技術分野
この発明は、金属接合体、金属接合体の製造方法、半導体装置および半導体装置の製造方法
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】表面うねりのある金属板を十分な接合強度で接合させ、放熱特性を向上できる金属接合体および金属接合体の製造方法、および絶縁基板上に金属接合体を用いて放熱特性を向上した半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】金属接合体は、第1金属部1および第2金属部2を接合させたものである。第1金属部1と第2金属部2との界面に隙間11が並んでおり、界面での隙間11の割合は、50%以下である。また、半導体装置の電極パターン23は、第1金属部1および第2金属部2を接合させた金属接合体である。
【選択図】図1
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
しかしながら、研磨などで平滑化処理を行った絶縁基板上の薄い銅板と厚い銅板のいずれも表面が平坦でなく、緩く曲がりくねったうねりがある。図15は、従来例にかかる金属接合体の接合前の状態を示す断面図である。図15において、第1金属部31が厚い銅板であり、第2金属部32が薄い銅板であり、第1金属部31、第2金属部32の表面にうねり33が存在している。うねり33の高低差h3は、数μm程度、例えば、0.5μm〜10μmの範囲内である。
ここで、図16は、表面粗さと破断応力との関係を示すグラフである。図16において、横軸は、表面粗さRaを示し、単位はnmである。また、縦軸は、破断応力を示し、単位はMPaである。ここで、表面粗さRaとは、表面の算術平均粗さ(Ra)のことである。また、破断応力とは、材料にせん断応力を与えていき、材料が破断する際の圧力である。図16は銅板と銅板とを直接接合して、破断応力を測定した結果である。
図16に示すように、銅板の表面粗さRaが12nmから300nmへと増加すると破断応力は67MPaから20MPaへと低下する。高低差h3が数μm程度は、表面粗さRaが200nm〜2000nm程度になり、破断応力は20MPa以下となる。実用的な接合強度を得るためには、20MPaより大きな破断応力は必要であり、絶縁基板上の薄い銅板と厚い銅板とを接合させても、十分な接合強度が得られないと推測される。
図17は、従来例にかかる金属接合体の構成を示す断面図である。図17は、図15の第1金属部31と第2金属部32とに、矢印A(図15参照)の方向に圧力を加えて、接合した結果である。図17に示すように、第1金属部31の表面のうねりと第2金属部32の表面のうねりの影響で第1金属部31と第2金属部32とが局部的にしか接合されず、第1金属部31と第2金属部32との界面に隙間が多く存在し、第1金属部31と第2金属部32とが接触する面積が狭くなっている。
このように、従来例では、例えば、第1金属部31と第2金属部32との界面において、隙間の割合(以下、隙間率)が50%より大きい。なお、隙間率は、第1金属部31と第2金属部32との界面における単位面積あたりの隙間の割合を百分率で表したものである。また、隙間率は、第1金属部31と第2金属部32とが接触する面積/(第1金属部31と第2金属部32とが接触する面積+第1金属部31と第2金属部32とが接触しない面積)と表現することもできる。このため、第1金属部31と第2金属部32との接合で、十分な接合強度が得られず、さらに、第2金属部32から第1金属部31への放熱特性も悪くなる。
なお、第1金属部31および第2金属部32の表面にめっき、スパッタリング、蒸着等で平坦化材を積層する表面処理やCMP(化学機械研磨:Chemical Mechanical Polishing)仕上げにより、表面を平坦化することが可能である。この場合、第1金属部31と第2金属部32との接合で、十分な接合強度を得ることができる場合もあるが、製造プロセスが複雑になりコストがかかるという問題がある。
例えば、半導体装置の絶縁基板上の薄い銅板に厚い銅板を接合させた場合、薄い銅板の表面と厚い銅板の表面にうねりがあるため、薄い銅板と厚い銅板との間に隙間が多く存在する。このため、銅板同士の十分な接合強度が得られず、さらに、銅板の放熱特性も悪くなる。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、表面にうねりのある金属板を十分な接合強度で接合させ、放熱特性を向上できる金属接合体および金属接合体の製造方法を提供することを目的とする。さらに、この発明は、絶縁基板上に金属接合体を用いて放熱特性を向上した半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる金属接合体は、次の特徴を有する。第1金属部および第2金属部を接合させた金属接合体であって、前記第1金属部と前記第2金属部との界面に隙間が並んでおり、前記界面での前記隙間の割合は、50%以下である。
【発明の効果】
本発明にかかる金属接合体および金属接合体の製造方法によれば、表面にうねりのある金属板を十分な接合強度で接合させ、放熱特性を向上できるという効果を奏する。また、本発明にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法によれば、絶縁基板上に金属接合体を用いることで放熱特性を向上できるという効果を奏する。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)
この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】実施の形態1にかかる金属接合体の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態1にかかる金属接合体の図1の接合部Aの拡大図である。
【図3】実施の形態1にかかる金属接合体の製造途中の状態を示す断面図である(その1)。
【図4】実施の形態1にかかる金属接合体の製造途中の状態を示す断面図である(その2)。
【図5】実施の形態1にかかる金属接合体の製造途中の状態を示す断面図である(その3)。
【図6】実施の形態1にかかる金属接合体の製造途中の状態を示す断面図である(その4)。
【図7】実施の形態1にかかる金属接合体の製造途中の状態の図5の部分Bの拡大図である。
【図8】図3における多孔板の詳細を示す上面図である。
【図9】実施の形態1にかかる金属接合体を用いたパワー半導体モジュールの構成を示す断面図である。
【図10】実施の形態2にかかる金属接合体の構成を示す断面図である。
【図11】実施の形態2にかかる金属接合体の製造途中の状態を示す断面図である。
【図12】実施例にかかる金属接合体の接合部の観察結果を模式的に示す上面図である。
【図13】従来例にかかる金属接合体の接合部の観察結果を模式的に示す上面図である。
【図14】実施例にかかる金属接合体の接合部の凸部の幅、高さ、間隔と接合強度および隙間率との関係を示す表である。
【図15】従来例にかかる金属接合体の接合前の状態を示す断面図である。
【図16】表面粗さと破断応力との関係を示すグラフである。
【図17】従来例にかかる金属接合体の構成を示す断面図である。
1 第1金属部
2 第2金属部
3 中間金属層
4 多孔板
5 絶縁基板
11 隙間
12 接触部
13 孔
14 凸部
15 凹部
16 面積の広い白い部分
21 パワー半導体チップ
22 絶縁基板
23 電極パターン
24 金属基板
25 端子ケース
26 金属端子
27 金属ワイヤ
28 蓋
29 封止材
31 第1金属部
32 第2金属部
33 うねり
全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録