【解決手段】上下方向に貫通する複数の孔21aが底部21に形成された上容器20と、前記複数の孔21aを通過した排泄物を受ける受け部31を備え、前記上容器20の重力が作用しない下容器30と、前記受け部31が受けた前記排泄物の量の多さに応じて変化する信号を出力する出力部と、前記出力部から出力される前記信号に基づいて前記排泄物の1回ごとの量を検出する制御部と、前記制御部と通信を行う表示部と、を有し、前記制御部は、検出された前記排泄物の1回ごとの量が閾値を超えた場合に、前記表示部を用いて異常であることを通知する動物用トイレ1である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
上下方向に貫通する複数の孔が底部に形成された上容器と、前記複数の孔を通過した排泄物を受ける受け部を備え、前記上容器の重力が作用しない下容器と、前記受け部が受けた前記排泄物の量の多さに応じて変化する信号を出力する出力部と、を有することを特徴とする動物用トイレが明らかとなる。
【0010】
このような動物用トイレによれば、下容器の受け部には複数の孔を通過した排泄物(尿)のみが落下する。よって、出力部から出力される信号に基づいて、この排泄物の量(尿量)を計測することができる。
【0011】
かかる動物用トイレであって、前記受け部には、前記排泄物を吸収する吸収性シートが載置されていることが望ましい。
【0012】
このような動物用トイレによれば、吸収性シートの取り換え時期を判断しやすい。
【0013】
かかる動物用トイレであって、前記下容器を支持する支持部材を備え、前記出力部は、前記支持部材の上に設けられ、且つ、前記下容器の下方に位置することが望ましい。
【0014】
このような動物用トイレによれば、出力部が下容器から受ける力に基づいて排泄物の量を計測することができる。
【0015】
かかる動物用トイレであって、前記下容器には、前記出力部に係合可能な係合部が設けられていることが望ましい。
【0016】
このような動物用トイレによれば、下容器と支持部材との位置ずれや偏りを抑制することができる。
【0017】
かかる動物用トイレであって、前記出力部は、防水加工が施されていることが望ましい。
【0018】
このような動物用トイレによれば、支持部材を水洗いすることができる。
【0019】
かかる動物用トイレであって、前記支持部材には、前記出力部から出力される前記信号に基づいて前記排泄物の量を検出する制御部が設けられていることが望ましい。
【0020】
このような動物用トイレによれば、他の部材(外部端末など)を用いることなく、動物用トイレのみで排泄物の量を計測することができる。
【0021】
かかる動物用トイレであって、前記制御部は、排泄前の前記信号と、排泄後の前記信号との差分を算出することによって、1回ごとの前記排泄物の量を検出することが望ましい。
【0022】
このような動物用トイレによれば、排泄物の量の計測精度を高めることができる。
【0023】
かかる動物用トイレであって、前記上容器には撥水性を有する液透過性粒状物が設置されており、前記制御部は、前記排泄物の量を検出する際に、前記液透過性粒状物に対して予め定められた補正値を加算することが望ましい。
【0024】
このような動物用トイレによれば、排泄物の量の計測精度をさらに高めることができる。
【0025】
かかる動物用トイレであって、前記上容器には、前記制御部の検出結果を表示する表示部が設けられており、前記制御部と前記表示部とが無線により通信可能であることが望ましい。
【0026】
このような動物用トイレによれば、検出結果を視認しやすくすることができる。
【0027】
かかる動物用トイレであって、前記上容器の重量に応じて変化する上容器重量信号を出力する上容器用出力部を、さらに有することが望ましい。
【0028】
このような動物用トイレによれば、計測対象を増やすことができる。
【0029】
かかる動物用トイレであって、前記上容器重量信号に基づいて、動物の体重、又は、前記複数の孔を通過しない排泄物の量の少なくとも一方を検出する上容器用制御部を有することが望ましい。
【0030】
このような動物用トイレによれば、動物の体重や固体の排泄物(糞便)の量を計測することができる。
【0031】
かかる動物用トイレであって、電力を供給するための電池を有することが望ましい。
【0032】
このような動物用トイレによれば、安全性の向上を図ることができる。
【0033】
===第1実施形態===
本発明の実施形態に係る動物用トイレは、例えば室内で飼われる猫等の動物が使用するものである。本明細書中における「動物」とは、猫、犬、ウサギ、ハムスター等のいわゆるペットのみならず、トラやライオンの赤ちゃん等も含む。
【0034】
<動物用トイレ1の全体構成>
図1〜
図5を参照しつつ、動物用トイレ1の構成について説明する。なお、以下の説明において、床プレート40の面の法線方向を上下方向とし、床プレート40に対して上容器20及び下容器30の位置する側を「上」とし、その逆側(床側)を「下」とする。
【0035】
図1は、本発明の第1実施形態に係る動物用トイレ1を示す斜視図である。
図2は、動物用トイレ1の分解説明図である。
図3は、動物用トイレ1を上から見た図である。
図4は、
図3のA−A断面図である。
図5は、
図3のB−B断面図である。なお、
図4以外の図では、上容器20に排泄物処理材24を収容していない状態を示している(排泄物処理材24の図示を省略している)。
【0036】
動物用トイレ1は、上容器20と、下容器30と、床プレート40(支持部材に相当)とを備えている。この動物用トイレ1は、例えば室内の床等の上に設置されて使用されるものである。
【0037】
(上容器20の構成)
上容器20は、上部が開放された容器であり、底部21と、側壁部22とを備えている。
【0038】
底部21は、
図4に示すように、周縁部211と、平面部212と、テーパ面部213とを有している。
【0039】
周縁部211は、平面視で底部21の外周近傍の部分である。
平面部212は、平面視で底部21の略中央に配置され、底部21の高さ方向(上下方向)における最も下方に配置されている。平面部212は、上容器20の略水平方向に延びる面である。平面部212には、複数の貫通孔21aが形成されている。なお、貫通孔21aは、動物の排泄物のうち、尿(液体)は通すが糞便(個体)は通さない大きさに形成されている。
テーパ面部213は、平面部212の周縁から、底部21の周縁部211に向かって上り傾斜となる面である。すなわち、テーパ面部213は、周縁部211から略中央に向かって下り傾斜となる面である。テーパ面部213のテーパ角度は、底部21に対して5度〜60であることが好ましい。テーパ面部213のテーパ角度が5度を下回る程に浅すぎると、動物の尿等を平面部212側へ移動させて、下容器30に誘導することが難しくなる。また、テーパ面部213のテーパ角度が60度を超える程に深すぎると、動物が上容器20に乗った際に、足を安定して乗せる場所が狭くなる。
【0040】
側壁部22は、底部21の周縁部211から起立すると共に、上容器20の外壁を構成する壁面である。側壁部22は、上部壁部221と、延出壁部222とを有する。
上部壁部221は、その下端がテーパ面部213の上端から連続している。そして、上部壁部221は、上容器20の上端部まで延び、上端部で外側に向かって反っている。
延出壁部222は、
図5に示すように、上部壁部221の外面側において、上部壁部221から下方へ延びる部位である。また、
図1及び
図5に示すように、延出壁部222は、下容器30よりも外側に位置している。上容器20の四隅において、延出壁部222は、床プレート40の上面まで延び、足部223を構成している。また、
図1に示すように、延出壁部222は、足部223と足部223との間に、上方へ向かって弧を描くように切り欠かれる切り欠き部224を有している。
【0041】
また、
図4に示すように、上容器20には、粒状の排泄物処理材24(液透過性粒状物に相当)が収容されている。排泄物処理材24は、尿などの液体の動物の排泄物を吸収したり、透過させたりする粒状の処理材であり、いわゆる猫砂である。本実施形態では、排泄物処理材24として、撥水性で多くの液体を吸液部材へ透過させるタイプのものを用いている。これは、液体を吸収するタイプのものでは、尿が吸収されてしまい、尿量を正確に計測するのが困難になるからである。ただし、撥水性のものでも、若干量の尿が吸収され、その量は、排泄物処理材24の種類によって異なる。そこで、本実施形態では、後述するように、尿の量を検出する際に、使用する排泄物処理材24に応じて補正を行うようにしている。
【0042】
また、上容器20の上部壁部221の外面には表示部26が設けられている。表示部26は、床プレート40の制御部42の出力を表示する部位であり、例えば液晶ディスプレイを有している。また、表示部26は、制御部42と無線通信を行う通信部(不図示)、表示内容の切り替えや各種の設定などを行うための入力部(不図示)、電力を供給するための電池(不図示)などを備えている。このように、上容器20に表示部26を設けているので、表示内容を視認しやすい。但し、表示部26の配置はこれに限られない。例えば、表示部26を、下容器30、あるいは、床プレート40に設けてもよい。なお、表示部26を床プレート40に設ける場合、無線ではなく有線にて制御部42と通信するようにしてもよい。
【0043】
(下容器30の構成)
下容器30は、
図2に示すように、上部が開放された容器であり、受け部31と、下部側壁部32と、取手部33とを備えている。
【0044】
受け部31は、上容器20の平面部212の複数の貫通孔21aを通過した排泄物(具体的には尿)を受ける部位である。この受け部31の上には、吸収性シート34が配置されている。吸収性シート34は、動物の液体の排泄物(尿)を吸収可能な部材である。本実施形態の吸収性シート34は、液透過性の表面シートと、液保持性の中間シートと、液不透過性の裏面シートを積層して接合した四角形のシートである。
【0045】
また、受け部31には、係合部35が設けられている。係合部35は、床プレート40上のロードセル41(後述)に係合可能な部位であり、上方に突出するように(底面が窪むように)形成されている。この係合部35は、床プレート40のロードセル41と対応する位置に設けられている。
【0046】
下部側壁部32は、受け部31の周縁から起立する壁である。なお、
図4及び
図5に示すように、本実施形態の動物用トイレ1では、下部側壁部32の上端と上容器20(周縁部211)との間に隙間があり、下部側壁部32は上容器20と接触していない。よって、下容器30には上容器20の重力が作用しないことになる。
【0047】
取手部33は、下部側壁部32の外面に配置されている。取手部33は、下容器30の短手方向の辺に1箇所ずつ、向かい合って計2箇所設けられている。取手部33は、下容器30の外側に突出するように設けられている。
【0048】
(床プレート40の構成)
床プレート40は、床上に設置されて、上容器20及び下容器30を支持する板状の部材である。このため、床プレート40は、
図1に示すように、上容器20の四隅の足部223よりも外側に出るような大きさに設けられている。但し、床プレート40は、少なくとも、下容器30を支持していればよい。つまり、床プレート40が上容器20の四隅の足部223よりも内側に形成されていてもよい。この場合、上容器20の足部223は床上に配置され、上容器20は床に支持されることになる。
【0049】
図2に示すように、床プレート40には、ロードセル41と制御部42が設けられている。
【0050】
ロードセル41は、加えられた力を電気信号に変換して出力するセンサーである。ロードセル41は、床プレート40の上に設けられており、且つ、下容器30の下方に位置している。このため、ロードセル40は、下容器30から受ける力に応じた信号を出力する。換言すると、ロードセル41は、下容器30の受け部31が受けた排泄物(貫通孔21aを通過した尿)の量の多さに応じて変化する信号を出力する。本実施形態のロードセル41は、円柱(コラム)形状の圧縮型のものであり、床プレート40上に間隔をあけて4個配置されている。そして、これら4個のロードセル41には下容器30から均等に力が加えられる。
【0051】
また、
図4及び
図5に示すように、各ロードセル41は、下容器30の係合部35と係合している。これにより、下容器30と床プレート40との位置ずれや偏りを抑制することができる。また、
図5に示すように、下容器30の受け部31の下面と、床プレート40の上面との間には隙間がある。これにより、下容器30の重力がロードセル41のみに作用することになる。また、床プレート40上のロードセル41及び制御部42は、防水加工が施されている。これにより、下容器30と床プレート40とを分離して、床プレート40を水洗いすることができる。
【0052】
制御部42は、不図示の信号線によりロードセル41と接続されており、ロードセル41から出力される信号に基づいて尿量を検出する。前述したように、制御部42は、上容器20の表示部26と無線にて通信可能であり、尿量の検出結果を表示部26に表示させる。
【0053】
図6は、制御部42の構成の一例を示すブロック図である。
制御部42は、通信部421と、記憶部422と、処理部423と、電池424とを有している。
【0054】
通信部421は、表示部26の通信部との間で無線による通信を行う部位である。
【0055】
記憶部422は、RAM、ROMなどから構成されており、各種のデータやプログラムを記憶する部位である。本実施形態の記憶部422には、尿量検出プログラム、排泄物処理材24と関連付けられた補正値、尿量検出結果データ、1回あたりの尿量の閾値などが記憶されている。
【0056】
処理部423は、CPUなどで構成されており各種の演算を行う部位である。例えば、処理部423は、記憶部422に記憶された尿量検出プログラムを実行して尿量の検出の演算処理を行う。
【0057】
電池424は、床プレート40の各部(制御部42及びロードセル41)に電力を供給するための電池である。本実施形態では電池424として小型のボタン電池を用いている。電池424は、使い切りタイプの電池(一次電池)でもよいし、充電することで繰り返し使用できるタイプの電池(二次電池)でもよい。なお、電池424を用いずに、家庭用コンセントなどの外部電源からコードを介して電力を供給するようにしてもよいが、その場合、動物がコードに引っ掛かったり感電したりするおそれがある。これに対し、本実施形態の動物用トイレ1では、電池424を用いているので、安全性の向上を図ることができる。
【0058】
本実施形態では、制御部42を床プレート40の上面に設けているが、制御部42の配置はこれに限られない。例えば、床プレート40の内部に制御部42を設けてもよい。その場合、電池424は、制御部42とは別に(交換可能な位置に)設けることが望ましい。
【0059】
<動物用トイレ1による尿量測定の動作>
次に、動物用トイレ1による尿量測定の動作について説明する。
【0060】
まず、予め、上容器20に収容した排泄物処理材24の種類を設定しておく。この設定は、表示部26の入力部(ボタンなど)で実行できるようになっている。排泄物処理材24を示すデータは、表示部26から無線にて制御部42に送信され、制御部42の通信部421で受信される。制御部42の処理部423は、そのデータに基づき、記憶部422を参照し、上容器20の排泄物処理材24に関連づけられた補正値を設定する。
【0061】
猫等の動物が、上容器20の底部21上に排尿すると、その尿は、粒状の排泄物処理材24間の隙間及び貫通孔21aを通って、下方の下容器30の受け部31へ落下する。なお、動物の糞便は貫通孔21aを通らないので、底部21上に留まる。すなわち、尿のみが下容器30に落下することになる。そして、落下した尿は受け部31の吸収性シート34に吸収される。これにより、吸収性シート34の重量が増加する(すなわち、ロードセル41が下容器30から受ける力が増加する)。そして、ロードセル41は、下容器30から受けた力に応じた信号を出力する。
【0062】
図7は、ロードセル41の出力信号の時間変化の一例を示す図である。
図7の横軸は時間であり、縦軸は重量(ロードセル41の出力信号に対応した量)である。
【0063】
時間taまでは重量がWaでほぼ一定である。この重量Waは、下容器30の重量と吸収性シート34(吸収された尿も含む)の重量との加算値である。このように重量に変化がないとき、制御部42は待機モード(スリープモード)になっている。時間taの直前で動物が動物用トイレ1に来て排尿する。これにより時間taで尿が下容器30の受け部31(吸収性シート34)に落下し、重量が増え始める(ロードセル41の出力信号が変化する)。制御部42は、その変化を検出すると、待機モードから通常モードに切り替わり、重量(尿量)測定を開始する。時間ta〜tbでは、ほぼ一定の割合で重量が増えている。そして、時間tbで重量がWbとなり、その後、重量が変化しなくなる(ロードセル41の出力信号が変化しなくなる)。所定期間重量の変化が無いと判断すると、制御部42は、重量測定を終了する。
【0064】
そして、制御部42の処理部423は、重量が増え始めたときの重量Wa(排尿前のロードセル41の出力信号)と、重量の増加が止まった時の重量Wb(排尿後のロードセル41の出力信号)との差分(Wb−Wa)を算出する。この差分が、1回あたりの排尿により排出された尿量に相当する。
【0065】
また、処理部423は上記差分に、排泄物処理材24に対して予め設定された補正値を加算する。これにより、尿量をさらに正確に算出できる。そして、制御部42は、検出結果を上容器20の表示部26に表示させる。
【0066】
しばらく動物が排尿しなければ、水分の蒸発などにより、重量は次第に減るが、動物が排尿すると重量は再度増加する。この場合も、重量が増加する前のロードセル41の出力信号と、増加が止まった時のロードセル41の出力信号の差分を算出する。これにより、1回ごとの尿量の計測精度を高めることができる。また、その差分に補正値を加算することで、尿量の計測精度をさらに高めることができる。この繰り返しにより、制御部42は、1回ごとの尿量を検出し、表示部26に表示させる。こうすることで、尿量に症状が現れる病気の早期発見が可能になる。例えば、尿量が多くなる慢性腎不全の早期発見が可能になる。なお、制御部42が、1回ごとの検出結果(尿量)と、記憶部422に記憶された閾値との比較を行なうようにしてもよい。そして、尿量が閾値を超えた場合、例えば、表示部26を発光させたり、スピーカー(不図示)などから警報音を発生させたりして、異常であることを通知させるようにしてもよい。こうすることで、異常の発見が容易になる。
【0067】
また、1回ごとの尿量の検出結果は、記憶部422に記憶されており、処理部423は、記憶部422を参照して、1回ごとの尿量を加算した累積尿量も算出できる。本実施形態の表示部26は、設定(入力部による表示内容の切り替え)に応じて、累積尿量も表示できる。これにより、吸収性シート34の取り換え時期を容易に判断することができる。また、尿量の変化履歴を表示することで、動物の体調管理を行うこともできる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の動物用トイレ1は、上下方向に貫通する複数の貫通孔21aが底部21に形成された上容器20と、複数の貫通孔21aを通過した尿を受ける受け部31を備え、上容器20の重力が作用しない下容器30と、受け部31が受けた尿の量の多さに応じて変化する信号を出力するロードセル41と、を有している。これにより、糞便の重量と尿の重量を混同せずに、尿量のみを計測することができる。また、尿量を計測することにより、尿量に症状の現れる病気(慢性腎不全など)を早期に発見したり、尿を吸収する吸収性シート34の交換時期を判断しやすくしたりすることができる。
【0069】
===第2実施形態===
第2実施形態では、上容器の重量も測定する。この測定により、動物の体重や糞便の重量を検出することができる。以下図面を参照しつつ、第2実施形態の動物用トイレ1について説明する。なお、第1実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0070】
図8は、第2実施形態の床プレート40´の斜視図である。
図9は、第2実施形態の動物用トイレ1の断面図である。なお、
図9は、第1実施形態の
図5と同じ箇所の断面を示している。
【0071】
第2実施形態の動物用トイレ1は、上容器20´と、下容器30と、床プレート40´とを備えている。
【0072】
上容器20´は第1実施形態の上容器20とほぼ同様の構成である。但し、
図9に示すように、上容器20´の4隅の足部223には、後述するロードセル43と係合する係合部226が設けられている。
【0073】
床プレート40´には、
図8に示すように、ロードセル41と制御部42に加え、ロードセル43(上容器用出力部に相当)と上容器用制御部44が設けられている。ロードセル43及び上容器用制御部44は、ロードセル41及び制御部42と同様に、防水加工が施されている。
【0074】
ロードセル43は、床プレート40´の上面において、ロードセル41よりも外側(具体的には、上容器20の足部223の係合部226と対向する位置)に設けられている。そして、上容器20´を床プレート40´上に配置するときは、上容器20´の4つの足部223の係合部226を、それぞれ、ロードセル43に係合させる。これにより、上容器20´の重力がロードセル43のみに作用する。そして、ロードセル43は、上容器20´の重量に応じて変化する信号(上容器重量信号に相当)を出力する。このように、第2実施形態では、床プレート40´にロードセル41とロードセル43が設けられているので、第1実施形態よりも検出対象を増やすことができる。
【0075】
上容器用制御部44は、制御部42とほぼ同様の構成であり、不図示の信号線を介してロードセル43と電気的に接続されている。そして、上容器用制御部44は、ロードセル43の出力信号に基づいて、動物の体重、又は、糞便の量の少なくとも一方を検出する。
【0076】
例えば、動物が排泄するために動物用トイレ1(上容器20´)に乗ると、ロードセル43の出力信号が変化する。この変化後の値と変化前の値との差分により動物の体重を検出することができる。なお、このとき、下容器30には、上容器20´の重力が作用しないので、ロードセル41の出力信号には変化が生じない。
【0077】
また、動物の糞便は上容器20´の貫通孔21aを通らないため、上容器20´の底部21に留まる。よって、動物が動物用トイレ1(上容器20´)から離れた後のロードセル43の出力信号と、動物が動物用トイレ1(上容器20´)に乗る前のロードセル43の出力信号との差分から糞便の量を検出することができる。
【0078】
上容器用制御部44は、上記の検出結果を表示部26に送信し、表示部26に表示させる。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、制御部42は、ロードセル41の出力信号に基づいて尿量の検出を行ない、その検出結果を表示部26に表示させる。このように第2実施形態では、尿量以外に、動物の体重や糞便の量も計測することができる。すなわち、第1実施形態よりも計測対象を増やすことができる。
【0079】
なお、本実施形態では、制御部42と上容器用制御部44を別体に設けていたが、これらを一体に構成してもよい。そして、一つの制御部で、全ての処理を行うようにしてもよい。その場合、例えば、動物が動物用トイレ1に乗ったが排尿しなかったということがわかる。これにより、下部尿路疾患特有の現象を発見することができる。
【0080】
また、上記のように、動物が動物用トイレ1に乗ったが排尿しなかったということを検出する場合、ロードセル43ではなく他のセンサーを設けてもよい。例えば、上容器20´の側壁部22の内面上部の対向する位置に赤外線センサーの発光部と受光部を設けてもよい。この場合も動物が動物用トイレ1(上容器20´)に乗ると赤外線を遮るので、排泄に来たことがわかる。この結果と、尿量の検出結果と組み合わせることにより、動物が動物用トイレ1に乗ったが排尿しなかったということを検出できる。
【0081】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【0082】
上記の実施形態では、動物用トイレ1は、受け部31が下容器30に設けられているタイプ(上容器を下容器にかぶせるタイプ)のものであったが、これには限られない。例えば、下容器に対してトレイ(受け部)を出し入れするタイプの動物用トイレに適用してもよい。
【0083】
また、上記の実施形態では、動物用トイレ1には制御部(制御部42、上容器用制御部44)や表示部26が設けられていたが、これには限られない。例えば、外部端末(パソコン、携帯端末など)に制御部や表示部が設けられていてもよい。そして、各ロードセルの出力信号を外部端末に送信して、外部端末にて計測や表示を行なうようにしてもよい。
【0084】
また、上記の実施形態では、ロードセル41、及び、ロードセル43は円柱形状であったが、これには限られない。例えば、シート状のものや円環状のものなど、他の形状のロードセルであってもよい。