【構成】本発明に係る表示パネルの駆動装置は、第1データラインに印加される第1画素駆動電圧に対応する第1アナログデータと、第2データラインに印加される第2画素駆動電圧に対応する第2アナログデータと、第1のデータラインと第2データラインとに挟まれて配置される第3データラインに対する画素駆動電圧を示すデジタルデータと、に応じて、第3データラインに印加される画素駆動電圧に対応する第3アナログデータを生成する階調電圧補間回路を備える。
前記階調電圧補間回路は、前記第1アナログデータと前記第2アナログデータとに応じて生成される複数の電圧のうちで、前記第3データラインに対する前記画素駆動電圧を示す前記デジタルデータに対応する電圧を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に係る表示パネルの駆動装置を含む表示装置の概略構成を示す図である。
【0014】
図1において、例えば液晶パネルとしての表示パネル20には、液晶層(図示せぬ)と、2次元画面の水平方向に伸張するn個(nは2以上の整数)の水平走査ラインS
1〜S
nと、2次元画面の垂直方向に伸張するm個(mは3以上の整数)のデータラインD
1〜D
mとが設けられている。水平走査ライン及びデータラインの交叉部の領域には、赤色表示を担う赤表示セルP
R、緑色表示を担う緑表示セルP
G、又は青色表示を担う青表示セルP
Bが形成されている。
【0015】
尚、データラインD
1〜D
mのうちで(3・t−2)番目(tは1〜320の自然数)のデータライン、つまりD
1、D
4、D
7、・・・、D
m-2の各々には赤表示セルP
Rが形成されている。また、データラインD
1〜D
mのうちで(3・t−1)番目に配列されているデータライン、つまりD
2、D
5、D
8、・・・、D
m-1の各々には緑表示セルP
Gが形成されている。また、データラインD
1〜D
mのうちで(3・t)番目に配列されているデータライン、つまりD
3、D
6、D
9、・・・、D
mには青表示セルP
Bが形成されている。
【0016】
ここで、
図1に示すように、水平走査ラインS
1〜S
nの各々上において、互いに隣接する3つの表示セル、つまり赤表示セルP
R、緑表示セルP
G及び青表示セルP
Bにて1つの画素PX(破線にて囲まれた領域)が形成される。よって、1水平走査ライン上には(m/3)個の画素PXが並置されている。
【0017】
駆動制御部10は、入力映像データVDに同期した走査制御信号を生成し、これを走査ドライバ11に供給する。尚、入力映像データVDは、各画素に対応した輝度レベルを表す映像データ片の系列からなる。この際、1つの画素PXには、赤色成分の輝度レベルを8ビットで表す映像データ片と、緑色成分の輝度レベルを8ビットで表す映像データ片と、青色成分の輝度レベルを8ビットで表す映像データ片と、からなる3つの映像データ片が対応している。
【0018】
駆動制御部10は、入力映像データVDに基づき、画素毎にその画素に対応した赤表示セルP
R、緑表示セルP
G、及び青表示セルP
B各々の輝度レベルを例えば8ビットで表す映像データ片としての映像データPDを、データドライバ12に供給する。
【0019】
走査ドライバ11は、駆動制御部10から供給された走査制御信号に応じて走査パルスを生成し、これを表示パネル20の水平走査ラインS
1〜S
nに順次択一的に印加する。
【0020】
データドライバ12は、駆動制御部10から供給された映像データPDの系列を取り込む。ここで、1水平走査ライン分の取り込み、つまりm個の映像データPD
1〜PD
mの取り込みが為される度に、データドライバ12は、各映像データPDによって示される輝度レベルに対応した階調電圧を有する画素駆動電圧G
1〜G
mを生成し、夫々に対応したデータラインD
1〜D
mに印加する。
【0021】
図2は、データドライバ12の内部構成を示すブロック図である。
【0022】
シフトレジスタ121は、駆動制御部10から供給された映像データPDの系列を順次取り込む。シフトレジスタ121は、
図3に示すように、1水平走査ライン分の映像データPD
1〜PD
mの取り込みが終了する度に、以下の映像データQD
1〜QD
mをデータラッチ部122に供給する。尚、映像データPD
1〜PD
m中の(3・t−2)番目の映像データPDは赤色の輝度成分を例えば8ビットで表すデータであり、(3・t−1)番目の映像データPDは緑色の輝度成分を例えば8ビットで表すデータであり、(3・t)番目の映像データPDは青色の輝度成分を例えば8ビットで表すデータである。
【0023】
シフトレジスタ121は、映像データPD
1〜PD
mのうちの(6・t−5)番目、(6・t−4)番目及び(6・t−3)番目の映像データPD(第1の映像データ群)に対しては、
図3に示すように、当該映像データPDにて表される8ビットデータをそのまま映像データQDとしてデータラッチ部122に供給する。つまり、シフトレジスタ121は、奇数番目に配置されている画素PXに対応した映像データPDに対しては、この映像データPDをそのまま映像データQDとしてデータラッチ部122に供給する。
【0024】
また、シフトレジスタ121は、映像データPD
1〜PD
mのうちの(6・t−2)番目、(6・t−1)番目及び(6・t)番目の映像データPD(第2の映像データ群)に対しては、当該映像データPD中から例えば下位2ビット分を抽出し、この2ビットからなる映像データQDをデータラッチ部122に供給する。つまり、シフトレジスタ121は、表示パネル20の1水平走査ライン上に並置されている(m/3)個の画素PXのうちの偶数番目に配置されている画素PXに対応した映像データPDの各々から下位2ビット分を抽出し、夫々2ビットからなる映像データQDの各々をデータラッチ部122に供給する。
【0025】
例えば、シフトレジスタ121は、1水平走査ライン上において第2番目に配置されている画素PXに対応した映像データPD
4〜PD
6から以下の映像データQD
4〜QD
6を得て、これらをデータラッチ部122に供給する。つまり、シフトレジスタ121は、映像データPD
4中の下位2ビット分からなる映像データQD
4、映像データPD
5中の下位2ビット分からなる映像データQD
5、映像データPD
6中の下位2ビット分からなる映像データQD
6を、データラッチ部122に供給するのである。
【0026】
データラッチ部122は、シフトレジスタ121から供給された1水平走査ライン分の映像データQD
1〜QD
mを取り込んで、これらを1水平走査期間に亘り保持しつつ、夫々を映像データLD
1〜LD
mとしてレベルシフト部123に供給する。
【0027】
レベルシフト部123は、映像データLD
1〜LD
m各々の値を所定レベルだけレベルシフトして得られた映像データSD
1〜SD
mを階調電圧出力部124に供給する。
【0028】
階調電圧出力部124は、映像データSD
1〜SD
mを個別にその映像データによって表される輝度レベルに対応した階調電圧G
1〜G
mに変換し、当該階調電圧G
1〜G
mを表示パネル20のデータラインD
1〜D
mに印加する。
【0029】
図4は、階調電圧出力部124の内部構成を示すブロック図である。
【0030】
尚、
図4では、階調電圧出力部124を構成する全ての機能モジュールのうちから、映像データSD
1〜SD
12に関与する機能モジュールのみを抜粋して示している。
【0031】
図4において、D/A変換器C1は、映像データSD
1を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応した階調電圧に変換し、これを階調電圧V
1としてアンプA1及び階調電圧補間回路KS1の入力端VAに供給する。
【0032】
D/A変換器C2は、映像データSD
2を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
2としてアンプA2及び階調電圧補間回路KS2の入力端VAに供給する。
【0033】
D/A変換器C3は、映像データSD
3を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
3としてアンプA3及び階調電圧補間回路KS3の入力端VAに供給する。
【0034】
D/A変換器C4は、映像データSD
7を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
7としてアンプA7、階調電圧補間回路KS1の入力端VB、及び階調電圧補間回路KS4の入力端VAに供給する。
【0035】
D/A変換器C5は、映像データSD
8を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
8としてアンプA8、階調電圧補間回路KS2の入力端VB、及び階調電圧補間回路KS5の入力端VAに供給する。
【0036】
D/A変換器C6は、映像データSD
9を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
9としてアンプA9、階調電圧補間回路KS3の入力端VB、及び階調電圧補間回路KS6の入力端VAに供給する。
【0037】
階調電圧補間回路KS1〜KS6は同一の内部構成を有する。
【0038】
図5は、階調電圧補間回路KS1〜KS6各々の内部構成を示すブロック図である。
【0039】
図5において、平均算出部51は、入力端VAに供給された階調電圧と入力端VBに供給された階調電圧との平均値を算出し、この平均値を示す平均階調電圧VMをセレクタ52に供給する。加重平均算出部53は、入力端VAに供給された階調電圧及び入力端VBに供給された階調電圧に対して互いに異なる重みを付けて平均値を算出し、この平均値を示す加重平均階調電圧VWをセレクタ52に供給する。
【0040】
セレクタ52は、選択制御端SSに供給された2ビットの映像データに基づき、入力端VAに供給された階調電圧、入力端VBに供給された階調電圧、平均階調電圧VM、及び加重平均階調電圧VWのうちから1つを選択し、この選択した電圧を出力端Yを介して出力する。
【0041】
例えば、セレクタ52は、選択制御端SSに供給された2ビットの映像データが[00]を示す場合には、入力端VAに供給された階調電圧を選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52は、当該映像データが[01]を示す場合には、平均階調電圧VMを選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52は、当該映像データが[10]を示す場合には、入力端VBに供給された階調電圧を選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52は、当該映像データが[11]を示す場合には、入力端VA及びVBに夫々供給された階調電圧に基づく加重平均階調電圧VWを選択し、これを出力端Yを介して出力する。
【0042】
次に、
図5に示す内部構成を有する階調電圧補間回路KS1〜KS6各々の動作について説明する。
【0043】
階調電圧補間回路KS1は、D/A変換器C1で生成された階調電圧V
1と、D/A変換器C4で生成された階調電圧V
7と、V
1及びV
7に基づく平均階調電圧VMと、V
1及びV
7に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
4に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
4としてアンプA4に供給する。
【0044】
階調電圧補間回路KS2は、D/A変換器C2で生成された階調電圧V
2と、D/A変換器C5で生成された階調電圧V
8と、V
2及びV
8に基づく平均階調電圧VMと、V
2及びV
8に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
5に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
5としてアンプA5に供給する。
【0045】
階調電圧補間回路KS3は、D/A変換器C3で生成された階調電圧V
3と、D/A変換器C6で生成された階調電圧V
9と、V
3及びV
9に基づく平均階調電圧VMと、V
3及びV
9に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
6に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
6としてアンプA6に供給する。
【0046】
階調電圧補間回路KS4は、D/A変換器C4で生成された階調電圧V
7と、階調電圧V
13と、V
7及びV
13に基づく平均階調電圧VMと、V
7及びV
13に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
10に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
10としてアンプA10に供給する。尚、階調電圧V
13は、映像データSD
13をアナログの階調電圧に変換するD/A変換器(図示せぬ)にて生成されたものである。
【0047】
階調電圧補間回路KS5は、D/A変換器C5で生成された階調電圧V
8と、階調電圧V
14と、V
8及びV
14に基づく平均階調電圧VMと、V
8及びV
14に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
11に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
11としてアンプA11に供給する。尚、階調電圧V
14は、映像データSD
14をアナログの階調電圧に変換するD/A変換器(図示せぬ)にて生成されたものである。
【0048】
階調電圧補間回路KS6は、D/A変換器C6で生成された階調電圧V
9と、階調電圧V
15と、V
9及びV
15に基づく平均階調電圧VMと、V
9及びV
15に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
12に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
12としてアンプA12に供給する。尚、階調電圧V
15は、映像データSD
15をアナログの階調電圧に変換するD/A変換器(図示せぬ)にて生成されたものである。
【0049】
アンプA1〜A12は、D/A変換器C1〜C6、階調電圧補間回路KS1〜KS6から供給された階調電圧V
1〜V
12を個別に増幅して得られた階調電圧G
1〜G
12を表示パネル20のデータラインD
1〜D
12に印加する。尚、アンプA1〜A12の各々としては、オペアンプによるボルテージフォロワ回路を採用しても良い。
【0050】
ここで、前述したように、階調電圧出力部124には、映像データSD
13〜SD
mを階調電圧G
13〜G
mに変換する機能ブロックとして、上記したD/A変換器C1〜C6、階調電圧補間回路KS1〜KS6及びアンプA1〜A12と同一の機能ブロックが
図4と同様な形態で形成されている(図示せぬ)。
【0051】
以上のように、階調電圧出力部124では、表示パネル20の1水平走査ラインに沿って並置されている(m/3)個の画素PXのうちの奇数番目に配置されている画素PXに対応した映像データSDに対してだけ、D/A変換器による階調電圧変換処理を施す。つまり、表示パネルの1水平走査ライン分に対応した複数の映像データ片を第1の映像データ群(例えばSD
1〜SD
3、SD
7〜SD
9)及び当該第1の映像データ群とは異なる第2の映像データ群(例えばSD
4〜SD
6、SD
10〜SD
12)に区分けする。そして、D/A変換器(C1〜C6)により、第1の映像データ群に属する映像データ片のみをアナログの電圧値を有する階調電圧(例えばV
1〜V
3、V
7〜V
9)に変換するのである。
【0052】
更に、階調電圧出力部124では、階調電圧補間回路(例えばKS1〜KS6)が、D/A変換器にて生成された階調電圧の各々に基づく補間処理により、第2の映像データ群に属する映像データ片の各々に対応した階調電圧(V
4〜V
6、V
10〜V
12)を得ている。
【0053】
具体的には、階調電圧補間回路の平均算出部(51)が、第1の映像データ群に属する映像データ片各々のうちの1の映像データ片(例えば、SD
1)に基づいてD/A変換器が生成した第1の階調電圧(例えば、V
1)と、第1の映像データ群に属する他の映像データ片(例えば、SD
7)に基づいてD/A変換器が生成した第2の階調電圧(例えば、V
7)と、の平均値を平均階調電圧(VM)として求める。階調電圧補間回路の加重平均算出部(53)が、上記した第1の階調電圧及び第2の階調電圧の加重平均を加重平均階調電圧(VW)として求める。そして、階調電圧補間回路のセレクタ(52)が、第2の映像データ群に属する映像データ片(例えば、SD
4)に基づき、上記した第1の階調電圧、第2の階調電圧、平均階調電圧及び加重平均階調電圧のうちから1つを選択し、これを第2の映像データ群に属する映像データ片に対応した階調電圧(例えば、V
4)として出力するのである。
【0054】
この際、階調電圧補間回路(KS1〜KS6)の回路規模及び電力消費量は、D/A変換器(C1〜C6)の回路規模及び電力消費量に比して小さい。
【0055】
よって、
図4に示す構成によれば、1水平走査ライン分の映像データSD
1〜SD
mの全てに、D/A変換器による階調電圧変換処理を施す場合に比して、回路規模、電力消費量及び発熱量を低減することが可能となる。
【0056】
また、上記した構成では、偶数番目に配置されている画素PXに対応した映像データ片(例えばSD
4〜SD
6、SD
10〜SD
12)のビット数が2ビットであるので、データラッチ部122及びレベルシフト部123の回路規模及び電力消費量が削減される。
【0057】
更に、上記した構成によれば、1水平走査ライン分の映像データPD
1〜PD
mに対応した階調電圧G
1〜G
mを一斉に表示パネル20のデータラインD
1〜D
mに印加することができるので、1水平走査期間内において時分割で階調電圧を印加する場合に比べて動作周波数を低くすることが可能となる。
【0058】
よって、本実施形態によるデータドライバ12によれば、装置規模、電力消費量及び発熱量の低減を図ることが可能となる。
【0059】
尚、上記実施形態において、シフトレジスタ121は、
図3に示すように、偶数番目に配置されている画素PXに対応した映像データPDから下位2ビット分を抽出し、この2ビットからなる映像データQDをデータラッチ部122に供給するようにしているが、映像データPDから抽出するビット数は2ビットに限定されるものではない。例えば、
図6に示すように、シフトレジスタ121は、偶数番目に配置されている画素PXに対応した映像データPDから下位3ビット分を抽出し、この3ビットからなる映像データQDをデータラッチ部122に供給するようにしても良い。この際、3ビットの映像データQDに対応させて、階調電圧補間回路KS1〜KS6の各々として例えば
図7に示す構成を採用する。
【0060】
図7において、平均算出部51は、入力端VAに供給された階調電圧及び入力端VBに供給された階調電圧の平均値を算出し、この平均値を示す平均階調電圧VMをセレクタ52aに供給する。
【0061】
加重平均算出部53aは、入力端VAに供給された階調電圧に例えば0.2の係数を乗算したものと、入力端VBに供給された階調電圧に例えば0.8の係数を乗算したものとの平均値を算出し、この平均値を示す加重平均階調電圧VWaをセレクタ52aに供給する。
【0062】
加重平均算出部53bは、入力端VAに供給された階調電圧に例えば0.3の係数を乗算したものと、入力端VBに供給された階調電圧に例えば0.7の係数を乗算したものとの平均値を算出し、この平均値を示す加重平均階調電圧VWbをセレクタ52aに供給する。
【0063】
加重平均算出部53cは、入力端VAに供給された階調電圧に例えば0.4の係数を乗算したものと、入力端VBに供給された階調電圧に例えば0.6の係数を乗算したものとの平均値を算出し、この平均値を示す加重平均階調電圧VWcをセレクタ52aに供給する。
【0064】
加重平均算出部53dは、入力端VAに供給された階調電圧に例えば0.6の係数を乗算したものと、入力端VBに供給された階調電圧に例えば0.4の係数を乗算したものとの平均値を算出し、この平均値を示す加重平均階調電圧VWdをセレクタ52aに供給する。
【0065】
加重平均算出部53eは、入力端VAに供給された階調電圧に例えば0.8の係数を乗算したものと、入力端VBに供給された階調電圧に例えば0.2の係数を乗算したものとの平均値を算出し、この平均値を示す加重平均階調電圧VWeをセレクタ52aに供給する。
【0066】
セレクタ52aは、選択制御端SSに供給された3ビットの映像データに基づき、入力端VAに供給された階調電圧と、入力端VBに供給された階調電圧と、平均階調電圧VMと、加重平均階調電圧VWa〜VWdのうちから1つを選択し、この選択した電圧を出力端Yを介して出力する。
【0067】
例えば、セレクタ52aは、選択制御端SSに供給された3ビットの映像データが[000]を示す場合には、入力端VAに供給された階調電圧を選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52aは、当該映像データが[001]を示す場合には、平均階調電圧VMを選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52aは、当該映像データが[010]を示す場合には、入力端VBに供給された階調電圧を選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52aは、当該映像データが[011]を示す場合には、加重平均階調電圧VWaを選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52aは、当該映像データが[100]を示す場合には、加重平均階調電圧VWbを選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52aは、当該映像データが[101]を示す場合には、加重平均階調電圧VWcを選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52aは、当該映像データが[110]を示す場合には、加重平均階調電圧VWdを選択し、これを出力端Yを介して出力する。また、セレクタ52aは、当該映像データが[111]を示す場合には、加重平均階調電圧VWeを選択し、これを出力端Yを介して出力する。
【0068】
よって、
図7に示す構成によれば、加重平均階調電圧の種類が加重平均階調電圧VWa〜VWeの5系統となるので、
図5に示すような加重平均階調電圧VWが1系統だけとなる構成を採用した場合に比して、精度の高い階調電圧が得られる。
【0069】
また、上記実施形態においては、奇数番目の画素PXに対応した映像データSDのみにD/A変換器を用いた階調電圧変換処理を施して階調電圧を生成し、この階調電圧に基づき、偶数番目に配置されている画素PXに対応した階調電圧を得ている。しかしながら、偶数番目の画素PXに対応した映像データSDのみにD/A変換器を用いた階調電圧変換処理を施して階調電圧を生成し、この階調電圧に基づき、奇数番目に配置されている画素PXに対応した階調電圧を得るようにしても良い。
【0070】
また、上記実施形態では、1水平走査ライン上において偶数番目又は奇数番目に配置されている画素PX、つまり1水平走査ライン上において1つおきに配置されている画素PXに対応した映像データSDのみにD/A変換器を用いた階調電圧変換処理を施すようにしている。
【0071】
しかしながら、1水平走査ライン上においてk個(kは自然数)おきに配置されている画素PXに対応した映像データSD(第1の映像データ群)のみにD/A変換器による階調電圧変換処理を施すようにしても良い。この際、D/A変換器が生成した階調電圧の各々に基づく補間処理により、その他の映像データSD(第2の映像データ群)に対応した階調電圧を得るのである。
【0072】
図8は、かかる点に鑑みて為された階調電圧出力部124の他の構成を示すブロック図である。
【0073】
図8において、D/A変換器C1aは、映像データSD
1を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応した階調電圧に変換し、これを階調電圧V
1として階調電圧補間回路KS1a及びKS4a各々の入力端VAと、アンプA1に供給する。
【0074】
D/A変換器C2aは、映像データSD
2を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
2として階調電圧補間回路KS2a及びKS5a各々の入力端VAと、アンプA2に供給する。
【0075】
D/A変換器C3aは、映像データSD
3を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
3として階調電圧補間回路KS3a及びKS6a各々の入力端VAと、アンプA3に供給する。
【0076】
D/A変換器C4aは、映像データSD
10を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
10として階調電圧補間回路KS1a及びKS4a各々の入力端VBと、アンプA10に供給する。
【0077】
D/A変換器C5aは、映像データSD
11を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
11として階調電圧補間回路KS2a及びKS5a各々の入力端VBと、アンプA11に供給する。
【0078】
D/A変換器C6aは、映像データSD
12を、その8ビットデータにて表される輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換し、これを階調電圧V
12として階調電圧補間回路KS3a及びKS6a各々の入力端VBと、アンプA12に供給する。
【0079】
階調電圧補間回路KS1a〜KS6aの各々は、例えば
図5又は
図7に示す構成を有する。
【0080】
階調電圧補間回路KS1aは、D/A変換器C1aで生成された階調電圧V
1と、D/A変換器C4aで生成された階調電圧V
10と、V
1及びV
10に基づく平均階調電圧VMと、V
1及びV
10に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
4に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
4としてアンプA4に供給する。
【0081】
階調電圧補間回路KS2aは、D/A変換器C2aで生成された階調電圧V
2と、D/A変換器C5aで生成された階調電圧V
11と、V
2及びV
11に基づく平均階調電圧VMと、V
2及びV
11に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
5に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
5としてアンプA5に供給する。
【0082】
階調電圧補間回路KS3aは、D/A変換器C3aで生成された階調電圧V
3と、D/A変換器C6aで生成された階調電圧V
12と、V
3及びV
12に基づく平均階調電圧VMと、V
3及びV
12に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
6に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
6としてアンプA6に供給する。
【0083】
階調電圧補間回路KS4aは、D/A変換器C1aで生成された階調電圧V
1と、D/A変換器C4aで生成された階調電圧V
10と、V
1及びV
10に基づく平均階調電圧VMと、V
1及びV
10に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
7に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
7としてアンプA7に供給する。
【0084】
階調電圧補間回路KS5aは、D/A変換器C2aで生成された階調電圧V
2と、D/A変換器C5aで生成された階調電圧V
11と、V
2及びV
11に基づく平均階調電圧VMと、V
2及びV
11に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
8に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
8としてアンプA8に供給する。
【0085】
階調電圧補間回路KS6aは、D/A変換器C3aで生成された階調電圧V
3と、D/A変換器C6aで生成された階調電圧V
12と、V
3及びV
12に基づく平均階調電圧VMと、V
3及びV
12に基づく加重平均階調電圧VWとのうちから、選択制御端SSに供給された映像データSD
9に基づく1つを選択し、これを階調電圧V
9としてアンプA9に供給する。
【0086】
アンプA1〜A12は、D/A変換器C1a〜C6a、階調電圧補間回路KS1a〜KS6aから供給された階調電圧V
1〜V
12を個別に増幅して得られた階調電圧G
1〜G
12を表示パネル20のデータラインD
1〜D
12に印加する。
【0087】
上記したように、
図8に示す構成では、1水平走査ライン上において2個おきに配置されている画素PXに対応した映像データ片(例えば、SD
1〜SD
3、SD
10〜SD
12)のみにD/A変換器(C1a〜C6a)による階調電圧変換処理を施すことにより、当該映像データ片に対応した階調電圧(例えばV
1〜V
3、V
10〜V
12)を生成する。そして、D/A変換器が生成した階調電圧の各々に基づく補間処理により、その他の映像データ片(例えば、SD
4〜SD
9)に対応した階調電圧(例えばV
4〜V
9)を得るのである。
【0088】
よって、階調電圧出力部124として
図8に示す構成を採用すれば、1水平走査ライン分のm個の画素データSD
1〜SD
mに対して(m/3)個のD/A変換器を設ければ良い。従って、1水平走査ライン分のm個の画素データSD
1〜SD
mに対して(m/2)個のD/A変換器が必要となる
図4に示す構成を採用した場合に比して、データドライバ12内に設けるD/A変換器の回路規模を縮小することが可能となる。これにより、データドライバ12のチップサイズをより小型化し、且つ電力消費量及び発熱量を低減させることが可能となる。
【0089】
尚、上記実施形態においては、映像データ片(PD、QD、LD、SD)のビット数を8ビットとしているが、映像データ片のビット数は8ビットに限定されない。
【0090】
また、
図1に示す表示装置では、各画素に対応した輝度レベルを表す映像データ片の系列からなる入力映像データVDを入力対象としているが、以下のような入力映像データVDを入力対象としても良い。
【0091】
すなわち、入力映像データVDにおける映像データ片の系列中において、上記したD/A変換器による階調電圧変換の対象とはならない画素PXに対応した映像データ片を、階調電圧指定データ片に変更したものを入力対象とするのである。尚、階調電圧指定データ片とは、前述したセレクタ52又は52aが選択する階調電圧を指定するデータである。
【0092】
例えば、階調電圧出力部124として
図4に示す構成を採用した場合には、
図9に示すフォーマットを有する入力映像データVDが
図1に示す表示装置の入力対象となる。
【0093】
図9に示す入力映像データVDには、表示パネル20の水平走査ライン上における奇数番目の各画素PX(第1の画素群)に対応させて、夫々が例えば8ビットからなる映像データPD
1〜PD
3、PD
7〜PD
9、PD
13〜PD
15、・・・、PD
m-2〜PD
mの系列が配置されている。更に、入力映像データVDには、水平走査ライン上における偶数番目の各画素PX(第2の画素群)に対応させて、夫々が例えば2ビットからなる階調電圧指定データSQ
4〜SQ
6、SQ
10〜SQ
12、・・・、SQ
m-5〜PD
m-3の系列が配置されている。
【0094】
図9に示す入力映像データVDが入力された場合、データドライバ12のシフトレジスタ121は、1水平走査ライン分の入力映像データVDの取り込みが完了する度に、入力映像データVDによる映像データ片(PD)及び階調電圧指定データ片(SQ)の系列を、映像データQD
1〜QD
mとしてデータラッチ122に供給する。
【0095】
これにより、階調電圧出力部124のD/A変換器(例えばC1〜C6)は、上記した第1の画素群に属する画素PXの各々に対応した映像データ片(例えばSD
1〜SD
3、SD
7〜SD
9)の各々をアナログの電圧値に変換し当該電圧値を有する階調電圧(例えばV
1〜V
3、V
7〜V
9)を得る。
【0096】
ここで、階調電圧出力部124の階調電圧補間回路(例えばKS1〜KS6)が、D/A変換器にて生成された階調電圧の各々に基づく補間処理により、第2の映像データ群に属する映像データ片の各々に対応した階調電圧(V
4〜V
6、V
10〜V
12)を得る。すなわち、階調電圧補間回路の平均算出部(51)が、第1の画素群に属する映像データ片各々のうちの1の映像データ片に基づいてD/A変換器が生成した第1の階調電圧と、第1の画素群に属する映像データ片各々のうちの他の映像データ片に基づいてD/A変換器が生成した第2の階調電圧と、の平均値を平均階調電圧として求める。階調電圧補間回路の加重平均算出部(53)は、第1の階調電圧及び第2の階調電圧の加重平均を加重平均階調電圧として求める。そして、階調電圧補間回路のセレクタ(52)が、第2の画素群に属する画素に対応した階調電圧選択データ片に基づき、第1の階調電圧、第2の階調電圧、平均階調電圧及び加重平均階調電圧のうちから1つを選択し、これを第2の画素群に属する画素に対応した階調電圧として出力するのである。