記憶部208からデータを読み出し、読み出したデータ、すなわち通信回路20Aにおける故障の有無の判定結果を、制御装置10に向けて送信する。
【0087】
以上のように、本実施形態に係る通信回路20Aによれば、通信回路20Aが自己診断モードで動作することにより、通信回路20の主要な機能を担う、シリアル信号受信部201、第1の変換部202及び第2の変換部205における故障の有無を判定することができる。従って、制御装置10と、処理装置30A〜30Zとの間で行われる通信に障害が発生した場合に、当該通信障害が、通信回路20Aの内部の故障に起因するものなのか、伝送路50または処理装置30A〜30Zの故障に起因するものなのかを識別することができる。すなわち、通信システムにおいて通信障害が生じた場合に、通信障害の原因となった故障箇所の特定を容易とすることが可能となる。
【0088】
また、本実施形態に係る通信回路20Aによれば、制御装置10から供給される任意のシリアル信号を用いて通信回路20Aの故障検出を行うことができるので、互いに信号パターンの異なる複数のシリアル信号を故障検出に用いることができ、故障検出の精度を高めることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、比較部207における比較結果を記憶部208に記憶する場合を例示したが、比較部207における比較結果を、シリアル信号送信部206を介して制御装置10に送信してもよいし、比較部207から直接制御装置10に送信してもよい。この場合、記憶部208を省略することができる。
【0090】
[第3の実施形態]
図4は、通信システム1を用いた本発明の実施形態に係る電池監視システム2の構成を示す図である。電池監視システム2は、直列接続された複数の電池セル41を含む組電池40の各電池セル41の状態を監視するシステムである。なお、
図4において、制御装置10及び通信回路20は図示が省略されている。
【0091】
複数の電池セル41は、各々が互いに異なる例えば3つの電池セルを含むように群分けされ、電池セル群42A、42B、・・・、42Zを形成している。初段の処理装置30Aは、最も高電位の電池セル群42Aに対応して設けられ、電池セル群42Aに含まれる電池セル41の各々の状態を監視する。処理装置30Bは、電池セル群42Bに対応して設けられ、電池セル群42Bに含まれる電池セル41の各々の状態を監視する。処理装置30Cは、最も低電位の電池セル群42Zに対応して設けられ、電池セル群42Zに含まれる電池セル41の各々の状態を監視する。なお、処理装置30A〜30Zが監視対象とする電池セル41の数は、適宜増減することが可能である。
【0092】
図5は、処理装置30Aの構成の一例を示すブロック図である。なお、処理装置30B〜30Zの構成も処理装置30Aと同様である。処理装置30Aは、処理部34が、制御部60、セル選択スイッチ61、レベルシフタ62、AD変換器63及び記憶部64を備える。
【0093】
セル選択スイッチ61は、制御部60から供給される制御信号に応じて、自己の監視対象とする電池セル41のうちの1つを選択し、選択した電池セルの正極及び負極の各々の電圧を出力する。レベルシフタ62は、セル選択スイッチ61によって選択された電池セル41の正極電位と負極電位との差分であるセル電圧を、グランド電位を基準としたレベルで出力する。A/D変換器63は、レベルシフタ62から出力されたセル電圧に応じたデジタル値を出力する。記憶部64は、A/D変換器63から出力されるセル電圧のデジタル値を保存しておくための記憶媒体である。
【0094】
制御部60は、変換部33による変換処理によって得られたデータ信号MOSIに含まれるコマンドに応じて、セル選択スイッチ61、レベルシフタ62、AD変換器63及び記憶部64を制御する。
【0095】
以下において、一例として処理装置30Bを対象としてセル電圧のデータの読み出しを指示するコマンドが制御装置10から発せられた場合の動作について説明する。制御装置10から発せられたコマンドは、通信回路20(20A)によってパルス信号に変換され、伝送路50を経由して初段の処理装置30Aに供給される。コマンドは、初段の処理装置30Aから後段の処理装置30Bに伝送され、処理装置30Bからさらに後段の処理装置に伝送される。該コマンドは、最終段の処理装置30Zまで順次伝送される。
【0096】
処理装置30Bは、変換部33における変換処理によって得られたMOSI信号にコマンドと共に含められるアドレスまたはID等の識別情報が自己を指定するものであることを認識すると、処理装置30Bの記憶部64に保存されているセル電圧のデータを読み出し、読み出したデータを、変換部33においてパルス信号に変換した後、送信部32から送信する。
【0097】
処理装置30Bの記憶部から読み出された読み出しデータは、後段の処理装置に順次伝送され、最終段の処理装置30Zに到達する。最終段の処理装置30Zは、処理装置30Bによって読み出されたセル電圧を示す読み出しデータを自身の送信部32から送信する。最終段の処理装置30Zの送信部32から送信された読み出しデータは、伝送路50を介して通信回路20(20A)のパルス信号受信部23によって受信される。通信回路20(20A)の変換部21は、受信した読み出しデータの形式を、パルス信号の形式からシリアル信号(SPI信号)の形式に変換する。通信回路20(20A)の変換部21は、変換処理によって得られた読み出しデータを含むMISO信号を制御装置10に供給する。
【0098】
なお、本実施形態では、処理装置30A〜30Zが電池セル41のセル電圧を測定する場合を例示したが、処理装置30A〜30Zは、電池セル41の温度を測定してもよい。
【0099】
上記の各実施形態に係る通信回路20、20Aにおいて、シリアル信号受信部201は、本発明における第1の受信部の一例である。第1の変換部202は、本発明における第1の変換部の一例である。命令判定部203は、本発明における信号出力部の一例である。選択部204は、本発明における選択部の一例である。第2の変換部205は、本発明における第2の変換部の一例である。パルス信号受信部23は、本発明における第2の受信部の一例である。パルス信号送信部22は、本発明における第1の送信部の一例である。シリアル信号送信部206は、本発明における第2の送信部の一例である。比較部207は、本発明における比較部の一例である。記憶部208は、本発明における記憶部の一例である。